JP2010263240A - 結晶化方法、結晶化装置、薄膜トランジスタ及び表示装置 - Google Patents

結晶化方法、結晶化装置、薄膜トランジスタ及び表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 基板の入射面上で最適化された光強度と分布をもつレーザ光を設計し、他の好ましくない組織領域の発生を抑制しつつ所望の結晶化組織を形成することができる結晶化方法、結晶化装置、薄膜トランジスタおよび表示装置を提供する。
【解決手段】 レーザ光を非単結晶半導体薄膜に照射して結晶化するに際し、非単結晶半導体薄膜への照射光は、単調増加および単調減少を周期的に繰り返す光強度分布を有し、非単結晶半導体薄膜を溶融させる光強度である。
【選択図】 図3

Description

本発明は、多結晶半導体薄膜の表層部分に電界効果トランジスタを製造する技術および電界効果トランジスタを製造するための単結晶および多結晶半導体薄膜基板ならびに電界効果トランジスタを組み込んだ液晶表示装置や情報処理装置等の電子装置の製造に適した結晶化方法、結晶化装置、薄膜トランジスタ及び表示装置に関する。
現在の液晶ディスプレイの表示方式として、個々の画素をスイッチングするアクティブマトリックス方式がある。画素スイッチング素子には、非晶質シリコン薄膜トランジスタ(a-SiTFT)が主に用いられている。
液晶ディスプレイ(LCD)の技術開発において、1)高精細化、2)高開口率化、3)軽量化、4)低コスト化などを目標として鋭意研究が進められている。これらの性能を実現するために、多結晶半導体薄膜トランジスタ(poly-SiTFT)を用いた技術が注目されている。Poly-SiTFTは、a-SiTFTに比べて、移動度が2桁以上高いため、素子サイズを小さくすることができ、また集積回路を形成することもできることから、LCDに駆動回路や演算回路も搭載することが可能性である。
従来技術によるエキシマレーザ結晶化法による多結晶半導体薄膜トランジスタの製造方法について図12を参照して説明する。図12の(a)に示すように、ガラス基板101の上に下地保護膜(例えばSiO2膜、SiN膜、およびSiN/SiO2積層膜など)102および非晶質シリコン薄膜103を堆積する。次に図12の(b)に示すように、光学系により四角形状もしくは長尺状にビーム整形されたエキシマレーザ(XeClやKrFなど)104で、非晶質シリコン薄膜の表面を照射すると、非晶質シリコン薄膜103は、エキシマレーザ104の照射加熱により、50〜100ナノ秒の極短時間における溶融凝固の過程を経て、非晶質構造から多結晶構造に変換される。非晶質シリコン膜103の表面全体をエキシマレーザ104で矢印105の方向に走査加熱すると、図12の(c)に示すような多結晶シリコン薄膜106が形成される。
以上のプロセスはエキシマレーザ結晶化技術(Excimer Laser Annealing;以下、ELA法)と呼ばれている。ELA法はガラスなどの低融点材料の基板上に高品質な多結晶シリコン薄膜を作製する際に用いられる。これらに関しては、例えば非特許文献1に詳しい。
図12の(c)の多結晶シリコン薄膜106を用いて作製したものが、図12の(d)に示す薄膜トランジスタである。このTFTの多結晶シリコン薄膜106の上部には、成膜によりSiO2膜などのゲート絶縁膜107が設けられている。さらにソース不純物注入領域108、ドレイン不純物注入領域109が設けられている。ソース、ドレイン領域、およびゲート絶縁膜上にゲート電極110を設け、保護膜111を成膜し、ソース電極113、ドレイン電極114を形成する。以上により、ゲート電極の電圧によって、ソースとドレイン問の電流を制御できるTFTが完成する。
さらにTFTの性能を向上させるために、ELA法を発展させた方法として、多結晶シリコンを単結晶化する技術の「位相変調エキシマレーザ結晶化法」が報告されている。位相変調エキシマレーザ結晶化法においては、図2の(a)に示すビームプロファイルAおよび図2の(c)に示すビームプロファイルBを制御することによって、位置制御された横方向成長Si結晶粒r1および結晶粒r2を形成することが可能である。このような位相変調エキシマレーザ結晶化法に関する論文には、例えば非特許文献2がある。位相変調エキシマレーザ結晶化法では、制御されたビームプロファイルを利用して横方向成長Si結晶粒の形成を促す。従来のELA法において、ビームプロファイルと結晶化組織の相関性に関して、例えば非特許文献3があるが、ビームプロファイルは制御されていないので大きな違いがある。
日経マイクロデバイス別冊フラットパネルディスプレイ1999(日経BP社、1998年、pp.132-139) The Ninth International Display Workshops (IDW'02) Proceedingspp.263-266 Journal of Applied Physics Vol.88 No9 1Nov 2000 pp.4994-4999
しかし、従来の位相変調エキシマレーザ結晶化法を用いてシリコン膜を結晶化すると、図2の(d)に示すように横方向成長Si結晶粒r2のほかに、その周縁に多結晶粒r3が生成され、中央に微結晶粒r4が生成され、さらには結晶粒破壊領域r5を生じることがある。この理由は、光強度分布が最適化されていないからである。
実際に位相変調エキシマレーザ結晶化法で結晶化された組織を観察してみると、大粒径の単結晶化領域r2はできているが、同時に好ましくない他の組織r4,r5が発生していた。
