JP2010272477A - リチウム二次電池用負極材料およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リチウム二次電池用負極材料として、有機ケイ素化合物と炭素とを含む混合物で被覆された平均粒径20μm以下のSi粒子を用いる。
【選択図】なし
Description
R1 aSi(OR2)b(OH)4-(a+b)・・・(1)
(R1は1価の有機基を表し、R2は炭素数1〜8の低級アルキル基を表す。aは0〜2の整数を表し、bは0〜4の整数を表す。ただし、0≦a+b≦4とする。)で示される1種以上の有機ケイ素化合物前駆体の重縮合により生成された生成物である。
<負極>
本発明において、負極を構成する材料としては、Si粒子を用いて、表面を有機ケイ素化合物と炭素とをボールミリングを用いて被覆する。
R1 aSi(OR2)b(OH)4-(a+b)・・・(1)
(R1は1価の有機基を表し、R2は炭素数1〜8の低級アルキル基を表す。aは0〜2の整数を表し、bは0〜4の整数を表す。ただし、0≦a+b≦4とする。)で示される1種以上の有機ケイ素化合物前駆体の重縮合により生成された生成物である。(1)で示される有機ケイ素化合物前駆体は一般的にゾルゲル法として知られている反応過程、つまりは加水分解、重縮合の過程を経て有機ケイ素化合物を形成する。
本発明において、非水電解液は特に限定されないが、溶媒として、エチレンカーボネート(以下、ECと略す)、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート(以下、DECと略す)、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン等のエステル類や、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、メトキシエトキシエタン等のエーテル類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、ギ酸メチル、酢酸メチル等の極性溶媒を使用することができる。これらの溶媒は単独で使用しても、あるいは2種以上を混合して混合溶媒として使用してもよい。
AlCl4Li(四塩化アルミン酸リチウム)等のリチウム塩が挙げられる。これらは単独で使用しても、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。
本発明のリチウム二次電池の用途は、特に限定されないが、例えば、電子機器に搭載する場合、ノートパソコン、サブノートパソコン、ペン入力パソコン、ポケット(パームトップ)パソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、携帯音楽プレーヤー、電気シェーバー、電子翻訳機、トランシーバー、電動工具、電子手帳、電卓、ICレコーダー、ラジオ、バックアップ電源などが挙げられる。その他民生用として、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、アイロン、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に、各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、他の二次電池や太陽電池と組み合わせることもできる。
以下の手順に従って本発明の実施例1に係るリチウム二次電池を作製した。
<Si微粒子の作製>
250mlの窒化ケイ素製容器にSi粒子(高純度化学研究所製、純度99.999%、粒径75μm)を10g入れ、窒化ケイ素製ボール(φ20mm)を15個を使用して30分間遊星型ボールミルにより大気雰囲気下にてボールミリングを行った。粒子の平均粒径を測定すると、平均粒径18μmであった。
メチルトリテトラエトキシシラン、テトラエトキシシラン、0.01規定塩酸、エタノールを、モル比で1:1:7:9、全量で30gとなるように秤量し、サンプル管内で3時間撹拌し、50℃で30分間乾燥させることで、ゲル状の有機ケイ素化合物を得た。
先に作製したSi微粒子5gと有機ケイ素化合物5g、アセチレンブラック2gを250mlの窒化ケイ素製容器に投入し、さらに1時間、ボールミリングすることで表面が有機ケイ素化合物と炭素で被覆されたSi微粒子を得た。この表面被覆されたSi微粒子を、負極活物質として2g、導電助材として平均粒径6μmであるグラファイト粒子(SFG−6、Timcal)2g、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFと略す。)(KF1000、株式会社クレハ製)1gを溶剤のN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略す。)に混合した後、めのう乳鉢にて混練して分散を行い、負極のペーストを作製した。作製したペーストをバーコーターを用いて負極板集電体である厚み10μmの銅箔の片面に塗工した。塗工した電極は、50℃で20分間大気乾燥後、油圧プレス機を用いてプレスし、塗工部を20mm×20mmの大きさに切り抜き、さらに150℃で8時間真空乾燥することにより負極板を形成した。
