JP2010270467A - 足場用幅木の取付具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 幅狭の足場板52を用いた場合でも足場板52との間に隙間を生じさせないように取り付けすることができ、かつ、幅木40の転倒を防止しながら容易に取り付けることができる足場用幅木の取付具を提供する。
【解決手段】 幅木40を足場板52の側縁に沿って起立状態で支柱50に固定する足場用幅木の取付具1である。足場用幅木の取付具1は、支柱50の軸に対する向きを変更でき、前記支柱50に脱着式に固定可能なクランプ2,20と、クランプ2,20に固着され前記支柱50の軸に対して交差する方向に伸びる連結部3と、支柱50の軸に平行な回転軸7を中心として回動可能な状態で連結部3の先端側に連結され、幅木40を厚み方向に挟持可能な挟持部4とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、建築や土木工事の作業足場に足場用幅木を固定する足場用幅木の取付具に関する。
建築や土木工事の仮設作業足場には、枠組足場、くさび式足場、支保工用の足場などがあり、いずれの場合も、高さ方向に伸びる支柱に連結された水平横架材の間に足場板を仮設して作業床を形成した構造になっている。
ところで、上記のような仮設作業足場については、関係省庁から墜落防止ガイドラインが通達され、足場板上で足を滑らせることによって発生する足場板からの墜落を防止する手段として、また、足場板上からの物品の落下を防止するため、足場用幅木を設ける必要性が生じている。
従来、仮設作業足場における幅木の取付例としては、古くは針金で支柱に固定していたが、この方法では、取り付け作業が繁雑であり、また、針金を工事現場に落下させるなどの問題があることから、各種の取付方法が提案されている。幅木の取付方法としては、例えば、特許文献1(実公告53−22452号公報)や特許文献2(実開平7−4679号公報)、特許文献3(実開平7−1187号公報)に示すものが提案されている。これらの幅木は、いずれも足場板を懸架するための支柱に固定された取付具を用いて、幅木を支柱に近接した状態に固定するためのものである。
実公告53−22452号公報 実開平7−4679号公報 実開平7−1187号公報 特開2005−139663号公報
しかし、支柱間の奥行き方向の間隔には様々な種類があり、適切な幅の足場板を用いても、支柱と足場板との間に隙間ができることとなるため、上記の取付具や針金などを用いて幅木を支柱に近接して固定すると、足場板と幅木との間に隙間が生じ、道具などの落下の原因となる。
足場板との間の隙間を生じさせないように、例えば、特許文献4(特開2005−139663号公報)などには、支柱ではなく足場板に固定する幅木が開発されている。この構成の幅木は足場板の側縁に沿って幅木を固定するため、支柱と足場板の隙間の有無に関係なく、幅木と足場板との間に隙間を生じさせることなく固定することができる。
しかし、特許文献4に開示された幅木の構成では、支柱と足場板との間に隙間が生じている場合、幅木が倒れないように起立した状態に支持しておき、幅木を足場板に固定する必要があり、取り付けの手間がかかるという問題があった。
したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、幅狭の足場板を用いた場合でも足場板との間に隙間を生じさせないように取り付けすることができ、かつ、幅木の転倒を防止しながら容易に取り付けることができる足場用幅木の取付具を提供することである。
本発明は、上記技術的課題を解決するために、以下の構成の足場用幅木の取付具を提供する。
本発明の第1態様によれば、幅木を足場板の側縁あるいは足場板上に沿って起立状態で支柱に固定する足場用幅木の取付具であって、
前記支柱の軸に対する向きを変更でき、前記支柱に脱着式に固定可能なクランプと、
前記クランプから前記支柱軸に対して交差する方向に伸びる連結部と、
前記支柱軸に平行な回転軸を中心として回動可能な状態で前記連結部の先端側に連結され、前記幅木を厚み方向に挟持可能な挟持部とを備える、足場用幅木の取付具を提供する。
本発明の第2態様によれば、前記挟持部は、前記幅木の上辺側から下方向に狭持可能な断面コの字形状の部材であり、前記挟持部と連結部とを連結する回転軸は、前記挟持部の上面側に設けられていることを特徴とする、第1態様の足場用幅木の取付具を提供する。
