JP2003276054A - 射出成形用金型と射出成形品の製造方法 - Google Patents

射出成形用金型と射出成形品の製造方法

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JP2003276054A
JP2003276054A JP2002079239A JP2002079239A JP2003276054A JP 2003276054 A JP2003276054 A JP 2003276054A JP 2002079239 A JP2002079239 A JP 2002079239A JP 2002079239 A JP2002079239 A JP 2002079239A JP 2003276054 A JP2003276054 A JP 2003276054A
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convex portion
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Koji Hamano
濱野浩二
Isao Yamamoto
山本功
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Nissha Printing Co Ltd
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Nissha Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可動型の凹部から射出成形品を脱型しやすい
だけでなく、転写層のインキクラックや転写材の破れが
発生しない射出成形用金型を提供する。 【解決手段】 射出成形品に凸部を形成するための凹部
Bを有する可動型1と固定型2との間に基体シート上に
転写層を備えた転写材13を配置し、可動型1と固定型
2との型閉めにより形成した成形用空間3内に成形樹脂
を注入して凸部を有する射出成形品を形成すると同時
に、少なくとも射出成形品の凸部に転写層を一体化接着
させるための射出成形用金型において、凹部Bの深さD
が0.1〜0.4mm、凹部断面における4箇所のコー
ナー部の曲率半径Rが0.1〜0.4mm、可動型抜き
勾配Aが92〜120°である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、携帯通話機器の
上蓋や下蓋などの外装部品、電子応用玩具の表面部品や
外装部品、炊飯器入力部パネルや自動車内外装パネル、
パチンコ台の外枠などに加飾するための射出成形用金型
と射出成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、携帯電話の上蓋に文字や図形を形
成する場合に、射出成形法が用いられている。この成形
法において用いられる射出成形用金型は、次のような構
成をしている。 (1)射出成形品に凸部を形成するための凹部を有する
可動型と固定型との間に基体シート上に転写層を備えた
転写材を配置し、可動型と固定型との型閉めにより形成
した成形用空間内に成形樹脂を注入して凸部を有する射
出成形品を形成すると同時に、少なくとも射出成形品の
凸部に転写層を一体化接着させるための射出成形用金型
がある。この金型によって、射出成形品に凸文字などが
形成される(図2参照)。以下、このタイプの射出成形
用金型を「凸文字形成用」の射出成形用金型という。 (2)射出成形品に溝部を形成するための凸部を有する
可動型と固定型との間に基体シート上に転写層を備えた
転写材を配置し、可動型と固定型との型閉めにより形成
した成形用空間内に成形樹脂を注入して溝部を有する射
出成形品を形成すると同時に、少なくとも射出成形品の
溝部に転写層を一体化接着させるための射出成形用金型
がある。この金型によって、射出成形品に溝部や凹文字
などが形成される(図4、図5、図6参照)。以下、こ
のタイプの射出成形用金型を「凹文字形成用」の射出成
形用金型という。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の技
術は、次のような課題があった。凸文字形成用の射出成
形用金型では、可動型の凹部の深さD(mm)と、曲率
半径R(mm)、可動型抜き勾配A(°)の各要素をエ
ンドユーザーのデザイン指定が変わるごとに、それぞれ
バランスをとって調節しなければ、次のような問題が発
生していた。凹文字形成用の射出成形用金型においても
同様であった。エンドユーザーのデザイン指定が、可動
型の凹部の深さ(凸部の高さ)Dが大で、曲率半径Rと
可動型抜き勾配Aとが小の傾向にあるときは、可動型の
凹部から射出成形品を脱型しにくく、しかも、急角度の
コーナー部に成形樹脂を押し込むことになるため、転写
層のインキクラック、転写材のしわや破れが発生してい
た。なお、脱型とは、可動型の凹部から射出成形品を抜
き出すことをいう。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記課題を
解決するためにつぎのようにした。この発明の射出成形
用金型は、射出成形品に凸部を形成するための凹部を有
する可動型と固定型との間に基体シート上に転写層を備
えた転写材を配置し、可動型と固定型との型閉めにより
形成した成形用空間内に成形樹脂を注入して凸部を有す
る射出成形品を形成すると同時に、少なくとも射出成形
品の凸部に転写層を一体化接着させるための射出成形用
金型において、凹部の深さDが0.1〜0.4mm、凹
部断面における4箇所のコーナー部の曲率半径Rが0.
