JP2010269743A - プロテクタ - Google Patents

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康之 大原
Kiyoshi Kobayashi
清 小林
Nobuyuki Matsumoto
信行 松本
Hidetaka Yamauchi
秀隆 山内
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Abstract

【課題】両面粘着テープを使用することなく、取付部品に対して容易に取り付けることが可能なプロテクタを提供する。
【解決手段】プロテクタ14は、車両11のトランクリッド12と該トランクリッド12に取り付けられるリアスポイラ13との間に介在されるとともに、該リアスポイラ13に設けられた凹溝15に対して嵌合可能な凸条14bを有する弾性体によって構成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、車両に対してエアロパーツなどの車両外装部品を取り付ける際に、車両と車両外装部品との間に介在されるプロテクタに関する。
従来、車両に対して車両外装部品を取り付ける際に、車両と車両外装部品との間に介在されるプロテクタとしては、特許文献1に示すような熱可塑性エラストマによって構成されたものが知られている。そして、車両に対する車両外装部品の取り付け方法としては、予め両面粘着テープを貼り合わせたプロテクタを該両面粘着テープによって車両外装部品に貼着し、その後、該プロテクタが貼着された車両外装部品を車両に対して組み付ける方法が一般的である。
こうした車両外装部品にプロテクタを貼り合わせる際に使用される両面粘着テープには、通常、耐候性や粘着性に優れたアクリル系の粘着剤を用いたものが選択される。しかしながら、アクリル系の粘着剤は、熱可塑性エラストマとの接着性が悪いため、車両外装部品にプロテクタを貼り合わせる際に、両面粘着テープにおけるプロテクタ側の粘着面にプライマを塗布して表面の処理を行う必要がある。また、車両外装部品に数多く使用されるポリプロピレンなどの合成樹脂材料にもアクリル系の粘着剤との接着性が悪いものが多いため、実際は車両外装部品側にもプライマを塗布して表面の処理を行わなければならない場合がほとんどである。したがって、車両外装部品にプロテクタを貼り合わせる際の作業が繁雑になってしまう。さらに、プライマは、有機溶剤を含むものが多いため、環境上できるだけ使用しない方が好ましい。
特開平1−145281号公報
ところで、特許文献1のプロテクタは、その機能として、車両とリアスポイラなどの車両外装部品との間に介在することで、車両に取り付けられた状態の車両外装部品ががたついて車両が傷つけられたり異音が発生したりするのを抑制することを主目的としている。このため、特許文献1のプロテクタを介して車両に車両外装部品が取り付けられた状態では、車両外装部品ががたつかないようにする必要がある。また、特許文献1のプロテクタは、リアスポイラなどの車両外装部品に取り付けられるものであるため、意匠性を確保する意味でも、車両と車両外装部品との間からはみ出したり、車両と車両外装部品との間に隙間ができたりしないようにする必要がある。
こうしたことから、特許文献1のプロテクタは、両面粘着テープによって車両外装部品の所定の位置へ極めて正確に貼り合わせなければならない。しかしながら、特許文献1のプロテクタや上記した両面粘着テープは非常に伸び易いため、特に3次元的に曲がった形状の車両外装部品に該両面粘着テープによって該プロテクタを貼り合わせる作業には、その位置合わせに熟練した力加減が要求され、多くの時間を要していた。
本発明は、このような課題に着目してなされたものである。その目的とするところは、両面粘着テープを使用することなく、取付部品に対して容易に取り付けることが可能なプロテクタを提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、車両と該車両に取り付けられる取付部品との間に介在されるプロテクタであって、前記取付部品に設けられた被嵌合部に対して嵌合可能な嵌合部を有する弾性体によって構成されていることを要旨とする。
上記構成によれば、取付部品の被嵌合部に弾性体の嵌合部を嵌合させるだけで取付部品に弾性体が取り付けられる。したがって、両面粘着テープを使用することなく、取付部品に対して弾性体を容易に取り付けることが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記弾性体における前記嵌合部に対して反対側となる前記車両側には、前記嵌合部を構成する材料よりも軟らかい材料で構成された軟質部が設けられていることを要旨とする。
上記構成によれば、取付部品の被嵌合部への弾性体の嵌合部の嵌合性を確保しつつ、車両と取付部品との間の緩衝性及びシール性を向上することが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記弾性体は、その内部に中空部を備えていることを要旨とする。
上記構成によれば、車両に取付部品を取り付ける際に弾性体の中空部が潰れるため、弾性体のクッション性を高めることが可能となる。
本発明によれば、両面粘着テープを使用することなく、取付部品に対してプロテクタを容易に取り付けることができる。
