JPH10310718A - カチオン性水性顔料分散組成物および染浴並びに染色方法 - Google Patents
カチオン性水性顔料分散組成物および染浴並びに染色方法Info
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Abstract
うことができ、カチオン化のための工程及び設備が不要
で、染色設備の汚染が殆どなく、染色廃液に着色のない
顔料分散組成物を提供する。 【解決手段】 カチオン性重合体としてポリウレタン系
カチオン性プレポリマー22重量部、以下同じ)、水4
0部、防腐剤0.4部、消泡剤0.2部、及び顔料とし
てC.I.Pigment Blue 15の30部を攪拌機付の予備分散
機で60分間攪拌分散して予備分散を施したスラリーを
1m/mガラスビーズを用いたサンドミル中に移し、10
00rpmにて60分間分散させ、トータル200部となる
ように水を添加し、カチオン性水性顔料分散組成物を得
た。この顔料分散組成物を用いて染浴を調製し、縫製さ
れたコットンジーンズを染色した。得られた染色物は、
染色濃度が高く、ムラ染め部分もなかった。また、設備
汚染の認められず、染色廃液の着色も認められなかっ
た。
Description
料の染色に関するものであり、更に詳細には、既縫製、
未縫製に関わらず希望する染色濃度で均一に染色材料を
染色でき、しかも染色装置を汚染することがなく、かつ
染色廃液の着色のない顔料分散組成物、これを用いた染
浴、並びにこの染浴を用いた繊維材料の染色方法に関す
るものである。
れた日光堅牢性、ドライクリーニング性を付しているた
め有用である。しかし、顔料自身が染着性に乏しいた
め、適当なバインダーを用いることにより繊維と結合さ
せることが必要である。その方法として、捺染法、パデ
ィング染色法等が公知である。また、繊維材料をカチオ
ン性助剤で予備処理し、次いでこれを吸尽法により染色
する方法が、特開平2−221470号公報、特開平6
−136672号公報で提案されている。
既縫製の衣服類には適用することができないという欠点
を有している。また、繊維材料をカチオン性助剤で予備
処理する方法は、繊維材料のカチオン化度を均一化する
ことが難しく、そのためにムラ染や染色設備の汚染が発
生したり、染色廃液が着色するという欠点を有してい
る。更に、予備工程を別途に設けて繊維材料のカチオン
化を行う必要があるばかりではなく、カチオン化処理、
吸尽染色及びバインダー処理を別々の設備で行わなけれ
ばならないという煩雑さを有している。
染、パディング染色、カチオン性助剤による予備処理後
の吸尽染色等の染色方法に於ける前述の不都合を解決す
るものであり、本発明の目的は、未縫製、既縫製に関わ
りなく均一な染色を行うことができ、カチオン化のため
の工程及び設備が不要で、しかも、染色設備の汚染がな
く、かつ染色廃液の着色がない顔料分散組成物、これを
用いた染浴、並びにこの染浴を用いた繊維材料の染色方
法を提供するものである。
決するために鋭意研究を重ねた結果、カチオン性重合体
で処理した顔料を含有するカチオン性水性顔料分散組成
物を含有する染浴を用いれば、繊維材料を直接浸漬する
だけで上記目的が達成できることを見出したものであ
る。
た顔料を含有するカチオン性水性顔料分散組成物を、希
望する染色濃度となるように任意に水と混合希釈して染
浴を調製し、あるいは必要によりカチオン性重合体及び
/又はカチオン性化合物を添加した染浴を調製し、これ
に繊維材料を浸漬し、染色終了後に染液を除去し、繊維
材料を取り出すことなく同じ装置内で水洗し、更に必要
な場合にはバインダー処理を行うことによって、繊維材
料が既縫製、未縫製に関係なく希望する染色濃度で均一
に染色できることを見出したものである。即ち、本発明
の分散組成物を含有する染浴を用いれば、従来の方法に
よるカチオン化のように、工程でのカチオン化処理剤に
よるカチオン化を行うことなく染色できる。しかも染色
装置の汚染と染色廃液の着色がない。
上述のように一つの染色装置で全ての染色工程をおこな
うことができるが、作業性等を考慮して工程ごとに別々
の装置を用いてもなんら問題はない。
料分散組成物は、全ての天然繊維及び合成繊維の染色に
適用可能であり、例えば綿、ウール、シルク、ポリエス
テル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリアクリル、レ
ーヨン、ポリノジックレーヨン、テンセル及び種々の繊
維が混紡若しくは交織されたものに適用できる。また、
本発明の染色方法は、織布、メリヤスまたはニットウェ
アーの他、種々の繊維材料の染色に適用できる。本発明
の顔料分散組成物の染色の対象は特に限定されるもので
