JPH10259579A - 繊維材料の染色加工法 - Google Patents

繊維材料の染色加工法

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JPH10259579A
JPH10259579A JP9082390A JP8239097A JPH10259579A JP H10259579 A JPH10259579 A JP H10259579A JP 9082390 A JP9082390 A JP 9082390A JP 8239097 A JP8239097 A JP 8239097A JP H10259579 A JPH10259579 A JP H10259579A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 顔料による染色と合成樹脂エマルジョンによ
る摩擦堅牢度を同時付与した繊維染色法であって、顔料
固着用のバインダーにより繊維の風合を損なわず、顔料
が脱落せず、堅牢性に優れる。 【解決手段】 繊維をカチオン化剤で予め処理し、次に
合成樹脂エマルジョン、顔料、曇点25〜58℃のノニオン
界面活性剤を含むさらに無機塩を含んでもよい水浴中に
浸漬し、浴をノニオン系界面活性剤の曇点以上に昇温
し、繊維上に樹脂と顔料を吸着させる。カチオン化剤に
は第4級アンモニウム塩系カチオン性ポリマーを、合成
樹脂エマルジョンにはアクリル系エマルジョン、エチレ
ンビニルアルコール系エマルジョン、ウレタン系エマル
ジョン又はスチレン−ブタジエン系合成ラテックスを、
ノニオン系界面活性剤にはプロピレングリコールとエチ
レンオキサイドを付加重合させたブロックポリマーを、
無機塩には硫酸ナトリウムを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顔料による染色と
合成樹脂エマルジョンによる摩擦堅牢度を同時に付与せ
しめた繊維材料の染色加工法に関する。
【0002】
【従来の技術】顔料は太陽光や薬品に対する堅牢性に優
れているため各種繊維材料の染色に使用されている。繊
維を連続的に染色する方法として、顔料の水性分散液中
に繊維を浸漬し、余分な溶液を搾り取るパディング法が
よく知られている。このようなパディング法では、有機
顔料の脱落が生じ易く、それを防止するため、顔料固着
用のバインダーが一般に用いられている。
【0003】バインダーは顔料の水性分散液中に直接入
れて用いる場合と、顔料を付着後、バインダー溶液に入
れて処理する方法とがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
バインダー処理を行なうと、いずれの方法によってもバ
インダーの繊維への固着により風合が損なわれるという
問題があった。
【0005】一般に、化学物質の親和性は、親油性や親
水性のレベルが互いに近似すると固着あるいは密着等が
生じ易くなることが知られている。本発明者は、上記の
問題点を解決すべく鋭意研究を進めた結果、特に、顔料
とバインダーは極性が近似していて親和性が強く、繊維
とバインダーのそれよりも遙かに親和力があることに着
目し、水溶液中に曇点が25〜58℃のノニオン界面活性剤
で分散せしめた有機顔料溶液を該ノニオン界面活性剤の
曇点以上に昇温し、ノニオン界面活性剤の働きを止めて
顔料を親油化すると同時にバインダーも同時に親油化せ
しめて、この両者をカチオン化処理した繊維に吸尽し、
上記ノニオン界面活性剤を多量の水で除去後、加熱処理
すると、柔軟で堅牢度の優れた顔料染色布が得られると
いう知見を得て本発明を完成するに至った。
【0006】本発明の目的は、繊維の顔料吸尽染色法に
おいて、顔料の固着に用いたバインダーによって繊維の
風合が損なわれず、かつ、顔料の脱落が生ぜず、堅牢性
に優れ、上述の公知技術に存する欠点を改良した繊維材
料の染色加工法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明によれば、繊維材料をカチオン化剤で予め処
理し、次いで、これを合成樹脂エマルジョン、顔料およ
び曇点が25〜58℃のノニオン界面活性剤を含む水浴中に
浸漬してこの浴を上記ノニオン系界面活性剤の曇点か、
それ以上に昇温し、前記繊維材料上に前記樹脂および顔
料を吸着することを特徴とする。
【0008】さらに、上述の目的を達成するため、本発
明によれば、繊維材料をカチオン化剤で予め処理し、次
いで、これを合成樹脂エマルジョン、顔料、曇点が25〜
58℃のノニオン系界面活性剤および無機塩を含む水浴中
に浸漬してこの浴を上記ノニオン系界面活性剤の曇点
か、それ以上に昇温し、前記繊維材料上に前記樹脂およ
び顔料を吸着することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に詳述す
る。
【0010】本発明による染色加工法は、全ての天然ま
たは合成繊維、例えば、綿、ウール、シルク、ポリエス
テル、ポリアミドまたはビスコースあるいはこれらの繊
維の混合繊維に適用される。繊維材料は、加工の種々の
段階、例えば、繊維、フィラメント、糸、スラブ、綿
