JP4931796B2 - フッ化ビニリデン系樹脂中空糸多孔膜、それを用いる水の濾過方法およびその製造方法 - Google Patents

フッ化ビニリデン系樹脂中空糸多孔膜、それを用いる水の濾過方法およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、機械的強度に加えて、再生効率を含めた長期の水処理性能に優れたフッ化ビニリデン系樹脂製の中空糸多孔膜(中空糸状の多孔膜)、それを用いる水の濾過方法およびその製造方法に関する。
フッ化ビニリデン系樹脂は、耐候性、耐薬品性、耐熱性に優れることから分離用多孔膜への応用が検討されている。水処理用途、特に上水製造または下水処理用途に使用する場合、濾過装置の容積当りの膜面積を大きくすることが容易な中空糸多孔膜が用いられることが多い。
使用される中空糸多孔膜には、濾過運転中は勿論のこと、経時的な膜の目詰まりを除去するために行われる逆洗中に、糸切れを生じないように、ある程度大きな引張り強度と破断伸度等の機械的強度が求められる。また逆洗による洗浄効果が不充分になりがちな有機物による目詰まりに対しては、次亜塩素酸ナトリウムあるいはオゾンを添加した水による逆洗や定期的な薬品洗浄が行われる。さらには原水(供給水)に次亜塩素酸ナトリウムあるいはオゾンを添加して濾過運転を行う場合もある。したがって、多孔膜には長期にわたりこれら薬品により機械的強度(引張り強度、破断伸度)が低下しないように高い耐薬品性が求められる。
フッ化ビニリデン系樹脂は、概して耐候性、耐薬品性、耐熱性、強度等に優れている。しかしながら、フッ化ビニリデン系樹脂は非粘着性、低相溶性であるため成形性は必ずしもよくない。また、多孔質膜の開発としては分離性能向上を目的とした高い空孔率、狭い孔径分布を追求する余り、機械的強度において必ずしも満足すべきものは得られていなかった。
フッ化ビニリデン系樹脂多孔膜の製造方法として、ポリフッ化ビニリデン樹脂にフタル酸ジエチル等の有機液状体と無機微粉体として疎水性シリカを混合し、溶融成形後に有機液状体と疎水性シリカを抽出する方法が開示されている(下記特許文献1)。こうして得られる多孔質膜は比較的大きい機械的強度を有する。しかしこの方法では、疎水性シリカを抽出するためにアルカリ水溶液を用いることから、膜を構成するフッ化ビニリデン系樹脂が劣化し易い。
これに対し、本発明者等は、特定の分子量特性を有するフッ化ビニリデン系樹脂を延伸を含む多孔化工程に付す方法が適度の寸法と分布の微細孔を有し且つ機械的強度の優れたフッ化ビニリデン系樹脂多孔膜の形成に有効であることを見出して、一連の提案を行っている(下記特許文献2他)。しかしながら、多孔膜をろ過膜とし使用する場合に必要なろ過性能および機械的性能等を含む総合性能に関して、一層の改善の要求は強い。
特に、水処理用に用いられる中空糸多孔膜については、前述したように経時的な膜の目詰まりの除去のために逆洗等の物理洗浄、あるいは薬品洗浄による再生処理が行われるが、薬品洗浄の場合には洗浄後に濾過運転を再開するまでに薬品を装置系から除去する必要があるため、なるべく物理洗浄で再生することが好ましい。また一般的に物理洗浄操作として行われる逆洗は、濾過運転後の多孔膜に供給する原水側と透過水側とを、濾過運転中のそれらとは逆転する必要があり、濾過運転中に適宜実施するのは困難である。これに対し、それ自体は、物理的洗浄操作の一種として公知のエアスクラビング操作は、濾過装置の水(通常は供給原水)中に浸漬されたモジュール化された中空糸多孔膜に対し、濾過装置の下部からスクラビング用のバブリング空気を作用させて中空糸多孔膜を振動させて、その外面への堆積物を除去するものであるため、濾過装置への供給水系は濾過運転中と変わることなく、適宜給水を行い、但し、多孔膜からの透過水側流路を遮断し、洗浄後の排液を濾過装置から排水する流路を開けばよいだけであるので、濾過運転中においても、中空糸多孔膜の透水能の低下の度合いに応じて、適宜実施することが容易である。従って、中空糸多孔膜の再生操作としては、エアスクラビングを多用し、必要不可欠の際に初めて、逆洗による物理洗浄あるいは薬品洗浄を行うことが好ましい。
しかしながら、従来、エアスクラビングによる再生に適したフッ化ビニリデン系樹脂中空糸多孔膜は開発されていなかったのが実情である。
特開平3−215535号公報 WO2004/081109A公報 特公平4−68966号公報
発明の開示
従って、本発明の主要な目的は、機械的強度に加えて、エアスクラビングによる再生効率を含めた長期の水処理性能に優れたフッ化ビニリデン系樹脂中空糸多孔膜、それを用いる水の濾過方法およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らの研究によれば、膜の外表面平均孔径と、膜層平均孔径との比が一定値以上である中空糸多孔膜は、使用後のエアスクラビングによる透水能の回復率が著しく高く、本発明の目的の達成のために極めて有効であることが見出された。
