JP2010272272A - リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】オリビンMn系正極活物質と、オリビンMn系正極活物質に最適な結着剤とを用い、電極の剥離やスラリーのゲル化を防ぎ、エネルギー密度が大きく、レート特性やサイクル寿命に優れたリチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】少なくとも正極活物質及び結着剤を含む正極合材と、正極集電体とから形成されたリチウム二次電池用正極であって、前記正極活物質は、化学式LiMn1−xPO(0.3≦x≦1、Mは、Li、Fe、Ni、Co、Ti、Cu、Zn、Mg、及びZrから選ばれる一種以上の元素)で表されるオリビン型構造を有するリチウム複合酸化物を含み、前記結着剤は、アクリロニトリル系共重合体を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウム二次電池用の正極及びリチウム二次電池に関する。
リチウム二次電池用の正極活物質としては、従来コバルト酸リチウムが主流であり、これを用いたリチウム二次電池が広く用いられている。しかし、コバルト酸リチウムの原料であるコバルトは産出量が少なく高価であり、代替材料が検討されている。代替材料として挙げられているスピネル構造を持つマンガン酸リチウムは、放電容量が十分でなく、高温でマンガンが溶出することが問題となっている。また、高容量が期待できるニッケル酸リチウムは、高温時の熱安定性に課題を有する。
このような理由から、熱安定性が高く安全性に優れるオリビン型リン酸リチウムが正極活物質として期待されている。
しかし、オリビン型リン酸リチウムは、電子伝導性、イオン伝導性に劣るといった欠点を有する。このため、放電容量を十分に取り出すことができないといった課題がある。
このような課題に対し、電子伝導性とイオン伝導性を改善するため、オリビン型リン酸リチウムを小粒径化し、反応面積の増加及び拡散距離の短縮を実現する技術が提案されている。しかし、小粒径化により活物質が高比表面積となるため、活物質、導電助材、及び結着剤の混合物を集電体に塗布した際、活物質同士の密着性、及び集電体と活物質間の密着性に劣る。このため、正極合材層が集電体から剥離するという問題が生じる。
また、オリビン型リン酸リチウムはLiイオンの拡散経路が一次元であるため、Liと異種金属イオン(Fe、Mn、Ni、Coなどのイオン)のサイト交換(カチオンミキシング)が起きると、リチウムイオンの拡散経路が塞がれ、容量が減少する。カチオンミキシングは、ニッケル酸リチウムなど岩塩型構造を取る正極活物質でも指摘されていたが、Li拡散経路が二次元である岩塩型構造の活物質に対し、一次元であるオリビン型リン酸リチウムではその影響が大きい。このため、合成時に過剰のリチウム源を使用し、Liサイトの遮蔽を防ぐ必要がある。このような合成法を経た場合、活物質上にリチウム塩が残存し高アルカリになりやすい。
現在、オリビン型リン酸リチウムの中でオリビンFe(LiFePO)が実用化されている。しかし、オリビンFeは作動電圧が3.4Vと低く、エネルギー密度も低い。これに対して、オリビンMn(LiMnPO)は作動電圧が4.1Vと高く、より大きなエネルギー密度を期待できる。しかし、オリビンMnは、オリビンFeに比べさらに電子伝導性が劣るため、オリビンFeの代替とするには、より高比表面積にして用いる必要がある。また、オリビンMnは、オリビンFeに比べイオン導電性も劣るため、より厳密にカチオンミキシングを防ぐ必要があり、結果としてオリビンFeより高アルカリになりやすい。
リチウム電池用正極の正極活物質として、このような性質を持つオリビンMnを用いる場合には、結着剤の選定が重要である。結着剤として、従来から一般的にリチウム二次電池に用いられているPVDF(ポリフッ化ビニリデン)を用いると、PVDFは密着性、耐アルカリ性に劣るため、電極の剥離やスラリーのゲル化という問題が生じる。純粋なオリビンMnに限らず、マンガンを含むオリビン型リン酸リチウム(以下、オリビンMn系正極活物質と称する)の場合も同様である。この結果、得られた電極は、レート特性(充放電特性)やサイクル寿命が優れなくなってしまう。
オリビン型構造における導電性の高いFeを一定量以上置換すれば、オリビンFeに性質を近づけることができる。この場合、小粒径化や合成時のアルカリ量の条件もオリビンFeに近づけることができ、上記ゲル化や剥離は起き難くなると考えられる。しかし、Mnが少ないためエネルギー密度が低下する。一方、ある一定量以上のMnが含まれると、十分な特性を出すためには、小粒径化や合成時の過剰なLiが必要であり、上記問題が生じる。しかし、これを解決できれば、Mn含有率が高いので、高エネルギー密度が得られる。上記事情は、Feより導電性が劣る他の置換元素でも同様である。
特許文献1には、高pHを示す活物質であるニッケル酸リチウムにおいて、結着剤のゲル化を防ぐためにアクリル系ゴム粒子を結着剤として用いることが提案されている。しかし、オリビンMn系正極活物質は、ニッケル酸リチウムと比べて高比表面積化して用いられるため、耐アルカリ性に優れているだけでなく、密着性にも優れた結着剤が必要である。
密着性に優れた結着剤をオリビン系正極に用いたリチウム二次電池としては、例えば、特許文献2及び特許文献3に開示されている。
特許文献2に開示されている技術は、活物質、導電助材、及び集電体間の導電ネットワークを強固にすることにより、活物質の粒径を大きくしても、すなわち活物質の比表面積を小さくした場合においても、レート特性とサイクル寿命の向上を達成することを目的としている。粒径を大きくすると、電極の充填密度を上げられる利点がある。
