JP2010260816A - ウコン色素組成物による心機能改善効果 - Google Patents

ウコン色素組成物による心機能改善効果 Download PDF

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【課題】心疾患に対して効果を有するクルクミノイドの効果を更に高めるために、クルクミノイドを有するウコン色素組成物を含む組成物又は製剤を用いて、高血圧および心筋梗塞などによる心疾患の予防や治療効果を高める。
【解決手段】ガディガムおよびウコン色素を含有するウコン色素組成物を含むことを特徴とする、心疾患に対する治療もしくは予防薬の組成物、または製剤。ウコン色素組成物は高濃度で水含有溶液中に安定して分散しており、体内吸収性に優れている。この組成物または製剤を心疾患に対して使用することで、低投与量で安全性が高い予防もしくは治療薬、または機能性食品を提供することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、心不全の原因となる心筋梗塞をはじめとする心疾患の治療または予防効果を有するウコン色素組成物に関するものである。
クルクミンは天然着色料として古くから知られており、ショウガ科の植物ウコン、いわゆるアキウコン(Curcuma longa LINNE)の根茎から得られるクルクミノイドの一つである。クルクミノイドは、利胆薬として古くから用いられている。最近ではその生理作用として、腫瘍形成阻害作用や抗酸化作用、抗炎症作用、コレステロール低下作用、抗アレルギー作用、脳疾患の予防作用など有益な効果が確認され、医薬品や化粧品、栄養補助食品などへの応用が期待されている(特許文献1、非特許文献1〜8)。
さらに、クルクミノイド(クルクミン)による高血圧や心筋梗塞による心不全の予防および治療作用も報告されている(非特許文献9)。すなわち高血圧性心不全モデルである食塩感受性ダールラットの代償性肥大期に、クルクミンを投与したところ、生存率の有意な改善がみられた。また心エコー検査にて心収縮性の指標であるFS(fractional shortening, %)も有意にクルクミン投与群で低下が抑制され、左室壁肥厚の抑制も観察されている。ラット心筋梗塞モデルにおいても同様に、クルクミン投与群で心筋梗塞後の心機能の著明な改善、および左室壁肥厚の抑制が確認されている。
生活習慣の欧米化から冠動脈硬化症を基盤とした心筋梗塞は増加しつつあり、梗塞後心不全による死亡も増加しており、この問題を解決することは極めて重要である。ラット心筋梗塞のモデルは梗塞後心不全の動物モデルとして、心不全の病態解明や薬効評価に広く使用されている。これまでの報告で心不全の標準治療薬として臨床で広く用いられているACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害剤)あるいはアンジオテンシンII受容体拮抗薬によるラット心筋梗塞後の心収縮能、すなわちLVEF(left ventricular ejection fraction)の改善でさえ3割程度である(非特許文献10)。
現在、心不全に対する薬物療法はACE阻害薬などいくつかの限られた薬剤の有効性が確認され臨床現場で使用されているものの、重症心不全患者の5年生存率は依然50%を下回っており、心不全の根本的解決までには至っていない。安価で安全性が確認されたクルクミンを用いた心不全治療が臨床応用されれば、医療費の削減と共に心不全の根本的な治療法が確立されることが期待され、死亡原因の上位に位置する心臓病死の減少、心臓病患者のQOLの向上にも貢献することができると考える。
しかしながら、クルクミノイドはエタノール、プロピレングリコール、氷酢酸には溶解するものの、水には難溶性であり、経口摂取した際にごく少量しか体内に吸収されない問題がある。このため極めて高用量の投与でしか前述する有益な生理効果を十分享受することができず、実際の予防、治療への応用はほとんど不可能であった。そこで、クルクミノイドの体内吸収性を改善し、in vivoでの優れた薬効を発揮させるために、クルクミノイド含有製剤を調製した(特許文献2)。この製剤は、有機溶媒を使用していないこと、従来の可溶化技術と異なり飽和による析出がないこと、経口投与した際に体内へのクルクミノイドの吸収性が劇的に向上していることを特徴とする。
特開2005−41817号公報 特願2009−65118号公報
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心疾患に対して効果を有するクルクミノイドの効果を更に高めるために、クルクミノイドを有するウコン色素組成物を含む組成物または製剤を用いて、心疾患の予防もしくは治療効果を高めることを課題とする。