はないが、綿及び混紡品のジーンズ、またはカジュアル
ウェアー用品で、既に縫製された衣類を染色するのに好
適に使用され得る。
は、顔料およびカチオン性水性重合体を水系で混合した
後、公知の顔料分散機、例えば高圧ホモジナイザー、ビ
ーズミル型分散機、アトライター、ボールミル、高速攪
拌分散機などにより、分散処理することによって調製さ
れる。顔料とカチオン性重合体の比率は、使用する両者
の性質により異なるが、概ね100:5〜100:30
0が好ましい。
る顔料としては、公知の有機顔料、無機顔料、蛍光増白
顔料、蛍光顔料を挙げることができる。例えば、有機顔
料としてアゾ系顔料、染付レーキ系顔料、フタロシアニ
ン顔料、縮合多環顔料(アントラキノン系など)、キナ
クリドン顔料、ジオキサジン顔料、ペリノン顔料、ジケ
トピロロピロール顔料およびイソインドリノン顔料など
があげられ、無機顔料としては弁柄、酸化チタン、黄色
酸化鉄、カーボンブラック、沈降性バリウムなどが挙げ
られる。
チレン誘導体があげられ、蛍光顔料としてはベンゾグア
ナミンホルムアルデヒド樹脂に塩基性染料、油性染料、
有機顔料を含有させたものがあげられる。
用されるカチオン性重合体として、分子中に第3級アミ
ノ基または第4級アンモニウム基または両者を含有して
いる公知のポリマー又はプレポリマーを用いることがで
きる。
チオン性水性顔料分散組成物の調製に使用してもよく、
また、この分散組成物を希釈した染浴中に別途添加する
のに使用してもよい。また、カチオン性水性顔料分散組
成物に使用するカチオン性重合体と、これとは別に染浴
に添加するカチオン性重合体とは同じでもよく、また互
いに異なったものであってもよい。
物を添加してもよい。染浴に添加するカチオン性化合物
は、カチオン化剤として一般に使用されているものでも
よい。
アミノ基含有重合体としては、以下のものが例示でき
る。即ち、(a)アルキルアミノアルキル(メタ)アク
リルアミドの重合体、例えば、ジメチル又はジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリルアミド,ジメチル又はジエ
チルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどの重合
体、(b)ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレ
ートの重合体、例えば、ジメチルまたはジエチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート,ジメチルまたはジエチル
アミノプロピル(メタ)アクリレートなどの重合体、
(c)アクリルアミド・スチレン共重合体、(d)第3
級アミノ基含有ウレタン系重合体等である。
アンモニウム基含有重合体としては、次のものが例示で
きる。即ち、(a)(メタ)アクリロイロキシアルキル
トリアルキルアンモニウム塩の重合体、例えば、2−
(メタ)アクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、3−(メタ)アクリロイロキシ−2−ヒ
ドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドの
重合体など、(b)(メタ)アクリルアミドアルキルト
リアルキルアンモニウム塩の重合体、例えば、(3−
(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、3−(メタ)アクリロイルアミノ−2−
ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド
などの重合体、(c)2−(メタ)アクリロイロキシア
ルキルベンジルアンモニウム塩の重合体、例えば、2−
(メタ)アクリロイロキシエチルベンジルアンモニウム
クロライド,2−(メタ)アクリロイロキシエチルジメ
チルベンジルアンモニウムクロライドの重合体,前2者
の単量体とアクリルアミド,ジメチルアミノエチルアク
リレートなどの共重合体、(d)アクリルアミドプロピ
ルジメチルベンジルクロライドとN,N−ジメチルアク
リルアミド及びN−メチル−N−ベンジルアリルアミン
塩とN−メチル−N−ヒドロキシエチルアミノプロピル
アクリルアミドとの共重合体など、(e)その他、例え
ば、ジメチルまたはジエチルジアリルアンモニウムクロ
ライド,β−ビニルオキシエチルトリアルキルアンモニ
ウム塩、ビニルベンジルアンモニウム塩などの重合体等
である。
ンモニウム基含有化合物、例えば、ヘキサメチレン−ビ
ス(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル−ジメチルア
