JP2010260952A - 多孔質体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリ乳酸の多孔質体であり、多孔質体の平均孔径が比較的小さく、連続孔であり、厚みがある多孔質体を提供する。
【解決手段】主成分としてポリ乳酸を含む多孔質体であって、前記多孔質体は、平均孔径0.1〜3.8μmの連続孔を有し、前記孔の骨格径は、0.1〜3.8μmであり、かつ、多孔質体の厚みが3mm以上である。この多孔質体は、結晶性であるのが好ましい。この多孔質体は、例えば、ポリ乳酸を加熱して特定な溶媒に溶解させて溶液を得、その溶液を冷却して析出した成形体を得、その成形体を水に浸漬して得ることができる。この特定な溶媒は、水と、ポリ乳酸が可溶な有機溶媒と、ポリ乳酸が不溶な有機溶媒とを特定な割合で含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、主成分としてポリ乳酸を含む多孔質体に関する。
多孔質体は分離剤、吸着剤等として多方面で多く用いられている。この多孔質体の孔の連続性および平均孔径は、用途や物性に密接に関連することから、所望の特性を有する多孔質体が求められている。この多孔質体としてはモノマー、例えばビニルモノマーの懸濁重合時に適当な希釈剤を添加し、多孔質体を得る方法が知られている。ただしこのビニルモノマーを原料とする方法によれば、得られる多孔質体の孔の平均孔径を制御することが容易ではない。また、多孔質体の製造方法として、アクリル酸エステルのホモポリマー等を、水と相互に混和性であり、かつ水を除く、ポリマーに対する貧溶媒と、水とを含む液体に加熱して溶解させ、冷却時にその溶液から析出した成形体を分離し、乾燥するとポリマーの多孔質体が得られる方法が報告されている(例えば特許文献1参照)。
ポリ乳酸はバイオマスから製造される環境に調和した材料として注目されており、優れた生分解性を有する。このポリ乳酸を多孔質材料として、ポリ乳酸を含水1,4−ジオキサンに溶解させ、その溶液を固化させて多孔質膜を作製し、水で洗浄する方法が知られている(例えば非特許文献1参照)。また、ポリ乳酸フィルムを延伸することにより、多孔質膜を得る方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。また、ポリ乳酸を発泡させて多孔質体を得る方法も知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開2009−30017号公報 特開平8−176331号公報 特開2009−68021号公報
Takaaki Tanakaら、Journal of Membrane Science, 2004, 238, p.65-73.
しかしながら含水1,4−ジオキサンを用いる方法によれば、多孔質膜の平均孔径は5〜10μmと比較的大きい。さらに、含水1,4−ジオキサンを用いる方法およびポリ乳酸フィルムを延伸する方法によれば、得られるものは多孔質膜であり、厚みのある多孔質成形体ではない。また、発泡を用いる方法によれば、得られる多孔質体は不連続孔である。多孔質体が不連続孔である場合、前記のような分離剤、吸着剤等としての用途には不向きであり、用途が限定される。そこで本発明は、ポリ乳酸の多孔質体であり、多孔質体の平均孔径が比較的小さく、連続孔であり、厚みがある多孔質体を提供することを目的とする。
本発明は、主成分としてポリ乳酸を含む多孔質体であって、前記多孔質体は、平均孔径0.1〜3.8μmの連続孔を有し、前記孔の骨格径は、0.1〜3.8μmであり、かつ、多孔質体の厚みが3mm以上である。
本発明により、多孔質体の平均孔径が比較的小さく、連続孔であり、厚みがある多孔質体を提供することが可能である。
図1(a)は実施例1で得られたPLLA多孔質体のSEM写真、図1(b)は図1(a)の拡大図である。 図2(a)は実施例2で得られたPLLA多孔質体のSEM写真、図2(b)は図2(a)の拡大図である。 図3(a)は実施例3で得られたPLLA多孔質体のSEM写真、図3(b)は図3(a)の拡大図である。 図4(a)は比較例1で得られたPLLA多孔質体のSEM写真、図4(b)は図4(a)の拡大図である。 図5(a)は比較例2で得られたPLLA多孔質体のSEM写真、図5(b)は図5(a)の拡大図である。 図6(a)は比較例4で得られたPLLA成形体のSEM写真、図6(b)は図6(a)の拡大図である。 図7(a)は参考例2で得られたPLLA成形体のSEM写真、図7(b)は図7(a)の拡大図である。 図8(a)は参考例3で得られたPLLA成形体のSEM写真、図8(b)は図8(a)の拡大図である。 図9(a)は実施例4で得られたPLLA多孔質体のSEM写真、図9(b)は図9(a)の拡大図である。 図10(a)は参考例4で得られたPLLA多孔質体のSEM写真、図10(b)は図10(a)の拡大図である。 図11(a)は実施例5で得られたPLLA多孔質体のSEM写真、図11(b)は図11(a)の拡大図である。 図12(a)は実施例6で得られたPLLA多孔質体のSEM写真、図12(b)は図12(a)の拡大図である。 