JP2010269517A - 感圧記録シート - Google Patents

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Abstract

【課題】輸送用タグ等の耐水性、耐光性、耐擦過性が良好な感圧記録シート、特に、大規模災害現場での救護活動において、多数の被災者のカルテの作成を円滑かつ確実にするトリアージタグにも使用出来る感圧記録シートを提供する。
【解決手段】支持体上に、双方または一方がマイクロカプセル化されている発色剤及び顕色剤を含有する自己発色型の感圧記録層を設け、更にその上に、硬化性樹脂層を設けた、感圧記録シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、支持体上に設けた自己発色型の感圧記録層を設け、更にその上に、硬化性樹脂層を設けた感圧記録シートに関するものである。
近年、感圧記録シートの用途も輸送用のタグ等のように耐水性、耐光性、及び耐擦過性が要求される場合にまで広がっている。特に、阪神淡路大震災のような大規模災害発生時には、種々な症度の患者が同時に多数発生する。大規模災害発生時には投入出来る医療サービスも限られる。そのため、大規模災害現場での救護活動の混乱を最小限に抑え、確実に、より能率的に行えるようにすべく、患者を、軽症、重症、超重症、死亡等の重症度に応じて色別にて識別するようにした大規模災害時の患者の重症度識別表示方法とするトリアージタグが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
トリアージタグにはトリアージ区分(0,I,II,III)を表示する機能の他に、表面に2枚の複写紙を重ね、第1枚目は災害現場用複写紙、第2枚目は搬送機関用複写紙、表面上部は収容医療機関用とする。この災害現場用、搬送機関用、収容機関医療用の複写紙にはナンバー、氏名、年齢、性別、住所、電話番号、トリアージ(救護と搬送の順位決定)実施月日・時刻、トリアージ実施者氏名、搬送機関名、収容医療機関名を複写して記せるように表示してある。トリアージ実施場所、トリアージ区分、トリアージ実施機関を記載させ、更に、医師、救急救命士、その他の資格有無を選別して記載させ、症状、傷病名、特記事項が記せるようになっている。
トリアージ(triage)とは、医療機能が制約される中で、一人でも多くの患者に対して最善の治療を行うため、患者の緊急度や重症度によって治療や後方搬送の優先順位を決めることをいう。
同時に多数発生する患者に対して、医療スタッフや医薬品等限られた診療機能を最大限に活用して治療を行うため、医療機関等は、まずトリアージを行い、その優先順位により搬送や治療を行う。
災害等の混乱している中で、トリアージを行わず、通常と同じように発見順や受付け順で搬送や治療を行った場合、重症者が長時間放置されるということになり、また、致命傷を既に負い助かる見込みの無い最重症者から治療を始めた場合には、その治療だけで貴重な医療スタッフ、医薬品等が使われてしまい、救命可能性のより高い他の重症者の治療が出来なくなり、助かる者も助からなくなる。こうした問題点を解決し、患者の救命や治療を最大限効率的、効果的に行うためにトリアージが必要となる。
トリアージの判定者は、被災地等の悪条件下で素早く診断を下し、トリアージタグに治療に必要な情報を記載しなければならない。場合によっては、鉛筆、フェルトペン等の筆記具が無い場合や、使い果たす場合も有り得る。判定者は必ずしも派遣された救急機関や医療機関の者と限らず、大規模災害等や僻地での大災害等においては現地に居合わせた医師等によってトリアージを行う状況も想定しなければならない。
また、患者へのその場での最低限の応急治療も想定されるが、血液や消毒液等の薬剤がトリアージタグに付着し、情報が毀損される恐れもある。更に、トリアージタグのうち収容機関用の1枚はカルテ用紙の代用となるものでもあり、5年程度の長期保存性を求められる。
一方、近年、RFID技術等の普及と共に、トリアージの判定結果を患者の所から医療機関まで迅速に送る提案もされている。電子ペンを応用する提案もある(例えば、特許文献2参照)。これらは、通信網や各種ライフラインが機能している中での大事故等への対応には一定の意義がある。しかし、大規模災害発生後は、大地震に限らず、洪水、台風、津波、大雪等、いずれも被災地の状況は厳しいものとなる。そのため、大規模災害への備えとしては基本的性能についての徹底した改良提案が求められている。しかし、残念ながら、トリアージタグについて、感圧記録シート面からの提案は支持体選択に限られている現状である(例えば、特許文献3参照)。
特開2003−38587号公報 特開2007−172010号公報 特開平9−150575号公報
本発明の目的は、耐水性が良好であり、輸送用等のタグ等にも使用可能な感圧記録シートの提供であり、特に、大規模災害の現場での救護活動において、多数の被災者のトリアージを円滑かつ確実にするトリアージタグとしての使用にも耐える感圧記録シートの提供である。より詳しくは、筆記具を持たない判定者でも記入出来、水、血液、消毒液等の薬剤が感圧記録シートに付着する状況でも記入出来、しかも記入された記録については長期保存性がある感圧記録シートを提供することである。
本発明者らは、上記問題を解決するために、支持体上に、双方または一方がマイクロカプセル化されている発色剤及び顕色剤を含有する自己発色型の感圧記録層を設け、更にその上に、硬化性樹脂層を設けた、感圧記録シートを作製した。
硬化性樹脂層が、加熱硬化、レドックス常温硬化、紫外線硬化、電子線硬化より選ばれる1種類以上の硬化方法により硬化された硬化性樹脂層であると製造が容易であり好ましい。
また、硬化性樹脂層の塗工量が、硬化後0.5〜30g/mであると耐薬品性等と発色濃度とがいずれも良好であり好ましい。
あるいはまた、感圧記録層を設けた面とは反対側の面上に硬化性樹脂層を設けると耐水性が更に良く好ましい。