すなわち、本発明の中空糸多孔膜は、膜厚み方向に孔径分布を有する中空糸形状のフッ化ビニリデン系樹脂の網状構造多孔膜から成り、走査型電子顕微鏡による外表面平均孔径P1とハーフドライ法による膜層平均孔径P2の比P1/P2が2.5以上であることを特徴とするものである。ここで中空糸多孔膜の網状微細構造は、機械的強度と調和した透水能の維持に効果がある。走査型電子顕微鏡による外表面平均孔径P1とハーフドライ法による膜層平均孔径P2の比P1/P2が2.5以上であることにより、エアスクラビングの効率が著しく増大する理由は必ずしも明らかではないが、比P1/P2が2.5以上である中空糸多孔膜においては、膜の外表面の孔径が充分に拡大し、膜内部あるいは膜内表面に最小孔径層が形成されるようになり、このような膜厚み方向における孔径分布が、外表面に堆積した微粒子層のエアスクラビングによる除去に効果的であるものと推定される。P1/P2が1以上でなく、2.5以上であることが必要な理由は、SEM観察による平均孔径P1が外表面の直接観察によるものであるのに対し、ハーフドライ法による平均孔径P2は、最小孔径層における平均孔径が支配的であるとはいえ、膜厚方向のそれ以外の部位における孔径の狭まりによっても影響を受けるからである、と推定される。
また、本発明の水の濾過方法は、上記中空糸多孔膜の外表面側から原水を供給して内表面側へと透水濾過する工程と、エアスクラビングによる中空糸多孔膜の洗浄工程と、を含むことを特徴とするものである。
また、本発明者等の研究によれば、上記のような中空糸多孔膜が、上記特許文献2に代表される本発明者等の開発した方法に用いる冷却媒体中にフッ化ビニリデン系樹脂の良溶媒を特定の割合で含有させることにより形成されることが見出された。より詳しくは、本発明のフッ化ビニリデン系樹脂中空糸多孔膜の製造方法は、フッ化ビニリデン系樹脂100重量部に対し可塑剤70〜250重量部およびフッ化ビニリデン系樹脂の良溶媒5〜80重量部を添加し、得られた組成物を中空糸膜状に溶融押出し、冷却媒体中に導入することによりその外側面から優先的に冷却して固化製膜した後、可塑剤を抽出して中空糸多孔膜を製造することからなり、上記固化製膜のための冷却媒体中にフッ化ビニリデン系樹脂の良溶媒を30重量%以上含ませることを特徴とするものである。ここで、組成物中に可塑剤を含めることにより、溶融組成物の冷却過程で、フッ化ビニリデン系樹脂と可塑剤とが適度に密な熱誘起相分離を生ずるため、フッ化ビニリデン系樹脂の微細結晶化を促進して、網状構造の形成に寄与するとともに、可塑剤を除いた後の膜は、精密濾過膜として適度な孔径分布を有するようになる。このため、典型的には、0.6μmを超える大きな孔を含まない膜が得られる。なお、上記特許文献3には、厚み方向に孔径分布を有し、膜内部に最小孔径層(緻密層)を有するフッ化ビニリデン系樹脂多孔膜が開示されている。しかし、ここで開示されるのは、フッ化ビニリデン系樹脂溶液を流延後に、乾燥して溶媒を蒸発させて得られる平膜であって、本発明のようなエアスクラビング再生に適した中空糸状の多孔膜ではない。また緻密層を内部に形成するのは、微粒子の濾過除去に最も効果のある緻密層が表面に露出することに伴う緻密層の損傷防止であって、本発明の意図するようなエアスクラビング再生能の向上に関しては全く示唆されていない。
実施例および比較例で得られた中空糸多孔膜の水処理性能を評価するために用いた透水量測定装置の概略説明図。
以下、本発明のフッ化ビニリデン系樹脂多孔膜を、その好ましい製造方法である本発明の製造方法に従って順次説明する。
(フッ化ビニリデン系樹脂)
本発明においては、主たる膜原料として、重量平均分子量(Mw)が20万〜60万であるフッ化ビニリデン系樹脂を用いる。Mwが20万以下では得られる多孔膜の機械的強度が小さくなる。またMwが60万以上であるとフッ化ビニリデン系樹脂と可塑剤との相分離構造が過度に微細になり、得られた多孔膜を精密濾過膜として用いる場合の透水量が低下する。
本発明において、フッ化ビニリデン系樹脂としては、フッ化ビニリデンの単独重合体、すなわちポリフッ化ビニリデン、他の共重合可能なモノマーとの共重合体あるいはこれらの混合物が用いられる。フッ化ビニリデン系樹脂と共重合可能なモノマーとしては、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、三フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン、フッ化ビニル等の一種又は二種以上を用いることができる。フッ化ビニリデン系樹脂は、構成単位としてフッ化ビニリデンを70モル%以上含有することが好ましい。なかでも機械的強度の高さからフッ化ビニリデン100モル%からなる単独重合体を用いることが好ましい。
上記したような比較的高分子量のフッ化ビニリデン系樹脂は、好ましくは乳化重合あるいは懸濁重合、特に好ましくは懸濁重合により得ることができる。