ンモニウムクロライド)、トリメチレン−ビス(3−ク
ロロ−2−ヒドロキシプロピル−ジメチルアンモニウム
クロライド)、ヘキサメチレン−ビス(2,3−エポキ
シプロピル−ジメチルアンモニウムクロライド)、トリ
メチレン−ビス(2,3−エポキシプロピル−ジメチル
アンモニウムクロライド)、3−クロロ−2−ヒドロキ
シプロピル−トリメチルアンモニウムクロライド、2,
3−エポキシプロピル−トリメチルアンモニウムクロラ
イド等のカチオン化剤を使用できる。
性水性顔料分散組成物の調製により好ましいのは、ポリ
ジアルキルアミノ(メタ)アクリレート,ポリジメチル
ジアリルアンモニウムクロライド,第3級アミノ基含有
ウレタン系重合体である。
成物の染浴中に別に添加するカチオン性重合体及びカチ
オン性化合物としてより好ましいのは、上記で例示した
(c)(d)(e)(f)の化合物である。
開平5−331780号公報で提案しているように、こ
れらのカチオン性重合体にアニオン活性剤を添加してポ
リソルトとしてもよい。その場合のアニオン活性剤は、
カチオン性重合体を構成するカチオン性単量体の5〜7
0モル%に相当する量で使用することが好ましい。この
場合に併用するアニオン性活性剤としては、アルキルベ
ンゼンスルフォン酸塩,アルキルナフタレンスルフォン
酸塩,アルキルスルフォコハク酸塩,アルキルジフェニ
ルエーテルジスルフォン酸塩,ナフタレンスルフォン酸
塩ホルマリン縮合物,アルキルナフタレンスルフォン酸
ホルマリン縮合物,芳香族スルフオン酸ホルマリン縮合
物,リグニンスルフォン酸塩などがある。これらの中で
好ましいのは、芳香族スルフォン酸及びナフタレンスル
フォン酸のホルマリン縮合物である。
カチオン性水性顔料分散組成物、水、必要に応じてカチ
オン性重合体、カチオン性化合物等を添加した染浴中に
浸漬され、染色される。
くは1:20)となるように水、カチオン性水性顔料分
散組成物及び必要に応じてカチオン性重合体、カチオン
性化合物等を更に追加して調製される。
物の添加率は、所望する染色濃度に合わせて適宜選択す
ればよい。必要に応じて染浴に更に添加するカチオン性
水性重合体及び/又はカチオン性化合物は、カチオン性
水性顔料分散組成物に対し、1〜100重量%、好まし
くは1〜20重量%が選ばれる。
た繊維材料を浸漬することにより行われる。染色条件は
特に限定されないが、35〜70℃で10〜30分間保
持するのが好ましい。
ることにより、均一で期待どうりの色調、濃度の染色物
が得られる。
は、上記染浴に直接染料、酸性染料、又は反応性染料を
加えて、顔料による染色と同時に上記染料による染色を
同時に行うことができる。この場合に於いても、上述と
同様の方法で繊維材料を処理すればよいが、公知の均染
剤、ボウ硝などの無機塩を併用するのが好ましい。
色では、好ましい染色強度を得るために、バインダー処
理を行うことが好ましい。このバインダー処理には、ポ
リウレタン、ポリエステル、ポリアクリル酸エステルな
ど公知のバインダーが用いられる。
5〜30重量%(好ましくは1〜10重量%)のバイン
ダーの添加量で、浴比を1:5〜1:50(好ましくは
1:20から1:30)のバインダー処理液を使用す
る。染色後水洗、脱水した繊維材料を180℃で5〜3
0分乾燥させ、キュアリングする。
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
性活性剤類は各種工業用として市販され、そして本発明
の方法におけるカチオン性水性顔料分散組成物の調製に
使用でき、またカチオン性重合体又はカチオン性化合物
は本発明における染浴に添加する添加剤として使用でき
る。
成物の調製(1)) ポリウレタン系カチオン性プレポリマー(市販品:BY
K社製、Disperbyk-182又はDisperbyk-185)22部(重
量部、以下同じ)、水40部、防腐剤0.4部、消泡剤
0.2部、及びC.I.Pigment Blue 15 の30部を攪拌機
付の予備分散機で60分間攪拌分散して予備分散を施し
たスラリーを1m/mガラスビーズを用いたサンドミル
中に移し、1000rpmにて60分間分散させ、トータル2
00部となるように水を添加し、C.I.Pigment Blue 15
のカチオン性水性顔料分散組成物を得た。
成物の調製(2)) ポリジメチルジアリルアンモニウムクロライド(市販
品:Merck社製、Merquat100)104部、水820部を
十分混合し、その中にアルキルベンゼンスルフオン酸ソ
ーダ16部を水36部に溶解した溶液を添加して十分に
混合する。次に、C.I.Pigment Green 7の200部を添