上記課題を解決するために発明者らは鋭意研究を行った結果、ガディガムおよびウコン色素を含有するウコン色素組成物を含むことを特徴とする、心疾患に対する治療もしくは予防薬の組成物、または製剤の発明に至った。
本発明は以下の通りである。
項1 ガディガムおよびウコン色素を含有するウコン色素組成物を含むことを特徴とする、心疾患に対する治療もしくは治療薬の組成物、または製剤。
項2 前記の心疾患が心不全である項1に記載の組成物、または製剤。
項3 前記の心不全が、心筋梗塞に基づく心不全である項2に記載の組成物、または製剤。
項4 項1〜3のいずれか1項に記載の組成物、または製剤を含む食品組成物。
項5 項1〜3のいずれか1項に記載の組成物、または製剤を含む機能性食品。
ウコン色素組成物は高濃度で水含有溶液中に安定して分散しており、体内吸収性に優れている。この組成物または製剤を心疾患に対して使用することで、低投与量で安全性が高い予防もしくは治療薬、または機能性食品を提供することができる。
心筋梗塞後7週間、試験薬剤投与後6週間の心エコーにおけるクルクミンとクルクミン製剤との比較
本発明の組成物または製剤の形状は、液体状、ゲル状、ゾル状、錠剤状、粉末状、または顆粒状のいずれの形状をとっても良いものとする。また液体状または粉末状の組成物または製剤に処理を加えて他の形状にしても良いものとする。
本発明のウコン色素組成物は特許文献2に記載の方法によって作製することが出来る。
本発明のガディガムは、シクンシ科ガティノキ(Anogeissus Latifolia WALL.)の幹の分泌液を乾燥して得られる多糖類を主成分とするものであり、増粘安定剤(食品添加物)として公知のガム質である。本発明にて用いられるガディガムは商業的に入手可能である。
本発明のウコン色素組成物は、具体的には水中に、0.01〜10μmの平均粒子径を有するウコン色素が分散してなるウコン色素組成物である。好ましくは0.1〜1μmの平均粒子径を含有するウコン色素組成物である。更に好ましくは1μm以下の平均粒子径を含有するウコン色素組成物である。
本発明のウコン色素は、クルクミノイドを含むものであれば良いものとし、化学合成によって得られたものであっても、植物等から抽出されたものでも良いものとする。
クルクミノイドを含む植物等の例としては、ショウガ科ウコン、いわゆるアキウコン(Curcuma linga LINNE)が挙げられ、特に根茎に多く含まれる。その他の植物等の例としてはハルウコン、ムラサキウコン、ジャワウコン(クスリウコン)などが挙げられる。
本発明のクルクミノイドは、クルクミンとその類縁体であるデメトキシクルクミン及びビスデメトキシクルクミンを含む化合物の総称であり、ポリフェノールの一種でもある。クルクミノイドの例としてクルクミン、デメトキシクルクミン、ビスデメトキシクルクミン、ヤクチノンA、ヤクチノンB、テトラヒドロクルクミン、及びジヒドロキシテトラヒドロクルクミン等の直鎖状ジアリルヘプタイドのほか、これら直鎖状ジアリルヘプタイドの塩、エステル、並びにその他直鎖状ジアリルヘプタノイドの類縁化合物、たとえばクルクミンの重合物と呼ばれているカシュムニンA、カシュムニンB、及びカシュムニンCなどが挙げられる。
本発明の組成物または製剤の投与量として好ましくは0.01mg〜500mg/kg/日である。より好ましくは、0.05mg〜300mg/kg/日である。更に好ましくは0.5mg〜50mg/kg/日である。
本発明の心疾患は、例として高血圧、狭心症、心筋梗塞、心筋炎、心筋症、先天性心疾患、肺性心、不整脈、心不全などが挙げられる。より好ましくは心不全である。
本発明の心不全は、数多くの機序によって引き起こされるものが挙げられる。
具体的には、高血圧、糖尿病、耐糖能障害、肥満、弁膜症、心筋炎、心筋症、先天性心疾患、肺性心、不整脈、心筋梗塞などである。好ましい心不全の機序は、心筋梗塞に基づくものである。
本発明の心筋梗塞は、数多くの機序によるものが挙げられる。具体的には、動脈硬化、冠スパスム、血栓、塞栓、動脈解離、川崎病、肥満、高血圧、高脂血症、高コレステロール血症、喫煙、耐糖能障害、糖尿病などである。好ましい心筋梗塞の機序は血栓に基づく心筋梗塞である。
本発明の組成物または製剤は、慢性的な心疾患に対し有意な効果を有する。したがって心疾患を罹患していないものの、発症し得る健康状態もしくは発症しやすい健康状態と判断される人に対して、心疾患発症前に投与若しくは摂取することによって、予防する効果を有する。すなわち、心疾患の前兆となる川崎病、肥満、糖尿病、耐糖能障害、高血圧、高コレステロール血症、高脂血症などの患者や喫煙者に対して予め心疾患を引き起こさないようにするために用いることが可能となる。
