JP2010260410A - タイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】ショルダー部における摩耗の促進、およびショルダー部におけるヒールアンドトゥ摩耗の発生を抑制したタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド部と、その両端からタイヤ半径方向内方に延びる一対のサイド部と、その内方端に位置する一対のビード部とを備え、ビード部間にトロイド状に延在するカーカス層と、そのクラウン部タイヤ半径方向外側に配置されたベルト層とを有するタイヤである。サイド部におけるカーカス層の内側に断面略三日月状の補強ゴム層を備え、かつ、トレッド部の表面に設けられたトレッドパターンにおける、タイヤ接地端部Eを含む一対のショルダー陸部13内にタイヤ接地端部から延びるラグ溝2cが、周方向主溝1bに連通せずにショルダー陸部13内で終端する。
【選択図】図1
【解決手段】トレッド部と、その両端からタイヤ半径方向内方に延びる一対のサイド部と、その内方端に位置する一対のビード部とを備え、ビード部間にトロイド状に延在するカーカス層と、そのクラウン部タイヤ半径方向外側に配置されたベルト層とを有するタイヤである。サイド部におけるカーカス層の内側に断面略三日月状の補強ゴム層を備え、かつ、トレッド部の表面に設けられたトレッドパターンにおける、タイヤ接地端部Eを含む一対のショルダー陸部13内にタイヤ接地端部から延びるラグ溝2cが、周方向主溝1bに連通せずにショルダー陸部13内で終端する。
【選択図】図1
Description
本発明はタイヤに関し、詳しくは、カーカス層の内側に断面略三日月状のサイド補強ゴム層を備えるランフラットタイヤの、トレッドパターン形状およびベルト保護層配置の改良に関する。
タイヤ内圧の異常低下時やパンク時などにおいても、ある程度の距離の走行が可能であるタイヤ、いわゆるランフラットタイヤとして、カーカス層の内側に断面略三日月状のサイド補強ゴム層を配置したサイド補強タイプのタイヤが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
また、タイヤのベルト補強層(ベルト保護層)に係る改良技術として、例えば、特許文献2には、コードがタイヤ周方向に実質上平行になるようにラセン状にエンドレスに巻きつけることにより形成されたベルト補強層を、50±5℃において1.4g/d荷重下の伸度が2.7%以下であり、かつ170±5℃において0.7g/d荷重下の伸度が1.5〜6.0%である繊維コードからなるものとしたラジアルタイヤが開示されている。さらに、特許文献3には、複数かつ低弾性の有機繊維コードを長手方向に平行にゴム中に埋設して配列した長尺帯状の帯状プライを、その側縁が互いに重なる重複部分を有して螺旋巻きすることによりベルト層のタイヤ半径方向外側をその全幅にわたり覆うバンドとして配置したラジアルタイヤが開示されている。
さらにまた、タイヤのトレッドパターン形状に係る改良技術として、例えば、特許文献4には、2つの周方向溝を備え、ショルダー領域にショルダーブロックを有する自動車用高性能タイヤにおいて、側方ショルダー領域の幅の合計を総幅Lの60%以下、ショルダー領域各々の幅が総幅Lの20%以上とし、周方向溝の各々を中央領域から離れた側で連続トラックに隣接させて、ショルダーブロックの境界を画定する横方向の溝を連続トラックから分岐させる技術が開示されている。
サイド補強タイプのランフラットタイヤにおいては、一般に、パンク時に車重を支えるために、接地面にかかる程度の位置までサイド補強ゴム層が配置されている。そのため、通常走行時においても、このサイド補強ゴム層の剛性のためにショルダー部接地面にかかる圧力が高くなる傾向があった。