図13(a)は実施例7で得られたPLLA多孔質体のSEM写真、図13(b)は図13(a)の拡大図である。 図14(a)は実施例8で得られたPLLA多孔質体のSEM写真、図14(b)は図14(a)の拡大図である。 図15(a)は実施例9で得られたPLLA多孔質体のSEM写真、図15(b)は図15(a)の拡大図である。 図16(a)は、実施例10のエントリー1で得られたPLLA多孔質体のSEM写真である。 図16(b)は、実施例10のエントリー2で得られたPLLA多孔質体のSEM写真である。 図16(c)は、実施例10のエントリー3で得られたPLLA多孔質体のSEM写真である。 図16(d)は、実施例10のエントリー4で得られたPLLA多孔質体のSEM写真である。 図17(a)は実施例11のエントリー1で得られたPLLA多孔質体のSEM写真、図17(b)は図17(a)の拡大図である。 図18(a)は実施例11のエントリー2で得られたPLLA多孔質体のSEM写真、図18(b)は図18(a)の拡大図である。 図19(a)は実施例11のエントリー3で得られたPLLA多孔質体のSEM写真、図19(b)は図19(a)の拡大図である。 図20(a)は実施例12のエントリー1で得られたPLLA多孔質体のSEM写真、図20(b)は図20(a)の拡大図である。 図21(a)は実施例12のエントリー2で得られたPLLA多孔質体のSEM写真、図21(b)は図21(a)の拡大図である。 図22(a)は実施例12のエントリー3で得られたPLLA多孔質体のSEM写真、図22(b)は図22(a)の拡大図である。 図23(a)は実施例12のエントリー5で得られたPLLA多孔質体のSEM写真、図23(b)は図23(a)の拡大図である。 図24(a)は実施例12のエントリー6で得られたPLLA多孔質体のSEM写真、図24(b)は図24(a)の拡大図である。 図25(a)は実施例12のエントリー9で得られたPLLA多孔質体のSEM写真、図25(b)は図25(a)の拡大図である。
本発明におけるポリ乳酸としては、ポリL−乳酸、ポリD−乳酸またはポリDL−乳酸である。ポリ乳酸の光学純度は好ましくは95%以上であり、より好ましくは96%以上であり、さらに好ましくは97%以上である。ポリ乳酸の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは3万以上であり、より好ましくは5万以上であり、さらに好ましくは8万以上である。ポリ乳酸は市販のポリ乳酸を入手してもよいし、文献公知の方法に従い、自家製造してもよい。
本発明の多孔質体は、平均孔径が0.1〜3.8μm、好ましくは0.3〜3.5μm、より好ましくは0.3〜3.2μmの連続孔を有する。平均孔径は、走査電子顕微鏡を用いて撮影した画像より求めることができる。なお、孔が連続孔であることは、複数の多孔質体サンプルのSEM写真において、孔の形状が同一または類似の形状であることから推測できる。
本発明の多孔質体の孔の骨格径は0.1〜3.8μm、好ましくは0.18〜2.5μm、より好ましくは0.2〜2μmである。骨格径は、走査電子顕微鏡を用いて撮影した画像より求めることができる。
本発明の多孔質体は、膜より厚みがある。この多孔質体の形状は限定されないが、この多孔質体の縦横高さの3つの方向のうち、最も短いものを便宜的に厚みと呼ぶ。本発明の多孔質体の厚みは、3mm以上、好ましくは4mm以上、より好ましくは5mm以上である。本発明の多孔質体は、結晶性であるのが好ましい。
本発明の多孔質体は、例えば、以下の方法により製造することができる。具体的には、ポリ乳酸を40〜100℃で加熱して溶媒に溶解させてポリ乳酸溶液を得、前記ポリ乳酸溶液を−20〜30℃で5分〜3時間冷却すると成形体が析出し、その成形体を溶液から取り出し、次いで水に浸漬して成形体に含まれる溶媒を水と置換し、主成分としてポリ乳酸を含む多孔質体を得る工程を含む。前記溶媒は、水と、ポリ乳酸が可溶な有機溶媒と、ポリ乳酸が不溶な有機溶媒とを含み、前記ポリ乳酸が可溶な有機溶媒は、1,4−ジオキサンであり、前記ポリ乳酸が不溶な有機溶媒は、トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルアセトアミドおよび水酸基を1以上有する炭素原子数が1〜8の脂肪族炭化水素を含む脂肪族アルコールからなる群から選択される1以上であり、前記溶媒を100体積%とする場合、水の含有量が、0.6〜35体積%であり、前記ポリ乳酸が可溶な有機溶媒と前記ポリ乳酸が不溶な有機溶媒の合計を100体積%とする場合、前記ポリ乳酸が可溶な有機溶媒の含有量が、7〜50体積%であり、前記ポリ乳酸溶液におけるポリ乳酸の濃度が、30〜120mg/mlである製造方法(以下、製造方法Aと呼ぶ)、
