JP2010251498A - 電極端子形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】焼成後において基板上に形成された電極端子の頂部に対して追加の加工を行うことなく、頂面がACFを用いた接合に適した凹形状となる電極端子を安定的に得ること。
【解決手段】印刷工程では、導電体粉末と樹脂成分と溶剤成分とが含まれるペーストを用いて、平面視にて、長手方向と、長手方向に垂直な幅方向を有する形状(長方形)の膜が基板B上に形成される。次いで、熱風乾燥工程では、その膜に、所定時間に亘って所定温度の熱風が所定の風速で与えられる。膜の表面部のみ溶剤成分が蒸発させられて膜に表面皮膜が形成される(図12(a))。次いで、平坦化工程では、膜の温度が樹脂成分の軟化温度以上に維持された状態でローラを用いて膜の頂部が押し潰されて平坦化される(図12(b))。そして、焼成工程では、膜内に存在する樹脂成分及び溶剤成分が焼成により揮発・除去されて、基板B上に電極端子が形成される(図12(c))。
【選択図】 図12

Description

本発明は、基板上に形成される電極端子の形成方法に関する。
従来より、平板状の基板の平面上に電極端子を形成する方法として種々のものが知られていて、例えば、下記特許文献1に記載のものがある。この文献に記載の方法では、電極端子の材料となる導電体の粉末を含む導体ペーストを用いて、平板状の基板の平面上に電極端子の形状に対応する形状を有する膜が印刷により形成される。そして、この膜が焼成されることで焼成体としての電極端子が形成される。
特開2006−319156号公報
ところで、基板の平面上に形成された電極端子と、フレキシブルプリント基板(Flexible
printed circuits、以下、「FPC」と呼ぶ。)等の他の基板上に形成された導体パターン(導体回路)とを電気的に接合する手法として、電極端子の頂面と導体回路の頂面の間に異方性導電フィルム(Anisotropic conductive Film、以下、「ACF」と呼ぶ。)を挟んだ状態で加熱しながら両者を圧着する手法が広く知られている。これにより、電極端子と導体回路の間においてACF内に分散している金属粒子が電極端子の頂面及び導体回路の頂面と接触することで、金属粒子を介して電極端子と導体回路の間の導電経路が形成される。
このように、ACFを用いて一方の基板上に形成された電極端子と他方の基板上に形成された導体回路とを電気的に接合する場合、電極端子の頂面と接触するACF内の金属粒子の個数が多いほど好ましい。電極端子の頂面と接触するACF内の金属粒子の個数が多いほど、電極端子と導体回路の間に形成される導電経路の面積(以下、「接合面積」と呼ぶ。)が大きくなり、電極端子と導体回路の間の電気抵抗が小さくなるからである。
接合面積を大きくするためには、電極端子の頂面(接合面)が完全な平坦であることが最も望ましいと考えられる。しかしながら、焼成体である電極端子の頂面を完全な平坦とするためには、焼成後において電極端子の頂部を研磨する等の追加の加工を行うことが考えられる。この場合、製造コストが高い、製造工数が多い等の問題が生じる。従って、焼成体である電極端子の頂面を完全な平坦とすることに代えて(即ち、焼成後において電極端子の頂部に対して追加の加工を行うことなく)接合面積を出来るだけ大きくする手法の到来が望まれている。
一般に、電極端子の頂面が凸形状の場合と凹形状の場合とを比較すると、凹形状の場合において接合面積がより大きくなると考えられる(後述する図4と図6を参照)。他方、上述した文献に記載の方法では、焼成後の電極端子の頂面は凸形状か凹形状となる場合が多い。そこで、本願の発明者は、種々の研究・実験を重ねた結果、焼成後において電極端子の頂部に対して追加の加工を行うことなく、頂面がACFを用いた接合に適した凹形状となる電極端子を安定的に得る手法を見い出した。