加して60分間予備分散し、1m/mガラスビーズを仕
込んだサンドミル中に移して1000rpmで60分間分散
後、水200部を追加希釈して1370部の C.I.Pigme
nt Green 7 のカチオン性水性顔料分散組成物を得た。
ent Blue 15のカチオン性水性顔料分散組成物を用い、
浴比1:20、繊維に対してカチオン性水性顔料分散組
成物を1重量%添加した染浴を調製し、本実施例の染浴
を得た。
た。まず、縫製されたコットンジーンズをワッシャー染
色機中で、50℃の温水により浴比1:20で10分間
湿潤処理を行い、遠心脱水した。同じ染色機中で、本実
施例の染浴を40℃で添加し、10分間で60℃に昇温させ
た後、同温度で20分間染色した。染液を流出させた
後、同じ染色機で水洗、脱水後、浴比1:20となるよ
うに水を入れ、アクリル系バインダーをコットンジーン
ズに対して3重量%添加し、バインダー処理を40℃で
5分間行った。これを脱水後、100〜110℃のタンブラー
乾燥を行うことにより、濃厚均一に染色されたコットン
ジーンズが得られた。この染色されたコットンジーンズ
に公知のバイオ処理、柔軟処理(ストーンウォッシング
等)を施すことにより、青色のコットンジーンズが得ら
れた。また、染色処理後のワッシャー染色機は青色に汚
染されることはなく、染色廃液は無色透明であった。
ent Blue 15 のカチオン性水性顔料分散組成物を添加後
さらにカチオン性重合体として、2−(メタ)アクリロ
イロキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライ
ドの重合体をコットンジーンズに対して1重量%となる
ように追加し、本実施例の染浴を得た。
ンジーンズの染色を行った結果、更に濃青色のコットン
ジーンズが得られた。この場合もワッシャー染色機の汚
染はなく、染色廃液は無色透明であった。
nt Blue 15に代えて、C.I.Pigment white 6(酸化チタ
ン)を用いることにより、本実施例のカチオン性顔料分
散組成物を得、これを用いて実施例4と同様にして本実
施例の染浴を得た。
より、縫製されたポリノジックレーヨンとポリエステル
混紡のカジュアルパンツの染色を行った。その結果、均
一に染色されたカジュアルパンツは、透け防止に優れた
効果を示した。また、この場合も染色機の汚染はなく、
染色廃液は無色透明であった。
ent Green 7 のカチオン性水性顔料分散組成物を用い、
実施例3と同様にして染浴を調製した。
より、縫製された綿ニットウェアーの染色を行った。そ
の結果、均一で緑色に染色された綿ニットウェアーが得
られた。また、この場合も染色機の汚染はなく、染色廃
液は無色透明であった。
t Green 7のカチオン性水性顔料分散組成物を添加後、
更にカチオン性重合体としてアクリルアミドプロピルジ
メチルベンジルクロライドとN,N−ジメチルアミドの
共重合体とを、綿ニットウェアーに対して1重量%とな
るように追加することにより、本実施例の染浴を調製し
た。
より、縫製された綿ニットウェアーの染色を行った。そ
の結果、濃緑色の綿ニツトウェアーが得られた。また、
この場合も染色機の汚染はなく、染色廃液は無色透明で
あった。
料分散組成物と、直接染料であるKayarus Supra Blue 4
BL Conc (日本化薬(株)製)とを用いて表1に示す本実施
例の染浴を調製した。この染浴を用いて綿ニツトシルケ
ット加工布を表1の条件で染色し、バインダー処理し
た。
染料だけを使用して得られた染色物に比し、より鮮明で
耐光性も向上していた。
n 7 に代えて C.I.Pigment Red 146 を用いてカチオン
性水性顔料分散組成物を調製し、実施例4と同様にして
本実施例の染料を調製した。
より、分解酵素処理したテンセル((レーヨン)を染色
した。その結果、ムラのない青赤色染色物が得られた。
また、染色設備の汚れも認められなかった。
分散したC.I.Pigment Blue 15、C.I.Pigment Green 7、
C.I.Pigment Red 146、C.I.Pigment white 6 のアニオ
ン性水性顔料分散組成物を用いて染浴を調製し、この染
浴を用いて公知の吸尽染色法で染色を行い比較例の染色
物を得た。各比較例の染色物と実施例3〜実施例9の染
色物とを比較し、その結果を表2に示した。いずれの場
合も本発明のカチオン性水性顔料分散組成物を用いて染
色したものの方が、比較例の染浴を用いて染色したもの
より優れていた。
用いた場合の染色と、従来の吸尽法による染色との差異
を明らかにするための比較を表3に示した。
を繊維材料の染色に用いた場合、被染物が未縫製である