本発明の第3態様によれば、前記挟持部と連結部は、前記回転軸と同軸に設けられたボルト及びナットで連結されていることを特徴とする、第1又は第2態様の足場用幅木の取付具を提供する。
本発明の第4態様によれば、前記クランプは、前記連結部を固着するクランプ本体と、回動自在に構成された半円形の回動腕と、前記クランプ本体と回動腕との締め付け強度を調整可能な緊結部材とを備えることを特徴とする、第1から第3態様のいずれか1つ態様の足場用幅木の取付具を提供する。
本発明の第5態様によれば、前記クランプ本体と回動腕は、両端側が重なるように構成され、それぞれの両端側に貫通孔を備え、
前記緊結部材は、前記貫通孔に挿通されるくさび部材で構成されることを特徴とする、第4態様の足場用幅木の取付具を提供する。
本発明の第6態様によれば、前記クランプは、互いに反対側の側縁に開口し前記支柱の外径寸法より大きい幅寸法を有する支柱挿入溝を有する互いに対向して配置された2つの係合部と、前記係合部を前記支柱の外径寸法よりも大きい間隔で離間して支持する支持部とを備えた、断面コの字状のクランプ本体と、
前記係合部の支柱挿入溝に挿入され、前記クランプ本体と支柱の締め付け強度を調整可能なくさび部材とを備えることを特徴とする、第1から第3態様のいずれか1つの足場用幅木の取付具を提供する。
本発明の第7態様によれば、前記支柱挿入溝は、さらにくさび部材を挿入するための切り欠きを備えることを特徴とする、第6態様の足場用幅木の取付具を提供する。
本発明の第8態様によれば、前記くさび部材は、断面凹状に構成されることを特徴とする、第6又は第7態様の足場用幅木の取付具を提供する。
本発明によれば、支柱の軸に対する取り付けの向きを変更できるクランプと、このクランプに固着された連結部とを備えているため、クランプの取り付けの向きを変更することで支柱から連結部の先端までの距離を変更することができる。したがって、連結部の先端近傍に取り付けられる挟持部によって支持される幅木の取り付け位置を変更することができる。また、狭持部と連結部との角度は変更することができるため、クランプの取り付け向きに関係なく、幅木の設置方向を足場板に沿わせることができる。
また、幅木を取り付ける場合、クランプを支柱に仮止めして狭持部で幅木を挟んで立てた状態としておき、その後、足場板の側縁に沿うように幅木を移動させるためにクランプの取り付け向きを所望の位置に変更することで、支柱から幅木までの距離に応じた位置に幅木を取り付けることができる。したがって、幅木の取り付け作業を軽減することができる。
本発明の第2態様によれば、狭持部が幅木を上側から狭持して支持することができるため、取付具による仮止めの作業を容易にすることができる。すなわち、幅木は、支柱に固定されている水平横架材上に載置され支柱に立てかけることによって、起立状態とすることができる。よって、この状態で上側から狭持部を幅木に取り付けることができ、幅木の仮止め作業のために幅木を手などで支持する必要がない。よって、幅木の取り付け作業を軽減することができる。
本発明の第3態様によれば、ボルトとナットを用いて挟持部と連結部を連結することとしているため、挟持部と連結部とを脱着自在に連結することができ、また、ボルトとナットの締め付け量を調整することで、挟持部と連結部との相対的な回転角度の変更及び固定を容易にすることができる。したがって、幅木の厚み寸法に応じて適当な寸法の狭持部を用いることができ、さらに、幅木の取り付け後、挟持部と連結部とを固定することで、幅木の取り付けを強くすることができる。
また、本発明の第4態様によれば、クランプの回動腕とクランプ本体とが回動自在に連結され、緊結部材で締め付け強度を調整することにより、支柱へのクランプの取り付け時の仮止めを容易にすることができる。
本発明の第5態様によれば、クランプ本体と回動腕の貫通孔へのくさび部材の挿通量に応じて、クランプ本体と回動腕との締め付け強度を調整することができる。したがって、クランプの脱着及び固定の作業を容易にすることができ、足場用幅木の取付具の取付作業を軽減することができると同時にワンタッチで脱着可能になる。
本発明の第6態様によれば、2つの係合部の間に支柱を挿入し、その後クランプ本体を回転させることで、支柱挿入溝に支柱を配置させることができるため、クランプの支柱への取り付けを容易に行なうことができる。また、その後、くさび部材を挿入してクランプ本体を支柱に強固に固定することができる。