1〜0.4mm、可動型抜き勾配Aが92〜120°で
あることを特徴とする。また、この発明の射出成形用金
型は、可動型の凹部が、射出成形品の凸部によって文字
を形成するための凹部となっているものでもよい。ま
た、この発明の射出成形用金型は、射出成形品に溝部を
形成するための凸部を有する可動型と固定型との間に基
体シート上に転写層を備えた転写材を配置し、可動型と
固定型との型閉めにより形成した成形用空間内に成形樹
脂を注入して溝部を有する射出成形品を形成すると同時
に、少なくとも射出成形品の溝部に転写層を一体化接着
させるための射出成形用金型において、凸部の高さDが
0.1〜0.4mm、凸部断面における4箇所のコーナ
ー部の曲率半径Rが0.1〜0.4mm、可動型抜き勾
配Aが92〜120°であることを特徴とする。また、
この発明の射出成形用金型は、可動型の凸部が、射出成
形品の溝部によって文字を形成するための凸部となって
いるものでもよい。この発明の射出成形品の製造方法
は、上記した射出成形用金型を用いる製造方法であっ
て、まず、固定型と可動型との間に基体シート上に転写
層を備えた転写材を配置し、次に、可動型と固定型との
型閉めにより形成した成形用空間内に成形樹脂を注入し
て射出成形品を形成すると同時に、射出成形品の表面に
転写材の転写層側を一体化接着させ、次に、可動型と固
定型とを型開きして、射出成形品を可動型および固定型
から脱型する際または脱型した後に転写材から基体シー
トを剥離することを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
【0006】この発明の「凸文字形成用」の射出成形用
金型の説明をする。
【0007】この発明の「凸文字形成用」の射出成形用
金型は、射出成形品に凸部を形成するための凹部を有す
る可動型と固定型との間に基体シート上に転写層を備え
た転写材を配置し、可動型と固定型との型閉めにより形
成した成形用空間内に成形樹脂を注入して凸部を有する
射出成形品を形成すると同時に、少なくとも射出成形品
の凸部に転写層を一体化接着させるための射出成形用金
型において、凹部の深さDが0.1〜0.4mm、可動
型の凹部断面における4箇所のコーナー部の曲率半径R
が0.1〜0.4mm、可動型抜き勾配Aが92〜12
0°であることを特徴とする。なお、深さとは、型底1
1から凹部Bの開口面5までの距離をいう(図1参
照)。また、曲率半径とは、型底11における2箇所
と、凹部Bにおける開口縁10の2箇所との計4箇所に
おける各曲率半径のことをいう(図1参照)。可動型抜
き勾配とは、凹部Bの開口面5に対する凹部Bの側面に
おけるストレート部6の傾きのことをいう(図1参
照)。なお、ストレート部が存在しない場合は、型底1
1における断面曲線と開口縁10における断面曲線の変
曲点における接線の勾配のことをいう。
【0008】この発明の「凸文字形成用」の射出成形用
金型は、凹部Bを有する可動型1と固定型2とからなる
射出成形用金型である。可動型1の凹部Bは、射出成形
品8に凸部15を形成するためのものであって、型底1
1における2箇所と凹部Bにおける開口縁10の2箇所
との計4箇所にコーナー部4を有する。凹部Bの形状と
しては、文字、図形、記号、模様などがある。
【0009】固定型2としては、可動型1の凹部Bを覆
う大きさの凹部を有するものがある(図1参照)。固定
型2は、凹部の型底11あるいは凹部の側面に射出口1
2を有する。射出口12は、可動型1と固定型2とを型
閉めすることにより形成された成形用空間3内に、溶融
された成形樹脂を注入する口である。成形樹脂の射出に
より、両金型間に配置された転写材13に圧力をかけて
可動型1の凹部の隅々にまで確実に転写材13を密着さ
せるようにする。固定型2の凹部は固定型抜き勾配を有
