JP2012126838A - 共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法と共連続多孔質樹脂フィルム - Google Patents

共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法と共連続多孔質樹脂フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】三次元的に連続した樹脂含有相と三次元的に連続した空孔相とからなる共連続構造を有する多孔質樹脂フィルムを低コストで簡便に製造することが可能な共連続多孔質樹脂フィルムの新たな製造方法を提供する。また、当該製造方法で製造された共連続多孔質樹脂フィルムを提供する。
【解決手段】三次元的に連続した樹脂含有相と三次元的に連続した空孔相とからなる共連続構造を有する多孔質樹脂フィルムを製造する共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法であって、樹脂組成物を、水を含有する溶媒に溶解する溶解工程、前記樹脂組成物を支持体に流涎する流涎工程、前記樹脂組成物の一部を析出させる析出工程、及び乾燥工程を有することを特徴とする共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、磁気記録媒体、太陽電池、リチウム電池、発光素子、分離膜など広範な技術分野で応用可能な共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法と当該製造方法で製造された共連続多孔質樹脂フィルムに関する。
空孔を有する多孔質フィルム(膜)は、磁気記録媒体、太陽電池、リチウム電池、発光素子、分離膜など広範な技術分野で応用可能であり、近年においては、このような多孔質フィルム(膜)の需要の増加に伴い、低コストで製造する技術の開発が望まれている。
このような多孔質膜を得るために、異種のポリマー鎖が連結したブロック共重合体を利用することが提案されている。ブロック共重合体は自己組織化によって、ラメラ状構造、シリンダー状構造、共連続構造など種々のナノパターンを有するミクロ相分離構造を形成することが知られている。この性質を利用してブロック共重合体を適当な溶媒に溶かして被加工体上に塗布し、規則配列したパターンを作製した後、空孔を形成させ多孔質膜を得ることができる。
例えば、非特許文献1に開示されている方法では、ポリスチレンとポリイソプレンとからなるブロック共重合体を用いて、共連続構造のミクロ相分離構造を有する構造体を形成させた後、ポリイソプレンをオゾン分解して、除去することにより連通した空孔を有する多孔体を製造している。
また、特許文献1では、ポリ(2−ビニルピリジン)とポリイソプレンとからなるブロック共重合体とポリ(2−ビニルピリジン)ホモポリマーとを用いて、共連続構造を形成させ、その後、ポリ(2−ビニルピリジン)ホモポリマーを溶出させることにより多孔体を作製している。
しかしながら、非特許文献1で使用されているオゾン分解処理では、大面積での処理ができず、かつ分解に時間がかかるため生産性の観点からは満足できるものではなかった。また、所望の分解させたい相のみだけでなく構造体全体がダメージを受けるという問題等があった。
また、特許文献1においては、開示されているブロック共重合体は疎水性ポリマー同士からなる特定の種類のものだけである。概して、性質の異なるポリマー鎖からなるブロック共重合体を使用してミクロ相分離構造を作製する場合、必ずしも満足できる結果は得られていない。
一方、ポリマーの表面を簡便に加工する方法として、ポリマーを液体と接触させ、その後、前記ポリマーから液体を除去することにより前記ポリマーの表面を加工する工程を含む加工方法が知られている(例えば特許文献2参照)。しかし、当該特許文献2に開示されている加工法は、共連続多孔質樹脂フィルムの製造には、必ずしも適しないことが、本発明者らの検討により分かった。
なお、従来、相互に非相溶性の複数(例えば二種)の樹脂成分を混合した場合、混合物の高次構造としては、一方の樹脂がマトリクスとなり、他方が分散相となることで海島構造を形成する、すなわち、樹脂成分の片方が連続する相の中に、もう一方が粒子状(島状)に分散している構造を形成することがよく知られている。この海島構造に対し、「共連続構造」とは、複数成分のそれぞれが連続した相を形成しながら互いに混じりあっている構造をいう。このような共連続構造としては、三次元的に連続した有機物質相と三次元的に連続した空孔相とからなる共連続構造も知られている(例えば特許文献3参照)。
当該共連続構造は、海島構造と異なり、互いに連続相を形成しているので、その構造から多様な物性を発現することが知られている(例えば、特許文献4及び5参照)。
特開平11−80414号公報 特開2010−144091号公報 特開2009−221428号公報 特許第3142424号公報 米国特許6746627号明細書
本発明は、上記問題・状況にかんがみてなされたものであり、その解決課題は、三次元的に連続した樹脂含有相と三次元的に連続した空孔相とからなる共連続構造を有する多孔質樹脂フィルムを低コストで簡便に製造することが可能な共連続多孔質樹脂フィルムの新たな製造方法を提供することである。また、当該製造方法で製造された共連続多孔質樹脂フィルムを提供することである。
本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.三次元的に連続した樹脂含有相と三次元的に連続した空孔相とからなる共連続構造を有する多孔質樹脂フィルムを製造する共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法であって、樹脂組成物を、水を含有する溶媒に溶解する溶解工程、前記樹脂組成物を支持体に流涎する流涎工程、前記樹脂組成物の一部を析出させる析出工程、及び乾燥工程を有することを特徴とする共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法。
2.前記流涎工程又は析出工程における前記樹脂組成物の平均温度が、前記溶解工程における当該樹脂組成物の平均温度に対し、20℃以上低いことを特徴とする前記第1項に記載の共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法。
3.前記水を含有する溶媒が、水以外に、アルコール系溶媒又はケトン系溶媒のうちの少なくとも一種を含有していることを特徴とする前記第1項又は第2項に記載の共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法。
4.前記樹脂組成物が、熱可塑性樹脂を含有していることを特徴とする前記第1項から第3項までのいずれか一項に記載の共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法。
5.前記熱可塑性樹脂が、セルロースエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリ乳酸樹脂、及びポリスチレン樹脂から選ばれる熱可塑性樹脂であることを特徴とする前記第1項から第4項までのいずれか一項に記載の共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法。
6.前記第1項から第4項までのいずれか一項に記載の共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法によって製造された共連続多孔質樹脂フィルムであって、光反射率が10〜99%の範囲内であり、比重が1.0〜1.2の範囲内であり、ヘイズ値が60%以上であり、ガーレー透気度が50〜600秒/100mlの範囲内であり、かつ共連続構造を有することを特徴とする共連続多孔質樹脂フィルム。
7.前記空孔相の空孔の平均円換算直径が、100nm〜5μmの範囲内であることを特徴とする前記第6項に記載の共連続多孔質樹脂フィルム。
8.フィルムの膜厚が、1〜100μmの範囲内であることを特徴とする前記第6項又は第7項に記載の共連続多孔質樹脂フィルム。
本発明の上記手段により、共連続構造を有する多孔質樹脂フィルムを低コストで簡便に製造することが可能な共連続多孔質樹脂フィルムの新たな製造方法を提供することができる。また、当該製造方法で製造された共連続多孔質樹脂フィルムを提供することができる。
本発明の作用機構は不明ではあるが、本発明の製造方法においては、樹脂組成物を支持体に流涎した後に樹脂組成物の一部を析出させるため、析出によって生じた溶媒残留個所から、当該溶媒が加熱・乾燥により除去されることにより多孔質となり、かつ共連続構造を有するフィルムが形成されると推定している。
実施例1の共連続多孔質樹脂フィルム1の走査型電子顕微鏡観察写真例
本発明の共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法は、三次元的に連続した樹脂含有相と三次元的に連続した空孔相とからなる共連続構造を有する多孔質樹脂フィルムを製造する共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法であって、樹脂組成物を、水を含有する溶媒に溶解する溶解工程、前記樹脂組成物を支持体に流涎する流涎工程、前記樹脂組成物の一部を析出させる析出工程、及び乾燥工程を有することを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項8までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記流涎工程又は析出工程における前記樹脂組成物の平均温度が、前記溶解工程における当該樹脂組成物の平均温度に対し、20℃以上低いことが好ましい。さらに、前記水を含有する溶媒が、水以外に、アルコール系溶媒又はケトン系溶媒のうちの少なくとも一種を含有していることを特徴とすることが好ましい。
