JP2010265151A - シリコン単結晶の育成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】径方向全域にわたって結晶欠陥のきわめて少ない単結晶が得られる引き上げ速度の範囲を拡大し、安定した育成ができるシリコン単結晶の育成方法を提供する。
【解決手段】強制冷却体11および熱遮蔽体12を具備する引き上げ装置を使用してCZ法によりシリコン単結晶9を育成する際に、水平磁場13を印加するとともに、単結晶9の成長界面における引き上げ軸方向の温度勾配Gを、下記(1)式および(2)式を満たすように制御し、結晶欠陥の少ない単結晶9を育成できる引き上げ速度で単結晶9の引き上げを行う。温度勾配の制御を、熱遮蔽体12の下端開口部の開口径を調整することにより行うことが望ましい。ここで、Gc:単結晶9の中心部の温度勾配、Ge:単結晶9の外周部の温度勾配、Gmax、Gmin:結晶半径方向でのGの最大値または最小値である。(Gmax−Gmin)/Gc≦0.1・・・(1)、Gc≦Ge・・・(2)
【選択図】図2

Description

本発明は、チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を育成する方法に関し、より詳しくは、結晶欠陥の少ないシリコン単結晶を安定して育成する方法に関する。
半導体材料として使用されるシリコン単結晶を製造する方法として、チョクラルスキー法(以下、「CZ法」という)が広く採用されている。CZ法は、石英るつぼ内の溶融したシリコンに種結晶を浸漬させて引き上げることにより、種結晶の下端に単結晶を成長させる方法であるが、この方法により育成された結晶には、COP(Crystal Originated Particle)、転位クラスターなど、grown−in欠陥と称される結晶欠陥が発生し易い。
図1は、引き上げられたシリコン単結晶の縦断面図(部分図)で、欠陥分布の一例を模式的に示す図である。この図は、シリコン単結晶の引き上げ速度を徐々に低下させつつ成長させた単結晶を、結晶の中心軸に沿って切断し、その断面にCuを付着させ、熱処理後X線トポグラフ法により微小欠陥分布の観察を行った結果を模式的に示した図である。欠陥分布は結晶の中心軸に対して概ね対称なので、同図では、結晶の中心から外周部までを示している。
図1において、COPは、単結晶育成時に結晶格子を構成すべき原子の欠けた空孔の凝集体(微小ボイド)であり、転位クラスターは格子間に過剰に取り込まれた格子間シリコンの凝集体である。COPの発生領域に隣接するOSF(Oxidation Induced Stacking Fault)はas−grown状態(結晶成長後に何の処理も行っていない状態)で板状酸素析出物(OSF核)を含む領域であり、1000〜1200℃の高温で熱酸化した場合にOSFが発生する。
一方、PVおよびPIは、前記のCOPや転位クラスターなどが存在しない無欠陥領域とされている。PV領域は空孔の凝集体であるCOPに近く、空孔が優勢な領域であり、PI領域は転位クラスターに隣接し、格子間原子が優勢な領域である。
シリコン単結晶から切り出されたウェーハにCOPが存在している場合、ウェーハ表面を熱酸化する際にCOPが酸化膜に取り込まれ、半導体素子のGOI(Gate Oxide Integrity)特性が大きく劣化する。転位クラスターも半導体デバイスの特性不良の原因となり、OSFもリーク電流増大など電気特性を劣化させる。
図1に示すように、引き上げ速度が大きい(すなわち、結晶成長速度が大きい)場合は空孔が過剰となってCOPやOSFが単結晶内に導入され、引き上げ速度が小さい(結晶成長速度が小さい)場合は格子間シリコンが過剰となって転位クラスターが発生し易くなる。シリコン単結晶の育成においては、生産性向上の効果があることなどから、通常は引き上げ速度を速めるので、引き上げられた単結晶から得られるウェーハにはCOPが含まれることとなる。
このように単結晶育成時に導入されるgrown−in欠陥(結晶欠陥)を除去するために、多くの研究、開発がなされてきた。例えば、特許文献1では、高品質のシリコン単結晶を安定して得ることができる製造方法が提案されている。
特許文献1に記載されるシリコン単結晶の製造方法は、欠陥分布を水平に近い状態にしてCOPおよび転位クラスターが存在しない無欠陥領域を拡大し、欠陥の少ない単結晶を安定して得ようとするものである。前記図1に示した欠陥分布を例にとると、例えばPVおよびPI領域のみからなる無欠陥結晶が得られる引き上げ速度の範囲は同図中に白抜き矢印で示した範囲になるが、欠陥分布を水平に近い状態にすることができれば、前記引き上げ速度幅を広くすることができ、引き上げ速度を適切に選定することによって、欠陥の少ない単結晶の安定した引き上げが可能となる。