するのが好ましい。固定型2の凹部における固定型抜き
勾配Bの範囲は、1〜10°である(図示せず)。
【0010】この発明の射出成形用金型においては、凹
部Bの深さDが0.1〜0.4mm、可動型1の凹部断
面における4箇所のコーナー部4の曲率半径Rが0.1
〜0.4mm、可動型抜き勾配Aが92〜120°であ
ることを特徴とする。
【0011】凹部Bの深さD、可動型1の凹部断面にお
ける4箇所のコーナー部4の曲率半径R、可動型抜き勾
配Aの各数値の説明をする。深さDは、0.1〜0.4
mmである。0.1mmより小さいと、曲率半径Rや可
動型抜き勾配Aを形成すること自体が困難であり、段差
が目立ちにくくなり文字の浮き出た状態を認識しにくく
なるからである。0.4mmより大きいと、射出成形品
8を可動型1から脱型しにくくなる。また、転写材の屈
曲や延伸が大きくなり、転写層にインキクラックが発生
し、転写材にしわや破れが発生しやすくなるからであ
る。深さDは、0.2mmが特に好ましい。他の要素
(曲率半径、可動型抜き勾配)との兼ね合いで、上記不
具合を最も発生しにくいからである。また、曲率半径R
は、0.1〜0.4mmである。0.1mmより小さい
と、曲率を有する部分において、成形樹脂の樹脂圧によ
りフィルムが伸ばされ過ぎて、転写層14にインキクラ
ックが発生し、さらには転写材13が破れてしまいやす
くなるからである。0.4より大きいと、コーナー部が
なだらかになりすぎて文字の浮き出た状態を認識しにく
くなるからである。曲率半径Rは、0.15mmが特に
好ましい。他の要素(深さD、可動型抜き勾配A)との
兼ね合いで、上記不具合を最も発生しにくいからであ
る。また、可動型抜き勾配Aの範囲は、92〜120°
である。92°より小さいと、転写材の屈曲や延伸が大
きくなり、転写層にインキクラックが発生し、転写材に
しわや破れが発生しやすくなるからである。120°よ
り大きいと、傾斜が緩くなりすぎて文字の浮き出た状態
を認識しにくくなるからである。特に110°が好まし
い。他の要素(深さD、曲率半径R)との兼ね合いで、
上記不具合を最も発生しにくいからである。以上の結
果、特に好ましい組合せは、凹部Bの深さDが0.2m
m、可動型1の凹部断面における4箇所のコーナー部4
の曲率半径Rが0.15mm、可動型抜き勾配Aが11
0°の組み合わせである。
【0012】この発明の「凹文字形成用」の射出成形用
金型の説明をする。
【0013】この発明の「凹文字形成用」の射出成形用
金型は、射出成形品に溝部9を形成するための凸部を有
する可動型1と固定型2との間に基体シート上に転写層
を備えた転写材13を配置し、可動型1と固定型2との
型閉めにより形成した成形用空間内に成形樹脂を注入し
て溝部9を有する射出成形品8を形成すると同時に、少
なくとも射出成形品8の溝部9に転写層14を一体化接
着させるための射出成形用金型において、凸部の高さD
が0.1〜0.4mm、可動型1の凸部断面における4
箇所のコーナー部4の曲率半径Rが0.1〜0.4m
m、可動型抜き勾配Aが92〜120°であることを特
徴とする。なお、高さとは、型底11から凸部Aの頂部
7までの高さのことをいう(図3参照)。また、曲率半
径とは、型底11の2箇所と凸部Aの頂部7の2箇所の
計4箇所における各曲率半径のことをいう(図3参
照)。可動型抜き勾配とは、型底11に対する凸部Aの
側面におけるストレート部6の傾きのことをいう(図3
参照)。なお、ストレート部が存在しない場合は、型底
11における断面曲線と頂部7における断面曲線の変曲
点における接線の勾配のことをいう。
【0014】この発明の「凹文字形成用」の射出成形用
金型は、射出成形品8に溝部9を形成するための凸部A
を有する可動型1と固定型2とからなる射出成形用金型
である。可動型1の凸部Aは、射出成形品8に溝部9を