しかし、導電性に劣るオリビンMn系正極活物質を用いる場合、たとえ活物質間の導電ネットワークを強固にしたとしても、活物質内の電子伝導性とイオン伝導性が劣るため、粒径が大きいと良好な特性が得られない。このため、小粒径化及び高比表面積化により、電子及びイオンの拡散距離を短くすると同時に、被覆炭素や導電助材との接触面積を増やすことが必要となるという課題がある。
また、特許文献2で用いられているポリアクリロニトリル単体をオリビンMn系正極活物質に対し結着剤として用いる場合は、正極合材の柔軟性が劣る。このため、電極のロールプレス工程及び捲回体作製工程において、電極合材のクラック発生、または電極合材の脱離等の課題が生じる。
特許文献3では、高電圧で充電した際のサイクル寿命の向上を目的とし、活物質としてオリビンFe(LiFePO)を、結着剤としてアクリロニトリル系共重合体を用いる構成が開示されている。LiFePOは、電子伝導性がオリビンMn系正極活物質より大きいため、活物質の小粒径化の必要性は比較的小さく、また安定pHもオリビンMn系正極活物質に比べ低いため、高比表面積による密着性の低下、結着剤のゲル化といった問題は起きにくい。しかし、前述したように、オリビンFeは、作動電圧が3.4VでオリビンMn系正極活物質の作動電圧4.1Vよりも低く、エネルギー密度も低いという課題がある。
以上説明したように、特許文献2、3に開示の技術は、エネルギー密度が高く、高比表面積かつ高アルカリという特徴を持つオリビンMn系正極活物質の特性を引き出す、という課題を解決するものではない。
特開2000−21407号公報 特開2005−251554号公報 特開2007−194202号公報
以上説明したように、リチウム二次電池において、より大きなエネルギー密度を得るには、作動電圧が4.1Vと高いオリビンMn系正極活物質を使う必要がある。しかし、オリビンMn系の正極では、高比表面積、高アルカリとなり、電極の剥離や結着剤のゲル化が課題となるため、結着剤の選定が重要である。
LiFePOのようにMnを含まない、または含有量が少ない正極活物質なら、オリビンMn系正極活物質に比べ、比表面積が小さく、pHも低い。このため、スラリーのゲル化、正極合材の硬化や剥離が起こらない。従って、活物質がオリビン型リン酸リチウムであると、一般的に使用されているようにPVDFを結着剤に用いても、十分に良好な特性が得られる。しかし、LiFePOは低電位であるので、エネルギー密度が小さいという課題がある。
そこで本発明では、オリビンMn系正極活物質と、オリビンMn系正極活物質に最適な結着剤とを用い、電極の剥離やスラリーのゲル化を防ぎ、エネルギー密度が大きく、レート特性やサイクル寿命に優れたリチウム二次電池用正極、及びこの正極を用いたリチウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明によるリチウム二次電池用正極は、以下のような特徴を有する。
少なくとも正極活物質及び結着剤を含む正極合材と、正極集電体とから形成されたリチウム二次電池用正極であって、前記正極活物質は、化学式LiMn1−xPO(0.3≦x≦1、Mは、Li、Fe、Ni、Co、Ti、Cu、Zn、Mg、及びZrから選ばれる一種以上の元素)で表されるオリビン型構造を有するリチウム複合酸化物を含み、前記結着剤は、アクリロニトリル系共重合体を含む。
好ましくは、前記正極合材中に占める前記アクリロニトリル系共重合体の割合は、5〜15質量%である。
前記アクリロニトリル系共重合体は、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルと、化学式CH=CR−CO−O−R(RはHまたはCH、Rは任意のアルキル基)で表されるエステル基を含有するモノマーとの共重合体であるのが望ましい。
また、本発明によるリチウム二次電池は、正極と、負極と、前記正極と前記負極間にセパレータと、電解質とを備え、前記正極が上記のリチウム二次電池用正極であるという特徴を有する。
本発明により、エネルギー密度が大きく、レート特性とサイクル寿命に優れたリチウム二次電池用の正極、及びリチウム二次電池を得ることができる。
本発明によるリチウム二次電池の実施形態の一例である。
本発明では、活物質としてオリビンMn系正極活物質を、結着剤としてアクリロニトリル系共重合体を用いることにより、密着性と柔軟性に優れたリチウム二次電池用正極を得る。また、この正極を用いることにより、エネルギー密度が大きく、レート特性(充放電特性)とサイクル寿命に優れたリチウム二次電池を得ることができる。
以下、本発明によるリチウム二次電池用正極とリチウム二次電池について説明する。図1に、本発明によるリチウム二次電池用正極を適用したリチウム二次電池の例を示す。図1では、円筒型のリチウム二次電池を例示している。本リチウム二次電池は、正極(本発明によるリチウム二次電池用正極)10、負極6、セパレータ7、正極リード3、負極リード9、電池蓋1、ガスケット2、絶縁板4、絶縁板8、及び電池缶5を備える。正極10と負極6は、セパレータ7を間に介して捲回されており、セパレータ7には、電解質を溶媒に溶かした電解質溶液が含浸している。
以下、正極10、負極6、セパレータ7、及び電解質について詳細を述べる。
(1)正極
本発明によるリチウム二次電池用正極は、正極活物質、結着剤、及び集電体で構成され、正極活物質と結着剤とを含む正極合材が、集電体上に形成されている。また、電子伝導性を補うために、必要に応じて導電助材を正極合材に加えることもできる。
以下、本発明による正極を構成する部材である正極活物質、結着剤、導電助材、及び集電体の詳細を説明する。
A)正極活物質
