JP2010268011A - 半導体装置、電極用部材および電極用部材の製造方法 - Google Patents

半導体装置、電極用部材および電極用部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パワーモジュールのヒートサイクル耐量、パワーサイクル耐量を向上させる。
【解決手段】IGBT10のエミッタ電極が形成されている面側に、セラミックス材の支持体31に設けた複数の貫通孔31aに銅ポスト32を形成した電極用部材30を半田接合する。電極に複数の銅ポスト32を半田接合することにより、IGBT10に発生する熱が電極用部材30へと移動して放熱されるとともに、IGBT10の構成材料と銅との間に熱膨張率差があっても、半田接合界面に加わる応力を低減して歪を小さく抑え、クラックの発生を減少させることが可能になる。それにより、パワーモジュールのヒートサイクル耐量、パワーサイクル耐量を向上させることが可能になる。
【選択図】図1

Description

本発明は半導体装置、電極用部材および電極用部材の製造方法に関し、特に大電流・高電圧の動作環境下で用いられる半導体装置、そのような半導体装置の電極用部材および電極用部材の製造方法に関する。
近年、ロボット、工作機、電気自動車等には、そのモーター駆動用のインバータ/コンバータ等の電力変換装置に、大電流・高電圧の動作環境にも耐性を有するパワーモジュールが用いられるようになってきている。現在、このようなパワーモジュールは、主に、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor,IGBT)やフリーホイーリングダイオード(Free Wheeling Diode,FWD)等のパワー半導体素子を用いて構成されている(例えば特許文献1参照。)。
図17は従来のパワーモジュールの要部断面模式図である。
この図17には、パワーモジュール内のIGBT100の実装状態を示している。IGBT100は、通常、その一方の面側にエミッタ電極とゲート電極(「エミッタ電極等」という。)が形成され、反対の面側にコレクタ電極が形成されている。図17では、エミッタ電極等を図中上方に向け、コレクタ電極を図中下方に向けて、実装されているものとする。その場合、上面側のエミッタ電極等は、例えば図17に示したように、それぞれの対応する外部接続用端子(図示せず。)にアルミワイヤ101で接続される。
一方、下面側のコレクタ電極は、図示しない銅(Cu)の放熱ベース(「銅ベース」という。)上に設けられた絶縁基板102の上に配置される。絶縁基板102は、例えば、伝熱性の良いアルミナ等のセラミックス板からなり、その両面には銅箔102a,102bが貼り付けられている。そして、上面側の銅箔102aとコレクタ電極の間、および下面側の銅箔102bと銅ベースとの間が、それぞれ半田接合されている。このような構造とすることにより、IGBT100とその外部との電気的な接続を確保しつつ、IGBT100と放熱系との間の絶縁を確保し、動作時に発生した熱を絶縁基板102、銅ベースへと伝熱することが可能になっている。
ところが、このような従来の実装形態では、IGBT100の下面側からは絶縁基板102や銅ベースを介して放熱が可能であるものの、その上面側には例えば線径が300μm〜400μm程度の細いアルミワイヤ101が接続されているのみであり、加えてアルミワイヤ101の通電に伴う発熱もあって、上面側からの放熱効果はほとんど期待できない。また、アルミワイヤ101の発熱で素子の特性が損なわれてしまう場合もある。アルミワイヤ101を、熱伝導率の高い銅ワイヤに代えることも考えられるが、通常ワイヤは電流容量に合った本数をIGBT100表面に超音波接合するため、素子表面を傷つけないよう、アルミワイヤ101に比べて硬度の高い銅ワイヤは用いない方が好ましい。
図18は従来の別のパワーモジュールの要部断面模式図である。なお、図18では、図17に示した要素と同一の要素には同一の符号を付し、その説明の詳細は省略する。
アルミワイヤを用いるために生じる問題を回避するため、従来、この図18に示すようにしてIGBT100のエミッタ電極等が形成されている上面側に銅電極103を半田接合し、この銅電極103にパワーモジュール外部に引き出される外部接続用端子104を接合して外部との電気的な接続を確保するとともに、この銅電極103を利用して上面側からも放熱が行えるようにする試みもなされている。
なお、パワーモジュール内にFWDが実装される場合も同様であり、例えば、そのアノード電極を上面側に、カソード電極を下面側にして、上面側にアルミワイヤが超音波接合され、あるいは銅電極が半田接合されて、下面側が銅ベース上の絶縁基板に貼り付けられた銅箔に半田接合される。
特開2004−6603号公報
しかし、上記のように放熱性を考慮してIGBTやFWDの上面側にアルミワイヤに代えて銅電極を半田接合した場合には、IGBTやFWDの主要構成材料であるシリコン(Si)の熱膨張率が約2.6ppm/℃であるのに対し、銅の熱膨張率が約17ppm/℃と大きく、それらの熱膨張率の差からヒートサイクル時やパワーサイクル時に半田接合界面に熱応力が加わり、それによって生じる歪でクラックが発生してしまい、パワーモジュールとしての目標寿命を満たせない場合があった。