形成するためのものであって、型底11の2箇所および
凸部Aの頂部7の2箇所、の計4箇所にコーナー部4を
有する。凸部Aの形状としては、文字、図形、記号、模
様などがある。
【0015】固定型2としては、可動型1の凸部Aを覆
う大きさの凹部Bを有するものがある。固定型2の凹部
Bは固定型抜き勾配Bを有するのが好ましい。固定型2
の凹部Bにおける固定型抜き勾配Bの範囲は、1〜10
°である(図示せず)。
【0016】固定型2は、凹部の型底あるいは凹部の側
面に射出口12を有する。射出口12は、可動型1と固
定型2とを型閉めすることにより形成された成形用空間
3内に、溶融された成形樹脂を注入する口である。成形
樹脂の射出により、両金型間に配置された転写材13に
圧力をかけて可動型1のキャビティの隅々にまで確実に
転写材13を密着させるようにする。
【0017】この発明の射出成形用金型においては、凸
部Aの高さDが0.1〜0.4mm、可動型1の凸部断
面における4箇所のコーナー部4の曲率半径Rが0.1
〜0.4mm、可動型抜き勾配Aが92〜120°であ
ることを特徴とする。
【0018】凸部Aの高さD、可動型1の凸部断面にお
ける4箇所のコーナー部4の曲率半径R、可動型抜き勾
配Aの各数値の説明をする。高さDは、0.1〜0.4
mmである。0.1mmより小さいと、曲率半径Rや可
動型抜き勾配Aを形成すること自体が困難となる。ま
た、段差が目立ちにくくなり文字の凹んだ状態を認識し
にくくなるからである。0.4mmより大きいと、射出
成形品8を可動型1から脱型しにくくなる。また、転写
材の屈曲や延伸が大きくなり、転写層にインキクラック
が発生し、転写材にしわや破れが発生しやすくなるから
である。高さDは、0.2mmが特に好ましい。他の要
素(曲率半径、可動型抜き勾配)との兼ね合いで、上記
不具合が最も発生しにくいからである。また、曲率半径
Rは、0.1〜0.4mmである。0.1mmより小さ
いと、曲率を有する部分において、成形樹脂の樹脂圧に
よりフィルムが伸ばされ過ぎて、転写層14にインキク
ラックが発生し、さらには転写材13が破れてしまった
り、転写材13に凸部Aの角が突き刺さったりしやすく
なるからである。0.4mmより大きいと、コーナー部
がなだらかになりすぎて文字の凹んだ状態を認識しにく
くなるからである。曲率半径Rは、0.15mmが特に
好ましい。他の要素(深さD、可動型抜き勾配A)との
兼ね合いで、上記不具合が最も発生しにくいからであ
る。また、可動型抜き勾配Aの範囲は、92〜120°
である。92°より小さいと、転写材の屈曲や延伸が大
きくなり、転写層にインキクラックが発生し、転写材に
しわや破れが発生しやすくなるからである。120°よ
り大きいと、傾斜が緩くなりすぎて文字の凹んだ状態を
認識しにくくなったり、射出成形品に形成される溝部の
開口縁の面積が底部の面積に比べて広がり過ぎて意匠的
に好ましくないものとなったりするからである。特に1
10°が好ましい。他の要素(深さD、曲率半径R)と
の兼ね合いで、上記不具合を最も発生しにくいからであ
る。以上の結果、特に好ましい組合せは、凸部Bの高さ
Dが0.2mm、可動型1の凸部断面における4箇所の
コーナー部4の曲率半径Rが0.15mm、可動型抜き
勾配Aが110°の組み合わせである。
【0019】つぎに、この発明の射出成形用金型を用い
た射出成形品の製造方法を説明する。
【0020】まず、可動型1と固定型2との間に基体シ
ート上に転写層14を備えた転写材13を配置する。可
動型1と固定型2は、凸部15を有する射出成形品8を
形成する場合には、凹部Bを有する可動型1と固定型2
とを用いる。溝部9を有する射出成形品8を形成する場
合には、凸部Aを有する可動型1と固定型2とを用い
る。転写材13は、可動型1の凹部Bまたは凸部Aと固
定型2とで適切な位置で挟み込まれるように配置する。