また、位相変調レーザ結晶化法で結晶化した組織を観察した場合も同様に、大粒径の単結晶シリコン領域r2はできているが、その周辺に結晶粒破壊領域r5や微結晶領域r4が発生していた。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、基板の入射面上で最適化された光強度と分布をもつレーザ光を設計し、他の好ましくない組織領域の発生を抑制しつつ所望の結晶化組織を形成することができる結晶化方法、結晶化装置、薄膜トランジスタおよび表示装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明は以下のように構成した。あらかじめ、横方向成長を開始するレーザ光強極度JL、および投入可能な光強度JBをそれぞれ調べておく。基板表面と同一面でビームプロファイルを計測し、ビームプロファイルを最小のレーザ強度がJL以上となり、最大レーザ光強度がJB未満となる、単調増加および単調減少となるような波形、例えば三角波とする。このとき、JLとなる位置が結晶化開始位置となるので、結晶位置を規定することが出来る。
本発明に係る結晶化方法は、レーザ光を基板上の非単結晶半導体薄膜に照射し、該非単結晶半導体膜を溶融させ、多数の微結晶を生じさせることなく結晶を横方向にラテラル成長させて大粒径の結晶粒を形成する結晶化方法において、
(a)前記非単結晶半導体膜が均一光学系の焦点位置からデフォーカスした位置になるように、前記基板を支持する移動ステージを前記均一光学系に対して位置合わせし、
(b)マスクパターンと前記デフォーカス量とによりレーザ光の光強度分布における逆ピークパターンの形状と幅を制御し、
(c)前記制御された光強度分布でレーザ光を前記基板上の非単結晶半導体膜に照射する際に、
前記非単結晶半導体薄膜に照射されるレーザ光は、単調増加および単調減少を周期的に繰り返す光強度分布を有し、前記光強度分布が単調増加波形から単調減少波形へと切換わる切換え部が、勾配を有する波形で、かつ平坦部を有しない波形であり、前記切換え部のうち光強度の最小値は前記非単結晶半導体薄膜を溶融させて横方向に結晶化を開始する光強度と等しいか又はそれを上回り、前記切換え部のうち光強度の最大値は横方向に成長した結晶粒に破壊を生じる光強度を下回ることを特徴とする。このような光強度分布をもつレーザ光を照射することにより、結晶粒は壊されることなく安定に横方向(ラテラル)成長し、薄膜トランジスタに適した大きさの揃った大結晶粒組織となる(図3の領域3)。
また、光強度分布の最小値は、非単結晶半導体薄膜が溶融することを特徴とする。このような光強度分布をもつレーザ光を照射することにより、非単結晶半導体薄膜の組織はすべて結晶化して多結晶組織となる(図3の領域2)また、光強度分布の最大値は、横方向成長結晶粒に破壊を生じる光強度を下回る光強度範囲で、光強度分布の最小値は非単結晶半導体薄膜が溶融する光強度を下回ることを特徴とする。このような光強度分布をもつレーザ光を照射することにより、多結晶組織と非晶質組織との比率を自在に変えることが可能となる(図3の領域1と領域2)。
光強度の最大値および最小値は、少なくとも非単結晶半導体薄膜の膜厚および温度の条件に応じてそれぞれ設定される。例えば基板温度500℃の条件では図9の(b)に示すビームプロファイルBPに設定することができる。なお、図9の(b)に示すビームプロファイルBPは縦軸の光強度が規格化された無次元の指数である。この規格化された光強度指数は実際の単位(J/cm2)をもつレーザフルエンスに換算することができる。例えば光強度指数に平均レーザフルエンス(J/cm2)を掛ければ、それぞれの位置におけるレーザフルエンス(J/cm2)に換算できる。
本発明に係る結晶化装置は、レーザ光を基板上の非単結晶半導体薄膜に照射し、該非単結晶半導体膜を溶融させ、多数の微結晶を生じさせることなく結晶を横方向にラテラル成長させて大粒径の結晶粒を形成する結晶化装置であって、レーザ光源と、前記基板が載置される移動ステージと、前記レーザ光源と前記移動ステージ上の基板との間に配置され、位相シフタおよび均一光学系を有し、前記非単結晶半導体薄膜を照射する前記レーザ光が単調増加および単調減少を周期的に繰り返す光強度分布を有し、前記光強度分布が単調増加波形から単調減少波形へと切換わる切換え部が、勾配を有する波形で、かつ平坦部を有しない波形であり、前記切換え部のうち光強度の最小値は前記非単結晶半導体薄膜を溶融させて横方向に結晶化を開始する光強度と等しいか又はそれを上回り、前記切換え部のうち光強度の最大値は横方向に成長した結晶粒に破壊を生じる光強度を下回るようにするビームプロファイル変調部と、(i)前記非単結晶半導体膜が前記均一光学系の焦点位置からデフォーカスした位置になるように、前記基板を支持する移動ステージを前記均一光学系に対して位置合わせさせ、(ii)前記位相シフタのマスクパターンと前記デフォーカス量とによりレーザ光の光強度分布における逆ピークパターンの形状と幅を制御する制御手段と、を具備することを特徴とする。
前記ビームプロファイル測定部は、前記参照光が入射する入射面に蛍光板を有し、該蛍光板を前記基板の入射面と実質的に同一平面に配置して測定することが望ましい。
空間強度変調光学素子は、位相シフタを含む均一化光学系であることが好ましい。均一化光学系は、小レンズ対を備えたホモジナイザおよび複数組のコンデンサレンズなどの光学部品で構成されるものである。なお、空間強度変調光学素子として、半導体デバイスのフォトリソグラフィプロセスの露光に用いられる位相シフトマスクを用いるようにしてもよい。
ここで「レーザフルエンス」とは、レーザのエネルギ密度を表わす光強度の尺度をいい、単位面積当たりのエネルギ量を単位時間当たり積分したものをいう。
また、「ビームプロファイル」とは、結晶化対象膜に入射されるレーザ光の二次元の光強度分布をいう。なお、プロファイラ(ビームプロファイル測定部)に入射する参照光は、レーザアニールに使用する光源と同一であるが、結晶化対象膜に入射されるレーザの光強度と同じにする必要はなく、規格化するために必要な光強度でもよい。