ポリ乳酸を40〜100℃で加熱して溶媒に溶解させてポリ乳酸溶液を得、前記ポリ乳酸溶液を−20〜30℃で5分〜3時間冷却して析出した成形体を得、前記成形体を水に浸漬して前記溶媒を水と置換し、主成分としてポリ乳酸を含む多孔質体を得る工程を含み、前記溶媒が、水と、ポリ乳酸が可溶な有機溶媒と、ポリ乳酸が不溶な有機溶媒とを含み、前記ポリ乳酸が可溶な有機溶媒は、ジメチルスルホキシドであり、前記ポリ乳酸が不溶な有機溶媒は、トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルアセトアミドおよび水酸基を1以上有する炭素原子数が1〜8の脂肪族炭化水素を含む脂肪族アルコールからなる群から選択される1以上であり、前記溶媒を100体積%とする場合、水の含有量が、2〜20体積%であり、前記ポリ乳酸が可溶な有機溶媒と前記ポリ乳酸が不溶な有機溶媒の合計を100体積%とする場合、前記ポリ乳酸が可溶な有機溶媒の含有量が、10〜18または30〜50体積%であり、前記ポリ乳酸溶液におけるポリ乳酸の濃度が、30〜150mg/mlである製造方法(以下、製造方法Bと呼ぶ)である。
製造方法AおよびBについて、以下に説明する。まず、両製造方法は、(1)ポリ乳酸を40〜100℃で加熱して溶媒に溶解させてポリ乳酸溶液を得、(2)前記ポリ乳酸溶液を−20〜30℃で5分〜3時間冷却すると成形体が析出し、(3)前記成形体を溶液から取り出し、次いで水に浸漬して成形体に含まれる溶媒を水と置換し、主成分としてポリ乳酸を含む多孔質体を得る工程を含む。
(1)ポリ乳酸を40〜100℃で加熱して溶媒に溶解させてポリ乳酸溶液を得る工程
この工程で用いるポリ乳酸は、前記のとおりである。ポリ乳酸を溶媒に溶解させる際、物理的刺激を与えて行ってもよい。その物理的刺激としては、例えば、攪拌、振とう、超音波処理等が挙げられる。
前記溶媒は、水と、ポリ乳酸が可溶な有機溶媒と、ポリ乳酸が不溶な有機溶媒とを含む。ポリ乳酸が可溶な有機溶媒は、製造方法Aにおいては1,4−ジオキサンである。前記ポリ乳酸が不溶な有機溶媒は、製造方法Aにおいては、トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルアセトアミドおよび水酸基を1以上有する炭素原子数が1〜8の脂肪族炭化水素を含む脂肪族アルコールからなる群から選択される1以上、好ましくはアセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、イソプロパノール、プロパノールおよびジメチルアセトアミドからなる群から選択される1以上、より好ましくはアセトン、ジメチルホルムアミドおよびイソプロパノールからなる群から選択される1以上である。また、前記溶媒を100体積%とする場合、水の含有量が、0.6〜35体積%であり、前記ポリ乳酸が可溶な有機溶媒と前記ポリ乳酸が不溶な有機溶媒の合計を100体積%とする場合、前記ポリ乳酸が可溶な有機溶媒の含有量が、7〜50体積%である。得られるポリ乳酸溶液におけるポリ乳酸の濃度は、30〜120mg/mlである。このような溶媒にこのような濃度のポリ乳酸溶液を得る製造方法Aの場合、平均孔径0.1〜3.8μmの連続孔を有し、前記孔の骨格径は、0.1〜3.8μmであり、かつ、多孔質体の厚みが3mm以上である多孔質体を得ることができる。
また、製造方法Aにおいて、前記ポリ乳酸が不溶な有機溶媒が、アセトン、ジメチルホルムアミド、イソプロパノールであり、前記溶媒を100体積%とする場合、水の含有量が、0.6〜30体積%であり、前記ポリ乳酸が可溶な有機溶媒と前記ポリ乳酸が不溶な有機溶媒の合計を100体積%とする場合、前記ポリ乳酸が可溶な有機溶媒の含有量が、10〜45体積%であり、得られるポリ乳酸溶液におけるポリ乳酸の濃度は、38〜110mg/mlで製造方法Aを行うと、平均孔径0.30〜0.95μmの連続孔を有し、前記孔の骨格径は、0.23〜1.0μmであり、かつ、多孔質体の厚みが3mm以上である多孔質体を得ることができる。
また、ポリ乳酸が可溶な有機溶媒は、製造方法Bにおいてはジメチルスルホキシドである。前記ポリ乳酸が不溶な有機溶媒は、製造方法Bにおいては、トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルアセトアミドおよび水酸基を1以上有する炭素原子数が1〜8の脂肪族炭化水素を含む脂肪族アルコールからなる群から選択される1以上、好ましくはアセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドからなる群から選択される1以上、より好ましくはジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドからなる群から選択される1以上である。また、前記溶媒を100体積%とする場合、水の含有量が、2〜20体積%であり、前記ポリ乳酸が可溶な有機溶媒と前記ポリ乳酸が不溶な有機溶媒の合計を100体積%とする場合、前記ポリ乳酸が可溶な有機溶媒の含有量が、10〜18または30〜50体積%である。得られるポリ乳酸溶液におけるポリ乳酸の濃度は、30〜150mg/mlである。このような溶媒にこのような濃度のポリ乳酸溶液を得る製造方法Bの場合、平均孔径0.1〜3.8μmの連続孔を有し、前記孔の骨格径は、0.1〜3.8μmであり、かつ、多孔質体の厚みが3mm以上である多孔質体を得ることができる。