本発明による正極は、オリビンMn系正極活物質を用いる。本発明においてオリビンMn系正極活物質とは、LiMn1−xPO(0.3≦x≦1、Mは、Li、Fe、Ni、Co、Ti、Cu、Zn、Mg、及びZrから選ばれる一種以上の元素)で表されるオリビン構造を有するリチウム複合酸化物である。LiMn1−xPOにおいて、Mが単独でもオリビン型構造を取る元素である場合には、充放電曲線が2段になり、その容量比はMnと置換元素Mとの組成比に従うことが知られている。
もし、xの値が0.3以上であれば、Mが最も充放電電位の低いFeであっても、この正極活物質の理論平均放電電圧が3.6V以上となる。すなわち、現在主流のコバルト酸リチウムの平均放電電圧より高くなり、高電圧で動作する正極活物質として用いることができる。xが0.3より小さく、MがFeであると、高電位正極としての特徴が失われるので望ましくない。また、xの値が0.3以上であれば、Mnの影響から電子伝導性とイオン導電性が劣るため、高比表面積化とLi過剰な条件での合成とが必要である。
このオリビンMn系正極活物質は、炭素と複合化して用いると、欠点である電子伝導性を補うことができ、望ましい。また、電子伝導性とイオン伝導性を改善するために、正極活物質の比表面積は15m/g以上が望ましい。比表面積が15m/gより小さいと、xが0.3以上である活物質においては、十分な電子伝導性とイオン伝導性が得られず、性能が悪くなるためである。また、比表面積が大きすぎると、電極作製時に凝集物が生じて平滑な電極が得られず、また電極の充填密度が低下してエネルギー密度が低下する。このため、正極活物質の比表面積は100m/g以下が望ましい。
このようなオリビンMn系正極活物質に対し、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いると、前述したように、PVDFはもともと密着性に劣るのに加え、耐アルカリ性に劣るため、スラリーのゲル化や正極合材層の硬化を伴い、電極の密着性や柔軟性が低下し、剥離が発生する。このため、得られた電極は、レート特性やサイクル寿命が優れなくなってしまう。そこで、本発明では、次に述べる結着剤を使用する。
B)結着剤
オリビンMn系正極活物質は、前述したように高比表面積化して用いることが必要であり、またLi過剰な条件で合成することが望ましいので、高アルカリになりやすい。発明者らは、このような活物質の特性を良好に引き出すためには、結着剤の特性として、高密着性、耐アルカリ性、及び柔軟性の3点を同時に満たすことが必要であることを新たに見出した。以下に、このような結着剤について詳細を説明する。
1.高密着性
活物質が高比表面積化されると、活物質間の結合に必要な結着剤の量が増えるため、通常の比表面積である活物質の場合と同量の結着剤を用いると、密着性に劣る。結着剤の使用量を増やして活物質間の結合を保ったとしても、活物質間に多量の結着剤が吸着されているため、元来異相であり密着性に劣る活物質層−集電体間で剥離などの問題が生じる。活物質と集電体との密着性を保つために、さらに多量の結着剤を用いると、結着剤が活物質表面を覆うため、Liイオン拡散が阻害され、高比表面積化した利点が得られず特性が低下すると共に、電極のエネルギー密度も低下する。
すなわち、高比表面積である活物質に対しては、結合力が強く、少量でも活物質間及び活物質−集電体間の密着性を保つことができる結着剤が必要である。
2.耐アルカリ性
高アルカリである活物質と、現在一般的に結着剤として用いられているポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを用いて電極を作製すると、活物質のアルカリと反応してPVDFの分子内または分子同士で架橋反応が起こることが指摘されている。高アルカリな活物質として知られている岩塩型構造を有するニッケル酸リチウムを活物質に用いた場合では、塗布後の電極の硬化や保管スラリーのゲル化などの障害が生ずる。さらに、ニッケル酸リチウムに比べ著しく高比表面積であるオリビンMnを正極活物質として用いた場合には、反応面積が大きいため反応速度が大きく、活物質とPVDFを混合してすぐにゲル化するために、電極シート上に均一に塗布することが難しい。
このような理由から、耐アルカリ性に優れた結着剤を用いることが必須である。
3.柔軟性
実際の電池作製工程を考えた場合、結着剤には上記2つの特性に加え、高い柔軟性が必要である。結着剤に柔軟性が不足していると、ロールプレス工程や捲回工程において、正極合材層にクラックが入る、または集電体と正極合材層とが剥離するという問題を生じる。特に、オリビンMn系正極活物質は、高比表面積であるので粉体として充填密度が低く、電池にしたときに十分な容量を得るためには膜厚を大きくする必要がある。厚い合材層を捲回した場合、合材層内または合材層と集電体間の応力差が大きくなるので、クラックや剥離がより生じやすくなる。クラックが生じた電極は、導電ネットワークが崩れ、また集電体からの脱離が起き、性能が低下する。
このため、オリビンMn系正極活物質においては、柔軟性の高い結着剤が必須である。
また、密着性に付随する特性として、膨潤性、保液性がある。
結着剤の膨潤性が高すぎると、結着剤が電解液により膨潤することにより、活物質間、及び活物質−導電助材間の接触が緩くなり、電極合材の導電性が悪くなる。また、膨潤性が低すぎる、すなわち保液性に劣ると、活物質周りの電解液、リチウム塩が不足し、特性が劣化する。膨潤性については、上記2つの要素のバランスが大事であり、コバルト酸リチウムなど岩塩型構造を取る活物質においては、PVDFが結着剤として好適に用いられてきた。
しかし、本発明で用いたオリビンMn系正極活物質は、コバルト酸リチウムなどに比べて比表面積が著しく大きい。このため、コバルト酸リチウムより多量の結着剤が必要であり、PVDFを結着剤に用いた場合には、膨潤による接触劣化、脱離の影響が強く出てしまう。これに対して、膨潤性が低い結着剤を用いた場合は、コバルト酸リチウムでは保液性の低さの影響が出てしまうような場合もあるが、活物質がオリビンMn系正極活物質であれば、活物質自体の比表面積が大きく、活物質の密度も低いため、活物質の周りに十分な電解液を保持でき、電解液が充放電に伴い不足することはない。