また、「予め設定した目標の光強度と分布」とは、後述する実証試験により、非晶質の半導体薄膜が溶融してラテラル結晶成長すること、結晶化した膜が熱収縮により破壊されないことが確認されたレーザ光の強度(レーザフルエンス)と分布(ビームプロファイル)をいうものとする。
図3は縦軸横軸を無次元化して半導体(例えばシリコン)の温度/光強度/組織の定性的な関係を示す状態図である。図中にて特性線JCは非晶質膜(又は非晶質と微細結晶粒とが混在する混合膜)が結晶化(再結晶化)するか否かの境界(結晶化の境界)を、特性線JLは結晶粒が横方向に成長するか否かの境界(ラテラル成長の境界)を、特性線JBは成長した結晶粒が最終的に壊れるか否かの境界(結晶粒破壊の境界)をそれぞれ示す。
特性線JCより下方の領域1では、非晶質膜または非晶質中に微細な結晶粒が混在する混合膜の物理的な状態は変化しない。特性線JC-JL問の領域2では、非晶質膜は結晶化(混合膜は再結晶化)するがラテラル成長しない。特性線JL-JB問の領域3では、結晶粒が壊れることなく安定にラテラル成長する。特性線JBより上方の領域4では、結晶粒の成長中または成長後において各種の応力を受けて膜(結晶構造)が破壊される(膜破壊領域)。
ここで「膜破壊」とは、広義には膜を構成する規則的な構造(膜構造)が壊れることをいい、狭義には結晶粒が横方向にラテラル成長するときに生じる応力によりキャップ膜が壊されること、あるいはラテラル成長時の発生応力により結晶化対象膜が壊されること、あるいはキャップ膜や結晶化対象膜のなかに含有される水素に起因して結晶粒内または結晶粒界に割れ等の欠陥を生じることをいうものとする。
以上説明したように、本発明によれば、基板の入射面上で最適化された光強度と分布をもつレーザ光を設計し、膜破壊などの他の好ましくない組織領域の発生を抑制しつつ所望の結晶化組織を形成することができる。すなわち、結晶粒は壊されることなく安定にラテラル成長し、薄膜トランジスタに適した大きさの揃った大結晶粒組織となる(図3の領域3)。
また、本発明によれば、光強度分布を、非単結晶半導体薄膜の組織を結晶化させる光強度と等しいか又はそれを上回る光強度を最小値とし、かつ、結晶化した結晶粒を横方向に成長させる光強度を下回る光強度を最大値とすることにより、非単結晶半導体薄膜の組織はすべて結晶化して多結晶組織とすることができる(図3の領域2)。
さらに本発明によれば、光強度分布を、横方向成長結晶粒に破壊を生じる光強度を下回る光強度範囲で、非単結晶半導体薄膜の組織を結晶化させる光強度と等しいか又はそれを上回る光強度を最大値とし、かつ、前記非単結晶半導体薄膜の組織を結晶化させる光強度を下回る光強度を最小値とすることにより、多結晶組織と非晶質組織との比率を自在に変えることが可能となる(図3の領域1と領域2)。
本発明の結晶化装置を示す構成ブロック図。 (a)はビームプロファイルAを示す図、(b)はビームプロファイルAのレーザ光照射により形成される結晶化組織を模式的に示す平面図、(c)はビームプロファイルBを示す図、(d)はビームプロファイルBのレーザ照射で形成される結晶化組織を模式的に示す平面図。 温度/光強度/組織の定性的な関係を示す状態図。 (a)および(b)は本発明により半導体素子を作製するときの工程を説明するための断面模式図。 (a)はビームプロファイルCを示す図、(b)はビームプロファイルCのレーザ光照射により形成される結晶化組織を模式的に示す平面図。 基板温度/レーザフルエンス/組織の定量的な関係を示す状態図。 (a)は結晶化に関するシミュレーション結果と実際の結果とを併せて示すビームプロファイル特性線図、(b)はレーザ照射領域の非晶質Siと結晶Siを示すSEM像。 (a)はラテラル成長/膜破壊とレーザフルエンスとの関係を示す特性線図、(b)はラテラル成長過程におけるSi薄膜のSEM像。 (a)は位相シフタの一部を模式的に示す断面図、(b)は(a)の位相シフタを用いて形成されたビームプロファイル特性線図、(c)は(b)のプロファイルをもつレーザ光照射によりラテラル成長した結晶化組織の繰り返しパターンを示すSEM像。 (a)〜(f)はビームプロファイルの変形例をそれぞれ示す図。 表示装置の概略斜視図。 (a)〜(d)は半導体素子を作製するときの工程を説明するための断面模式図。
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1に、本発明を実施したレーザ結晶化装置の概略図を示す。レーザ結晶化装置はレーザ光源1の光軸aの始端にアッテネータ(減衰器)2とビームプロファイル変調部3を配置し、ミラー4を経由して終端に半導体基板5を設置する。また、半導体基板5にビームプロファイル測定部6を並設し、半導体基板5とビームプロファイル測定部6を移動ステージ7に固定する。
また、制御用のパソコン8を設置して入力側にビームプロファイル測定部6を接続し、出力側にアッテネータ2、ビームプロファイル変調部3、移動ステージ7の制御系をそれぞれ接続する。
アッテネータ2は、誘電体の多層膜コーティングフィルタの角度を調節してレーザ光の強度(パワー)を光学的に変調するもので、図示しないセンサ、モータ、制御系を備える。
ビームプロファイル変調部3は、レーザ光の空間的な強度分布を変調するもので、位相シフタ31と均一化光学系32で構成する。位相シフタ31は、例えば、マスクパターンを通過する光の位相を交互に0、πとずらすことにより、位相シフト部において光強度が極小となる逆ピークパターンを発生し、この逆ピークパターンにより半導体基板5上において最初に凝固する領域(結晶核)を位置制御し、そこから周囲に結晶を横方向に成長させる(ラテラル成長)ことにより、大粒径の結晶粒を指定した位置に設ける。このとき、位相シフタの形状や半導体基板5との距離、レーザ光の角度分布などにより、所望のビームプロファイルを設定する。位相シフタ31は、また、マスクパターンの交換や光軸方向の位置合わせのための図示しないセンサ、アクチュエータ、制御系を備える。