また、このような半田接合界面のクラック発生の問題は、IGBTやFWDの下面側でも同様に起こる場合がある。すなわち、アルミナ表面に銅箔を貼り付けた絶縁基板では、その熱膨張率が約7ppm/℃であり、これが熱膨張率の高い銅ベースに半田接合されるため、それらの熱膨張率の差から半田接合界面に熱応力が加わり、歪が生じてクラックが発生してしまう場合がある。例えば、−40℃〜+125℃のヒートサイクルがかかった場合、絶縁基板と銅ベースとの間の半田接合界面には、そのとき生じる歪によって500サイクル程度でクラックが発生し始めることがわかっている。
パワーモジュールの放熱ベース材料に銅を用いるのは、約350W/(m・K)というその熱伝導率の良さからであるが、このようなクラック発生を回避するため、銅ベースに代えて銅モリブデン(CuMo)複合材料やアルミニウムシリコンカーバイト(AlSiC)等の熱膨張率が7ppm/℃に近い材料を用いることも行われている。しかし、これらの材料は、銅に比べ、熱膨張率は小さいものの熱伝導率は約150W/(m・K)と低く、最近のIGBTやFWDの低損失化には不利な特性である。また、これらの材料を用いて形成される放熱ベースのコストも、銅ベースに比べて約20倍と非常に高くなってしまう。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、内部に発生する熱を効率的に放熱するとともに、内部に存在する接合界面に加わる熱応力を小さく抑えた、信頼性の高い半導体装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、半導体装置内部に発生する熱を効率的に放熱するとともに、内部に存在する接合界面に加わる熱応力を小さく抑えることのできる電極用部材およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明では上記問題を解決するために、表面に電極を備えた半導体素子を有する半導体装置において、主面間を貫通する複数の貫通孔を有するセラミックス材を材料とする絶縁性の支持体と、複数の前記貫通孔それぞれに配置された金属ポストと、複数の各前記金属ポストと前記半導体素子の前記電極とを接合する半田層と、を備え、複数の各前記金属ポストは、前記支持体を介して互いに分離していることを特徴とする半導体装置が提供される。
このような半導体装置によれば、表面に電極を備えたIGBT等の半導体素子を用いてパワーモジュール等を構成するような場合に、絶縁性の支持体の主面間を貫通する複数の各貫通孔に金属ポストを形成した電極用部材が半導体素子の電極に接合される。電極に複数の金属ポストを接合することにより、半導体素子で発生する熱を電極用部材へと移動させて放熱することが可能になる。また、複数の金属ポストを電極に接合することにより、たとえ半導体素子と金属ポストを構成する金属との間の熱膨張率差がある場合でも、全面に金属が露出する部材等を電極に接合した場合に比べて、それらの接合界面に加わる熱応力が小さく抑えられるようになる。
さらに、本発明では表面に電極を備えた半導体素子を有する半導体装置において、主面間を貫通する複数の貫通孔を有するセラミックス材を材料とする絶縁性の支持体と前記各貫通孔に配置されて前記貫通孔の内面と接合された金属ポストとからなる電極用部材と、前記電極用部材と前記半導体素子の前記電極とを接合する半田層と、を備え、前記金属ポストが銅を材料とすることを特徴とする半導体装置が提供される。
このような半導体装置によれば、電極用部材が、主面間を貫通する複数の貫通孔を有する絶縁性の支持体とその各貫通孔に配置した金属ポストからなり、例えば、このような電極用部材を介して半導体素子の電極と外部接続用端子が接続される。これにより、半導体素子と外部接続用端子との間に熱膨張率差がある場合でも、それらの接合界面に加わる熱応力が小さく抑えられ、クラックの発生が抑えられるようになる。
また、本発明では、半導体装置の電極に接合される電極用部材において、主面間を貫通する複数の貫通孔を有するセラミックス材を材料とする絶縁性の支持体と、前記各貫通孔に配置した金属ポストとからなり、前記支持体の縁部に、前記支持体の中央部に配置した金属ポストよりも小さい径の金属ポストが配置されていることを特徴とする電極用部材が提供される。
このような電極用部材によれば、複数の金属ポストで電極に接合されるため、電極側に発生した熱が電極用部材へと移動して放熱されるようになるとともに、たとえ電極側と金属ポストを構成する金属との間の熱膨張率差がある場合でも、それらの接合界面に加わる熱応力が小さく抑えられるようになる。
また、本発明では、半導体装置の電極に接合される電極用部材の製造方法において、主面間を貫通する複数の貫通孔を有するセラミックス材を材料とする絶縁性の支持体の前記各貫通孔に金属ポストを挿入し、前記支持体と前記金属ポストとを接着、嵌合により一体的に形成することを特徴とする電極用部材の製造方法が提供される。
また、本発明では、半導体装置の電極に接合される電極用部材の製造方法において、主面間を貫通する複数の貫通孔を有するセラミックス材を材料とする絶縁性の支持体の一方の主面に銅層を形成し、前記銅層をシードにして電解メッキにより前記各貫通孔の貫通孔内を銅で充填することによって、前記各貫通孔に金属ポストを形成することを特徴とする電極用部材の製造方法が提供される。
