JP5716283B2 - 多孔質分離平膜およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は飲料水製造、浄水処理、排水処理などの水処理や、食品工業分野での固液分離処理に良好な多孔質分離平膜に関する。特に排水処理において活性汚泥槽内に浸漬し固液分離に好適に用いられる多孔質分離平膜に関する。
近年、下水や廃水の浄化に使われるようになってきている平膜状や中空糸膜状の多孔質膜は、膜を配設した膜分離エレメントや、該エレメントの複数を配置した膜分離モジュールの装置として水浄化処理に使用されている。
そのような膜分離エレメントに配設される膜として、いろいろな種類、形態のものがあるが、界面活性剤を含むポリフッ化ビニリデン樹脂溶液を、織布や不織布のような基材の表面に塗布したり、基材に含浸させたりした後、ポリフッ化ビニリデン樹脂を凝固させ、基材層の表面に多孔質ポリフッ化ビニリデン樹脂層を形成してなる、いわゆる精密ろ過膜と称される平板状の複合分離膜が知られている(特許文献1)。
この複合分離膜において、多孔質ポリフッ化ビニリデン樹脂層は分離機能層として作用するが、そのような平膜においては、他の形態の分離膜、たとえば中空糸膜にくらべて単位体積あたりの有効膜面積を大きくとることが困難であるため、ろ過対象に応じた細孔径を保ちつつ透水量を多くすることが要求されている。しかるに、透水量を大きくしようとして空隙率を高くすると、細孔径が大きくなりすぎたり、表面に亀裂が入ったりして阻止率が低下する。一方、阻止率を上げようとして細孔を小さくすると、今度は透水性が低下してしまう。すなわち、阻止率の向上と透水性の向上とは相反する関係にあり、両者のバランスを整えることは難しい。
加えて、下廃水用分離膜においては、膜ろ過運転中に、被処理水に含まれる砂のような無機物や汚泥、その他の固形物が膜面に激しく衝突したり、活性汚泥への酸素の供給や目詰まり防止のために行うエアレーション操作による気泡が激しく膜面に衝突したりすることによって、著しい衝撃や振動が膜面に加わると膜の破損、液のリークが生じ易くなるので、それにも十分に耐える膜強度を備えていることが要求される。
例えば、特許文献2で示されたように熱誘起相分離法あるいは非溶媒誘起相分離法により製造された、ポリフッ化ビニリデン系樹脂からなる中空糸膜を融点に近い高温で熱処理して破断強度を大幅に向上させ、かつ、破断伸度、純水透過性能を高い水準で維持させられると開示されている。しかしながら、この方法は中空糸膜による製法であり、不織布などの支持体をベースにした多孔質分離平膜とは形態が異なる。
また、特許文献3、特許文献4、特許文献5で、精密濾過膜あるいは電池用セパレータとして使用されるフッ化ビニリデン系樹脂多孔膜の製造方法に関して開示されている。それらは例えばフッ化ビニリデン系樹脂を、制御された条件での結晶化−熱処理−延伸−緊張熱処理して多孔膜化する方法(特許文献3)、特定の分子量のフッ化ビニリデン系樹脂を可塑剤とともに製膜後、片側から冷却し次いで可塑剤を抽出する方法(特許文献4)、通常分子量のフッ化ビニリデン系樹脂に耐熱変形性の向上のための高分子量フッ化ビニリデン系樹脂と有機質多孔化剤または無機質多孔化剤とを配合して膜形成した後、多孔化剤を抽出除去することにより、あるいは無機質多孔化剤の場合には、これを延伸時の応力集中核として作用させることにより、膜に孔を発生させて電池用セパレータとして使用される耐熱性の多孔膜とする方法(特許文献5)、等である。
しかし、可塑剤あるいは有機質多孔化剤の抽出により得られた多孔膜を水処理用の濾過膜として使用する場合に、必要な濾過性能(透水量)あるいは機械的な物性が得られない場合がある。他方、これら特性の向上を目的として延伸を行おうとすると、膜が破断し易く十分な延伸倍率まで延伸できない欠点があった。特に、水処理用の精密濾過膜として使用する場合には濾過圧力に耐えるべく膜厚みが50μm以上であるのが一般的であるが、膜厚みが50μm以上の比較的肉厚の膜において延伸適性が顕著に劣ることが判明した。
特開2003−135939号公報 特開2008−105016号公報 特開昭54−62273号公報 特開平7−173323号公報 特開2000−309672号公報
本発明は、活性汚泥槽内で固液分離する用途で使用しても活性汚泥などの被処理液に対する物理的耐久性が高く、かつ高透水性を実現することができる液体分離用に好適な多孔質分離平膜を提供することを主たる目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、次の(1)〜(7)に述べる構成からなる。