均一化光学系32は、本発明者らが先に出願した特願2003-110861の明細書等に詳しく開示してあり、小レンズ対を備えたホモジナイザおよび複数組のコンデンサレンズなどの光学部品で構成されている。この均一化光学系32の焦点位置からデフォーカスした位置に半導体基板5を保持してレーザ光50を照射する。このときのマスクパターンとデフォーカス量により逆ピークパターンの形状と幅を制御する。逆ピークパターンの幅は、位相シフタ31と半導体基板5問のギャップdの1/2乗に比例して拡大する。
ビームプロファイル測定部6は、紫外光のエキシマレーザを蛍光板61に受光して可視光に変換し、ミラー62に反射した可視光をCCD63に受光してレーザ光の強度とビームプロファイルを同時に測定する。レーザ光の強度は、半導体ノーワーメータなどを用いて別々に測定してもよい。また、紫外光のエキシマレーザを直接CCD63に受光してもよい。
蛍光板61は、半導体基板5と同一平面上ある心は平行平面上に設置する。蛍光板61を段差のある平行平面上に設置する場合は、移動ステージ7を上下して蛍光板61を半導体基板5と同じ高さに位置付けて測定する。これにより、基板面におけるレーザ光のビームプロファイルを実際の照射時と同条件で測定できるようにする。
CCD63で受光した画像は、コンピュータ8に入力して任意の走査線でスライスし、画像信号の強度分布からレーザ光の強度とビームプロファイルを測定する。
そして、測定した強度とあらかじめ設定した目標の強度を比較して操作量を計算し、アッテネータ2に操作信号を出力して測定した強度が目標の強度になるようにフィードバックしながらアッテネータ2の角度を調節する。
また、測定したビームプロファイルとあらかじめ設定した目標のビームプロファイルを比較して操作量を計算し、ビームプロファイル変調部3と移動ステージ7に操作信号を出力して測定したビームプロファイルが目標のビームプロファイルになるようにフィードバックしながら位相シフタ31の位置と移動ステージ7の高さを調節する。
移動ステージ7は、前後、左右、上下の3次元方向に移動が可能であり、面内方向や光軸方向の位置合わせのための図示しないセンサ、アクチュエータ、制御系を備えている。この移動ステージ7によりビームプロファイル測定部6はレーザ光照射位置に移動されて位置決めされ、レーザ光を基板に照射する前に予めレーザ光の強度とビームプロファイルが測定されるようになっている。
本発明を実施したレーザ結晶化装置は以上のような構成で、レーザ結晶化工程は、最初に移動ステージ7を面内方向に移動してレーザ光源1の光軸aの先端をビームプロファイル測定部6の蛍光板61に位置付け、レーザ光を照射してその強度とビームプロファイルを測定する。
次に、測定した強度とビームプロファイルがあらかじめ設定した目標と一致するようにアッテネータ2の角度、位相シフタ31の位置、移動ステージ7の高さをそれぞれ位置合わせする。次に、移動ステージ7を面内方向に移動して今度は光軸aの先端を半導体基板5の所定の結晶領域に位置付け、ギャップdに設定し、あらかじめ設定した強度とビームプロファイルのレーザ光を照射する。
以上の測定、位置合わせ、照射を繰り返して同一基板内にTFTのサイズは異なるがチャネル領域での電流方向を横切る結晶粒界数の平均値Naが一定の結晶領域を同時に作り分ける。測定、位置合わせ、照射はこのように交互に行うのではなく、最初にすべての測定を行って位置合わせに必要な操作量を求め、次に結晶領域毎に位置合わせと照射を平行して行うようにしてもよい。
まず基板の準備として、図4(a)に示すように、絶縁体基板5(例えばコーニング1737ガラス、溶融石英、サファイア、プラスチック、ポリイミドなど)の表面に第一薄膜102(例えばテトラエチルオルソシリケート(TEOS)、とO2のプラズマ化学気相成長法によって成膜した膜厚300nmのSiO2膜、もしくはSiN/SiO2積層膜アルミナ、マイカなど)、第一薄膜102の表面に、第二薄膜の非晶質半導体薄膜103(例えばプラズマ化学気相成長法によって膜厚200nmの非晶質Si、非晶質SiGeなど)を成膜する。その上にテトラエチルオルソシリケート(TEOS)とO2のプラズマ化学気相成長により、成膜ゲート絶縁膜として例えば膜厚200nmのSiO2膜107を成膜する。次に薄膜の脱水素処理を行う(例えば窒素雰囲気で600℃、1時間の加熱処理)。この結晶化用基板で以下の点を調査し、好適なビームプロファイルとなるように調整する。
(i)使用する結晶化用基板で、横方向成長の生じるレーザ光強度JLを調査する。
(ii)使用する結晶化用基板で、結晶粒の破壊の生じるレーザ光強度JBを調査する。
(iii)レーザ光強度の分布は、結晶化開始点としたい位置のレーザ光強度JをJB>J≧JLとし、最大レーザ光強度に向かって単調増加のレーザ強度分布となるようにする。
最大レーザ光強度は、JB未満となるようにする。これを満たすような結晶化を行うことで、結晶粒破壊領域と微結晶領域の生じない結晶化が行うことが可能となる。
(実証試験)
上記の基板を用いて具体的に実験を行ったところ図6に示すような結果が得られた。図6は横軸に基板温度(℃)をとり、縦軸にレーザフルエンス(相対値)をとって、シリコン薄膜における温度/光強度/組織の定量的な関係を調べた結果を示す状態図である。図から明らかなように、例えば500℃においては、ラテラル成長開始強度JLは相対値で20〜30%(例えば0.4〜0.6J/cm2の換算強度に相当)膜破壊発生強度JBは相対値で20〜60%(例えば0.8〜1.2J/cm2の換算強度に相当)であった。従って、各基板温度において、網目領域内のレーザ光強度の設定を上記(iii)の条件(JBとJLは網目の内部のレーザ光強度)で照射すればよいことが明らかになった。
