JP2010255164A - 染色繊維材料およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バインダー樹脂吸着補助剤存在下でバインダー樹脂エマルジョンにより顔料染色処理後の繊維材料をバインダー処理する工程を含む染色繊維材料の製造方法により、上記課題が解決される。また前記バインダー樹脂吸着補助剤としては、有機酸、有機酸塩、無機酸、無機塩などが例示できる。
【選択図】なし
Description
繊維材料を15〜85℃の水又は温水で洗浄して洗浄処理を行い、必要によりカチオン化剤により前記洗浄処理後の繊維材料をカチオン化処理する。この際使用するカチオン化剤としては、(メタ)アクリル系重合体、(メタ)アクリレート系重合体、アミノ基含有ウレタン系重合体、などのカチオン性重合体を用いることができる。このようなカチオン性重合体としては、公知のもの(特許文献1参照)や、市販のもの(例えば、CT F1101、山陽色素株式会社製)を用いることができる。繊維材料をカチオン化処理することで、後の各処理(染色処理、バインダー処理)において、顔料、バインダー樹脂、機能剤等の吸尽性が向上する場合がある。
前記洗浄処理後又はカチオン化処理後の繊維材料を、顔料を含む染浴に浸漬、撹拌し、顔料を繊維材料に吸尽させる。浸漬、撹拌は、20〜70℃、好ましくは30〜70℃の染浴において、一定温度で、又は、適宜昇温しながら行うとよい。前記顔料としては、特に限定はないが、カチオン化処理した繊維材料を用いた場合は、吸尽性の点で、カチオン性顔料(またはその顔料分散体)を用いると良い。このような顔料又は顔料分散体としては、公知のもの(特許文献1参照)や、市販のもの(例えば、EMACOL CT RED 4318N、山陽色素株式会社製)を用いることができる。
その後、洗浄、必要により脱水を行って、染色処理をした繊維材料が得られる。
ミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、硫酸マグネシウムなどが例示できる。また、前記機能を有する有機系化合物としては、有機酸、有機酸塩、有機系高分子化合物などであり、具体的には、有機酸としては、ギ酸、酢酸、クエン酸などが例示でき、有機酸塩としては、前記有機酸のカリウム、ナトリウム、カルシウム等の金属塩が例示でき、有機系高分子化合物としては、ポリアクリルアミド系高分子化合物(ノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性のいずれでも良い)、エポキシ変性ポリアミドなどが例示できる。
処理槽(ワッシャー染色機、神前鉄工株式会社製、品名6M−H(K−MINI))にカチオン性水分散赤色顔料(EMACOL CT RED 4318N、顔料分20%、山陽色素株式会社製)5%owfの染浴(浴比1:20)を投入し、当該染浴に綿ニット1000gを浸漬して染色処理を行った後、染浴を排出して水洗した(水洗に使用した水は排水した)。次に同じ処理槽に、浴比1:10となるように水(水温:40℃)を投入し、添加するバインダー樹脂に対して3重量%になるようにギ酸(丸善薬品産業株式会製、1%ギ酸水溶液に調製して使用した。)を添加して5分間ゆっくり攪拌した後、アニオン系のアクリル系樹脂エマルジョン(EMACOL CT BINDER H901、樹脂分50%、山陽色素株式会社製)5%owfを添加して15分間ゆっくり攪拌(攪拌速度10rpm)した。上記過程で水浴は前記エマルジョンの添加により懸濁し、その後徐々に懸濁物が綿ニットに吸着され、最終的に水浴が透明になったことを目視により確認した。尚、バインダー処理中水温は40℃に維持した。その後、水浴を排水して、水洗・脱水した後、90〜110℃、で乾燥し、本発明のバインダー処理された綿ニットを得た。