本発明の組成物または製剤は、心不全の前兆として判断される左室の肥大を効果的に抑制する効果を有する。また、左室の肥大は心疾患全般的な症状として診断されることが多いので、心疾患の予防薬としても有効である。
本発明の組成物または製剤に含まれるガティガムの最終濃度は0.1〜20質量%、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは1〜10質量%である。
本発明の組成物または製剤に含まれるウコン色素の最終濃度は1〜30質量%、好ましくは5〜20質量%である。
本発明の組成物または製剤中、ウコン色素100質量部に対してガティガムを1〜300質量部となるような割合で含まれていることが好ましく、より好ましくは1〜200質量部、更に好ましくは10〜100質量部の割合で含まれていることが望ましい。
本発明における機能性食品とは、医療用食品、明らか食品、経口サプリメント、特定保健用食品、健康食品、栄養補助食品、病院食、予防食、療養食、給食などが挙げられ、前記の食品を医薬品以外で経口的に摂取することにより、健康の維持あるいは改善を達成させる目的を有する食品であることを意味している。本発明においては、心疾患の予防または改善を意味する。
本発明における機能性食品は、具体的には、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料;アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、中華麺、即席麺等の麺類;飴、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子等の菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;スープ、シチュー、サラダ、惣菜、ふりかけ、漬物;その他種々の形態の健康・栄養補助食品;錠剤、カプセル剤、ドリンク剤、トローチ等の医薬品、医薬部外品などが挙げられ、これらを製造するに当り通常用いられる補助的な原料や添加物と共に添加することができる。
上記の原料及び添加物としては、例えばブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、ルブソサイド、コーンシロップ、乳糖、マンニット、デキストリン、クエン酸、クエン酸ソーダ、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンC、ビタミンB類、ビタミンE、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、界面活性剤、色素、香料、保存剤などが挙げられる。なお、化学薬品が含まれていてもよい。
本発明の治療もしくは治療薬の組成物、または製剤は、疾患を有する患者あるいはその危険性を有する者に対して単独で、好ましくは薬剤学的に許容される添加物を加えた製剤の形で投与される。その投与経路としては、経口および注射のほか、吸入などの局所投与による経路が採用される。
上記製剤においては、いずれの投与経路による場合も、公知の製剤添加物から選択された成分(以下「製剤成分」ということもある)を適宜使用することができる。具体的な公知の製剤添加物は、例えば、(1)医薬品添加物ハンドブック、丸善(株)(1989)、(2)医薬品添加物事典、第1版、(株)薬事日報社(1994)、(3)医薬品添加物事典追補、第1版、(株)薬事日報社(1995)および(4)薬剤学、改訂第5版、(株)南江堂(1997)に収載されている成分の中から、投与経路および製剤用途に応じて適宜選択することができる。
例えば、経口投与による場合、上記添加物としては、経口剤を構成できる製剤成分であって本発明の目的を達成し得るものならばどのようなものでも良いが、通常は、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング剤など公知の製剤成分が選択される。具体的な経口剤としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、シロップ剤などが挙げられる。なお、当該経口剤には、公知の製剤成分を用いて、有効成分として含有する本発明化合物の体内での放出をコントロールした製剤(例:速放性製剤、徐放性製剤)も含まれる。
上記経口剤には腸溶製剤も含まれ、むしろ腸溶製剤にした方が好ましい場合もある。このような腸溶製剤としては、後述するコーティング剤中のセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートおよびメチルメタアクリレート−メタアクリル酸共重合体などの腸溶性のコーティング剤を使用した被覆製剤およびマトリックス製剤並びに該腸溶性コーティング剤を剤皮に含むカプセル製剤等が挙げられる。