本発明の感圧記録シートは、3枚積層してトリアージタグとして用いると、筆記具が無くても、枝、石ころ等でも筆記出来る。また、水、血液、消毒液等の薬剤が付着した状態でも記入出来る。しかも本発明の感圧記録シートに記入した記録には長期保存性もある。
以下、本発明の感圧記録シートについて述べる。本発明の感圧記録シートは支持体上に、双方または一方がマイクロカプセル化されている発色剤及び顕色剤を含有する自己発色型の感圧記録層を設け、更にその上に、硬化性樹脂層を設けたものである。
本発明の感圧記録シートの用途に特に限定は無い。しかし、3枚の感圧記録シートを感圧記録面を同じ向きにして積層すると、トリアージタグとして使用するのに適する。なお、トリアージタグとしての使用の場合、3枚目のシートには判定区分を色分け表示する部分も付ける。
なお、自己発色型の感圧記録シートを積層し、上から筆記すると、1枚目には複写では無い原本としての記録が得られる。2枚目以下には、実用上は複写としての記録が得られる。しかし、1枚目の記録も2枚目以下の記録も感圧記録層の発色により記録が得られるという点については本質的差異が無い。
自己発色型の感圧記録層を持つ感圧記録シートは、一般に自己発色感圧記録シートまたはセルフコンティンドペーパーとも呼ばれている。
自己発色型の感圧記録層は、発色剤を含有する層を支持体上に設け、更にその上に顕色剤を含有する層を設けた2層からなっていてもよい。2層の場合、発色剤を含有する層は顕色剤を含有する層の上に設けてもよい。あるいは発色剤と顕色剤とを1層中に含有して感圧記録層としてもよい。いずれの場合でも発色剤と顕色剤のいずれか一方、あるいは両者がマイクロカプセル中に内包されていることがカブリ防止のため好ましい。多くの場合は、両者のうち、発色剤のみがマイクロカプセル中に内包されている。
本発明の感圧記録シートに用いる支持体は紙、ポリオレフィン樹脂ラミネート紙、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系フィルムないし合成紙、ポリエチレンテレフタレートフィルムないし合成紙、不織布、布等がより好ましい。トリアージタグとして3枚積層時、1枚目と2枚目に用いる感圧記録シートは弱い筆圧でも3枚目まで記録出来るよう、厚みは100μm以下、より好ましくは80μm以下、特に65μm以下が好ましい。一方、1枚目と2枚目のいずれも独立して取り扱われる際の強度や取扱い容易性の点から、厚みは20μm以上、より好ましくは30μm以上、特に40μm以上が好ましい。
3枚目に用いる感圧記録シートは厚みの上限は特に無いが、保管時に嵩張らないために、500μm以下、より好ましくは400μm以下、特に350μm以下が好ましい。3枚目についてはカルテ用紙として折り曲げ等にも耐え、また、筆記時の下敷きとしての強度も求められるため、厚みは40μm以上、より好ましくは90μm以上、特に130μm以上が好ましい。
本発明の感圧記録シートにおいては感圧記録層の上に、更に好ましくは支持体の反対面にも樹脂を含有する樹脂層を設ける。ここで、樹脂としては、水溶性高分子、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂等が挙げられる。これらのうち、硬化性樹脂を用いると記録濃度を損なわずに、耐水性が得られ、好ましい。
なお、必要に応じて、樹脂層は2層以上でもよく、また、異なる種類の樹脂層を積層してもよい。感圧記録シートの両面に樹脂層を設けていてもよい。
本発明の感圧記録シートにおいて、好ましく設けられる硬化性樹脂層は、加熱硬化、レドックス常温硬化、紫外線硬化、電子線硬化より選ばれる1種類以上の硬化方法により硬化された硬化性樹脂層であることが好ましい。硬化性樹脂層は透明ないし半透明であると記録の読取りが容易であり好ましい。
なお、本発明において好ましい硬化性樹脂層を設ける方法としては、例えば、塗工、印刷等が挙げられる。このうち、塗工による方法が大量生産が容易であり好ましい。
以下、本明細書においては樹脂層の単位当り質量等を述べる場合、塗工、印刷等の方法によらず、塗工量等、塗工関連用語で表現する。
本発明における感圧記録層においては、発色剤または顕色剤の少なくとも一方がマイクロカプセルに内包されている。マイクロカプセル化については、従来から感圧記録シートにおいて公知の技術を使用出来る。例えば、マイクロカプセル化の方法やマイクロカプセルの壁材、発色剤や発色剤を溶解する油、あるいは顕色剤、接着樹脂、マイクロカプセル保護剤等である。
マイクロカプセル化法としては、コアセルベーション法、界面重合法、インサイチュー重合法等が使用出来る。マイクロカプセルの壁材としては、ポリウレタン、ポリ尿素、エポキシ樹脂、尿素/ホルマリン樹脂、メラミン/ホルマリン樹脂等が使用出来る。
マイクロカプセル化時、発色剤または顕色剤のいずれか一方を溶媒に溶解し、マイクロカプセルに内包させる。両者をマイクロカプセル化する場合も、発色剤内包マイクロカプセルと顕色剤内包マイクロカプセルとをそれぞれ作製する。
使用する溶媒としては、高沸点あるいは不揮発性溶媒が好ましい。例えばジイソプロピルナフタレン等のアルキルナフタレン類、1−フェニル−1−キシリルエタン等のジアリールアルカン類、イソプロピルビフェニル等のアルキルビフェニル類、その他トリアリールメタン類、アルキルベンゼン類、ベンジルナフタレン類、ジアリールアルキレン類、アリールインダン類等の芳香族炭化水素;フタル酸ジブチル、マレイン酸ジオクチル等のエステル化合物;ヒマシ油、大豆油、綿実油等の植物油またはその変性油;鉱物油等の天然物高沸点留分等が挙げられ、1種または2種以上混合する。
発色剤のみをマイクロカプセル化する場合、得られた発色剤内包マイクロカプセルを、顕色剤と混合すると発色感度の面でより好ましい。また、発色剤を含有する発色剤層と顕色剤を含有する顕色剤層の2層をそれぞれの層の塗工液を順次支持体上に塗工し、2層の感圧記録層を設けると耐擦過性の点で好ましい。なお、顕色剤は通常、水及びポリビニルアルコール等の分散剤と共にボールミル等により分散液としてから用いる。