本発明に係る電極端子形成方法は、前記電極端子の材料となる導電体の粉末と、樹脂成分と、溶剤成分とを少なくとも含むペーストを用いて、前記基板の平面上に所定の形状を有する膜を形成する膜形成工程と、前記膜に熱風を与えることで前記膜の中心部を除いた表面部のみの前記溶剤成分を蒸発させる熱風乾燥工程と、前記熱風乾燥工程後の前記膜の温度を前記樹脂成分の軟化温度以上の温度に維持した状態で、前記熱風乾燥工程後の前記膜の頂部を押し潰して平坦化する平坦化工程と、前記平坦化工程後の前記膜を焼成して前記電極端子を形成する焼成工程とを含む。このように、本発明の特徴は、膜形成工程と焼成工程との間に、熱風乾燥工程と平坦化工程とを挿入した点にある。
熱風乾燥工程では、高温下にて、基板上に形成された膜に熱風を与えることで膜の中心部を除いた表面部のみの溶剤成分が蒸発させられる。即ち、熱風乾燥工程後では、膜の中心部において導電体粉末と樹脂成分と溶剤成分とが含まれ、膜の中心部を囲む膜の表面部において溶剤成分が含まれず導電体粉末と樹脂成分とが含まれる状態が得られる。換言すれば、膜の表面部において溶剤成分を含まない表面皮膜が形成される。なお、膜が印刷等により形成される場合、印刷後の膜の頂面は凸形状か凹形状となる場合が多い。この場合、熱風乾燥工程後でも、膜の頂面の形状は大きくは変化しない場合が多い。
熱風乾燥工程の後の平坦化工程では、熱風乾燥工程後の膜の温度を樹脂成分の軟化温度以上の温度に維持した状態で、膜の頂部が押し潰されて平坦化される。平坦化工程が樹脂成分の軟化温度以上の温度下で行われることで、膜の頂部が押し潰される際に樹脂成分が変形し易くなり、膜に亀裂、割れ等が発生することが抑制される。
このように、膜の表面皮膜が形成された状態で膜の頂部が押し潰されて平坦化され、その後に膜を焼成して電極端子が形成される。この手順を踏むことで、発明者は、焼成後において電極端子の頂部に対して追加の加工を行うことなく、頂面がACFを用いた接合に適した凹形状となる電極端子を亀裂、割れ等が発生することなく安定的に得ることができることを見い出した。
平坦化工程では、基板上に形成された膜の頂部に対して平面を有する板状部材の平面を押し付けることで膜の頂部が平坦化されてもよい。しかしながら、本発明者は、特に、膜が形成されている基板に反りやうねりがある場合において、ローラを使用して、前記ローラの円筒面で前記膜の頂部を押圧しつつ前記基板の平面に沿って前記ローラが転がりながら移動することで、平坦化工程を行うと、頂面がACFを用いた接合に適した凹形状となる電極端子をより一層安定的に得ることができることを見出した。
本発明に係る電極端子形成方法を用いて基板上に形成された電極端子の一例を示した基板の平面図である。 図1に示した基板の一部を拡大した拡大図である。 図2の3−3線に沿って基板を切断して得られる断面図である。 図3に示した基板上の電極端子がACFを用いてFPCに形成された導体回路と電気的に接合された様子の一例を示した図である。 従来の手法により基板上に形成された電極端子の一例を示した図3に対応する図である。 図5に示した基板上の電極端子がACFを用いてFPCに形成された導体回路と電気的に接合された様子の一例を示した図4に対応する図である。 従来の手法により基板上に形成された電極端子の他の例を示した図3に対応する図である。 図7に示した基板上の電極端子がACFを用いてFPCに形成された導体回路と電気的に接合された様子の一例を示した図4に対応する図である。 従来の手法により基板上に形成された電極端子の他の例を示した図3に対応する図である。 図9に示した基板上の電極端子がACFを用いてFPCに形成された導体回路と電気的に接合された様子の一例を示した図4に対応する図である。 ステージの上面に図1に示した多数の基板がマトリクス状に載置された状態を示した図である。 本発明に係る電極端子形成方法について、(a)は、熱風乾燥工程後における膜の断面の一例を示し、(b)は、平坦化工程後における膜の断面の一例を示し、(c)は、焼成工程後における完成した電極端子の断面の一例を示した図である。 従来の電極端子形成方法について、(a)は、印刷工程後における膜の断面の一例を示し、(b)は、焼成工程後における完成した電極端子の断面の一例を示した図である。 