本発明では、半導体素子の電極に、複数の金属ポストを形成した電極用部材を接合するようにした。これにより、半導体素子に発生した熱を効率的に放熱することができるとともに、材料の熱膨張率の影響を抑えて接合界面の歪を小さく抑えることができる。その結果、接合界面におけるクラックの発生を大幅に減らすことができるようになり、信頼性の高い半導体装置を実現することが可能になる。
第1の実施の形態のパワーモジュールの要部断面模式図である。 第1の実施の形態のパワーモジュールに用いられるIGBTの一例の要部平面模式図である。 第1の実施の形態の電極用部材の模式図であって、(A)は平面図、(B)は(A)のa−a断面図である。 第1の実施の形態のパワーモジュールの別の例を示した要部断面模式図である。 放熱効果の説明図である。 第1の実施の形態の電極用部材を用いたパワーモジュールの模式図であって、(A)は平面図、(B)は(A)のb−b断面図である。 第2の実施の形態の電極用部材の模式図であって、(A)は平面図、(B)は(A)のc−c断面図である。 第3の実施の形態の電極用部材の模式図であって、(A)は平面図、(B)は(A)のd−d断面図である。 第4の実施の形態の電極用部材の模式図であって、(A)は平面図、(B)は(A)のe−e断面図である。 第5の実施の形態の電極用部材の模式図であって、(A)は平面図、(B)は(A)のf−f断面図である。 第5の実施の形態の電極用部材を用いた素子実装状態の一例を示す図である。 第6の実施の形態の電極用部材の模式図であって、(A)は平面図、(B)は(A)のg−g断面図である。 第6の実施の形態の電極用部材を用いた素子実装状態の一例を示す図である。 第7の実施の形態の電極用部材の模式図であって、(A)は平面図、(B)は(A)のh−h断面図である。 第7の実施の形態の電極用部材を用いた素子実装状態の一例を示す図である。 冷却機構を備えた電極用部材の模式図であって、(A)は平面図、(B)は(A)のi−i断面図である。 従来のパワーモジュールの要部断面模式図である。 従来の別のパワーモジュールの要部断面模式図である。
以下、本発明の実施の形態を、IGBTやFWDを備えたパワーモジュールに適用した場合を例に、図面を参照して詳細に説明する。
まず、第1の実施の形態について説明する。
図1は第1の実施の形態のパワーモジュールの要部断面模式図であり、図2は第1の実施の形態のパワーモジュールに用いられるIGBTの一例の要部平面模式図である。また、図3は第1の実施の形態の電極用部材の模式図であって、(A)は平面図、(B)は(A)のa−a断面図である。
図2に示すIGBT10は、一方の面側にエミッタ電極10aとゲート電極10bが形成されており、図示しない他方の面側にはコレクタ電極が形成されている。例えばこのようなIGBT10を用いたパワーモジュールは、図1に示すように、IGBT10が、コレクタ電極を絶縁基板20側に半田接合され、一方、エミッタ電極10aを電極用部材30に半田接合されている。
絶縁基板20は、伝熱性の良いアルミナ等のセラミックスで構成され、その表面には導体パターン等を構成する銅箔21,22が貼り付けられている。これらの銅箔21,22のうち、上面側の銅箔21はIGBT10のコレクタ電極と半田接合されており、下面側の銅箔22はその下に設けられる放熱ベースとしての銅ベース(図示せず。)と半田接合される。パワーモジュールを構成する場合、このような絶縁基板20によって、IGBT10が実装される側と銅ベース側とで5000V以上の絶縁耐圧が得られるようにする。
電極用部材30は、図3に示すように、アルミナ,コージェライト等のセラミックス材に主面間を貫通する複数の貫通孔31aが列状に形成された支持体31と、その各貫通孔31aに銅が埋め込まれた銅ポスト32で構成されている。そして、図1に示したように、この電極用部材30の銅ポスト32の一端はIGBT10のエミッタ電極10aに半田接合されており、その他端は外部接続用端子兼銅電極(以下、単に「銅電極」という。)40に半田接合されている。
IGBT10の電極、例えばエミッタ電極10aに電極部材30を接合することにより、IGBT10に発生した熱を効率的に放熱することができると共に、電極用部材30とIGBT10との熱膨張の相違により発生する、IGBT10と電極用部材30との接合界面の歪を小さく抑えることができる。この理由は次の通りである。
IGBT10に発生した熱を効率的に放熱することができるのは、IGBT10のエミッタ電極10aに電極用部材30の熱伝導率が高い銅(銅ポスト32)が接合されているので、この銅ポスト32を通じて放熱が促進されるためである。また、接合界面の歪を小さく抑えることができる理由は次のように考えられる。セラミックスの熱膨張率は、例えばアルミナでは7〜8ppm/℃程度、特にコージェライトでは0.5〜3ppm/℃程度であるので、支持体31を構成するセラミックスの熱膨張率は銅ポスト32を構成する銅の熱膨張率(16.5〜18ppm/℃程度)に比べて小さい。このため、電極用部材30がIGBT10から発生する熱によって熱膨張する際、支持体31が銅ポスト32の熱膨張を拘束するので電極用部材30の熱膨張が抑制され、その結果、IGBT10と電極用部材30の接合面で両者の熱膨張の差を小さくすることができるからである。