感圧記録層に好ましく含有される成分としては、デンプンまたはデンプン誘導体の微粒子、セルロース繊維粉末等の保護剤、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子、酢酸ビニル系、アクリル系、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス等の水分散性高分子が挙げられる。更に必要に応じ、蛍光増白剤、消泡剤、浸透剤、防腐剤等を含有させてもよい。
発色剤としては、トリアリールメタン系化合物、ジアリールメタン系化合物、フルオラン系化合物、チアジン系化合物、スピロピラン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、スピロ系化合物、ラクタム系化合物等が使用出来、一般に感圧記録シートや感熱記録シートに用いられているものであれば、特に制限されない。
発色剤の具体例としては、例えば、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等のトリアリールメタン系化合物、4,4′−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリルベンジルエーテル、N−ハロフェニル、ロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等のジフェニルメタン系化合物、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等のチアジン系化合物、3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン、3−フェニル−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジル−スピロ−ジナフトピラン、3−メチル−ナフト(6′−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピラン等のスピロ系化合物、ローダミン−B−アニリノラクタム、ローダミン(p−ニトロアニリノ)ラクタム、ローダミン(o−クロロアニリノ)ラクタム等のラクタム系化合物、3−ジメチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,7−ジメチルフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−アセチル−N−メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−メチルアミノフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチル−N−ベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−クロロエチル−N−メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−ジエチルアミノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−カルボメトキシ−フェニルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−iso−アミルアミノ)−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−p−ブチルフェニルアミノフルオラン等のフルオラン系化合物等が挙げられる。
発色剤をマイクロカプセル中に内包する際、発色剤を溶解する溶媒としては、高沸点または不揮発性のものが好ましく用いられる。好ましい具体例は、例えばジアリールアルカン系、アルキルナフタレン系、アルキル化ビフェニル、水添ターフェニルの如き芳香族合成油、ケロシン、ナフサ、パラフィン油、塩素化パラフィン、軽油の如き脂肪族合成油や原油からの分留成分、綿実油、大豆油、亜麻仁油の如き植物油等である。これらは顕色剤をマイクロカプセル中に内包する際にも顕色剤を溶解するための好ましい溶剤となる。
マイクロカプセルの弱い圧力による破壊を防止するため好ましく用いられる保護剤としては、例えば、セルロース粉末、デンプン微粒子、タルク、焼成カオリン、炭酸カルシウム等が好ましく使用出来る。保護剤は感圧記録層に含有させるとより良い。
顕色剤としては、粘土類(例えば活性白土、酸性白土、アタパルジャイト、ベントナイト、コロイダルシルカ、硅酸アルミニウム等)、有機酸(例えばサリチル酸の如き芳香族カルボキシ化合物またはこれらの金属塩等)、有機酸と金属化合物の混合物、酸性重合体(例えばフェノール/ホルムアルデヒド樹脂、サリチル酸系樹脂またはこれらの亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属塩等)等が使用出来る。感熱記録に用いられる顕色剤と同様に電子受容性の物質が用いられ、特にフェノール誘導体、芳香族カルボン酸誘導体あるいはその塩、N,N′−ジアリールチオ尿素誘導体等が使用される。この中で特に好ましいものはフェノール誘導体、芳香族カルボン酸及びそのフェノール性化合物である。