従来の電極端子形成方法について、(a)は、印刷工程後における膜の断面の他の例を示し、(b)は、焼成工程後における完成した電極端子の断面の他の例を示した図である。 従来の電極端子形成方法について、(a)は、印刷工程後における膜の断面の他の例を示し、(b)は、焼成工程後における完成した電極端子の断面の他の例を示した図である。 ローラを用いて本発明に係る平坦化工程が行われる場合における、ローラの移動軌跡の一例を示した図である。 ローラの円筒面で膜の頂部を押圧しつつ基板の平面に沿って膜の幅方向にローラが転がりながら移動する様子を示した図である。 図17のR1部の拡大図である。 図18のR2部の拡大図である。 本発明に係る電極端子形成方法により頂面が凹形状となる電極端子が安定的に得られる推定メカニズムを説明するための第1の図である。 本発明に係る電極端子形成方法により頂面が凹形状となる電極端子が安定的に得られる推定メカニズムを説明するための第2の図である。 本発明に係る電極端子形成方法により頂面が凹形状となる電極端子が安定的に得られる推定メカニズムを説明するための第3の図である。
以下、本発明に係る電極端子形成方法の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1、図2は、本発明に係る電極端子形成方法を用いて基板B上に形成された多数の電極端子10の一例を示す。この例では、長方形の基板Bの平面上に、平面視(上面視)にて長方形の多数の同形の電極端子10がX−Y方向においてマトリクス状に整列配置されている。各電極端子10は、平面視にて、長手方向(図においてY方向)と、長手方向に垂直な幅方向(図においてX方向)を有する形状を有している。
図3は、上記多数の電極端子10の1つをX−Z平面に沿って切断して得られる断面を示す。図3に示すように、各電極端子10の頂面は、幅方向断面において凹形状を有している。なお、各電極端子10の頂面は、長手方向断面においては略平面形状を有している。
図4は、図3に示した電極端子10が、金属粒子31と樹脂バインダ32とからなるACFを用いて、FPCのベースフィルム21上に形成された導体回路22と電気的に接合された様子の一例を示す。図4において、金属粒子31のうち、白丸は、電極端子10の頂面及び導体回路22の頂面の両方に同時に接触していないことで電極端子10と導体回路22の間の導電経路を形成していないものを示し、黒丸は、電極端子10の頂面及び導体回路22の頂面の両方に同時に接触していることで電極端子10と導体回路22の間の導電経路を形成しているものを示している。
図4に示すように、電極端子10の頂面は、(幅方向断面において)適度な幅で適度な深さの凹形状を呈していることから、電極端子10と導体回路22の間に導電経路を形成し得る金属粒子31の個数が比較的多い(図4では、6つ)。従って、電極端子10と導体回路22の間に形成される導電経路の面積(即ち、上述した「接合面積」)が大きくなり、電極端子10と導体回路22の間の電気抵抗が小さくなる。
一方、図5、図6は、従来の電極端子形成方法により形成された電極端子100の場合における、図3、図4にそれぞれ対応する図である。図6に示すように、電極端子100の頂面は、(幅方向断面において)凸形状を呈していることから、電極端子100と導体回路22の間に導電経路を形成し得る金属粒子31の個数が、図4に示した場合に比して少ない(図6では、3つ)。従って、接合面積が小さくて、電極端子100と導体回路22の間の電気抵抗が大きくなる。
また、図7、図8は、従来の電極端子形成方法により形成された電極端子200の場合における、図3、図4にそれぞれ対応する図である。図8に示すように、電極端子200の頂面は、(幅方向断面において)適度な幅を有するものの過度に大きい深さの凹形状を呈していることから、電極端子200と導体回路22の間に導電経路を形成し得る金属粒子31の個数が、図4に示した場合に比して少ない(図8では、2つ)。従って、接合面積が小さくて、電極端子200と導体回路22の間の電気抵抗が大きくなる。