以下に上記経口剤で使用される具体的な製剤成分を挙げるが、これらに限定されない。
1)賦形剤の例:乳糖、デンプン(含トウモロコシデンプン)、結晶セルロース、微結晶セルロース、結晶セルロース・カロメロースナトリウム、デキストリン、白糖、ブドウ糖、マンニトール、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、クロスポビドン、乾燥酵母、大豆油不けん化物。
2)結合剤の例:ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、デンプン(含トウモロコシデンプン)、ゼラチン、アラビアゴム、メチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、エチルセルロース(EC)、ブドウ糖および白糖。
3)崩壊剤の例:デンプン(含トウモロコシデンプン)、寒天、ゼラチン、CMC-Na、CMC-Ca、結晶セルロース、結晶セルロース・カロメロースナトリウム、低置換度HPC、クロスポビドン、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム。
4)滑沢剤の例:ステアリン酸マグネシウム、水素添加植物油、タルク、マクロゴール、軽質無水ケイ酸。
5)コーティング剤の例:白糖、HPC、セラック、ゼラチン、グリセリン、ソルビトール、EC、HPC、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、PVP、セルロースアセテートフタレート(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、メチルメタアクリレート−メタアクリル酸共重合体、酸化チタン。
また注射による場合、上記添加物としては、水性注射剤もしくは非水性注射剤を構成できる製剤成分が使用され、通常は溶解剤、溶解補助剤、懸濁化剤、緩衝剤、安定剤、保存剤などの公知の製剤成分が使用されるが、さらに投与時に溶解あるいは懸濁して使用するための粉末注射剤を構成する公知の製剤成分であっても良い。
上記注射剤の具体的な溶解剤の例としては、注射用水、生理食塩水、リンゲル液、植物油(例:オリーブ油、ゴマ油、ダイズ油)、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、N,N-ジメチルアセタミド、N-メチル-2-ピロリドン等が挙げられる。
また上記注射剤の溶解補助剤、懸濁化剤、緩衝剤、安定剤、保存剤の具体的な製剤成分の例としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、エチレンジアミン、ベンジルアルコール、ポリソルベート80、カルメロースナトリウム、水酸化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸二水素カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、アスコルビン酸、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、クロロブタノール等が挙げられる。上記粉末注射剤を構成する具体的な製剤成分の例としては、グルコース、ソルビトール等が挙げられる。
さらに、吸入などの局所投与による場合、上記添加物としては、溶解補助剤、安定剤、緩衝剤、懸濁化剤、乳化剤、保存剤等の公知の製剤成分が使用される。具体的な吸入剤の例としては、エアゾール剤が挙げられる。エアゾールの発生法としては、同一密封容器に医薬有効成分と代替フロン等の噴射剤を充填し、スプレーするタイプのものでも、また医薬有効成分と別の容器に充填した二酸化炭素や窒素等の圧縮ガスを用いたネブライザーやアトマイザーのタイプのものでもいずれの形態でもよい。
上記エアゾール剤の噴射剤、溶解補助剤、安定剤、緩衝剤、懸濁化剤、乳化剤、保存剤等の具体的な製剤成分の例としては、塩素を含まないフッ化炭化水素類[例:1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFA-134a)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFA-227)]、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリソルベート80、グリセリン、卵黄レシチン、大豆レシチン、α-トコフェロール、アスコルビン酸、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール等が挙げられる。