本発明の多孔膜を形成するフッ化ビニリデン系樹脂は、上記したように重量平均分子量が20万〜60万と比較的大きな分子量を有することに加えて、DSC測定による樹脂本来の融点Tm2(℃)と結晶化温度Tc(℃)との差Tm2−Tcが32℃以下、好ましくは30℃以下、で代表される良好な結晶特性、すなわち冷却に際しての球状結晶成長を抑制し網状構造の形成を促進した結晶特性を有することが好ましい。
ここで樹脂本来の融点Tm2(℃)は、入手された試料樹脂あるいは多孔膜を形成する樹脂を、そのままDSCによる昇温過程に付すことにより測定される融点Tm1(℃)とは区別されるものである。すなわち、一般に入手されたフッ化ビニリデン系樹脂は、その製造過程あるいは加熱成形過程等において受けた熱および機械的履歴により、樹脂本来の融点Tm2(℃)とは異なる融点Tm1(℃)を示すものであり、上記したフッ化ビニリデン系樹脂の融点Tm2(℃)は、入手された試料樹脂を、一旦、所定の昇降温サイクルに付して、熱および機械的履歴を除いた後に、再度DSC昇温過程で見出される融点(結晶融解に伴なう吸熱のピーク温度)として規定されるものであり、その測定法の詳細は後述実施例の記載に先立って記載する。
本発明で好ましく用いられるフッ化ビニリデン系樹脂の結晶化温度を代表するTm2−Tc≦32℃の条件は、例えば共重合によるTm2の低下によっても達成可能であるが、この場合には、生成する多孔膜の耐薬品性が低下する傾向が認められる場合もある。従って、本発明の好ましい態様においては、重量平均分子量(Mw)が15万〜60万であるフッ化ビニリデン系樹脂70〜98重量%をマトリクス(主体)樹脂とし、これよりMwが1.8倍以上、好ましくは2倍以上であり且つ120万以下である結晶特性改質用の高分子量フッ化ビニリデン系樹脂を2〜30重量%添加することにより得た、フッ化ビニリデン系樹脂混合物が用いられる。このような方法によればマトリクス樹脂単独の(好ましくは170〜180℃の範囲内のTm2により代表される)結晶融点を変化させることなく、有意に結晶化温度Tcを上昇させることができる。より詳しくはTcを上昇させることにより、膜表面に比べて冷却の遅い膜内部ならびに片側面からの優先的冷却に際しては膜内部から反対面にかけてフッ化ビニリデン系樹脂の固化を早めることが可能になり、球状粒子の成長を抑制することができる。Tcは、好ましくは143℃以上である。
高分子量フッ化ビニリデン系樹脂のMwがマトリクス樹脂のMwの1.8倍未満であると球状粒子構造の形成を十分には抑制し難く、一方、120万以上であるとマトリックス樹脂中に均一に分散させることが困難である。
また、高分子量フッ化ビニリデン系樹脂の添加量が2重量%未満では球状粒子構造の形成を抑制する効果が十分でなく、一方、30重量%を超えるとフッ化ビニリデン系樹脂と可塑剤の相分離構造が過度に微細化して、膜の透水量が低下する傾向がある。
本発明に従い、上記のフッ化ビニリデン系樹脂に、フッ化ビニリデン系樹脂の可塑剤および良溶媒を加えて膜形成用の原料組成物を形成する。
(可塑剤)
可塑剤としては、一般に、二塩基酸とグリコールからなる脂肪族系ポリエステル、例えば、アジピン酸−プロピレングリコール系、アジピン酸−1,3−ブチレングリコール系等のアジピン酸系ポリエステル;セバシン酸−プロピレングリコール系、セバシン酸系ポリエステル;アゼライン酸−プロピレングリコール系、アゼライン酸−1,3−ブチレングリコール系等のアゼライン酸系ポリエステル等が用いられる。
(良溶媒)
また、フッ化ビニリデン系樹脂の良溶媒としては、20〜250℃の温度範囲でフッ化ビニリデン系樹脂を溶解できる溶媒が用いられ、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、プロピレンカーボネート、シクロヘキサン、メチルイソブチルケトン、ジメチルフタレート、およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。なかでも高温での安定性からN−メチルピロリドン(NMP)が好ましい。
(組成物)
膜形成用の原料組成物は、好ましくはフッ化ビニリデン系樹脂100重量部に対し、可塑剤70〜250重量部および良溶媒5〜80重量部を混合することにより得られる。
可塑剤が70重量部未満であると、空孔率が低くなるため得られる中空糸多孔膜のろ過性能(透水量)に劣り、また、フッ化ビニリデン系樹脂の微細結晶化による網状構造の形成促進効果が損なわれがちである。他方、250重量部を超えると空孔率が大きくなり過ぎるため、機械的強度が低下する。
良溶媒が5重量部未満ではポリフッ化ビニリデン系樹脂と可塑剤を均一に混合できなかったり、或いは混合に時間を要する。また、80重量部を超えると可塑剤の添加量に見合った空孔率が得られない。すなわち可塑剤の抽出による効率的な空孔形成が阻害される。
可塑剤と良溶媒の合計量は100〜250重量部の範囲が好ましい。両者はいずれも溶融押出し組成物の粘度低減効果があり、ある程度代替的に作用する。そのうち良溶媒は、5〜40重量%、特に10〜35重量%の割合が好ましい。可塑剤が可塑剤と良溶媒の合計量の60重量%未満であると、冷却浴中での結晶化が不十分となり、糸つぶれが発生しやすくなる。