同様に、図9、図10は、従来の電極端子形成方法により形成された電極端子300の場合における、図3、図4にそれぞれ対応する図である。図10に示すように、電極端子300の頂面は、(幅方向断面において)適度な深さを有するものの過度に狭い幅の凹形状を呈していることから、電極端子300と導体回路22の間に導電経路を形成し得る金属粒子31の個数が、図4に示した場合に比して少ない(図10では、2つ)。従って、接合面積が小さくて、電極端子300と導体回路22の間の電気抵抗が大きくなる。
以上より、頂面が凸形状か、過度に大きい深さ又は過度に狭い幅の凹形状を有する電極端子100,200,300に比して、頂面が適度な幅で適度な深さの凹形状を有する本発明に係る電極端子形成方法により形成された電極端子10では、ACFを用いた接合において、接合面積を大きくすることができて、電極端子10と導体回路22の間の電気抵抗を小さくすることができる。
なお、図11に示すように、ステージZの上面(平面)に図1に示した基板Bをマトリクス状に多数載置するとともに、それぞれの基板B上に本発明に係る電極端子形成方法により電極端子10を形成することで、図1に示す電極端子10が形成された多数の基板Bを一度に作製することができる。
以下、本発明に係る電極端子形成方法の実施形態により図1に示す「電極端子10が形成された基板B」が作製される場合において実行されていく各工程について順に説明していく。
(印刷工程)
印刷工程では、電極端子10の材料となる導電体(本例では、Ag)の粉末と、樹脂成分と、溶剤成分とを少なくとも含む、予め調製されているペーストを用いて、基板Bの平面上に、周知の手法の1つ(例えば、スクリーン印刷)により、電極端子10の形状に対応する形状を有する膜が形成される。樹脂成分の軟化温度は、例えば、60〜120℃である。
(熱風乾燥工程)
熱風乾燥工程では、印刷工程にて形成された膜に、所定時間に亘って所定温度の熱風が所定の風速で与えられる。これにより、膜の中心部を除いた表面部のみの溶剤成分が蒸発させられる。この結果、熱風乾燥工程後では、膜の中心部において導電体粉末と樹脂成分と溶剤成分とが含まれ、且つ、膜の中心部を囲む膜の表面部において溶剤成分が含まれず導電体粉末と樹脂成分とが含まれる状態が得られる。即ち、膜の表面部において溶剤成分を含まない表面皮膜が形成される。
図12(a)は、この熱風乾燥工程後における膜の断面(X−Z平面に沿って切断して得られる断面)の形状の一例を示す。この段階において、膜厚は、例えば、20〜100μmであり、膜幅は、例えば、30〜200μmである。図12(a)に示す膜について、膜厚は45μmで、膜幅は125μmである。膜がスクリーン印刷により形成される場合、このように、熱風乾燥工程後において膜の頂面が(幅方向断面において)凸形状となっている場合が多い。これは、スクリーン印刷により形成される膜の頂面が(幅方向断面において)凸形状となっていることに基づく。比較として、図13(a)、図14(a)、図15(a)は、従来の電極端子形成方法における印刷工程後における膜の断面(X−Z平面に沿って切断して得られる断面)の形状の一例を示す。図13、図14、図15はそれぞれ、図5,7,9に対応する。
(平坦化工程)
平坦化工程では、膜の温度をペースト内の樹脂成分の軟化温度以上の温度に維持した状態で、膜の頂部が押し潰されて(基板Bの平面に平行な面に)平坦化される。ここで、潰し率を、平坦化工程前における膜厚(図12(a)を参照)に対する、平坦化工程の実施による膜厚の減少量の割合と定義すると、潰し率は、例えば、10〜40%である。図12(b)は、この平坦化工程後における膜の断面(X−Z平面に沿って切断して得られる断面)の形状の一例を示す。図12(b)に示す膜について、膜厚は36μmで、膜幅は125μmである。
この実施形態では、図16に示すように、ステージZの下面にヒータが備えられている。このヒータを作動させることで、ステージZ上に載置された基板B上に形成された膜の温度がペースト内の樹脂成分の軟化温度以上の温度に維持される。この状態において、円筒面を有するローラRを用いて平坦化工程が実行される。