次に、図1のレーザ結晶化装置を用いてレーザ結晶化を行う。レーザ光源1は、例えばKrFエキシマレーザなどのパルス発振の高エネルギーレーザを用いる
レーザ光源1から発したレーザ光は、パワーおよびビームプロファイルを変調可能なアッテネータ2とビームプロファイル変調部3を透過する。その結果、パワーとビームプロファイルが変調される。その後移動ステージ7へ到達する。移動ステージ7には、半導体基板5が配置されている。レーザ結晶化は、変調されたレーザ光を半導体基板5に照射することで行う。移動ステージ7にはビームプロファイルを測定可能でパワーメータとしても使用可能な、ビームプロファイル測定部6を設置している。この装置は測定用のパーソナルコンピュータ8と連動し、好適なビービームプロファイルを持つように移動ステージ7高さz、パワーおよびビームプロファイルを変調可能な光学系のパラメータ(例えばアッテネータ2の角度と位相シフタ31の位置、ギャップdなど)を設定する。
図9の(b)のビームプロファイルBPは、大結晶粒径結晶領域の形成可能な、ビームプロファイルである。このビームプロファイルBPは、前述の測定用のパソコン8と連動したシステムで条件設定を行う。その結果得られた組織の走査型電子顕微鏡写真を図9の(c)に示す。この場合では、TFTを作製するために必要なプロファイルは、ギャップd=60μmで平均のレーザ光強度Jを0.8J/cm2、JL=0.5J/cm2、JB=0.9J/cm2とすれば良いことが明らかになった。
これらの方法で作製された結晶領域は、パターニングを行い、以下のプロセスを行う。
図4の(b)に示すように、ゲート絶縁膜107の上にゲート電極110(例えば高濃度リンドーブポリシリコン、W、TiW、WSi2、MoSi2)を設ける。ゲート電極110をマスクにして、イオン注入を行って、ソース領域103b、ドレイン領域103cをそれぞれ形成する。例えばイオン注入は、N型TFTであれば、p+を1015cm-2オーダで注入し、p型TFTでは、BF2+を1015cm-2オーダで注入する。その後、電気炉内で窒素をキャリアガスとして、500℃から600℃で約1時間のアニールを行い不純物の活性化を行う。また、ラピッドサーマルアニーリング(RTA)で700℃×1分間だけ加熱するようにしてもよい。これらソース領域103bおよびドレイン領域103cの間には上述の方法で結晶化されたチャネル領域103aが存在する。
最後に、層問絶縁膜111を成膜し、コンタクト穴を形成し、コンタクト穴をメタルCVD成膜法で金属を充填し、ソース電極113とドレイン電極114をそれぞれ形成する。ソース電極113とドレイン電極114の材料には例えばAl/TINを用いる。
図7の(a)は、横軸にレーザ光軸aからの距離(μm)をとり、縦軸に規格化されたレーザ強度指数(無単位)をとって、ホモジナイザによるマルチビームがつくるプロファイルを示す特性線図である。縦軸の規格化された強度指数は、結晶化の目安となるパラメータであり、これらを平均化すると1.0に収束する。なお、図7の(a)では強度指数が1.0のところは0.2J/cm2のレーザフルエンスに相当し、これに係数0.95を掛けると多結晶化する臨界光強度の0.19J/cm2が求まる。
図中にて特性線E(細線)はシミュレーション結果を、特性線F(太線)は実測結果をそれぞれ示す。実測結果とシミュレーション結果とは、有限個数のビームに起因する高い空間周波数成分を除いて、良い一致が得られた。
図7の(b)は低い平均光強度条件で結晶化した膜モフォロジである。試料は基板温度500℃で、300nm厚SiO2キャップ膜/200nm厚a-Si膜/1000nm厚SiO2膜/Si構造である。多結晶化が生じた箇所(低い部分)は局所的な高光強度の箇所であり、局所的な低光強度の箇所(黒い部分)は結晶化しなかった領域である。黒い部分は、図7の(a)の特性線Eに0.19J/cm2で示した線(強度指数0.95)を下回る位置と良く一致した。多結晶化の生じる臨界光強度は約0.19J/cm2であって、この値は均一照射の場合と同じであった。なお、高平均光強度の実験から横方向結晶化の開始と膜不全となる臨界光強度は、それぞれ0.5J/cm2、0.9J/cm2であることが判明した。さらに、単ショットで成長できる距離が約7ミクロンであることも判明した。
図8の(a)は、横軸にレーザ光軸aからの距離(μm)をとり、縦軸に規格化されたレーザ強度指数(無単位)をとって、結晶化したSiがラテラル成長するか否か、また過大な収縮力のためにラテラル成長した結晶膜が破壊するか否かについてレーザフルエンスとの関係を示した特性線図である。図中の特性線Pはラテラル成長の臨界線であり、これより上方の領域ではSi結晶がラテラル成長し、これより下方の領域ではラテラル成長しない。特性線Qは膜破壊の臨界線であり、これより上方の領域ではSi結晶膜が過大な収縮により破壊され、これより下方の領域ではSi結晶膜は破壊されない。両特性線P,Qの指数に係数を掛けたレーザフルエンス換算値は、それぞれ約0.5J/cm2と約0.9J/cm2であった。特性線Rはレーザ光強度のビームプロファイルである。特性線Rが両特性線P,Qで挟まれた領域にある場合は、膜破壊を生じることなく、安定にラテラル成長する。
図8の(b)はラテラル成長過程におけるSi薄膜のSEM像である。レーザ光軸aから片側10μm弱の範囲までにラテラル成長したSi結晶が見られる。しかし、レーザ光軸aから10μm以上の領域ではレーザ強度のバラツキが大きく、膜破壊した組織(図中に点在する白い塊り)がみられる。また、レーザ光軸aの近傍領域はレーザフルエンスの強度不足により結晶化しないで非晶質のまま、の状態であり、この領域はラテラル成長していない。