(1)重量平均分子量10万以上40万以下のフッ化ビニリデン系樹脂からなる多孔質分離平膜であって、DSC(示差走査熱量測定)により測定される多孔質樹脂層の結晶融解エンタルピーが50J/g以上であることを特徴とする多孔質分離平膜。
(2)密度が0.7g/cm以下である多孔質基材の表面に多孔質樹脂層を有してなり、多孔質樹脂層を形成している樹脂の一部は多孔質基材に入り込んで多孔質基材との複合層を形成している多孔質分離平膜であって、下記の(i)および/または(ii)を満足することを特徴とする(1)に記載の多孔質分離平膜。
(i)多孔質樹脂層表面の平均孔径が0.01μm以上0.2μm以下であり、かつ、多孔質樹脂層表面の孔径の標準偏差が0.1μm以下である。
(ii)多孔質基材の厚みをAとして、多孔質樹脂層に短径が0.05×A以上のマクロボイドが存在し、かつ、平均粒径が0.088μmの微粒子の排除率が少なくとも90%以上である。
(3)130℃以上170℃以下の温度で熱処理を行うことで得られることを特徴とする(1)または(2)に記載の多孔質分離平膜。
(4)熱処理後の多孔質分離平膜のA硬度と熱処理前の多孔質分離平膜のA硬度との差が1以上50以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の多孔質分離平膜。
(5)密度が0.7g/cm以下である多孔質基材の表面に、樹脂と、開孔剤と、溶媒とを含む原液を多孔質基材に接触させ、しかる後、該多孔質基材を非溶媒を含む凝固浴に浸漬して樹脂を凝固させることで多孔質基材の表面に多孔質樹脂層を形成する多孔質分離平膜の製造方法。
(6)原液が樹脂を5重量%以上30重量%以下、開孔剤を0.1重量%以上15重量%以下、溶媒を40重量%以上94.9重量%以下含み、凝固浴が非溶媒を60重量%以上含む(5)に記載の多孔質分離平膜の製造方法。
(7)原液が非溶媒を含む(6)に記載の多孔質分離平膜の製造方法。
本発明によれば、活性汚泥液などの被処理液に対しても物理的耐久性が高く、かつ高透水性を実現することができ液体分離用に好適な多孔質分離平膜を得ることができる。従って多孔質分離平膜の耐久性が向上され、長期的運転を行うことが容易となる。
実施例1,2,6に係る多孔質分離平膜表面の撮影画像である。 比較例1,2に係る多孔質分離平膜表面の撮影画像である。
本発明の多孔質分離平膜の多孔質樹脂層に用いる樹脂は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂またはそれを主成分とするものである。ポリフッ化ビニリデン系樹脂としては、フッ化ビニリデンホモポリマーおよび/またはフッ化ビニリデン共重合体を含有する樹脂のことである。複数の種類のフッ化ビニリデン共重合体を含有しても構わない。フッ化ビニリデン共重合体としては、フッ化ビニリデン残基構造を有するポリマーならば特に限定されず、典型的にはフッ化ビニリデンモノマーとそれ以外のフッ素系モノマーとの共重合体であり、例えば、フッ化ビニル、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、三フッ化塩化エチレンから選ばれた1種類以上のフッ素系モノマーとフッ化ビニリデンとの共重合体が挙げられる。場合によっては、フッ素系モノマー以外の例えばエチレン等のモノマーが含まれていても良い。
またポリフッ化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量は、要求される多孔質分離平膜の強度と透水性能によって適宜選択すれば良いが10万以上40万以下の範囲であることが必要であり、製膜性を考慮すると20万以上35万以下の範囲が好ましい。重量平均分子量がこの範囲よりも大きくなると、樹脂溶液の粘度が高くなりすぎ、またこの範囲よりも小さくなると、樹脂溶液の粘度が低くなりすぎ、いずれも多孔質分離平膜を成形することが困難になる。
上記したような比較的高分子量のフッ化ビニリデン系樹脂は、好ましくは乳化重合あるいは懸濁重合で得ることができる。
