JP2010268795A - 出生前診断およびモニタリングのためのマーカー - Google Patents

出生前診断およびモニタリングのためのマーカー Download PDF

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Abstract

【課題】非侵襲的に妊娠を検出するための、方法およびキットの提供。
【解決手段】女性における妊娠を検出するための、方法およびキット。1セットの遺伝子座由来の1以上のRNA種の量を母体血中において定量的に測定すること、および該RNA種の量と標準コントロールとを比較することによって、妊婦における子癇前症、胎児における18トリソミーおよび21トリソミーを診断、モニタリング、または予測する。胎児/胎盤由来RNA種。
【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本願は、2005年3月18日に出願された米国仮出願第60/663,293号に対して優先権を主張し、その内容は、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる。
発明の背景
出生前診断は、絨毛膜絨毛サンプリング(CVS)または羊水穿刺等の手技により胎児から単離された細胞を使用して、ルーチンに行われている。しかし、これらの従来法は、侵襲的であり、そして細心の取扱いにもかかわらず母体および胎児の両方に相当な危険性を与える(Tabor et al, Lancet 1:1287-1293, 1986)。
これらの侵襲的アプローチの代替法が、数種の胎児細胞が母体循環中に見られ得(Johansen et al, Prenat. Diagn. 15:921-931, 1995)、そしてより重要なことには、循環細
胞フリー胎児DNAが母体血漿および血清中において検出され得る(Lo et al, Lancet 350:485-487, 1997)という発見に従って、例えば、胎児異常を検出するために、出生前スクリーニングについて開発されてきた。母体血中の胎児DNAの量は、胎児細胞の単離および富化のための必要な工程とは対照的に、血漿または血清の複雑な処理無しに遺伝子分析のために十分であることが示された。胎児アカゲザルD(RhD)遺伝子型決定(Lo et al, N. Engl. J. Med. 339:1734-1738, 1998)、胎児性別決定(Lo et al, Hum. Genet. 90:483-488, 1993)、およびいくつかの胎児障害の診断(Amicucci et al, Clin. Chem. 46:301-302, 2000; Saito et al, Lancet 356:1170, 2000;およびChiu et al, Lancet
360:998-1000, 2002)が、それ以来、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)ベースの技術を
使用して母体血中の胎児DNAを検出することによって達成されている。
さらに、母体血漿/血清中の胎児DNAの量的異常もまた、子癇前症(Lo et al, Clin. Chem. 45:184-188, 1999およびZhong et al, Am. J. Obstet. Gynecol. 184:414-419, 2001)、胎児21トリソミー(Lo et al, Clin. Chem. 45:1747- 1751, 1999およびZhong
et al Prenat. Diagn. 20:795-798, 2000)、ならびに重症妊娠悪阻(Sekizawa et al, Clin. Chem. 47:2164-2165, 2001)において報告されている。出生前遺伝子分析のための母体血中の胎児核酸の検出はまた、米国特許第6,258,540号に開示されている。
胎児DNAを分析する際、研究者は、胎児特異的マーカーとして、男の胎児にのみ存在するY染色体マーカーをしばしば使用してきた。このアプローチは、この技術の適用を、男の胎児を妊娠している、50%の妊婦に限定した。さらに、他の遺伝的多型の使用も、胎児DNAベースの分析の複雑性を増加させた。母体血漿中の胎児RNAの発見は、これらの限定を回避する可能性のある新規のアプローチを提供する(Poon et al., Clin. Chem. 46:1832-1834, 2000)。
より最近、米国特許出願第09/876,005号は、母体血中の胎児/胎盤RNAの検出に基づく非侵襲的技術を開示している。さらに、米国特許出願第10/759,783号は、妊娠、ならびに子癇前症、胎児染色体異数性、および早期陣痛等の妊娠関連障害の検出のために使用され得る、特定の胎盤発現mRNAマーカー(例えば、ヒト絨毛性ゴナドトロピンβサブユニット(human chorionic gonadotropinβsubunit)およびヒトコ
ルチコトロピン放出ホルモン(human corticotropin releasing hormone))を開示して
いる。胎盤起源の種々の他のRNA種もまた、母体血中において検出されている。例えば、Oudejans et al, Clin Chem. 2003, 49(9): 1445-1449, およびGo et al, Clin. Chem.
2004, 50(8):1413-1414を参照のこと。
本発明は、表1〜6に示される、さらなる胎児/胎盤由来RNA種を開示し、これらは、母体血中に見られ、そして妊娠を検出するため、または胎児の遺伝子型を決定するため、または子癇前症および胎児染色体異数性(例えば、18トリソミーおよび21トリソミー)を診断、モニタリング、および予測するためのマーカーとして使用され得る。したがって、本発明は、非侵襲的出生前診断のためのさらなるツールならびに妊娠検出のための代替手段を提供する。
発明の簡単な要旨
第1局面において、本発明は、妊婦における子癇前症を診断、モニタリング、または予測するための方法に関する。この方法は、以下の工程を含む:第1に、該妊婦から得られる生物学的サンプル中の1またはそれ以上のRNA種の量を定量的に測定する工程。該RNA種は、IGFBP3、ABP1、FN1、SLC21A2、KIAA0992、TIMP3、LPL、INHBA、LEP、ADAM12、PAPPA、PAPPA2、およびSIGLEC6からなる遺伝子座由来のRNAから独立して選択され、そして、該生物学的サンプルは、血液、生殖器官からの洗浄物、尿、唾液、羊水、または絨毛膜絨毛である。第2に、第1工程由来のRNA種の量と、平均的な非子癇前症妊婦由来の対応のサンプル中の該RNA種の量を示す標準コントロールとを比較する工程。該標準コントロールからの該RNA種の量の増加または減少は、子癇前症または子癇前症を発症する増加した危険性を示す。
ある実施形態において、前記RNA種は、ADAM12、PAPPA2、FN1、INHBA、LEP、またはSIGLEC6由来であり、そして前記標準コントロールからの該RNA種の量の増加は、子癇前症または子癇前症を発症する増加した危険性を示す。他の実施形態において、前記RNA種は、PAPPA由来であり、そして前記標準コントロールからの該RNA種の量の減少は、子癇前症または子癇前症を発症する増加した危険性を示す。
ある実施形態において、第1工程は、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を使用することを含む。必要に応じて、この第1工程は、RT−PCRの後に質量分析を使用することをさらに含む。他の実施形態において、第1工程は、ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション法を使用すること、またはプライマー伸長反応を使用することを含む。
ある実施形態において、検査される妊婦は、妊娠第1期(first trimester)の間にある
。他の実施形態において、妊婦は、妊娠第2期(second trimester)または第3期(third trimester)
の間にある。
ある実施形態において、血液は分画され、そして血漿分画が分析される。他の実施形態において、血液は分画され、そして血清分画が分析される。ある実施形態において、標準コントロールからのRNA量の増加は、2倍を超える。他の実施形態において、標準コントロールからのRNA量の減少は、50%を超える。
妊婦における子癇前症を診断、モニタリング、または予測するためのキットもまた、提供される。このキットは、以下を含む:(i)該妊婦から得られる生物学的サンプル中の1またはそれ以上のRNA種の量を定量的に測定するためのPCRプライマー;ここで、該RNA種は、IGFBP3、ABP1、FN1、SLC21A2、KIAA0992、
TIMP3、LPL、INHBA、LEP、ADAM12、PAPPA、PAPPA2、およびSIGLEC6からなる遺伝子座由来のRNAから独立して選択され、そしてここで、該生物学的サンプルは、血液、生殖器官からの洗浄物、羊水、尿、唾液、または絨毛膜絨毛である;ならびに、(ii)平均的な非子癇前症妊婦由来の対応のサンプル中の該RNA種の量を示す標準コントロール。
第2局面において、本発明は、妊婦における18トリソミーを有する胎児の存在を検出するための方法に関する。この方法は、以下の工程を含む:第1に、該妊婦から得られる生物学的サンプル中の遺伝子座RPL17由来のRNA種の量を定量的に測定する工程。該生物学的サンプルは、血液、生殖器官からの洗浄物、羊水、尿、唾液、または絨毛膜絨毛である。第2に、第1工程由来のRPL17 RNAの量と、染色体が正常である胎児を有する平均的な妊婦由来の対応のサンプル中のRPL17 RNAの量を示す標準コントロールとを比較する工程。該標準コントロールからの該RNA種の量の逸脱は、18トリソミーの胎児を有する増加した危険性を示す。
ある実施形態において、標準コントロールからのRPL17 RNAの量の増加は、18トリソミーの胎児を有する増加した危険性を示し;一方、他のケースにおいて、標準コントロールからのRPL17 RNAの量の減少は、18トリソミーの胎児を有する増加した危険性を示し得る。
ある実施形態において、第1工程は、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を使用することを含む。必要に応じて、この第1工程は、RT−PCR後に質量分析を使用することをさらに含む。他の実施形態において、第1工程は、ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション法を使用すること、またはプライマー伸長反応を使用することを含む。
ある実施形態において、検査される妊婦は、妊娠第1期の間にある。他の実施形態において、妊婦は、妊娠第2期または第3期の間にある。
ある実施形態において、血液は分画され、そして血漿分画が分析される。他の実施形態において、血液は分画され、そして血清分画が分析される。ある実施形態において、標準コントロールからのRNAの量の増加は、2倍を超える。他の実施形態において、標準コントロールからのRNAの量の減少は、50%を超える。
妊婦における18トリソミーを有する胎児の存在を検出するためのキットもまた、提供される。このキットは、以下を含む:(i)遺伝子座RPL17由来のRNAの量を定量的に測定するためのPCRプライマー;ここで、該生物学的サンプルは、血液、生殖器官からの洗浄物、羊水、尿、唾液、または絨毛膜絨毛である;ならびに、(ii)染色体が正常である胎児を有する平均的な妊婦由来の対応のサンプル中のRPL17 RNAの量を示す標準コントロール。
第3局面において、本発明は、妊婦における21トリソミーを有する胎児の存在を検出するための方法に関する。該方法は、以下の工程を含む:第1に、該妊婦から得られる生物学的サンプル中の1またはそれ以上のRNA種の量を定量的に測定する工程。該RNA種は、COL6A1、COL6A2、SOD1、APP、BTG3、ATP5J、ADAMTS1、BACE2、DSCR5、ITSN1、PLAC4、ATP5O、LOC90625、EFEMP1、およびTFRCからなる遺伝子座由来のRNA種から独立して選択され、ここで、該生物学的サンプルは、血液、生殖器官からの洗浄物、尿、唾液、羊水、または絨毛膜絨毛である。第2に、第1工程由来のRNA種の量と、染色体が正常である胎児を有する平均的な妊婦由来の対応のサンプル中の該RNA種の量を示す標準コント