同文献には、引き上げ直後の単結晶中の空孔や格子間原子の挙動についての綿密な考察に基づいて、前記欠陥分布を水平状態とするのに必要な単結晶の温度条件(凝固点から1250℃までの温度範囲において、中心部よりも周辺部の方が温度が高く、垂直方向の温度勾配が中心部より周辺部の方が小さい状態とする)を導き、それを実現するための装置構成が示されている。
すなわち、特許文献1に記載されるシリコン単結晶の製造方法は、引き上げた単結晶の周囲をとり囲む冷却用部材およびこの冷却用部材の外面の外側および下端面の下側に設けられた熱遮蔽材の配置および寸法を規定し、欠陥分布を水平状態とするのに必要な前記温度条件を満たすような引き上げ速度で結晶引き上げを行う方法である。
この製造方法によれば、引き上げ速度を適宜選定することにより、grown−in欠陥のきわめて少ない単結晶を製造することができる。しかも、内部に冷却用水などを通流させる冷却用部材を用いるので、結晶中心部の垂直方向の温度勾配を大きくすることができ、比較的速い引き上げ速度で単結晶を育成することができる。
しかしながら、径方向全域にわたって結晶欠陥のきわめて少ない単結晶(このような単結晶を、以下、「無欠陥結晶」ともいう)が得られる引き上げ速度の範囲は十分に広いとはいえず、引き上げ速度をこの狭い速度範囲内に維持しながら結晶育成を行うのは困難であった。また、直径200mm程度の単結晶の育成では、冷却用部材を適用することにより簡単に結晶中心部の垂直方向の温度勾配を大きくできるが、直径300mm以上の結晶育成では前記結晶中心部の温度勾配をそれほど大きくすることはできない。
さらに、近年要求される径方向全域がPVのみの結晶を育成することは、それを可能とする引き上げ速度の範囲がきわめて狭いため困難であり、この要求に応えることができない。なお、径方向全域がPV領域のみからなる結晶が要求されるのは、PV領域のみからなるウェーハがデバイス製造の素材として供された場合、同製造工程内での熱処理等によりウェーハ内部に重金属汚染に対するゲッタリング能力に優れた酸素析出物(BMD:Bulk Micro Defect)が形成されるからである。
特許第3573045号
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、径方向全域にわたって結晶欠陥のきわめて少ない単結晶が得られる引き上げ速度の範囲を拡大し、前記単結晶をより安定して育成することができるシリコン単結晶の育成方法の提供を目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明者らは、単結晶引き上げの際にシリコン融液に対して磁場を印加することを検討した。
無欠陥結晶の育成を行うにあたっては、一般的に、固液界面形状を上凸形状にして結晶内の等温線分布に近づけることが、無欠陥結晶が得られる引き上げ速度の許容範囲(以下、「無欠陥結晶引き上げ速度幅」ともいう)の拡大に有効であるとされている。
この固液界面の形状は、引き上げに伴う単結晶の冷却条件や成長速度のみならず、固液界面に接するシリコン融液の温度分布によっても変化する。シリコン融液に対して磁場を印加することにより融液の対流が抑制され、融液表面近傍の温度変動が著しく低減されることはよく知られているが、無欠陥結晶の育成時に磁場を印加することによって、固液界面に接するシリコン融液の温度分布の変化が抑制されるので、固液界面形状(上凸形状)の変化が抑えられ、その形状が維持されると推測される。特許文献1に記載の方法では、シリコン融液に磁場が印加されていないため、磁場印加による融液流動の抑止効果がなく、固液界面の上凸形状の高さが低下してしまい、無欠陥結晶引き上げ速度幅が狭くなっているものと考えられる。
前記固液界面の上凸形状の低下は、本発明者らの検討の結果によると、前掲の特許文献1に記載される熱遮蔽体の下面からシリコン融液の表面までの距離を大きくすることによっても抑制することができる。しかしながら、この距離を過度に大きくすると、結晶成長界面近傍における外周部の温度勾配が中心部の温度勾配よりも小さくなりすぎて、無欠陥結晶の育成が可能となる引き上げ速度を大きく低下させることになる。