この負極板の対極、参照極として金属リチウムを用いて3極式のセルを作製し、50mlのサンプル瓶を用いて電解液1mol/LのLiPF6/EC+DEC(体積比1:2)を充填し、単セルを作成した。
上記単セルを0.001V〜1.5Vの範囲で100mA/gの電流で充放電を反復し、得られた充放電結果を図1に示した。図1の結果に示すとおり、10サイクル時点で66.7%と高い容量維持率を示した。
有機ケイ素化合物の作製方法として、メチルトリテトラエトキシシラン、チタン(IV
)n−ブドキシド、0.01規定塩酸、エタノールを、モル比で4:1:16:19、全量で30gとなるように秤量し、サンプル管内で3時間撹拌し、50℃で30分間乾燥させることで、ゲル状の有機ケイ素化合物を得た。他の作製手順については実施例1と同様とした。図1の結果に示すとおり、10サイクル時点で66.2%と高い容量維持率を示した。
有機ケイ素化合物の作製方法として、メチルトリテトラエトキシシラン、アルミニウムsec−ブトキシド、0.01規定塩酸、エタノールを、モル比で4:1:15:20、全量で30gとなるように秤量し、サンプル管内で3時間撹拌し、50℃で30分間乾燥させることで、ゲル状の有機ケイ素化合物を得た。他の作製手順については実施例1と同様とした。図1の結果に示すとおり、10サイクル時点で68.5%と高い容量維持率を示した。
有機ケイ素化合物の作製方法として、メチルトリテトラエトキシシラン、テトラノルマルプロポキシジルコニウム、0.01規定塩酸、エタノールを、モル比で4:1:16:19、全量で30gとなるように秤量し、サンプル管内で3時間撹拌し、50℃で30分間乾燥させることで、ゲル状の有機ケイ素化合物を得た。他の作製手順については実施例1と同様とした。図1の結果に示すとおり、10サイクル時点で69.4%と高い容量維持率を示した。
未処理のSi粒子(高純度化学研究所製、純度99.999%、粒径75μm)を陰極活物として使用し、実施例1と同様の方法で単セルの組立て、サイクル特性試験を行なった。図1の結果に示すとおり、10サイクル時点で容量維持率が4.9%となった。
250mlの窒化ケイ素製容器にSi粒子(高純度化学研究所製、純度99.999%、粒径75μm)を5g入れ、窒化ケイ素製ボール(φ20mm)を15個を使用して10分間遊星型ボールミルにより大気雰囲気下にてボールミリングを行った。粒子の平均粒径を測定すると、平均粒径30μmであった。
Claims (6)
- リチウム二次電池用負極材料として、有機ケイ素化合物と炭素とを含む混合物で被覆された平均粒径20μm以下のSi粒子を用いることを特徴とするリチウム二次電池用負極材料。
- 有機ケイ素化合物が、下記一般式(1)
R1 aSi(OR2)b(OH)4-(a+b)・・・(1)
(R1は1価の有機基を表し、R2は炭素数1〜8の低級アルキル基を表す。aは0〜2の整数を表し、bは0〜4の整数を表す。ただし、0≦a+b≦4とする。)で示される1種以上の有機ケイ素化合物前駆体の重縮合により生成された生成物であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池用負極材料。 - 有機ケイ素化合物中の全Si原子の5〜90%が、1価の有機基と結合していることを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウム二次電池用負極材料。
- Si粒子上に被覆されている炭素の重量比が、Si粒子に対して10wt%〜50wt%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極材料。
- 有機ケイ素化合物中に、Al、Ti、Zrからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極材料。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極材料の製造方法であって、Si粒子上に有機ケイ素化合物と炭素とを被覆するための方法としてボールミリングを用いることを特徴とするリチウム二次電池用負極材料の製造方法。
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