以上の理由から、高比表面積の活物質においては、膨潤性が低い結着剤を用いるのが望ましい。
上述したように、オリビンMn系正極活物質には、上記の高密着性、耐アルカリ性、及び柔軟性の3点を同時に満たす結着剤が必要であるという特質がある。この条件を満たし、オリビンMn系正極活物質の特性を良好に引き出す結着剤として、本発明では、アクリロニトリル系共重合体を見出した。アクリロニトリル系共重合体とは、ニトリル基を有する単量体(モノマー)にアクリレート、メタクリレート、スチレン誘導体、ビニル誘導体、カルボン酸などの他種単量体を共重合したものである。アクリロニトリル系共重合体を結着剤としてオリビンMn系正極活物質に用いると、以下の実施例や比較例で詳述するように、従来の結着剤を用いた場合に比べ、顕著な効果を有する。
アクリロニトリルなどニトリル基を有する単量体を重合させた結着剤は、密着性に優れるが、剛直な高分子であるために正極合材層の柔軟性が劣り、前述のクラックや剥離といった問題を生じる。従って、電極にクラックが生じて電極の導電ネットワークが崩れることにより、レート特性が低下し、さらに充放電に伴い剥離が拡大することにより、サイクル寿命にも悪影響を及ぼす。
しかし、ニトリル基を有する単量体と前述した他種単量体とを共重合させることにより柔軟性を付与することができ、このような問題を解決することができる。
アクリレートの例としては、メチルアクリレートやラウリルアクリレートなどのアルキルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートや2−ヒドロキシプロピルアクリレートなどのヒドロキシアクリルアクリレート、及びアミノメチルアクリレートやN,N−ジメチルアミノエチルアクリレートなどのアミノアルキルアクリレートが挙げられる。
メタクリレートの例としては、メチルメタアクリレートやラウリルメタアクリレートなどのアルキルメタアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレートや2−ヒドロキシプロピルメタアクリレートなどのヒドロキシアクリルメタアクリレート、及びアミノメチルメタアクリレートやN,N−ジメチルアミノエチルメタアクリレートなどのアミノアルキルメタアクリレートが挙げられる。
スチレン誘導体の例としては、スチレンビニルトルエン、α―メチルスチレンなどが挙げられる。
ビニル誘導体の例としては、酢酸ビニル、塩化ビニルなどが挙げられる。
カルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。
密着性の向上のためには、ニトリル基を有する単量体は、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルが望ましい。ニトリル基を有する単量体との共重合成分としては、柔軟性向上のために、式1記載のエステル基を含有する単量体が特に望ましい。
CH=CR−CO−O−R (1)
ここで、RはHまたはCHであり、Rは任意のアルキル基である。
結着剤であるアクリロニトリル系共重合体の量は、集電体と活物質間、及び活物質と導電助材間の結合を良好に保つために、5質量%以上が望ましい。結着剤の量が5質量%以上15質量%以下の範囲である電極では、結着剤量が適切であるため、レート特性、サイクル寿命とも良好な特性を示す。
上記範囲より結着剤量が少ない場合は、結着剤が不足し、電極の密着性が劣るため、導電性が十分でなくてレート特性が優れなく、また充放電に伴う正極合材の浮き上がりや脱離が起こるため、サイクル寿命が悪くなる。また、結着剤量が上記範囲より多い場合では、密着性は十分であるためサイクル寿命は悪化しないが、結着剤が過多であり、活物質表面を結着剤が覆ったり、正極合材中に占める非導電物質の割合が増えたりする結果、レート特性が悪化する。
C)導電助材
正極の構成として、上記のような密着性に優れた結着剤を用いると同時に、導電性付与のために導電助材を混合すると、強固な導電ネットワークが形成される。このため、正極の導電性が改善され、容量やレート特性が改善して望ましい。以下に、本発明による正極に用いる導電助材及びその添加量について示す。
導電助材として、アセチレンブラック、黒鉛粉末などの炭素系導電助材を用いることができる。オリビンMn系正極活物質は高比表面積であるため、導電ネットワークを形成するためには導電助材は比表面積が大きいことが望ましく、具体的にはアセチレンブラックなどが望ましい。正極活物質が炭素被覆されている場合もあるが、この場合には、被覆炭素を導電助材として用いることもできる。
導電助材の量(正極活物質が炭素被覆されている場合は、被覆炭素と添加する導電助材との合計量)は、正極合材の5質量%以上10質量%以下であることが望ましい。5質量%より少ないと、活物質間、及び活物質−集電体間の導電性を良好に保てない。また、10質量%より多いと、電極のエネルギー密度が低下する。
D)集電体
集電体としては、アルミ箔など導電性を有する支持体を利用できる。
以上のように、高電位で、レート特性とサイクル寿命とに優れた正極を得るためには、正極活物質としてオリビンMn系正極活物質を用い、結着剤としてはアクリロニトリル共重合体を用い、導電助材(正極活物質が炭素被覆されている場合は、活物質上の被覆炭素も含む)を用いることが望ましい。
(2)負極
本発明によるリチウム二次電池の負極は、負極活物質、導電助材、結着剤、及び集電体で構成される。