(混合・溶融押出し)
溶融押出組成物は、一般に140〜270℃、好ましくは150〜200℃、の温度で、中空ノズルから押出されて中空糸膜状とされる。従って、最終的に、上記温度範囲の均質組成物が得られる限りにおいて、フッ化ビニリデン系樹脂、可塑剤および良溶媒の混合並びに溶融形態は任意である。このような組成物を得るための好ましい態様の一つによれば、二軸混練押出機が用いられ、(好ましくは主体樹脂と結晶特性改質用樹脂の混合物からなる)フッ化ビニリデン系樹脂は、該押出機の上流側から供給され、可塑剤と良溶媒の混合物が、下流で供給され、押出機を通過して吐出されるまでに均質混合物とされる。この二軸押出機は、その長手軸方向に沿って、複数のブロックに分けて独立の温度制御が可能であり、それぞれの部位の通過物の内容により適切な温度調節がなされる。
(冷却)
本発明法に従い、溶融押出された中空糸膜状物を、フッ化ビニリデン系樹脂の良溶媒を30重量%以上含ませた冷媒媒体浴中に導入することにより、その外側面から優先的に冷却して固化・成膜させる。良溶媒としては、上記組成物を形成するものと同様なもの(同じでなくてもよい)が用いられ、NMPが最も好ましい。良溶媒と混合して冷却媒体を形成する他の成分は、フッ化ビニリデン系樹脂に対し不活性(すなわち、非溶媒且つ非反応性)の液体が用いられるが、NMPとの相溶性が良く熱容量が大である水が最も好ましい。冷却媒体中の良溶媒の割合は30重量%以上が必要であり、30〜90重量%、特に40〜80重量%の範囲が好ましい。30重量%未満では、得られる中空糸多孔膜の外表面平均孔径P1が充分に大きくならず、本発明の目的とする膜内部への最小孔径層の形成が不充分となる。他方、良溶媒の割合が過大であると、溶融押出された中空糸膜状物を冷却して固化・成膜させる際に、表層部の固化が不十分となり、糸つぶれが発生しやすくなる。冷却媒体の温度は0〜120℃と、かなり広い温度範囲から選択可能であるが、好ましくは5〜100℃、特に好ましくは5〜80℃の範囲である。
(抽出)
冷却・固化された中空糸膜は、次いで抽出液浴中に導入され、可塑剤および良溶媒の抽出除去を受ける。抽出液としては、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を溶解せず、可塑剤や良溶媒を溶解できるものであれば特に限定されない。例えばアルコール類ではメタノール、イソプロピルアルコールなど、塩素化炭化水素類ではジクロロメタン、1,1,1−トリクロロエタンなど、の沸点が30〜100℃程度の極性溶媒が適当である。
(延伸)
抽出後の中空糸膜は、次いで延伸に付し、空孔率および孔径の増大並びに強伸度の改善をすることが好ましい。延伸は、例えば周速度の異なるローラ対等による、中空糸膜の長手方向への一軸延伸により行うことが好ましい。これは、本発明のフッ化ビニリデン系樹脂多孔中空糸膜の空孔率と強伸度を調和させるためには、延伸方向に沿って延伸フィブリル(繊維)部と未延伸ノード(節)部が交互に現われる微細構造が好ましいことが知見されているからである。延伸倍率は、1.2〜4.0倍、特に1.4〜3.0倍程度が適当である。延伸操作性の向上のために、予め80〜160℃、好ましくは100〜140℃の範囲の温度で1秒〜18000秒、好ましくは3秒〜3600秒、熱処理して、結晶化度を増大させることが好ましい。
(湿潤処理)
本発明に従い、上記のようにして本発明のフッ化ビニリデン系樹脂多孔中空糸膜が得られるが、該フッ化ビニリデン系樹脂中空糸膜を濡らす液体による湿潤液による浸漬処理を行うことが好ましい。この湿潤処理により、本発明の多孔中空糸膜の特質が本質的に損なわれることなく、その透水量が著しく増大するからである。
フッ化ビニリデン系樹脂の濡れ張力よりも小さな表面張力(JIS K6768)を有する液体がフッ化ビニリデン系樹脂多孔膜の湿潤液として用いられ、より具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、ジクロロメタン、1,1,1−トリクロロエタン等の塩素化炭素類で、好ましくは沸点が30〜100℃程度の極性溶媒から選択される。
湿潤処理に際して、延伸を行った中空糸多孔膜については、併せて緩和処理を行うことが好ましい。湿潤下での多孔膜の緩和は、好ましくは、湿潤液で湿潤された中空糸多孔膜を、周速が次第に低減する上流ローラと下流ローラ間に湿潤された中空糸多孔膜を送通することによって行われる。
(1−(下流ローラ周速/上流ローラ周速))×100(%)で定まる緩和率は、極く小さくても透水量の増大効果はあるが、より効果的にするため、2〜50%、特に5〜30%の範囲とすることが好ましい。2%未満では緩和による効果が顕著でなく、50%を超える緩和は、緩和されるべき多孔膜が受けた延伸倍率にもよるが、実現困難であり、所定の緩和倍率を経た中空糸多孔膜を得ることが困難である。