本発明の第7態様によれば、切り欠きを設けることによりくさび部材の挿入を容易にすることができ、また、くさび部材による支柱の固定をより確実かつ容易にすることができる。
本発明の第8態様によれば、くさび部材の凹を支柱の表面の曲面側に向けることで、支柱表面とくさび部材との接触部位を多くすることができ、支柱の位置をより安定させてクランプの固定をより確実かつ容易にすることができる。
本発明の実施形態にかかる足場用幅木の取付具の外観構成を示す斜視図である。 図1の足場用幅木の取付具の平面図である。 図1の足場用幅木の取付具の側面図である。 図1の足場用幅木の取付具の幅木の取り付け状態を示す図である。 幅木の取り付け位置を変更した状態における足場用幅木の取付具の取り付け状態を示す図である。 図1の足場用幅木の取付具に用いられる第1変形例にかかるクランプの構成を示す平面図である。 開いた状態にある図5Aのクランプの平面図である。 図5Aのクランプの断面図である。 図5Aのクランプの締め付け原理を説明する図である。 図1の足場用幅木の取付具に用いられる変形例にかかる狭持部の構成を示す斜視図である。 図1の足場用幅木の取付具に用いられる第2変形例にかかるクランプの構成を示す斜視図である。 図9に示すクランプの取り付け状態を示す平面図である。 図10AのXB−XB線での断面図である。 図9のクランプの支柱への取り付けを説明するための概念図である。 図9のクランプの支柱への取り付けを説明するための概念図である。
以下、本発明の実施形態にかかる足場用幅木の取付具について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる足場用幅木の取付具の構成を示す斜視図である。本実施形態の足場用幅木の取付具1は、幅木を足場板の側縁あるいは足場板上に沿って起立状態で支柱に固定するためのものであり、図1に示すように、支柱に脱着式に固定可能なクランプ2と、クランプ2に固着された連結部3と、連結部3に対して回動可能に連結され幅木を挟持可能な挟持部4とを備える。
クランプ2は、組み立て式足場を構成する支柱に係合して固定するものであり、図1,図2Aに示すように、クランプ本体5及び回動腕6と、両者を緊結するための緊結ボルト9と緊結ナット10とを備えている。クランプ本体5と回動腕6は支軸7により回動可能に連結されており、支柱へのクランプ2の取り付け時にクランプ本体5と回動腕6を開放状態とし、両者の間に存在する支柱支持空間12へ支柱を配置させた後、支柱を狭持する。
緊結ボルト9は、支軸8によりクランプ本体5に連結されており、閉じ状態にある回動腕6の先端側の係合溝11に係合する。緊結ボルト9に螺合されている緊結ナット10を締め付けると、回動腕6が閉じ方向に押圧され、支柱を締め付けることにより、支柱への固定強度を調整することができる。
クランプ2は、緊結ボルト9と緊結ナット10との締め付け量が緩い仮止めの段階では、支柱の周りに回転できるため、支柱軸に対する向きを変更することができる。なお、一般的に用いられる組み立て足場の支柱は断面円形であり、支柱に対するクランプ2の取り付け方向は、任意の角度とすることができる。
連結部3は、クランプ2のクランプ本体5から一方向に伸びる細長い部位である。本実施形態では、クランプ2の取り付け方向を変更することにより、取り付け時の支柱に対する向きが変更する。本実施形態にかかる連結部3は、クランプ2と別部材として構成され、クランプ本体に固着されている。連結部3は、棒状の部材の先端部分を直角に折り曲げた構成であり、支柱に対して直行する方向に伸びる延伸部13と、クランプ2に固着される固定部14とを備えている。なお、連結部3は、クランプ2と一体的に形成されていてもよい。
固定部14は、溶接、接着など各種接着方法によりクランプ本体5に固着されている。したがって、クランプ2に対する延伸部13の相対位置は常に一定であり、クランプ2に対して一方向に伸びるように配置される。本実施形態では、延伸部13の長さLはおおむね5〜20cm程度、さらに好ましくは10cm程度に構成されている。支柱50と足場板52の間に発生する隙間の大きさに合わせて、適宜、延伸部13の長さの異なるものを用いればよい。本実施形態では一般に、組み立て足場の支柱間の間隔が60cmであり、足場板の幅が40cmであることから、延伸部13の長さを決定されたものであり、使用される組み立て足場の寸法に合わせて適宜長さを異なるものを用いればよい。