なお、本発明の多孔質樹脂層に用いる樹脂は、上述した通りポリフッ化ビニリデン系樹脂またはそれを主成分とするものであるが、本発明の目的を逸脱しない範囲で、他の熱可塑性樹脂を含有しても良い。ここで、熱可塑性樹脂とは、鎖状高分子からなり、加熱すると外力によって変形・流動する性質が現れる樹脂のことをいう。熱可塑性樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリアクリルニトリル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS樹脂)、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびこれらの混合物や共重合体が挙げられる。
本発明者らは、多孔質分離平膜とその機械的強度について鋭意検討し、多孔質分離平膜を形成する多孔質樹脂層の結晶融解エンタルピー(ΔH)を高めると、機械的強度すなわちA硬度が高くなり耐久性が向上することを見出し、特に結晶融解エンタルピーの値が50J/g以上であると多孔質分離平膜の耐久性が大きく向上することを見出したのである。
結晶融解エンタルピーは、結晶が融解する際に発する熱量であり、多孔質樹脂層の結晶融解エンタルピーが大きいほど、多孔質樹脂層の結晶性(結晶化度)が高いことを意味する。例えば、結晶化度100%のポリフッ化ビニリデンの場合、結晶融解エンタルピーは、参考文献(「Impact of nucleating agents of PVDF on the crystallization of PVDF/PMMA blends、 Polymer 42 (2001) p8799-8806」のP8801に記載)から、25cal/g≒105J/gである。
一般に、ポリフッ化ビニリデン系樹脂などの結晶性高分子は、結晶部と非晶部を有しており、結晶部と非晶部のドメインの大きさ、分布などが、得られる樹脂材料の機械的特性に影響を及ぼすことが知られている。
本発明の多孔質分離平膜を形成する多孔質樹脂層の場合、結晶融解エンタルピーの値が50J/g以上、すなわち前記参考文献と同結晶型であれば結晶化度47%以上とすることで、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の結晶部と非晶部のドメインの大きさ、分布が多孔質分離平膜にとって適切なものとなり、耐久性が大きく向上するという効果を奏したと考えている。
ここで、本発明に係る結晶融解エンタルピーは、次の測定方法により求めることができる。
セイコー電子(株)製の示差走査熱量計(DSC-6200)を用いて、乾燥状態の平膜を密封式DSC容器に密封し、約10mgを測定セルにセットし、窒素ガス雰囲気中で、温度30℃から10℃/分の昇温速度で220℃までいったん昇温し、ついで220℃で1分間保持した後、220℃から20℃/分の降温速度で30℃まで降温した。このとき、結晶融解時のピークトップを融点とし、ベースラインからの積分値を結晶融解エンタルピーとした。
本発明の多孔質樹脂層を形成する製膜原液には、前記したポリフッ化ビニリデン系樹脂の他に、必要に応じて開孔剤や貧溶媒、非溶媒を添加してもよい。
製膜原液に多孔質樹脂層における多孔質の形成を促進する作用を持つ開孔剤を加える場合、その開孔剤は、凝固液によって抽出可能なものであればよく、凝固液への溶解性の高いものが好ましい。たとえば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレン類や、ポリビニールアルコール、ポリビニールブチラール、ポリアクリル酸などの水溶液高分子やグリセリンを用いることもできる。またその他にも、ポリオキシアルキレン構造又は、脂肪酸エステル構造又は水酸基を含有している界面活性剤を用いることができる。界面活性剤の使用により、目的とする細孔構造を得ることが容易になる。
ここで、ポリオキシアルキレン構造としては、−(CHCHO)−、−(CHCH(CH)O)−、−(CHCHCHO)−、−(CHCHCHCHO)−などを挙げることができるが、特に親水性の観点から、−(CHCHO)−いわゆるポリオキシエチレンが好ましい。
脂肪酸エステル構造としては、長鎖脂肪族基を有する脂肪酸が挙げられる。長鎖脂肪族基としては、直鎖状、分岐状いずれでも良いが、脂肪酸としては、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、パルミチン酸などが挙げられる。また、油脂由来の脂肪酸エステル、例えば牛脂、パーム油、ヤシ油等も挙げられる。