ロールとを比較する工程。該標準コントロールからのRNA種の量の増加または減少は、21トリソミーを有する胎児を有する増加した危険性を示す。
ある実施形態において、RNA種は、ADAMTS1、APP、ATP5O、EFEMP1、またはTFRC由来であり、そして前記標準コントロールからのRNA種の量の増加は、21トリソミーの胎児を有する増加した危険性を示す。
ある実施形態において、第1工程は、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を使用することを含む。必要に応じて、この第1工程は、RT−PCR後に質量分析を使用することをさらに含む。他の実施形態において、第1工程は、ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション法を使用すること、またはプライマー伸長反応を使用することを含む。
ある実施形態において、検査される妊婦は、妊娠第1期の間にある。他の実施形態において、妊婦は、妊娠第2期または第3期の間にある。
ある実施形態において、血液は分画され、そして血漿分画が分析される。他の実施形態において、血液は分画され、そして血清分画が分析される。ある実施形態において、標準コントロールからのRNA量の増加は、2倍を超える。他の実施形態において、標準コントロールからのRNA量の減少は、50%を超える。
妊婦における21トリソミーを有する胎児の存在を検出するためのキットもまた、提供される。このキットは、以下を含む:(i)該妊婦から得られる生物学的サンプル中の1またはそれ以上のRNA種の量を定量的に測定するためのPCRプライマー;ここで、該RNA種は、COL6A1、COL6A2、SOD1、APP、BTG3、ATP5J、ADAMTS1、BACE2、DSCR5、ITSN1、PLAC4、ATP5O、LOC90625、EFEMP1、およびTFRCからなる遺伝子座由来のRNAから独立して選択され、そしてここで、該生物学的サンプルは、血液、生殖器官からの洗浄物、羊水、尿、唾液、または絨毛膜絨毛である;ならびに、(ii)染色体が正常である胎児を有する平均的な妊婦由来の対応のサンプル中の該RNA種の量を示す標準コントロール。
第4局面において、本発明は、女性における妊娠を検出するための方法に関する。該方法は、以下の工程を含む:第1に、該女性から得られる生物学的サンプル中の1またはそれ以上のRNA種の量を定量的に測定する工程。該RNA種は、COL6A1、COL6A2、SOD1、ATP5O、ADAMTS1、DSCR5、およびPLAC4からなる遺伝子座由来のRNA種から独立して選択され、ここで、該生物学的サンプルは、血液、生殖器官からの洗浄物、羊水、尿、唾液、または絨毛膜絨毛である。第2に、第1工程由来のRNA種の量と、平均的な非妊娠女性由来の対応のサンプル中の該RNA種の量を示す標準コントロールとを比較する工程。該標準コントロールからの該RNA種の量の増加または減少は、妊娠を示す。
ある実施形態において、前記RNA種は、COL6A1、COL6A2、ATP5O、またはPLAC4由来であり、そして前記標準コントロールからの該RNA種の量の増加は、妊娠を示す。
ある実施形態において、第1工程は、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を使用することを含む。必要に応じて、この第1工程は、RT−PCR後に質量分析を使用することをさらに含む。他の実施形態において、第1工程は、ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション法を使用すること、またはプライマー伸長反応を使用することを含む。
ある実施形態において、検査される女性は、妊娠第1期の間にある。他の実施形態において、女性は、妊娠第2期または第3期の間にある。
ある実施形態において、血液は分画され、そして血漿分画が分析される。他の実施形態において、血液は分画され、そして血清分画が分析される。ある実施形態において、標準コントロールからのRNAの量の増加は、2倍を超える。他の実施形態において、標準コントロールからのRNAの量の減少は、50%を超える。
女性における妊娠を検出するためのキットもまた、提供される。このキットは、以下を含む:(i)該妊婦から得られる生物学的サンプル中の1またはそれ以上のRNA種の量を定量的に測定するためのPCRプライマー;ここで、該RNA種は、COL6A1、COL6A2、SOD1、ATP5O、ADAMTS1、DSCR5、およびPLAC4からなる遺伝子座由来のRNAから独立して選択され、そしてここで、該生物学的サンプルは、血液、生殖器官からの洗浄物、羊水、尿、唾液、または絨毛膜絨毛である;ならびに、(ii)平均的な非妊娠女性由来の対応のサンプル中の該RNA種の量を示す標準コントロール。
定義
用語「遺伝子座由来のRNA種」は、本明細書中で使用される場合、ヒトゲノムにおける予め選択された位置の少なくとも一部に対応する配列を有するリボヌクレオチドのポリマーを指す。本願中における「RNA種」は、その配列が非コード配列を含んでもよくまたは一部のオープンリーディングフレームのみを含んでもよいので、蛋白質産物をコードするかもしれないしまたはコードしないかもしれない。
用語「胎児の」、「胎盤由来の」および「胎盤発現された」は、本明細書中で使用される場合、妊婦由来の生物学的サンプル(例えば、血液)中において検出可能である特定のRNA種の起源を示す。換言すれば、胎児RNA種は、胎児DNA配列から転写されたものである。さらに、胎盤由来または胎盤発現されたRNA種は、胎盤において見られかつ胎児DNA配列から転写されるものである。
用語「生殖器官からの洗浄物」は、本明細書中で使用される場合、妊婦または可能性のある妊娠について検査される女性の生殖器官のリンスまたは洗浄に続いて回収された液体または溶液を指す。
用語「子癇前症」は、本明細書中で使用される場合、妊娠の間に生じる状態を指し、これの主な症状は、浮腫(腫脹)および尿中の蛋白質の存在がしばしば伴う種々の形態の高血圧である。妊娠中毒症(toxemia of pregnancy)と呼ばれることもある、子癇前症(preeclampsia)は、発作を伴う子癇前症である、「子癇」と呼ばれるより重篤な障害に関する。これらの状態は、出産後間もなくまたは妊娠20週より前に発症し得るが、通常、妊娠後期(20週より後)の間に発症する。
用語「プライマー伸長反応」は、本明細書中で使用される場合、好適な条件下でテンプレート配列に少なくとも部分的に相補的である所定のポリヌクレオチド配列を伸長することによって、ヌクレオチドポリメラーゼ(例えば、DNAポリメラーゼ)の作用により媒介されるいかなる重合プロセスをも指す。
用語「染色体異数性」は、本明細書中で使用される場合、染色体の数が通常のハプロイド数の正確な倍数でない染色体異常の状態を指し:しばしば、追加の染色体が存在するか、または1つの染色体が失われている。染色体異数性の最も一般的なケースは、1つのさ
らなる染色体が存在するトリソミーである。例えば、18トリソミーは、第3の第18染色体が細胞中に見られる染色体異常であり、一方、21トリソミーに苦しむ患者の細胞中には、第3の第21染色体が存在する。
異数性とは対照的に、「染色体が正常である」は、染色体の数がハプロイド数の正確な倍数であり(例えば、ハプロイドにおいて見られる染色体数の2倍)、かつ各々の染色体が同数で存在する(例えば男性の場合における性染色体を除く;ここで、2つの異なる性染色体、XおよびYが、各々、1コピーで存在する)状態をいう。
用語「血液」は、本明細書中で使用される場合、妊婦または可能性のある妊娠について検査される女性由来の血液サンプルまたは調製物を指す。該用語は、母体または胎児起源の造血または任意の他のタイプの細胞または細胞レムナント(cellular remnants)(血
小板を含む)を種々の濃度で有するかまたは全く有さない血液の任意の分画または全血を包含する。「血液」の例としては、血漿および血清が挙げられる。細胞を本質的に含有しない血液サンプルはまた、「無細胞性(acellular)」と呼ばれ、ここで一般的に血小板
は存在しない。
用語「平均」は、子癇前症でないかまたは染色体が正常である胎児を妊娠している妊婦を示す文脈において使用される場合、子癇前症ではないかまたは染色体が正常である胎児を妊娠している女性の無作為に選択されるグループを代表する、特定の特徴(例えば、母体血液中において見られる胎児/胎盤由来RNAのレベル)を指す。この選択されるグループは、十分な数の女性を含むべきであり、その結果、遺伝子座から転写される胎児/胎盤由来RNAの平均レベルが、合理的な正確さで、健康な胎児を妊娠している健康な妊婦の一般的な集団におけるRNAのレベルを反映する。さらに、女性の選択されるグループは、子癇前症あるいは18トリソミーおよび21トリソミー等の胎児染色体異数性の表示についてその血液が検査される女性の妊娠期間に類似する妊娠期間を有するべきである。本発明を実施するために好ましい妊娠期間は、スクリーニングされる障害に依存して、異なり得る。例えば、妊婦は、好ましくは妊娠第2期の間に、子癇前症の危険性についてスクリーニングされ、一方、胎児染色体異数性は、好ましくは、可能な限り早くスクリーニングおよび診断される。さらに、検査のために好ましい妊娠期間はまた、検査に使用されるRNAマーカーに依存し得、何故ならば、特定のマーカーは、他の段階においてよりも妊娠のある段階の間により容易に検出可能であるかもしれないためである。
用語「平均」は、同様に、健康な非妊娠女性の無作為に選択されるグループの血液中に見られる量を代表する特定のRNA種の量を指すために使用され得る。
IGFBP3、ABP1、FN1、SLC21A2、KIAA0992、TIMP3、LPL、INHBA、LEP、SIGLEC6、RPL17、COL6A1、COL6A2、SOD1、APP、BTG3、ATP5J、ADAMTS1、BACE2、DSCR5、ITSN1、PLAC4、LOC90625、ATP5O、EFEMP1、およびTFRCは、本明細書中で使用される場合、表2、4および6に提供されるGenBankアクセッション番号で記載される配列によって例示される、遺伝子または提案されるオープンリーディングフレーム(それらのバリアントおよびミュータントを含む)ならびにそれらのポリヌクレオチド転写物を指す。ある文脈において、これらの用語はまた、これらの遺伝子またはオープンリーディングフレームによってコードされるポリペプチドを指すために使用され得る。
用語「標準コントロール」は、本明細書中で使用される場合、RNA転写物(例えば、COL6A1、COL6A2、APP、ATP5O、またはLEP)の量を定量的に測定するための、本発明の方法の使用に好適なサンプルを指す。このようなサンプルは、平均
的な妊婦におけるこのようなRNAの平均レベルを厳密に反映する、既知量の胎児/胎盤由来RNA種を含有する。同様に、「標準コントロール」は、平均的な健康な非妊娠女性に由来し得る。
「標準コントロールからのmRNAの量の増加または減少」は、本明細書中で使用される場合、標準コントロールからの量の正または負の変化を指す。増加は、好ましくは少なくとも2倍、より好ましくは少なくとも5倍、そして最も好ましくは少なくとも10倍である。同様に、減少は、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも80%、そして最も好ましくは少なくとも90%である。
「ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション法」は、本明細書中で使用される場合、既知の配列のポリヌクレオチドプローブを用いて、好適なハイブリダイゼーション条件下で、ワトソン・クリック塩基対を形成するその能力に基づいて、ポリヌクレオチドの存在および/または量を検出するための方法を指す。このようなハイブリダイゼーション法の例としては、サザンブロット法およびノーザンブロット法が挙げられる。