と既縫製であるとに関わりなく均一な染色を行うことが
できる。また、従来の染色に際して行われる吸尽染色に
於いて必要であったカチオン化のための工程が不要とな
り、少ない工程で染色を行うことができる。また、カチ
オン化のための設備が不要となり、染色を行う際に必要
となる設備の低減を図ることができる。更に、染色設備
の汚染が殆どなく、洗浄などの工程を短縮することがで
きる。そして、染色廃液に着色はなく、無色透明であ
り、排水着色の問題はない。
研究を重ねた結果、カチオン性重合体を顔料分散剤とし
て含有するカチオン性水性顔料分散組成物を含有する染
浴を用いれば、繊維材料を直接浸漬するだけで上記目的
が達成できることを見出したものである。
散剤として含有するカチオン性水性顔料分散組成物を、
希望する染色濃度となるように任意に水と混合希釈して
染浴を調製し、あるいは必要によりカチオン性重合体及
び/又はカチオン性化合物を添加した染浴を調製し、こ
れに繊維材料を浸漬し、染色終了後に染液を除去し、繊
維材料を取り出すことなく同じ装置内で水洗し、更に必
要な場合にはバインダー処理を行うことによって、繊維
材料が既縫製、未縫製に関係なく希望する染色濃度で均
一に染色できることを見出したものである。即ち、本発
明の分散組成物を含有する染浴を用いれば、従来の方法
によるカチオン化のように、工程でのカチオン化処理剤
によるカチオン化を行うことなく染色できる。しかも染
色装置の汚染と染色廃液の着色がない。
Claims (8)
- 【請求項1】 カチオン性重合体で処理した顔料を含有
するカチオン性水性顔料分散組成物。 - 【請求項2】 前記カチオン性水性顔料分散組成物は、
カチオン性重合体単独及び/又は前記カチオン性重合体
を構成するカチオン性単量体の5〜70モル%のアニオ
ン性活性剤を更に含有するポリソルトを分散剤として含
有していることを特徴とする請求項1記載のカチオン性
水性顔料分散組成物。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の前記カチオン性水
性顔料分散組成物を水で希釈して得られる染浴。 - 【請求項4】 請求項3記載のカチオン性水性顔料分散
組成物の水希釈液中に、前記カチオン性重合体とは別に
カチオン性重合体及び/又はカチオン性化合物を添加し
て得られる染浴。 - 【請求項5】 請求項3又は4記載の染浴に、直接染料
を更に添加して得られる染浴。 - 【請求項6】 請求項3又は4記載の染浴に、酸性染料
を更に添加して得られる染浴。 - 【請求項7】 請求項3又は4記載の染浴に、反応性染
料を更に添加して得られる染浴。 - 【請求項8】 請求項3乃至7記載の染浴に繊維材料を
浸漬することを特徴とする繊維材料の染色方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12193997A JP4062371B2 (ja) | 1997-05-13 | 1997-05-13 | カチオン性水性顔料分散組成物を用いた吸尽染色法 |
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JP (1) | JP4062371B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1111015A1 (en) * | 1999-12-20 | 2001-06-27 | Eastman Kodak Company | Process for making an ink jet ink |
EP1111016A1 (en) * | 1999-12-20 | 2001-06-27 | Eastman Kodak Company | Ink jet ink |
JP2008002047A (ja) * | 2006-05-22 | 2008-01-10 | Sanyo Shikiso Kk | カチオン性繊維浸漬吸収処理分散組成物並びにこれを用いた繊維浸漬吸収処理浴及び機能繊維 |
CN100432319C (zh) * | 2006-10-18 | 2008-11-12 | 江南大学 | 一种织物涂料染色工艺 |
JP2010255164A (ja) * | 2009-03-31 | 2010-11-11 | Sanyo Shikiso Kk | 染色繊維材料およびその製造方法 |
-
1997
- 1997-05-13 JP JP12193997A patent/JP4062371B2/ja not_active Expired - Fee Related
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