また、製造方法Bにおいては、前記ポリ乳酸が不溶な有機溶媒が、ジメチルホルムアミドであり、前記溶媒を100体積%とする場合、水の含有量が、4〜14体積%であり、前記ポリ乳酸が可溶な有機溶媒と前記ポリ乳酸が不溶な有機溶媒の合計を100体積%とする場合、前記ポリ乳酸が可溶な有機溶媒の含有量が、10〜18体積%であり、得られるポリ乳酸溶液におけるポリ乳酸の濃度は、43〜100mg/mlで製造方法Bを行うと、平均孔径0.3〜0.9μmの連続孔を有し、前記孔の骨格径は0.2〜1.1μmであり、かつ、多孔質体の厚みが3mm以上である多孔質体を得ることができる。
前記水酸基を1以上有する炭素原子数が1〜8の脂肪族炭化水素を含む脂肪族アルコールとしては、好ましくは水酸基を1〜3有する炭素原子数が1〜6の脂肪族炭化水素を含む脂肪族アルコール、より好ましくは水酸基を1有する炭素原子数が1〜3の脂肪族炭化水素を含む脂肪族アルコールが挙げられる。具体的には、前記脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、t−アミルアルコール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、n−オクタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、2−エトキシエタノール、2−メトキシエタノール等が挙げられる。
(2)前記ポリ乳酸溶液を−20〜30℃で5分〜3時間冷却すると成形体が析出する工程
工程(1)で得たポリ乳酸溶液を、−20〜30℃で5分〜3時間冷却すると、成形体が析出する。
(3)前記成形体を溶液から取り出し、次いで水に浸漬して成形体に含まれる溶媒を水と置換し、主成分としてポリ乳酸を含む多孔質体を得る工程
工程(2)で得た成形体を溶液から取り出し、水に浸漬する。浸漬することにより、成形体中に含まれている前記溶媒が、水と置き換えられる。
工程(3)の後、得られた多孔質体を乾燥してもよい。前記乾燥は、例えば20〜80℃、好ましくは20〜60℃で行う。また、前記乾燥は、例えば減圧〜常圧、好ましくは減圧で行う。
本発明の多孔質体は、前記のようにポリ乳酸からなり、前記多孔質体は、平均孔径0.1〜3.8μmの連続孔を有し、前記孔の骨格径は、0.1〜3.8μmであり、かつ、多孔質体の厚みが3mm以上である。従って、このような多孔質体は、例えば分離材、メディカル材料、電池用セパレータ、多孔質絶縁材料、通気・透湿防水性材料、抗菌性多孔質材料、消臭・脱臭シート、吸着剤、細胞培養用足場、超音波センサの基板材料等として、用いることができる。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は、以下の実施例により限定されない。
本明細書の記載において、以下の略語を使用する。
PLLA:ポリL−乳酸
DMF:ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
本明細書において、測定機器は以下の機器を用いた。
SEM:日立S−3000N(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)
GPC:分子量はポリスチレン換算分子量である。測定装置としては、TOSOH DP-8020 pump(東ソー株式会社製)、TOSOH RI-8020 RI detector(東ソー株式会社製)、TOSOH SD-8020 degasser(東ソー株式会社製)、TOSOH CO-8020 Column oven(東ソー株式会社製)、TOSOH AS-8020 autosampler(東ソー株式会社製)で構成されており、TOSOH TSK gel GMH-M(東ソー株式会社製)とTOSOH TSK gel GMH-N(東ソー株式会社製)の2つのカラムをつなぎ、40℃で、移動層にクロロホルムを用いた。
DSC: SII EXSTAR DSC6220(セイコーインスツル株式会社製)
本明細書において平均孔径および骨格径は、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影した画像より求めた。
(参考例A)PPLA(Mw=55,000)の製造
すり付きフラスコにL、L−ラクチドと1―オクタノール(L、L−ラクチドに対し、モル比0.1mol%)、オクチル酸スズ(L、L−ラクチドに対し、モル比0.1mol%)を入れ、三方コックを取り付け、アルゴン置換を行った。続いて、160℃で3時間加熱攪拌し、130℃で5時間静置し、更に1時間、減圧下で加熱した。その後、室温に冷却し、生成物を少量のジクロロメタンに溶解した。得られた溶液を多量のメタノールに加えると粉末のポリマーが析出した。この粉末を吸引ろ過により単離し、減圧下、乾燥することにより、ポリ乳酸を得た。
[実施例1]
PLLA(Mw114,000、Nature Works社製、光学純度98%以上、100mg)を1,4−ジオキサン(0.30mL)、アセトン(1.40mL)および水(0.20mL)の混合物に65℃で加熱して溶解させてPLLA溶液(濃度52.6mg/mL)を得た。このPLLA溶液をサンプル管(マルエム製サンプル管No.2、内径16mm、高さ40mm)内において20℃で2時間冷却すると成形体が析出した。この成形体(寸法:直径16mm、厚み8.9mmの略円柱状)を溶液から取り出し、水(10mL)に浸漬し、3時間毎に二回水を取り換えた。その後、18時間水に浸漬してから、成形体を水から取り出した。その成形体を減圧下、25℃で24時間乾燥してPLLAの多孔質体(寸法:直径16mm、厚み8.9mmの略円柱状)を得た。得られた多孔質体のSEM写真を図1(a)および図1(b)に示す。また、得られた多孔質体の骨格径および平均孔径を表1に示す。