「PCRプライマー」は、本明細書中で使用される場合、COL6A1、COL6A2、APP、ATP5O、またはLEP等の遺伝子座由来のRNA転写物由来のヌクレオチド配列を増幅するためにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)において使用され得るオリゴヌクレオチドを指す。上記の遺伝子座由来のRNA配列の増幅のためのPCRプライマーの少なくとも1つは、該遺伝子座に配列特異的であるべきである。
発明の詳細な説明
I.イントロダクション
本発明は、女性の血液中に存在するいくつかの胎児/胎盤由来RNA種(即ち、表1〜6に記載の配列を有するもの)の1またはそれ以上のレベルを分析することによって、妊娠女性における子癇前症および胎児染色体異数性(例えば、18トリソミーおよび21トリソミー)を診断、モニタリング、または予測するため、ならびに女性における妊娠を検出するための方法およびキットを初めて提供する。
本発明によれば、母体血サンプル中の胎児/胎盤起源のこれらのRNA転写物の量が、好ましくは増幅手順(例えば、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR))後に、定量的に測定され得る。次いで、これらのRNA種の1またはそれ以上の量が、類似の妊娠期間にあるこれらの妊娠関連障害を有さない平均的な妊婦を代表する同一種のRNAレベルを有する標準コントロールと比較される。RNAレベルの増加または減少は、前記障害の存在またはこれを発症する増加した危険性を示す。従って、本発明は、非侵襲的であってかつ性別および多型性に無関係である、子癇前症ならびに18トリソミーおよび21トリソミー等の胎児染色体異数性の診断のための新規のアプローチを提供する。
同一の方法論に依存して、女性の血液中のこれらの遺伝子座から転写されるRNA種の1またはそれ以上のレベルと、平均的な非妊娠女性から得られる確立されたコントロール値と比較することによって、本発明は、妊娠を検出するために使用され得る。
胎児/胎盤発現RNAは出生前診断およびモニタリングのためのマーカーとして使用されてきたが(例えば、米国特許出願第09/876,005および第10/759,783号を参照のこと)、胎盤において発現されるRNAの全ての種が母体血中で検出可能というわけではないので、この目的のための好適なマーカーとしての任意の特定のRNA種の同定は、予測不可能な性質の知見である。例えば、本発明者は、母体血中において特定の胎児/胎盤由来RNA種を検出することが出来なかった。検出不可能であるいくつかの例示的な種としては、以下が挙げられる:NADHデヒドロゲナーゼ(ユビキトノン)フ
ラビン蛋白質3,10kDa(NADH dehydrogenase (ubiquitnone) flavoprotein 3, 10 kDa)(NDUFV3);アルファフェトプロテイン(alpha-fetoprotein)(AFP);ヘモグロビン,イプシロン1(hemoglobin, epsilon 1)(HBE1);およびホスホリ
パーゼA2,グループIIA(血小板,滑液)(phospholipase A2, group IIA (platelets, synovila fluid))(PLA2G2A)。
II.血液サンプルの調製
A.血液サンプルの取得
本発明を実施する第1工程は、本発明の方法を使用する検査に好適な妊娠期間にある妊婦から、あるいは可能性のある妊娠について検査される女性から、生物学的サンプル(例えば、血液サンプル)を得ることである。好適な妊娠期間は、上述のように、検査される障害および場合によっては使用されるRNAマーカーに依存して変化し得る。女性からの血液の回収は、病院または診療所が一般的に従う標準プロトコルに従って行われる。例えば3〜20mlの好適な量の末梢血が回収され、そして次の調製より前に標準手順に従って場合によっては貯蔵される。
B.血漿または血清サンプルの調製
女性の血液の血清または血漿は、本発明に好適であり、そして周知の方法によって得られ得る。例えば、女性の血液は、血液凝固を防止するために、EDTAを含有するチューブ中またはVacutainer SST(Becton Dickinson, Franklin Lakes, NJ)等の専用の市販製品中に配置され得、次いで、遠心分離により全血から血漿が得られる。他方では、血清は、血液凝固に続いての遠心分離により得られる。遠心分離は、典型的に、好適な速度(例えば、1,500〜3,000×g)で、冷却環境において(例えば、約4〜10℃の温度で)、行われる。血漿または血清は、RNA抽出のための新しいチューブへ移される前に、さらなる遠心分離工程へ供されてもよい。本発明の特定の適用において、血漿または血清が好ましいサンプルタイプであるかもしれない。本発明の他の適用において、全血が好ましいかもしれない。なお別の適応において、血液の他の分画が好ましいかもしれない。
III.女性の血液中のRNAの量の定量的測定
A.RNAの抽出
生物学的サンプルからRNAを抽出するための多数の方法が存在する。RNA調製の一般的な方法(例えば、SambrookおよびRussell, Molecular Cloning:A Laboratory Manual 3d ed., 2001によって記載される)に従い得;種々の市販の試薬またはキット、例えば、Trizol試薬(Invitrogen,カールズバッド,CA)、Oligotex Direct mRNAキット(Qiagen,バレンシア,CA)、RNeasyミニキット(Qiagen,ヒルデン,ドイツ)、およびPolyATtract(登録商標)シリーズ9600TM(Promega,マディソン,WI)もまた、女性からの血液サンプルからRNAを得るために使用され得る。これらの方法の2以上の組合せもまた使用され得る。
ある適用においては、混入DNAの全てまたはほとんどがRNA調製物から排除されることが好ましい。従って、サンプルの注意深い取り扱い、DNアーゼでの完全な処理、ならびに増幅工程および定量工程における適切な陰性コントロールが、使用されるべきである。
B.RNAレベルのPCRに基づく定量的測定
いったんRNAが女性の血液サンプルから抽出されると、問題の遺伝子座(例えば、COL6A1、COL6A2、APP、ATP5O、またはLEP)由来のRNAの量が定量され得る。RNAレベルを測定するための好ましい方法は、増幅に基づく方法(例えば
、PCRによる)である。
増幅工程の前に、問題のRNAのDNAコピー(cDNA)が合成されなければならない。これは、逆転写(これは、別個の工程として行われ得る)によって、あるいは均一な(homogeneous)逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)、RNAを増幅するため
のポリメラーゼ連鎖反応の変形において、達成される。リボ核酸のPCR増幅に好適な方法は、Romero and Rotbart, Diagnostic Molecular Biology: Principles and Applications pp.401-406;Persing et al., eds., Mayo Foundation, Rochester, MN, 1993;Egger et al., J. Clin. Microbiol. 33:1442-1447, 1995;および米国特許第5,075,212号に
おいて記載されている。
PCRの一般的な方法は、当該分野において周知であり、従って本明細書において詳細には記載しない。PCR法、プロトコル、およびプライマー設計における原理のレビューについては、例えば、Innis, et al., PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications, Academic Press, Inc. N. Y., 1990を参照のこと。PCR試薬およびプロトコル
はまた、Roche Molecular Systems等の業者から入手可能である。
PCRは、もっとも通常には、熱安定性酵素を用いての自動プロセスとして行われる。このプロセスにおいて、反応混合物の温度は、典型的に、自動的に変性領域、プライマーアニーリング領域、および伸長反応領域を経由して循環される。あるプロトコルにおいて、アニーリング領域および伸長反応領域は融合される。この目的のために特別に適応された機器が市販されている。
標的RNAのPCR増幅が、本発明の実施において典型的に使用される。しかし、当業者は、母体血サンプル中のこれらのRNA種の増幅は任意の公知の方法[例えば、リガーゼ連鎖反応(LCR)、転写媒介増幅(transcription-mediated amplification)、および自己配列複製(self-sustained sequence replication)または核酸配列ベース増幅(nucleic acid sequence-based amplification)(NASBA)、これらの各々は十分な増幅を提供する]によって達成され得ることを認識する。より最近開発された分岐DNA技術(branched-DNA technology)もまた、母体血中のRNAマーカーの量を定量的に測定
するために使用され得る。臨床サンプル中の核酸配列の直接定量のための分岐DNAシグナル増幅のレビューについては、Nolte, Adv. Clin. Chem. 33:201-235, 1998を参照のこと。
C.他の定量法
問題のRNA種はまた、当業者に周知の他の標準技術を使用して検出され得る。典型的に増幅工程が検出工程に先行するが、増幅は本発明の方法において必須とされない。例えば、問題のRNA種は、増幅工程が先行するか増幅工程が後に続くかどうかに関わらず、サイズ分画(size fractionation)(例えば、ゲル電気泳動)によって同定され得る。周知の技術(例えば、Sambrook and Russell(前述)を参照のこと)に従ってアガロースまたはポリアクリルアミドゲルにおいてサンプルを泳動しそして臭化エチジウムで標識した後、標準コントロールと同一サイズのバンドの存在は、標的RNAの存在の指標であり、次いで、その量が、バンドの強度に基づいてコントロールと比較され得る。あるいは、遺伝子座(例えば、COL6A1、COL6A2、APP、ATP5O、またはLEP)から転写されるRNAに特異的なオリゴヌクレオチドプローブが使用され得、このようなRNA種の存在を検出し、そして該プローブによって与えられるシグナルの強度に基づいて、標準コントロールと比較してのRNA分子の量を示す。
配列特異的プローブハイブリダイゼーションは、他の核酸種を含む特定の核酸を検出す
る周知の方法である。十分にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、プローブは、実質的に相補的な配列にのみ特異的にハイブリダイズする。ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーは、種々の量の配列ミスマッチを許容するために緩和され得る。
液相、固相、または混合相(mixed phase)ハイブリダイゼーションアッセイを含むが
これらに限定されない、当該分野において周知の多数のハイブリダイゼーションフォーマット。以下の文献は、種々のハイブリダイゼーションアッセイフォーマットの概説を提供する:Singer et al., Biotechniques 4:230, 1986;Haase et al., Methods in Virology, pp. 189-226, 1984;Wilkinson, In situ Hybridization, Wilkinson ed., IRL Press, Oxford University Press, Oxford;およびHames and Higgins eds., Nucleic Acid Hybridization: A Practical Approach, IRL Press, 1987。