好ましい具体例としては、例えば、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、ビスフェノールスルフォン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロピルオキシジフェニルスルフォン、3,4−ジヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルフォン、ジフェノールエーテル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、p−tert−ブチル安息香酸、トリクロロ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸オクチル、安息香酸、テレフタル酸、3−sec−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−tert−ブチルサリチル酸、3−ベンジルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−クロロ−5−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3−フェニル−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、2,2′−ジヒドロキシジフェノール、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−イソブチルフェノール)、4,4′−イソプロピリデンビス(2−tert−ブチルフェノール)、4,4′−sec−ブチリデンジフェノール、4−フェニルフェノール、2,2′−メチレンビス(4−クロロフェノール)、4,4′−シクロヘキシリデンジフェノール、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、ノボラック型フェノール樹脂、フェノール重合体等のフェノール性化合物等が挙げられる。
本発明において、感圧記録層に用いられるバインダーとしては、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン等のプロテイン、酸化デンプン、エステル化合物デンプン等のサッカロースの如き水性天然高分子化合物、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ラテックス、ポリアクリルアミド、スチレン/無水マレイン酸共重合体等の如き水溶性合成高分子化合物やラテックス類、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性接着樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/アクリル酸共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のラテックス等が挙げられる。
感圧記録層に好ましく含有される顔料としては、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹脂等が挙げられる。多くは、保護剤としても好ましい。また、これら顔料は硬化性樹脂層にも好ましく含有される。
感圧記録層に含有させる固形成分やマイクロカプセル、水分散性高分子は、分散液としてから他の含有成分と混合するのが好ましい。なお、必要に応じ、複数の固形成分を一つの分散液としても良い。但し、水溶性高分子等水溶性成分は水溶液としてから他の含有成分と混合するのが好ましい。
感圧記録層には、更に、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスターワックス等のワックス類、また、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、スルホン酸変性ポリビニルアルコール等の分散剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、更に界面活性剤、蛍光染料等が必要に応じて含有される。
感圧記録層は、支持体上へ感圧記録層塗工液を塗工し、乾燥して得られる。塗工に用いる装置としては、例えば、グラビアロール及びトランスファロールコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、Uコンマコーター、AKKUコーター、スムージングコーター、マイクログラビアコーター、リバースロールコーター、4本あるいは5本ロールコーター、ブレードコーター、ディップコーター、ロッドコーター、キスコーター、ゲートロールコーター、スクイズコーター、落下カーテンコーター、スライドコーター、ダイコーター等が挙げられる。また、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、活版印刷、凹版印刷等の印刷機を用いて塗工してもよい。
感圧記録層の塗工量は1.0〜10.0g/m(乾燥質量固形分)が好ましい。好ましい上限を超えると耐熱性、耐光性等の点で地肌カブリを生じる恐れがある。好ましい下限に満たないと満足な記録濃度を得られない恐れがある。なお、この好ましい範囲を発色剤の塗工量として示すと、0.05〜1.0g/mである。顕色剤の発色剤に対する好ましい質量比率は0.5〜80である。好ましい質量比率を下回ると記録濃度が十分でない恐れがある。好ましい質量比率を超えると顕色剤を含む層の塗工量が多すぎ、塗工層の強度や耐水性が低下する恐れがある。
更に、カール防止のためにバックコートを施したり、貼り付き防止のために導電処理を行ったり、支持体と感圧記録層の間にアンカー層を設ける等、感圧記録シート製造分野における各種の公知技術を必要に応じて用いることが出来る。なお、バックコートとしては硬化性樹脂層を設けるのが耐水性等の向上のためにも好ましい。