布、メリヤスまたはニットウエアであることができる。
好ましくは、本発明による方法は、綿布や綿布による既
成の衣類を染色するのに好適である。
【0011】本発明の染色加工法を実施するには、ま
ず、繊維材料を予めカチオン化剤で処理する。カチオン
化剤としては、例えば、下記するものを例示することが
できる。
【0012】ジデシルジメチルアンモニウムクロライ
ド、トリメチルオクタデシルアンモニウムクロライド、
トリメチルラウリルアンモニウムクロライド、ジメチル
ラウリルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムク
ロライド等の第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性
剤、ラウリルピリジニウムクロライド、ステアリルアミ
ドメチルピリジニウムクロライド等のピリジニウム塩型
カチオン界面活性剤、2、3−エポキシプロピルトリメ
チルアンモニウムクロライド、3−クロオ−2−ヒドロ
キシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、2−
メタクリロイルオキシエチルジエチルベンジルアンモニ
ウムクロライドの単独重合物からなるカチオン性ポリマ
ー、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドを単独重
合したカチオン性ポリマー、2−メタクリロイルオキシ
エチルジエチルベンジルアンモニウムクロライド/アク
リルアミド/ジメチルアミノエチルアクリレート(1:
1:1)の共重合体からなるカチオン性ポリマー、N−
メチル−N−ベンジルアリルアミン塩/N−メチル−ヒ
ドロキシエチルアミノプロピルアクリルアミド(1:0.
3)の共重合体からなるカチオン性ポリマー、カチオン
性ポリマー(商品名:サンフィックスPAC−7 三洋
化成工業社製品)、カチオン性ポリマー(商品名:エラ
ストロンM−1069 第一工業製薬社製品)、カチオ
ン性ポリマー(商品名:アミゲンNF 第一工業製薬社
製品)等が例示される。
【0013】上記のカチオン化剤で繊維材料を前処理す
る場合、繊維の重量に基づいて2〜7重量%のカチオン
化剤が使用される。そして、処理浴の温度10〜90℃、3
〜40分間、好ましくは60〜80℃、5〜20分間で処理が行
われる。この処理の後、繊維材料を冷水で濯ぎ、遠心脱
水する。
【0014】前処理された繊維材料を染色加工するに
は、次の(I)または(II)の方法によってなされ
る。
【0015】(I)合成樹脂エマルジョン、顔料および
曇点が25〜58℃のノニオン界面活性剤を含む水浴中に入
れ、浴を上記ノニオン系界面活性剤の曇点か、それ以上
に昇温して繊維材料上に樹脂および顔料を吸着する。
【0016】(II)合成樹脂エマルジョン、顔料、曇
点が25〜58℃のノニオン系界面活性剤および無機塩を含
む水浴中に入れ、浴をノニオン系界面活性剤の曇点か、
それ以上に昇温して繊維材料上に樹脂および顔料を吸着
する。
【0017】上記の合成樹脂エマルジョンとしては、例
えば、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン
ビニルアルコール系樹脂、合成ゴム系等の水性エマルジ
ョンが挙げられる。
【0018】顔料としては、例えば、アゾ系顔料、フタ
ロシアニン系顔料、アンスラキノン系顔料、キナクリド
ン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、ジオキサ
ジン系顔料、キノフタロン系顔料および蛍光顔料等が挙
げられる。
【0019】本発明で使用される曇点が25〜58℃のノニ
オン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン
アルキルエーテルまたはアルキルアリールエーテル、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル、ポリ
オキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンスルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノー
ルアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびエ
チレン/プロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
【0020】さらに、上記ノニオン界面活性剤と併用さ
れる無機塩としては、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カ
ルシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化マ
グネシウム、塩化カリウム等が挙げられる。
【0021】上記の合成樹脂エマルジョンは、浴中、合
成樹脂純分として1〜10g/lの濃度として、好ましく
は、2〜5g/lとして用いられる。顔料は、浴中、0.