ハイブリダイゼーション複合体は、周知の技術に従って検出され、そして該検出は、本発明の重要な局面ではない。標的核酸(即ち、問題のRNA種または増幅されたDNA)へ特異的にハイブリダイズし得る核酸プローブは、ハイブリダイズされた核酸の存在を検出するために典型的に使用されるいくつかの方法のいずれによっても標識され得る。検出の1つの一般的な方法は、H、125I、35S、14C、または32P等で標識されたプローブを使用するオートラジオグラフィーの使用である。放射性同位体の選択は、選択される同位体の合成の容易さ、安定性、および半減期に起因する研究の好みに依存する。他の標識としては、フルオロフォア(fluorophores)、化学発光剤、および酵素で標識されたアンチリガンド(antiligands)または抗体へ結合する、化合物(例えば、ビオチ
ンおよびジゴキシゲニン)が挙げられる。あるいは、プローブは、フルオロフォア、化学発光剤または酵素等の標識と直接結合され得る。標識の選択は、要求される感度、プローブとの結合の容易さ、安定性要件、および利用可能な器機類に依存する。
本発明を実施するに必要なプローブおよびプライマーは、周知の技術を使用して合成および標識され得る。プローブおよびプライマーとして使用されるオリゴヌクレオチドは、Needham-VanDevanter et al., Nucleic Acids Res. 12:6159-6168, 1984に記載されるよ
うな自動合成器を使用して、Beaucage and Caruthers, Tetrahedron Letts., 22:1859-1862, 1981によって最初に記載された固相ホスホルアミダイトトリエステル法に従って化学合成され得る。オリゴヌクレオチドの精製は、ネイティブ(native)アクリルアミドゲル電気泳動またはPearson and Regnier, J. Chrom., 255:137-149, 1983に記載されるよう
なアニオン交換高速液体クロマトグラフィー(HPLC)のいずれかによる。
IV.標準コントロールの確立
標準コントロールを確立するために、健康な胎児を妊娠している健康な妊婦のグループを先ず選択すべきである。これらの女性は、本発明の方法を使用しての子癇前症および胎児染色体異数性(18トリソミーまたは21トリソミーを含む)等のコンディションのスクリーニングについて好適な妊娠期間内にある、同様の妊娠期間のものであるべきである。同様に、標準コントロールは、健康な非妊娠女性のグループからのサンプルを使用して確立される。
選択された妊婦および彼女らが妊娠している胎児の健康状態は、妊婦の血圧をモニターすること、陣痛の開始を記録すること、ならびにCVSおよび羊水穿刺を使用して胎児遺伝子分析を行うことを含むがこれらに限定されない、十分に確立されたルーチンに使用される方法によって確認されるべきである。
さらに、健康な胎児を妊娠している健康な妊婦または健康な非妊娠女性の選択されたグループは、合理的な規模のものでなければならず、その結果、該グループから算出される
本願において名前を挙げた遺伝子座由来のRNAの平均量が、健康な胎児を妊娠している健康な女性または健康な非妊婦女性の一般的な集団の中の通常または平均量を代表すると合理的にみなされ得る。好ましくは、選択されたグループは少なくとも10人の女性を含む。
選択されるグループの各女性において見られた個々の値に基づく胎児/胎盤由来RNAの量について、いったん平均値が確立されると、この値は、該RNA種の標準と考えられる。従って、類似量の同一種のRNAを含有する任意の血液サンプルが、標準コントロールとして使用され得る。同一種の確立された平均の濃度で問題のRNA種を含有する溶液もまた、人工的に作製され得、そして標準コントロールとして役立ち得る。
以下の実施例は、例示のためのみに提供され、限定のためではない。当業者は、変化または修飾され本質的に同様の結果を生じ得る種々の重要でないパラメータを容易に認識する。
実施例
以下の実施例は、例示のためのみに提供され、限定のためではない。当業者は、変化または修飾され本質的に同一または同様の結果を生じ得る種々の重要でないパラメータを容易に認識する。
実施例1:胎盤組織における発現を伴う第21または第18染色体上の遺伝子座
方法
被験者
胎盤組織および血液サンプルを、香港のプリンス・オブ・ウェールズ病院(the Prince
of Wales Hospital, Hong Kong)にある産婦人科に通院した、第1期の間にある妊婦か
らインフォームドコンセントを得て回収した。研究は、臨床研究倫理委員会(the Clinical Research Ethics Committee)によって承認された。
マイクロアレイ分析のためのサンプル調製
5つの第1期胎盤組織サンプルを、治療終了(therapeutic terminations)の前に絨毛膜絨毛サンプリング(chorionic villlus sampling)(CVS)により妊婦から得た。引き続いて、全てのケースの胎児核型は正常であると確認された。胎盤組織サンプルを、回収直後にRNAlaterTM(Ambion(登録商標),オースティン,TX)において保存し、そしてRNA抽出まで−80℃で維持した。6mlの母体末梢血を、組織回収時と同時に回収し、そしてPAXgeneTM血液RNAチューブ(PreAnalytiX,Hombrechtikon,スイス)において保存した。胎盤組織からのトータルRNAを、製造業者のプロトコルに従って、Trizol試薬(Invitrogen,カールズバッド,CA)で抽出しそしてRNeasyミニキット(Qiagen,ヒルデン,ドイツ)で精製した。末梢血からのトータルRNAを、DNアーゼ処理(RNアーゼフリーDNアーゼセット,Qiagen,ヒルデン,ドイツ)を含む、製造業者の指示書に従ってPAXgeneTM血液RNAキット(PreAnalytiX,Hombrechtikon,スイス)によって抽出した。
高密度オリゴヌクレオチドマイクロアレイによる遺伝子発現分析
各サンプルについて、10μgの抽出されたRNAを標識し、そして製造業者の指示書に従ってGeneChip(登録商標)ヒトゲノムU133AおよびU133Bアレイ(Affymetrix,サンタクララ,CA)にハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーション後、各アレイを洗浄しそしてGeneChip(登録商標)Fluidics Station 400(Affymetrix,サンタクララ,CA)において染色し
た。前記チップをGeneArrayスキャナ(Affymetrix,サンタクララ,CA)でスキャンし、そしてGeneChip(登録商標)Microarray Suite 5.0(Affymetrix)を使用して分析した。
リアルタイム定量RT−PCR
ワンステップリアルタイム定量RT−PCR(QRT−PCR)を、胎盤組織および母体血サンプル中のRNA転写物の定量的測定のために使用した。ハウスキーピング遺伝子、グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPDH)の検出のためのQRT−PCRアッセイは、以前に記載されている(Ngら2002)。他の研究した遺伝子のプライマー(Proligo,シンガポール)および蛍光プローブ(Applied Biosystems,フォスターシティー,CA,USA)の配列を、表1Aに示す。胎盤および母体バフィーコート分析については、相対的定量(relative quantification)を使用し、ここで、研究した転写物レベルは、対応のGAPDH mRNAレベ
ルに対して標準化した。
QRT−PCR反応を、25μlの反応体積において製造業者の指示書(EZ rTth RNA PCR試薬セット,Applied Biosystems)に従って設定した。QRT−PCRアッセイを、組み合わされたサーマルサイクラーおよび蛍光検出器(ABI Prism 7900HT,Applied Biosystems)において行った。全ての転写物について、PCRプライマーおよび蛍光プローブを、それぞれ、300nMおよび100nMの濃度で使用した。QRT−PCRを行う前に、胎盤組織RNA抽出物中の混入DNAを、製造業者の推奨に従って、DNアーゼI消化(Invitrogen,カールズバッド,CA)によって除去した。17ngの抽出した胎盤RNAを増幅のために使用した。複数のネガティブウォーターブランクを、各分析に含めた。
使用したサーマルプロファイルは、以下の通りであった:含まれたウラシルN−グリコシラーゼを作用させるために反応を50℃で2分間開始させ、続いて60℃で30分間逆転写させた。95℃で5分間変性させた後、92℃で15秒間の変性および58℃で1分間のアニーリング/伸長を使用して、40サイクルのPCRを行った。
母体血中の胎盤発現転写物の定量的評価
正常な妊婦由来の母体全血サンプルを、EDTAチューブへ回収した。4℃で10分間1,600gで血液サンプルを遠心分離した後、バフィーコートおよび血漿分画を、注意深く別個のポリプロピレンチューブへ移した。血漿サンプルを、4℃で10分間16,000gで再遠心分離した。上澄みを新しいポリプロピレンチューブへ回収した。収穫した母体血漿からのRNA抽出を、前述(Ngら,2002)のように行った。同様に、RNAを0.3mLのバフィーコート分画から抽出した。
研究した転写物についてのQRT−PCRアッセイを、上述と同一条件で行った。5μlの抽出された血漿RNAまたは10ngのバフィーコートRNAを、各QRT−PCR反応のために使用した。絶対的定量(absolute quantification)を、血漿サンプル中の
転写物濃度を測定するために使用した。1×10コピーから1×10コピーまでの範囲に及ぶ濃度での、アンプリコンの全長をスパンする高性能液体クロマトグラフィー精製一本鎖合成DNAオリゴヌクレオチド(Proligo,シンガポール)の連続希釈によって、検量線を作製した。血漿中の転写物の絶対濃度を、コピー/血漿mlと表した。合成DNAオリゴヌクレオチドの配列を表1Bに示す。バフィーコート分画についての結果は、GAPDHへの標準化に基づく相対的定量によって表した。
統計解析
統計解析をSigma Stat 2.03 ソフトウエア(SPSS)を使用して行
った。
結果
高密度オリゴヌクレオチドマイクロアレイによる胎盤発現遺伝子の同定
5個の第1期CVSサンプル遺伝子発現プロフィールを、各個々の組織サンプルの独立したマイクロアレイ分析によって得た。ヒトゲノムU133AおよびU133Bアレイ(Affymetrix)によって検出可能な約22,000の十分に特徴付けられた転写物のうち、合計7226個の遺伝子転写物がCVSサンプル中において発現された。本発明者は、以前、通常の個体の血漿中の循環DNAは造血細胞から主に誘導されることを報告した(Luiら,2002)。したがって、本発明者は、母体血中のバックグラウンド母体核酸の大半も造血コンパートメント(compartment)に由来すると仮定する。本発明
者は母体血漿中の循環RNA分子の中で胎盤発現転写物を同定することを目的とするので、本発明者は、さらに、母体全血の遺伝子発現プロフィールを得、そしてGeneChip(登録商標)Microarray Suite 5.0ソフトウエア(Affymetrix)を使用してこれらのプロフィールを対応の胎盤組織のそれと比較した。妊娠初期にある胎盤発現転写物を、それらの発現レベルが5個全てのセットの比較において対応の全血サンプルと比較した場合にCVS組織において「増加された」転写物を選択することによって、同定した。この手順後、胎盤組織のそれと類似する程度かまたはそれよりも高い程度に母体血液細胞中で発現された転写物を排除した。このように、この分析により、妊娠第1期において相対的胎盤特異性を有する1245個の転写物のパネルが同定された。
胎盤組織における発現を伴う第21または第18染色体上のコードされる遺伝子座の選択