そこで、育成中のシリコン単結晶の周囲に強制冷却体を配置し、この強制冷却体の外周面および下端面を囲繞するように熱遮蔽体を配置した単結晶引き上げ装置を使用して単結晶中心部の垂直方向の温度勾配を大きくし、水平磁場を印加して固液界面の上凸形状の高さの低下を抑えた(すなわち、上凸形状を高く維持した)状況下で、無欠陥結晶が得られる速度で単結晶の引き上げを行った。しかしながら、後述する実施例(図7(b)参照)に示すように、OSFが引き上げた単結晶の外周部付近で垂れ下がるような分布状態を呈し、径方向全域にわたって無欠陥結晶が得られる引き上げ速度幅は非常に狭くなることが判明した。なお、この単結晶から切り出されたウェーハでは、前記のOSFの垂れ下がり部分がウェーハの外周部付近にリング状に顕れやすいので、ここでは、R(リング状)−OSFの垂れ下がり現象という。
この問題を解決するために種々の検討を行った結果、R−OSFの垂れ下がり現象と熱遮蔽体の下端のシリコン融液面に面した部分の開口径(以下、「熱遮蔽体の下端開口径」ともいう)との間に相関があり、熱遮蔽体の下端開口径を大きくすることによって、R−OSFの垂れ下がり現象を抑制し、OSFの分布形状を径方向に沿った水平に近い状態にするとともに、無欠陥結晶引き上げ速度幅を拡大できることを知見した。また、熱遮蔽体の下端開口径を大きくすることで、固液界面の上凸形状を大きくすることができ、無欠陥結晶引き上げ速度を大きくできることを知見した。
本発明は、このような検討結果に基づきなされたもので、下記のシリコン単結晶の育成方法を要旨とする。
すなわち、育成中のシリコン単結晶の周囲を囲繞するように引き上げ軸と同軸に強制冷却体を配置するとともに、この強制冷却体の外周面および下端面を囲繞するように引き上げ軸と同軸に熱遮蔽体を配置した単結晶引き上げ装置を使用して、CZ法によりシリコン単結晶を育成する方法において、るつぼ内のシリコン融液に水平磁場を印加するとともに、単結晶成長界面における引き上げ軸方向の温度勾配をG、単結晶中心部の引き上げ軸方向の温度勾配をGc、単結晶外周部の引き上げ軸方向の温度勾配をGeとするとき、下記(1)式および(2)式を満たすように引き上げ軸方向の温度勾配を制御し、結晶欠陥の少ないシリコン単結晶を育成できる引き上げ速度で単結晶の引き上げを行うことを特徴とするシリコン単結晶の育成方法である。
(Gmax−Gmin)/Gc≦0.1 ・・・(1)
Gc≦Ge ・・・(2)
ただし、Gmax:結晶半径方向でのGの最大値
Gmin:結晶半径方向でのGの最小値
である。
前記の「結晶成長界面における引き上げ軸方向の温度勾配G」とは、引き上げ直後の融点(1410℃)から1350℃までの温度範囲における単結晶の引き上げ軸(結晶成長軸)方向の温度勾配を意味する。平均値ではなく、結晶半径方向の任意の部位における個々の温度勾配である。「Gmax」は、温度勾配Gのうちの最大値を、「Gmin」は最小値を指す(ただし、GmaxおよびGmimの判定では、エッジから10mmの範囲を除外する)。また、「Gc」は温度勾配Gのうちの結晶中心部における温度勾配であり、「Ge」は結晶外周部における温度勾配である。
本発明のシリコン単結晶の育成方法において、熱遮蔽体の下端開口部の開口径を調整して強制冷却体から単結晶成長界面に向かう冷却能を制御することとすれば、結晶成長界面における引き上げ軸方向の温度勾配を前記(1)式および(2)式を満たすように制御して、径方向全域にわたって結晶欠陥のきわめて少ない単結晶が得られる引き上げ速度の範囲(無欠陥結晶引き上げ速度幅)を拡大し、シリコン単結晶をより安定して育成することができる。
本発明のシリコン単結晶の育成方法によれば、COP、OSFおよび転位クラスターが存在しない単結晶を容易に育成することができる。また、本発明の育成方法により、酸素析出促進領域(PV領域)のみからなる単結晶を育成することができる。
本発明のシリコン単結晶の育成方法においては、直径300mm以上の大口径のシリコンウェーハを切り出すことができるシリコン単結晶を育成することとする実施の形態を採ることができる。
本発明のシリコン単結晶の育成方法によれば、径方向全域にわたってCOP、転位クラスター等の結晶欠陥のきわめて少ない単結晶が得られる引き上げ速度の範囲を拡大させ、前記単結晶をより安定して育成することができる。また、PV領域のみからなる単結晶を育成することも可能であり、直径300mm以上の大口径のシリコンウェーハを切り出すことができるシリコン単結晶の育成にも十分適用できる。