処理槽にカチオン性水分散赤色顔料(EMACOL CT RED 4318N、顔料分20%、山陽色素株式会社製)5%owfの染浴(浴比1:20)を投入し、当該染浴に綿ニット1000gを浸漬して染色処理を行った後、染浴を排出して水洗、脱水した。次に同じ処理槽に、浴比1:10となるように水(水温:40℃)を投入し、ノニオン系のアクリル系樹脂エマルジョン(EMACOL CT BINDER ASD、樹脂分40%、山陽色素株式会社製)15g/Lを添加した後、前記脱水後の綿ニットを投入して10分間ゆっくり攪拌した。その後、絞り工程(絞り100%)を経てから、90〜110℃で乾燥し、バインダー樹脂を固着させた。
実施例1と同様にして綿ニットの染色処理、水洗を行った後、処理槽に、浴比1:10となるように水(水温:20℃)を投入し、添加するバインダー樹脂に対して3重量%になるようにギ酸(丸善薬品産業株式会社製、1%ギ酸水溶液に調製して使用した。)を添加して5分間ゆっくり攪拌した後、アニオン系のアクリル系樹脂エマルジョン(EMACOL CT BINDER H901、山陽色素株式会社製)5%owfを添加して15分間ゆっくり攪拌した。続いてバインダー樹脂に対して3重量%になるように上記ギ酸を更に添加して20℃で30分間ゆっくり撹拌した。上記過程で水浴は前記エマルジョンの添加により懸濁し、その後徐々に懸濁物が綿ニットに吸着され、最終的に水浴が透明になったことを目視により確認した。尚、バインダー処理中水温は20℃に維持した。その後、水浴を排水して、水洗・脱水した後、90〜110℃、で乾燥し、本発明のバインダー処理された綿ニットを得た。当該綿ニットについて、繊維材料に対する顔料とバインダー樹脂の付着量の比が2.5であった。また、JIS L0849に準拠して摩擦に対する染色堅牢性試験を行ったところ、乾式試験の等級が3.5級、湿式試験の等級が3級であった。
水温を25℃に維持した点、ギ酸を追加した時の攪拌時間が15分である点を除き、実施例2と同様にして、本発明のバインダー処理された綿ニットを得た。当該綿ニットについて、繊維材料に対する顔料とバインダー樹脂の付着量の比が2.5であった。また、JIS L0849に準拠して摩擦に対する染色堅牢性試験を行ったところ、乾式試験の等級が3.5級、湿式試験の等級が3級であった。
水温を30℃に維持した点を除き、実施例1と同様にして、本発明のバインダー処理された綿ニットを得た。当該綿ニットについて、繊維材料に対する顔料とバインダー樹脂の付着量の比が2.5であった。また、JIS L0849に準拠して摩擦に対する染色堅牢性試験を行ったところ、乾式試験の等級が3.5級、湿式試験の等級が3級であった。
バインダー樹脂の添加量を10%owfとした以外は、実施例1と同様にして本発明のバインダー処理された綿ニットを得た。尚、最終的に水浴が透明になった。また、繊維材料に対する顔料とバインダー樹脂の付着量の比が5.0であった。更にJIS L0849 IIに準拠して摩擦に対する染色堅牢性試験を行ったところ、乾式試験の等級が4.0級、湿式試験の等級が3.0級であった。
バインダー樹脂として、弱アニオン系のアクリル系樹脂エマルジョン(NK BINDER M−302HN、新中村化学工業株式会社製)を用い、該バインダー樹脂を添加して40℃で15分間ゆっくり撹拌した後、昇温速度3℃/分で70℃に加温した後5分間ゆっくり撹拌したことを除き、実施例1と同様にして本発明のバインダー処理された綿ニットを得た。尚、最終的に水浴が透明になった。また、繊維材料に対する顔料とバインダー樹脂の付着量の比が2.5であった。更にJIS L0849 IIに準拠して摩擦に対する染色堅牢性試験を行ったところ、乾式試験の等級が3級、湿式試験の等級が2.5級であった。