実施形態において、車両のトランクリッドにリアスポイラを取り付けるときの状態を示す斜視図。 実施形態のプロテクタの斜視図。 実施形態において、プロテクタが嵌着されたリアスポイラを車両のトランクリッドに取り付けたときの状態を示す断面簡略図。 (a)〜(e)は、変更例のプロテクタの断面図。 変更例において、プロテクタが嵌着されたリアスポイラを車両のトランクリッドに取り付けたときの状態を示す断面簡略図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、車両11の後部に位置するトランクリッド12上に取付部品としての硬質の合成樹脂よりなるリアスポイラ13を取り付ける場合には、トランクリッド12とリアスポイラ13との間に弾性体によって構成されたプロテクタ14が介在される。このプロテクタ14は、トランクリッド12とリアスポイラ13との間の緩衝性やシール性を確保するためのものである。
図2に示すように、プロテクタ14(弾性体)は押出成形によって長尺状に成形された成形品によって構成されている。このプロテクタ14を構成する材料としては、スチレン系やオレフィン系の熱可塑性エラストマ、あるいはEPDM(エチレンプロピレンゴム)などが用いられるが、本実施形態ではソリッド状(非発泡状)のスチレン系熱可塑性エラストマが採用されている。そして、このプロテクタ14を構成するスチレン系熱可塑性エラストマの硬度は、ショアA硬度(JIS規格:K6253−1997)で70度に設定されている。
図2及び図3に示すように、プロテクタ14は、断面視矩形状をなすベース部14aと、該ベース部14aの短手方向の中央部に該ベース部14aの長手方向に沿って延びるように立設された嵌合部としての断面視鏃状をなす凸条14bとを備えている。凸条14bの短手方向の両側面には2つの段差部14cがそれぞれ対をなすように形成されており、凸条14bの先端は長手方向から見て尖っている。リアスポイラ13におけるトランクリッド12に対する取り付け面には該取り付け面の周縁部に沿って延びる被嵌合部としての凹溝15が形成されており、該凹溝15にはプロテクタ14の凸条14bが嵌合可能になっている。
次に、車両11のトランクリッド12上へのリアスポイラ13の取り付け方法について説明する。
車両11のトランクリッド12上にリアスポイラ13を取り付ける場合には、まず、リアスポイラ13の凹溝15に、予め該凹溝15と同じ長さに切断したプロテクタ14の凸条14bを該凹溝15に沿って嵌入する。これにより、リアスポイラ13にプロテクタ14が装着される。
ここで、プロテクタ14をリアスポイラ13の取り付け面における周縁部に両面粘着テープで貼着する従来の方法では、一方の粘着面をプロテクタ14と貼り合わせた両面粘着テープの他方の面をリアスポイラ13の取り付け面における周縁部に沿って順次貼り付けていかなければならない。このとき、リアスポイラ13の取り付け面における周縁部にはコーナー部分や曲面部分があるため、特にこれらの部分にプロテクタ14を両面粘着テープによって貼着しようとすると、力加減によっては両面粘着テープがプロテクタ14とともに伸びて、プロテクタ14がリアスポイラ13に対する正規の装着位置からずれて貼着されてしまう。この結果、リアスポイラ13をトランクリッド12上に取り付けた後の車両11の意匠性の低下を招くおそれがある。このため、リアスポイラ13の取り付け面における周縁部にプロテクタ14を両面粘着テープによって正確に貼着しようとすると、極めて慎重な作業を強いられるため、作業時間が大幅に延びてしまう。
この点、本実施形態では、両面粘着テープを使用することなく、リアスポイラ13の凹溝15にプロテクタ14の凸条14bを嵌入するだけで、プロテクタ14がリアスポイラ13の正規の装着位置に正確に位置決めされた状態で装着される。すなわち、リアスポイラ13へのプロテクタ14の装着を容易に行うことができるので、リアスポイラ13へのプロテクタ14の装着作業に要する時間が短くて済む。
また、リアスポイラ13の形状によっては、リアスポイラ13の取り付け面における周縁部に部分的に凹溝15を形成できない箇所が存在する場合があるが、この場合には凹溝15の形成されていない箇所と対応するプロテクタ14の凸条14bをプレス加工などにより予め部分的に切除しておけばよい。
続いて、プロテクタ14が装着されたリアスポイラ13をトランクリッド12上の取り付け位置へあてがう。このとき、リアスポイラ13とトランクリッド12との間には、プロテクタ14が介在しているため、リアスポイラ13とトランクリッド12との間の緩衝性やシール性は確保される。その後、リアスポイラ13をトランクリッド12にねじなどによって固定することで、トランクリッド12上へのリアスポイラ13の取り付け作業が完了する。
以上詳述した実施形態によれば次のような効果が発揮される。
(1)両面粘着テープを使用することなく、リアスポイラ13の凹溝15にプロテクタ14の凸条14bを嵌入するだけで、プロテクタ14をリアスポイラ13の正規の装着位置に正確に位置決めされた状態で装着することができる。したがって、リアスポイラ13に対してプロテクタ14を短時間で容易に取り付けることができる。また、リアスポイラ13へのプロテクタ14の装着に両面粘着テープなどの別部材を使用しなくてもよいので、材料コストを低減することができる。
(2)リアスポイラ13の取り付け面における周縁部に凹溝15を形成できない箇所があっても、該箇所と対応するプロテクタ14の凸条14bをプレス加工などにより予め部分的に切除しておけば、プロテクタ14のリアスポイラ13への装着に問題が生じることはない。したがって、プロテクタ14を装着することによってリアスポイラ13の形状等の自由度が阻害されないようにすることができる。