このような電極用部材30は、例えば、次のようにして形成される。第1の方法として、まず、セラミックス粉末をプレス成型して所定位置に所定数の貫通孔31aを有する成型体を形成し、その成型体を高温で焼成することにより、支持体31を形成する。次いで、この支持体31を溶融した銅に含浸して貫通孔31a内に銅を侵入させ、その後、銅を固化し、必要に応じて表面に残る銅を研磨等して除去し、銅ポスト32を有する電極用部材30を形成する。第2の方法として、同様にして貫通孔31aを有する支持体31を形成し、さらに貫通孔31aに挿入可能な銅からなる金属ポストを準備し、その金属ポストを支持体31の貫通孔31aに挿入し、支持体31と金属ポストを接着、嵌合等により一体的に形成して銅ポスト32を有する電極用部材30を形成する。
IGBT10と銅電極40の間にこのような電極用部材30を設けることにより、IGBT10と銅電極40が伝熱的に接続されるとともに、複数の銅ポスト32および各部材(エミッタ電極10a,銅電極40)の接合界面の半田層(図示せず。)によって電気的に接続される。
そして、このように複数の銅ポスト32が形成された電極用部材30とIGBT10とを接合した場合の方が、全面に銅が露出する銅電極40とIGBT10とを接合する場合に比べ、熱膨張率の異なるもの同士の接合面積が減るため、熱が発生したときにその熱膨張率差に起因して接合界面の半田層に加わる熱応力は小さくなる。さらに、IGBT10と電極用部材30との接合界面の半田層は、双方を電気的・伝熱的に接続する役割とともに、そのような熱応力を緩和する役割も果たす。また、この電極用部材30は、銅電極40とともにヒートシンクとして機能するため、IGBT10の上面側から効率的に放熱を行うことができるようになる。結果、半田接合界面には歪が生じ難くなり、ヒートサイクル耐量やパワーサイクル耐量を向上させることができるようになる。
このように、IGBT10と銅電極40との間に電極用部材30を半田接合することにより、IGBT10と電極用部材30との半田接合界面の歪を小さくすることができるとともに、IGBT10で発生した熱を効率的に放熱することができる。それにより、半田接合界面におけるクラックの発生が大幅に抑えられるようになる。
また、図4は第1の実施の形態のパワーモジュールの別の例を示した要部断面模式図である。
この第1の実施の形態では、銅電極40を電極用部材30上に接合するようにしているが、銅電極40は上記図1に示したように外部接続用端子として構成するほか、この図4に示すように、絶縁基板20上の他の銅箔21への接続導体として構成してもよい。
なお、IGBT10のゲート電極10bは、ワイヤボンディング等で配線されるが、ここでは図示を省略している。図1から図4の例では、電極用部材30を略エミッタ電極10aの大きさとしているが、IGBT10のチップサイズと同等の大きさとしてゲート電極10bも同時に半田接合してもよい。このとき、ゲート電極10bに接続された銅ポスト32をゲート電極10bの接続部とし、銅ポスト32にワイヤボンディングや銅電極40等で配線すればよい。
図5は放熱効果の説明図である。
図5は、IGBT10のエミッタ電極10aをワイヤボンディングによって外部接続した場合と、電極用部材30および銅電極40によるリードフレーム構造によって外部接続した場合とで、DC50Aの定常通電を行った際の温度分布を示している。この図5において、横軸は各場合の温度測定の基準点からのパワーモジュール深さ方向(IGBT10から絶縁基板20に向かう方向)の距離(mm)を表し、縦軸は温度(℃)を表している。なお、TWBはワイヤボンディングの場合の温度、TLFはリードフレーム構造の場合の温度、Tjはワイヤまたは電極用部材30のIGBT10への接合温度である。
図5より、ワイヤボンディングの場合には、ワイヤ表面を温度測定の基準点(0mm)として、Tjが177.5℃であるのに対し、TWBの最大値は210.0℃であり、Tjの値を上回る。さらに、基準点からパワーモジュール深さ方向に一旦温度が上昇し、その後深くなるに従って温度が低下していく挙動を示し、内部からの放熱が良好に行われていないことがわかる。また、ワイヤ自体が熱の供給体にもなってしまっていることが示唆される。
一方、リードフレーム構造とした場合には、電極用部材30直近の銅電極40部分の表面を温度測定の基準点(0mm)として、Tjが155.0℃であるのに対し、TLFの最大値は152.4℃であり、電極用部材30の領域を含むどの深さでもTjの値を上回ることがない。さらに、ワイヤボンディングの場合に比べて全体的に大幅な温度低下を実現することができ、電極用部材30および銅電極40は内部に発生する熱の良好な熱伝導体として機能するということができる。
なお、以上の説明ではIGBT10を例にして述べたが、FWDの場合も、例えばカソード電極を絶縁基板20表面の銅箔21に半田接合し、アノード電極を電極用部材30に半田接合することで、上記同様の構成が得られ、上記同様の効果を得ることが可能である。
また、ここでは、上面側のエミッタ電極10aあるいはアノード電極にのみ電極用部材30を設けることとしたが、このような電極用部材30は、下面側のコレクタ電極あるいはカソード電極と絶縁基板20表面の銅箔21との間や、絶縁基板20下面の銅箔22と銅ベースとの間に設けるようにしてもよい。
図6は第1の実施の形態の電極用部材を用いたパワーモジュールの模式図であって、(A)は平面図、(B)は(A)のb−b断面図である。