本発明においては、前記樹脂組成物が、熱可塑性樹脂を含有していることが好ましい。この場合、当該熱可塑性樹脂が、セルロースエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリ乳酸樹脂、及びポリスチレン樹脂から選ばれる熱可塑性樹脂であることが好ましい。
本発明の共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法によって製造された共連続多孔質樹脂フィルムとしては、光反射率が10〜99%の範囲内であり、比重が1.0〜1.2の範囲内であり、ヘイズ値が60%以上であり、ガーレー透気度が50〜600秒/100mlの範囲内であり、かつ共連続構造を有する態様のフィルムであることが好ましい。また、前記空孔相の空孔の平均円換算直径が、100nm〜5μmの範囲内であることが好ましい。さらに、フィルムの膜厚が、1〜100μmの範囲内であることが好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
(本発明の共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法の概要)
本発明の共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法は、三次元的に連続した樹脂含有相と三次元的に連続した空孔相とからなる共連続構造を有する多孔質樹脂フィルムを製造する共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法であることを特徴とする。
また、当該製造方法において、樹脂組成物を、水を含有する溶媒に溶解する溶解工程、前記樹脂組成物を支持体に流涎する流涎工程、前記樹脂組成物の一部を析出させる析出工程、及び乾燥工程を有することを特徴とする。
本願において、「共連続多孔質樹脂フィルム」とは、共連続構造を有する多孔質樹脂フィルムをいう。ここで、「共連続構造」とは、三次元的に連続した樹脂含有相と三次元的に連続した空孔相が互いに入り混じった三次元網目状構造をいう。
本発明においては、前記流涎工程又は析出工程における前記樹脂組成物の平均温度が、前記溶解工程における当該樹脂組成物の平均温度に対し、20℃以上低いことが好ましい。更に好ましくは、30〜50℃の温度差の範囲内で析出を制御することが好ましい。
また、前記水を含有する溶媒としては、水以外に、アルコール系溶媒又はケトン系溶媒のうちの少なくとも一種を含有していることが好ましい。水の含有量は、組成物の析出の観点から、5〜60質量%の範囲内であることが好ましい。さらに、15〜50質量%が好ましい。
本発明においては、前記樹脂組成物が、熱可塑性樹脂を含有していることが好ましい。
この場合、当該熱可塑性樹脂が、セルロースエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリ乳酸樹脂、及びポリスチレン樹脂から選ばれる熱可塑性樹脂であることが好ましい。
溶媒と熱可塑性樹脂の詳細については、後述する。
本発明の製造方法によって製造された共連続多孔質樹脂フィルムの特性については、当該フィルムの用途によって適切なものとなるように制御することが好ましいが、一般的には、光反射率が10〜99%の範囲内であり、比重が1.0〜1.2の範囲内であり、ヘイズ値が60%以上であり、ガーレー透気度が50〜600秒/100mlの範囲内であり、かつ共連続構造を有する態様のフィルムであることが好ましい。
また、前記空孔相の空孔の平均円換算直径が、100nm〜5μmの範囲内であることが好ましい。更に好ましくは、200〜1000nmの範囲内である。なお、本発明においては、空孔相の空孔の平均円換算直径は、SEM観察において取得した50個の空孔相の断面の観察画像(空孔断面の投影面積)に基づき算出した。
本発明のフィルムの膜厚は、1〜100μmの範囲内であることが好ましい。更に好ましくは、5〜60μmの範囲内である。
なお、本発明においては、光反射率の測定方法は、分光光度計(例えばHITACHI製U−3310)を用いて、積分球設置することで測定した。なお、反射率を好ましい範囲内に制御する方法としては、空孔相の大きさを調整すること等によってすることができる。
本発明においては、ヘイズ値の測定方法は、ヘイズメータ(例えば日本電色製NDH2000)を用いて測定した。なお、ヘイズ値を好ましい範囲内に制御する方法としては、空孔相の大きさを調整すること等によってすることができる。
ガーレー透気度の測定方法は、ガーレー透気度計(例えば東洋精機製のGurley Type Densometer)を用いて測定した。
なお、「ガーレー透気度」とは、シートの空気透過率の指標であり、JIS P 8117(1998)のB法に準拠して、23℃、65%RHにて測定されるものである。
ガーレー透気度は、延伸工程における延伸条件(延伸方向(縦若しくは横)、延伸方式(縦若しくは横の一軸延伸、縦−横若しくは横−縦逐次二軸延伸、同時二軸延伸、二軸延伸後の再延伸など)、延伸倍率、延伸速度、延伸温度など)により空孔相の大きさと3次元ネットワークを調整すること等によって制御できる。例えば、一軸延伸で行う場合に比べ、二軸延伸で行う場合のほうが、透気度が高くなり、延伸倍率を高くすると透気度が高くなり、低くすると透気度が低くなる。
(熱可塑性樹脂)
本発明に係る樹脂組成物に用いる樹脂、すなわち、共連続多孔質樹脂フィルムに用いる樹脂としては、当該フィルムの用途に応じて適切な樹脂を用いることが好ましいが、本発明にいては、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
ここで、「熱可塑性樹脂」とは、ガラス転移温度又は融点まで加熱することによって軟らかくなり、目的の形に成形できる樹脂をいう。
熱可塑性樹脂としては、一般的汎用樹脂としては、セルロースエステル、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、テフロン(登録商標)(ポリテトラフルオロエチレン、PTFE)、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、AS樹脂、アクリル樹脂(PMMA)等があり、溶媒に可溶なものを適宜溶解して本発明に係る方法で処理することが好ましい。
また、強度や壊れにくさを特に要求される場合、ポリアミド(PA)、ナイロン、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE、変性PPE、PPO)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グラスファイバー強化ポリエチレンテレフタレート(GF−PET)、環状ポリオレフィン(COP)等を用いることができる。
さらに高い熱変形温度と長期使用できる特性を要求される場合は、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)、ポリスルホン、ポリエーテルサルフォン、非晶ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)等を用いることができる。
なお、本発明の用途にそって樹脂の種類、分子量の組み合わせを行うことが可能である。
本発明においては、特に、セルロースエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリ乳酸樹脂、及びポリスチレン樹脂から選ばれる熱可塑性樹脂であることが好ましい。
以下、本発明において好適に用いることができる熱可塑性樹脂について詳細な説明をする。
〈セルロースエステル樹脂〉
本発明に用いることができるセルロースエステル樹脂は、セルロース(ジ、トリ)アセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、及びセルロースフタレートから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
これらの中で特に好ましいセルロースエステルは、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートが挙げられる。
混合脂肪酸エステルの置換度として、炭素原子数2〜4のアシル基を置換基として有している場合、アセチル基の置換度をXとし、プロピオニル基又はブチリル基の置換度をYとした時、下記式(I)及び(II)を同時に満たすセルロースエステルを含むセルロース樹脂であることが好ましい。
式(I) 2.0≦X+Y≦3.0
式(II) 0≦X≦2.5
さらに、本発明で用いられるセルロースエステルは、重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn比が1.5〜5.5のものが好ましく用いられ、特に好ましくは2.0〜5.0であり、さらに好ましくは2.5〜5.0であり、さらに好ましくは3.0〜5.0のセルロースエステルが好ましく用いられる。