負極活物質としては、充放電によりLiを可逆的に挿入脱離できるものならばよく、例えば、炭素材料、金属酸化物、金属硫化物、リチウム金属、及びリチウム金属と他種金属との合金が挙げられる。炭素材料としては、黒鉛、非晶質炭素、コークス、熱分解炭素などを用いることができる。
導電助材には、従来公知のものを任意に用いることができ、アセチレンブラック、黒鉛粉末など炭素系導電助材を用いることができる。結着剤も同様に、従来公知のものを任意に用いることができ、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、SBR(スチレンブタジエンゴム)、NBR(ニトリルゴム)などを用いることができる。集電体も同様に、従来公知のものを任意に用いることができ、銅箔など導電性を有する支持体を利用できる。
(3)セパレータ
セパレータには、従来公知の材料が使用でき、特に制限は無い。ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系多孔質膜や、ガラス繊維シートなどを用いることができる。
(4)電解質
電解質として、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(SOCF、LiN(SOF)などのリチウム塩を単独でまたは混合して用いることができる。リチウム塩を溶解する溶媒としては、鎖状カーボネート、環状カーボネート、環状エステル、ニトリル化合物などが挙げられる。具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメトキシエタン、γ―ブチロラクトン、n−メチルピロリジン、アセトニトリルなどである。
他に、ポリマーゲル電解質や固体電解質も、電解質として使用できる。
以上に示した、正極、負極、セパレータ、及び電解質を用いて、円筒型電池、角型電池、ラミネート型電池など、各種形態のリチウム二次電池を構成することができる。
以下の実施例により、本発明によるリチウム二次電池用正極を詳細に説明する。以下の実施例では、オリビンMn系正極活物質LiMn1−xPOにおいて、MをFeとした場合について述べている。Mとしては、その他に、Li、Ni、Co、Ti、Cu、Zn、Mg、及びZrのうちのいずれか一種の元素、またはLi、Fe、Ni、Co、Ti、Cu、Zn、Mg、及びZrから選ばれる二種以上の元素を用いてもよい。これらの元素を用いても、導電性がFeより劣る以外は、MをFeとした場合と同様の効果が得られる。
なお、本発明は、その要旨を超えない限り、これらの実施例によって制限されるものではない。
<正極用電極シートの作製>
まず、オリビンMn系正極活物質であるLiMn0.8Fe0.2POを、以下のようにして合成した。
14.4gのNHPOと、5.55gのLiOH・HOと、17.9gのMnC・2HOと、4.50gのFeC・2HOとを混合し、これにデキストリンを12質量%となるように加え、ジルコニア製ポットにジルコニア製粉砕用ボールを投入し、遊星型ボールミルを用いて混合した。この混合粉体をアルミナ製ルツボに投入し、0.3L/minのアルゴン流下で、400℃で10時間仮焼成を行った。得られた仮焼成体は、一度、メノウ乳鉢で解砕し、再度アルミナ製ルツボへ投入して、0.3L/minのアルゴン流下で、700℃で10時間本焼成を行った。本焼成後、得られた粉体をメノウ乳鉢で解砕し、45μmのメッシュの篩で粒度調整を行い、組成式LiMn0.8Fe0.2POで表される材料を得た。
得られた材料を、リガク製RINT2000を使用してX線回折分析し、オリビン型構造(空間群Pmna)に帰属することを確認した。このようにして、オリビンMn系正極活物質であるLiMn0.8Fe0.2POを得た。
次に、この正極活物質を秤量し、活物質質量:導電助材質量:結着剤質量が83:9.5:7.5となるように導電助材と結着剤とを混合し、正極合材を作製した。すなわち、正極合材中に占める結着剤の割合は、7.5質量%である。活物質質量は、被覆炭素を除いた活物質単体の質量とし、導電助材量は、活物質の被覆炭素と新たに添加したアセチレンブラックの合計質量とした。結着剤には、アクリロニトリル系共重合体としてアクリロニトリルとラウリルアクリレートとを質量比9:1で共重合させた共重合体を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させたものを用いた。
粘度調整のため、分散剤としてN−メチル−2−ピロリドンを加え、自転・公転ミキサーを用いて攪拌し、正極用スラリーを得た。得られたスラリーの状態を観察した結果、ゲル化などは起こっておらず良好であった。
このスラリーを、250μmギャップを持つ塗布用ブレードを用いて、厚さ20μmのアルミ集電体上に塗布した。このアルミ集電体を、80℃で予備乾燥し、さらに120℃で減圧乾燥し、正極用電極シートを得た。
<材料の粉体物性の評価>
合成した材料の粉体物性を評価するため、下記の活物質pH測定と活物質比表面積測定とを行った。
《活物質pH測定》
作製した正極活物質1g及び純水50gを25℃雰囲気下で秤量し、ガラス製ビーカー内で混合して1分間攪拌した。その後、ビーカー口を透明フィルムで覆って密閉した状態で60分間静置し、上澄み液のpHを測定した。pH測定はJIS Z 8802及びJIS Z 8805に準拠して行った。
《活物質比表面積測定》
活物質の比表面積は、公知のBET式粉体比表面積測定装置によって測定できる。本実施例では、活物質の比表面積を、日本ベル株式会社製の比表面積測定装置BELSORP miniを用いて測定した。吸着ガスにはNを用い、液体窒素温度で測定を行った。
<電極の機械特性及び電気化学特性の評価>
作製した正極用電極シートについて、電極の機械特性及び電気化学特性を評価するために、柔軟性測定(屈曲試験)、剥離試験、レート試験、及びサイクル試験を行った。