上述のアプローチによって同定された相対的胎盤特異性(relative placental specificity)を有する転写物のパネルの中で、本発明者は、さらに、第21染色体上に位置する遺伝子から誘導された転写物を探究した。第21染色体上に局在される13個の遺伝子を同定し、そして表2Aに要約する。この遺伝子選択戦略は、21トリソミーを有する胎児のゲノムに追加の第21染色体が存在することの結果として変化された遺伝子量が、第21染色体上に局在される遺伝子の異常な発現へ導き得るという推論に基づく。胎盤は母体血漿中の循環胎児RNAの重要な供給源であることを本発明者は以前示しているので(Ngら,2003)、21トリソミーの結果としての標的遺伝子の異常な胎盤組織発現は、母体血中の該転写物の異常な濃度によって反映され得る。したがって、循環胎児/胎盤由来RNA分析による胎児21トリソミーの非侵襲的出生前検出のための1つのアプローチは、正常な胎児を妊娠している女性中のそれと比較した場合の、21トリソミーによって冒された胎児を有する女性中のそれらの選択された転写物の異常な血液濃度の検出に基づく。
同様の戦略を、18トリソミーの非侵襲的出生前評価のために潜在的に有用な遺伝子マーカーの同定のために適用した。CVSサンプルおよび母体全血サンプルの両方の遺伝子発現プロフィールを、ヒトゲノムU133Bアレイ(Affymetrix)によって分析した。母体血に対してCVSにおいて優先的に発現する転写物のパネルを、上述と同一のスクリーニング基準を使用して同定した。第18染色体上に局在される胎盤発現遺伝子を、相対的胎盤特異性を有する転写物の前記パネルから選択した。該パネル内で、CVSにおいて最大発現レベルを有する転写物を選択し、そして表2Bに示した。
リアルタイムQRT−PCRによるマイクロアレイ結果の検証
上述のマイクロアレイに基づく戦略から同定したマーカーの胎盤組織発現を、ワンステップリアルタイムQRT−PCRによって検証した。10個の正常妊娠および3個の21トリソミー妊娠由来の第1期CVS組織を、GAPDH mRNAならびに表2Aおよび
2Bに列挙される前記選択された転写物について測定した。研究した遺伝子の相対的mRNAレベルを、以下の式を使用して対応のGAPDHレベルに対して標準化した:
ΔCt=CtGAPDH−Ct
式中、Ctは閾値サイクル(threshold cycle)を示し、これは、サンプルのQRT−P
CR反応の集積蛍光が所定の閾値強度に達するために必要とされるPCRサイクル数である。ΔCtは、研究した転写物Xの標準化されたmRNAレベルであり;CtGAPDHは、GAPDH mRNAのCt値であり;そしてCtは、転写物XのCt値である。Ct値はテンプレートmRNAの量の対数に反比例するので、より高いΔCt値は、より高いmRNAレベルを示す。研究した転写物は、正常ならびに21トリソミー胎児を含む妊娠から回収したCVS組織において発現されかつ検出可能であると確認された。
ADAMTS1 mRNA(図1A)(Mann−Whitney検定,P=0.036)およびAPP mRNA(図1B)(Mann−Whitney検定,P=0.036)の胎盤組織発現の統計的に有意なアップレギュレーションが、正常妊娠と比較して、21トリソミー妊娠から回収したCVS組織において見られた。トリソミック染色体上に局在される遺伝子は、胎盤組織発現の量的異常と関連し、そしてしたがって、21トリソミーの出生前評価のための潜在的に有用なマーカーであるという本発明者の仮定が、これらのデータによって確認された。
母体血中の胎盤発現転写物の検出能
前記転写物のいくつかの検出能(detectability)を、妊娠第3期の女性から回収した
バフィーコートおよび血漿サンプルにおいて評価した。12個の研究した転写物の全てが、バフィーコート(図2)および血漿サンプル(データは示さず)の両方において検出可能であった。転写物の妊娠特異性を検査するために、分娩前および分娩後24時間の10人の妊婦からの血漿サンプルも回収した。図3Aおよび3Bは、C0L6A1およびCOL6A2 mRNAの両方が、分娩後に母体血漿から迅速に除去されたことを示し(Wilcoxon検定、両ケースについてP<0.05)、一方、対応の血漿GAPDH mRNAレベルは変化しないままであった(データは示さず、Wilcoxon検定,P=1.000)。母体血漿由来のCOL6A1およびCOL6A2 mRNAの分娩後クリアランスは、胎盤がこれらの転写物の主な組織供給源であることを示唆している。
結論
マイクロアレイに基づくアプローチを使用して、第1期胎盤組織において発現される転写物を同定した。21トリソミーの出生前評価に有用である13個の転写物を、第21染色体上に局在される胎盤発現遺伝子の選択に基づいて同定した。同様に、18トリソミーの出生前評価に有用であるRNAマーカーを、第18染色体上でコードされる胎盤転写物の選択により同定した。
正常胎盤組織および異数性胎盤組織の両方における前記研究した転写物の検出能を、リアルタイムQRT−PCRによって確認した。例として、ADAMTS1およびAPP mRNAは、21トリソミー妊娠の胎盤組織において異常発現されることが示された。さらに、全ての標的遺伝子のmRNAが、母体バフィーコートおよび血漿において検出可能であると判った。これらのデータによって、本発明者のマーカー選択戦略が、21トリソミー胎盤組織において異常発現されかつ母体循環において検出可能であるRNA種の同定を可能にすることが確認され、これは、胎児21トリソミーの非侵襲的出生前診断のための戦略の開発を促進する。例えば、21トリソミーの非侵襲的出生前評価は、正常妊娠のそれと比較した場合の、21トリソミー妊娠の母体血液におけるRNAマーカーの異常な濃度の検出に基づき得る。あるいは、非侵襲的出生前診断は、母体血漿中の前記転写物の1以上の異なる分子形態の相対的定量比較に基づいて行われ得る。同様の適用がまた、母体血漿中のRPL17 mRNAの検出を伴って、18トリソミーに適用され得る。
実施例2:正常妊娠のそれと比較して、21トリソミー妊娠の胎盤において増加した発現を伴う遺伝子
方法
被験者
この研究における全ての胎盤組織および血液サンプルを、香港のプリンス・オブ・ウェールズ病院にある産婦人科に通院した、妊娠第1期にある女性からインフォームドコンセントを得て回収した。研究は、臨床研究倫理委員会によって承認された。
研究の第1の部分において、正常妊娠および21トリソミー妊娠の両方の胎盤組織遺伝子発現プロフィールを、オリゴヌクレオチドマイクロアレイによって同定した。第1期胎盤組織サンプルを、絨毛膜絨毛サンプリング(CVS)によって妊婦から得た。正常妊娠を伴う5人の女性(妊娠期間範囲:10〜12週)および21トリソミー胎児を妊娠している3人の妊婦(妊娠期間範囲:12〜13週)を採用し、引き続いてそれぞれの胎児核型を確認した。研究の第2の部分において、オリゴヌクレオチドマイクロアレイ実験によって作成された遺伝子発現プロフィールを、QRT−PCRを使用して確認した。3人の21トリソミー妊婦(妊娠期間:13〜14週)および5人の正常な妊婦(妊娠期間:913週)由来のCVSを、研究のこの部分のために採用した。
マイクロアレイ分析のためのサンプル調製
CVSサンプルを、回収直後にRNAlaterTM(Ambion(登録商標),オースティン,TX)に保存し、そしてRNA抽出まで−80℃で維持した。正常妊娠を伴う5人の妊婦について、6mlの母体末梢血を、組織回収時と同時に回収し、そしてPAXgeneTM血液RNAチューブ(PreAnalytiX,Hombrechtikon,スイス)において保存した。胎盤組織からのトータルRNAを、製造業者のプロトコルに従って、Trizol試薬(Invitrogen,カールズバッド,CA)で抽出しそしてRNeasyミニキット(Qiagen,ヒルデン,ドイツ)で精製した。末梢血からのトータルRNAを、DNアーゼ処理(RNアーゼフリーDNアーゼセット,Qiagen,ヒルデン,ドイツ)を含む、製造業者の指示書に従ってPAXgeneTM血液RNAキット(PreAnalytiX,Hombrechtikon,スイス)によって抽出した。
高密度オリゴヌクレオチドマイクロアレイによる遺伝子発現分析
各サンプルについて、10μgの抽出されたRNAを標識し、そして製造業者の指示書に従ってGeneChip(登録商標)ヒトゲノムU133AおよびU133Bアレイ(Affymetrix,サンタクララ,CA)にハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーション後、各アレイを洗浄しそしてGeneChip(登録商標)Fluidics Station 400(Affymetrix,サンタクララ,CA)において染色した。前記チップをGeneArrayスキャナ(Affymetrix,サンタクララ,CA)でスキャンし、そしてGeneChip(登録商標)Microarray Suite 5.0(Affymetrix)を使用して分析した。
リアルタイム定量RT−PCR
ワンステップリアルタイムQRT−PCRを、胎盤組織および母体血漿サンプル中のmRNA転写物の定量的測定のために使用した。ハウスキーピング遺伝子GAPDHの検出のためのQRT−PCRアッセイは、以前に記載されている(Ngら2002)。他の研究した遺伝子のプライマー配列(Proligo,シンガポール)およびTaqManマイナーグルーブ結合(minor-groove-binding)(MGB)蛍光プローブ(Applied
Biosystems,フォスターシティー,CA,USA)を、表3に示す。mRNA量は相対的定量を使用して表現し、ここで、研究した転写物レベルは、対応のGAPD
H mRNAレベルに対して標準化した。
QRT−PCR反応を、25μlの反応体積において製造業者の指示書(EZ rTth RNA PCR試薬セット,Applied Biosystems)に従って設定した。QRT−PCRアッセイを、組み合わされたサーマルサイクラーおよび蛍光検出器(ABI Prism 7900HT,Applied Biosystems)において行った。全ての転写物について、PCRプライマーおよび蛍光プローブを、それぞれ、300nMおよび100nMの濃度で使用した。QRT−PCRを行う前に、抽出した胎盤組織RNA中の混入DNAを、製造業者の推奨に従って、DNアーゼI消化(Invitrogen,カールズバッド,CA)によって除去した。17ngの胎盤RNA抽出物を増幅のために使用した。複数のネガティブウォーターブランクを、各分析に含めた。
研究した転写物の全てについて使用したサーマルプロファイルは、以下の通りであった:含まれたウラシルN−グリコシラーゼを作用させるために反応を50℃で2分間開始させ、続いて60℃で30分間逆転写させた。95℃で5分間変性させた後、92℃で15秒間の変性および58℃で1分間のアニーリング/伸長を使用して、40サイクルのPCRを行った。
母体血中の21トリソミー関連胎盤転写物の定量的評価
妊婦由来の母体全血サンプルを、EDTAチューブへ回収した。4℃で10分間1,600gで血液サンプルを遠心分離した後、血漿を、注意深くプレイン(plain)ポリプロ
ピレンチューブへ移した。血漿サンプルを、4℃で10分間16,000gで再遠心分離した。上澄みを新しいポリプロピレンチューブへ回収した。収穫した母体血漿からのRNA抽出を、前述(Ngら,2002)のように行った。研究した転写物についてのQRT−PCRアッセイを、上述の条件で行った。5μlの抽出した血漿RNAを、各QRT−PCR反応のために使用した。
統計解析
統計解析をSigma Stat 2.03ソフトウエア(SPSS)を使用して行った。
結果
異数性妊娠における異常胎盤組織発現を伴う遺伝子のマイクロアレイに基づく同定
正常妊娠から回収した5個の第1期CVSサンプルの遺伝子発現プロフィールを、各個々の組織サンプルの独立したマイクロアレイ分析によって得た。本発明者は、以前、通常の個体の血漿中の循環DNAは造血細胞から主に誘導されることを報告した(Luiら,2002)。したがって、本発明者は、母体血中のバックグラウンド母体核酸の大半も造血コンパートメント(compartment)に由来すると仮定する。研究の最終目的は、母体血