本発明で用いられるセルロースエステルの原料セルロースは、木材パルプでも綿花リンターでもよく、木材パルプは針葉樹でも広葉樹でもよいが、針葉樹の方がより好ましい。製膜の際の剥離性の点からは綿花リンターが好ましく用いられる。これらから作られたセルロースエステルは適宜混合して、或いは単独で使用することができる。
例えば、綿花リンター由来セルロースエステル:木材パルプ(針葉樹)由来セルロースエステル:木材パルプ(広葉樹)由来セルロースエステルの比率が100:0:0、90:10:0、85:15:0、50:50:0、20:80:0、10:90:0、0:100:0、0:0:100、80:10:10、85:0:15、40:30:30で用いることができる。
本発明において、セルロースエステル樹脂は、20mlの純水(電気伝導度0.1μS/cm以下、pH6.8)に1g投入し、25℃、1hr、窒素雰囲気下にて攪拌した時のpHが6〜7、電気伝導度が1〜100μS/cmであることが好ましい。
〈アクリル樹脂〉
本発明に用いることができるアクリル樹脂には、メタクリル樹脂も含まれる。樹脂としては特に制限されるものではないが、メチルメタクリレート単位50〜99質量%、及びこれと共重合可能な他の単量体単位1〜50質量%からなるものが好ましい。
共重合可能な他の単量体としては、アルキル数の炭素数が2〜18のアルキルメタクリレート、アルキル数の炭素数が1〜18のアルキルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸等のα,β−不飽和酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和基含有二価カルボン酸、スチレン、α−メチルスチレン、核置換スチレン等の芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のα,β−不飽和ニトリル、無水マレイン酸、マレイミド、N−置換マレイミド、グルタル酸無水物等が挙げられ、これらは単独で、あるいは二種以上を併用して用いることができる。
これらの中でも、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、s−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が好ましく、メチルアクリレートやn−ブチルアクリレートが特に好ましく用いられる。
アクリル樹脂としては、市販のものも使用することができる。例えば、デルペット60N、80N(旭化成ケミカルズ(株)製)、ダイヤナールBR52、BR80、BR83、BR85、BR88(三菱レイヨン(株)製)、KT75(電気化学工業(株)製)等が挙げられる。
〈ポリ乳酸樹脂〉
本発明に用いることができる「ポリ乳酸樹脂」とは、L−乳酸及び/又はD−乳酸を主たる構成成分とする樹脂であるが、乳酸以外の他の共重合成分を含んでいてもよい。
他のモノマー単位としては、エチレングリコール、ブロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオ−ル、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノ−ルA、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレングリコールなどのグリコール化合物、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マロン酸、グルタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸などのジカルボン酸、グリコール酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸、及びカプロラクトン、バレロラクトン、プロピオラクトン、ウンデカラクトン、1,5−オキセパン−2−オンなどのラクトン類を挙げることができる。このような他の共重合成分は、全単量体成分に対し、0〜30モル%であることが好ましく、0〜10モル%であることがさらに好ましい。
本発明においては、機械特性、熱特性の観点から、乳酸成分の光学純度が高いポリ乳酸樹脂を用いることが好ましい。すなわち、ポリ乳酸樹脂の総乳酸成分の内、L体が80%以上含まれるかあるいはD体が80%以上含まれることが好ましく、L体が90%以上含まれるかあるいはD体が90%以上含まれることがより好ましく、L体が95%以上含まれるかあるいはD体が95%以上含まれることが最も好ましい。
また、L体が80%以上含まれるポリ乳酸とD体が80%以上含まれるポリ乳酸を併用して用いることも好ましく、L体が90%以上含まれるポリ乳酸とD体が90%以上含まれるポリ乳酸を併用して用いることがより好ましい。
本発明においては、ポリ乳酸樹脂は、変性したものを用いてもよく、例えば、無水マレイン酸変性ポリ乳酸樹脂、エポキシ変性ポリ乳酸樹脂、アミン変性ポリ乳酸樹脂などを用いることにより、耐熱性だけでなく、機械特性も向上する傾向にあり好ましい。
本発明に係るポリ乳酸樹脂の製造方法としては、公知の重合方法を用いることができ、乳酸からの直接重合法、及びラクチドを介する開環重合法などを挙げることができる。
本発明に係るポリ乳酸樹脂の分子量や分子量分布については、せん断速度243秒−1の条件におけるポリ乳酸樹脂の溶融粘度(V)及びポリ乳酸樹脂以外の熱可塑性樹脂の溶融粘度(V)の比V/Vが、0.1〜10であることが好ましい。
重量平均分子量としては、好ましくは10万以上、より好ましくは15万以上、最も好ましくは18万以上である。上限としては、成形時の流動性の点から40万以下であることが好ましい。ここでいう重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリメチルメタクリレート(PMMA)換算の重量平均分子量をいう。
本発明に係るポリ乳酸樹脂の融点については、特に制限されるものではないが、120℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましい。ポリ乳酸樹脂の融点は光学純度が高いほど高くなる傾向にあるため、上記融点の高いポリ乳酸樹脂は、光学純度の高いポリ乳酸樹脂を用いればよい。
また、本発明で用いるポリ乳酸樹脂としては、耐熱性の点で、ポリ乳酸ステレオコンプレックスを用いることが好ましい。ポリ乳酸ステレオコンプレックスを形成させる方法としては、例えば、L体が90モル%以上、好ましくは95モル%以上、より好ましくは98モル%以上のポリ−L−乳酸とD体が90モル%以上、好ましくは95モル%以上、より好ましくは98モル%以上のポリ−D−乳酸を溶融混練、溶液混練又は固相混練などにより混合する方法が挙げられる。混合によりポリ乳酸ステレオコンプレックスを得る方法においては、ポリ−L−乳酸又はポリ−D−乳酸のいずれの重量平均分子量も10万以上であってもよいが、ポリ−L−乳酸又はポリ−D−乳酸のいずれか一方の重量平均分子量が10万以下、好ましくは5万以下であり、他方の重量平均分子量が10万超、好ましくは12万以上である組合せを適用することが好ましい。また、別の方法として、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸をブロック共重合体、すなわちステレオブロックポリ乳酸とする方法も挙げることができ、ポリ乳酸ステレオコンプレックスを容易に形成させることができるという点で、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸をブロック共重合体とする方法が好ましい。
〈ポリスチレン樹脂〉
本発明において用いることができるポリスチレン樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−メチルスチレンなどのスチレン系単独重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体などのスチレン系共重合体、又はポリスチレンとポリフェニレンオキシドとの混合物などがあげられる。ポリスチレン樹脂のメルトフローレート(以下、MFRと称す)は0.5〜2g/10分が好ましい。ここで、MFRは、JIS K7210に準拠し、温度200℃及び5kg荷重の条件にて測定した値である。
〈環状オレフィン樹脂〉
本発明においては、環状オレフィン樹脂を用いることも好ましい。環状オレフィン樹脂としては、ノルボルネン系樹脂、単環の環状オレフィン系樹脂、環状共役ジエン系樹脂、ビニル脂環式炭化水素系樹脂、及び、これらの水素化物等を挙げることができる。これらの中で、ノルボルネン系樹脂は、透明性と成形性が良好なため、好適に用いることができる。
ノルボルネン系樹脂としては、例えば、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体若しくはノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との開環共重合体又はそれらの水素化物、ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体若しくはノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との付加共重合体又はそれらの水素化物等を挙げることができる。