《柔軟性測定(屈曲試験)》
作製した電極シートから10×3cmの試験片を切り取り、JIS K 5600−5−1記載の試験法に則り、屈曲試験を行った。電極厚さを測定したところ、全ての電極が40〜50μmの範囲に含まれており、JIS K 5600−5−1記載のタイプ1の装置で試験を行うことが適当な膜厚であった。マンドレル直径10mmから2mmまで1mm間隔で試験を行い、最初にクラックが生じたマンドレルの径を記録した。このマンドレル径が大きいほど、柔軟性に乏しい。
《剥離試験》
作製した電極シートから10×5cmの試験片を切り取り、JIS K 5600−5−6記載の試験法に則り、剥離試験を行った。電極厚さを測定したところ、全ての電極で膜厚が60μm以下であり、2mm間隔でクロスカットした。幅25mmのテープを格子状に貼り付け、引き剥がした際の剥離の様子を観察し、評価基準に従い評価、記録した。評価基準は、JIS K 5600−5−6に定められている6段階評価であり、最も剥がれが少ない評価が0、最も剥がれが大きい評価が5である。
《レート試験》
レート試験は、モデルセルを用いて行った。モデルセルの正極には、作製した電極シートから15mmφの円板状に打ち抜いたものを使用した。対極及び参照極にリチウム金属を配し、セパレータは、30μm厚みのポリプロピレン・ポリエチレン積層セパレータを用いた。電解液は、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを2:1の割合で混合した溶媒にLiPFを溶解させ、1Mとしたものを用いた。
このモデルセルに対し、電流値0.05mA/cmで4.3V−3Vの電圧範囲で充放電した際に得られた放電容量を基準放電容量とした。レート試験では、モデルセルを電流値0.05mA/cmで充電し、電流値5mA/cmで放電した際の放電容量を基準放電容量で除し、比容量(%)を求めた。比容量が大きいほど、レート特性(充放電特性)が優れていることを示す。
《サイクル試験》
サイクル試験に用いたモデルセルは、構成、電解液、及び基準放電容量の電圧範囲が上記のレート試験と同一のものを用いた。
モデルセルを電流値0.25mA/cmで初期化した後、同一電流値で100サイクル充放電を行い評価した。1サイクル目の放電容量を100%とし、100サイクル目での放電容量から比容量(%)を求め、サイクル寿命を評価した。比容量が大きいほど、サイクル寿命が優れており長寿命であることを示す。
実施例1による正極用電極の評価結果を以下にまとめる。
活物質pH測定の結果、pHは11.1であり、活物質比表面積測定の結果、比表面積は39m/gであった。現在主流のコバルト酸リチウムと比べ、高pH、高比表面積である。
柔軟性測定(屈曲試験)ではクラックは発生せず、剥離試験の評価結果は0であった。以上の結果から、実施例1による正極用電極は、柔軟性と密着性に優れていることがわかった。このため、この電極を用いたレート試験結果は69%と良好であり、サイクル試験における100サイクル後の容量維持率は99%以上とサイクル寿命も優れていた。
表1に、活物質の組成、使用した結着剤種、及び結着剤量を、表2に、活物質のpH値、及び比表面積を、表3に、スラリー性状、電極の柔軟性測定(屈曲試験)の結果、及び剥離試験の結果を、表4に、レート試験の結果、及びサイクル試験の結果を、それぞれまとめる。なお、表3の柔軟性測定(屈曲試験)の結果において、マンドレル径が2mmでもクラックが生じなかった電極については「○」と記録した。
次に、オリビンMn系正極活物質の中で、実施例1で用いたもの以外の活物質についても、アクリロニトリル系共重合体を結着剤として用いて正極用電極を作製し、その電極特性を評価した。この結果を実施例2及び実施例3に示し、表1〜4にまとめた。
実施例2では、活物質の組成をLiMn0.3Fe0.7POに変更した。14.4gのNHPOと、5.37gのLiOH・HOと、6.71gのMnC・2HOと、15.7gのFeC・2HOとを混合し、LiMn0.3Fe0.7POを合成した以外は、実施例1と同様にして、正極用電極シートの作製と、材料の粉体物性の評価と、電極の機械特性及び電気化学特性の評価を行った。
活物質pH測定の結果、pHは11.01であり、活物質比表面積測定の結果、比表面積は35m/gであった。
塗布前のスラリーのゲル化は観察されず、状態は良好であった。柔軟性測定(屈曲試験)ではクラックは発生せず、剥離試験の評価結果は0であった。レート試験結果は80%であり、サイクル試験における100サイクル後の容量維持率は99%以上だった。
以上の結果から、柔軟性と密着性に優れ、レート特性とサイクル特性も良好な電極が得られたことがわかる。
実施例3では、活物質の組成をLiMnPOに変更した。14.4gのNHPOと、5.67gのLiOH・HOと、22.4gのMnC・2HOとを混合し、LiMnPOを合成した以外は、実施例1と同様にして、正極用電極シートの作製と、材料の粉体物性の評価と、電極の機械特性及び電気化学特性の評価を行った。
活物質pH測定の結果、pHは11.2であり、活物質比表面積測定の結果、比表面積は42m/gであった。
塗布前のスラリーのゲル化は観察されず、状態は良好であった。柔軟性測定(屈曲試験)ではクラックは発生せず、剥離試験の評価結果は0であった。レート試験結果は48%であり、サイクル試験における100サイクル後の容量維持率は99%以上だった。
以上の結果から、柔軟性と密着性に優れ、レート特性が比較的高く、サイクル特性が良好な電極が得られたことがわかる。
以上に示したように、実施例2、3でも柔軟性と密着性に優れた電極が得られ、良好なレート特性とサイクル寿命が示された。実施例1〜3を比較すると、Fe含有量の多くなる順(実施例3、実施例1、実施例2の順)にレート特性が向上している。これは、FeでMnを置換すると伝導性が向上するためである。