枚葉の転写材13を1枚づつ送り込んで配置してもよい
し、長尺の転写材13のまま切り取らずに必要部分のみ
を間欠的に連続して送り込んで配置してもよい。長尺の
転写材13を切り取らずに使用する場合、位置決め機構
を有する送り装置を使用して、転写材13と射出成形用
金型との見当が一致するようにするとよい。また、転写
材13を間欠的に送り込む際に、転写材13の位置をセ
ンサーで検出した後に転写材13を可動型1と固定型2
とで固定するようにすれば、常に同じ位置で転写材13
を固定することができ、転写材13の位置ずれが生じな
いので有利である。位置決めが完了した転写材13は、
加熱され、真空吸引されて、可動型1の凸部Aまはた凹
部Bを有するキャビティ面の内面に沿って変形する。枚
葉の転写材13を1枚づつ送り込む場合は、射出成形用
金型内に送り込まれる前に可動型1のキャビティ面に嵌
まり込む形状に変形(プレフォーム)させてから、射出
成形用金型内に送り込み、可動型1のキャビティ面に嵌
め込んで配置することもできる。予備成形は、転写材1
3を真空成形、プレス成形などにより立体形状に変形さ
せることにより行なうとよい。
【0021】次に、型閉めにより成形用空間3を形成
し、成形用空間3内に成形樹脂を注入して射出成形品8
を形成すると同時に射出成形品8の表面に転写材13の
転写層14を一体化接着させる。この発明の射出成形用
金型は、凸文字形成用の場合は、凹部Bの深さD、曲率
半径R、可動型抜き勾配Aが所定の数値を満たし、凹文
字形成用の場合は、凸部Aの高さD、曲率半径R、可動
型抜き勾配Aが所定の数値を満たすので、成形樹脂が注
入されることにより、転写層14のインキクラックや転
写材13のしわや破れなどが発生しない。
【0022】次に、可動型1と固定型2とを型開きし
て、射出成形品8を可動型1および固定型2から脱型す
る際または脱型した後に、転写材13から基体シートを
剥離する。この発明の射出成形用金型は、凸文字形成用
の場合は、凹部Bの深さD、曲率半径R、可動型抜き勾
配Aが所定の数値を満たし、凹文字形成用の場合は、凹
文字形成用の場合は、凸部Aの高さD、曲率半径R、可
動型抜き勾配Aが所定の数値を満たすので、射出成形品
8が可動型1の凹部Bの内面や凸部Aの外面に引っ掛か
らずに容易に脱型できる。なお、溝部9が形成された射
出成形品8としては、図5に示すようなものがある。凸
部15によって凸文字(N)が形成された射出成形品8
としては、図2に示すようなものがある。溝部9によっ
て凹文字(N)が形成された射出成形品8としては、図
4に示すようなものがある。
【0023】成形樹脂としては、アクリル樹脂、ABS
樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポ
リ乳酸樹脂、ポリカーボネート樹脂とABS樹脂とのポ
リマーアロイなどがある。成形樹脂は透光性を有してい
てもよい。
【0024】なお、この発明において用いる転写材13
の基本的な層構成の具体例としては、基体シート、離型
層、剥離層、図柄層、接着層が順次積層されたものがあ
り、剥離層、図柄層、接着層の積層物が転写層14とな
る。基体シートの材質としては、アクリル系樹脂、ポリ
エステル系樹脂などの樹脂シートがある。
【0025】
【発明の効果】この発明の射出成形用金型は、射出成形
品に凸部を形成するための凹部を有する可動型と固定型
との間に基体シート上に転写層を備えた転写材を配置
し、可動型と固定型との型閉めにより形成した成形用空
間内に成形樹脂を注入して凸部を有する射出成形品を形
成すると同時に、少なくとも射出成形品の凸部に転写層
を一体化接着させるための射出成形用金型において、凹
部の深さDが0.1〜0.4mm、可動型の凹部断面に
おける4箇所のコーナー部の曲率半径Rが0.1〜0.