連結部3の延伸部13の先端には狭持部4が連結される。狭持部4は、断面コの字状の部材であり、上面15及び上面の両端側に位置し互いに対向する支持面16とを備えている。狭持部4は幅木の上側から対向する支持面16の間18に幅木を挿入し、幅木を狭持する。対向する支持面16間の距離Dは、一般的に用いられる幅木の厚みに合わせ、本実施形態ではおよそ40mmに構成されている。なお、狭持部4の対向する支持面16間の距離Dは、支持しようとする幅木の厚み寸法より若干大きくなるように適宜選択することができる。
連結部3と狭持部4は、リベット17を中心として狭持部4が回転可能にリベット止めにより連結されている。したがって、連結部3に対する狭持部4の相対角度は変更可能であり、後述するクランプ2の取り付け方向に応じて角度調整をすることができる。
なお、連結部と狭持部の連結は、リベット止めに限定されるものではなく、図8に示すようにボルトとナットを用いることもできる。図8の例では、狭持部4の上面15側に立設されたボルト30及びこのボルト30に螺合するナット31を有している。この例では、ボルト30とナット31を用いて挟持部4と連結部3を連結することとしているため、挟持部と連結部とを脱着自在に連結することができ、また、ボルトとナットの締め付け量を調整することで、挟持部と連結部との相対的な回転角度の変更及び固定を容易にすることができる。したがって、幅木の厚み寸法に応じて適当な寸法の狭持部を用いることができ、さらに、幅木の取り付け後、挟持部と連結部とを固定することで、幅木の取り付けを強くすることができる。
図3は、図1の足場用幅木の取付具の幅木の取り付け状態を示す図である。固定される幅木40は、図3に示すように、支柱50の間に設けられる水平横架材51上に載置される。なお、図3では、足場板52として枠体53と天板54とが別部材で構成されているものを図示しているが、足場板の構成は、これに限定されるものではない。また、図3では、水平横架材51は、1つのみを図示しているが、実際は、互いに平行な水平横架材51が複数配置されており、幅木40は複数の水平横架材51に懸架して配置される。幅木40は、足場板52の枠体53の側縁55に沿うように固定される。
足場用幅木の取付具を用いて足場板52の枠体53の側縁55に沿うように幅木40を取り付けるには、おおむね次の通り行なうことが好ましい。幅木40を起立した状態に保持するために、水平横架材51上に幅木を立てて載置する。このとき、幅木40は支柱50に近づけて配置し、支柱50に立てかけた状態とすることが好ましい。
取付具1のクランプ2を支柱に取り付ける。このとき、クランプ2の締め付けは弱くして仮止めの状態とする。また、狭持部4により幅木の表面42を厚み方向に挟むように、幅木40の上面41側から狭持部4に挿通させる。なお、このとき、支柱50に立てかけられている幅木40を支持できるように、仮止めの状態となっているクランプ2の角度を調整する。
幅木40の仮止めが終了すると、幅木40を足場板50の側縁55に近づけるように移動させる。このとき、取付具1は、支柱50の支柱軸を中心として回転する。幅木40の位置が決定すると、クランプ2の締め付けを強くし、クランプ2と支柱50とを固定する。
なお、足場板52の側縁55と支柱50との間の隙間に応じてクランプ2の取付角度を調整することで、足場板52の側壁と支柱との間隔に応じて足場板52側縁55に沿うように幅木40を取り付けることができる。すなわち、断面円形の支柱50に沿ってクランプ2の取付角度を調整することにより、支柱50と狭持部4との距離を変更することができる。
図4に示すように、取付角度θ1を大きくすると、連結部3の延伸部13の長さ分だけ支柱50と幅木40との距離Aが大きくなる。一方、取付角度θ2を小さくすることにより、連結部3が斜め方向に向くため、支柱50と幅木40との距離Bを小さくすることができる。
次に、本実施形態にかかる足場用幅木の取付具の変形例について説明する。変形例にかかる足場用幅木の取付具は、実施形態にかかる足場用幅木の取付具と比較して、クランプの構成が異なるため、変形部分のクランプの構成についてのみ説明する。
(第1変形例)