水酸基を有する界面活性剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、ソルビトール、ブドウ糖、ショ糖などを挙げることができる。本発明において開孔剤として用いる界面活性剤は、ポリオキシアルキレン構造、脂肪酸エステル構造、水酸基のうち2つ以上を含むものが好ましい。中でも、ポリオキシアルキレン構造、脂肪酸エステル構造及び水酸基の全てを含有している界面活性剤が特に好ましく用いられ、たとえば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとして、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルとして、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコールを挙げることができる。
これらの界面活性剤は特に無機微粒子の分散性をよくするだけでなく、多孔質層に残存し乾燥させても透水性、阻止性が低下しないという特徴を併せ持つので好ましい。
製膜原液中に、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、他の有機樹脂及び開孔剤などを溶解させるために用いる溶媒としては、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトン、メチルエチルケトンなどを用いることができる。中でもポリフッ化ビニリデン系樹脂に対する溶解性の高いNMP、DMAc、DMF、DMSOを好ましく用いることができる。
製膜原液には、その他、非溶媒を添加することもできる。非溶媒は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂や他の有機樹脂を溶解しないものであり、ポリフッ化ビニリデン系樹脂及び他の有機樹脂の凝固の速度を制御して細孔の大きさを制御するように作用する。非溶媒としては、水や、メタノール、エタノールなどのアルコール類を用いることができる。なかでも廃水処理の容易さや価格の点から水、メタノールが好ましく、これらを混合したものであってもよい。
製膜原液の組成において、樹脂は5重量%以上30重量%以下、開孔剤は0.1重量%以上15重量%以下、溶媒は45重量%以上94.8重量%以下の範囲内であることが好ましい。また製膜原液に非溶媒を含有させることも好ましく、その場合の非溶媒の含有率は0.1重量%以上10重量%以下の範囲内であることが好ましい。中でも、樹脂としてポリフッ化ビニリデン系樹脂を用いる場合は、極端に少ないと多孔質樹脂層の強度が低くなり、多すぎると透水性が低下することがあるので、8重量%以上20重量%の範囲がより好ましい。開孔剤は、少なすぎると透水性が低下し、多すぎると多孔質層の強度が低下することがある。また、極端に多いとポリフッ化ビニリデン系樹脂中に過剰に残存して使用中に溶出し、透過水の水質が悪化したり、透水性変動をしたりすることがある。したがって、より好ましい範囲は、0.5重量%以上10重量%以下である。さらに、溶媒は少なすぎると原液がゲル化しやすくなり、多すぎると多孔質樹脂層の強度が低下することので、より好ましくは60重量%以上90重量%以下の範囲である。また、非溶媒は、あまり多いと原液のゲル化が起こりやすくなり、極端に少ないと細孔やマクロボイドの大きさの制御が難しくなる。したがって、より好ましくは0.5重量%以上5重量%以下である。
また、本発明の多孔質分離平膜は、多孔質基材層と多孔質樹脂層とからなる複合分離膜であることが好ましく、特に、ポリフッ化ビニリデン系樹脂からなる多孔質分離機能層が形成された複合分離膜を用いることがさらに好ましい。
多孔質樹脂層が多孔質基材層の上に形成された複合分離膜において、多孔質基材層は、多孔質樹脂層を支持して多孔質分離平膜に強度を与える機能をもつ。多孔質基材層を構成する材質としては、有機基材、無機基材等、特に限定されないが、軽量化しやすい点から、有機基材が好ましい。有機基材としては、セルロース繊維、セルローストリアセテート繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維などの有機繊維からなる織編物や不織布があげられる。なかでも、密度の制御が比較的容易な不織布が特に好ましい。