中の循環RNA分子のうち胎児特異的である胎盤発現転写物を同定することであるので、本発明者は、さらに、対の母体全血の遺伝子発現プロフィールを得、そして5人の正常妊娠サンプルについてこれらのプロフィールを対応のCVSのそれと比較した。GeneChip(登録商標)Microarray Suite 5.0ソフトウエア(Affymetrix)を比較のために使用した。相対的胎盤特異性を有する転写物を、その発現レベルが5個全てのセットの比較において対応の全血サンプルと比較した場合にCVS組織において「増加された」転写物を選択することによって、同定した。これらの手順後、CVS組織のそれと類似する程度かまたはそれよりも高い程度に母体血細胞中で発現された転写物を排除した。この手順によって、胎盤組織において優先的に発現される転写物のパネルが同定された。
次の工程において、異数性妊娠の胎盤組織において異常発現される転写物を同定した。
GeneChip(登録商標)Microarray Suite 5.0ソフトウエア(Affymetrix)を使用して、3個の21トリソミーCVS組織の発現プロフィールを、上述の5人の妊娠期間が一致する正常妊娠から同定された相対的胎盤特異性を有する遺伝子のパネルと比較した。3個の異数性CVSサンプルの遺伝子発現シグナルを、ベースラインとして前記正常な胎盤組織発現プロフィールを使用して、前記5個の正常なCVSサンプルの各々のそれと個々に比較した。合計で15個の比較を行い、そしてインテロゲートした遺伝子の各々について、異数性胎盤においてアップレギュレートされた発現を示した比較の数をカウントした(Iカウント)。発現レベルの倍変化(fold- changes)を算出し、そしてlog値へ変換した(シグナルLog比(Signal Log Ratio)、
SLR)。さらに、以下の場合に、転写物を選択した:(i)転写物が、少なくとも0.4のシグナルLog比(発現の1.3倍変化)である程度まで、正常な胎盤と比較して異数性胎盤においてアップレギュレートされた;そして(ii)該アップレギュレーションが、一貫しており、ここで、半分を超える比較がこのようなアップレギュレーションを示す(Iカウント8)。表4は、3つの転写物、即ち、EGF含有フィブリン様細胞外マトリクス蛋白質1(EGF -containing fibulin-like extracellular matrix protein 1)
(EFEMP1)、トランスフェリン受容体p90 CD71(transferrin receptor p90 CD71)(TFRC)、およびATP5Oのマイクロアレイ結果を要約し、これらは、
21トリソミー妊娠について遺伝子パネルの中で最大限のアップレギュレーションを伴って、胎盤において優先的に発現される。
リアルタイムQRT−PCRによるマイクロアレイ結果の検証
上述のマイクロアレイ実験から同定された21トリソミー妊娠における異常胎盤組織発現を伴う3個の転写物を、ワンステップリアルタイムQRT−PCRによって検証した。前記3個の転写物およびGAPDHのmRNAレベルを、妊娠期間が一致した3つの21トリソミー妊娠および5つの正常妊娠から回収したCVS組織において定量した。研究した遺伝子の相対的mRNAレベルを、以下の式を使用して対応のGAPDHレベルに対して標準化した:
ΔCt=CtGAPDH−Ct
式中、Ctは閾値サイクル(threshold cycle)を示し、これは、サンプルのQRT−P
CR反応の集積蛍光が所定の閾値強度に達するために必要とされるPCRサイクル数である。ΔCtは、研究した転写物Xの標準化されたmRNAレベルであり;CtGAPDHは、GAPDH mRNAのCt値であり;そしてCtは、転写物XのCt値である。Ct値はテンプレートmRNAの量の対数に反比例するので、より高いΔCt値は、より高いmRNAレベルを示す。
EFEMP1 mRNA(図4A)、TFRC mRNA(図4B)およびATP5O
mRNA(図4C)が、正常な妊娠から回収したCVSと比較して21トリソミーCVSにおいて、実際にアップレギュレートされたことが、QRT−PCR分析によって明らかとなった。前記3個の転写物の異常胎盤組織発現が異数性妊娠において存在し、したがって、21トリソミーの出生前検査のためのRNAマーカーとしてのそれらの有用性を実証する。
母体血漿中のRNAマーカーの検出能
正常な妊婦由来の血漿サンプルを、ATP5O mRNAについて測定した。ATP5O mRNAは、母体血漿中で検出可能であり(図4D)、分娩の24時間後のその濃度の統計的に有意な減少を伴った(図4D;Wilcoxon,P<0.05)。これらのデータは、胎盤が母体血漿中のATP5O mRNAの重要な組織供給源であることを示す。
結論
マイクロアレイに基づくアプローチを使用して、21トリソミー胎盤組織における異常発現を伴う転写物を同定した。3個の転写物、EFEMP1、TFRC、およびATP5Oを、マイクロアレイ実験によって同定し、そして21トリソミー妊娠の胎盤組織におけるそれらの発現の異常性をQRT−PCRによってさらに検証した。したがって、これらのデータは、前記3個の転写物が胎児21トリソミーの出生前評価のためのRNAマーカーとして有用であることを示す。母体血漿におけるATP5O mRNAの検出能は、胎児21トリソミーの非侵襲的出生前評価についてのこの転写物の適性を示す。例えば、21トリソミーの非侵襲的出生前評価は、正常妊娠のそれと比較して、21トリソミー妊娠の母体血漿中の異常な濃度のRNAマーカー検出に基づき得る。
実施例3:正常妊娠のそれ比較して子癇前症に冒された妊娠の胎盤における異常発現を伴う遺伝子
方法
被験者
この研究における全ての胎盤組織および血液サンプルを、香港のプリンス・オブ・ウェールズ病院にある産婦人科に通院した、妊娠第3期にある女性からインフォームドコンセントを得て回収した。研究は、臨床研究倫理委員会によって承認された。
研究の第1の部分において、正常妊娠および子癇前症(preeclamptic)(PET)妊娠の両方の胎盤組織遺伝子発現プロフィールを、オリゴヌクレオチドマイクロアレイによって同定した。5人のPET妊婦(妊娠期間範囲:37〜40週)および5人の健康な妊婦(妊娠期間範囲:38〜40週)の胎盤組織を、帝王切開直後に得た。末梢血を分娩直前に回収した。研究の第2の部分において、オリゴヌクレオチドマイクロアレイ実験から作成された遺伝子発現プロフィールを、QRT−PCRを使用して確認した。10人のPET(妊娠期間範囲:25〜40週)および10人の健康な妊婦(妊娠期間範囲:37〜39週)の胎盤を、帝王切開分娩直後に回収した。子癇前症を、高血圧の病歴を有さない女性における有意な蛋白尿の存在を伴う、1つの場合について>110mmHgまたは少なくとも4時間離れた2以上の場合について>90mmHgの拡張期血圧の持続性上昇(sustained increase)に基づいて規定した。有意な蛋白尿を、少なくとも4時間離れて回収された2つのクリーン−キャッチ中間尿試料中の尿検査において2+または蛋白尿>0.3g/日と規定した。
マイクロアレイ分析のためのサンプル調製
胎盤組織サンプルを、回収直後にRNAlaterTM(Ambion(登録商標),オースティン,TX)において保存し、そしてRNA抽出まで−80℃で維持した。6mlの母体末梢血を、組織回収時と同時に回収し、そしてPAXgeneTM血液RNAチューブ(PreAnalytiX,Hombrechtikon,スイス)において保存した。胎盤組織からのトータルRNAを、製造業者のプロトコルに従って、Trizol試薬(Invitrogen,カールズバッド,CA)で抽出しそしてRNeasyミニキット(Qiagen,ヒルデン,ドイツ)で精製した。末梢血からのトータルRNAを、DNアーゼ処理(RNアーゼフリーDNアーゼセット,Qiagen,ヒルデン,ドイツ)を含む、製造業者の指示書に従ってPAXgeneTM血液RNAキット(PreAnalytiX,Hombrechtikon,スイス)によって抽出した。
高密度オリゴヌクレオチドマイクロアレイによる遺伝子発現分析
各サンプルについて、10μgの抽出されたRNAを標識し、そして製造業者の指示書に従ってGeneChip(登録商標)ヒトゲノムU133AおよびU133Bアレイ(Affymetrix,サンタクララ,CA)にハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーション後、各アレイを洗浄しそしてGeneChip(登録商標)Fluidics Station 400(Affymetrix,サンタクララ,CA)において染色し
た。前記チップをGeneArrayスキャナ(Affymetrix,サンタクララ,CA)でスキャンし、そしてGeneChip(登録商標)Microarray Suite 5.0(Affymetrix)を使用して分析した。
リアルタイム定量RT−PCR
ワンステップリアルタイムQRT−PCRを、胎盤組織および母体血漿サンプル中のmRNAの定量的測定のために使用した。ハウスキーピング遺伝子GAPDHの検出のためのQRT−PCRアッセイは、以前に記載されている(Ngら2002)。他の研究した遺伝子のプライマー(Proligo,シンガポール)およびTaqManマイナーグルーブ結合(MGB)蛍光プローブ(Applied Biosystems,フォスターシティー,CA,USA)の配列を、表5に示す。mRNA量を、相対的定量を使用して表し、ここで、研究した転写物レベルは、対応のGAPDH mRNAレベルに対して標準化した。
QRT−PCR反応を、25μlの反応体積において製造業者の指示書(EZ rTth RNA PCR試薬セット,Applied Biosystems)に従って設定した。QRT−PCRアッセイを、組み合わされたサーマルサイクラーおよび蛍光検出器(ABI Prism 7900HT,Applied Biosystems)において行った。研究した全ての転写物について、PCRプライマー(Proligo)および蛍光プローブ(Applied Biosystems)を、それぞれ、300nMおよび100nMの濃度で使用した。QRT−PCRを行う前に、胎盤組織RNA抽出物中の混入DNAを、製造業者の推奨に従って、DNアーゼI消化(Invitrogen,カールズバッド,CA)によって除去した。17ngの抽出した胎盤RNAを増幅のために使用した。複数のネガティブウォーターブランクを、各分析に含めた。
使用したサーマルプロファイルは、以下の通りであった:含まれたウラシルN−グリコシラーゼを作用させるために反応を50℃で2分間開始させ、続いて60℃で30分間逆転写させた。95℃で5分間変性させた後、92℃で15秒間の変性および56℃で1分間のアニーリング/伸長を使用して、40サイクルのPCRを行った。
母体血中の子癇前症関連胎盤転写物の定量的評価
妊婦由来の母体全血サンプルを、EDTAチューブへ回収した。4℃で10分間1,600gで血液サンプルを遠心分離した後、血漿を、注意深くプレイン(plain)ポリプロ
ピレンチューブへ移した。血漿サンプルを、4℃で10分間16,000gで再遠心分離した。上澄みを新しいポリプロピレンチューブへ回収した。収穫した母体血漿からのRNA抽出を、前述(Ngら,2002)のように行った。研究した転写物についてのQRT−PCRアッセイを、上述の条件で行った。5μlの抽出された血漿RNAを、各QRT−PCR反応のために使用した。
統計解析
統計解析をSigma Stat 2.03 ソフトウエア(SPSS)を使用して行った。
結果
子癇前症妊娠における異常胎盤組織発現を伴う遺伝子のマイクロアレイに基づく同定
本発明者の最終目的は、母体血中のPET関連転写物の検出を介してのPETの研究のためのアプローチを開発することである。したがって、本発明者の遺伝子選択戦略は、先ず、母体末梢血液細胞においてではなくPET胎盤において優先的に発現される転写物の同定を必要とする。この戦略は、胎盤が母体血中の循環胎児RNAの重要な供給源であり、そして造血系が正常な個体における血漿DNAの主要な供給源であるという本発明者の