具体的には、図16に示すように、ローラRの回転軸が膜の長手方向(図においてY方向)と平行に維持された状態で、且つ、回転軸と基板Bとの(図においてZ方向の)距離が一定に維持された状態で、ローラRが、膜の幅方向(図においてX方向)に転がりながら、且つ、基板B上の各膜の頂部をその円筒面で押圧しつつ移動する。この様子を図17〜図19に示す。ローラRの半径は、例えば、5〜30mmの範囲内であり、ローラRの膜の幅方向(図においてX方向)への移動速度は、例えば、3〜300mm/secである。ローラRの材質は、例えばSUSである。これにより、ローラRの進行に伴い、各膜の頂部が押し潰されて平坦化されていく。なお、ローラRの材質は、SUS以外の金属であってもよいし、金属以外の材質であってもよい。また、ローラRの円筒面に、所定の材料を含むコーティングを施してもよい。
ここで、膜の温度がペースト内の樹脂成分の軟化温度以上の温度に維持された状態で平坦化工程が行われるのは、膜の頂部が押し潰される際に樹脂成分が変形し易くなり、膜に亀裂、割れ等が発生することが抑制され得るからである。
(焼成工程)
焼成工程では、平坦化工程後の基板Bを所定の焼成炉内に収容した状態で、基板B(従って、基板B上の膜)が、所定時間に亘って所定の高温下に置かれる。これにより、膜内に存在する樹脂成分及び溶剤成分が焼成により揮発・除去されて、基板B上に電極端子10が形成される。
図12(c)は、この焼成工程後における膜(従って、完成した電極端子10)の断面(X−Z平面に沿って切断して得られる断面)の形状の一例を示す。図12(c)に示す膜について、膜厚は25μmで、膜幅は115μmで、凹形状深さは1〜5μmである。ここで、平坦率を、焼成工程後における膜幅(図12(c)を参照)に対する、膜の頂部の幅の割合と定義すると、平坦率は、例えば、50%以上である。比較として、図13(b)、図14(b)、図15(b)は、従来の電極端子形成方法における焼成工程後における膜(従って、完成した電極端子100,200,300)の断面(X−Z平面に沿って切断して得られる断面)の形状の一例を示す。なお、平坦化工程と焼成工程との間に、膜を乾燥・固化する乾燥工程が挿入されてもよい。
以上、この実施形態では、熱風乾燥工程により表面皮膜が形成された状態で膜の頂部が押し潰されて平坦化され、その後に膜を焼成して電極端子10が形成される。これにより、発明者は、焼成後において電極端子10の頂部に対して追加の加工を行うことなく、頂面がACFを用いた接合に適した凹形状となる電極端子10を安定的に得ることができることを見い出した。
以下、このような作用・効果が得られる推定メカニズムについて、図20〜図22を参照しながら説明する。図20、図21において、太い白矢印は、ローラRの進行方向(図においてX方向)を示す。図20は、熱風乾燥工程により表面皮膜が形成された状態にある膜の頂部がローラRにより押し潰されている段階を示す。この状態において、表面皮膜(微細なドットで示した領域を参照)には、導電体粉末(Ag粉末)と樹脂成分とが含まれる一方で溶剤成分が含まれていない。一方、表面皮膜の内側部分には、導電体粉末(Ag粉末)と樹脂成分と溶剤成分が含まれている。図20に示すように、膜の頂部がローラRにより押し潰されることで、膜には、矢印に示す方向(図においてZ負方向)に力が作用する。
図21は、膜の頂部がローラRにより押し潰された直後の段階を示す。この状態では、膜の頂部が押し潰されて平坦化されている。この影響(塑性変形)により、膜における表面皮膜の内側部分における特に中心部において、他の部分に比して導電体粉末(Ag粉末)の密度が小さくなる領域(斜線で示した領域を参照)が発生する。換言すれば、この状態では、斜線で示した領域において樹脂成分及び溶剤成分が占める体積の割合は、他の領域において樹脂成分及び溶剤成分が占める体積の割合よりも大きい。