[実施例2]
1,4−ジオキサン(0.30mL)、アセトン(1.40mL)および水(0.20mL)の混合物を用いる代わりに、1,4−ジオキサン(0.30mL)、アセトン(1.80mL)および水(0.14mL)の混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして多孔質体(寸法:半径16mm、厚み10.4mmの略円柱状)を得た。得られた多孔質体のSEM写真を図2(a)および図2(b)に示す。また、得られた多孔質体の骨格径および平均孔径を表1に示す。
[実施例3]
1,4−ジオキサン(0.30mL)、アセトン(1.40mL)および水(0.20mL)の混合物を用いる代わりに、1,4−ジオキサン(0.30mL)、アセトン(2.20mL)および水(0.06mL)の混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして多孔質体(寸法:半径16mm、厚み11.8mmの略円柱状)を得た。得られた多孔質体のSEM写真を図3(a)および図3(b)に示す。また、得られた多孔質体の骨格径および平均孔径を表1に示す。
[比較例1]
1,4−ジオキサン(0.30mL)、アセトン(1.40mL)および水(0.20mL)の混合物を用いる代わりに、1,4−ジオキサン(0.785mL)および水(0.117mL)の混合物を用い、0℃で24時間冷却を行った以外は、実施例1と同様にして多孔質体(寸法:直径16mm、厚み4.4mmの略円柱状)を得た。得られた多孔質体のSEM写真を図4(a)および図4(b)に示す。また、得られた多孔質体の骨格径および平均孔径を表1に示す。
[比較例2]
1,4−ジオキサン(0.30mL)、アセトン(1.40mL)および水(0.20mL)の混合物を用いる代わりに、1,4−ジオキサン(1.96mL)および水(0.29mL)の混合物を用いた以外は、比較例1と同様にして多孔質体(寸法:直径16mm、厚み9.6mmの略円柱状)を得た。得られた多孔質体のSEM写真を図5(a)および図5(b)に示す。また、得られた多孔質体の骨格径および平均孔径を表1に示す。
[比較例3]
PLLA(Mw114,000、Nature Works社製、光学純度98%以上、100mg)を1,4−ジオキサン(1.70mL)および水(0.30mL)の混合物に65℃で加熱して溶解させてPLLA溶液(濃度50mg/mL)を得た。このPLLA溶液をサンプル管(マルエム製サンプル管No.2、内径16mm、高さ40mm)内において20℃で2時間冷却すると成形体が析出した。この成形体を溶液から取り出し、水(10mL)に浸漬したところ、成形体が著しく収縮・変形し、取りだした成形体の形状を維持した多孔質の成形体が得られなかった。
[比較例4]
PLLA(Mw114,000、Nature Works社製、光学純度98%以上、100mg)を1,4−ジオキサン(0.10mL)およびアセトン(1.40mL)の混合物に65℃で加熱して溶解させてPLLA溶液(濃度67mg/mL)を得た。このPLLA溶液をサンプル管(マルエム製サンプル管No.2、内径16mm、高さ40mm)内において20℃で2時間冷却すると成形体が析出した。この成形体を溶液から取り出し、水(10mL)に浸漬し、3時間毎に二回水を取り換えた。その後、18時間水に浸漬してから、成形体を水から取り出した。その成形体を減圧下、25℃で24時間乾燥したところ、成形体が収縮した。得られた成形体(寸法:直径11mm、厚み5.6mmの略円柱状)のSEM写真を図6(a)および図6(b)に示す。図6(a)および図6(b)に示すように、骨格が乱雑で、孔数が少ない構造の多孔質体が生成したことがわかる。これは乾燥時の収縮によるものと考えられる。
[参考例1]
PLLA(Mw114,000、Nature Works社製、光学純度98%以上、100mg)を1,4−ジオキサン(0.30mL)、アセトン(0.60mL)および水(0.36mL)の混合物に65℃で加熱して溶解させてPLLA溶液(濃度79mg/mL)を得た。このPLLA溶液をサンプル管(マルエム製サンプル管No.2、内径16mm、高さ40mm)内において20℃で2時間冷却すると成形体が析出した。この成形体を溶液から取り出し、水(10mL)に浸漬したところ、成形体が著しく収縮・変形し、取りだした成形体の形状を維持した多孔質の成形体が得られなかった。
[参考例2]
1,4−ジオキサン(0.30mL)、アセトン(1.40mL)および水(0.20mL)の混合物を用いる代わりに、1,4−ジオキサン(0.30mL)、アセトン(1.00mL)および水(0.30mL)の混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして成形体を得た。得られた成形体のSEM写真を図7(a)および図7(b)に示す。図7(a)および図7(b)より連続孔構造が形成されていないことがわかる。