バインダー樹脂として、ノニオン系のアクリル系樹脂エマルジョン(DC515−S、徳昌樹脂股ふん有限公司製)を用い、該バインダー樹脂を添加して40℃で15分間ゆっくり撹拌し、次いで昇温速度3℃/分で70℃に加温した後5分間ゆっくり撹拌し、添加するバインダー樹脂に対して6重量%になるようにギ酸を更に添加して70℃で5分間ゆっくり撹拌したことを除き、実施例1と同様にして本発明のバインダー処理された綿ニットを得た。尚、最終的に水浴が透明になった。また、繊維材料に対する顔料とバインダー樹脂の付着量の比が2.5であった。更にJIS L0849 IIに準拠して摩擦に対する染色堅牢性試験を行ったところ、乾式試験の等級が3級、湿式試験の等級が2.5級であった。
バインダー樹脂として、アニオン系のウレタン系樹脂エマルジョン(ユニバインダー TN−2014、ユニ化成株式会社製)を用い、該バインダー樹脂を添加して40℃で15分間ゆっくり撹拌した後、昇温速度3℃/分で70℃に加温した後5分間ゆっくり撹拌したことを除き、実施例1と同様にして本発明のバインダー処理された綿ニットを得た。尚、最終的に水浴が透明になった。また、繊維材料に対する顔料とバインダー樹脂の付着量の比が2.5であった。更にJIS L0849 IIに準拠して摩擦に対する染色堅牢性試験を行ったところ、乾式試験の等級が2.5級、湿式試験の等級が2級であった。
バインダー樹脂として、アニオン系のラテックス系樹脂エマルジョン(クロスレン NSK−72、ガンツ化成株式会社製)を用い、該バインダー樹脂を添加して40℃で15分間ゆっくり撹拌した後、昇温速度3℃/分で70℃に加温した後5分間ゆっくり撹拌したことを除き、実施例1と同様にして本発明のバインダー処理された綿ニットを得た。尚、最終的に水浴が透明になった。また、繊維材料に対する顔料とバインダー樹脂の付着量の比が2.5であった。更にJIS L0849 IIに準拠して摩擦に対する染色堅牢性試験を行ったところ、乾式試験の等級が2.5級、湿式試験の等級が2級であった。
バインダー樹脂吸着補助剤として、酢酸(株式会社伏見製薬所製)を使用し、アニオン系のアクリル系樹脂エマルジョン(EMACOL CT BINDER H901、山陽色素株式会社製)を添加して、樹脂を添加して40℃で15分間ゆっくり撹拌し、次いで昇温速度3℃/分で70℃に加温した後5分間ゆっくり撹拌し、添加するバインダー樹脂に対して10重量%になるように酢酸を更に添加して70℃で5分間ゆっくり撹拌したことを除き、実施例1と同様にして本発明のバインダー処理された綿ニットを得た。尚、最終的に水浴が透明になった。また、繊維材料に対する顔料とバインダー樹脂の付着量の比が2.5であった。また、JIS L0849 IIに準拠して摩擦に対する染色堅牢性試験を行ったところ、乾式試験の等級が3.5級、湿式試験の等級が2.5級であった。
バインダー樹脂吸着補助剤として、クエン酸(和光純薬工業株式会社製)を使用し、添加するバインダー樹脂に対して6重量%になるようにクエン酸を更に添加して70℃で5分間ゆっくり撹拌したことを除き、実施例10と同様にして本発明のバインダー処理された綿ニットを得た。尚、最終的に水浴が透明になった。また、繊維材料に対する顔料とバインダー樹脂の付着量の比が2.5であった。また、JIS L0849 IIに準拠して摩擦に対する染色堅牢性試験を行ったところ、乾式試験の等級が3.5級、湿式試験の等級が2.5級であった。
バインダー樹脂吸着補助剤として、塩酸(網干産業株式会社製)を使用し、バインダー樹脂を添加して40℃で15分間ゆっくり撹拌した後、昇温速度3℃/分で70℃に加温した後5分間ゆっくり撹拌したことを除き、実施例1と同様にして本発明のバインダー処理された綿ニットを得た。尚、最終的に水浴が透明になった。また、繊維材料に対する顔料とバインダー樹脂の付着量の比が2.5であった。また、JIS L0849 IIに準拠して摩擦に対する染色堅牢性試験を行ったところ、乾式試験の等級が3.5級、湿式試験の等級が2.5級であった。