このほか、上記ネブライザーやアトマイザーのタイプにするときは、製剤成分として注射用水、精製水等を使用することができる。また、吸入剤の場合、上記噴射剤を使用したスプレーおよびネブライザーやアトマイザーのタイプに加え、粉末形態とすることも可能である。当該粉末吸入剤は、例えば、既存の粉末吸入剤[例:インタール(登録商標)カプセルとその投与装置スピンヘラー(登録商標);クロモグリク酸ナトリウム投与用]と同様の形態をとることができる。
本発明の治療もしくは予防薬は、上記吸入剤のほかにも軟膏剤、貼付剤、外用液剤、点眼剤、点鼻剤および坐剤等の剤形での局所投与も可能であり、これらの局所投与剤には前記の医薬品添加物ハンドブックおよび医薬品添加物事典などに収載されている製剤成分を適宜使用することができる。上記製剤成分を使用して所望の経口剤、注射剤または吸入剤を始めとする局所投与剤を得るためには、自体公知の製造法、例えば、第十五改正日本薬局方(日局XV)記載の製造法ないしこれに適当なモデフィケーションを加えた製造法を採用することができる。
本発明の組成物または製剤は、より優れた心疾患に対する治療もしくは予防効果を提供するために、公知の心疾患に対する医薬品と併用して良いものとする。
上記医薬品の具体的例としては、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、β遮断薬、抗アルドステロン薬、アミオダロン、血管拡張薬、強心薬、ジギタリス、利尿薬などが挙げられる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明が以下の実施例に限られないことは言うまでもない。
体重250-290gのSDラットを1-2%イソフルレンで麻酔し、冠動脈左前下行枝を結紮することにより心筋梗塞を作成した。1週間後、心エコーにて心収縮指標であるFS(fractional shortening, %)を評価し、FSが40%以上のものは除外した上で、FSを基にランダムにクルクミン製剤投与群とその対照群(クルクミン非含有製剤投与群)、クルクミン投与群とその対照群(1%アカシアガム投与群)の4群に割り付け、試験薬剤を6週間、毎日、強制経口投与した。試験薬剤投与前の心エコーにおけるFSは、クルクミン製剤投与群:30.7%(n=5)、クルクミン非含有製剤投与群:29.2%(n=3)、クルクミン投与群:29.9%(n=5)、1%アカシアガム投与群:29.6%(n=3)で、同等であった。
心筋梗塞後7週、試験薬剤投与後6週の心エコーにおける心収縮指標であるFS(Fractional Shortening, %)を見ると、驚いたことに、クルクミン製剤はこれまで報告されている量(50 mg/体重kg/日、非特許文献9)のわずか100分の1の量(0.5 mg/体重kg/日)の投与で心収縮能を1.9倍に上昇させた。これは過去に報告されている同様のラット心筋梗塞モデル、すなわち梗塞後の心不全動物モデルにおける、心不全標準治療薬であるACE阻害薬あるいはアンジオテンシン受容体拮抗薬による心収縮能改善効果(非特許文献10)よりもはるかに効果が高い。一方で、同じ量のクルクミン0.5mg/kg/日では全く改善効果はみられなかった。
また、左室後壁の厚さPWd(posterior wall dimension, mm)もクルクミン製剤投与群においてのみ縮小した。このことは心不全における収縮能改善効果のみならず、心不全の前兆である左室肥大をも予防する効果があることを示唆する。
本発明の組成物または製剤は、高血圧症および心筋梗塞などによる心疾患や心不全への治療又は予防に用いられる。加えて、本発明の組成物または製剤は低投与量で効果が見られるところ、他の心疾患に対する薬剤と併用させて更なる予防もしくは治療効果を得ることも可能である。

Claims (5)

  1. ガディガムおよびウコン色素を含有することを特徴とするウコン色素組成物を含む、心疾患に対する治療もしくは予防薬の組成物、または製剤。
  2. 前記の心疾患が心不全である請求項1に記載の組成物、または製剤。
  3. 前記の心不全が、心筋梗塞に基づく心不全である請求項2に記載の組成物、または製剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物、または製剤を含む食品組成物。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物、または製剤を含む機能性食品。
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