これらの中で、ノルボルネン構造を有する単量体の開環(共)重合体水素化物は、透明性、成形性、耐熱性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性などの観点から、特に好適に用いることができる。
ノルボルネン構造を有する単量体としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、7,8−ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(慣用名:メタノテトラヒドロフルオレン)、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、及びこれらの化合物の誘導体(例えば、環に置換基を有するもの)などを挙げることができる。ここで、置換基としては、例えばアルキル基、アルキレン基、極性基などを挙げることができる。また、これらの置換基は、同一又は相異なって複数個が環に結合していてもよい。ノルボルネン構造を有する単量体は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
極性基の種類としては、ヘテロ原子、又はヘテロ原子を有する原子団などが挙げられる。ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、ハロゲン原子などが挙げられる。極性基の具体例としては、カルボキシル基、カルボニルオキシカルボニル基、エポキシ基、ヒドロキシル基、オキシ基、エステル基、シラノール基、シリル基、アミノ基、ニトリル基、スルホン基などが挙げられる。
ノルボルネン構造を有する単量体と開環共重合可能な他の単量体としては、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどのモノ環状オレフィン類及びその誘導体、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエンなどの環状共役ジエン及びその誘導体などが挙げられる。
ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体及びノルボルネン構造を有する単量体と共重合可能な他の単量体との開環共重合体は、単量体を公知の開環重合触媒の存在下に(共)重合することにより得ることができる。
ノルボルネン構造を有する単量体と付加共重合可能な他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテンなどの炭素数2〜20のα−オレフィン及びこれらの誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセンなどのシクロオレフィン及びこれらの誘導体;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエンなどの非共役ジエンなどが挙げられる。これらの単量体は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、α−オレフィンが好ましく、エチレンがより好ましい。
ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体及びノルボルネン構造を有する単量体と共重合可能な他の単量体との付加共重合体は、単量体を公知の付加重合触媒の存在下に重合することにより得ることができる。
ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体の水素添加物、ノルボルネン構造を有する単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環共重合体の水素添加物、ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体の水素添加物、及びノルボルネン構造を有する単量体とこれと付加共重合可能なその他の単量体との付加共重合体の水素添加物は、これらの重合体の溶液に、ニッケル、パラジウムなどの遷移金属を含む公知の水素添加触媒を添加し、炭素−炭素不飽和結合を好ましくは90%以上水素添加することによって得ることができる。
ノルボルネン系樹脂の中でも、繰り返し単位として、X:ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4−ジイル−エチレン構造と、Y:トリシクロ[4.3.0.12,5]デカン−7,9−ジイル−エチレン構造とを有し、これらの繰り返し単位の含有量が、ノルボルネン系樹脂の繰り返し単位全体に対して90質量%以上であり、かつ、Xの含有割合とYの含有割合との比が、X:Yの質量比で100:0〜40:60であるものが好ましい。このような樹脂を用いることにより、長期的に寸法変化がなく、光学特性の安定性に優れる共連続多孔質樹脂フィルムを得ることができる。
本発明に用いる環状オレフィン樹脂の分子量は使用目的に応じて適宜選定される。溶媒としてシクロヘキサン(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン)を用いるゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定したポリイソプレン又はポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常20,000〜150,000である。好ましくは25,000〜100,000、より好ましくは30,000〜80,000である。重量平均分子量がこのような範囲にあるときに、フィルムの機械的強度及び成型加工性とが高度にバランスされ好適である。
環状オレフィン樹脂のガラス転移温度は、使用目的に応じて適宜選択されればよい。耐久性及び延伸加工性の観点から、好ましくは130〜160℃、より好ましくは135〜150℃の範囲である。
環状オレフィン樹脂の分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は、緩和時間、生産性等の観点から、1.2〜3.5、好ましくは1.5〜3.0、さらに好ましくは1.8〜2.7である。
本発明に用いる環状オレフィン樹脂は、光弾性係数の絶対値が10×10−12Pa−1以下であることが好ましく、7×10−12Pa−1以下であることがより好ましく、4×10−12Pa−1以下であることが特に好ましい。光弾性係数Cは、複屈折をΔn、応力をσとしたとき、C=Δn/σで表される値である。
本発明において、環状オレフィン樹脂には、実質的に粒子を含まないことが好ましい。ここで、実質的に粒子を含まないとは、環状オレフィン樹脂からなるフィルムへ粒子を添加しても、未添加状態からのヘイズの上昇巾が0.05%以下の範囲である量までは許容できることを意味する。特に、脂環式ポリオレフィン樹脂は、多くの有機粒子や無機粒子との親和性に欠けるため、上記範囲を超えた粒子を添加した環状オレフィン樹脂フィルムを延伸すると、空隙が発生しやすく、その結果として、ヘイズの著しい低下が生じるおそれがある。
〈ポリカーボネート樹脂〉
本発明では、種々の公知のポリカーボネート樹脂も使用することができる。本発明においては、特に芳香族ポリカーボネートを用いることが好ましい。当該芳香族ポリカーボネートについて特に制約はなく、所望するフィルムの諸特性が得られる芳香族ポリカーボネートであれば特に制約はない。
一般に、ポリカーボネートと総称される高分子材料は、その合成手法において重縮合反応が用いられて、主鎖が炭酸結合で結ばれているものを総称するが、これらの内でも、一般に、フェノール誘導体と、ホスゲン、ジフェニルカーボネートらから重縮合で得られるものを意味する。通常、ビスフェノール−Aと呼称されている2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンをビスフェノール成分とする繰り返し単位で表される芳香族ポリカーボネートが好ましく選ばれるが、適宜各種ビスフェノール誘導体を選択することで、芳香族ポリカーボネート共重合体を構成することができる。
かかる共重合成分としてこのビスフェノール−A以外に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフロロプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等を挙げることができる。
また、一部にテレフタル酸及び/又はイソフタル酸成分を含む芳香族ポリエステルカーボネートを使用することも可能である。このような構成単位をビスフェノール−Aからなる芳香族ポリカーボネートの構成成分の一部に使用することにより芳香族ポリカーボネートの性質、例えば耐熱性、溶解性を改良することができるが、このような共重合体についても本発明は有効である。
ここで用いられる芳香族ポリカーボネートの粘度平均分子量は、10000以上、200000以下であれば好適に用いられる。粘度平均分子量20000〜120000が特に好ましい。粘度平均分子量が10000より低い樹脂を使用すると得られるフィルムの機械的強度が不足する場合があり、また400000以上の高分子量になるとドープの粘度が大きくなり過ぎ取扱い上問題を生じるので好ましくない。粘度平均分子量は市販の高速液体クロマトグラフィ等で測定することができる。
本発明に係る芳香族ポリカーボネートのガラス転移温度は200℃以上であることが高耐熱性のフィルムを得る上で好ましく、より好ましくは230℃以上である。これらは、上記共重合成分を適宜選択して得ることができる。ガラス転移温度は、DSC装置(示差走査熱量分析装置)にて測定することができ、例えばセイコー電子工業株式会社製:RDC220にて、10℃/分の昇温条件によって求められる、ベースラインが偏奇し始める温度である。