図6に示すパワーモジュールは、上記のようにIGBT10と銅電極40の間およびFWD50と銅電極40の間が電極用部材30で接続されているほか、IGBT10,FWD50,銅電極40,41,42と銅箔21との各間、銅箔22と銅ベース60との間も電極用部材30で接続されている。このような構成により、上記同様の効果を得ることができる。すなわち、IGBT10,FWD50で発生した熱を銅ベース60側にも効率的に伝熱することができるようになるとともに、電極用部材30なしで接合した場合に比べて各半田接合界面に加わる熱応力を緩和して歪を小さくし、クラックの発生を抑えることができるようになる。
次に、第2の実施の形態について説明する。
図7は第2の実施の形態の電極用部材の模式図であって、(A)は平面図、(B)は(A)のc−c断面図である。なお、図7では、図3に示した要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明の詳細は省略する。
第2の実施の形態の電極用部材30aは、図7に示すように、支持体31の一方の面に導体層である銅層33が形成されている点で、第1の実施の形態の電極用部材30と相違する。
このような電極用部材30aは、例えば、貫通孔31aを形成した支持体31の一方の面に銅層33を形成した後、その銅層33をシードにして電解メッキにより貫通孔31a内を銅で充填して形成することができる。シードとなる銅層33は、例えば、支持体31の一方の面に銅箔を貼り付けたり無電解メッキを行ったりして形成することが可能である。あるいは、この電極用部材30aは、例えば、上記第1の実施の形態の電極用部材30の形成と同様にして、支持体31を溶融状態の銅に含浸した後に、銅層33を残す面と反対の他方の面のみ支持体31が露出するまで銅を研磨等で除去して形成するようにしてもよい。
この第2の実施の形態の電極用部材30aをパワーモジュールに用いることにより、第1の実施の形態と同様、IGBT,FWDといった素子と銅電極あるいは絶縁基板表面の銅箔との間、絶縁基板表面の銅箔と銅ベースとの間を電気的・伝熱的に接続することが可能になるとともに、各部材の半田接合界面の歪を小さくしてクラックの発生を抑えることが可能になる。また、このような電極用部材30aは、例えば、IGBTやFWDと銅電極との間に銅層33を銅電極側に向けて配置したり、IGBTやFWDと絶縁基板との間に銅層33を絶縁基板側に向けて配置したりすることにより、上記第1の実施の形態と同様の効果が得られるとともに、この銅層33によって電極用部材30a平面方向の電気的な接続を確保することが可能になる。このように、第2の実施の形態の電極用部材30aは、上下方向の導通とともに横方向の導通が必要になるような場所に好適である。
次に、第3の実施の形態について説明する。
図8は第3の実施の形態の電極用部材の模式図であって、(A)は平面図、(B)は(A)のd−d断面図である。なお、図8では、図3に示した要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明の詳細は省略する。
第3の実施の形態の電極用部材30bは、図8に示すように、支持体31の両面に銅ポスト32の端部が突出している点で、第1の実施の形態の電極用部材30と相違する。
このような電極用部材30bは、例えば、セラミックス材の支持体31に形成した貫通孔31a内に銅ポスト32を形成した後、ケミカルエッチング技術を用いてその支持体31を表面からエッチングしていくことにより形成することができる。このようなケミカルエッチングに用いるエッチング液としては、例えば、金属に対してセラミックスを選択的にエッチングすることのできるフッ酸等を用いることが可能である。
この第3の実施の形態の電極用部材30bをパワーモジュールに用いることにより、第1の実施の形態と同様、これを挟んで設けられる各部材間を電気的・伝熱的に接続することが可能になるとともに、各部材の半田接合界面の歪を小さくしてクラックの発生を抑えることが可能になる。さらに、素子の発熱時に加わる熱応力を緩和することのできる半田層を、最大で銅ポスト32の端部が支持体31から突出する分だけ厚くすることができるため、半田接合界面のクラックの発生をいっそう抑えることが可能になる。
なお、ここでは電極用部材30bの両面側に銅ポスト32の端部が突出する構成としたが、いずれか一方の面側にのみ銅ポスト32の端部が突出する構成とすることも可能である。
次に、第4の実施の形態について説明する。
図9は第4の実施の形態の電極用部材の模式図であって、(A)は平面図、(B)は(A)のe−e断面図である。なお、図9では、図3に示した要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明の詳細は省略する。
第4の実施の形態の電極用部材30cは、図9に示すように、その両面側で銅ポスト32の端部が支持体31から突出しており、さらに、その両面側の銅ポスト32の間が内部で絶縁されている点で、第1の実施の形態の電極用部材30と相違する。
このような電極用部材30cは、例えば、次のようにして形成される。まず、支持体31の貫通孔31a内に銅ポスト32を形成した後、フッ酸等を用い、支持体31を一方の面側から選択的にエッチングし、その一方の面に銅ポスト32の端部を突出させる。そして、このように支持体31の一方の面にのみ銅ポスト32の端部を突出させたものを2つ用意し、それらの銅ポスト32の端部が突出してない他方の面間に絶縁板34を挟んで接着等する。これにより、図9に示した電極用部材30cを形成することができる。