引き上げられたシリコン単結晶の縦断面図(部分図)で、欠陥分布の一例を模式的に示す図である。 本発明のシリコン単結晶の育成に適した引き上げ装置の要部の概略構成例を模式的に示す図である。 熱遮蔽体の下端開口部の開口径を調整することによる強制冷却体の冷却能の制御を説明する図である。 単結晶成長界面における引き上げ軸方向の温度勾配の半径方向位置による変化についての数値シミュレーションによる検討結果を示す図で、(a)は熱遮蔽体の下端開口部の開口径が340mmの場合、(b)は420mmの場合である。 数値シミュレーションによる検討結果で、熱遮蔽体の下端開口部の開口径を360mmとした場合の無欠陥結晶引き上げ速度幅と(Gmax−Gmin)/Gcとの対比図である。 数値シミュレーションによる検討結果で、熱遮蔽体の下端開口部の開口径を420mmとした場合の無欠陥結晶引き上げ速度幅と(Gmax−Gmin)/Gcとの対比図である。 熱遮蔽体の下端開口部の開口径を360mmとして引き上げた単結晶の欠陥分布を例示する図で、(a)は磁場を印加しない場合、(b)は磁場を印加した場合である。 熱遮蔽体の下端開口部の開口径を420mmとし、磁場を印加しつつ引き上げた単結晶の欠陥分布を例示する図である。
本発明のシリコン単結晶の育成方法は、前記のとおり、育成中のシリコン単結晶の周囲を囲繞するように配置された強制冷却体および熱遮蔽体を具備する単結晶引き上げ装置を使用してCZ法によりシリコン単結晶を育成する方法において、るつぼ内のシリコン融液に水平磁場を印加するとともに、単結晶成長界面における引き上げ軸方向の温度勾配をG、単結晶中心部の引き上げ軸方向の温度勾配をGc、単結晶外周部の引き上げ軸方向の温度勾配をGeとするとき、下記(1)式および(2)式を満たすように引き上げ軸方向の温度勾配を制御し、結晶欠陥の少ないシリコン単結晶を育成できる引き上げ速度で単結晶の引き上げを行うことを特徴とする方法である。なお、(1)式において、Gmaxは結晶半径方向でのGの最大値、Gminは結晶半径方向でのGの最小値である。
(Gmax−Gmin)/Gc≦0.1 ・・・(1)
Gc≦Ge ・・・(2)
図2は、本発明のシリコン単結晶の育成に適した引き上げ装置の要部の概略構成例を模式的に示す図である。図示するように、引き上げ装置は、チャンバー1と、チャンバー1の底部中央を貫通して垂直上向きに設けられた昇降および回転可能な支持軸2と、支持軸2の上端部に固定されたグラファイトサセプタ3およびその内側に収容された石英るつぼ4と、グラファイトサセプタ3の周囲に設けられたヒーター5および断熱材6を有しており、石英るつぼ4の中心軸上には、種結晶を保持するシードチャック7と、シードチャック7を吊り下げ、引き上げるための引き上げワイヤー8が取り付けられている。
さらに、育成中のシリコン単結晶9の周囲を囲繞するように引き上げ軸と同軸に強制冷却体11が配置され、この強制冷却体11の外周面および下端面を囲繞するように引き上げ軸と同軸に熱遮蔽体12が配置されている。また、断熱材6の外側には、磁場印加装置13が設けられている。
チャンバー1の上部には、Arガスをチャンバー1内に導入するためのガス導入口14が設けられ、底部にはArガスを排出するためのガス排出口15が設けられている。
このように構成された引き上げ装置を用いて本発明のシリコン単結晶の育成方法を実施するには、まず、石英るつぼ4内にシリコン原料を投入し、Arガス雰囲気中で加熱してシリコン融液10を形成する。次にシードチャック7に保持された種結晶をシリコン融液10に浸漬させ、磁場を印加しつつ種結晶および石英るつぼ4を適宜回転させながら種結晶を徐々に引き上げて単結晶を成長させる。
引き上げに際しては、熱遮蔽体12の下端開口部の開口径Dfを調整して前記強制冷却体11から単結晶成長界面に向かう冷却能を制御することにより成長界面における引き上げ軸方向の温度勾配を制御し、結晶欠陥の少ないシリコン単結晶を育成できる引き上げ速度で単結晶の引き上げを行う。
本発明のシリコン単結晶の育成方法において、前記のように配置された強制冷却体および熱遮蔽体を具備する単結晶引き上げ装置を使用するのは、単結晶の成長界面における結晶中心部の引き上げ軸方向の温度勾配と結晶外周部の引き上げ軸方向の温度勾配とを個別に制御するためである。強制冷却体は、育成中の単結晶がシリコン融液から立ち上がる部分(固液界面)より少し上の部分を冷却するために配置され、熱遮蔽体は、強制冷却体の冷却効果が成長結晶の融液からの立ち上がり部分にまで及ぶのを抑止するとともに、冷却体がるつぼ壁面や融液面からの熱輻射を受けるのを防止するために配置されている。
特に、強制冷却体を使用することにより、結晶中心部の引き上げ軸方向の温度勾配を大きくして空孔や格子間原子の拡散を促進できるので、比較的速い引き上げ速度で結晶欠陥の少ないシリコン単結晶を育成することが可能となる。この場合の冷却(水冷)条件は、育成中のシリコン単結晶の1050〜950℃の温度範囲における引き上げ軸方向の温度勾配が2.0〜3.5℃/mmの範囲内に入るような条件とすることが望ましい。