本発明において、上記芳香族ポリカーボネートを含むドープ組成物に用いる溶媒は、メチレンクロライド、及び炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖状の脂肪族アルコールを4〜14質量部含有する混合溶媒であることが好ましい。
上記炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖状の脂肪族アルコールの混合量は、好ましくは4〜12質量部である。このような混合溶媒を用い、従来よりも高い残留溶媒濃度でウェブを剥離することにより、ウェブ剥離時の強い静電気の発生を抑制し、これによりベルトが損傷したり、フィルムのスジやムラ、微小傷の発生を防止することができる。
加えるアルコールの種類は用いる溶媒により制限される。アルコールと当該溶媒とが相溶性があることが必要条件である。これらは単独で加えても良いし、二種類以上組み合わせても問題ない。本発明におけるアルコールとしては、炭素数1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは2〜4の鎖状、或いは分岐した脂肪族アルコールが好ましい。具体的にはメタノール、エタノール、イソプロパノール、ターシャリ−ブタノールなどが挙げられる。これらのうちエタノール、イソプロパノール、ターシャリ−ブタノールはほぼ同等の効果が得られるが、メタノールはやや効果が低い。理由は明らかでないが溶媒の沸点、即ち乾燥時の飛び易さが関係しているものと推測している。それ以上の高級アルコールは、高沸点であるためフィルム製膜後も残留しやすくなるので好ましくない。
アルコールの添加量は慎重に選択されなければならない。これらのアルコールは芳香族ポリカーボネートに対する溶解性には全く乏しく、完全な貧溶媒である。従ってあまり多く加えることはできず、満足すべき剥離性が得られる最少量とすべきである。前述したようにメチレンクロライドに対して4〜14質量部、好ましくは4〜12質量部である。メチレンクロライド量に対しては、添加量が4〜14質量部の範囲であると、当該溶媒のポリマーに対する溶解性、ドープ安定性が向上し、剥離性改善の効果が大きくなる。
本発明はドープ組成物中、上記メチレンクロライドと脂肪族アルコールで構成されるが、他の溶媒を使用することもできる。その他残りの溶媒としては芳香族ポリカーボネートを高濃度に溶解し、かつアルコールと相溶性があること、さらに低沸点溶媒であれば特に限定はない。例えば、芳香族ポリカーボネートに対して溶解力のある溶媒として、塩化メチレン以外にクロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン系溶媒、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル系の溶媒、シクロヘキサノン等のケトン系の溶媒が挙げられる。
他の溶媒を使用する場合は特に限定はなく、効果を勘案して用いればよい。ここでいう効果とは、溶解性や安定性を犠牲にしない範囲で溶媒を混合することによる、たとえば溶液流延法により製膜したフィルムの表面性の改善(レベリング効果)、蒸発速度や系の粘度調節、結晶化抑制効果などである。これらの効果の度合により混合する溶媒の種類や添加量を決定すればよく、また混合する溶媒として一種又は二種以上用いてもかまわない。
好適に用いられる他の溶媒としてはクロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、エチレングリコールジメチルエーテル、メトキシエチルアセテートなどのエーテル系溶媒が挙げられる。
本発明に係るドープ組成物は、結果としてヘイズの低い透明な溶液が得られればいかなる方法で調製してもよい。あらかじめある溶媒に溶解させた芳香族ポリカーボネート溶液に、アルコールを所定量添加してもよいし、アルコールを含む混合溶媒に芳香族ポリカーボネートを溶解させてもよい。ただ先にも述べた様にアルコールは貧溶媒であるため、前者の後から添加する方法ではポリマーの析出によるドープ白濁の可能性があるため、後者の混合溶媒に溶解させる方法が好ましい。
〈ポリエステル樹脂〉
本発明において用いることができるポリエステル樹脂は、ジカルボン酸とジオールを重合することにより得られ、ジカルボン酸構成単位(ジカルボン酸に由来する構成単位)の70%以上が芳香族ジカルボン酸に由来し、かつジオール構成単位(ジオールに由来する構成単位)の70%以上が脂肪族ジオールに由来する。
芳香族ジカルボン酸に由来する構成単位の割合は70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。
脂肪族ジオールに由来する構成単位の割合は70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。ポリエステル樹脂は、二種以上を併用してもよい。
前記芳香族ジカルボン酸として、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸、3,4′−ビフェニルジカルボン酸等及びこれらのエステル形成性誘導体が例示できる。
ポリエステル樹脂には本発明の目的を損なわない範囲でアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸や安息香酸、プロピオン酸、酪酸等のモノカルボン酸を用いることができる。
前記脂肪族ジオールとして、エチレングリコール、1,3−プロピレンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール等及びこれらのエステル形成性誘導体が例示できる。
ポリエステル樹脂には本発明の目的を損なわない範囲でブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール等のモノアルコール類や、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類を用いることもできる。
ポリエステル樹脂の製造には、公知の方法である直接エステル化法やエステル交換法を適用することができる。ポリエステル樹脂の製造時に使用する重縮合触媒としては、公知の三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等のアンチモン化合物、酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物、酢酸チタン等のチタン化合物、塩化アルミニウム等のアルミニウム化合物等が例示できるが、これらに限定されない。
好ましいポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリエチレン−1,4−シクロヘキサンジメチレン−テレフタレート共重合樹脂、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキレート樹脂、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート−テレフタレート共重合樹脂、ポリエチレン−テレフタレート−4,4′−ビフェニルジカルボキシレート樹脂、ポリ−1,3−プロピレン−テレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂等がある。
より好ましいポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリエチレン−1,4−シクロヘキサンジメチレン−テレフタレート共重合樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂及びポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂が挙げられる。
ポリエステル樹脂の固有粘度(フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=60/40質量比混合溶媒中、25℃で測定した値)は、0.7〜2.0dl/gが好ましく、より好ましくは0.8〜1.5dl/gである。固有粘度が0.7以上であるとポリエステル樹脂の分子量が充分に高いために、これを使用して得られるポリエステル樹脂組成物からなる成形物が成形物として必要な機械的性質を有すると共に、透明性が良好となる。固有粘度が2.0以下の場合、成形性が良好となる。
〈その他添加剤〉
本発明に係る熱可塑性樹脂基材及び当該基材上に設けられた各種機能層には、目的に応じて種々の化合物等を添加剤として含有させることができる。例えば、可塑剤、酸化防止剤、酸捕捉剤、光安定剤、紫外線吸収剤、光学異方性制御剤、マット剤、帯電防止剤、剥離剤、等を含有させることができる。
本発明に係る共連続多孔質樹脂フィルムは、作製されたフィルムがハンドリングされる際に、傷が付いたり、搬送性が悪化することを防止するために、マット剤として、微粒子を添加しても良い。
微粒子としては、無機化合物の例として、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等を挙げることができる。微粒子は珪素を含むものが、濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。