4mm、可動型抜き勾配Aが92〜120°であること
を特徴とする。また、この発明の成形用金型は、射出成
形品に溝部9を形成するための凸部を有する可動型と固
定型との間に基体シート上に転写層を備えた転写材を配
置し、可動型と固定型との型閉めにより形成した成形用
空間内に成形樹脂を注入して溝部9を有する射出成形品
を形成すると同時に、少なくとも射出成形品の溝部9に
転写層を一体化接着させるための射出成形用金型におい
て、凸部の高さDが0.1〜0.4mm、可動型の凸部
断面における4箇所のコーナー部の曲率半径Rが0.1
〜0.4mm、可動型抜き勾配Aが92〜120°であ
ることを特徴とするものである。また、この発明の射出
成形用金型を用いる製造方法は、上記したこの発明の射
出成形用金型を用いて、まず、固定型と可動型との間に
基体シート上に転写層を備えた転写材を配置し、次に、
可動型と固定型との型閉めにより形成した成形用空間内
に成形樹脂を注入して射出射出成形品を形成すると同時
に、射出射出成形品の表面に転写材の転写層側を一体化
接着させ、次に、可動型と固定型とを型開きして、射出
射出成形品を可動型および固定型から脱型する際または
脱型した後に転写材から基体シートを剥離することを特
徴とする。
【0026】したがって、凸文字形成用の射出成形用金
型にあっては、可動型の凹部の深さD、凹部断面におけ
る4箇所のコーナー部の曲率半径R、可動型抜き勾配A
のそれぞれを所定の数値としており、また、凹文字形成
用の射出成形用金型にあっては、可動型の凸部の高さ
D、凸部断面における4箇所のコーナー部の曲率半径
R、可動型抜き勾配Aのそれぞれを所定の数値としてい
るため、エンドユーザーのデザイン指定が、可動型の凹
部の深さ(凸部の高さ)Dが大で、曲率半径Rと可動型
抜き勾配Aとが小の傾向にあるときでも、可動型の凹部
から射出成形品を脱型しやすいだけでなく、転写層のイ
ンキクラックや転写材の破れが発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の射出成形用金型の一例を示す断面図
である。
【図2】この発明の射出成形品の製造方法によって得ら
れる射出成形品の一例を示す断面図である。
【図3】この発明の射出成形用金型の一例を示す断面図
である。
【図4】この発明の射出成形品の製造方法によって得ら
れる射出成形品の一例を示す断面図である。
【図5】この発明の射出成形品の製造方法によって得ら
れる射出成形品の一例を示す斜視図である。
【図6】図5における射出成形品の一部切欠きX−X断
面斜視図である。
【符号の説明】
A 凸部 B 凹部 1 可動型 2 固定型 3 成形用空間 4 コーナー部 5 開口面 6 ストレート部 7 頂部 8 射出成形品 9 溝部 10 開口縁 11 型底 12 射出口 13 転写材 14 転写層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 AD10 AG03 AG28 AH17 AH42 AH59 AR07 AR12 CA11 CB01 CB13 CB19 CK11 CQ01 4F206 AD10 AG03 AG28 AH17 AH42 AH59 AR07 AR12 JA07 JB13 JB19 JQ81

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】射出成形品に凸部を形成するための凹部を
    有する可動型と固定型との間に基体シート上に転写層を
    備えた転写材を配置し、可動型と固定型との型閉めによ
    り形成した成形用空間内に成形樹脂を注入して凸部を有
    する射出成形品を形成すると同時に、少なくとも射出成
    形品の凸部に転写層を一体化接着させるための射出成形
    用金型において、凹部の深さDが0.1〜0.4mm、
    凹部断面における4箇所のコーナー部の曲率半径Rが
    0.1〜0.4mm、可動型抜き勾配Aが92〜120
    °であることを特徴とする射出成形用金型。
  2. 【請求項2】可動型の凹部が、射出成形品の凸部によっ
    て文字を形成するための凹部である請求項1に記載の射
    出成形用金型。
  3. 【請求項3】射出成形品に溝部を形成するための凸部を
    有する可動型と固定型との間に基体シート上に転写層を
    備えた転写材を配置し、可動型と固定型との型閉めによ
    り形成した成形用空間内に成形樹脂を注入して溝部を有
    する射出成形品を形成すると同時に、少なくとも射出成
    形品の溝部に転写層を一体化接着させるための射出成形
    用金型において、凸部の高さDが0.1〜0.4mm、
    凸部断面における4箇所のコーナー部の曲率半径Rが
    0.1〜0.4mm、可動型抜き勾配Aが92〜120
    °であることを特徴とする射出成形用金型。
  4. 【請求項4】可動型の凸部が、射出成形品の溝部によっ
    て文字を形成するための凸部である請求項3に記載の射
    出成形用金型。
  5. 【請求項5】請求項1〜4に記載の射出成形用金型を用
    いる製造方法であって、まず、固定型と可動型との間に
    基体シート上に転写層を備えた転写材を配置し、次に、
    可動型と固定型との型閉めにより形成した成形用空間内
    に成形樹脂を注入して射出成形品を形成すると同時に、
    射出成形品の表面に転写材の転写層側を一体化接着さ
    せ、次に、可動型と固定型とを型開きして、射出成形品
    を可動型および固定型から脱型する際または脱型した後
    に転写材から基体シートを剥離することを特徴とする射
    出成形品の製造方法。
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