バインダー樹脂吸着補助剤として、硫酸(日鉱金属株式会社製)を使用したことを除き、実施例12と同様にして本発明のバインダー処理された綿ニットを得た。尚、最終的に水浴が透明になった。また、繊維材料に対する顔料とバインダー樹脂の付着量の比が2.5であった。また、JIS L0849 IIに準拠して摩擦に対する染色堅牢性試験を行ったところ、乾式試験の等級が3.5級、湿式試験の等級が2.5級であった。
バインダー樹脂吸着補助剤として、ギ酸ナトリウム(広栄化学工業株式会社製)を使用した点を除き、実施例10と同様にして本発明のバインダー処理された綿ニットを得た。尚、最終的に水浴が透明になった。また、繊維材料に対する顔料とバインダー樹脂の付着量の比が2.5であった。また、JIS L0849 IIに準拠して摩擦に対する染色堅牢性試験を行ったところ、乾式試験の等級が3.5級、湿式試験の等級が2.5級であった。
バインダー樹脂吸着補助剤として、酢酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)を使用した点を除き、実施例10と同様にして本発明のバインダー処理された綿ニットを得た。尚、最終的に水浴が透明になった。また、繊維材料に対する顔料とバインダー樹脂の付着量の比が2.5であった。また、JIS L0849 IIに準拠して摩擦に対する染色堅牢性試験を行ったところ、乾式試験の等級が3.5級、湿式試験の等級が2.5級であった。
バインダー樹脂吸着補助剤として、硫酸アルミニウム(浅田化学工業株式会社製)を使用し、添加するバインダー樹脂に対して3重量%になるように硫酸アルミニウムを更に添加して70℃で5分間ゆっくり撹拌したことを除き、実施例10と同様にして本発明のバインダー処理された綿ニットを得た。尚、最終的に水浴が透明になった。また、繊維材料に対する顔料とバインダー樹脂の付着量の比が2.5であった。また、JIS L0849 IIに準拠して摩擦に対する染色堅牢性試験を行ったところ、乾式試験の等級が3.5級、湿式試験の等級が2.5級であった。
バインダー樹脂吸着補助剤として、硫酸マグネシウム(和光純薬工業株式会社製)を使用したことを除き、実施例10と同様にして本発明のバインダー処理された綿ニットを得た。尚、最終的に水浴が透明になった。また、繊維材料に対する顔料とバインダー樹脂の付着量の比が2.5であった。また、JIS L0849 IIに準拠して摩擦に対する染色堅牢性試験を行ったところ、乾式試験の等級が3.5級、湿式試験の等級が2.5級であった。
バインダー樹脂吸着補助剤として、エポキシ変性ポリアミド(ハーマイドPY、ハリマ化成株式会社製)を用いた以外、実施例1と同様にして本発明のバインダー処理された綿ニットを得た。尚、最終的に水浴が透明になった。また、繊維材料に対する顔料とバインダー樹脂の付着量の比が2.5であった。また、JIS L0849 IIに準拠して摩擦に対する染色堅牢性試験を行ったところ、乾式試験の等級が3.5級、湿式試験の等級が2.5級であった。
綿ニットに替えて綿ブロードを用い、染色濃度3%owfにした以外は実施例1と同様にして本発明のバインダー処理された綿ブロードを得た。尚、最終的に水浴が透明になった。また、繊維材料に対する顔料とバインダー樹脂の付着量の比が4.2であった。更にJIS L0849 IIに準拠して摩擦に対する染色堅牢性試験を行ったところ、乾式試験の等級が3.5級、湿式試験の等級が2.5級であった。
綿ニットに替えて、綿ブロードを用い、3%owfの染浴を用いた以外は比較例1と同様にしてバインダー処理(絞り率50%)した綿ブロードを得た。また、繊維材料に対する顔料とバインダー樹脂の付着量の比が0.5であった。更にJIS L0849 IIに準拠して摩擦に対する染色堅牢性試験を行ったところ、乾式試験の等級が3級、湿式試験の等級が2.5級であった。尚、絞り率50%で繊維に付着したバインダー処理液は500gであり、残りのバインダー処理液9500g(95%)、即ち、樹脂純分の95%が廃棄されたことになる。