ショルダー部の接地面にかかる圧力が高くなると、早期にショルダー部付近に摩耗が生じたり、ラグ溝とラグ溝とに挟まれた陸部のタイヤ赤道方向の片側の摩耗(いわゆるヒールアンドトゥ摩耗)が促進されて、タイヤが転動するときに生ずる騒音が増大してしまう場合がある。したがって、ランフラットタイヤにおいて、ショルダー部接地面にかかる圧力を低減できる技術の確立が望まれていた。
そこで本発明の目的は、上記問題を解消して、ショルダー部接地面にかかる圧力を低減することで、ショルダー部における摩耗の促進、およびショルダー部におけるヒールアンドトゥ摩耗の発生を抑制したタイヤを提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、タイヤ接地端部を含むショルダー部に配置されるラグ溝に着目した。すなわち、従来の一般的な乗用車用タイヤでは、ショルダー部のラグ溝は、周方向主溝に連通するよう形成される。このため、ショルダー部において各陸部に圧力が集中して、上述したような摩耗を促進させると考えられる。かかる観点から本発明者はさらに検討した結果、このショルダー部のラグ溝を周方向主溝に連通させずに陸部内で終端させることで、この圧力集中を分散させて、摩耗の発生を抑制することが可能となることを見出して、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のタイヤは、トレッド部と、該トレッド部の両端からタイヤ半径方向内方に延びる一対のサイド部と、該サイド部の内方端に位置する一対のビード部とを備え、該ビード部間にトロイド状に延在するカーカス層と、該カーカス層のクラウン部タイヤ半径方向外側に配置されたベルト層とを有するタイヤにおいて、
前記サイド部における前記カーカス層の内側に断面略三日月状の補強ゴム層を備え、かつ、前記トレッド部の表面に設けられたトレッドパターンにおける、タイヤ接地端部を含む一対のショルダー陸部内にタイヤ接地端部から延びるラグ溝が、周方向主溝に連通せずに該ショルダー陸部内で終端することを特徴とするものである。
前記サイド部における前記カーカス層の内側に断面略三日月状の補強ゴム層を備え、かつ、前記トレッド部の表面に設けられたトレッドパターンにおける、タイヤ接地端部を含む一対のショルダー陸部内にタイヤ接地端部から延びるラグ溝が、周方向主溝に連通せずに該ショルダー陸部内で終端することを特徴とするものである。
本発明において、前記ベルト層のタイヤ半径方向外側にベルト保護層を配置する場合には、前記ショルダー陸部のラグ溝のタイヤ赤道側端部から周方向主溝までの間の少なくともタイヤ幅方向中心位置のトレッド内部における該ベルト保護層が、タイヤ赤道部のトレッド内部における該ベルト保護層よりも高弾性コードからなることが好ましい。より好ましくは、前記ショルダー陸部のラグ溝のタイヤ赤道側端部から周方向主溝までの間のタイヤ幅方向中心位置のトレッド内部における前記ベルト保護層がポリエチレンナフタレートコードからなり、かつ、前記タイヤ赤道部のトレッド内部における該ベルト保護層がナイロンコードからなるものとする。
本発明のタイヤにおいては、ショルダー陸部のラグ溝が周方向主溝に連通しないため、ショルダー陸部の周方向主溝近傍はラグ溝とラグ溝とに挟まれることなくタイヤ周方向に連続した状態となる。このため、ショルダー接地面にかかる圧力を分散することが可能となり、これに起因するショルダー部近傍の早期摩耗を抑制することができる。また、ショルダー陸部の周方向主溝近傍でラグ溝とラグ溝とに挟まれるブロックがなくなるため、ヒールアンドトゥ摩耗についても抑制され、これに起因する転動時の騒音の発生も抑制することが可能となる。