5〜10g/l、好ましくは、2〜5g/lとして用いら
れる。ノニオン界面活性剤は、浴中、1〜10g/l、好
ましくは、2〜5g/lとして用いられる。無機塩は、
浴中、1〜10g/l、好ましくは、2〜5g/lとして
用いられる。
【0022】カチオン化処理された繊維材料は、合成樹
脂エマルジョン、顔料、ノニオン界面活性剤および水等
が入ったステンレス容器に入れ、攪拌しながら浴温を徐
々に上げて60℃まで昇温させる。
【0023】すると、顔料と合成樹脂エマルジョンは繊
維材料に次第に吸着され、約10分間の攪拌によって合成
樹脂および顔料は繊維材料にほぼ完全に吸着され、当初
混濁していた浴液は透明度を増し、顔料と合成樹脂は繊
維材料に完全に吸着されたことが確認できる。
【0024】さらにまた、染色浴に無機塩を添加する場
合には、合成樹脂エマルジョン、顔料等とともに水が入
ったステンレス容器に入れ、攪拌しながら浴温を80℃に
昇温して、約10分間攪拌することにより、繊維材料へ合
成樹脂および顔料を完全に吸着させる。次いで、脱水、
水洗、乾燥を行う。
【0025】以下に、本発明の染色加工法を実施例に基
づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0026】実施例 1 処理槽に水2000重量部を投入し、これに綿布100重量部
を浸漬して攪拌下にカチオン化剤(アクリル系ポリマー
の第4級アンモニウム塩) を10重量部を添加し、浴温を
徐々に上げて60℃とする。この状態で10分間攪拌を続け
る。さらにそのままの状態で40分間放置し、カチオン化
を終了する。
【0027】カチオン化が終了したら、綿布を水洗、遠
心脱水する。次いで、別に準備したステンレス容器に水
2000重量部を投入し、上記のカチオン化処理した綿布を
浸漬、この中に有機顔料の水分散液(銅フタロシアニン
ブルー顔料、純分25重量%)10重量部、アクリル樹脂エ
マルジョン(純分45重量%)10重量部および曇点30℃の
ノニオン系界面活性剤(エチレン/プロピレンブロック
コポリマー分子量1750)2重量部を添加し、浴温を60℃
として10分間攪拌を行う。
【0028】浴液は、当初青色の濁った状態を呈してい
るが、銅フタロシアニンブルー顔料とアクリル樹脂が綿
布に吸尽されるにしたがって透明度を増し、銅フタロシ
アニンブルー顔料およびアクリル樹脂が綿布に完全に吸
着されて透明となった。
【0029】20分後、水洗、遠心脱水、乾燥(80℃で30
分) を行い、均一に染色された綿布を得た。得られた染
色布の摩擦堅牢度試験結果を表1に示した。
【0030】実施例 2 処理槽に水2000重量部を投入し、これに綿布100重量部
を浸漬して攪拌下にカチオン化剤(商品名:エフエクタ
ーDS−1 大日精化工業社製品、第4級アンモニウム
塩系カチオン系ポリマー)10重量部を添加し、浴温を徐
々に上げて60℃とする。この状態で10分間攪拌を続け
る。さらにそのままの状態で40分間放置し、カチオン化
を終了する。
【0031】カチオン化が終了したら、綿布を水洗、遠
心脱水する。次いで、別に準備したステンレス容器に水
2000重量部を投入し、上記のカチオン化処理した綿布を
浸漬、この中に有機顔料の水分散液(商品名:TCレッ
ドFG 大日精化工業社製品、純分25重量%)10重量
部、ウレタン樹脂エマルジョン(商品名:スパーフレッ
クスF8620 第一工業製薬社製品、純分45重量%)
10重量部および曇点40℃のノニオン系界面活性剤(オク
チルフエニル/プロピレンブロックコポリマー)2重量
部を添加し、浴温を60℃として10分間攪拌を行う。
【0032】浴液は、当初赤色の濁った状態を呈してい
るが、顔料とウレタン樹脂が綿布に吸尽されるにしたが
って透明度を増し、顔料およびウレタン樹脂が綿布に完
全に吸着されて透明となった。
【0033】20分後、水洗、遠心脱水、乾燥(80℃で30
分) を行い、均一に染色された綿布を得た。得られた染
色布の摩擦堅牢度試験結果を表1に示した。