上記の実験結果を用いて、高充填率で大結晶粒(平均径5ミクロン)を形成できる光学系を求めた。得られた光強度分布と膜モフォロジを図9の(b)(c)にそれぞれ示す。図9の(b)の縦軸は規格化されたレーザ強度(無単位)を示し、結晶化の目安となるパラメータである。これらを平均化すると1.0に収束する。図9の(b)のビームプロファイルBPでは、光強度の最大値を1.4とし、光強度の最小値を0.7とし、5μmの等ピッチ間隔で単調に減少と増加を繰り返すパターンとした。
図9の(c)はレーザ照射(J=0.76mJ/cm2)領域における繰り返しパターンの一部を拡大して示すSEM像(20μm×20μm)である。レーザ光軸aから片側5μmまでSi結晶粒が安定にラテラル成長していることを観察できた。これから照射領域全面(0.24mm×0.24mm)に高充填率で5μm程度の大結晶粒が均一に形成できた。
本発明のビームプロファイルBPには、図5(a)に示す正弦波状波形および図9(c)に示す三角形状波形の他に、種々の波形を採用することができる。例えば、図10(a)に示す山状波の連続波でもよく、図10(b)に示す谷状波の連続波形でもよく、図10(c)に示す鋸歯状波形、図10(d)に示す比較的大きい振幅の大三角形状波形と比較的小さい振幅の小三角形状波形とが交互に繰り返される混在三角形波形でもよく、図10(d)に示す山状の包絡線に沿ってギザギザの三角形状波が重畳した波形でもよく、図10(f)に示す2つのピークをもつツインピーク波形でもよい。このように本発明のビームプロファイルBPは単調増加波形部と単調減少波形を有するV字状波部あるいはU字状波の連続波であれば様々な変形波形を用いることができる。
なお、図5(a)に示す正弦波状波形、図9(c)に示す三角形状波形、図10(a)に示す山状波の連続波、図10(b)に示す谷状波の連続波などは、同一振幅、同一周期の単調増加し、単調に減少する照射光である。また、図5(a)に示す正弦波状波形、図9(c)に示す三角形状波形、図10(a)に示す山状波の連続波、図10(b)に示す谷状波の連続波などは、左右対称の波形である。
図9(c)に示す三角形状波、図10(c)、(d)、(e)、(f)に示す波形の単調増加および単調減少する光強度分布の波形は、直線状であり、三角形状である。
大粒径の結晶化粒を得るには、V字状波、U字状波の連続波のいずれにおいても、単調増加波形から単調減少波形との切換え部は、勾配を有する波形であることが重要である。切換え部に平坦な波形が存在するとその部分で、結晶粒が破壊してしまったり、横方向の結晶化が停止したりする。また、大粒径の結晶化粒を得るには、V字状波、U字状波の連続波のいずれにおいても、単調減少波形から単調増加波形との切換え部は、勾配を有する波形であることが重要である。切換え部に平坦な波形が存在するとその部分で、多結晶粒の領域が生じてしまったり、横方向の結晶化が不十分になったりする。
単調増加波形から単調減少波形との切換え部や単調減少波形から単調増加波形との切換え部に勾配を有するとは、切換え部に平坦な波形が存在しないことである。
高分解能ビームプロファイラによってエキシマレーザ光の性質を抽出した。この結果、試料表面上光強度分布を設計することが可能となった。さらに、各種臨界光強度を評価して、これらの結果を総合することにより、高充填率で大結晶粒脚を成長させる光学系を設計した。この有効性を実験によって確認した。
図11は、薄膜トランジスタを用いたアクティブマトリクス型表示装置の一例を示す。薄膜トランジスタ112は、図12に示す工程を経て製造される。図示のように、本表示装置120は一対の絶縁基板121,122と両者の問に保持,された電気光学物質123とを備えたパネル構造を有する。電気光学物質123としては液晶材料が広く用いられている。下側の絶縁基板121には画素アレイ部124と駆動回路部とが集積形成されている。駆動回路部は垂直駆動回路125と水平駆動回路126とに分かれている。
また、絶縁:基板121の周辺部上端には外部接続用の端子部127が形成されている。端子部127は配線128を介して垂直駆動回路125及び水平駆動回路126に接続している。画素アレイ部124には行状のゲート配線129と列状の信号配線130が形成されている。両配線の交差部には画素電極131とこれを駆動する薄膜トランジスタ112が形成されている。この薄膜トランジスタ112は上述の方法を用いて作製されたものである(図4参照)。薄膜トランジスタ112のゲート電極110は対応するゲート配線129に接続され、ドレイン領域103cは対応する画素電極131に接続され、ソース領域103bは対応する信号配線130に接続している。ゲート配線129は垂直駆動回路125に接続する一方、信号配線130は水平駆動回路126に接続している。
画素電極131をスイッチング駆動する薄膜トランジスタ112及び垂直駆動回路125と水平駆動回路126に含まれる薄膜トランジスタは、本発明に従って作製されたものであり、従来に比較して移動度が高くなっている。従って、駆動回路ばかりでなく更に高性能な処理回路を集積形成することも可能である。
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
1…レーザ光源、2…アッテネータ、
3…光強度パターン調整部、
31…位相シフタ(空間強度変調光学素子)、32…均一化光学系、
4…ミラー、5…半導体基板、
6…プロファイラ(光強度パターン測定部)、
61…蛍光板、62…ミラー、63…CCD、
7…移動ステージ、8…コンピュータ、
101…基板、102…下地保護膜、103…非晶質シリコン薄膜、