上記において、延伸された中空糸多孔膜の緩和処理を行う環境としての湿潤液による湿潤状態は、多孔膜の湿潤液への浸漬状態により形成するのが簡便であるが、多孔膜を湿潤液に一旦浸漬して、多孔膜中に湿潤液を含浸させた後に、フッ化ビニリデン系樹脂に対して濡れ性を示さない液体(例えば水)あるいは空気等の気体中に導入して緩和を起こさせてもよい。
緩和温度は、0〜100℃、特に5〜80℃が好ましい。緩和処理時間は、所望の緩和率が得られる限り、短時間でも、長時間でもよい。一般には5秒〜1分程度であるが、この範囲内である必要はない。
上記した湿潤下での緩和処理による効果は、得られる中空糸多孔膜の透水量が増大することが顕著な効果であるが、孔径分布は余り変らず、空孔率はやや低下する傾向を示す。多孔膜の肉厚は余り変らないが、中空糸膜としたときの内径および外径は増大傾向を示す。
上記した湿潤緩和処理の前および/または後、特に後に、空気等の気体中での乾熱緩和処理を行うことも好ましい。乾熱緩和処理によっては、透水量の増大効果は期待し難い(殆ど変化はない)が、孔径が若干小さくなり、均一化するために、多孔膜による被処理流体中の微粒子の分離性能が向上する効果が得られる。ただし、湿潤緩和の直後の空気中緩和は、多孔膜中に残存する湿潤液の存在により、湿潤緩和の効果も示す。
乾熱緩和処理は、温度80〜160℃、特に100〜140℃で、0〜10%、特に2〜10%程度の緩和率が得られる程度が好ましい。緩和率0%は、例えば、湿潤緩和後の熱固定に相当する。
(フッ化ビニリデン系樹脂中空糸多孔膜)
上記一連の工程を通じて得られる本発明の中空糸多孔膜は、膜厚み方向に孔径分布を有する中空糸形状のフッ化ビニリデン系樹脂の網状構造多孔膜から成り、外表面平均孔径P1とハーフドライ法による膜層平均孔径P2の比P1/P2が2.5以上であることを特徴とするものであり、これにより膜内部或いは内表面に最小孔径層が形成されているものと推定される。
より詳しくは、多孔膜の外表面のSEM観察により得たSEM写真の画像解析(その詳細は後述する)による平均孔径P1とハーフドライ法による平均孔径P2との比P1/P2が2.5以上であることが、エアスクラビングによる透水能の回復効果の向上という本発明の効果の達成のために効果的である。P1/P2の上限は、特に限定されないが、5以下、特に4以下、となるのが通常である。
またより具体的に、水処理に使用する中空糸多孔膜の膜厚み方向孔径分布としては、SEM観察による外表面平均孔径P1が0.20〜0.60μm、ハーフドライ法による膜層平均孔径P2が0.05〜0.20μm、SEM観察による内表面平均孔径P3が0.25〜0.60μmであることが好ましい。内表面平均孔径P3が0.25〜0.60μmと、比較的小さいことにより、濾過への寄与度が比較的低い内層部が中空糸多孔膜全体の強度向上に寄与し、エアスクラビング洗浄に適した耐久性が与えられる。
本発明により得られる中空糸多孔膜の、他の一般的特徴を挙げると、空孔率が55〜90%、好ましくは60〜85%、特に好ましくは65〜80%、引張り強度が6MPa以上、好ましくは8MPa以上、特に好ましくは10MPa以上、破断伸度が5%以上、好ましくは10%以上、特に好ましくは20%以上の特性が得られ、これを透水処理膜として使用する場合には5m/m・day・100kPa以上の透水量が得られる。また厚さは、5〜800μm程度の範囲が通常であり、好ましくは50〜600μm、特に好ましくは150〜500μmである。中空糸としての外径は0.3〜3mm程度、特に1〜3mm程度が適当である。
また、本発明の中空糸多孔膜を延伸工程を経由して得た場合には、微細構造として、X線回折法により結晶配向部と、結晶非配向部(ランダム配向部)が認められることが特徴であり、これはそれぞれ延伸フィブリル部と未延伸ノード部に対応するものと解される。
本発明の中空糸多孔膜は、外圧型または浸漬型と称される中空糸膜の外表面に原水が接触する形式の中空糸膜モジュールに収容し、中空糸多孔膜の外表面側から原水を供給して内表面側へと透水濾過する工程と、エアスクラビングによる中空糸多孔膜の洗浄工程と、を含む水の濾過方法に使用される。
好適な外圧型モジュールの例としては、多数本の中空糸多孔膜を束状に収束した中空糸束が断面が円形または矩形等の筒形のハウジング内に収納され、中空糸束の両端はハウジングの両端部において接着固定され、一端側の接着固定部は濾過室(モジュール内部)と濾過水室(集水部)を仕切る樹脂隔壁として、他端側の接着固定部は濾過室を液密に保つ樹脂隔壁として形成され、一端側の中空糸束端部は樹脂隔壁端面において開口状態で濾過水室に露出し、他端側の中空糸束端部は樹脂隔壁内に埋設閉鎖された両端支持片端開口のモジュールが挙げられる。特に、他端側の樹脂隔壁にエアスクラビング用気体導入口を設けるか、或いは該樹脂隔壁に設けられた原水供給口から原水と気体を任意に切り替えて導入できるモジュールが好ましい。