【0034】実施例 3 処理槽に水2000重量部を投入し、これに綿レーヨン100
重量部を浸漬して攪拌下にカチオン化剤(アクリル系ポ
リマーの第4級アンモニウム塩)10重量部を添加し、浴
温を徐々に上げて60℃とする。この状態で10分間攪拌を
続ける。さらにそのままの状態で40分間放置し、カチオ
ン化を終了する。
【0035】カチオン化が終了したら、綿布を水洗、遠
心脱水する。次いで、別に準備したステンレス容器に水
2000重量部を投入し、上記のカチオン化処理した綿布を
浸漬、この中に顔料の水分散液(商品名:TCイエロー
FR 大日精化工業社製品、純分25重量%)10重量部、
合成ゴムラテックス(商品名:クロスレン2M−33A
武田薬品工業社製品、純分48重量%)10重量部および
曇点30℃のノニオン系界面活性剤(エチレン/プロピレ
ンブロックコポリマー分子量1750)2重量部を添加し、
浴温を60℃として10分間攪拌を行う。
【0036】浴液は、当初黄色の濁った状態を呈してい
るが、顔料と合成ゴムが綿レーヨンに吸尽されるにした
がって透明度を増し、顔料および合成ゴムが綿レーヨン
に完全に吸着されて透明となった。
【0037】20分後、水洗、遠心脱水、乾燥(80℃で30
分) を行い、均一に染色された綿レーヨンを得た。得ら
れた染色布の摩擦堅牢度試験結果を表1に示した。
【0038】実施例 4 処理槽に水2000重量部を投入し、これに綿布100重量部
を浸漬して攪拌下にカチオン化剤(アクリル系ポリマー
の第4級アンモニウム塩)10重量部を添加し、浴温を徐
々に上げて60℃とする。この状態で10分間攪拌を続け
る。さらにそのままの状態で40分間放置し、カチオン化
を終了する。
【0039】カチオン化が終了したら、綿布を水洗、遠
心脱水する。次いで、別に準備したステンレス容器に水
2000重量部を投入し、上記のカチオン化処理した綿布を
浸漬、この中に顔料の水分散液(銅フタロシアニンブル
ー顔料、純分25重量%)10重量部、エチレン−酢酸ビニ
ル樹脂エマルジョン(純分55重量%)10重量部、曇点33
℃のノニオン系界面活性剤(ホリオキシエチレンエチレ
ポリオキシプロピレンエーテルHLB12.1)10重量部
および硫酸ソーダ10重量部を添加し、浴温を60℃として
10分間攪拌を行う。
【0040】浴液は、当初青色の濁った状態を呈してい
るが、顔料とエチレン−酢酸ビニル樹脂が綿布に吸尽さ
れるにしたがって透明度を増し、顔料およびエチレン−
酢酸ビニル樹脂が綿布に完全に吸着されて透明となっ
た。
【0041】20分後、水洗、遠心脱水、乾燥(80℃で30
分)を行い、均一に染色された綿布を得た。得られた染
色布の摩擦堅牢度試験結果を表1に示した。
【0042】実施例 5 処理槽に水2000重量部を投入し、これに綿レーヨン100
重量部を浸漬して攪拌下にカチオン化剤(商品名:エラ
ストロンM−1069 第一工業製薬社製品)10重量部
を添加し、浴温を徐々に上げて60℃とする。この状態で
10分間攪拌を続ける。さらにそのままの状態で40分間放
置し、カチオン化を終了する。
【0043】カチオン化が終了したら、綿布を水洗、遠
心脱水する。次いで、別に準備したステンレス容器に水
2000重量部を投入し、上記のカチオン化処理した綿レー
ヨンを浸漬、この中に顔料の水分散液(商品名:TCイ
エローFR 大日精化工業社製品、純分25重量%)10重
量部、アクリル樹脂エマルジョン(純分45重量%)10重
量部、曇点30℃のノニオン系界面活性剤(エチレン/プ
ロピレンブロックコポリマー分子量1750)2重量部およ
び硫酸ソーダ2重量部を添加し、浴温を60℃として10分
間攪拌を行う。
【0044】浴液は、当初黄色の濁った状態を呈してい
るが、顔料とアクリル樹脂が綿レーヨンに吸尽されるに
したがって透明度を増し、顔料およびアクリル樹脂が綿
レーヨンに完全に吸着されて透明となった。
【0045】20分後、水洗、遠心脱水、乾燥(80℃で30
分) を行い、均一に染色された綿レーヨンを得た。得ら