例えば、高い発色濃度を得るため、支持体と感圧記録層との間に、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、クレー、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、硫酸鉛、鉛白、亜鉛華、硫化亜鉛、サチン白、酸化チタン、酸化アンチモン、雲母、ベントナイト、ケイ酸カルシウム、石膏、水酸化アルミニウム等の無機顔料、またはポリスチレン、ポリビニルトルエン、スチレン/ジビニルベンゼン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、尿素/ホルムアルデヒド重合体、ポリエチレン等の微粉有機顔料を含むアンカー層を設けたり、アンカー層に好ましく含有させる顔料等を感圧記録層内に含有させてもよい。
本発明の感圧記録シートにおいて用いる支持体としては、紙に限らないことを先に述べた。しかし、多くの用途では裏面も含めての筆記性、印刷適性等の点で紙が用いられることが多い。支持体としての紙の具体例としては、グラシン紙、上質紙、中質紙、更紙、アート紙、コーテッド紙、軽量コート紙、微塗工紙、キャストコート紙等一般に印刷用や筆記用に用いられている紙を用いることが出来、木材パルプ、合成パルプ、填料、サイズ剤、紙力増強剤、染料等、通常抄紙で用いられる原材料を必要に応じて使用することが可能である。
一方、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルペンテン等のプラスチックフィルムないし合成紙や、合成繊維やガラス繊維等を用いた不織布、または合成樹脂を紙に片面、または両面にラミネートしたラミネート紙、金属箔、または金属箔と紙の貼り合わせ品、蒸着紙、ホログラム処理を施した不透明シート、合成樹脂フィルムとの貼り合わせ品、マイカ紙、含浸紙等も、紙によっては得られない特性が望まれる場合、本発明において支持体として使用出来る。
これらの支持体は無機あるいは有機填料、染料、インク、トナー等により不透明化することが出来る。
次に感圧記録層の上に設ける硬化性樹脂層について述べる。
本発明の検討前には予期出来なかったことであるが、硬化性樹脂層は、筆圧をほとんど分散、吸収すること無く伝達するため、感圧記録時において最も重要な特性である高い発色濃度、解像度が得られる。また、感圧記録面の光沢、耐擦過性の点からも硬化性樹脂層は好ましい。
次に硬化性樹脂層を形成する樹脂について説明する。樹脂の類型としては、熱可塑性でない硬化性樹脂、特に3次元的網目構造的に架橋する樹脂が好適に用いられ、各種熱硬化性樹脂、レドックス重合樹脂や放射線硬化性(紫外線硬化性および電子線硬化性)樹脂を用いることが出来る。硬化性樹脂の具体例としては、例えばDFK樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ビニルエステル樹脂、フラン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、グアナミン樹脂、各種ポリアクリル酸エステル及びポリメタクリル酸エステル、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ウレタンエラストマー、ポリウレタン樹脂等の樹脂、あるいはそのモノマーやオリゴマーの1種以上を、無溶剤で、あるいは溶液、水溶液、エマルジョンの形で用いることが出来る。これらの接着樹脂の硬化の方法は熱乾燥、熱重合、紫外線硬化、電子線硬化等公知の方法を用いてよい。
また、本来、強度な接着性を有する樹脂であっても、必要に応じて、より接着性の弱い樹脂や、剥離剤と共に用いることにより、接着性を適度に低下させ硬化性樹脂として好ましく機能させることが出来る。
硬化性樹脂やそれを含有するインキないし塗工用組成物は市販されているものを用いてもよい。例えば、紫外線硬化性樹脂を含有するインキは、UVインキと通称され多くのインキが市販されている。
なお、それら市販のUVインキには、例えば、硬化性樹脂以外の樹脂、不揮発性油、揮発性溶剤、重合禁止剤、重合開始剤、光増感剤等が併用されているものもある。
筆記性や印刷適性付与、ブロッキング防止、増粘、増量のため、必要に応じて、硬化性樹脂層を形成する樹脂に、有機あるいは無機顔料を含有させることが可能である。好ましい具体例としては、例えば、カオリン、焼成カオリン、タルク、ろう石、ケイソウ土、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、炭酸バリウム、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン等のプラスティックビーズ等が挙げられる。
硬化性樹脂層の塗工量は、限定されるものでは無いが、筆圧を感圧記録層に効率良く伝える目的から、より薄いことが望まれ、好ましくは0.5〜30g/m、より好ましくは1.0〜20g/mの範囲内である。好ましい範囲に満たないと、耐薬品性が十分でなくなる恐れがある。好ましい範囲を超えると転写した記録の発色濃度あるいは発色の速さが十分でない恐れがある。なお、印刷等、塗工以外の方法により硬化性樹脂層を設ける場合も上記好ましい範囲は同様である。
本発明において、感圧記録層を設けた面とは反対側の面上に硬化性樹脂層を設けると耐薬品性や耐水性等がより良くなり好ましい。反対側の面に硬化性樹脂層を設ける場合の好ましい塗工量は0.5〜30g/m、より好ましくは1.0〜20g/mの範囲内である。好ましい範囲に満たないと、耐薬品性が十分でなくなる恐れがある。好ましい範囲を超えると転写した記録の発色濃度が十分でない恐れがある。
硬化性樹脂層を形成する樹脂等の塗工に用いる装置としては、例えば、グラビアロール及びトランスファロールコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、Uコンマコーター、AKKUコーター、スムージングコーター、マイクログラビアコーター、リバースロールコーター、4本あるいは5本ロールコーター、ブレードコーター、ディップコーター、ロッドコーター、キスコーター、ゲートロールコーター、スクイズコーター、落下カーテンコーター、スライドコーター、ダイコーター等が挙げられる。