以下、本発明の好適実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明のタイヤは、トレッド部と、その両端からタイヤ半径方向内方に延びる一対のサイド部と、その内方端に位置する一対のビード部とを備え、ビード部間にトロイド状に延在するカーカス層と、そのクラウン部タイヤ半径方向外側に配置されたベルト層とを有するものである。また、本発明のタイヤは、サイド部におけるカーカス層の内側に断面略三日月状の補強ゴム層を備え、ランフラット走行が可能なランフラットタイヤとして好適に使用される。
本発明のタイヤは、トレッド部と、その両端からタイヤ半径方向内方に延びる一対のサイド部と、その内方端に位置する一対のビード部とを備え、ビード部間にトロイド状に延在するカーカス層と、そのクラウン部タイヤ半径方向外側に配置されたベルト層とを有するものである。また、本発明のタイヤは、サイド部におけるカーカス層の内側に断面略三日月状の補強ゴム層を備え、ランフラット走行が可能なランフラットタイヤとして好適に使用される。
図1に、本発明の一好適例に係る空気入りラジアルタイヤの踏面部の展開図を示す。図示するトレッドパターンにおいては、タイヤ踏面部に、タイヤ周方向に延びる4本の周方向主溝1a,1bにより画成された陸部11〜13が形成されており、各陸部11〜13には、略タイヤ幅方向に延びるラグ溝2a〜2cが配置されている。本発明においては、かかるトレッド部の表面に設けられたトレッドパターンにおける、タイヤ接地端部Eを含む一対のショルダー陸部13内にタイヤ接地端部から延びるラグ溝2cが、周方向主溝1bに連通せずにショルダー陸部13内で終端している。
これにより、ショルダー陸部13の周方向主溝1b近傍がタイヤ周方向に連続した状態となるため、ショルダー接地面にかかる圧力を分散することができ、ショルダー部近傍の早期摩耗およびショルダー部におけるヒールアンドトゥ摩耗の発生、ひいては転動時の騒音の発生についても抑制することが可能となった。
また、本発明においては、ベルト層のタイヤ半径方向外側にベルト保護層を配置して、ショルダー陸部13のラグ溝2cのタイヤ赤道側端部から周方向主溝1bまでの間のタイヤ幅方向中心位置のトレッド内部におけるベルト保護層が、タイヤ赤道部のトレッド内部におけるベルト保護層よりも高弾性コードからなるものとすることが好ましい。ショルダー部に高弾性を持たせることで、ショルダー部における摩耗の発生をより効果的に抑制して、センター部とショルダー部との摩耗差により生ずる偏摩耗をより良好に改良することが可能となる。ここで、ショルダー陸部13の上記タイヤ幅方向中心位置のトレッド内部におけるベルト保護層とは、ベルト保護層のうち、ショルダー陸部13の上記タイヤ幅方向中心位置に対応するトレッド内部の領域に配置された部分を意味する。また、タイヤ赤道部のトレッド内部におけるベルト保護層とは、ベルト保護層のうち、タイヤ赤道部近傍のトレッド内部の領域に配置された部分を意味する。本発明においては、少なくともショルダー陸部13の上記タイヤ幅方向中心位置のトレッド内部におけるベルト保護層について、上記高弾性コードからなるものとすればよく、これにより本発明の所期の効果を得ることができる。特には、上記高弾性コードがショルダー陸部13のラグ溝2cのタイヤ赤道側端部から周方向主溝1bまでの内部領域の全域に配置されていることが、本発明の効果を十分に得るために好適である。
この場合のベルト保護層に用いるコードの組み合わせとしては、特に制限されるものではないが、ショルダー陸部13の上記タイヤ幅方向中心位置のベルト保護層に用いる高弾性コードとして、タイヤ赤道部のベルト保護層に用いる低弾性コード対比で弾性率(100%モジュラス)が1.5倍以上であるものを用いることが、本発明の効果を十分に得るために好ましい。具体的には例えば、ショルダー陸部13の上記タイヤ幅方向中心位置のベルト保護層に用いる高弾性コードとしてポリエチレンナフタレート(PEN)コードを用い、タイヤ赤道部のベルト保護層に用いる低弾性コードとしてナイロンコードを用いることができる。