好適な浸水型モジュールの例としては、多数本の中空糸多孔膜をU字状に収束し、中空糸多孔膜の端部を開口状態に保ちつつ、中空糸多孔膜に垂直な断面が円形或いは細長い矩形である固定部材に中空糸多孔膜の両端を1ヵ所で接着固定したU字頂部が移動自在な浸漬型モジュール、或いは多数本の中空糸多孔膜をすだれ状に配置し、中空糸多孔膜の両端または片端を開口状態に保ちつつ、中空糸多孔膜に垂直な断面が細長い矩形である固定部材に中空糸多孔膜の両端をそれぞれ別個に接着固定した両端支持の浸漬型モジュールが挙げられる。これらの浸漬型モジュールは複数個のモジュールを集積して上記固定部材を介して原水槽(廃水処理においては活性汚泥槽または沈殿槽)に固定配設され、原水槽底部に設けられた散気管よりエアスクラビング用気体を導入することにより、エアスクラビングによる洗浄を受ける。
エアスクラビング条件は、濾水運転時の膜汚れの程度によって異なるが、定圧濾過の場合には、ある一定レベルまで流量が低下した際に、また定流量濾過の場合には膜間差圧が一定レベルまで上昇した際に、適宜行うことが効果的である。具体的には濾過時間3分間ないし5時間に一度行うことが好ましい。また1回のエアスクラビングの継続時間は1分間ないし10分間が好ましい。複数回エアラビングを繰り返しても、透水能の回復が不十分の場合には、逆洗或いは化学洗浄を組み合わせることができる。
[実施例]
以下、実施例、比較例により、本発明を更に具体的に説明する。以下の記載を含め、本明細書に記載の特性は、以下の方法による測定値に基くものである。
(重量平均分子量(Mw))
日本分光社製のGPC装置「GPC−900」を用い、カラムに昭和電工社製の「Shodex KD−806M」、プレカラムに「Shodex KD−G」、溶媒にNMPを使用し、温度40℃、流量10ml/分にて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によりポリスチレン換算分子量として測定した。
(結晶融点Tm1,Tm2および結晶化温度Tc)
パーキンエルマー社製の示差走査熱量計DSC7を用いて、試料樹脂10mgを測定セルにセットし、窒素ガス雰囲気中で、温度30℃から10℃/分の昇温速度で250℃まで一旦昇温し、ついで250℃で1分間保持した後、250℃から10℃/分の降温速度で30℃まで降温してDSC曲線を求めた。このDSC曲線における昇温過程における吸熱ピーク速度を融点Tm1(℃)とし、降温過程における発熱ピーク温度を結晶化温度Tc(℃)とした。引き続いて、温度30℃で1分間保持した後、再び30℃から10℃/分の昇温速度で250℃まで昇温してDSC曲線を測定した。この再昇温DSC曲線における吸熱ピーク温度を本発明のフッ化ビニリデン系樹脂の結晶特性を規定する本来の樹脂融点Tm2(℃)とした。
(空孔率)
多孔膜の長さ、並びに幅および厚さ(中空糸の場合は外径および内径)を測定して多孔膜の見掛け体積V(cm)を算出し、更に多孔膜の重量W(g)を測定して次式より空孔率を求めた。
Figure 0004931796
(透水量(フラックス))
多孔膜をエタノールに15分間浸漬し、次いで水に15分間浸漬して親水化した後、水温25℃、差圧100kPaにて測定した。中空糸多孔膜の膜面積は、試長(ろ過が行われる部分の長さ)L(図1参照)を800mmとし、外径に基いて次式により算出した。
Figure 0004931796
(平均孔径)
ASTM F316−86およびASTM E1294−89に準拠し、Porous Materials,Inc.社製「パームポロメータCFP−200AEX」を用いてハーフドライ法により平均孔径を測定した。試液はパーフルオロポリエステル(商品名「Galwick」)を用いた。
(引張り強度および破断伸度)
引張り試験機(東洋ボールドウィン社製「RTM−100」)を使用して、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気中で初期試料長100mm、クロスヘッド速度200mm/分の条件下で測定した。
(ポリスチレン粒子ラテックスの阻止率測定)
中空糸多孔膜の水処理用分離膜として微粒子除去性能を評価するために、ポリスチレン粒子ラテックスの阻止率を測定した。すなわち、0.262μmの単分散粒径ポリスチレン粒子ラテックス(10wt%:セラダイン社製)に純水を加えて200ppmの供試原液を作製した。次に試料長L=800mmの試料中空糸をフラックス測定装置(図1)にセットし、予めエタノールにより親水化処理を施した多孔質中空糸を水で置換した後、供試原液1Lを10kPaの一定圧力で濾過した濾過液を得た。紫外可視分光光度計(「UV−2200」,島津製作所製)を用いて、供試原液および濾過液の吸光度スペクトルを測定し、ピーク吸光度からの各々の濃度を求めた。下記(1)式を用いて、阻止率Rを求めた。なお測定前に予めポリスチレン粒子ラテックス濃度と吸光度の検量線を作製し、濃度0.3〜10ppmの範囲では、濃度とピーク吸光度が線形関係を有することを確認した。
Figure 0004931796
(フラックス(透水量)維持率の測定)