[参考例3]
1,4−ジオキサン(0.30mL)、アセトン(1.40mL)および水(0.20mL)の混合物を用いる代わりに、1,4−ジオキサン(0.30mL)、アセトン(2.60mL)および水(0.06mL)の混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして成形体を得た。得られた成形体のSEM写真を図8(a)および図8(b)に示す。図8(a)および図8(b)より連続孔構造が形成されていないことがわかる。
Figure 2010260952
前記表1に示すように、実施例1〜3、比較例1〜4および参考例1〜3の結果から、本発明の製造方法によれば、本発明の多孔質体が得られることが確認できた。
[実施例4]
PLLA(Mw114,000、Nature Works社製、光学純度98%以上、100mg)を1,4−ジオキサン(0.42mL)、DMF(1.80mL)および水(0.35mL)の混合物に75℃で加熱して溶解させてPLLA溶液(濃度38.9mg/mL)を得た。このPLLA溶液をサンプル管(マルエム製サンプル管No.2、内径16mm、高さ40mm)内において20℃で2時間冷却すると成形体が析出した。この成形体を溶液から取り出し、水(10mL)に浸漬し、3時間毎に二回水を取り替えた。その後、18時間水に浸漬してから成形体を水から取り出した。その成形体を減圧下、25℃で24時間乾燥してPLLAの多孔質体(寸法:半径16mm、厚み11.8mmの略円柱状)を得た。得られた多孔質体のSEM写真を図9(a)および図9(b)に示す。また、得られた多孔質体の骨格径および平均孔径を表2に示す。
[参考例4]
1,4−ジオキサン(0.42mL)、DMF(1.80mL)および水(0.35mL)の混合物を用いる代わりに、1,4−ジオキサン(0.20mL)、DMF(0.60mL)および水(0.30mL)の混合物を用いた以外は、実施例4と同様にして多孔質体(寸法:半径16mm、厚み5.4mmの略円柱状)を得た。得られた多孔質体のSEM写真を図10(a)および図10(b)に示す。図10(a)および図10(b)より連続孔構造が形成されていないことがわかる。
Figure 2010260952
前記表2に示すように、実施例4および参考例4の結果から、本発明の製造方法によれば、本発明の多孔質体が得られることが確認できた。
[実施例5]
PLLA(Mw114,000、Nature Works社製、光学純度98%以上、100mg)を1,4−ジオキサン(0.50mL)、イソプロパノール(0.70mL)および水(0.01mL)の混合物に75℃で加熱して溶解させてPLLA溶液(濃度82.6mg/mL)を得た。このPLLA溶液をサンプル管(マルエム製サンプル管No.2、内径16mm、高さ40mm)内において20℃で2時間冷却すると成形体が析出した。この成形体を溶液から取り出し、水(10mL)に浸漬し、3時間毎に二回水を取り換えた。その後、18時間水に浸漬してから、成形体を水から取り出した。その成形体を減圧下、25℃で24時間乾燥してPLLAの多孔質体(寸法:半径16mm、厚み5.9mmの略円柱状)を得た。得られた多孔質体のSEM写真を図11(a)および図11(b)に示す。また、得られた多孔質体の骨格径および平均孔径を表3に示す。
Figure 2010260952
前記表3に示すように、実施例5の結果から、本発明の製造方法によれば、本発明の多孔質体が得られることが確認できた。
[実施例6]
PLLA(Mw114,000、Nature Works社製、光学純度98%以上、100mg)をDMSO(0.50mL)、DMF(0.50mL)および水(0.05mL)の混合物に95℃で加熱して溶解させてPLLA溶液(濃度95.2mg/mL)を得た。このPLLA溶液をサンプル管(マルエム製サンプル管No.2、内径16mm、高さ40mm)内において20℃で2時間冷却すると成形体が析出した。この成形体を溶液から取り出し、水(10mL)に浸漬し、3時間毎に二回水を取り換えた。その後、18時間水に浸漬してから、成形体を水から取り出した。その成形体を減圧下、25℃で24時間乾燥してPLLAの多孔質体(寸法:半径16mm、厚み5.2mmの略円柱状)を得た。得られた多孔質体のSEM写真を図12(a)および図12(b)に示す。また、得られた多孔質体の骨格径および平均孔径を表4に示す。
[実施例7]
DMSO(0.50mL)、DMF(0.50mL)および水(0.05mL)の混合物を用いる代わりに、DMSO(0.50mL)、DMF(1.00mL)および水(0.15mL)の混合物を用いた以外は、実施例6と同様にして多孔質体(寸法:半径16mm、厚み7.8mmの略円柱状)を得た。得られた多孔質体のSEM写真を図13(a)および図13(b)に示す。また、得られた多孔質体の骨格径および平均孔径を表4に示す。
[実施例8]
DMSO(0.50mL)、DMF(0.50mL)および水(0.05mL)の混合物を用いる代わりに、DMSO(0.30mL)、DMF(0.70mL)および水(0.05mL)の混合物を用いた以外は、実施例6と同様にして多孔質体(寸法:半径16mm、厚み5.2mmの略円柱状)を得た。得られた多孔質体のSEM写真を図14(a)および図14(b)に示す。また、得られた多孔質体の骨格径および平均孔径を表4に示す。