本発明のタイヤにおいては、上記ショルダー陸部のラグ溝に係る条件を満足するものであればよく、これにより本発明の所期の効果を得ることができ、それ以外のタイヤ構造、材質等については常法に従い適宜構成すればよく、特に制限されるものではない。
例えば、サイド部に配置される補強ゴム層は、好ましくはJIS A硬度で70〜90度の範囲内にて形成することができ、その配置領域については、ランフラット走行を可能とし、かつ、不要な重量増加を招かない範囲内で適宜選定すればよく、補強ゴム層として既知の寸法を適宜に採用することができる。
カーカス層は、少なくとも1層にて設けることが必要であるが、2層以上で設けてもよく、特に制限されない。また、ベルト層は、少なくとも1層、好適には2層にて設けることができる。さらに、クラウン部には、ゴム材により円環状に形成されて路面に設置するトレッドが配置され、このトレッドの表面には適宜トレッドパターンが形成される。さらにまた、タイヤの最内層にはインナーライナー(図示せず)が配置される。さらにまた、本発明のタイヤにおいて、タイヤ内に充填する気体としては、通常のあるいは酸素分圧を変えた空気、または窒素等の不活性ガスを用いることが可能である。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
<従来例1>
図2に示すトレッドパターンを有する乗用車用タイヤを、タイヤサイズ245/40ZR18にて作製した。図示するトレッドパターンにおいては、タイヤ踏面部に、タイヤ周方向に延びる4本の周方向主溝3a,3bにより画成された陸部21〜23が形成されており、各陸部21〜23には、略タイヤ幅方向に延びるラグ溝4a〜4cが配置されている。この従来例のタイヤのトレッドパターンは通常のノーマルタイヤのものであり、図示するように、ショルダー陸部23に配置されたラグ溝4cが、周方向主溝3bに連通するパターン設定となっている。
<従来例1>
図2に示すトレッドパターンを有する乗用車用タイヤを、タイヤサイズ245/40ZR18にて作製した。図示するトレッドパターンにおいては、タイヤ踏面部に、タイヤ周方向に延びる4本の周方向主溝3a,3bにより画成された陸部21〜23が形成されており、各陸部21〜23には、略タイヤ幅方向に延びるラグ溝4a〜4cが配置されている。この従来例のタイヤのトレッドパターンは通常のノーマルタイヤのものであり、図示するように、ショルダー陸部23に配置されたラグ溝4cが、周方向主溝3bに連通するパターン設定となっている。
また、この従来例1のタイヤは、トレッド部と、その両端からタイヤ半径方向内方に延びる一対のサイド部と、その内方端に位置する一対のビード部とを備えており、ビード部間にトロイド状に延在する1層のカーカス層(材質:レーヨン)と、そのクラウン部タイヤ半径方向外側に配置された2層のスチールベルト層と、そのタイヤ半径方向外側に配置された1層のベルト保護層(材質:ナイロン(弾性インデックス値(100%モジュラス)100))とを有している。
<従来例2>
サイド部におけるカーカス層の内側に断面略三日月状の補強ゴム層を配置した以外は従来例1と同様にして、従来例2のランフラットタイヤを作製した。
サイド部におけるカーカス層の内側に断面略三日月状の補強ゴム層を配置した以外は従来例1と同様にして、従来例2のランフラットタイヤを作製した。
<実施例1>
トレッドパターンを、図1に示すものに変えた以外は従来例2と同様にして、実施例1のランフラットタイヤを作製した。図示するトレッドパターンにおいては、タイヤ接地端部Eを含む一対のショルダー陸部13内にタイヤ接地端部から延びるラグ溝2cが、周方向主溝1bに連通せずにショルダー陸部13内で終端しており、ショルダー陸部13の周方向主溝1b近傍が連続したパターン設定となっている。