茨城県石岡市内で採取した恋瀬川河川表流水を供給水として濾過試験を行い、目詰まりに対する耐性および洗浄による回復性を評価した。供給水の濁度は4.6N.T.U.(nephelometric turbidity unit;カオリン濃度約2.8(=4.6×0.6)mg/Lを含む水の濁度に相当)、色度は21.3度(色度標準液21.3mL(1mL中に白金1mgおよびコバルト0.5mg含む)を加えた1Lの水の色度に相当)であった。
はじめに、試料中空糸多孔膜をエタノールに15分間浸漬し、次いで純水に15分間浸漬して湿潤した後、図1に示した装置を用いて試長Lが800mmになるように多孔質中空糸を取り付け、両端は引き出し部として圧力容器の外に取り出した。引き出し部(濾過が行われない部分であり、圧力容器との接合部を含む)の長さは両端それぞれ50mmとした。多孔質中空糸が測定終了時まで純水に十分に浸かるように耐圧容器内に純水(水温25℃)を満たした後、耐圧容器内の圧力を50kPaに維持しながら濾過を行った。濾過開始後、最初の1分間に両端から流れ出た濾過水の重量(g)を初期透水量とした。
次いで、純水の代わりに供給水(水温25℃)を、多孔質中空糸が測定終了時まで供給水に十分に浸かるように耐圧容器内に満たした後、耐圧容器内を圧力50kPaに維持しながら、30分間濾過を行った。濾過開始後に29分目から30分目までの1分間に両端(の引き出し部)から流れ出た水の重量を30分間濾過後の透水量とし、次式によりフラックス(透水量)維持率を算出した。
Figure 0004931796
次いで、図1に示すように耐圧容器の下部より流量70ml/minの空気を1分間流してエアスクラビング洗浄を行った。その後、耐圧容器内を圧力50kPaに維持しながら1分間にわたって供給水の濾過を行い、両端から流れ出た水の重量をエアスクラビング後1分間の透水量とし、次式によりエアスクラビング後フラックス維持率を算出した。
Figure 0004931796
(実施例1)
重量平均分子量(Mw)が4.12×10の主体ポリフッ化ビニリデン(PVDF)(粉体)とMwが9.36×10の結晶特性改質用ポリフッ化ビニリデン(PVDF)(粉体)を、それぞれ95重量%および5重量%となる割合で、ヘンシェルミキサーを用いて混合して、Mwが4.38×10である混合物Aを得た。
脂肪族系ポリエステルとしてアジピン酸系ポリエステル可塑剤(旭電化工業株式会社社製「PN−150」)と、溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)を、82.5重量%/17.5重量%の割合で、室温にて撹拌混合して、混合物Bを得た。
同方向回転噛み合い型二軸押出機(プラスチック工学研究所社製「BT−30」、スクリュー直径30mm、L/D=48)を使用し、シリンダ最上流部から80mmの位置に設けられた粉体供給部から混合物Aを供給し、シリンダ最上流部から480mmの位置に設けられた液体供給部から温度160℃に加熱された混合物Bを、混合物A/混合物B=35.7/64.3(重量%)の割合で供給して、バレル温度220℃で混練し、混練物を外径6mm、内径4mmの円形スリットを有するノズルから吐出量11.8g/分で中空糸状に押し出した。この際、ノズル中心部に設けた通気孔から空気を流量3.8ml/分で糸の中空部に注入した。
押し出された混合物を溶融状態のまま、25℃の温度に維持され且つノズルから280mm離れた位置に水面を有する(すなわちエアギャップが280mmの)水/NMP(25/75重量%)混合液からなる冷却浴中に導き冷却・固化させ(冷却浴中の滞留時間:約3秒)、10m/分の引取速度で引き取った後、これを周長約1mのカセに巻き取って第1中間成形体を得た。
次に、この第1中間成形体をジクロロメタン中に振動を与えながら室温で30分間浸漬し、次いでジクロロメタンを新しいものに取り替えて再び同条件にて浸漬して、可塑剤と溶媒を抽出し、次いで温度120℃のオーブン内で1時間加熱してジクロロメタンを除去するとともに熱処理を行い第2中間成形体を得た。
次に、この第2中間成形体を第一のロール速度を12.5m/分にして、60℃の水浴中を通過させ、第二のロール速度を27.5m/分にすることで長手方向に2.2倍に延伸した。次いで温度5℃に制御したジクロロメタン液中を通過させ、第三のロール速度を26.1m/分まで落とすことで、ジクロロメタン液中で5%緩和処理を行った。さらに空間温度140℃に制御した乾熱槽(2.0m長さ)を通過させ、第四のロール速度を24.8m/分まで落とすことで乾熱槽中で5%緩和処理を行った。これを巻き取って本発明法によるポリフッ化ビニリデン系中空糸多孔膜(第3成形体)を得た。
得られたポリフッ化ビニリデン系中空糸多孔膜は、外径が1.002mmで、内径が0.567mm、膜厚が0.218mm、空孔率が73%、純水透水量が52.1m/m・day(100kPa、L=800mm)フラックス維持率45.0%、エアスクラビング後フラックス維持率89%、ポリスチレンラテックス粒子(0.262μm)の阻止率100%、ハーフドライ法による平均孔径P2=0.151μm、引張り強度13.9MPa、破断伸度17%、引張り弾性率144MPaの物性を示した。またSEM観察による外表面平均孔径P1=0.461μm、内表面平均孔径P3=0.438μmであり、比P1/P2は3.05であった。