図5Aは、第1変形例にかかる足場用幅木の取付具に用いられるクランプの平面図である。図5Bは、開いた状態にあるクランプの平面図である。図6は、クランプの断面図である。このクランプ20は、クランプ本体21と回動腕22とを備える。クランプ本体21と回動腕22は支軸23により回動可能に連結されており、図5Aに示す閉じ位置と図5Bに示す開放位置とを取ることができる。クランプ本体21は、図6に示すように、回動腕挿入空間が設けられており、閉じ状態にある回動腕22がこの空間に入り込むことで、クランプ本体21に挟まれるように配置される。
クランプ本体21と回動腕22の先端側の重なり合う部分には、それぞれ貫通孔24,25が設けられている。それぞれの貫通孔24,25は、ほぼ同じサイズに構成されており、回動腕22が閉じ状態にあるとき、3つの貫通孔24,25は、クランプ20の厚み方向に重なり、クランプ20上から下まで連続した孔を構成する。
3つの貫通孔24,25には、クランプの緊結部材としてくさび部材26が挿入される(図6参照)。くさび部材26は、一面が鉛直方向に伸びる垂直面28で垂直面の対向面が先にむかうにつれて細くなるように傾斜して設けられた傾斜面27となっている。くさび部材の幅寸法は、先端部分が貫通孔24,25の幅寸法よりも小さく、最も太い上端部分が貫通孔24,25の幅寸法よりも大きく構成されている。
図7は、クランプの締め付け原理を説明する図である。くさび部材26が、クランプ20の上側から矢印60に示すように挿入されると、くさび部材の傾斜面27が、クランプ本体21の貫通孔24の手前側24aに当接する。一方、くさび部材の垂直面28は、回動腕22の貫通孔25の奥側端25bに当接する。この状態で、くさび部材26が図示下側に押し込まれると、くさび部材26の幅が大きくなるため、貫通孔24の手前側24aと貫通孔25の奥側端25bとの距離が大きくなり、回動腕22がより強く締め付けられることとなる。
したがって、変形例にかかるクランプは、くさび部材の挿入深さを調整するだけで、回動腕22の締め付け量を調整することができ、支柱50への締め付け強さを調整することができ、支柱への仮止め及び固定を容易に調整することができると同時にワンタッチで脱着可能となる。
(第2変形例)
図9は、本実施形態の足場用幅木の取付具に用いられる第2変形例にかかるクランプの構成を示す斜視図である。図10Aは、第2変形例にかかるクランプの取り付け状態を示す平面図である。図10Bは、図10AのXB−XB線での断面図である。このクランプ32は、断面コの字状のクランプ本体33と、クランプ本体と支柱の締め付け強度を調整可能なくさび部材34とを備える。
クランプ本体33は、互いに対向して配置された2つの係合部35と、係合部35を支柱50の外径寸法よりも大きい間隔Hで離間して支持する支持部36とを備える。図1の足場板用幅木の取付具の連結部が支持部36の面に対して直行する向きに連結される。連結部の取り付け箇所は、係合部35であってもよいし支持部36であってもよい。係合部35には、互いに反対側の側縁33a,33bに開口し、支柱50の外径寸法より大きい幅寸法Wを有する支柱挿入溝35cが設けられている。支柱挿入溝35cは、クランプの支柱への取り付け時に、支柱が挿入されて係合するためのものであり、支柱挿入溝35c内にくさび部材34を挿入して固定する。
支柱挿入溝35cには、くさび部材34を挿入するための切り欠き35dが設けられている。切り欠き35dは、くさび部材34を挿入して支持するため、その切り欠き寸法は、くさび部材34が挿入される方向に対し、上側の係合部35に設けられる切り欠き寸法B1のほうが下側の係合部35に設けられる切り欠き寸法B2よりも大きく構成されている。
くさび部材34は、図10Bに示すように、上端34aから先端34bに向かうにつれて細く構成されている棒状の部材である。また、図10Aに示すように、クランプ係合時に、くさび部材34を支柱50の表面の曲面に安定して係合させるために、断面が凹形状に構成されている。
このクランプ32を支柱50に固定するためには、図11に示すように、クランプ32を90度回転させ、矢印に示すように支柱50を支持部36が設けられていない側から2枚の係合部35の間に挿入する。
その後、図12の矢印に示すように、支柱50をクランプの奥まで押し込んだ後、クランプを回転させ、支柱50を係合部35の側縁33a,33bの開口から支柱挿入溝へ挿入する。上記の通り、係合部35の側縁の開口は、それぞれ反対側の側縁に設けられているため、クランプの回転により、支柱50を支柱挿入溝35c内へ挿入することができる。