あるいは、支持体31の両主面から互いに貫通しない孔を形成し、該孔内に銅ポスト32を形成する。電極用部材30cをこのように形成することで、銅ポスト32を内部で1つの支持体31で絶縁した電極用部材30cを一体に形成することができ、上記のように絶縁板34を介して接着する等の手間が不要となる。なお、図9に示したように銅ポスト32の端部を支持体31から突出させる場合には、支持体31に銅ポスト32を形成した後、それをフッ酸等を用いて選択的にエッチングすればよい。
この第4の実施の形態の電極用部材30cは、銅ポスト32が電極用部材30c内部で絶縁されているため、一方の主面にIGBT,FWDといった素子を配置し、他方の主面に放熱ベースとしての銅ベースを接合すれば、素子実装側と銅ベース側とを絶縁する絶縁基板として用いることが可能である。また、複数の銅ポスト32で接合を行い、さらに、銅ポスト32の端部が支持体31から突出する分だけ半田層を厚くすることができることから、各部材の半田接合界面の歪を小さくしてクラックの発生を抑えることが可能になる。
なお、ここでは電極用部材30cの両面側に銅ポスト32の端部が突出する構成としたが、いずれか一方の面側にのみ銅ポスト32の端部が突出する構成とすることも可能である。また、半田層は薄くなるが、いずれの面側にも銅ポスト32の端部が突出しない構成とすることも可能である。
次に、第5の実施の形態について説明する。
図10は第5の実施の形態の電極用部材の模式図であって、(A)は平面図、(B)は(A)のf−f断面図である。なお、図10では、図3に示した要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明の詳細は省略する。
第5の実施の形態の電極用部材30dは、図10に示すように、支持体31の両面に銅ポスト32の端部が突出しており、さらに、銅ポスト32が、中央部にあるものほどその断面積(径)が大きく、縁部に向かって断面積が次第に小さくなり、かつ、縁部ほどその数が密になるように形成されている点で、第1の実施の形態の電極用部材30と相違する。
このような電極用部材30dは、例えば、次のようにして形成される。まず、支持体31に、その中央部で径が大きく、縁部に向かうに従って径が小さくかつ数が密になるように貫通孔31aを形成し、その貫通孔31a内に銅ポスト32を形成する。そして、ケミカルエッチング技術を用いて支持体31を表面から選択的にエッチングしていく。これにより、図10に示した電極用部材30dを形成することができる。
図11は第5の実施の形態の電極用部材を用いた素子実装状態の一例を示す図である。
通常、部材間の半田接合界面に加わる熱応力は、その中央部よりも縁部の方が大きくなる。そのため、この第5の実施の形態の電極用部材30dのように、熱応力の小さい中央部に断面積の大きな銅ポスト32を形成するとともに、熱応力の大きい縁部に断面積の小さな銅ポスト32を数多く形成するようにすれば、これに部材70が半田接合された場合にも、半田層(図示せず。)を銅ポスト32の突出分だけ厚くすることができる効果と相俟って、半田接合界面でのクラックの発生を抑えることが可能になる。
なお、この電極用部材30dをそのいずれか一方の面側にのみ銅ポスト32の端部が突出する構成とすることも可能である。また、いずれの面側にも銅ポスト32の端部が突出しない構成とすることも可能である。
次に、第6の実施の形態について説明する。
図12は第6の実施の形態の電極用部材の模式図であって、(A)は平面図、(B)は(A)のg−g断面図である。なお、図12では、図3および図9に示した要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明の詳細は省略する。
第6の実施の形態の電極用部材30eは、図12に示すように、その一方の面側と他方の面側で支持体31から突出して形成されている銅ポスト32が、絶縁板34の表面に設けた銅層35a,35bによってそれぞれ絶縁板34の平面方向に電気的に接続されている点で、第4の実施の形態の電極用部材30cと相違する。
このような電極用部材30eは、例えば、第4の実施の形態の場合と同様にして、支持体31の一方の面にのみ銅ポスト32の端部を突出させたものを2つ用意した後、それらの銅ポスト32の端部が突出してない他方の面間に、表面に銅層35a,35bを形成した絶縁板34を挟むことで形成することができる。
図13は第6の実施の形態の電極用部材を用いた素子実装状態の一例を示す図である。なお、図13では、図6に示した要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明の詳細は省略する。
このように第6の実施の形態の電極用部材30eは、一方の面側に存在する銅ポスト32間、他方の面側に存在する銅ポスト32間がそれぞれ銅層35a,35bで電気的に接続されている。そのため、これに直接IGBT10およびFWD50を半田接合して素子実装側において電気的な接続を確保することができるとともに、素子実装側と放熱ベース側とを絶縁する絶縁基板としてそのまま用いることができる。それにより、電極用部材30eの各面側の平面方向の電気的な接続を確保しつつ、これを挟んで半田接合される各部材間を伝熱的に接続し、各部材の半田接合界面の歪を小さくしてクラックの発生を抑えることが可能になる。