また、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、活版印刷、凹版印刷等の印刷機を用いて塗工してもよい。
塗工後、硬化性樹脂を硬化するには、硬化反応の種類に応じて例えば以下の開始剤を使用することが出来る。すなわち一元開始剤(単に開始剤)としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルジパーフタレート、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチルパーアセテート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド、ヒドロキシヘプチルパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキシド、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。二元開始剤(レドックス開始剤)としては、例えば、フェントン試薬及びその金属種あるいはパーオキシ化合物を変えた組合せ、ベンゾイルパーオキサイド/ジメチルアニリン、クメンヒドロパーオキサイド/第一鉄塩、過硫酸塩/NaHSO、クメンハイドロパーオキサイド/バナジウム化合物、セリウム塩/アルコール等が挙げられる。嫌気硬化の開始剤としては、例えば、ハイドロパーオキサイド/第三級アミン/スルフィミド、パーオキサイド/トリエチルアルミニウム、トリエチルホウ素、ジエチル亜鉛等が挙げられる。紫外線硬化を行う場合の光開始剤としては、例えば、ジ及びトリクロロアセトフェノンのようなアセトフェノン類、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類、アゾ化合物等が挙げられる。開始剤の含有量は、硬化性樹脂に対して、質量比で通常0.1〜10%の範囲が一般的である。また、ハイドロキノンのような貯蔵安定剤や重合禁止剤が併用される場合もある。
本発明の感圧記録シートを用いたトリアージタグは、必ずしも大規模災害時ばかりでなく、事故対応等、通信手段や機器等が用いられる環境下でも用いられる。また、使用時には状況に応じ、様々な付加機能が求められる。それらに出来るだけ対応するため、トリアージタグの表面あるいは反対面に、保護被覆層、粘着層、硬化性樹脂層、剥離層、印刷層、トナー受理層、インク受理層、感熱記録層、筆記層、磁気記録層等を単独で、あるいは同時に設けることが出来る。トリアージタグ以外の用途まで考慮すると、自己発色でない感圧記録のための層として、発色剤層または顕色剤層のいずれかを裏面に設けてもよい。
特にトリアージタグの3枚目に用いる感圧記録シートにはトリアージ区分を示す色印刷や、もぎりのためのミシン目が必要である。
硬化性樹脂の種類によっては感圧記録層や支持体へ樹脂が浸透してしまい、求める層構成にならない恐れもあった。
以上のような恐れを確かに防ぐため、必要に応じて、感圧記録層上や、支持体の感圧記録層と反対側の面上に水性高分子中間層を設けてもよい。ここで、水性高分子とは、水溶性高分子及び水分散性高分子を総称したものである。
必要に応じて設ける水性高分子中間層に用いることの出来る水性高分子としては、例えば、天然高分子及び半合成高分子として、デンプン、酸化デンプン、エーテル化デンプン、ジアルデヒド化デンプン、エステル化デンプン等の変性デンプン化合物、アルギン酸ソーダ、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸化合物、カゼイン、ゼラチン、プルラン、デキストラン、キチン、キトサン、ゴムラテックス、アラビアゴム、フノリ、天然ガム、デキストリン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、カルボキシメチルセルロース等の変性セルロース化合物等が挙げられる。合成高分子としては、完全ケン化あるいは部分ケン化ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールと多価カルボン酸とのエステル化物、カルボキシ変性化ポリビニルアルコール、スルホン酸変性化ポリビニルアルコール、オレフィン変性化ポリビニルアルコール、ニトリル変性化ポリビニルアルコール、アミド変性化ポリビニルアルコール、ピロリドン変性化ポリビニルアルコール等の変性化ポリビニルアルコール化合物、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸ソーダ等のポリアクリル酸化合物、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリビニルエーテル、ポリマレイン酸共重合体、ポリアクリルアミド、水溶性アルキド樹脂等が挙げられる。また、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、ブタジエン/メタクリレート共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/アクリル酸ラテックス等の合成高分子を水に分散したエマルジョンまたは水溶液等が挙げられる。必要ならば消泡剤、分散剤等を併用して用いることが出来る。
水性高分子中間層の塗工量は限定されるものでは無いが、好ましくは1〜5g/mの 範囲内である。塗工量がこの範囲より小さいと水性高分子中間層がムラになることがあるし、この範囲より多くても、剥離性、染み込み防止性の向上に寄与しない。
以上、主にトリアージタグ用途中心に説明したが、本発明の感圧記録シートは用途を限ったものでは無い。耐水性、耐薬品性、各種の保存性が要求される用途には好ましく用いられる。例えば、浴室内、雨中、海中、炎天下、車中等、従来の感圧記録シートでは使用困難な環境下でも好ましく用いられる。また、重ねて用いずとも1枚で用いても感圧記録シートとして優れている。逆に4枚以上重ねても記録は下のシートまで転写される。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は、実施例に限られるものでは無い。以下に示す部及び%のいずれも質量基準である。また、塗工量を示す値は断わりの無い限り乾燥後の塗工量である。