トレッドパターンを、図1に示すものに変えた以外は従来例2と同様にして、実施例1のランフラットタイヤを作製した。図示するトレッドパターンにおいては、タイヤ接地端部Eを含む一対のショルダー陸部13内にタイヤ接地端部から延びるラグ溝2cが、周方向主溝1bに連通せずにショルダー陸部13内で終端しており、ショルダー陸部13の周方向主溝1b近傍が連続したパターン設定となっている。
<実施例2>
ベルト保護層のコードを、ショルダー陸部13のラグ溝2cのタイヤ赤道側端部から周方向主溝1bまでの間のタイヤ幅方向中心位置のトレッド内部においてPENコード(弾性インデックス値(100%モジュラス)300)からなるものとした以外は実施例1と同様にして、実施例2のランフラットタイヤを作製した。具体的には、ショルダー陸部13のラグ溝2cのタイヤ赤道側端部から周方向主溝1bまでの間のタイヤ幅方向中央を中心として、総幅20mmの領域のベルト保護層(ラグ溝2cのタイヤ赤道側端部から周方向主溝1bに至る領域に相当)について、PENコードを用いた。したがってこの実施例2のタイヤにおいては、タイヤ赤道部のトレッド内部におけるベルト保護層はナイロンコードからなり、ショルダー陸部13のうち上記総幅20mmの領域のトレッド内部におけるベルト保護層は、ナイロンコードより高弾性のPENコードからなるものとなっている。
ベルト保護層のコードを、ショルダー陸部13のラグ溝2cのタイヤ赤道側端部から周方向主溝1bまでの間のタイヤ幅方向中心位置のトレッド内部においてPENコード(弾性インデックス値(100%モジュラス)300)からなるものとした以外は実施例1と同様にして、実施例2のランフラットタイヤを作製した。具体的には、ショルダー陸部13のラグ溝2cのタイヤ赤道側端部から周方向主溝1bまでの間のタイヤ幅方向中央を中心として、総幅20mmの領域のベルト保護層(ラグ溝2cのタイヤ赤道側端部から周方向主溝1bに至る領域に相当)について、PENコードを用いた。したがってこの実施例2のタイヤにおいては、タイヤ赤道部のトレッド内部におけるベルト保護層はナイロンコードからなり、ショルダー陸部13のうち上記総幅20mmの領域のトレッド内部におけるベルト保護層は、ナイロンコードより高弾性のPENコードからなるものとなっている。
<摩耗量評価>
従来例および実施例の各供試タイヤを実車に装着して、テストコースを1万km走行させた。走行後の各供試タイヤのセンター部とショルダー部との摩耗量を測定して、ショルダー部/センター部の摩耗量比を算出した。この値が小さいほどショルダー部の偏摩耗が少なく、良好であることを示す。また、同様に、走行後の各供試タイヤのショルダー部におけるヒールアンドトゥ摩耗の発生量を測定した。この値が小さいほど摩耗量が少なく、良好であることを示す。これらの結果を、下記の表1中に示す。
従来例および実施例の各供試タイヤを実車に装着して、テストコースを1万km走行させた。走行後の各供試タイヤのセンター部とショルダー部との摩耗量を測定して、ショルダー部/センター部の摩耗量比を算出した。この値が小さいほどショルダー部の偏摩耗が少なく、良好であることを示す。また、同様に、走行後の各供試タイヤのショルダー部におけるヒールアンドトゥ摩耗の発生量を測定した。この値が小さいほど摩耗量が少なく、良好であることを示す。これらの結果を、下記の表1中に示す。
上記表1に示す結果から、以下のようなことがわかる。