微粒子の一次粒子の平均粒径は5〜400nmが好ましく、さらに好ましいのは10〜300nmである。これらは主に粒径0.05〜0.3μmの2次凝集体として含有されていてもよく、平均粒径100〜400nmの粒子であれば凝集せずに一次粒子として含まれていることも好ましい。共連続多孔質樹脂フィルム中のこれらの微粒子の含有量は0.01〜1質量%であることが好ましく、特に0.05〜0.5質量%が好ましい。共流延法による多層構成の共連続多孔質樹脂フィルムの場合は、表面にこの添加量の微粒子を含有することが好ましい。
二酸化珪素の微粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
ポリマーの例として、シリコーン樹脂、フッ素樹脂及びアクリル樹脂を挙げることができる。シリコーン樹脂が好ましく、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120及び同240(以上東芝シリコーン(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
これらの中でもアエロジル200V、アエロジルR972Vが共連続多孔質樹脂フィルムのヘイズを低く保ちながら、摩擦係数を下げる効果が大きいため特に好ましく用いられる。本発明の共連続多孔質樹脂フィルムにおいては、少なくとも一方の面の動摩擦係数が0.2〜1.0であることが好ましい。
(共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法)
発明の共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法は、三次元的に連続した樹脂含有相と三次元的に連続した空孔相とからなる共連続構造を有する多孔質樹脂フィルムを製造する共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法であることを特徴とする。
また、当該製造方法において、樹脂組成物を溶解する溶解工程、前記樹脂組成物を支持体に流涎する流涎工程、及び前記樹脂組成物の一部を析出させる析出工程を有することを特徴とする。
本発明の共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法としては、通常のインフレーション法、T−ダイ法、カレンダー法、切削法、流延法、エマルジョン法、ホットプレス法等の製造法が使用できるが、着色抑制、異物欠点の抑制、ダイラインなどの光学欠点の抑制などの観点から流延法による溶液流延法、溶融流延法が好ましい。本発明では、特に、溶液流延法により製造することが好ましい。
以下、本発明に係る共連続多孔質樹脂フィルムを作製する場合の製造方法について詳述する。
<溶液流延法による共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法>
《有機溶媒》
本発明の共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法においては、樹脂組成物を、水を含有する溶媒に溶解する溶解工程を有することを特徴とする。
当該水を含有する溶媒は、水以外に、アルコール系溶媒又はケトン系溶媒のうちの少なくとも一種を含有していることが好ましい。
本発明に係る共連続多孔質樹脂フィルムを溶液流延法で製造する場合、ドープを形成するのに有用な有機溶媒としては、本発明の効果を阻害しない範囲内において、下記の溶媒も用いることができる。
なお、「ドープ」とは、樹脂及び各種添加剤等を含有する樹脂組成物を有機溶媒に溶解又は分散させて得られる混合物の溶液又は分散液をいう。
例えば、塩素系有機溶媒としては、塩化メチレン、非塩素系有機溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン、乳酸エチル、乳酸、ジアセトンアルコール等を挙げることができ、塩化メチレン、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン、乳酸エチル等を好ましく使用し得る。
ドープには、上記有機溶媒の他に、1〜40質量%の炭素原子数1〜4の直鎖又は分岐鎖状の脂肪族アルコールを含有させてもよい。ドープ中のアルコールの比率が高くなるとウェブがゲル化し、金属支持体からの剥離が容易になり、また、アルコールの割合が少ない時は非塩素系有機溶媒系での熱可塑性樹脂の溶解を促進する役割もある。
特に、メチレンクロライド、及び炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖状の脂肪族アルコールを含有する溶媒に、熱可塑性樹脂は、少なくとも計10〜45質量%溶解させたドープ組成物であることが好ましい。
炭素原子数1〜4の直鎖又は分岐鎖状の脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールを挙げることができる。これらの内ドープの安定性、沸点も比較的低く、乾燥性もよいこと等からエタノールが好ましい。
本発明においては、樹脂組成物の一部を析出させることを促進するため、水を含有する溶媒を用いるが、水以外に、アルコール系溶媒(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)又はケトン系溶媒(アセトン、プロパノン、ブタノン等のうちの少なくとも一種を含有していることが好ましい。水の含有量は、組成物の析出の観点から、5〜60質量%の範囲内であることが好ましい。さらに、15〜50質量%が好ましい。
以下、本発明に係る共連続多孔質樹脂フィルム(以下、単に「フィルム」ともいう。)の好ましい製膜方法について説明する。
1)溶解工程
熱可塑性樹脂に対する良溶媒を主とする有機溶媒に、溶解釜中で樹脂組成物(熱可塑性樹脂、その他の添加剤)を攪拌しながら溶解しドープを形成する工程である。
熱可塑性樹脂の溶解には、常圧で行う方法、主溶媒の沸点以下で行う方法、主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法、特開平9−95544号公報、特開平9−95557号公報、又は特開平9−95538号公報に記載の如き冷却溶解法で行う方法、特開平11−21379号公報に記載の如き高圧で行う方法等種々の溶解方法を用いることができるが、特に主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法が好ましい。
本発明においては、溶解工程における当該樹脂組成物の平均温度は、後述する流涎工程又は析出工程における前記樹脂組成物の平均温度に対し、20℃以上高いことが好ましい。
2)流延工程
ドープを、送液ポンプ(例えば、加圧型定量ギヤポンプ)を通して加圧ダイに送液し、無限に移送する無端の金属ベルト、例えばステンレスベルト、あるいは回転する金属ドラム等の金属支持体上の流延位置に、加圧ダイスリットからドープを流延する工程である。
ダイの口金部分のスリット形状を調整でき、膜厚を均一にし易い加圧ダイが好ましい。加圧ダイには、コートハンガーダイやTダイ等があり、いずれも好ましく用いられる。金属支持体の表面は鏡面となっている。製膜速度を上げるために加圧ダイを金属支持体上に二基以上設け、ドープ量を分割して重層してもよい。あるいは複数のドープを同時に流延する共流延法によって積層構造のフィルムを得ることも好ましい。
3)析出工程
本発明においては、前記樹脂組成物の一部を析出させる析出工程を有することを特徴とする。当該析出工程は、前記流延工程と重複する工程としても良い。すなわち、流延と析出がほぼ同時進行する工程としても良い。このため、前記流涎工程又は当該析出工程における前記樹脂組成物の平均温度が、前記溶解工程における当該樹脂組成物の平均温度に対し、20℃以上低くなるように温度調整することが好ましい。
4)溶媒蒸発工程
ウェブ(流延用支持体上にドープを流延し、形成されたドープ膜を「ウェブ」と呼ぶ。)を流延用支持体上で加熱し、溶媒を蒸発させる工程である。
溶媒を蒸発させるには、ウェブ側から風を吹かせる方法及び/又は支持体の裏面から液体により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等があるが、裏面液体伝熱方法の乾燥効率が良く好ましい。又、それらを組み合わせる方法も好ましく用いられる。流延後の支持体上のウェブを40〜100℃の雰囲気下、支持体上で乾燥させることが好ましい。40〜100℃の雰囲気下に維持するには、この温度の温風をウェブ上面に当てるか赤外線等の手段により加熱することが好ましい。
面品質、透湿性、剥離性の観点から、30〜120秒以内で該ウェブを支持体から剥離することが好ましい。
5)剥離工程
金属支持体上で溶媒が蒸発したウェブを、剥離位置で剥離する工程である。剥離されたウェブは次工程に送られる。
金属支持体上の剥離位置における温度は好ましくは10〜40℃であり、さらに好ましくは11〜30℃である。
なお、剥離する時点での金属支持体上でのウェブの剥離時残留溶媒量は、乾燥の条件の強弱、金属支持体の長さ等により50〜120質量%の範囲で剥離することが好ましいが、残留溶媒量がより多い時点で剥離する場合、ウェブが柔らか過ぎると剥離時平面性を損ね、剥離張力によるツレや縦スジが発生し易いため、経済速度と品質との兼ね合いで剥離時の残留溶媒量が決められる。
ウェブの残留溶媒量は下記式で定義される。
残留溶媒量(%)=(ウェブの加熱処理前質量−ウェブの加熱処理後質量)/(ウェブの加熱処理後質量)×100
なお、残留溶媒量を測定する際の加熱処理とは、115℃で1時間の加熱処理を行うことを表す。