さらに、多孔質樹脂層が多孔質基材層の上に形成された複合分離膜において、多孔質樹脂層を構成する樹脂組成物の一部が多孔質基材中に入り込み、多孔質樹脂層を構成する樹脂と多孔質基材とが混在する層が、多孔質樹脂層と多孔質基材層との間に介在することが好ましい。多孔質基材表面側の内部に樹脂が入り込むことで、いわゆるアンカー効果によって多孔質樹脂層が多孔質基材層に堅固に定着され、多孔質樹脂層が多孔質基材層から剥がれるのを防止できるようになる。多孔質樹脂層は、多孔質基材層に対して、片面に偏って存在しても構わないし、また、両面に存在しても構わない。多孔質樹脂層は、多孔質基材層に対して、対称構造であっても、非対称構造であっても構わない。また、多孔質樹脂層が多孔質基材層に対して両面に存在している場合には、両側の多孔質樹脂層が、多孔質基材層を介して連続的であっても構わないし、不連続であっても構わない。
次に、本発明において用いる多孔質分離平膜を製造する方法について説明する。この多孔質分離平膜は、たとえば、ポリフッ化ビニリデン系樹脂及び開孔剤などを含む製膜原液を、多孔質基材の片表面若しくは両表面に付着させ、非溶媒を含む凝固液中で凝固させ多孔質樹脂層を形成することにより製造することができる。このとき、多孔質基材の表面に製膜原液を付着させる手段は、多孔質基材に製膜原液を塗布する方法でもよく、また、多孔質基材を製膜原液に浸漬させる方法でもよい。多孔質基材に製膜原液を塗布する場合には、多孔質基材の片面に塗布しても構わないし、両面に塗布しても構わない。多孔質基材とは別に多孔質樹脂層のみを形成した後に両層を接合することでもよい。
そして、製膜原液を凝固させるにあたっては、多孔質基材上の多孔質樹脂層形成用製膜原液被膜のみを凝固液に接触させる方法でもよいし、また、多孔質樹脂層形成用製膜原液被膜を多孔質基材ごと凝固液に浸漬する方法でもよい。多孔質樹脂層形成用製膜原液被膜のみを凝固液に接触させるためには、例えば、多孔質基材上に形成された製膜原液被膜が下側に来るようにして凝固浴表面と接触させる方法や、ガラス板、金属板などの平滑な板の上に多孔質基材を接触させて、凝固浴が多孔質基材側に回り込まないように貼り付け、製膜原液被膜を有する多孔質基材を板ごと凝固浴に浸漬する方法などがある。後者の方法では、多孔質基材を板に貼り付けてから製膜原液の被膜を形成しても構わないし、多孔質基材に製膜原液の被膜を形成してから板に貼り付けても構わない。
一方、凝固浴としては、非溶媒、または非溶媒と溶媒とを含む混合溶液を用いることができる。製膜原液にも非溶媒を用いる場合、凝固浴における非溶媒は、凝固浴の少なくとも80重量%とするのが好ましい。少なすぎるとポリフッ化ビニリデン系樹脂の凝固速度が遅くなり細孔径が大きくなったりする。より好ましくは、85重量%以上100重量%以下の範囲である。一方、製膜原液に非溶媒を用いない場合、製膜原液にも非溶媒を用いる場合よりも、凝固浴における非溶媒の含有量を少なくすることが好ましいが、少なくとも60重量%とするのが好ましい。非溶媒が多いと、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の凝固速度が速くなって多孔質樹脂層の表面は緻密となり透水性が低下することがある。より好ましくは60重量%以上99重量%以下の範囲がよい。凝固浴中の非溶媒の含有量を調整することにより、多孔質樹脂層表面の孔径やマクロボイドの大きさを制御することができる。
なお、凝固浴の温度は、あまり高いと凝固速度が速すぎるようになり、逆に、あまり低いと凝固速度が遅すぎるようになるので、通常、15℃以上80℃以下の範囲で選定するのが好ましい。より好ましくは20℃以上60℃以下の範囲である。
また、本発明において用いる多孔質分離平膜は、ナノろ過膜、限外ろ過膜、精密ろ過膜とのいずれであってもよく、分離対称物質の大きさに応じて適当な一種以上の膜を選択、組み合わせればよいが、下廃水処理用としては特に限外ろ過膜、精密ろ過膜が好ましい。そして、平均粒径0.088μmの微粒子(公称粒径0.088μm、標準偏差0.0062μm)の阻止率が90%以上であることがさらに好ましい。この阻止率を満足しないときは、下廃水処理にあたって、菌体や汚泥などがリークしたり菌体や汚泥による目詰まりが起こったり、ろ過差圧の上昇が起こったり、寿命が極端に短くなったりする。
さらに、本発明の多孔質分離平膜は、多孔質樹脂層表面の平均孔径が0.01〜0.2μmの範囲にあり、かつ、孔径の標準偏差が0.1μm以下であることが好ましい。多孔質分離平膜がこの範囲内にあると、菌体や汚泥などがリークすることのない高い排除率と、高い透水性を両立でき、さらに目詰まりしにくく、透水性を長時間保持できる。平均孔径は、小さすぎると透水量が低下することがあるので、通常は0.02μm以上が好ましく、より好ましくは0.04μm以上である。多孔質樹脂層が多孔質基材の両面に存在する場合、少なくとも一方の多孔性樹脂層が、この条件を満たしていればよい。ここで、平均孔径および標準偏差は、倍率10,000倍の走査型電子顕微鏡観察における、9.2μm×10.4μmの範囲内で観察できる細孔すべての直径の平均およびその標準偏差を測定することにより求めることができる。