103a…チャネル領域、103b…ソース領域、103c…ドレイン領域、
104…エキシマレーザ、105…走査加熱方向を示す矢印、
106…多結晶シリコン薄膜(チャネル領域)、
107…ゲート絶縁膜、108…ソース領域、109…ドレイン領域、
110…ゲート電極、111…保護膜、
112…薄膜トランジスタ、
113…ソース電極、114…ドレイン電極、
r1…小結晶粒径領域、r2…大結晶粒径領域、
r3…多結晶粒領域、r4…微結晶粒領域、r5…結晶粒破壊領域。

Claims (12)

  1. レーザ光を基板上の非単結晶半導体薄膜に照射し、該非単結晶半導体薄膜を溶融させ、多数の微結晶を生じさせることなく結晶を横方向にラテラル成長させて大粒径の結晶粒を形成する結晶化方法において、
    (a)前記非単結晶半導体薄膜が均一光学系の焦点位置からデフォーカスした位置になるように、前記基板を支持する移動ステージを前記均一光学系に対して位置合わせし、
    (b)マスクパターンと前記デフォーカス量とによりレーザ光の光強度分布における逆ピークパターンの形状と幅を制御し、
    (c)前記制御された光強度分布でレーザ光を前記基板上の非単結晶半導体薄膜に照射する際に、
    前記非単結晶半導体薄膜に照射されるレーザ光は、単調増加および単調減少を周期的に繰り返す光強度分布を有し、前記光強度分布が単調増加波形から単調減少波形へと切換わる切換え部が、勾配を有する波形で、かつ平坦部を有しない波形であり、前記切換え部のうち光強度の最小値は前記非単結晶半導体薄膜を溶融させて横方向に結晶化を開始する光強度と等しいか又はそれを上回り、前記切換え部のうち光強度の最大値は横方向に成長した結晶粒に破壊を生じる光強度を下回ることを特徴とする結晶化方法。
  2. 前記光強度分布は、同一振幅かつ同一周期で単調増加し、単調に減少する照射光であることを特徴とする請求項1記載の結晶化方法。
  3. 前記単調増加および単調減少を周期的に繰り返す光強度分布の1周期の距離は、0.001mmから1mmであることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項記載の結晶化方法。
  4. 前記単調増加および単調減少を周期的に繰り返す光強度分布は、1周期において直線的に増加しかつ直線的に減少することを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか1項記載の結晶化方法。
  5. 前記単調増加および単調減少を周期的に繰り返す光強度分布は、1周期において左右対称の波形であることを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか1項記載の結晶化方法。
  6. 前記単調増加および単調減少する光強度分布は、三角波形であることを特徴とする請求項1乃至5のうちのいずれか1項記載の結晶化方法。
  7. レーザ光をビームプロファイル測定部に照射して該レーザ光の強度と光強度分布をそれぞれ測定し、
    前記測定したレーザ光の強度と予め設定した目標の強度とを比較し、比較した結果に基づいてアッテネータの操作量を算出し、算出した操作量に対応する信号を前記アッテネータに出力し、前記測定強度が前記目標強度になるように前記アッテネータ操作量をフィードバック制御し、
    前記測定したレーザ光の光強度分布と予め設定した目標の光強度分布とを比較し、比較した結果に基づいて前記移動ステージの操作量を算出し、算出した操作量に対応する信号を前記移動ステージに出力し、前記測定光強度分布が前記目標光強度分布になるように前記移動ステージ操作量をフィードバック制御し、
    前記制御された強度と光強度分布のレーザ光を前記基板上の非単結晶半導体薄膜に照射することを特徴とする請求項1乃至6のうちのいずれか1項記載の結晶化方法。
  8. レーザ光を基板上の非単結晶半導体薄膜に照射し、該非単結晶半導体薄膜を溶融させ、多数の微結晶を生じさせることなく結晶を横方向にラテラル成長させて大粒径の結晶粒を形成する結晶化装置であって、
    レーザ光源と、
    前記基板が載置される移動ステージと、
    前記レーザ光源と前記移動ステージ上の基板との間に配置され、位相シフタおよび均一光学系を有し、前記非単結晶半導体薄膜を照射する前記レーザ光が単調増加および単調減少を周期的に繰り返す光強度分布を有し、前記光強度分布が単調増加波形から単調減少波形へと切換わる切換え部が、勾配を有する波形で、かつ平坦部を有しない波形であり、前記切換え部のうち光強度の最小値は前記非単結晶半導体薄膜を溶融させて横方向に結晶化を開始する光強度と等しいか又はそれを上回り、前記切換え部のうち光強度の最大値は横方向に成長した結晶粒に破壊を生じる光強度を下回るようにするビームプロファイル変調部と、
    (i)前記非単結晶半導体薄膜が前記均一光学系の焦点位置からデフォーカスした位置になるように、前記基板を支持する移動ステージを前記均一光学系に対して位置合わせさせ、(ii)前記位相シフタのマスクパターンと前記デフォーカス量とによりレーザ光の光強度分布における逆ピークパターンの形状と幅を制御する制御手段と、
    を具備することを特徴とする結晶化装置。
  9. 前記レーザ光源から出射されたレーザ光の強度を調整するアッテネータと、
    前記ビームプロファイル変調部により変調されたレーザ光の強度および光強度分布を測定するビームプロファイル測定部と、をさらに有し、
    前記制御手段は、
    (iii)前記レーザ光源からレーザ光を前記ビームプロファイル測定部に照射させ、前記ビームプロファイル測定部に照射レーザ光の強度と光強度分布をそれぞれ測定させ、