ただし、Fe含有量が増えるとエネルギー密度が低下するため、Fe含有量の上限は、MnとFeの割合が3:7となるまでが望ましい。すなわち、活物質の組成をLiMnFe1−xPOと表すと、xは0.3以上であるのが望ましい。xが0.3以上であれば、従来の活物質(例えば、LiCoO)を用いた電池よりも高い電圧が得られ、エネルギー密度が大きいというオリビンMn系正極活物質の特徴を活かすことができる。
次に、実施例1〜3で評価した活物質に対し、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いて電極を作製し、上述の測定と試験を行って評価した。この結果を比較例1〜3とし、実施例1〜3と比較検討して、表1、3、4にまとめた。
<比較例1>
結着剤としてPVDFを用いた以外は、実施例1と同様にして、正極用電極シートの作製と、電極の機械特性及び電気化学特性の評価を行った。
この場合には、スラリー作製時にスラリーのゲル化が観察された。柔軟性測定(屈曲試験)においてクラックが発生したマンドレル径は7mmであり、剥離試験の評価結果は5であった。この結果から、電極の柔軟性と密着性とが著しく低いことが示された。
レート試験結果は23%、サイクル試験における100サイクル後の容量維持率は65%であり、同じ活物質を用いた実施例1の場合と比べ、大きく劣る特性を示した。
<比較例2>
結着剤としてPVDFを用いた以外は、実施例2と同様にして、正極用電極シートの作製と、電極の機械特性及び電気化学特性の評価を行った。
この場合でも、スラリー作製時にスラリーのゲル化が観察された。柔軟性測定(屈曲試験)においてクラックが発生したマンドレル径は5mmであり、剥離試験の評価結果は5であった。この結果から、電極の柔軟性と密着性とが著しく低いことが示された。
レート試験結果は35%、サイクル試験における100サイクル後の容量維持率は68%であり、同じ活物質を用いた実施例2の場合と比べ、大きく劣る特性を示した。
<比較例3>
結着剤としてPVDFを用いた以外は、実施例3と同様にして、正極用電極シートの作製と、電極の機械特性及び電気化学特性の評価を行った。
この場合でも、スラリー作製時にスラリーのゲル化が観察された。柔軟性測定(屈曲試験)においてクラックが発生したマンドレル径は8mmであり、剥離試験の評価結果は5であった。この結果から、電極の柔軟性と密着性とが著しく低いことが示された。
レート試験結果は15%、サイクル試験における100サイクル後の容量維持率は51%であり、同じ活物質を用いた実施例3の場合と比べ、大きく劣る特性を示した。
以上の実施例1〜3と比較例1〜3の結果から、次のことがわかった。オリビンMn系正極活物質について、結着剤として、アクリロニトリル系共重合体を用いた実施例1〜3と、PVDFを用いた比較例1〜3とを比較すると、どの組成のオリビンMn系正極活物質に対しても、アクリロニトリル系共重合体の結着剤を用いた電極の方が、柔軟性、密着性、レート特性、サイクル寿命の全てにおいて優れていた。PVDFは、密着性、耐アルカリ性に劣るため、電極の密着性と柔軟性が劣り、剥離が発生するため、レート特性やサイクル寿命が優れない。
次に、比較例4として、活物質にオリビンMn系正極活物質を用い、結着剤にポリアクリロニトリル単体を用いた電極を作製して評価した。そして、実施例1(活物質がオリビンMn系正極活物質、結着剤がアクリロニトリル共重合体)の結果と比較し、表1、3、4にまとめた。
<比較例4>
結着剤としてポリアクリロニトリル単体を用いた以外は、実施例1と同様にして、正極用電極シートの作製と、電極の機械特性及び電気化学特性の評価を行った。
塗布前のスラリーのゲル化は観察されず、状態は良好であった。柔軟性測定(屈曲試験)でクラックが発生したマンドレル径は5mmであり、剥離試験の評価結果は1であった。レート試験結果は45%、サイクル試験における100サイクル後の容量維持率は88%であった。
以上の結果から、比較例4の場合は、実施例1の場合と比べ、電極の密着性はほぼ同等だが、柔軟性が劣ることがわかった。また、レート試験の結果が大きく劣り、サイクル試験の結果もやや劣っている。
比較例4と実施例1、比較例1の結果から、同組成のオリビンMn系正極活物質を用いた場合でも、結着剤によって正極用電極の性質や特性が異なることがわかる。
結着剤としてポリアクリロニトリル単体を用いた電極(比較例4)は、スラリーのゲル化を防げ、密着性もPVDFを用いたもの(比較例1)に比べ向上する。しかし、アクリロニトリル系共重合体を用いたもの(実施例1)と比べると、柔軟性に劣り、レート特性及びサイクル寿命も劣ることがわかる。この理由は、電極にクラックが生じて電極の導電ネットワークが崩れることにより、レート特性が低下し、さらに充放電に伴い剥離が拡大していったからであると考えられる。
次に、実施例4、5と比較例5、6として、活物質としてオリビンMn系正極活物質を用い、結着剤としてアクリロニトリル共重合体を用いた実施例1と同様の電極構成において、実施例1の場合から結着剤の量を増減させて電極を作製して評価し、表1、3、4にまとめた。この結果から、アクリロニトリル共重合体を結着剤として用いた場合において、結着剤量の好ましい範囲を求めた。
正極活物質と導電助材と結着剤との質量比が85.5:9.5:5となるように秤量して混合し、正極合材を作製した以外は、実施例1と同様にして、正極用電極シートの作製と、電極の機械特性及び電気化学特性の評価を行った。すなわち、正極合材中に占める結着剤の割合は、5質量%である。