ポリエステルジャージを用いた以外は実施例19と同様にして本発明のバインダー処理されたポリエステルジャージを得た。尚、最終的に水浴が透明になった。また、繊維材料に対する顔料とバインダー樹脂の付着量の比が4.2であった。更にJIS L0849 IIに準拠して摩擦に対する染色堅牢性試験を行ったところ、乾式試験の等級が3級、湿式試験の等級が2.5級であった。
ポリエステルジャージを用いた以外は比較例2と同様にしてバインダー処理したポリエステルジャージを得た。また、繊維材料に対する顔料とバインダー樹脂の付着量の比が0.5であった。更にJIS L0849 IIに準拠して摩擦に対する染色堅牢性試験を行ったところ、乾式試験の等級が3級、湿式試験の等級が2.5級であった。尚、絞り率50%で繊維に付着したバインダー処理液は500gであり、残りのバインダー処理液9500g(95%)、即ち、樹脂純分の95%が廃棄されたことになる。
工業資材であるナイロンマット(玄関マット)を用い、8%owfの染浴を用い、アニオン系のアクリル系樹脂エマルジョン(EMACOL CT BINDER H901、山陽色素株式会社製)10%owfを用いた以外は実施例19と同様にして本発明のバインダー処理されたナイロンマットを得た。尚、最終的に水浴が透明になった。また、繊維材料に対する顔料とバインダー樹脂の付着量の比が3.1であった。更にJIS L0849 IIに準拠して摩擦に対する染色堅牢性試験を行ったところ、乾式試験の等級が4級、湿式試験の等級が3級であった。
工業資材であるナイロンマット(玄関マット)を用い、8%owfの染浴を用いた以外は、比較例1と同様にしてバインダー処理(絞り率25%)したナイロンマットを得た。また、繊維材料に対する顔料とバインダー樹脂の付着量の比が0.1であった。更にJIS L0849 IIに準拠して摩擦に対する染色堅牢性試験を行ったところ、乾式試験の等級が3級、湿式試験の等級が2級であった。尚、絞り率25%で繊維に付着したバインダー処理液は250gであり、残りのバインダー処理液9750g(97.5%)、即ち、樹脂純分の97.5%が廃棄されたことになる。
綿ニット(綿100%)10gを湯洗い(80℃)と水洗い(常温(約20℃))を行って洗浄処理を行った後、水200mL(浴比1:20)およびカチオン性重合体(アクリル系重合体、CT F1101、山陽色素株式会社製)1.0%owf(0.1g)を投入した試験用小型槽に、前記洗浄処理後の綿ニットを浸漬し、30℃、10分間撹拌した。続けて、カチオン性水分散赤色顔料(EMACOL CT RED 4318N、顔料分20重量%、山陽色素株式会社製)5%owf(0.5g)を添加して染浴(浴比1:20)とし、30℃で10分、40℃で10分、50℃で10分、順次温度を上げて染色処理を行った。染色処理が終了した時点で、染色液が透明になり、前記の重合体および顔料が綿ニットに吸尽されたことを確認した。その後、染浴を排出して2回水洗した(水洗に使用した水は排水した)。
次に、水200mL(浴比1:20)および添加するバインダー樹脂に対して3重量%になるようにギ酸(丸善薬品産業株式会製、1%ギ酸水溶液に調整して使用した。)を投入した試験用小型槽に、前記染色処理後の綿ニットを浸漬し、40℃で5分撹拌した。
アニオン系のアクリル系樹脂エマルジョン(EMACOL CT BINDER H901、樹脂分50重量%、山陽色素株式会社製)3%owf(0.3g)を水で10倍に希釈した希釈液に、機能剤として蓄光顔料(ルミノーバ BGL−300、根本特殊化学株式会社製)1%owf(0.1g)を添加して撹拌し、蓄光顔料を希釈液に分散させて、機能剤含有希釈液を予め調製しておき、当該機能剤含有希釈液を、綿ニットを浸漬し、撹拌処理後の試験用小型槽に添加し、40℃で15分間ゆっくり攪拌(攪拌速度10rpm)した。上記過程で水浴は前記エマルジョンおよび蓄光顔料の添加により懸濁し、その後徐々に懸濁物が綿ニットに吸着され、最終的に水浴が透明になったことを目視により確認した。尚、バインダー処理中水温は40℃に維持した。その後、水浴を排水して、1回水洗し、脱水した後、90〜110℃、で乾燥して、本発明のバインダー処理された、蓄光顔料を含む綿ニットを得た。