    (iv)前記測定したレーザ光の強度と予め設定した目標の強度とを比較し、比較した結果に基づいて前記アッテネータの操作量を算出し、算出した操作量に対応する操作信号を前記アッテネータに出力し、前記測定強度が前記目標強度になるように前記アッテネータ操作量をフィードバック制御し、
    (v)前記測定したレーザ光のビームプロファイルと予め設定した目標のビームプロファイルとを比較し、比較した結果に基づいて前記移動ステージの操作量を算出し、算出した操作量に対応する操作信号を前記移動ステージに出力し、前記測定ビームプロファイルが前記目標ビームプロファイルになるように前記移動ステージ操作量をフィードバック制御する、
    ことを特徴とする請求項8記載の結晶化装置。
  10. 絶縁基板上に形成されたソース、ドレイン、チャネル領域を含む非単結晶半導体薄膜と、前記非単結晶半導体薄膜の上に設けられたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜を介して前記非単結晶半導体薄膜の上に設けられたゲート電極とを具備するトップゲート型の薄膜トランジスタであって、
    前記非単結晶半導体薄膜は、
    レーザ光の照射により結晶化される際に、前記非単結晶半導体薄膜が均一光学系の焦点位置からデフォーカスした位置になるように、前記絶縁基板を支持する移動ステージが前記均一光学系に対して位置合わせされ、マスクパターンと前記デフォーカス量とによりレーザ光の光強度分布における逆ピークパターンの形状と幅が制御され、
    照射領域において単調増加および単調減少を周期的に繰り返し、
    前記非単結晶半導体薄膜を照射する前記レーザ光が単調増加および単調減少を周期的に繰り返す光強度分布を有し、前記光強度分布が単調増加波形から単調減少波形へと切換わる切換え部が、勾配を有する波形で、かつ平坦部を有しない波形であり、
    前記切換え部のうち光強度の最小値は前記非単結晶半導体薄膜を溶融させて横方向に結晶化を開始する光強度と等しいか又はそれを上回り、
    前記切換え部のうち光強度の最大値は横方向に成長した結晶粒に破壊を生じる光強度を下回り、かつ、前記非単結晶半導体薄膜を溶融させる光強度分布を有するレーザ光を前記絶縁基板上の非単結晶半導体膜に照射し、前記非単結晶半導体薄膜を溶融させ、多数の微結晶を生じさせることなく結晶を横方向にラテラル成長させた大粒径の結晶粒を含むことを特徴とする薄膜トランジスタ。
  11. 絶縁基板上に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極の上に設けられたゲート絶縁膜と、ソース、ドレイン、チャネル領域を含み、前記ゲート絶縁膜を介して前記ゲート電極を覆うように設けられた非単結晶半導体薄膜とを具備するボトムゲート型の薄膜トランジスタであって、
    前記非単結晶半導体薄膜は、
    レーザ光の照射により結晶化される際に、前記非単結晶半導体薄膜が均一光学系の焦点位置からデフォーカスした位置になるように、前記絶縁基板を支持する移動ステージが前記均一光学系に対して位置合わせされ、マスクパターンと前記デフォーカス量とによりレーザ光の光強度分布における逆ピークパターンの形状と幅が制御され、
    照射領域において単調増加および単調減少を周期的に繰り返し、前記非単結晶半導体薄膜を照射する前記レーザ光が単調増加および単調減少を周期的に繰り返す光強度分布を有し、前記光強度分布が単調増加波形から単調減少波形へと切換わる切換え部が、勾配を有する波形で、かつ平坦部を有しない波形であり、
    前記切換え部のうち光強度の最小値は前記非単結晶半導体薄膜を溶融させて横方向に結晶化を開始する光強度と等しいか又はそれを上回り、
    前記切換え部のうち光強度の最大値は横方向に成長した結晶粒に破壊を生じる光強度を下回り、かつ、非単結晶半導体薄膜を溶融させる光強度分布を有するレーザ光を前記絶縁基板上の非単結晶半導体膜に照射し、前記非単結晶半導体薄膜を溶融させ、多数の微結晶を生じさせることなく結晶を横方向にラテラル成長させた大粒径の結晶粒を含むことを特徴とする薄膜トランジスタ。
  12. 所定の間隙を介して互いに接合した一対の基板と、該間隙に保持された電気光学物質とを有し、一方の基板には対向電極を形成し、他方の基板には画素電極及びこれを駆動する非単結晶半導体薄膜で形成される表示装置であって、
    前記非単結晶半導体薄膜は、
    レーザ光の照射により結晶化される際に、前記非単結晶半導体薄膜が均一光学系の焦点位置からデフォーカスした位置になるように、前記絶縁基板を支持する移動ステージが前記均一光学系に対して位置合わせされ、マスクパターンと前記デフォーカス量とによりレーザ光の光強度分布における逆ピークパターンの形状と幅が制御され、
    照射領域において単調増加および単調減少を周期的に繰り返し、前記非単結晶半導体薄膜を照射する前記レーザ光が単調増加および単調減少を周期的に繰り返す光強度分布を有し、前記光強度分布が単調増加波形から単調減少波形へと切換わる切換え部が、勾配を有する波形で、かつ平坦部を有しない波形であり、
    前記切換え部のうち光強度の最小値は前記非単結晶半導体薄膜を溶融させて横方向に結晶化を開始する光強度と等しいか又はそれを上回り、
    前記切換え部のうち光強度の最大値は横方向に成長した結晶粒に破壊を生じる光強度を下回り、かつ、該半導体薄膜を溶融させる光強度分布を有するレーザ光を前記絶縁基板上の非単結晶半導体膜に照射し、前記非単結晶半導体薄膜を溶融させ、多数の微結晶を生じさせることなく結晶を横方向にラテラル成長させた大粒径の結晶粒を含むことを特徴とする表示装置。
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