製造条件および得られたポリフッ化ビニリデン系中空糸多孔膜の物性を、以下の実施例および比較例の結果とともに、まとめて後記表1に記す。
(実施例2)
主体PVDFと改質用PVDFとを、それぞれ90重量%と10重量%となる割合で混合して、Mwが4.64×10である混合物Aを得た。
この混合物Aを用い、混合物Aと混合物Bの溶融混合物のノズルからの吐出量を13.6g/分、ノズル中心部への空気供給流量を4.8ml/分にそれぞれ増大して、中空糸状に溶融押出しし、10℃の冷却浴中に導入して冷却・固化して第1中間成形体を得ること、第2中間成形体の延伸倍率を1.8倍にすること以外は、実施例1と同様にして、中空糸多孔膜を得た。
(実施例3)
主体PVDFと改質用PVDFとを、それぞれ85重量%と15重量%となる割合で混合して得たMwが4.91×10である混合物Aを用いる以外は、実施例2と同様にして、中空糸多孔膜を得た。
(実施例4)
冷却浴の温度を10℃とし、延伸倍率を1.8倍にする以外は実施例1と同様の操作により中空糸多孔膜を得た。
(実施例5)
中空糸状に溶融押出された混合物を固化・成膜するための冷却浴を構成する水とNMPの混合液中の成分比率を水/NMP=50/50重量%とする以外は、実施例1と同様の操作により中空糸多孔膜を得た。
(比較例1)
冷却浴を構成する水とNMPの混合液中の成分比率を水/NMP=75/25重量%とする以外は、実施例1と同様の操作により中空糸多孔膜を得た。
(比較例2)
冷却浴組成を水100%(水/NMP=100/0重量%)とする以外は、実施例1と同様の操作により中空糸多孔膜を得た。
(比較例3)
冷却液組成をNMP=100%にする以外は実施例1と同様の操作により中空糸多孔膜を得ようと試みたが、冷却バス中で糸つぶれが発生したため、延伸以降の操作は不可能となり、中空糸を得ることができなかった。
(比較例4)
混合物B組成をNMP=100%にする以外は実施例1と同様の操作により中空糸多孔膜を得ようと試みたが、冷却バス中で糸つぶれが発生したため、延伸以降の操作は不可能となり、中空糸を得ることができなかった。
上記実施例および比較例の概要、ならびに得られた中空糸多孔膜の物性をまとめて、次表1に示す。
Figure 0004931796
上記表1の結果を見れば明らかな通り、本発明に従い、フッ化ビニリデン系樹脂、可塑剤、およびフッ化ビニリデン系樹脂の良溶媒の混合物を中空糸状に溶融押出しした後、冷却して成膜・固化するための冷却媒体中にフッ化ビニリデン系樹脂の良溶媒を一定比率以上で含ませることにより、簡便なエアスクラビング操作により効果的に再生可能な水処理に適した中空糸多孔膜が得られる。

Claims (8)

  1. 膜厚み方向に孔径分布を有する中空糸形状のフッ化ビニリデン系樹脂の網状構造多孔膜から成り、走査型電子顕微鏡による外表面平均孔径P1が0.20〜0.60μm、内表面平均孔径P3が0.25〜0.60μm、ハーフドライ法による膜層平均孔径P2が0.05〜0.20μm、比P1/P2が2.5以上であることを特徴とする中空糸多孔膜。
  2. 空孔率が55〜80%であり、引張破断強度が6MPa以上である請求項に記載の中空糸多孔膜。
  3. 中空糸多孔膜の外表面側から原水を供給して内表面側へと透水濾過する工程と、エアスクラビングによる中空糸多孔膜の洗浄工程を有する水の濾過方法に用いられる請求項1または3に記載の中空糸多孔膜。
  4. 請求項1または3に記載の中空糸多孔膜の外表面側から原水を供給して内表面側へと透水濾過する工程と、エアスクラビングによる中空糸多孔膜の洗浄工程と、を含むことを特徴とする水の濾過方法。
  5. フッ化ビニリデン系樹脂100重量部に対し可塑剤70〜250重量部およびフッ化ビニリデン系樹脂の良溶媒5〜80重量部を添加し、得られた組成物を中空糸膜状に溶融押出し、冷却媒体中に導入することによりその外側面から優先的に冷却して固化成膜した後、可塑剤を抽出して中空糸多孔膜を製造することからなり、上記固化成膜のための冷却媒体中にフッ化ビニリデン系樹脂の良溶媒を30重量%以上含ませることを特徴とする請求項1または3に記載のフッ化ビニリデン系樹脂中空糸多孔膜の製造方法。
  6. 可塑剤の抽出後に、中空糸膜を延伸する工程を含む請求項6に記載の製造方法。
  7. 延伸後の中空糸多孔膜を、該フッ化ビニリデン系樹脂多孔膜を濡らす液体により湿潤処理する工程を含む請求項7に記載の製造方法。
  8. 組成物を中空糸膜状に溶融押出する工程において、中空部に不活性ガスを注入しつつ中空糸膜を冷却媒体中に導いて冷却固化させる請求項6〜8のいずれかに記載の製造方法。
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