(変更例)
なお、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・図4(a)に示すように、プロテクタ14において、ベース部14aの凸条14bに対して反対側となる車両11のトランクリッド12側に、ショアA硬度(JIS規格:K6253−1997)が70度未満のスチレン系熱可塑性エラストマで構成された軟質部20を設けてもよい。この場合、プロテクタ14において、車両11のトランクリッド12と接触する軟質部20は、ベース部14a及び凸条14bよりも軟らかくなっている。なお、軟質部20はプロテクタ14の押出成形時にベース部14a及び凸条14bと一体に成形される。このようにすれば、リアスポイラ13の凹溝15とプロテクタ14の凸条14bとの嵌合性を確保しつつ、車両11のトランクリッド12とリアスポイラ13との間の緩衝性及びシール性を向上することができる。
・図4(b)に示すように、図4(a)における軟質部20をセル状(発泡状)のスチレン系熱可塑性エラストマによって構成してもよい。このようにすれば、軟質部20をより一層軟らかくすることができるので、車両11のトランクリッド12とリアスポイラ13との間の緩衝性及びシール性をより一層向上することができる。
・図4(c)に示すように、プロテクタ14のベース部14aの内部に、該プロテクタ14の長手方向に沿って延びる断面視半円状をなす中空部21を設けてもよい。このようにすれば、トランクリッド12にリアスポイラ13を取り付ける際に中空部21が潰れるため、ベース部14a(プロテクタ14)のクッション性を高めることができる。
・図4(d)に示すように、プロテクタ14において、ベース部14aの凸条14bに対して反対側となる車両11のトランクリッド12側に両面粘着テープ22の一方の粘着面を貼り付けてもよい。この場合、ベース部14aに両面粘着テープ22が貼り付き難いようであれば、ベース部14aにおける両面粘着テープ22の貼り付け面にプライマを塗布してもよい。このようにすれば、車両11のトランクリッド12にリアスポイラ13をあてがった際に、該リアスポイラ13を両面粘着テープ22の粘着力によって仮止めすることができる。また、両面粘着テープ22の粘着力が十分に強い場合には、リアスポイラ13を両面粘着テープ22の粘着力だけで車両11のトランクリッド12に取り付けてもよい。
・図4(e)に示すように、プロテクタ14のベース部14aを断面視C字状をなすように形成してもよい。すなわち、プロテクタ14のベース部14aに切欠部14dを形成してもよい。このようにすれば、トランクリッド12にリアスポイラ13を取り付ける際にベース部14aが潰れやすくなるため、プロテクタ14のクッション性を高めることができる。
・図5に示すように、リアスポイラ13を取り付け面における周縁部に被嵌合部としての凸条31が設けられたリアスポイラ30に変更するとともに、プロテクタ14を該リアスポイラ30の凸条31と嵌合可能な嵌合部としての凹溝41を有する弾性体によって構成されたプロテクタ40に変更してもよい。
・リアスポイラ13の凹溝15及びプロテクタ14の凸条14bは、凹溝15と凸条14bとが嵌合可能であれば、どのような形状の組み合わせであってもよい。
・取付部品は、フロントスポイラ、サイドマッドガード、オーバーフェンダなどの車両外装部品であってもよいし、内装パネルなどの車両内装部品であってもよい。
さらに、上記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
(イ)前記軟質部は発泡状の熱可塑性エラストマによって構成され、前記嵌合部は非発泡状の前記熱可塑性エラストマによって構成されていることを特徴とする請求項2に記載のプロテクタ。
(ロ)前記弾性体は押出成形によって成形された成形品によって構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3及び前記(イ)のうちいずれか一項に記載のプロテクタ。
11…車両、13,30…取付部品としてのリアスポイラ、14,40…プロテクタ、14b…嵌合部としての凸条、15…被嵌合部としての凹溝、20…軟質部、21…中空部、31…被嵌合部としての凸条、41…嵌合部としての凹溝。

Claims (3)

  1. 車両と該車両に取り付けられる取付部品との間に介在されるプロテクタであって、
    前記取付部品に設けられた被嵌合部に対して嵌合可能な嵌合部を有する弾性体によって構成されていることを特徴とするプロテクタ。
  2. 前記弾性体における前記嵌合部に対して反対側となる前記車両側には、前記嵌合部を構成する材料よりも軟らかい材料で構成された軟質部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のプロテクタ。
  3. 前記弾性体は、その内部に中空部を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプロテクタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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