以前の知見(Luiら,2002)に基づいて発明された。5個のPET胎盤組織サンプルおよびそれらの対応する末梢血サンプルの遺伝子発現プロフィールを、オリゴヌクレオチドマイクロアレイによって測定した。胎盤発現遺伝子を同定するために、5個の分析したPET胎盤組織サンプルのうち少なくとも4個において発現された転写物を選択した。次いで、その発現レベルが5個の末梢血サンプルの全てにおいて「存在しなかった」かあるいは対をなす胎盤サンプルおよび母体血液サンプルの5個のセットの全てにおいて対応の全血サンプルと比較した場合に胎盤において「増加された」転写物の正の選択によって、母体血細胞においても発現された遺伝子を排除した。したがって、胎盤組織よりも母体血液細胞においてより高い程度または類似する程度に発現された転写物を排除した。これらの手順によって、胎盤組織において優先的に発現される転写物のパネルが選択された。
次の工程において、PET胎盤において異常発現される転写物を同定した。GeneChip(登録商標)Microarray Suite 5.0ソフトウエア(Affymetrix)を使用して、妊娠期間が一致するそれぞれ5個のPET妊娠および正常妊娠から回収した胎盤の発現プロフィールを比較した。上述の5個のPET妊娠から同定した相対的に胎盤特異的である遺伝子のリストの発現シグナルを、ベースラインとして前記正常な胎盤組織発現プロフィールを使用して、前記5個の正常な胎盤組織サンプルの各々のそれと個々に比較した。合計で25個の比較を行い、そしてインテロゲートした遺伝子の各々について、PET胎盤においてアップレギュレートされた発現を示した比較の数をカウントした(Iカウント)。発現レベルの倍変化(fold-changes)を算出し、そしてlog値へ変換した(シグナルLog比(Signal Log Ratio)、SLR)。さらに、以下の場合に、転写物を選択した:(i)転写物が、少なくとも0.4のシグナルLog比(発現の1.3倍変化)である程度まで、正常な胎盤と比較してPET胎盤においてアップレギュレートされた;そして(ii)該アップレギュレーションが、一貫しており、ここで、半分を超える比較がこのようなアップレギュレーションを示す(Iカウント13)。表6は、PET妊娠におけるアップレギュレーションを伴って胎盤において優先的に発現される、10個の同定された転写物のマイクロアレイ結果を要約する。
リアルタイムQRT−PCRによるマイクロアレイ結果の検証
マイクロアレイ分析から選択したPET関連転写物を、ワンステップリアルタイムQRT−PCRによって検証した。妊娠期間が一致するそれぞれ10個のPET妊娠および正常妊娠から回収した胎盤組織において、GAPDH mRNA濃度を測定した。GAPDH mRNAレベルを使用して、異なるサンプル間の転写物レベルを標準化した。次いで、マイクロアレイ分析によって同定した10個の転写物の発現レベルを、両グループの妊娠の胎盤組織サンプルにおいて評価した。研究した遺伝子の相対的mRNAレベルを、以下の式を使用して対応のGAPDHレベルに対して標準化した:
ΔCt=CtGAPDH−Ct
式中、Ctは閾値サイクルを示し、これは、サンプルのQRT−PCR反応の集積蛍光が所定の閾値強度に達するために必要とされるPCRサイクル数である。ΔCtは、研究した転写物Xの標準化されたmRNAレベルであり;CtGAPDHは、GAPDH mRNAのCt値であり;そしてCtは、転写物XのCt値である。Ct値はテンプレートmRNAの量の対数に反比例するので、より高いΔCt値は、より高いmRNAレベルを示す。
レプチン(LEP)およびシアル酸結合Ig様レクチン6(sialic acid binding Ig-like lectin 6)(SIGLEC6)mRNAは、QRT−PCR分析により、正常妊娠のそれと比較してPET胎盤において有意にアップレギュレートされると確認された(レプチンおよびSIGLEC6 mRNAについて、それぞれ、図5Aおよび図5B)(Mann−Whitney検定、両ケースについてP<0.05)。これらのデータは、本発明者の転写物選択戦略が、PET胎盤組織において異常発現されるマーカーの同定を可能
にすることを確認する。
母体血漿中のPET関連RNAマーカーの検出能
第3期にある25個の健康な妊娠および26個のPETに冒された妊娠由来の血漿サンプルを、QRT−PCRによって、LEPおよびINHBA mRNAについて測定した。LEPおよびINHBAについての母体血漿濃度は、合併症を伴わない妊娠と比較した場合、PETによって冒された妊娠において、有意に上昇された(LEP:図6A、Mann−Whitney,P=0.017;INHBA:図6B,Mann Whitney,P=0.006)。
結論
マイクロアレイに基づくアプローチを使用して、PET胎盤において異なる発現を伴う転写物を同定し、そしてPETの研究のための可能性のあるマーカーと考えられた。マイクロアレイ分析によって同定されたPET関連転写物のリスト内で、正常妊娠のそれと比較してPET胎盤において最も異常発現される10個の転写物を選択した。LEPおよびSIGLEC6発現の両方が、正常胎盤と比べてPET胎盤において有意にアップレギュレートされたことが、リアルタイムQRT−PCRによって確認された。INHBAおよびLEPの母体血漿レベルは、合併症を伴わない妊娠よりもPETにおいて有意により高く、したがって、PETの非侵襲的出生前評価のためのマーカーの使用の可能性を示唆する。
実施例4:21トリソミーおよび正常妊娠の母体血漿中の胎盤特異的PLAC4 mRNA
PLAC4 mRNAの検出能および妊娠特異性の測定
PLAC4 mRNAは、リアルタイムQRT−PCRアッセイを使用して母体血漿において検出され得る。さらに、PLAC4 mRNAは、子供の誕生後に母体血漿から除去された。したがって、母体血漿中のPLAC4 mRNAは、胎児起源のものであり、そして妊娠特異的である。
サンプル回収および処理
5人の非妊娠女性、5人の第1期妊婦および8人の第3期妊婦由来の末梢血サンプルを回収した。分娩前および分娩後24時間での6人の第3期妊婦由来の末梢血も得た。血液サンプルをEDTAチューブ中に回収した。血漿サンプルを、実施例1に記載されるように収穫した。母体血漿サンプルからのRNA抽出を、実施例1に記載される手順に従って行った。
リアルタイムQRT−PCRアッセイの開発
PLAC4 mRNAについてのQRT−PCRアッセイを、実施例1に記載されるように開発した。プライマー(Integrated DNA Technologies,コーラルビレ,IA)、TaqManマイナーグルーブ結合(MGB)蛍光プローブ(Applied Biosystems,フォスターシティー,CA,USA)およびキャリブレーター(calibrator)(Proligo,シンガポール)の配列を、表7に示す。
QRT−PCR反応を、25μlの反応体積において製造業者の指示書(EZ rTth RNA PCR試薬セット,Applied Biosystems)に従って設定した。QRT−PCRアッセイを、ABI PRISM(登録商標)7900HT(Applied Biosystems,フォスターシティー,CA,USA)において行った。PCRプライマーおよび蛍光プローブを、それぞれ、400nMおよび100nMの濃度で使用した。5μlの抽出したRNAを増幅のために使用した。サーマルサイクリン
グプロファイルは、以下であった:反応を50℃で2分間開始させ、続いて60℃で30分間逆転写させた。95℃で5分間変性させた後、95℃で15秒間および60℃で1分間の変性を使用して、45サイクルのPCRを行った。
PLAC4 mRNAは、母体血漿中において検出され得、そして妊娠特異的である
PLAC4 mRNAは、非妊娠個体のいずれにおいても検出され得ず、しかし第1および第3期妊婦の全てにおいて検出され得た(図7)。第1および第3期妊娠における中央値血漿PLAC4 mRNA濃度は、それぞれ、299.6コピー/mlおよび529.3コピー/mlであった。循環PLAC4 mRNAの妊娠特異性もまた測定した。分娩前の血漿サンプルにおいて、中央値PLAC4 mRNA濃度は500.0コピー/mlであった。該転写物は、分娩後の血漿サンプルのいずれにおいても検出不可能であった(図8)。
正倍数性妊娠および21トリソミー妊娠における循環PLAC4 mRNAの比較
循環PLAC4 mRNA濃度を、核型が正常な妊娠と21トリソミー妊娠との間で比較した。血漿サンプルを、妊娠第1期および第2期にある、正倍数性胎児を妊娠している29人の妊婦および21トリソミー胎児を妊娠している5人の妊婦から回収した。血漿サンプルを、上述のように、リアルタイムワンステップRT−PCRによって、PLAC4
mRNA濃度について測定した。PLAC4 mRNAは、トリソミック血漿サンプルの全てにおいて検出された。21トリソミー妊娠および正常妊娠についての中央値は、それぞれ、5581コピー/mlおよび4836コピー/mlである。サンプルサイズが小さかったために、統計的に有意な差異は、正常妊娠と21トリソミー妊娠との間で、血漿PLAC4 mRNA濃度について達成されなかった。
実施例5:正常妊娠のそれと比較して子癇前症によって冒された妊娠の胎盤において異常発現を伴う遺伝子
方法
被験者
この研究における全ての胎盤組織および血液サンプルを、香港のプリンス・オブ・ウェールズ病院にある産婦人科に通院した、妊娠第3期の間にある女性からインフォームドコンセントを得て回収した。研究は、臨床研究倫理委員会によって承認された。
研究の第1の部分において、正常妊娠および子癇前症(PET)妊娠の両方の胎盤組織遺伝子発現プロフィールを、オリゴヌクレオチドマイクロアレイによって同定した。5人のPET妊婦(妊娠期間範囲:37〜40週)および5人の健康な妊婦(妊娠期間範囲:38〜40週)由来の胎盤組織を、帝王切開直後に得た。末梢血を分娩直前に回収した。研究の第2の部分において、オリゴヌクレオチドマイクロアレイ実験によって作成された遺伝子発現プロフィールを、QRT−PCRを使用して確認した。6人のPET(妊娠期間範囲:30〜39週)および6人の健康な妊婦(妊娠期間範囲:37〜39週)由来の胎盤を、帝王切開分娩直後に回収した。子癇前症を、高血圧の病歴を有さない女性における有意な蛋白尿の存在を伴う、1つの場合について>110mmHgまたは少なくとも4時間離れた2以上の場合について>90mmHgの拡張期血圧の持続性上昇(sustained increase)に基づいて規定した。有意な蛋白尿を、少なくとも4時間離れて回収された2つのクリーン−キャッチ中間尿試料中の尿検査において2+または蛋白尿>0.3g/日と規定した。
マイクロアレイ分析のためのサンプル調製
胎盤組織サンプルを、回収直後にRNAlaterTM(Ambion(登録商標),オースティン,TX)において保存し、そしてRNA抽出まで−80℃で維持した。6mlの母体末梢血を、組織回収時と同時に回収し、そしてPAXgeneTM血液RNAチ
ューブ(PreAnalytiX,Hombrechtikon,スイス)において保存した。胎盤組織からのトータルRNAを、製造業者のプロトコルに従って、Trizol試薬(Invitrogen,カールズバッド,CA)で抽出しそしてRNeasyミニキット(Qiagen,ヒルデン,ドイツ)で精製した。末梢血からのトータルRNAを、DNアーゼ処理(RNアーゼフリーDNアーゼセット,Qiagen,ヒルデン,ドイツ)を含む、製造業者の指示書に従ってPAXgeneTM血液RNAキット(PreAnalytiX,Hombrechtikon,スイス)によって抽出した。
高密度オリゴヌクレオチドマイクロアレイによる遺伝子発現分析