[実施例9]
DMSO(0.50mL)、DMF(0.50mL)および水(0.05mL)の混合物を用いる代わりに、DMSO(0.30mL)、DMF(1.70mL)および水(0.30mL)の混合物を用いた以外は、実施例6と同様にして多孔質体(寸法:半径16mm、厚み10.7mmの略円柱状)を得た。得られた多孔質体のSEM写真を図15(a)および図15(b)に示す。また、得られた多孔質体の骨格径および平均孔径を表4に示す。
[参考例5]
PLLA(Mw114,000、Nature Works社製、光学純度98%以上、100mg)をDMSO(0.50mL)、DMF(1.50mL)および水(0.20mL)の混合物に95℃で加熱して溶解させてPLLA溶液(濃度45.5mg/mL)を得た。このPLLA溶液をサンプル管(マルエム製サンプル管No.2、内径16mm、高さ40mm)内において20℃で2時間冷却すると成形体が析出した。この成形体を溶液から取り出し、水(10mL)に浸漬したところ、成形体が著しく収縮・変形し、取りだした成形体の形状を維持した多孔質の成形体が得られなかった。
[参考例6]
PLLA(Mw114,000、Nature Works社製、光学純度98%以上、100mg)をDMSO(0.50mL)、DMF(2.00mL)および水(0.42mL)の混合物に95℃で加熱して溶解させてPLLA溶液(濃度34.2mg/mL)を得た。このPLLA溶液をサンプル管(マルエム製サンプル管No.2、内径16mm、高さ40mm)内において20℃で2時間冷却すると成形体が析出した。この成形体を溶液から取り出し、水(10mL)に浸漬したところ、成形体が著しく収縮・変形し、取りだした成形体の形状を維持した多孔質の成形体が得られなかった。
Figure 2010260952
前記表4に示すように、実施例6〜9および参考例5〜6の結果から、本発明の製造方法によれば、本発明の多孔質体が得られることが確認できた。
[実施例10:溶媒の組成比と骨格径との関係]
PLLA(Mw114,000、Nature Works社製、光学純度98%以上、100mg)を1,4−ジオキサン、アセトンおよび水の混合物(2mL)に60℃で加熱して溶解させてPLLA溶液(濃度50mg/mL)を得た。このPLLA溶液をサンプル管(マルエム製サンプル管No.2、内径16mm、高さ40mm)内において20℃で2時間冷却すると成形体が析出した。この成形体を溶液から取り出し、水(10mL)に浸漬し、3時間毎に二回水を取り換えた。その後、18時間水に浸漬してから、成形体を水から取り出した。その成形体を減圧下、25℃で6時間乾燥してPLLAの多孔質体(寸法:半径16mm、厚み9.3mmの略円柱状)を得た。溶媒の組成比と得られた多孔質体の骨格径および平均孔径を表5に示す。また、エントリー1で得られた多孔質体のSEM写真を図16(a)に、エントリー2で得られた多孔質体のSEM写真を図16(b)に示す。エントリー3で得られた多孔質体のSEM写真を図16(c)に、エントリー4で得られた多孔質体のSEM写真を図16(d)に示す。
Figure 2010260952
前記表5に示すように、エントリー1〜4の結果から、本発明の製造方法の製造方法A法において、水の含有量および1,4−ジオキサンの含有量の両方を増加させることにより得られる多孔質体の平均孔径を小さくできることが確認できた。
[実施例11:冷却速度と骨格径との関係]
PLLA(Mw114,000、Nature Works社製、光学純度98%以上、100mg)を1,4−ジオキサン(0.30mL)、アセトン(1.40mL)および水(0.20mL)の混合物(1.90mL)に60℃で加熱して溶解させてPLLA溶液(52.6mg/mL)を得た。このPLLA溶液をサンプル管(マルエム製サンプル管No.2、内径16mm、高さ40mm)内において2時間冷却すると成形体が析出した。この成形体を溶液から取り出し、水(10mL)に浸漬し、3時間毎に二回水を取り換えた。その後、18時間水に浸漬してから、成形体を水から取り出した。その成形体を減圧下、25℃で24時間乾燥してPLLAの多孔質体(寸法:半径16mm、厚み8.9mmの略円柱状)を得た。冷却温度と得られた多孔質体の骨格径および平均孔径を表6に示す。また、エントリー1〜3で得られた多孔質体のSEM写真を図17〜19にそれぞれ示す。
Figure 2010260952
前記表6に示すように、エントリー1〜3の結果から、本発明の製造方法において冷却温度が低いほど骨格径が小さくなることが確認でき、冷却温度が40℃の場合には連続孔構造が形成されないことが確認できた。
[実施例12:ポリ乳酸分子量および濃度と骨格径との関係]