(実施例1)
感圧記録層を設けたシートとして、市販の自己発色感圧記録シート(三菱製紙社製三菱NCR紙スーパー ダイヤセルフN40、坪量40g/m)を使用した。自己発色感圧記録層の上、及び、自己発色感圧記録層が設けられた面と反対側の面上のそれぞれに、JIS K5701−1中、5.3.2の附属書3に記載されている展色装置(RIテスター)にてUVインキ(T&K TOKA社製UVハクリOPニスUP−2)をそれぞれ、硬化後の塗工量2.5g/mとなるように塗工した後、UV照射装置(ウシオ電機社製ラピッドキュア)にて硬化を行い硬化性樹脂層として感圧記録シートを得た。
(実施例2)
実施例1で用いたUVインキに替えて、UVインキ(T&K TOKA社製UVパックOPニスSK−T S−1(1)、油性インキタイプ)を用いた以外は実施例1と同様にして感圧記録シートを得た。
(実施例3)
実施例1で用いたUVインキに替えて、UVインキ(T&K TOKA社製UVパックOPニスSK−T(1)、油性インキタイプ)を用いた以外は実施例1と同様にして感圧記録シートを得た。
(実施例4)
自己発色感圧記録層が設けられた面と反対側の面上には硬化性樹脂層を設けなかった他は、実施例1と同様に感圧記録シートを得た。
(実施例5)
自己発色感圧記録層が設けられた面と反対側の面上には硬化性樹脂層を設けなかった他は、実施例2と同様に感圧記録シートを得た。
(実施例6)
自己発色感圧記録層が設けられた面と反対側の面上には硬化性樹脂層を設けなかった他は、実施例3と同様に感圧記録シートを得た。
(実施例7)
発色剤層塗工液Aの調製
発色剤3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド8部をジイソプロピルナフタレン(KMC−113:クレハ社製)100部に加熱溶解し、発色剤溶液を得た。更にエチレン−無水マレイン酸共重合体(EMA31:モンサント社製)の3%水溶液200部に、20%水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを6.0とした液中に、この発色剤溶液を乳化分散させた後に系を55℃に昇温した。別に37%ホルムアルデヒド水溶液45部にメラミン15部を加え、60℃で15分間反応させてプレポリマー水溶液を調製した。このプレポリマー水溶液を前記乳化液中に滴下し、更に攪拌しながら0.1N−塩酸を滴下してpH5.3とした後、80℃まで昇温して1時間保持してから、0.2N−塩酸でpHを3.5に下げ、更に3時間保温してから放冷して平均粒子径5μmのマイクロカプセル分散液を得た。上記マイクロカプセル分散液に、小麦澱粉50部、酸化変性澱粉の25%水溶液90部を加え発色剤層塗工液Aを得た。
顕色剤層塗工液Bの調製
顕色剤3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸亜鉛100部をトルエン100部に溶解し、3%のポリビニルアルコール水溶液150部中にホモミキサーを用いて乳化し、その後トルエンを水蒸気蒸留して40%の顕色剤微粒子の水分散液を得た。この顕色剤水分散液10部(固形分として)に軽質炭酸カルシウム(TP−121MS:奥多摩工業社製)92部、酸化亜鉛8部、酸化変性澱粉の30%水溶液20部(固形分として)、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス5部を混合、攪拌して顕色剤層塗工液Bを調製した。
自己発色感圧記録シートCの塗工
上記の如く調製された発色剤層塗工液及び顕色剤層塗工液を坪量40g/mの上質紙の片面に順次、塗工量がそれぞれ3.5g/m及び5.5g/mとなるようにエアナイフコーターにて塗工、乾燥して2層の自己発色感圧記録層とし、自己発色感圧記録シートCを設けた。
実施例1において用いた自己発色感圧記録シートに替えて、自己発色感圧記録シートCを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例7の感圧記録シートを得た。
(実施例8)
実施例7において用いた自己発色感圧記録シートCを設ける際に、発色剤層塗工液及び顕色剤層塗工液の塗工順を逆にし、2層の自己発色感圧記録層を得て、自己発色感圧記録シートDを得た。
実施例7で用いた自己発色感圧記録シートCに替えて、自己発色感圧記録シートDを用いた以外は実施例7と同様にして実施例8の感圧記録シートを得た。
(実施例9)
自己発色感圧記録層が設けられた面と反対側の面上には硬化性樹脂層を設けなかった他は、実施例7と同様に感圧記録シートを得た。
(実施例10)
自己発色感圧記録層が設けられた面と反対側の面上には硬化性樹脂層を設けなかった他は、実施例8と同様に感圧記録シートを得た。
(比較例1)
実施例1で使用した市販の自己発色感圧記録シートをそのまま感圧記録シートとした。
(比較例2)
実施例7で使用した自己発色感圧記録シートCをそのまま感圧記録シートとした。
(比較例3)
実施例8で使用した自己発色感圧記録シートDをそのまま感圧記録シートとした。
(比較例4)
実施例1で使用した市販の自己発色感圧記録シートに、Asmix社製ラミネーターL2310Eとそれに専用のラミネート用フィルムを用い、シートの両面にラミネート加工して感圧記録シートとした。なお、ラミネートしたフィルムは80g/mのものであった。
[発色試験1]
実施例1〜10及び比較例1〜4の感圧記録シートを、それぞれの自己発色感圧記録層を設けた面が、机上に置いた時、いずれも上向きになるように3枚重ね、一番上の感圧記録シート上からボールペンで筆記した。この際、評価者は立った姿勢で机の面を下敷きの代用として筆記した。