この場合には、塗布前のスラリーのゲル化は観察されず、状態は良好であった。柔軟性測定(屈曲試験)ではクラックは発生せず、剥離試験の評価結果は0であった。レート試験結果は65%であり、サイクル試験における100サイクル後の容量維持率は99%以上だった。この結果は実施例1の場合とほぼ同等であり、良好な特性を示した。
正極活物質と導電助材と結着剤との質量比が75.5:9.5:15となるように秤量し混合し、正極合材を作製した以外は、実施例1と同様にして、正極用電極シートの作製と、電極の機械特性及び電気化学特性の評価を行った。すなわち、正極合材中に占める結着剤の割合は、15質量%である。
この場合にも、塗布前のスラリーのゲル化は観察されず、状態は良好であった。柔軟性測定(屈曲試験)ではクラックは発生せず、剥離試験の評価結果は0であった。レート試験結果は69%であり、サイクル試験における100サイクル後の容量維持率は99%以上だった。この結果は実施例1の場合と同等であり、良好な特性を示した。
<比較例5>
正極活物質と導電助材と結着剤との質量比が88.5:9.5:2となるように秤量し混合し、正極合材を作製した以外は、実施例1と同様にして、正極用電極シートの作製と、電極の機械特性及び電気化学特性の評価を行った。すなわち、正極合材中に占める結着剤の割合は、2質量%である。
この場合、塗布前のスラリーのゲル化は観察されず、状態は良好であり、柔軟性測定(屈曲試験)ではクラックは発生しなかった。しかし、剥離試験の評価結果は4であった。また、レート試験結果は46%であり、サイクル試験における100サイクル後の容量維持率は71%だった。実施例1の場合と比較すると、電極の密着性が大きく劣り、その結果、レート特性とサイクル寿命が劣った。
<比較例6>
正極活物質と導電助材と結着剤との質量比が70.5:9.5:20となるように秤量し混合し、正極合材を作製した以外は、実施例1と同様にして、正極用電極シートの作製と、電極の機械特性及び電気化学特性の評価を行った。すなわち、正極合材中に占める結着剤の割合は、20質量%である。
この場合、塗布前のスラリーのゲル化は観察されず、状態は良好であった。柔軟性測定(屈曲試験)ではクラックは発生せず、剥離試験の評価結果は0であった。レート試験結果は21%であり、サイクル試験における100サイクル後の容量維持率は99%以上だった。実施例1の場合と比較すると、密着性及びサイクル寿命は同等だが、レート特性が大きく劣った。
実施例1、4、5、比較例5、6の結果から、結着剤量が5質量%から15質量%の範囲である電極では、結着剤量が適切であるため、レート特性、サイクル寿命とも良好である。上記範囲に含まれる実施例4、5は、実施例1と同様に、良好なレート特性、サイクル寿命を示した。
結着剤量が上記範囲より少ない比較例5では、結着剤が不足し、電極の密着性が劣るため、導電性が十分でなくレート特性が優れない。また、充放電に伴う正極合材の浮き上がりや脱離が起こったため、サイクル寿命が悪くなった。
結着剤量が上記範囲より多い比較例6では、密着性が十分であるため、サイクル寿命は実施例1、4、5と同様に優れていた。しかし、結着剤が過多であり、活物質表面を結着剤が覆ったため、または正極合材中に占める非導電物質の割合が増えたため、レート特性が悪化した。
Figure 2010272272
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1…電池蓋、2…ガスケット、3…正極リード、4…絶縁板、5…電池缶、6…負極、7…セパレータ、8…絶縁板、9…負極リード、10…正極。

Claims (7)

  1. 少なくとも正極活物質及び結着剤を含む正極合材と、正極集電体とから形成されたリチウム二次電池用正極であって、
    前記正極活物質は、化学式LiMn1−xPO(0.3≦x≦1、Mは、Li、Fe、Ni、Co、Ti、Cu、Zn、Mg、及びZrから選ばれる一種以上の元素)で表されるオリビン型構造を有するリチウム複合酸化物を含み、
    前記結着剤は、アクリロニトリル系共重合体を含むこと、を特徴とするリチウム二次電池用正極。
  2. 請求項1記載のリチウム二次電池用正極において、
    前記正極合材中に占める前記アクリロニトリル系共重合体の割合は、5〜15質量%であるリチウム二次電池用正極。
  3. 請求項1または2記載のリチウム二次電池用正極において、
    前記アクリロニトリル系共重合体は、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルと、化学式CH=CR−CO−O−R(RはHまたはCH、Rは任意のアルキル基)で表されるエステル基を含有するモノマーとの共重合体であるリチウム二次電池用正極。
  4. 請求項1から3のいずれか1項記載のリチウム二次電池用正極において、
    前記正極活物質1gと純水50gとを混合して1分間攪拌した後、60分間静置した上澄み液のpHが11以上である前記正極活物質を用いたリチウム二次電池用正極。
  5. 請求項1から3のいずれか1項記載のリチウム二次電池用正極において、
    比表面積が15〜100m/gである前記正極活物質を用いたリチウム二次電池用正極。
  6. 請求項1から3のいずれか1項記載のリチウム二次電池用正極において、
    前記正極活物質1gと純水50gとを混合して1分間攪拌した後、60分間静置した上澄み液のpHが11以上であり、
    比表面積が15〜100m/gである前記正極活物質を用いたリチウム二次電池用正極。
  7. 正極と、負極と、前記正極と前記負極間にセパレータと、電解質とを備えるリチウム二次電池であって、
    前記正極が請求項1から6のいずれか1項記載のリチウム二次電池用正極であるリチウム二次電池。
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