なお、ここでは電極用部材30eの両面側に銅ポスト32の端部が突出する構成としたが、いずれか一方の面側にのみ銅ポスト32が突出する構成とすることも可能である。また、いずれの面側にも銅ポスト32の端部が突出しない構成とすることも可能である。さらに、ここでは絶縁板34の両面に銅層35a,35bを形成する構成としたが、いずれか一方の面にのみ銅層35aまたは銅層35bを形成する構成とすることも可能である。
次に、第7の実施の形態について説明する。
図14は第7の実施の形態の電極用部材の模式図であって、(A)は平面図、(B)は(A)のh−h断面図である。なお、図14では、図3および図9に示した要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明の詳細は省略する。
第7の実施の形態の電極用部材30fは、図14に示すように、その一方の面側では支持体31から銅ポスト32の端部が突出し、他方の面側では支持体31から銅ポスト32の端部が突出せずにそれらが銅層36によって絶縁板34の平面方向に電気的に接続されている点で、第4の実施の形態の電極用部材30cと相違する。
このような電極用部材30fは、例えば、次のようにして形成される。まず、支持体31の貫通孔31a内に銅ポスト32を形成する。その際は、例えば第2の実施の形態でも述べたように、貫通孔31aの形成後、支持体31の一方の面側に銅箔を貼り付けたり無電解メッキを行ったりすることで銅層36を形成し、それをシードにして電解メッキにより貫通孔31a内を銅で充填して銅ポスト32を形成する。また、支持体31を溶融状態の銅に含浸する方法を用いてもよい。そして、支持体31の一方の面に銅層36を形成したものと、一方の面にのみ銅ポスト32の端部を突出させたものとを用意し、それらの銅ポスト32の端部が突出してない面間に絶縁板34を挟む。これにより、図14に示した電極用部材30fを形成することができる。
図15は第7の実施の形態の電極用部材を用いた素子実装状態の一例を示す図である。なお、図15では、図6に示した要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明の詳細は省略する。
この第7の実施の形態の電極用部材30fは、IGBT10,FWD50と銅ベース60との間に設け、素子実装側で電気的な接続を確保するとともに、素子実装側と放熱ベース側とを絶縁する絶縁基板としてそのまま用いることができる。銅層36を回路パターンとして形成してもよい。
さらに、この電極用部材30fのように銅ポスト32を突出させた構造とした場合には、これと銅ベース60との間に冷媒を通す冷却機構を設けることも可能である。
図16は冷却機構を備えた電極用部材の模式図であって、(A)は平面図、(B)は(A)のi−i断面図である。なお、図16では、図3,図6および図9に示した要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明の詳細は省略する。
例えば、第7の実施の形態の電極用部材30fをパワーモジュールに用いた場合、この図16に示すように、電極用部材30fと銅ベース60の間の銅ポスト32の突出部分に残る空間に冷媒80を通して除熱する冷却機構を設けるようにする。冷却機構は、例えば、冷媒80として水等を用い、そのような冷媒80がパワーモジュール外部から導入されて銅ポスト32の突出部分を経て再びパワーモジュール外部へと排出されるような構成とすることができる。これにより、パワーモジュール内の熱を冷媒80の利用により直接的に取り除くことができるようになるため、放熱をより効果的に行い、半田接合界面の歪を小さくしてクラックの発生を抑えることが可能になる。
ここでは第7の実施の形態の電極用部材30fをパワーモジュールに用いた場合を例にして述べたが、上記の冷却機構は、一方の面側に銅ポスト32の端部が突出する構造を有する電極用部材30b,30c,30d,30eをパワーモジュールに用いた場合にも同様に適用可能である。
このように、上記電極用部材30,30a〜30fによれば、必要に応じて冷却機構を適用し、効率的に放熱を行いつつ半田接合界面における熱応力を緩和することができ、歪の発生を抑えてヒートサイクル耐量やパワーサイクル耐量の向上を図ることができる。さらに、エミッタ電極等の側に電極用部材30,30a〜30fを設けることで、アルミワイヤボンディングの場合に比べて導電部分の表面積および体積を増すことができ、放熱効果を高めるとともに、電気抵抗を小さくすることができる。それにより、発熱や素子の特性低下を抑えることができるようになる。また、電極用部材30,30a〜30fは、必要に応じてその支持体31部分を厚くしてもよく、例えばそれによって従来の銅ベースと置き換えることも可能である。
なお、以上の説明では、各部材間の接合に半田を用いた場合について述べたが、半田のほか、熱や光によって硬化する導電性ペースト等を用いることも可能であり、この場合も上記各電極用部材30,30a〜30fを用いることにより、放熱とともに、導電性ペースト接合界面の歪を小さくしてクラックの発生を抑えることが可能である。
また、以上の説明では、各電極用部材30,30a〜30fを構成するための金属材料として銅を用いるようにしたが、比較的熱伝導率が高いその他の導電性の金属、例えばアルミニウムを用いるようにしてもよい。
また、以上の説明では、ひとつのパワーモジュールに1種類の電極用部材を用いたが、勿論、ひとつのパワーモジュールに複数種の電極用部材を用いるようにしてもよい。