金属支持体とフィルムを剥離する際の剥離張力は、通常、196〜245N/mであるが、剥離の際に皺が入り易い場合、190N/m以下の張力で剥離することが好ましく、さらには、剥離できる最低張力〜166.6N/m、次いで、最低張力〜137.2N/mで剥離することが好ましいが、特に好ましくは最低張力〜100N/mで剥離することである。
本発明においては、当該金属支持体上の剥離位置における温度を−50〜40℃とするのが好ましく、10〜40℃がより好ましく、15〜30℃とするのが最も好ましい。
6)乾燥及び延伸工程
剥離後、ウェブを乾燥装置内に複数配置したロールに交互に通して搬送する乾燥装置35、及び/又はクリップでウェブの両端をクリップして搬送するテンター延伸装置34を用いて、ウェブを乾燥する。
乾燥手段はウェブの両面に熱風を吹かせるのが一般的であるが、風の代わりにマイクロウェーブを当てて加熱する手段もある。余り急激な乾燥はでき上がりのフィルムの平面性を損ね易い。高温による乾燥は残留溶媒が8質量%以下くらいから行うのがよい。全体を通し、乾燥は概ね40〜250℃で行われる。特に40〜160℃で乾燥させることが好ましい。
テンター延伸装置を用いる場合は、テンターの左右把持手段によってフィルムの把持長(把持開始から把持終了までの距離)を左右で独立に制御できる装置を用いることが好ましい。また、テンター工程において、平面性を改善するため意図的に異なる温度を持つ区画を作ることも好ましい。
また、異なる温度区画の間にそれぞれの区画が干渉を起こさないように、ニュートラルゾーンを設けることも好ましい。
なお、延伸操作は多段階に分割して実施してもよく、流延方向、幅手方向に二軸延伸を実施することも好ましい。また、二軸延伸を行う場合には同時二軸延伸を行ってもよいし、段階的に実施してもよい。
この場合、段階的とは、例えば、延伸方向の異なる延伸を順次行うことも可能であるし、同一方向の延伸を多段階に分割し、かつ異なる方向の延伸をそのいずれかの段階に加えることも可能である。即ち、例えば、次のような延伸ステップも可能である。
・流延方向に延伸−幅手方向に延伸−流延方向に延伸−流延方向に延伸
・幅手方向に延伸−幅手方向に延伸−流延方向に延伸−流延方向に延伸
また、同時二軸延伸には、一方向に延伸し、もう一方を、張力を緩和して収縮させる場合も含まれる。同時二軸延伸の好ましい延伸倍率は幅手方向、長手方向ともに×1.01倍〜×1.5倍の範囲でとることができる。
テンターを行う場合のウェブの残留溶媒量は、テンター開始時に20〜100質量%であるのが好ましく、かつウェブの残留溶媒量が10質量%以下になる迄テンターを掛けながら乾燥を行うことが好ましく、さらに好ましくは5質量%以下である。
テンターを行う場合の乾燥温度は、30〜160℃が好ましく、50〜150℃がさらに好ましく、70〜140℃が最も好ましい。
テンター工程において、雰囲気の幅手方向の温度分布が少ないことが、フィルムの均一性を高める観点から好ましく、テンター工程での幅手方向の温度分布は、±5℃以内が好ましく、±2℃以内がより好ましく、±1℃以内が最も好ましい。
6)巻き取り工程
ウェブ中の残留溶媒量が2質量%以下となってからフィルムとして巻き取り機37により巻き取る工程であり、残留溶媒量を0.4質量%以下にすることにより寸法安定性の良好なフィルムを得ることができる。特に0.00〜0.10質量%で巻き取ることが好ましい。
巻き取り方法は、一般に使用されているものを用いればよく、定トルク法、定テンション法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法等があり、それらを使いわければよい。
本発明に係るフィルムは、長尺フィルムであることが好ましく、具体的には、100m〜5000m程度のものを示し、通常、ロール状で提供される形態のものである。また、フィルムの幅は1.3〜4mであることが好ましく、1.4〜2mであることがより好ましい。
本発明に係るフィルムの膜厚に特に制限はないが、20〜200μmであることが好ましく、25〜150μmであることがより好ましく、30〜120μmであることが特に好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔多孔フィルムの作製〕
〈実施例1:共連続多孔質樹脂フィルム1の作製〉
(ドープ液組成1)
ダイヤナールBR85(三菱レイヨン(株)製) 5質量部
エタノール 100質量部
純水 20質量部
上記組成物を、70℃に加熱しながら十分に溶解し、ドープ液を作製し、透明な液体を得た。
(製膜)
上記作製したドープ液を、ベルト流延装置を用い、温度35℃、2.0m幅でステンレスバンド支持体に均一に流延した。温度変化(70℃から35℃へ温度変化)し、かつステンレスバンド支持体で、残留溶剤量が100%になるまで溶媒を蒸発させることによる相分離、析出を利用して共連続多孔構造を形成した。剥離張力162N/mでステンレスバンド支持体上から剥離し、剥離したアクリル樹脂のウェブを35℃で溶媒を蒸発させ、1.6m幅にスリットし、その後、テンターで幅方向に保持しながら、135℃の乾燥温度で乾燥させた。このときテンターで保持し始めたときの残留溶剤量は20%であった。
テンターで延伸後、130℃で5分間緩和を行った後に、120℃及び140℃の乾燥ゾーンを多数のロールで搬送させながら乾燥を終了させ、1.5m幅にスリットし、フィルム両端に幅10mm高さ5μmのナーリング加工を施し、初期張力220N/m、終張力110N/mで内径15.24cmコアに巻き取り、アクリル樹脂からなる共連続構造のフィルム1を得た。
表1に記載の共連続構造フィルム1の残留溶剤量は1.0%であり、膜厚は60μm、巻長は3900mであった。
(実施例2:共連続多孔質樹脂フィルム2の作製)
(ドープ液組成2)
セルロースエステルA(リンター綿から合成されたセルローストリアセテート、
アセチル基置換度2.92、Mw=290000) 5質量部
アセトン 60質量部
純水 40質量部
以上を密閉容器に投入し、60℃に加熱し、ドープ液を作製し、透明な液体を得た。
(製膜)
上記作製したドープ液を、ベルト流延装置を用い、温度35℃、2.0m幅でステンレスバンド支持体に均一に流延した。温度変化(60℃から35℃へ温度変化)し、かつステンレスバンド支持体で、残留溶剤量が100%になるまで溶剤を蒸発させることによる相分離、析出を利用して共連続多孔構造を形成した。ステンレスバンド支持体上から剥離したセルロースエステルフィルムのウェブを35℃で溶剤を蒸発させ、1.80m幅にスリットし、その後、テンターで幅方向に保持しながら、135℃の乾燥温度で乾燥させた。このときテンターで保持し始めたときの残留溶剤量は20%であった。又はばの最大応力は10MPaであった。
その後、120℃の乾燥装置内を多数のロールで搬送させながら15分間乾燥させた後、1.7m幅にスリットし、フィルム両端に幅15mm、高さ10μmのナーリング加工を施し、巻芯に巻き取り、共連続構造のフィルム2を得た。残留溶剤量は1.0%であり、膜厚は60μm、巻数は3900mであった。
〈実施例3:共連続多孔質樹脂フィルム3の作製〉
(ドープ液組成3)
セルロースエステル(セルロースアセテートプロピオネート、
アシル基総置換度2.75、アセチル基置換度0.19、
プロピオニル基置換度2.56、Mw=200000) 5質量部
アセトン 50質量部
純水 50質量部
上記組成物を、55℃に加熱して、ドープ液を作製し、透明な液体を得た。
(製膜)
上記作製したドープ液を、ベルト流延装置を用い、温度35℃、2.0m幅でステンレスバンド支持体に均一に流延した。温度変化(55℃から35℃へ温度変化)し、かつステンレスバンド支持体で、残留溶剤量が100%になるまで溶媒を蒸発させることによる相分離、析出を利用して共連続多孔構造を形成した。ステンレスバンド支持体上から剥離したセルロースエステルフィルムのウェブを35℃で溶剤を蒸発させ、1.80m幅にスリットし、その後、テンターで幅方向に保持しながら、135℃の乾燥温度で乾燥させた。このときテンターで保持し始めたときの残留溶剤量は20%であった。又はばの最大応力は8MPaであった。
その後、120℃の乾燥装置内を多数のロールで搬送させながら15分間乾燥させた後、1.7m幅にスリットし、フィルム両端に幅15mm、高さ10μmのナーリング加工を施し、巻芯に巻き取り、共連続構造のフィルム3を得た。残留溶剤量は1.0%であり、膜厚は60μm、巻数は3900mであった。
(実施例4:共連続多孔質樹脂フィルム4の作製)
(ドープ液組成4)
セルロースエステル(セルロースアセテート、アシル基総置換度2.4、
アセチル基置換度2.4、Mw=200000) 5質量部
エタノール 80質量部
純水 20質量部
上記組成物を、55℃に加熱して、ドープ液を作製し、透明な液体を得た。
(製膜)
上記作製したドープ液を、ベルト流延装置を用い、温度35℃、2.0m幅でステンレスバンド支持体に均一に流延した。温度変化(55℃から35℃へ温度変化)し、かつステンレスバンド支持体で、残留溶剤量が100%になるまで溶媒を蒸発させることによる相分離、析出を利用して共連続多孔構造を形成した。ステンレスバンド支持体上から剥離したセルロースエステルフィルムのウェブを35℃で溶剤を蒸発させ、1.80m幅にスリットし、その後、テンターで幅方向に保持しながら、135℃の乾燥温度で乾燥させた。このときテンターで保持し始めたときの残留溶剤量は20%であった。また、幅の最大応力は11MPaであった。