強制冷却体は、例えば銅、鉄、ステンレス鋼、モリブデンなど、熱伝導のよい金属製で、内部に冷却用水などを通流させる構造のものが望ましい。熱遮蔽体の構成材料としては、黒鉛、カーボンフェルト、セラミック製耐火材、あるいはこれらの複合材等、断熱効果のあるものを用いることが望ましい。
強制冷却体および熱遮蔽体の形状は、図2に例示した形状に限定されない。例えば、熱遮蔽体においては、下端面が融液面に平行ではなく、外側上向きに僅かな傾斜をもたせるなど、所期の効果が得られるような形状とすることが望ましい。
本発明のシリコン単結晶の育成方法を実施するにあたり、るつぼ内のシリコン融液に水平磁場を印加するのは、前述のように、育成中の単結晶の固液界面に接する融液の温度分布の変化を抑制して固液界面の上凸形状を維持し、無欠陥結晶引き上げ速度幅を拡大するためである。特に、水平磁場は融液の流動を抑制できるので、効果的である。
印加する磁場の強さは、0.2〜0.4T(2000〜4000G)とするのが望ましい。0.2T未満では固液界面の上凸形状を高く維持する効果が十分ではなく、0.4Tを超えるとシリコン融液の流動が抑制されすぎて、ウェーハに加工した場合のウェーハ面内における抵抗率分布および酸素濃度分布の均一性が低下する。
本発明のシリコン単結晶の育成方法においては、さらに、前記の(1)式および(2)式を満たすように、単結晶成長界面における引き上げ軸方向の温度勾配を制御する。これは、R−OSFの垂れ下がり現象を抑制し、OSFの分布形状を径方向に沿った水平に近い状態にするとともに、無欠陥結晶引き上げ速度幅を拡大するためである。
前記引き上げ軸方向の温度勾配の制御方法は特に限定されないが、例えば、熱遮蔽体の下端開口部の開口径を調整して強制冷却体から単結晶成長界面(固液界面)に向かう冷却能を制御する方法が好適である。ここで、「熱遮蔽体の下端開口部の開口径」とは、前記図2に示すように、強制冷却体11の外周面および下端面を囲繞するように配置された熱遮蔽体12の下端面に形成されている開口部の内径Dfである。この方法を例として、前記の(1)式および(2)式を満たす必要があることを以下に説明する。
図3は、前記図2における強制冷却体11および熱遮蔽体12が配置された領域の近傍の拡大図で、熱遮蔽体の下端開口部の開口径を調整することによる強制冷却体の冷却能の制御を説明する図である。図3においては、説明の便宜上、図面の左側に下端開口部の開口径がDf1の熱遮蔽体12を描き、右側に同開口径がDf2(ただし、Df1<Df2)の熱遮蔽体12を描いている。
図3に示すように、熱遮蔽体12(側部12aと下端部12bとで構成される)の下端開口部の開口径がDf1の場合、強制冷却体11の下端面内側角部を代表点にとると、冷却体11からの熱輻射(熱放射)は、熱遮蔽体12の下端部12bによって遮られるため、単結晶9の側面の符号a1を付した部位を下限としてそれよりも上方部分に達することになる(現象としては、冷却体11によって前記上方部分から熱が奪われ、冷却される)。一方、同開口径がDf1よりも大きいDf2の場合は、冷却体11からの熱輻射が到達する下限は、符号a1を付した部位よりも結晶成長界面に近い符号a2を付した部位になる。
すなわち、熱遮蔽体12の下端開口部の開口径を調整することにより、前記冷却体11から単結晶成長界面に向かう冷却能を制御することが可能である。なお、るつぼ内壁およびシリコン融液面からの熱輻射が単結晶9の側面に到達する上限も、熱遮蔽体12の下端開口部の開口径がDf1の場合とDf2の場合とで異なり、冷却体11による冷却効果に影響を及ぼす。
このように、熱遮蔽体の下端開口部の開口径をDf1からDf2へ広げることにより、育成中のシリコン単結晶の外周部がより結晶成長界面に近い部分まで冷却されることとなり、単結晶外周部の引き上げ軸方向の温度勾配Geが大きくなる。
図4は、単結晶成長界面における引き上げ軸方向の温度勾配の半径方向位置による変化についての数値シミュレーションによる検討結果を示す図である。図4(a)は熱遮蔽体の下端開口部の開口径が340mmの場合、(b)は420mmの場合である。同図において、横軸の半径方向位置は単結晶の中心(半径方向位置:0mm)からの距離を表す。また、同図中に示した「GAP」とは、熱遮蔽体の下端部12bの下面からシリコン融液の表面までの距離(単位:mm)を意味する。以下、この距離をGAPと記す。