まず、従来例2のタイヤは、ノーマルタイヤと同様のトレッドパターンを有しているが、ランフラット構造を有するために、ショルダー部の特に周方向主溝近傍部に接地圧が集中しており、そのため転動時に周方向にかかる摩耗エネルギーが従来例1のノーマルタイヤに比べて非常に高い。このため、従来例1と比較すると、タイヤセンター部に比べてショルダー部の摩耗量が明らかに多く、偏摩耗が発生していた。また、ショルダー部がラグ溝で分断されているために、ラグ溝付近の蹴り出し側に集中して摩耗が発生するヒールアンドトゥ摩耗も発生していた。
まず、従来例2のタイヤは、ノーマルタイヤと同様のトレッドパターンを有しているが、ランフラット構造を有するために、ショルダー部の特に周方向主溝近傍部に接地圧が集中しており、そのため転動時に周方向にかかる摩耗エネルギーが従来例1のノーマルタイヤに比べて非常に高い。このため、従来例1と比較すると、タイヤセンター部に比べてショルダー部の摩耗量が明らかに多く、偏摩耗が発生していた。また、ショルダー部がラグ溝で分断されているために、ラグ溝付近の蹴り出し側に集中して摩耗が発生するヒールアンドトゥ摩耗も発生していた。
これに対し、ショルダー陸部のラグ溝が周方向主溝に連通しないトレッドパターンに変更した実施例1のタイヤにおいては、同様にランフラットタイヤではあるものの、ラグ溝分の接地面積の増加によりショルダー部の接地圧の集中が緩和されて、センター部とショルダー部との偏摩耗の改善効果が確認された。また、ヒールアンドトゥ摩耗発生の要因となるラグ溝が存在しないため、ヒールアンドトゥ摩耗は排除することが可能となった。
さらに、ショルダー陸部のラグ溝が周方向主溝に連通しないトレッドパターンに変更したことに加えて、ショルダー陸部の所定領域のベルト保護層のコードを、タイヤ赤道部のベルト保護層に用いたナイロンコードより高弾性であるPENコードに変更した実施例2のタイヤにおいては、ショルダー陸部に高弾性を持たせることでタイヤ内部からの圧力分布を変化させることができ、ショルダー部への圧力集中が緩和された。このため、ベルト保護層のコードがショルダー部とタイヤ赤道部とで同一である実施例1のタイヤに比べて、接地形状が同一である場合には特に、ショルダー陸部への圧力集中がさらに緩和されて、センター部とショルダー部の摩耗量不均一から発生する偏摩耗に対してさらなる改良効果が確認された。
1a,1b,3a,3b 周方向主溝
2a〜2c,4a〜4c ラグ溝
11〜13,21〜23 陸部
E 接地端部
2a〜2c,4a〜4c ラグ溝
11〜13,21〜23 陸部
E 接地端部
Claims (3)
- トレッド部と、該トレッド部の両端からタイヤ半径方向内方に延びる一対のサイド部と、該サイド部の内方端に位置する一対のビード部とを備え、該ビード部間にトロイド状に延在するカーカス層と、該カーカス層のクラウン部タイヤ半径方向外側に配置されたベルト層とを有するタイヤにおいて、
前記サイド部における前記カーカス層の内側に断面略三日月状の補強ゴム層を備え、かつ、前記トレッド部の表面に設けられたトレッドパターンにおける、タイヤ接地端部を含む一対のショルダー陸部内にタイヤ接地端部から延びるラグ溝が、周方向主溝に連通せずに該ショルダー陸部内で終端することを特徴とするタイヤ。 - 前記ベルト層のタイヤ半径方向外側にベルト保護層が配置され、前記ショルダー陸部のラグ溝のタイヤ赤道側端部から周方向主溝までの間の少なくともタイヤ幅方向中心位置のトレッド内部における該ベルト保護層が、タイヤ赤道部のトレッド内部における該ベルト保護層よりも高弾性コードからなる請求項1記載のタイヤ。
- 前記ショルダー陸部のラグ溝のタイヤ赤道側端部から周方向主溝までの間のタイヤ幅方向中心位置のトレッド内部における前記ベルト保護層がポリエチレンナフタレートコードからなり、かつ、前記タイヤ赤道部のトレッド内部における該ベルト保護層がナイロンコードからなる請求項2記載のタイヤ。
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