更に、バインダー処理に供した水浴のCODおよびBODをJIS K 0102に準拠して測定したところ、COD値が3.6mg/L、BOD値が29mg/Lであった。尚、本例では上述のように水浴は透明であり、COD値が極めて低いことから、樹脂純分の廃棄量は略0であることが分かる。
また更に、添加した蓄光顔料は全量綿ニットに吸尽されており、無駄のない綿ニットへの蓄光機能付与が期待できる。
蓄光剤に替えて、抗菌剤(ノバロン AG−300、東亜合成株式会社製)を用いたことを除き実施例22と同様にして、本発明のバインダー処理された綿ニットを得た。
バインダー処理において最終的に水浴が透明になり、当該バインダー処理に供した水浴のCODおよびBODをJIS K 0102に準拠して測定したところ、COD値が6.6mg/L、BOD値が32mg/Lであった。また、繊維材料に対する顔料とバインダー樹脂の付着量の比は1.5であった。更にJIS L0849 IIに準拠して摩擦に対する染色堅牢性試験を行ったところ、乾式試験の等級が3.5級、湿式試験の等級が2.5級であった。
また更に、添加した抗菌剤は全量綿ニットに吸尽されており、無駄のない綿ニットへの抗菌機能付与が期待できる。
蓄光剤に替えて、紫外線遮蔽剤として酸化チタン(TiO2 R550、石原産業株式会社製)を用いたことを除き実施例22と同様にして、本発明のバインダー処理された綿ニットを得た。
バインダー処理において最終的に水浴が透明になり、当該バインダー処理に供した水浴のCODおよびBODをJIS K 0102に準拠して測定したところ、COD値が6.5mg/L、BOD値が31mg/Lであった。また、繊維材料に対する顔料とバインダー樹脂の付着量の比は1.5であった。更にJIS L0849 IIに準拠して摩擦に対する染色堅牢性試験を行ったところ、乾式試験の等級が3.5級、湿式試験の等級が2.5級であった。
また更に、添加した酸化チタンは全量綿ニットに吸尽されており、無駄のない綿ニットへの紫外線遮蔽機能付与が期待できる。
Claims (7)
- バインダー樹脂吸着補助剤存在下でバインダー樹脂エマルジョンにより顔料染色処理後の繊維材料をバインダー処理する工程を含む染色繊維材料の製造方法。
- 前記バインダー処理の前及び/又は前記処理中にバインダー樹脂吸着補助剤を添加する工程を含む請求項1記載の染色繊維材料の製造方法。
- 前記バインダー処理がバインダー樹脂吸着補助剤を添加した液槽に顔料染色処理後の繊維材料を浸漬し、次いでバインダー樹脂エマルジョンを添加し、攪拌する工程を含む請求項1または2記載の染色繊維材料の製造方法。
- 前記バインダー樹脂吸着補助剤が、有機酸、有機酸塩、無機酸、無機塩から選択される1種または2種以上である請求項1〜3のいずれかに記載の染色繊維材料の製造方法。
- 前記バインダー樹脂吸着補助剤が、無機系化合物及び/又は有機系高分子化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の染色繊維材料の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により得られた染色繊維材料であって、繊維材料に対する顔料とバインダー樹脂の付着量の比((バインダー樹脂の付着量)/(顔料の付着量))が0.5以上25以下(純分換算)である染色繊維材料。
- 機能剤を含む請求項6記載の染色繊維材料。
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