評価は次の基準によった。3枚重ねの3枚目で評価した。△以上が実用水準である。
評価○ 筆記により速やかに鮮明な記録が得られ、ニジミも見られない。
評価△ 記録を得る速さ、鮮明さ、ニジミ、のうち1項目以上がやや劣るが良好。
評価× 記録を得る速さ、鮮明さ、ニジミ、のうち1項目以上が実用に耐えない。
[発色試験2]
実施例1〜10及び比較例1〜4の感圧記録シートについて、発色試験1で用いたボールペンに替えて木製の塗り箸を用いた以外は発色試験1と同様にして筆記した。
評価は発色試験1での基準をそのまま用いた。
[耐水性試験1]
発色試験1に用いた3枚に重ねたそれぞれの感圧記録シートのうち、それぞれの上から2枚目の感圧記録シートを取り出し、発色部(発色試験1で記録を得た部分とその周辺)に水を滴下し指で水を広げ、1分放置後、水をティッシュペーパーで拭き取った。更に、その感圧記録シートの発色部の裏面にも水を滴下し指で水を広げ、1分放置後、水をティッシュペーパーで拭き取り、表裏共、単に濡れた状態にしてから目視観察した。
評価は次の基準によった。△以上が実用水準である。
評価○ 記録の鮮明さが保たれ、ニジミも認められず。シートもふやけず。
評価△ 記録の鮮明さ、ニジミ、シートのふやけ、のうち1項目以上がやや劣るが良好。
評価× 記録の鮮明さ、ニジミ、シートのふやけ、のうち1項目以上が実用に耐えない。
[耐水性試験2]
発色試験1に用いた3枚に重ねたそれぞれの感圧記録シートのうち、それぞれの上から1枚目に水を滴下し指で広げ、1分放置後、水をティッシュペーパーで拭き取った。更に、その感圧記録シートの裏面にも水を滴下し指で水を広げ、1分間放置後、水をティッシュペーパーで拭き取りHBの鉛筆で強く文字(漢字で田の字)を書いた。
評価は次の基準によった。△以上が実用水準である。
評価○ 文字が判読出来、記録時にシートも破れない。
評価△ 文字の判読、記録時にシートが破れない、の2項目の一方がやや劣るが良好。
評価× 文字の判読、記録時にシートが破れない、の少なくとも一方が実用に耐えない。
評価結果を次の表1にまとめた。
Figure 2010269517
表1より発色試験1では実施例1〜10及び比較例1〜3の感圧記録シートのいずれも良好であり、差が認められなかった。これより、硬化性樹脂層を設けたことによる影響が特に認められないことが分かった。発色試験2においても差は認められなかった。一方、比較例4の感圧記録シートではいずれの試験においても鮮明な記録が得られず、記録の判読が困難である実用性無しと判断した。なお、実用性判断とは関係無いが、発色試験2において、比較例4の感圧記録シートでは文字を書いてから5秒後にようやく感圧記録層の筆記部分も発色してきた。
次に、実施例1〜10及び比較例1〜4の感圧記録シートの耐水性試験1及び耐水性試験2の結果について述べる。シートの両面に硬化性樹脂層を持つ実施例1〜3及び実施例7〜8のシートは水処理で特に変化が認められなかった。なお、比較例4でも水による変化は無いものの、鮮明な記録が得られず、文字判読も困難であるため、評価は低かった。支持体の片面にのみ硬化性樹脂層を持つ実施例4〜6及び実施例9〜10のシートでは、シートのふやけが認められ、また、それに伴うものであろう記録のニジミも認められたが実用性は保たれていた。硬化性樹脂層を持たない比較例1〜3ではシートがふやけ、シートとしての体裁をなさなくなったため実用性無しとの評価になった。記録のニジミも相当ひどかった。
実施例1〜10及び比較例1〜4の感圧記録シートについて追加の実使用試験をした。まず、上記発色性試験1に用いた3枚に重ねたそれぞれの感圧記録シートのうち、3枚目に、耐水性試験1と同様に表裏を水処理後、濡れた状態で、塗り箸での筆記を試みた。結果は各実施例のシートについては乾燥時と同様であった。一方、比較例1〜3のシートは水でふやけていて、塗り箸により破れ筆記出来なかった。比較例4のシートでは鮮明な記録が得られなかった。
また、実施例1〜10及び比較例1〜4の感圧記録シートにもぎりのためのミシン目を施してみると、いずれも乾燥時はもぎりにより、ミシン目に沿って破れた。しかし、上記耐水性試験条件下に置いた後、濡れているシートについて破ってみると、各実施例及び比較例4のシートは乾燥時同様にミシン目に沿ってもぎりにより破れた。しかし、比較例1〜3のシートはもぎりによりミシン目以外の所からも破れてしまった。
これらより、各実施例のシートはタグ用途、特にトリアージタグの求める特性を満たしていると判断出来た。一方、比較例1〜3のシートは耐水性が悪かった。比較例4のシートでは満足に記録出来なかった。
本発明の感圧記録シートは、トリアージタグや物流ないし工程管理用タグとして、また、例えば、浴室中、雨中、海中、水辺や浜辺等従来の感圧記録シートが想定していない使用環境でも使用出来る。また、熱や紫外線にも強く、車載用途、屋外用途、例えば、乗用車のダッシュボード上、夏の日なたの下、雪上、氷上、海上、浜辺、川辺等の使用環境が過酷な所でも用いることが出来る。

Claims (4)

  1. 支持体上に、双方または一方がマイクロカプセル化されている発色剤及び顕色剤を含有する自己発色型の感圧記録層を設け、更にその上に、硬化性樹脂層を設けた、感圧記録シート。
  2. 硬化性樹脂層が、加熱硬化、レドックス常温硬化、紫外線硬化、電子線硬化より選ばれる1種類以上の硬化方法により硬化された硬化性樹脂層であることを特徴とする請求項1記載の感圧記録シート。
  3. 該硬化性樹脂層の塗工量が、硬化後0.5〜30g/mであることを特徴とする、請求項1及び2記載のいずれかに記載の感圧記録シート。
  4. 感圧記録層を設けた面とは反対側の面上に硬化性樹脂層を設けた請求項1〜3のいずれかに記載の感圧記録シート。
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