れた染色布の摩擦堅牢度試験結果を表1に示した。
【0046】比較例 1 実施例1で使用したのと同じ綿布を精錬し、次いで、こ
の綿布を水2000重量部、顔料の水分散液(銅フタロシア
ニンブルー顔料、純分25重量%)20重量部、アクリル樹
脂エマルジョン(純分45重量%) 100重量部からなるパ
デイング液に浸漬し、20分経過後、ゴムロールで染色液
を搾り取り、乾燥、熱処理を行い、染色布を得た。得ら
れた染色布の摩擦堅牢度試験結果を表1に示した。
【0047】比較例 2 実施例と同様にカチオン化処理を行った綿布を、別に準
備した5重量%顔料の分散液(商品名:TCレッドFG
大日精化工業社製品)に浸漬して、70℃15分間攪拌を
行う。その後、5重量%のアクリル樹脂エマルジョン溶
液(商品名:バインダー826 大日精化工業社製品)
に浸漬し、綿布をゴムロールで絞り、130℃で5分間乾
燥する。得られた染色布の摩擦堅牢度試験結果を表1に
示した。
【0048】比較例 3 実施例2と同様にしてカチオン化処理を行った綿レーヨ
ンを、5重量%顔料の分散液(商品名:TCレッドFG
大日精化工業社製品)に浸漬して、70℃15分間攪拌を
行う。その後、7重量%の合成ゴムラテックス溶液(商
品名:クロスレン2M−33A 武田薬品工業社製品)
に浸漬し、綿レーヨンをゴムロールで絞り、130℃で5
分間乾燥する。得られた染色布の摩擦堅牢度試験結果を
表1に示した。
【0049】〔摩擦堅牢度試験〕各実施例、比較例で得
られた染色布について、学振型摩擦試験機を使用し、J
IS L−0849により行った。評価は、汚染グレー
スケール5段階表示による。
【0050】〔風合〕クラーク ソフトネステスターに
より、JIS L−1004 C法により行った。評価
は、測定値(mm) の値が小さい方がソフトである。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明の染色加工法によると、顔料およ
びバインダーが繊維材料に均一に、しかも強固に固着さ
れる。そのため、柔軟性に富み、摩擦堅牢性に優れた染
色繊維が得られる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維材料をカチオン化剤で予め処理し、
    次いで、これを合成樹脂エマルジョン、顔料および曇点
    が25〜58℃のノニオン界面活性剤を含む水浴中に浸漬し
    てこの浴をノニオン系界面活性剤の曇点まで昇温し、前
    記繊維材料上に前記樹脂および顔料を吸着することを特
    徴とする繊維材料の染色加工法。
  2. 【請求項2】 繊維材料をカチオン化剤で予め処理し、
    次いで、これを合成樹脂エマルジョン、顔料、曇点が25
    〜58℃のノニオン系界面活性剤および無機塩を含む水浴
    中に浸漬してこの浴をノニオン系界面活性剤の曇点まで
    昇温し、前記繊維材料上に前記樹脂および顔料を吸着す
    ることを特徴とする繊維材料の染色加工法。
  3. 【請求項3】 カチオン化剤が第4級アンモニウム塩系
    カチオン性ポリマーである請求項1または2のいずれか
    に記載の繊維材料の染色加工法。
  4. 【請求項4】 合成樹脂エマルジョンがアクリル系エマ
    ルジョン、エチレンビニルアルコール系エマルジョン、
    ウレタン系エマルジョンおよびスチレン−ブタジエン系
    合成ラテックスの群から選択される請求項1または2の
    いずれかに記載の繊維材料の染色加工法。
  5. 【請求項5】 ノニオン系界面活性剤がプロピレングリ
    コールにエチレンオキサイドを付加重合させたブロック
    ポリマーである請求項1または2のいずれかに記載の繊
    維材料の染色加工法。
  6. 【請求項6】 無機塩が硫酸ナトリウムである請求項2
    記載の繊維材料の染色加工法。
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