図4に示すように、熱遮蔽体の下端開口部の開口径が340mmの場合(図4(a))は、GAPによって温度勾配Gc、Geの絶対値は異なるが、単結晶中心部の引き上げ軸方向の温度勾配Gcが外周部の引き上げ軸方向の温度勾配Geよりも大きい(Gc>Ge)。一方、開口径が420mmの場合(図4(b))は、逆に結晶外周部の引き上げ軸方向の温度勾配Geの方が中心部の引き上げ軸方向の温度勾配Gcよりも大きくなる(Ge≧Gc)温度勾配条件を得ることができる。そして、後述する実施例(図8参照)に示すように、熱遮蔽体の下端開口径を拡大することによって、R−OSFの垂れ下がり現象を抑制し、OSFの分布形状を径方向に沿って水平に近い状態にするとともに、無欠陥結晶引き上げ速度幅を拡大することができる。
すなわち、OSFの分布形状を径方向に沿った水平に近い状態にするとともに、無欠陥結晶引き上げ速度幅を拡大するためには、引き上げ軸方向の温度勾配がGe≧Gcの条件を満たすことが必要であり、前記(2)式を本発明の構成要件として定めた。これは、当該温度勾配が中心部より外周部の方が小さい状態(Ge<Gc)を必要な条件として定める前掲の特許文献1に記載される単結晶の製造方法との大きな相違点である。
この場合、Gcについては、3.0〜4.0℃/mmの範囲内、Geについては、3.0〜4.2℃/mmの範囲内とすることが望ましい。
図5および図6は、数値シミュレーションによる検討結果で、無欠陥結晶引き上げ速度幅と(Gmax−Gmin)/Gcとを対比して示した図であり、図5は熱遮蔽体の下端開口部の開口径を360mmとした場合、図6は420mmとした場合である。
図5(a)および図6(a)は、シリコン単結晶引き上げ時の結晶中心の固液界面高さとGAPを変数とした場合の無欠陥結晶引き上げ速度幅の変化を示した図である。ここで言う「無欠陥結晶」とは、径方向全域にわたってPVおよびPI領域のみからなる単結晶を言う。また、図中の数字は無欠陥結晶引き上げ速度幅(単位:mm/min)を表すものであり、図5(a)および図6(a)とも、各引き上げ速度を熱遮蔽体の下端開口部の開口径を360mmとした場合に得られる無欠陥結晶引き上げ速度幅の最大値で除すことにより規格化した引き上げ速度幅の値で示している。両図を比較すると、熱遮蔽体の下端開口部の開口径を360mm(図5(a))から420mm(図6の(a))へ増大させることにより、無欠陥結晶引き上げ速度幅の最大値が2.5倍以上と大きくなり、また、同じ無欠陥結晶引き上げ速度幅が得られる固液界面高さおよびGAPの許容範囲が広くなっていることがわかる。
図5(b)および図6(b)は、同じく固液界面高さとGAPを変数とした場合の(Gmax−Gmin)/Gcの変化を示した図である。図中の数字は(Gmax−Gmin)/Gcを表している。
熱遮蔽体の下端開口部の開口径を420mmとした図6の(a)と(b)を対比すると、(Gmax−Gmin)/Gcが0.100以下の範囲と、前述の規格化させた無欠陥結晶引き上げ速度幅が1以上となる範囲が概ね対応しており、固液界面高さおよびGAPを調整することにより1以上の無欠陥結晶引き上げ速度幅を確保できることがわかる。さらに、(Gmax−Gmin)/Gcを0.050以下にできれば、固液界面高さおよびGAPを適宜調整して、無欠陥結晶引き上げ速度幅を2倍以上に拡大することが可能である。
これに対して、前記開口径を360mmとした図5の(a)と(b)を対比すると、(Gmax−Gmin)/Gcが0.100以下となるように引き上げ軸方向の温度勾配を制御しても、1以上の無欠陥結晶引き上げ速度幅を確保できる固液界面高さおよびGAPの許容範囲はきわめて狭く、確保できたとしても、その幅は1までである。また、前述の開口径を420mmとした場合に比べると、無欠陥結晶引き上げ速度幅も著しく狭い。
本発明のシリコン単結晶の育成方法で規定する前記(1)式および(2)式の条件は、上述の検討結果から導かれたもので、単結晶成長界面における引き上げ軸方向の温度勾配を制御して(1)式および(2)式の条件を満たすことにより、無欠陥結晶引き上げ速度幅を確保し、かつ拡大することができる。(1)式についてのより望ましい条件は、(Gmax−Gmin)/Gc≦0.05である。
単結晶成長界面における引き上げ軸方向の温度勾配の制御を、熱遮蔽体の下端開口部の開口径を調整して強制冷却体の冷却能を制御することにより行う場合、前記開口径の調整幅は、引き上げるシリコン単結晶の直径をDとすると、1.3D〜1.7Dとすることが望ましい。
また、GAPは、前記の固液界面高さや熱遮蔽体の下端開口部の開口径とも関連してくるので、GAPのみでの調整は困難であるが、40〜100mmの範囲内で適宜調整することが望ましく、特に50〜70mmが望ましい。
前記(1)式および(2)式を満たすための単結晶成長界面における引き上げ軸方向の温度勾配の制御方法は、上述した熱遮蔽体の下端開口部の開口径を調整することにより行う方法に限定されない。育成中のシリコン単結晶の周囲に配置された強制冷却体および熱遮蔽体の形状、寸法、配置位置や配置数等を適宜調整することにより(1)式および(2)式に規定する条件を満たし得る方法であれば、いずれを採用してもよい。