次いで、くさび部材34を切り欠き35d内に挿入する。くさび部材34は、先端側が細くなるように構成されているため、打ち込み量に応じてクランプ本体33を支柱側に押しつけて固定することができる。
このように第2変形例にかかるクランプによれば、足場用幅木の取付具を支柱へ取り付ける作業を省力化することができ、取り付けの手間を軽減することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施可能である。例えば、図2Bに示すように、延伸部13は、クランプ2の下面側に位置するように設けられているが、上面側に設けられていてもよい。上面側に延伸部13を設けることにより、クランプ2と狭持部4との高さ位置が近くなり、支柱での取り付け領域を小さくすることができる。
本発明の足場用幅木の取付具は、幅木を建築や土木工事の作業足場を構成する足場板の側縁に沿って取付けることができ、作業足場からの物品や作業者の落下を防止することができることから、建築現場及び土木工事において好適に使用することができる。
1 足場用幅木の取付具
2,20,32 クランプ
3 連結部
4 挟持部
5,21,33 クランプ本体
6,22 回動腕
7,8,23 支軸
9 緊結ボルト
10 緊結ナット
11 係合溝
12 支柱支持空間
13 延伸部
14 固定部
15 上面
16 支持面
17 リベット
18 支持面の間
24,25 貫通孔
26,34 くさび部材
27 傾斜面
28 垂直面
35 係合部
35c 支柱挿入溝
35d 切り欠き
36 支持部
40 幅木
50 支柱
51 水平横架材
52 足場板
53 枠体
54 天板
55 側縁

Claims (8)

  1. 幅木を足場板の側縁あるいは足場板上に沿って起立状態で支柱に固定する足場用幅木の取付具であって、
    前記支柱の軸に対する向きを変更でき、前記支柱に脱着式に固定可能なクランプと、
    前記クランプから前記支柱軸に対して交差する方向に伸びる連結部と、
    前記支柱軸に平行な回転軸を中心として回動可能な状態で前記連結部の先端側に連結され、前記幅木を厚み方向に挟持可能な挟持部とを備える、足場用幅木の取付具。
  2. 前記挟持部は、前記幅木の上辺側から下方向に狭持可能な断面コの字形状の部材であり、前記挟持部と連結部とを連結する回転軸は、前記挟持部の上面側に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の足場用幅木の取付具。
  3. 前記挟持部と連結部は、前記回転軸と同軸に設けられたボルト及びナットで連結されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の足場用幅木の取付具。
  4. 前記クランプは、前記連結部を固着するクランプ本体と、回動自在に構成された半円形の回動腕と、前記クランプ本体と回動腕との締め付け強度を調整可能な緊結部材とを備えることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1つに記載の足場用幅木の取付具。
  5. 前記クランプ本体と回動腕は、両端側が重なるように構成され、それぞれの両端側に貫通孔を備え、
    前記緊結部材は、前記貫通孔に挿通されるくさび部材で構成されることを特徴とする、請求項4に記載の足場用幅木の取付具。
  6. 前記クランプは、互いに反対側の側縁に開口し前記支柱の外径寸法より大きい幅寸法を有する支柱挿入溝を有する互いに対向して配置された2つの係合部と、前記係合部を前記支柱の外径寸法よりも大きい間隔で離間して支持する支持部とを備えた、断面コの字状のクランプ本体と、
    前記係合部の支柱挿入溝に挿入され、前記クランプ本体と支柱の締め付け強度を調整可能なくさび部材とを備えることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1つに記載の足場用幅木の取付具。
  7. 前記支柱挿入溝は、さらにくさび部材を挿入するための切り欠きを備えることを特徴とする、請求項6に記載の足場用幅木の取付具。
  8. 前記くさび部材は、断面凹状に構成されることを特徴とする、請求項6又は7に記載の足場用幅木の取付具。
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