各サンプルについて、10μgの抽出されたRNAを標識し、そして製造業者の指示書に従ってGeneChip(登録商標)ヒトゲノムU133AおよびU133Bアレイ(Affymetrix,サンタクララ,CA)にハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーション後、各アレイを洗浄しそしてGeneChip(登録商標)Fluidics Station 400(Affymetrix,サンタクララ,CA)において染色した。前記チップをGeneArrayスキャナ(Affymetrix,サンタクララ,CA)でスキャンし、そしてGeneSpring v 7.2(Agilent Technologies,パロアルト,CA)を使用して分析した。
マイクロアレイ遺伝子発現データのマイニング
マイクロアレイデータを.CELフォーマットでGeneSpring v 7.2(Agilent Technologies)にインポートした。データマイニング(Data mining)を、正常妊娠およびPET妊娠から回収したサンプル(胎盤組織および母体
血液細胞)について独立して行った。各グループの妊娠内で、母体血液細胞よりも胎盤組織サンプルにおいて相対的により高い発現を有した遺伝子を、先ず同定した。5個の胎盤および対の母体血液細胞からのマイクロアレイ生データを、順に以下のステップを使用して一緒に標準化した:(1)GC−コンテントバックグラウンドコレクション(GC-content background correction)を用いての、Robust Multi−chip Averageによる生データプロセシング(GC−RMA);(2)0.001未満の値を有するマイクロアレイデータを0.001に設定するデータ変換;ならびに(3)各遺伝子についてのシグナル強度を、全サンプルにおけるその測定値の中央値によって割った。胎盤組織または母体血液細胞のいずれかにおける統計的に有意な(P<0.05)発現を伴う遺伝子を、さらに同定した。次いで、これらの遺伝子を、高い倍差異(fold-differences)を伴う転写物を同定する目的で、母体血液細胞のそれと比較しての胎盤組織発現における倍差異に基づく順で分類した。このデータマイニングプロセスにより、母体血液細胞と比較して胎盤組織において相対的により高い発現を伴う遺伝子が同定される。
他方で、胎盤組織において高絶対発現レベルを有する遺伝子を同定するために、データマイニングを行った。GC−RMAプロセッシングと、続いて0.001未満の値を有するマイクロアレイデータを0.001に設定するデータ変換によって、胎盤組織についての生マイクロアレイデータを標準化した。次いで、標準化された発現レベルに基づいて、遺伝子をランク付けした。正常および子癇前症妊娠から回収された胎盤組織についてのデータマイニングを独立して行った。
以下の場合、さらなる研究のために遺伝子を選択した:それらが正常妊娠についてのそれよりも対の母体血に対するPET胎盤間の遥かに高い倍差異を実証する場合、あるいは、胎盤組織発現と母体血発現との間で少なくとも200倍差異を実証しつつ正常胎盤よりもPETにおいて遥かに高い絶対発現レベルを有するものの場合。
リアルタイム定量RT−PCR
ワンステップリアルタイムQRT−PCRを、胎盤組織中のmRNA転写物の定量的測
定のために使用した。2.5×10コピーから2.5コピーまでの範囲に及ぶ濃度での、高性能液体クロマトグラフィー精製一本鎖合成DNAオリゴヌクレオチドの連続希釈によって、検量線を作製した。研究した遺伝子のプライマー(Proligo)、蛍光プローブ(Applied Biosystems,フォスターシティー,CA,USA)およびオリゴヌクレオチドキャリブレーターの配列を、表8に示す。
QRT−PCR反応を、50μlの反応体積において製造業者の指示書(EZ rTth RNA PCR試薬セット,Applied Biosystems)に従って設定した。QRT−PCRアッセイを、組み合わされたサーマルサイクラーおよび蛍光検出器(ABI Prism 7900HT,Applied Biosystems)において行った。研究した転写物の全てについて、蛍光プローブを100nMの濃度で使用した。各々300nMのフォワードおよびリバースプライマーを、妊娠関連血漿プロテインA、パパリシン1(pregnancy-associated plasma protein A, pappalysin 1)(PAPP
A)、INHBAおよびFNlについてのアッセイにおいて各反応のために使用した。各々400nMのフォワードおよびリバースプライマーを、LEP、ADAMメタロペプチダーゼドメイン12(メルトリンアルファ)(ADAM metallopeptidase domain 12 (meltrin alpha))(ADAM12)、およびパパリシン2(pappalysin 2)(PAPPA2)
についてのアッセイにおける各反応のために使用した。QRT−PCRを行う前に、胎盤組織RNA抽出物中の混入DNAを、製造業者の推奨に従って、DNアーゼI消化(Invitrogen,カールズバッド,CA)によって除去した。1ngの抽出した胎盤RNAを増幅のために使用した。複数のネガティブウォーターブランクを、各分析に含めた。胎盤組織RNA濃度を、コピー/胎盤トータルRNAのngとして表した。
使用したサーマルプロファイルは、以下の通りであった:含まれたウラシルN−グリコシラーゼ(uracil N-glycosylase)を作用させるために反応を50℃で2分間開始させ、続いて60℃で30分間逆転写させた。95℃で5分間変性させた後、92℃で15秒間の変性、ならびにLEP、ADAM12、PAPPAおよびINHBAについては56℃で、しかしPAPPA2およびFN1については57℃で1分間のアニーリング/伸長を使用して、40サイクルのPCRを行った。
統計解析
統計解析をSigma Stat 3.0 ソフトウエア(SPSS)を使用して行った。
結果
マイクロアレイ分析から同定された遺伝子は、以下を含んだ:LEP、ADAM12(GenBankアクセッション番号:NM_003474、NM_021641)、PAPPA(GenBankアクセッション番号:NM_002581)、PAPPA2(GenBankアクセッション番号:NM_020318、NM_021936)、INHBAおよびFN1。PETおよび正常妊娠における選択した転写物の胎盤組織発現レベルを、ワンステップリアルタイムQRT−PCRによって評価した。結果を図9に示す。LEP、ADAM12、PAPPA2、INHBAおよびFN1の濃度は、正常妊娠よりもPETから回収した胎盤組織においてより高いことが判り、一方、PAPPA mRNAについてのそれは、正常妊娠よりもPETから回収した胎盤組織においてより低いことが判った。
結論
マイクロアレイに基づくアプローチを使用して、PET胎盤における異常発現プロフィールを伴う転写物を同定し、そしてPETの研究のための可能性のあるマーカーと考えられた。6個の転写物をマイクロアレイ分析から選択し、そしてPET胎盤におけるそれら
の発現プロフィールの異常性を、リアルタイムQRT−PCRによって確認する。
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公開されたアミノ酸またはポリヌクレオチド配列を含めて、本願において引用した全ての特許、特許出願、および他の刊行物は、全ての目的のために全体が参照により組み込まれる。
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第1期21トリソミー妊娠およびコントロール妊娠におけるRNA転写物の胎盤組織レベルの比較。(A)ADAMTS1 mRNA。(B)APP mRNA。各●は1被験者を示す。 母体バフィーコートにおける胎盤発現転写物の相対濃度。ボックス内の線は中央値を意味する。ボックスは、第25百分位数と第75百分位数との間の間隔をマークする。ヒゲ(whiskers)は、第10百分位数と第90百分位数との間の間隔を意味する。黒丸は、第10百分位数および第90百分位数より外側のデータポイントをマークする。 分娩後の母体血漿からの胎盤mRNAのクリアランス。分娩前および分娩後24時間の(A)COL6A1 mRNAおよび(B)COL6A2 mRNAの母体血漿濃度。各線は、1被験者から得られた対の血漿サンプルを示す。 第1期21トリソミー妊娠およびコントロール(正常)妊娠におけるRNA転写物の胎盤組織レベルの比較。(A)EFEMP1 mRNA。(B)TFRC mRNA。(C)ATP5O mRNA。各●は、1被験者を示す。(D)分娩後24時間での母体血漿からのATP5O mRNAのクリアランス。各線は、1被験者から得られた対の血漿サンプルを示す。 第3期子癇前症(PET)妊娠およびコントロール妊娠におけるRNA転写物の胎盤組織レベルの比較。(A)レプチン(LEP)mRNA。(B)SIGLEC6 mRNA。ボックス内の線は中央値を意味する。ボックスは、第25百分位数と第75百分位数との間の間隔をマークする。ヒゲは、第10百分位数と第90百分位数との間の間隔を意味する。黒丸は、第10百分位数および第90百分位数より外側のデータポイントをマークする。 子癇前症妊娠およびコントロール妊娠の母体血漿中の(A)レプチン(LEP)mRNAおよび(B)INHBA mRNAの母体血漿濃度の比較。ボックス内の線は中央値を意味する。ボックスは、第25百分位数と第75百分位数との間の間隔をマークする。ヒゲは、第10百分位数と第90百分位数との間の間隔を意味する。黒丸は、第10百分位数および第90百分位数より外側のデータポイントをマークする。 非妊娠女性ならびに妊娠第1および第3期にある女性の血漿中のPLAC4 mRNA濃度のボックスプロット。ボックス内の線は中央値を意味する。ボックスは、第25百分位数と第75百分位数との間の間隔をマークする。ヒゲは、第10百分位数と第90百分位数との間の間隔を意味する。黒丸は、第10百分位数および第90百分位数より外側のデータポイントをマークする。 分娩後の母体血漿からのPLAC4 mRNAのクリアランス。各線は、分娩前および分娩24時間後の1被験者から得られた対の血漿サンプルを示す。 第3期子癇前症(PET)妊娠およびコントロール(正常)妊娠におけるRNA転写物の胎盤組織レベルの比較。(A)LEP mRNA。(B)ADAM12 mRNA。(C)PAPPA mRNA。(D)PAPPA2 mRNA。(E)INHBA mRNA。(F)FN1 mRNA。ボックス内の線は中央値を意味する。ボックスは、第25百分位数と第75百分位数との間の間隔をマークする。ヒゲは、第10百分位数と第90百分位数との間の間隔を意味する。黒丸は、第10百分位数および第90百分位数より外側のデータポイントをマークする。

Claims (6)

  1. 妊婦における18トリソミーを有する胎児の存在を検出するためのキットであって、該キットが、以下:
    (i)該妊婦から得られる生物学的サンプル中のRNA種の量を定量的に測定するためのPCRプライマー;ここで、該RNA種はRPL17をエンコードするRNA由来であり、そしてここで、該生物学的サンプルは、血液、生殖器官からの洗浄物、羊水、尿、唾液、または絨毛膜絨毛である;ならびに、
    (ii)染色体が正常である胎児を有する平均的な妊婦由来の対応のサンプル中の該RNA種の量を示す標準コントロール
    を含む、キット。
  2. 前記RNA種の量の定量的な測定が、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)、ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション法、またはプライマー伸長反応を使用することを含む、請求項1に記載のキット。
  3. 前記RT−PCRの後の質量分析に使用する試薬をさらに含む、請求項2記載のキット。
  4. 前記妊婦が妊娠第1、第2または第3期の間にある、請求項1に記載のキット。
  5. 前記血液が血漿または血清である、請求項1に記載のキット。
  6. 前記標準コントロールからのmRNAの量の増加が2倍を超えるか、または前記標準コントロールからのmRNAの量の減少が50%を超える、請求項1に記載のキット。
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