本発明のシリコン単結晶の育成方法を実施するに際しては、以上説明した条件を満たした上で、固液可愛面高さやGAPを適宜調整し、結晶欠陥の少ないシリコン単結晶を育成できる引き上げ速度で単結晶の引き上げを行う。無欠陥結晶引き上げ速度幅が拡大されているので、最適な引き上げ速度の設定は容易に行える。
本発明のシリコン単結晶の育成方法によれば、径方向全域にわたって無欠陥結晶が得られる引き上げ速度の範囲を拡大することができるので、COP、OSFおよび転位クラスターが存在しない単結晶を容易に育成することができる。
本発明のシリコン単結晶の育成方法によれば、径方向全域にわたってPV領域が得られる引き上げ速度の範囲も拡大するので、PV領域(酸素析出促進領域)のみからなる単結晶の育成も十分可能である。ここで言う「PV領域」とは、シリコンウェーハの表面または劈開断面で観察される酸素析出物密度の値が1×105個/cm2以上である領域である。酸素析出物密度の値が1×105個/cm2以上であれば、シリコンウェーハの表面や劈開断面をエッチング液でエッチングした後、光学顕微鏡などで酸素析出物の存在を容易に確認することができるからである。
このPV領域のみからなる単結晶から切り出されたウェーハは、デバイス製造工程内での熱処理等によりウェーハ内部に重金属汚染に対するゲッタリング能力に優れた酸素析出物が形成されるので、望ましい。
また、本発明のシリコン単結晶の育成方法によれば、直径300mm以上の大口径のシリコンウェーハを切り出すことができるシリコン単結晶を育成することも可能である。
(実施例1)
前記図2に示した構成を有する引き上げ装置を使用して直径300mmのシリコン単結晶を育成するに際し、シリコン融液に磁場を印加しない場合と印加した場合の結晶欠陥分布、および無欠陥結晶の引き上げ速度について、数値シミュレーションにより検討した。熱遮蔽体の下端開口部の開口径はいずれも360mmとした。
図7は、その検討結果で、引き上げた単結晶の欠陥分布を例示する図である。(a)は磁場を印加しない場合であり、(b)は磁場を印加した場合である。図中の斜線を施した部分は、単結晶の径方向全域にわたってCOP、OSFおよび転位クラスターが存在しない、PVおよびPI領域のみからなる無欠陥結晶が得られる引き上げ速度の範囲である。なお、図中で示す成長速度は、各結晶領域が得られる引き上げ速度を図7(a)において結晶中心部にてPvからPIに変化する引き上げ速度(臨界速度)で除した値で示している。
図7に示されるように、磁場を印加した場合(図7(b))は、磁場を印加しない場合(図7(a))に比べて無欠陥結晶が得られる引き上げ速度が著しく増大している。これは、磁場が印加されていないと、単結晶引き上げ時の結晶中心の固液界面高さが低下して無欠陥結晶が得られなくなるので、無欠陥結晶を得るためにGAPを広げなければならず、GAPが広がると結晶成長界面における引き上げ軸方向の温度勾配が小さくなるからである。引き上げ軸方向の温度勾配が小さくなると無欠陥結晶引き上げ速度幅も小さくなる。
これに対して、磁場を印加した場合は(図7(b))GAPを広げる必要がなく、温度勾配が大きい状態で維持されるので、無欠陥結晶が得られる引き上げ速度の低下はみられない。ただし、この場合(熱遮蔽体の下端開口部の開口径が360mmの場合)は、OSFの存在領域が引き上げ速度の小さい領域にまで及び、前述したように、OSFが引き上げた単結晶の外周部付近で垂れ下がるような分布状態を呈するため、径方向全域にわたってPVおよびPI領域のみからなる無欠陥結晶が得られる引き上げ速度幅は非常に狭くなった。この時の結晶成長界面における引き上げ軸方向の温度勾配を調査したところ、結晶中心部の引き上げ軸方向の温度勾配Gcで最も値が高く(Gmax)、結晶外周部の引き上げ軸方向の温度勾配Geで最も低い値(Gmin)であり、具体的には、Gmaxが3.7℃/mm、Gminが2.9℃/mmであった。
(実施例2)
実施例1と同様に直径300mmのシリコン単結晶を育成するに際し、シリコン融液に磁場を印加しつつ、熱遮蔽体の下端開口部の開口径を360mmとした場合または同開口径を420mmに広げた場合の結晶欠陥分布、および無欠陥結晶引き上げ速度幅について、数値シミュレーションにより検討した。