上記の孔径分布の範囲が好ましい理由は、必ずしも明らかになっていないが、以下のように推測している。すなわち、孔径の標準偏差が0.1μmを超えると、多孔質樹脂層表面の細孔は、広い孔径分布を持つようになる。孔径の大きい孔は、水を通しやすいので、分離膜の透水率の初期値の向上には貢献する。しかし、水が大きい孔を優先して通るために、下廃水処理を続けると、大きい孔から先に異物がつまり始める。そうなると、小さい孔ばかりが残って、有効な細孔の平均孔径が急激に低下し、結果として分離膜の透水率も急激に低下する。孔径の標準偏差が上記の範囲内であれば、このような不都合が起こりにくいと考えられる。
上記したように多孔質分離平膜の融点に近い高温で熱処理すると、多孔質分離平膜を形成する固形部内の非晶部でポリマーのミクロブラウン運動が活発化した後、一部で結晶化したり、あるいは固形部内の融点より低温で溶融する結晶部が、一度溶融した後、より高温で溶融する結晶部に再結晶化したりすることで、多孔質部の硬度が高くなると考えられる。そのため、本発明の多孔質分離平膜を得るためには、熱処理を施すことが好ましい。
また、熱処理方法は、特に限定されないが、熱媒循環、電熱線ヒーターや熱風により雰囲気を加熱することによる乾熱加熱や、スチームを利用して加熱する湿熱加熱や、あるいは、ポリエチレングリコールなどの高沸点の液体を利用する高温液体中の加熱が好ましく採用される。
また、熱処理温度は極端に低いと膜表面を硬くする効果が見られず、極端に温度が高いと多孔質部が溶けてしまうことがある。したがって、熱処理温度を130℃以上170℃以下の範囲、より好ましくは130℃以上160℃以下の範囲、さらに好ましくは150℃以上160℃以下の範囲として、熱処理時間を1秒以上18000秒以下、より好ましくは15秒以上3600秒以下、さらに好ましくは90秒以上900秒以下として、結晶化度を増大させることが好ましい。また、熱処理温度は、130℃以上170℃以下で一定に保持する方法でも、熱処理中に130℃以上170℃以下の範囲で変化させる方法でも良い。さらに、多孔質分離平膜の熱処理は、複数回繰り返し実施しても良く、湿潤状態であっても乾燥状態であってもかまわない。
熱処理後の多孔質分離平膜のA硬度と熱処理前の多孔質分離平膜のA硬度との差が小さすぎると、機械的物性が向上していないことから耐久性の向上もみられないおそれがある。また、差が大き過ぎると必要な濾過性能(透水量)あるいは機械的物性が得られない場合がある。したがって、熱処理後の多孔質分離平膜のA硬度と熱処理前の多孔質分離平膜のA硬度との差は1以上50以下が好ましい。
多孔質分離平膜は、A硬度に代表される機械的物性、透水量に代表される濾過性能、平均粒径0.088μmの微粒子の阻止率に代表される阻止性能をバランス良く備えることが重要である。このような多孔質分離平膜とするためには、熱処理前の多孔質分離平膜が有するA硬度、透水量及び0.088μmの微粒子の阻止率を把握し、その膜に応じて上述した熱処理方法・熱処理温度・熱処理時間を実験的に決定すれば良い。
また、熱多孔質樹脂層の膜表面の硬さを測定する方法は、特に限定されてないが、JIS K 6253(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方)A硬度試験などが好ましく採用されている。ここで、A硬度試験は、JIS K 6253(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方)A硬度試験に準じて、マイクロゴム硬度計を用いるのが好ましい。
以下に具体的な実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。ここで本発明に関連するパラメーターは以下の方法で測定した。
[結晶融解エンタルピー]
セイコー電子(株)製の示差走査熱量計(DSC-6200)を用いて、乾燥状態の多孔質分離平膜から多孔質基材をはぎ取って多孔質樹脂層の約10mgを測定セルにセットして密封式DSC容器に密封し、窒素ガス雰囲気中で、温度30℃から10℃/分の昇温速度で220℃までいったん昇温し、ついで220℃で1分間保持した後、220℃から20℃/分の降温速度で30℃まで降温した。このとき、結晶融解時のピークトップを融点とし、ベースラインからの積分値を結晶融解エンタルピーとして求め。各測定では130℃〜170℃をピークとする吸熱ピークがみられた。