図22は、焼成工程後の段階を示す。焼成工程では、膜内に存在する樹脂成分及び溶剤成分が揮発・除去される。このことは、膜内において樹脂成分及び溶剤成分が存在していた体積分だけ膜が収縮することを意味する。ここで、上述したように、図21において斜線で示した領域における樹脂成分及び溶剤成分が占める体積の割合は、他の領域における樹脂成分及び溶剤成分が占める体積の割合よりも大きい。従って、焼成工程において、図21において斜線で示した領域における収縮割合は、他の領域における収縮割合よりも大きくなる。この結果、図22に示すように、膜の頂部において(幅方向断面において)凹形状が形成されると考えられる。
以上、説明したように、本発明に係る電極端子形成方法の実施形態によれば、印刷工程では、導電体粉末と樹脂成分と溶剤成分とが含まれるペーストを用いて、平面視にて、長手方向(図においてY方向)と、長手方向に垂直な幅方向(図においてX方向)を有する形状(長方形)の膜が基板B上に形成される。次いで、熱風乾燥工程では、その膜に、所定時間に亘って所定温度の熱風が所定の風速で与えられて、膜の表面部においてのみ溶剤成分が蒸発させられる。これにより膜に表面皮膜が形成される(図12(a)を参照)。次いで、平坦化工程では、膜の温度がペースト内の樹脂成分の軟化温度以上の温度に維持された状態でローラRを用いて膜の頂部が押し潰されて平坦化される(図12(b)を参照)。そして、焼成工程では、その膜が焼成されて基板B上に電極端子10が形成される(図12(c)を参照)。この手順を踏むことで、焼成後において電極端子10の頂部に対して追加の加工を行うことなく、頂面がACFを用いた接合に適した(幅方向断面において)凹形状となる電極端子10を安定的に得ることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態においては、印刷工程において、平面視にて長方形の膜が形成されているが、平面視にてその他の形状の膜が形成されてもよい。この場合、平面視にて、長手方向(図においてY方向)と、長手方向に垂直な幅方向(図においてX方向)を有する形状(例えば、楕円等)の膜であることが好適である。これにより、膜の頂面が(幅方向断面において)凹形状となる電極端子がより安定的に得られる。
また、上記実施形態では、熱風乾燥工程において、膜の中心部において導電体粉末と樹脂成分と溶剤成分とが含まれ、且つ、膜の中心部を囲む膜の表面部において溶剤成分が含まれず導電体粉末と樹脂成分とが含まれる状態が得られている。即ち、膜の表面部において溶剤成分を含まない表面皮膜が形成されている。熱風乾燥工程の処理状態によっては、膜中の溶剤成分が全て蒸発させられ、膜内にて導電体粉末と樹脂成分のみが含まれる状態が得られる場合がある。また、印刷工程にて使用されるペースト中に、可塑剤、チクソ調整剤、ガラス成分、セラミック添加剤、界面活性剤等を含めてもよい。
加えて、上記実施形態では、平坦化工程において、ローラRを用いて膜の頂部が押し潰されて平坦化されているが、膜の頂部に対して平面を有する板状部材のその平面を基板Bの平面に平行に押し付けることで膜の頂部が平坦化されてもよい。
10…電極端子、B…基板、R…ローラ、Z…ステージ

Claims (2)

  1. 平板状の基板の平面上に電極端子を形成する電極端子形成方法であって、
    前記電極端子の材料となる導電体の粉末と、樹脂成分と、溶剤成分とを少なくとも含むペーストを用いて、前記基板の平面上に所定の形状を有する膜を形成する膜形成工程と、
    前記膜に熱風を与えることで前記膜の中心部を除いた表面部のみの前記溶剤成分を蒸発させる熱風乾燥工程と、
    前記熱風乾燥工程後の前記膜の温度を前記樹脂成分の軟化温度以上の温度に維持した状態で、前記熱風乾燥工程後の前記膜の頂部を押し潰して平坦化する平坦化工程と、
    前記平坦化工程後の前記膜を焼成して前記電極端子を形成する焼成工程と、
    を含む電極端子形成方法。
  2. 請求項1に記載の電極端子形成方法において、
    前記平坦化工程では、
    ローラを使用して、前記ローラの円筒面で前記膜の頂部を押圧しつつ前記基板の平面に沿って前記ローラが転がりながら移動することで、前記膜の頂部が押し潰して平坦化される、電極端子形成方法。
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