図8は、その検討結果で、熱遮蔽体の下端開口部の開口径を420mmとして磁場を印加しつつ引き上げた単結晶の欠陥分布を例示する図である。図中の斜線を施した部分は、単結晶の径方向全域にわたってCOP、OSFおよび転位クラスターが存在しない、PVおよびPI領域のみからなる無欠陥結晶が得られる引き上げ速度の範囲である。なお、図中で示す成長速度は、図7の場合と同様に、各結晶領域が得られる引き上げ速度を前記の臨界速度で除した値で示している。
図8に示された欠陥分布を、前記図7(b)示した欠陥分布と比較すると、熱遮蔽体の下端開口部の開口径を360mmから420mmへ広げることにより、無欠陥結晶が得られる引き上げ速度幅が著しく拡大していることがわかる。これは、熱遮蔽体の下端開口径を大きくすることによって、R−OSFの垂れ下がり現象を抑制し、OSFの分布形状を径方向に沿った水平に近い状態にすることができたためである。図8について結晶成長界面における引き上げ軸方向の温度勾配を調査したところ、結晶外周部の引き上げ軸方向の温度勾配Geで最も値が高く(Gmax)、結晶中心部の引き上げ軸方向の温度勾配Gcで最も低い値(Gmin)であり、具体的には、Gmaxが3.7℃/mm、Gminが3.4℃/mmであった。なお、(Gmax−Gmin)/Gc=0.1となるように、熱遮蔽体の下端開口部の開口径幅及びGAP幅を調整した実験も行ったが、ほぼ図8と同様の良好な結果が得られた。
以上の検討結果から明らかなように、本発明のシリコン単結晶の育成方法を適用することにより、径方向全域にわたって結晶欠陥のきわめて少ない単結晶を得ることができる引き上げ速度範囲を大幅に拡大させ得る。
本発明のシリコン単結晶の育成方法によれば、径方向全域にわたって、COP、OSFおよび転位クラスターが存在しない、PVおよびPI領域のみからなる単結晶、さらにはPV領域のみからなる単結晶が得られる引き上げ速度の範囲を拡大させ、前記単結晶を安定して育成することができる。また、本発明は、直径300mm以上の大口径シリコンウェーハ用のシリコン単結晶の育成にも十分適用できる。
したがって、本発明は、シリコンウェーハならびに半導体デバイスの製造において広く利用することができる。
1:チャンバー、 2:支持軸、 3:グラファイトサセプタ、
4:石英るつぼ、 5:ヒーター、 6:断熱材、 7:シードチャック、
8:引き上げワイヤー、 9:シリコン単結晶、
10:シリコン融液、 11:強制冷却体、
12:熱遮蔽部体、 12a:熱遮蔽部体の側部、 12b:熱遮蔽部体の下端部、
13:磁場印加装置、 14:ガス導入口、 15:ガス排出口

Claims (5)

  1. 育成中のシリコン単結晶の周囲を囲繞するように引き上げ軸と同軸に強制冷却体を配置するとともに、この強制冷却体の外周面および下端面を囲繞するように引き上げ軸と同軸に熱遮蔽体を配置した単結晶引き上げ装置を使用して、チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を育成する方法において、
    るつぼ内のシリコン融液に水平磁場を印加するとともに、
    単結晶成長界面における引き上げ軸方向の温度勾配をG、単結晶中心部の引き上げ軸方向の温度勾配をGc、単結晶外周部の引き上げ軸方向の温度勾配をGeとするとき、下記(1)式および(2)式を満たすように引き上げ軸方向の温度勾配を制御し、
    結晶欠陥の少ないシリコン単結晶を育成できる引き上げ速度で単結晶の引き上げを行う
    ことを特徴とするシリコン単結晶の育成方法。
    (Gmax−Gmin)/Gc≦0.1 ・・・(1)
    Gc≦Ge ・・・(2)
    ただし、Gmax:結晶半径方向でのGの最大値
    Gmin:結晶半径方向でのGの最小値
    である。
  2. 前記単結晶成長界面における引き上げ軸方向の温度勾配の制御を、前記熱遮蔽体の下端開口部の開口径を調整して前記冷却体から単結晶成長界面に向かう冷却能を制御することにより行うことを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の育成方法。
  3. 前記育成するシリコン単結晶が、COP、OSFおよび転位クラスターが存在しない結晶からなることを特徴とする請求項1または2に記載のシリコン単結晶の育成方法。
  4. 前記育成するシリコン単結晶が、酸素析出促進領域のみからなることを特徴とする請求項1または2に記載のシリコン単結晶の育成方法。
  5. 前記育成するシリコン単結晶が、直径300mm以上のシリコンウェーハを切り出すことができる直径を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシリコン単結晶の育成方法。
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