[透水量]
多孔質分離平膜を直径50mmの円形に切り出し、円筒型のろ過ホルダーにセットし、逆浸透膜透過水を25℃で、水頭高さ1mで5分間予備透過させた後、続けて透過させて透過水を5分間採取することにより透水量を測定する。
[阻止率]
ラテックス粒子(セラダイン社製ポリスチレンラテックス微粒子、公称粒径0.088μm、標準偏差0.0062μm)を用いて濃度の検量線を求める。すなわち、微粒子阻止率測定用のホルダー(UHP−43K、アドバンテック東洋(株)製)に多孔質分離平膜(直径43mmの円形)をセットし、ラテックス粒子濃度約10ppmに調製した原水を入れ、評価圧力10kPaの窒素圧で、原水を撹拌しながら、25cc予備透過をした後、25ccの透過水を採取する。原水と透過水のそれぞれのラテックス粒子濃度を、分光光度計(日立製作所製、U−3200)で波長202nmの紫外線の吸光度の値で測定する。その吸光度の比(濃度比)から次の式により阻止率を求める。
阻止率(%)=[(原水の吸光度−透過水の吸光度)/原水の吸光度]×100
また、多孔質分離平膜の落砂式摩耗試験は、落砂式摩耗試験装置(ASTM D673#80、東洋精機製作所製)を用いて、直径44mmの円に切り出した摩耗試験サンプルを、水平面と45°の角度に保持した受台に分離膜サンプルの表面が表に出るように膜の両端を押さえ板で動かないように固定して、直径2mmの穴が中心に1箇所、周りに6箇所あいている補給タンクに400gのSiC(45#)を入れ、補給タンクを回転しながら、高さ650mmから直径(内径)23mmの筒を介して400gのSiC(45#)がセットした分離膜の中心に落ちるようにして、落下させて行った。その後、水平面と45°の角度に保持した摩耗試験の膜表面に付着したSiCを除き、上述の阻止率の測定を行った。
[膜表面A硬度]
JIS K 6253(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方)A硬度試験に準じて、マイクロゴム硬度計(アスカーMD−1 F360A 高分子株式会社製)を用いて測定を行う。即ち、多孔質基材に塗布された多孔質樹脂層の膜表面の硬さを求めた。
(実施例1)
樹脂として重量平均分子量28万のポリフッ化ビニリデン(PVDF/呉羽化学工業株式会社製、KF#850)を用いた。また、開孔剤としてモノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、非溶媒としてHOをそれぞれ用いた。これらを95℃の温度下で十分に撹拌し、次の組成を有する製膜原液を作製した。
ポリフッ化ビニリデン(PVDF):17.0重量%
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン:8.0重量%
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF):72.0重量%
O:3.0重量%
次に、上記製膜原液を30℃に冷却した後、密度0.48g/cm3、厚み220μmのポリエステル繊維製不織布に塗布し、塗布後、直ちに20℃の純水中に5分間浸漬しさらに90℃の熱水に2分間浸漬して溶媒であるN,N−ジメチルホルムアミドおよび開孔剤であるモノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンを洗い流した。その後、無緊張状態で熱風により雰囲気を160℃にして15分間乾熱雰囲気中に静置させて多孔質分離平膜を得た。得た多孔質分離平膜の性能を表1に示し、膜表面の撮影画像を図1に示す。
(実施例2)
無緊張状態で熱風により雰囲気を150℃にして15分間乾熱雰囲気中に静置させた以外は実施例1と同様にした。得た多孔質分離平膜の性能を表1に示し、膜表面の撮影画像を図1に示す。
(実施例3)
無緊張状態で熱風により雰囲気を130℃にして15分間乾熱雰囲気中に静置させた以外は実施例1と同様にした。得た多孔質分離平膜の性能を表1に示す。
(実施例4)
無緊張状態で熱風により雰囲気を160℃にして3分間乾熱雰囲気中に静置させた以外は実施例1と同様にした。得た多孔質分離平膜の性能を表1に示す。
(実施例5)
無緊張状態で、熱風により雰囲気を170℃にして15分間乾熱雰囲気中に静置させた以外は実施例1と同様にした。得られた多孔質分離平膜の性能を表1に示す。