10 IGBT
10a エミッタ電極
10b ゲート電極
20 絶縁基板
21,22 銅箔
30,30a,30b,30c,30d,30e,30f 電極用部材
31 支持体
31a 貫通孔
32 銅ポスト
33,35a,35b,36 銅層
34 絶縁板
40 銅電極
50 FWD
60 銅ベース
70 部材
80 冷媒

Claims (17)

  1. 表面に電極を備えた半導体素子を有する半導体装置において、
    主面間を貫通する複数の貫通孔を有するセラミックス材を材料とする絶縁性の支持体と、
    複数の前記貫通孔それぞれに配置された金属ポストと、
    複数の各前記金属ポストと前記半導体素子の前記電極とを接合する半田層と、を備え、
    複数の各前記金属ポストは、前記支持体を介して互いに分離していることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記支持体の前記電極と接合される主面上に導体層が形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記金属ポストの端部が、前記支持体の少なくとも一方の主面より突出していることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  4. 前記支持体から突出する前記金属ポストと接合面との間に冷媒を介在させることができるようにしたことを特徴とする請求項3記載の半導体装置。
  5. 表面に電極を備えた半導体素子を有する半導体装置において、
    主面間を貫通する複数の貫通孔を有するセラミックス材を材料とする絶縁性の支持体と前記各貫通孔に配置されて前記貫通孔の内面と接合された金属ポストとからなる電極用部材と、
    前記電極用部材と前記半導体素子の前記電極とを接合する半田層と、を備え、
    前記金属ポストが銅を材料とすることを特徴とする半導体装置。
  6. 少なくとも一方の主面に、前記半導体素子の他方の主面の電極が接続される導体パターンを有する絶縁基板を備え、
    前記半導体素子の他方の主面の電極と前記導体パターンとの間に前記電極用部材が接合されていることを特徴とする請求項5記載の半導体装置。
  7. 前記絶縁基板の他方の主面に形成された前記導体パターンと、前記半導体素子に生じる熱を放熱する放熱ベースとの間に前記電極用部材が接合されていることを特徴とする請求項6記載の半導体装置。
  8. 前記半導体素子は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタであって、前記電極は、前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのエミッタ電極、コレクタ電極のうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の半導体装置。
  9. 前記半導体素子は、ダイオードであって、前記電極は、前記ダイオードのアノード電極、カソード電極のうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の半導体装置。
  10. 半導体装置の電極に接合される電極用部材において、
    主面間を貫通する複数の貫通孔を有するセラミックス材を材料とする絶縁性の支持体と、前記各貫通孔に配置した金属ポストとからなり、
    前記支持体の縁部に、前記支持体の中央部に配置した金属ポストよりも小さい径の金属ポストが配置されていることを特徴とする電極用部材。
  11. 前記金属ポストは、銅またはアルミニウムを用いて形成されていることを特徴とする請求項10記載の電極用部材。
  12. 前記金属ポストの少なくとも一方の端面が前記支持体の主面と同一面上に形成されるとともに、その表面上に導体層が形成されていることを特徴とする請求項10または11記載の電極用部材。
  13. 前記金属ポストの端面が前記支持体の少なくとも一方の主面から突出していることを特徴とする請求項10または11記載の電極用部材。
  14. 前記支持体の縁部に配置した金属ポストが、前記支持体の中央部に配置した金属ポストの径より小さく、かつ、密に配置されていることを特徴とする請求項10乃至請求項13のいずれかに記載の電極用部材。
  15. 表面に電極を備えた半導体素子を有する半導体装置において、
    前記電極に、請求項10乃至請求項14のいずれかに記載の電極用部材が接合されていることを特徴とする半導体装置。
  16. 半導体装置の電極に接合される電極用部材の製造方法において、
    主面間を貫通する複数の貫通孔を有するセラミックス材を材料とする絶縁性の支持体の前記各貫通孔に金属ポストを挿入し、前記支持体と前記金属ポストとを接着、嵌合により一体的に形成することを特徴とする電極用部材の製造方法。
  17. 半導体装置の電極に接合される電極用部材の製造方法において、
    主面間を貫通する複数の貫通孔を有するセラミックス材を材料とする絶縁性の支持体の一方の主面に銅層を形成し、前記銅層をシードにして電解メッキにより前記各貫通孔の貫通孔内を銅で充填することによって、前記各貫通孔に金属ポストを形成することを特徴とする電極用部材の製造方法。
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