その後、120℃の乾燥装置内を多数のロールで搬送させながら15分間乾燥させた後、1.7m幅にスリットし、フィルム両端に幅15mm、高さ10μmのナーリング加工を施し、巻芯に巻き取り、共連続構造のフィルム4を得た。残留溶剤量は1.0%であり、膜厚は60μm、巻数は3900mであった。
(実施例5:共連続多孔質樹脂フィルム5の作製)
(ドープ液組成5)
ダイヤナールBR85(三菱レイヨン(株)製) 2.5質量部
セルロースエステル(セルロースアセテートプロピオネート、
アシル基総置換度2.75、アセチル基置換度0.19、プロピオニル基置換度2.56、Mw=200000) 2.5質量部
エタノール 50質量部
アセトン 30質量部
純水 20質量部
上記組成物を、60℃に加熱して、ドープ液を作製し、透明な液体を得た。
(製膜)
上記作製したドープ液を、ベルト流延装置を用い、温度25℃、2.0m幅でステンレスバンド支持体に均一に流延した。温度変化(60℃から35℃へ温度変化)し、かつステンレスバンド支持体で、残留溶剤量が100%になるまで溶媒を蒸発させることによる相分離、析出を利用して共連続多孔構造を形成した。ステンレスバンド支持体上から剥離したアクリルとセルロースエステルフィルム混合フィルムのウェブを35℃で溶剤を蒸発させ、1.80m幅にスリットし、その後、テンターで幅方向に保持しながら、135℃の乾燥温度で乾燥させた。このときテンターで保持し始めたときの残留溶剤量は20%であった。又はばの最大応力は7MPaであった。
その後、120℃の乾燥装置内を多数のロールで搬送させながら15分間乾燥させた後、1.7m幅にスリットし、フィルム両端に幅15mm、高さ10μmのナーリング加工を施し、巻芯に巻き取り、共連続構造のフィルム5を得た。残留溶剤量は1.0%であり、膜厚は60μm、巻数は3900mであった。
(実施例6:共連続多孔質樹脂フィルム6の作製)
(ドープ組成6)
エコディア (東レ(株)製) 5質量部
メタノール 30質量部
アセトン 40質量部
純水 30質量部
上記組成物を、45℃に加熱して、ドープ液を作製し、透明な液体を得た。
(製膜)
上記作製したドープ液を、ベルト流延装置を用い、温度22℃、2.0m幅でステンレスバンド支持体に均一に流延した。温度変化(45℃から22℃へ温度変化)し、かつステンレスバンド支持体で、残留溶剤量が100%になるまで溶媒を蒸発させることによる相分離、析出を利用して共連続多孔構造を形成した。ステンレスバンド支持体上から剥離したポリ乳酸フィルムのウェブを35℃で溶剤を蒸発させ、1.80m幅にスリットし、その後、テンターで幅方向に保持しながら、135℃の乾燥温度で乾燥させた。このときテンターで保持し始めたときの残留溶剤量は20%であった。又はばの最大応力は7MPaであった。
その後、120℃の乾燥装置内を多数のロールで搬送させながら15分間乾燥させた後、1.7m幅にスリットし、フィルム両端に幅15mm、高さ10μmのナーリング加工を施し、巻芯に巻き取り、共連続構造のフィルム6を得た。残留溶剤量は1.0%であり、膜厚は60μm、巻数は3900mであった。
(実施例7:共連続多孔質樹脂フィルム7の作製)
(ドープ組成7)
DENKATX−320XL (電気化学工業(株)製) 5質量部
メタノール 30質量部
アセトン 60質量部
純水 10質量部
上記組成物を、45℃に加熱して、ドープ液を作製し、透明な液体を得た。
(製膜)
上記作製したドープ液を、ベルト流延装置を用い、温度22℃、2.0m幅でステンレスバンド支持体に均一に流延した。温度変化(45℃から22℃へ温度変化)し、かつステンレスバンド支持体で、残留溶剤量が100%になるまで溶媒を蒸発させることによる相分離、析出を利用して共連続多孔構造を形成した。ステンレスバンド支持体上から剥離したMS樹脂のウェブを35℃で溶剤を蒸発させ、1.80m幅にスリットし、その後、テンターで幅方向に保持しながら、135℃の乾燥温度で乾燥させた。このときテンターで保持し始めたときの残留溶剤量は20%であった。又はばの最大応力は7MPaであった。
その後、120℃の乾燥装置内を多数のロールで搬送させながら15分間乾燥させた後、1.7m幅にスリットし、フィルム両端に幅15mm、高さ10μmのナーリング加工を施し、巻芯に巻き取り、共連続構造のフィルム7を得た。残留溶剤量は1.0%であり、膜厚は60μm、巻数は3900mであった。
(比較例1:共連続構造を有しない樹脂フィルムの作製)
平均分子量8万のポリ−ε−カプロラクトンと両親媒性ポリアクリルアミドとを、50:1の質量比で混合して高分子溶液の溶質とした。溶媒にはジクロロメタンを用いた。高分子化合物の濃度が0.2質量%となるように高分子溶液を調製した。
ステンレス流延ベルトにキャスト後結露させた後、110℃で乾燥させ、共連続構造を有しない樹脂フィルムを作製した。
(共連続多孔質樹脂フィルムの観察(SEM測定))
〈試料の作製〉
作製した共連続構造フィルムに白金を30秒スパッタして、試料を作製した。
走査型電子顕微鏡(SEM:VE7800(キーエンス製))を用いて、加速電圧2kVで観察像を得た。イメージは共連続構造フィルムの面を垂直に見る方向から取得した(図1参照)。空孔相の空孔の平均円換算直径は、SEM観察において取得した50個の空孔相の断面の観察画像(空孔断面の投影面積)に基づき算出した。
(ガーレー透気度の測定)
JIS P 8117(1998)のB法に準拠して、23℃、65%RHにてガーレー透気度(東洋精機製)を用いて測定した(単位:秒/100ml)。同じサンプルについて同様の測定を、場所を変えて5回行い、得られたガーレー透気度の平均値を当該サンプルのガーレー透気度とした。この際、ガーレー透気度の平均値が7200秒/100mlを越えるものについては実質的に透気性を有さないものとみなし、無限大(∞)秒/100mlとした。
(光反射率の測定)
分光光度計(HITACHI製U−3310)を用いて、積分球を設置し、白板をリファレンスにすることで測定した。
(ヘイズの測定)
日本電色製のNDH2000を用いて測定した。
(比重の測定)
JIS K7112−1999の「プラスチック−非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法」のD法(密度こうばい管法)に準拠して測定した。
以上の測定結果を表1に示す。
上述した共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法、SEM観察画像、及び表1に示したガーレー透気度等の結果から明らかなように、本発明により、三次元的に連続した樹脂含有相と三次元的に連続した空孔相とからなる共連続構造を有する多孔質樹脂フィルムを、低コストで簡便に製造することが可能な共連続多孔質樹脂フィルムの新たな製造方法を提供することができることが分かる。

Claims (8)

  1. 三次元的に連続した樹脂含有相と三次元的に連続した空孔相とからなる共連続構造を有する多孔質樹脂フィルムを製造する共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法であって、樹脂組成物を、水を含有する溶媒に溶解する溶解工程、前記樹脂組成物を支持体に流涎する流涎工程、前記樹脂組成物の一部を析出させる析出工程、及び乾燥工程を有することを特徴とする共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法。
  2. 前記流涎工程又は析出工程における前記樹脂組成物の平均温度が、前記溶解工程における当該樹脂組成物の平均温度に対し、20℃以上低いことを特徴とする請求項1に記載の共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法。
  3. 前記水を含有する溶媒が、水以外に、アルコール系溶媒又はケトン系溶媒のうちの少なくとも一種を含有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法。
  4. 前記樹脂組成物が、熱可塑性樹脂を含有していることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法。
  5. 前記熱可塑性樹脂が、セルロースエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリ乳酸樹脂、及びポリスチレン樹脂から選ばれる熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法。
  6. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の共連続多孔質樹脂フィルムの製造方法によって製造された共連続多孔質樹脂フィルムであって、光反射率が10〜99%の範囲内であり、比重が1.0〜1.2の範囲内であり、ヘイズ値が60%以上であり、ガーレー透気度が50〜600秒/100mlの範囲内であり、かつ共連続構造を有することを特徴とする共連続多孔質樹脂フィルム。
  7. 前記空孔相の空孔の平均円換算直径が、100nm〜5μmの範囲内であることを特徴とする請求項6に記載の共連続多孔質樹脂フィルム。
  8. フィルムの膜厚が、1〜100μmの範囲内であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の共連続多孔質樹脂フィルム。
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