(実施例6)
無緊張状態で、熱風により雰囲気を175℃にして15分間乾熱雰囲気中に静置させた以外は実施例1と同様にした。得られた多孔質分離平膜の性能を表1に示し、膜表面の拡大撮影画像を図1に示す。
(実施例7)
無緊張状態で、熱風により雰囲気を160℃にして1.5分間乾熱雰囲気中に静置させた以外は実施例1と同様にした。得られた多孔質分離平膜の性能を表1に示す。
(比較例1)
無緊張状態で、熱風により雰囲気を95℃にして15分間乾熱雰囲気中に静置させた以外は実施例1と同様にした。得られた多孔質分離平膜の性能を表1に示し、膜表面の拡大撮影画像を図2に示す。
(比較例2)
無緊張状態で、熱風により雰囲気を120℃にして15分間乾熱雰囲気中に静置させた以外は実施例1と同様にした。得られた多孔質分離平膜の性能を表1に示し、膜表面の拡大撮影画像を図2に示す。
(比較例3)
樹脂として重量平均分子量41.7万のポリフッ化ビニリデン(PVDF/呉羽化学工業株式会社製、KF#1300)を用いた以外は実施例1と同様にした。得られた多孔質分離平膜の性能を表1に示す。
以上の実施例・比較例にて示した通り、熱処理温度が120℃以下であり結晶融解エンタルピーが47J/g以下と低かった多孔質分離平膜については、A硬度(処理前―処理後)の値が0.2以下と低く、物理的耐久性に劣ることが分かった。また、樹脂の重量平均分子量が41.7Daのものを用いて熱処理温度160℃で熱処理をした多孔質分離平膜については、A硬度(処理後−処理前)の値が5.1と高いものの、著しく透水量が低下することが分かった。
一方で、樹脂の重量平均分子量が10万以上40万以下のフッ化ビニリデン系樹脂を用い、130℃から170℃の範囲で熱処理を行った結晶融解エンタルピーが50J/g以上の多孔質分離平膜については、A硬度(処理後−処理前)の値1以上50以下であり、かつ、透水量も50×10−9/m/s/Pa,25℃以上と、化学的耐久性及び物理的耐久性が非常に高く、かつ高い純粋透過性能を有する多孔質分離平膜であることが示された。
本発明の多孔質分離平膜は、化学的耐久性及び物理的耐久性が非常に高く、かつ高い純粋透過性能を有するので、飲料水製造、浄水処理、排水処理などの水処理や、食品工業分野での固液分離処理において多孔質膜として有用である。

Claims (7)

  1. 密度が0.7g/cm以下である多孔質基材と、前記多孔質基材の表面に設けられ、重量平均分子量10万以上40万以下のフッ化ビニリデン系樹脂からなる多孔質樹脂層と、を備える多孔質分離平膜であって、
    前記多孔質樹脂層を形成している樹脂の一部が多孔質基材に入り込んで多孔質基材との複合層を形成しており、
    DSC(示差走査熱量測定)により測定される多孔質樹脂層の結晶融解エンタルピーが50J/g以上であることを特徴とする多孔質分離平膜。
  2. 下記の(i)および/または(ii)を満足することを特徴とする請求項1に記載の多孔質分離平膜。
    (i)多孔質樹脂層表面の平均孔径が0.01μm以上0.2μm以下であり、かつ、多
    孔質樹脂層表面の孔径の標準偏差が0.1μm以下である。
    (ii)多孔質基材の厚みをAとして、多孔質樹脂層に短径が0.05×A以上のマクロ
    ボイドが存在し、かつ、平均粒径が0.088μmの微粒子の排除率が少なくとも90%
    以上である。
  3. 密度が0.7g/cm以下である多孔質基材の表面に、重量平均分子量10万以上40万以下のフッ化ビニリデン系樹脂と、開孔剤と、溶媒とを含む原液を多孔質基材に接触させ、しかる後、該多孔質基材を非溶媒を含む凝固浴に浸漬して樹脂を凝固させることで多孔質基材の表面に多孔質樹脂層を形成する多孔質分離平膜の製造方法。
  4. 前記多孔質樹脂層が形成された膜を130℃以上170℃以下の温度で熱処理することをさらに備える請求3に記載の多孔質分離平膜の製造方法。
  5. 熱処理後の多孔質分離平膜のA硬度と熱処理前の多孔質分離平膜のA硬度との差1以上50以下とする請求項4に記載の多孔質分離平膜の製造方法
  6. 原液が樹脂を5重量%以上30重量%以下、開孔剤を0.1重量%以上15重量%以下、溶媒を40重量%以上94.9重量%以下含み、凝固浴が非溶媒を60重量%以上含む請求項5に記載の多孔質分離平膜の製造方法。
  7. 原液が非溶媒を含む請求項6に記載の多孔質分離平膜の製造方法。
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