PLLA(Mw114,000、Nature Works社製、光学純度98%以上、エントリー1〜3は100mg:Mw55,000、参考例Aで製造、エントリー4〜6は100mg、エントリー7〜9は200mg)を1,4−ジオキサン、アセトンおよび水の混合物に65℃で加熱して溶解させてPLLA溶液を得た。このPLLA溶液をサンプル管(マルエム製サンプル管No.2、内径16mm、高さ40mm)内において20℃で2時間冷却すると成形体が析出した。この成形体を溶液から取り出し、水(10mL)に浸漬し、3時間毎に二回水を取り換えた。その後、18時間水に浸漬してから、成形体を水から取り出した。その成形体を減圧下、25℃で24時間乾燥してPLLAの多孔質体(寸法:半径16mm、厚み8.5〜8.9mmの略円柱状)を得た。溶媒比と得られた多孔質体の骨格径および平均孔径を、表7に示す。また、エントリー1で得られた多孔質体のSEM写真を図20(a)および図20(b)に、エントリー2で得られた多孔質体のSEM写真を図21(a)および図21(b)に、エントリー3で得られた多孔質体のSEM写真を図22(a)および図22(b)に、エントリー5で得られた多孔質体のSEM写真を図23(a)および図23(b)に、エントリー6で得られた多孔質体のSEM写真を図24(a)および図24(b)に、エントリー9で得られた多孔質体のSEM写真を図25(a)および図25(b)にそれぞれ示す。
Figure 2010260952
前記表7に示すように、エントリー1〜9の結果から、本発明の製造方法において、原料であるポリ乳酸の分子量はMw55,000よりMw114,000であるほうが好ましいことが確認できた。
[実施例13:多孔質体の結晶化度]
実施例1で製造した多孔質体の結晶化度を測定した。多孔質体の熱的性質をDSCを用いて測定し(10℃/分、窒素雰囲気下)、一回目の昇温時のDSC曲線から融解と結晶化における熱量を得た。それらの熱量に基づき、以下の計算式を用いて結晶化度を算出した。多孔質体の代わりにPLLA(Mw114,000、Nature Works社製、光学純度98%以上)を用いて、その結晶化度を測定した。得られた結果を表8に示す。
Figure 2010260952
Figure 2010260952
表8に示すように、本発明の多孔質体は結晶性であることが確認できた。
本発明の方法は、工業製品、住宅用品、生活用品、医療材料への適用が考えられる。

Claims (4)

  1. 主成分としてポリ乳酸を含む多孔質体であって、
    前記多孔質体は、平均孔径0.1〜3.8μmの連続孔を有し、
    前記孔の骨格径は、0.1〜3.8μmであり、かつ、
    多孔質体の厚みが3mm以上である多孔質体。
  2. 前記多孔質体が、結晶性である請求項1に記載の多孔質体。
  3. 請求項1に記載の多孔質体の製造方法であって、
    前記ポリ乳酸を40〜100℃で加熱して溶媒に溶解させてポリ乳酸溶液を得、
    前記ポリ乳酸溶液を−20〜30℃で5分〜3時間冷却して析出した成形体を得、
    前記成形体を水に浸漬して前記溶媒を水と置換し、主成分としてポリ乳酸を含む多孔質体を得る工程を含み、
    前記溶媒が、水と、ポリ乳酸が可溶な有機溶媒と、ポリ乳酸が不溶な有機溶媒とを含み、
    前記ポリ乳酸が可溶な有機溶媒は、1,4−ジオキサンであり、
    前記ポリ乳酸が不溶な有機溶媒は、トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルアセトアミドおよび水酸基を1以上有する炭素原子数が1〜8の脂肪族炭化水素を含む脂肪族アルコールからなる群から選択される1以上であり、
    前記溶媒を100体積%とする場合、水の含有量が、0.6〜35体積%であり、
    前記ポリ乳酸が可溶な有機溶媒と前記ポリ乳酸が不溶な有機溶媒の合計を100体積%とする場合、前記ポリ乳酸が可溶な有機溶媒の含有量が、7〜50体積%であり、
    前記ポリ乳酸溶液におけるポリ乳酸の濃度が、30〜120mg/mlである製造方法。
  4. 請求項1に記載の多孔質体の製造方法であって、
    前記ポリ乳酸を40〜100℃で加熱して溶媒に溶解させてポリ乳酸溶液を得、
    前記ポリ乳酸溶液を−20〜30℃で5分〜3時間冷却して析出した成形体を得、
    前記成形体を水に浸漬して前記溶媒を水と置換し、主成分としてポリ乳酸を含む多孔質体を得る工程を含み、
    前記溶媒が、水と、ポリ乳酸が可溶な有機溶媒と、ポリ乳酸が不溶な有機溶媒とを含み、
    前記ポリ乳酸が可溶な有機溶媒は、ジメチルスルホキシドであり、
    前記ポリ乳酸が不溶な有機溶媒は、トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルアセトアミドおよび水酸基を1以上有する炭素原子数が1〜8の脂肪族炭化水素を含む脂肪族アルコールからなる群から選択される1以上であり、
    前記溶媒を100体積%とする場合、水の含有量が、2〜20体積%であり、
    前記ポリ乳酸が可溶な有機溶媒と前記ポリ乳酸が不溶な有機溶媒の合計を100体積%とする場合、前記ポリ乳酸が可溶な有機溶媒の含有量が、10〜18または30〜50体積%であり、
    前記ポリ乳酸溶液におけるポリ乳酸の濃度が、30〜150mg/mlである製造方法。
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