JP7214205B2 - スクリーン印刷方法、平滑化装置、およびスクリーン印刷機 - Google Patents

スクリーン印刷方法、平滑化装置、およびスクリーン印刷機 Download PDF

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Description

本発明は、スクリーン印刷方法、平滑化装置、およびスクリーン印刷機に関する。
スクリーン印刷技術は、高精細な印刷を高速で行うことができるため、単純な図柄等の印刷に留まらず、電子回路基板の製造、および電池の電極の製造など、幅広い分野で使用されている。
通常、スクリーン印刷技術により被印刷物に印刷を行う場合、まず、被印刷物上に、パターンを有するスクリーン版が配置される。次に、スクリーン版の表面(被印刷物とは反対側の表面)に、ペースト(印刷インク)が設置される。次に、スキージを、スクリーン版に押し付けながら水平方向に移動させることにより、ペーストが被印刷物の側に押し出される。その結果、スクリーン版のパターンを被印刷物に印刷することができる(例えば特許文献1、2)。
特開2001-212935号公報 特開平9-314802号公報
近年、被印刷物上に比較的厚いパターンを形成することに対する需要が高まっている。このためスクリーン印刷技術においても、被印刷物上に積層膜を形成することが行われるようになってきている。
しかしながら、スクリーン印刷技術で積層膜を形成した場合、印刷されるパターンの寸法精度は、印刷(積層)回数の増加とともに低下する傾向にある。すなわち、1回だけのスクリーン印刷では、所望の寸法精度を有するパターンが得られる場合であっても、このパターンの上に積層を繰り返していくと、パターンの寸法精度は徐々に低下してしまう。
そしてこのような寸法精度の低下は、積層膜に求められる特性のばらつきや特性の低下等につながるおそれがある。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、従来に比べて、より高い精度でパターンを形成することの可能なスクリーン印刷方法を提供することを目的とする。また、本発明では、そのようなスクリーン印刷方法に適用可能な平滑化装置を提供することを目的とする。さらに、本発明では、より高い精度でパターンを形成することの可能なスクリーン印刷機を提供することを目的とする。
本発明では、スクリーン印刷方法であって、
(1)被印刷物に1回以上スクリーン印刷を実施して、前記被印刷物上にパターンを形成する工程と、
(2)前記被印刷物上でローラを走査させることにより、前記パターンの上面を平滑化する工程と、
を有する、スクリーン印刷方法が提供される。
また、本発明では、被印刷物に対してスクリーン印刷を実施し、前記被印刷物上にパターンを形成するスクリーン印刷方法に利用される平滑化装置であって、
ローラと、
前記被印刷物および/またはローラを、相互に対して平行に移動させる移動機構と、
前記ローラにより、スクリーン印刷によって形成されたパターンの上面が平滑化されるように、前記ローラの前記上面に対する位置および/または圧力を調整する調整機構と、
を有する、平滑化装置が提供される。
さらに、本発明では、被印刷物に対してスクリーン印刷を実施し、前記被印刷物上にパターンを形成するスクリーン印刷機であって、
当該スクリーン印刷機は、スキージを有し、該スキージは、インクが載置されたパターンを有するスクリーン版上で、該スクリーン版に対して移動され、これにより、前記被印刷物上に前記パターンが転写され、
所定の回数のスクリーン印刷後に、前記スキージを、形成された前記パターンの上面を平滑化するローラと取り替えることが可能な、スクリーン印刷機が提供される。
本発明では、従来に比べて、より高い精度でパターンを形成することの可能なスクリーン印刷方法を提供することができる。また、本発明では、そのようなスクリーン印刷方法に適用可能な平滑化装置を提供することができる。さらに、本発明では、より高い精度でパターンを形成することの可能なスクリーン印刷機を提供することができる。
従来のスクリーン印刷機を用いて、被印刷物にパターンを印刷する際の様子を模式的に示した図である。 従来のスクリーン印刷機を用いて、被印刷物にパターンを印刷する際の様子を模式的に示した図である。 従来のスクリーン印刷方法により形成され得るパターンの断面形態の一例を模式的に示した図である。 本発明の一実施形態によるスクリーン印刷方法のフローの一例を概略的に示した図である。 図4に示したスクリーン印刷方法における一工程の様子を模式的に示した図である。 図4に示したスクリーン印刷方法における一工程の様子を模式的に示した図である。 図4に示したスクリーン印刷方法における一工程の様子を模式的に示した図である。 本発明の一実施形態による平滑化装置の一例を模式的に示した図である。 本発明の一実施形態による平滑化装置の一部の具体的な構成例を模式的に示した図である。 本発明の一実施形態によるスクリーン印刷機の一構成例を模式的に示した図である。
(従来のスクリーン印刷方法)
本発明の構成および特徴についてより良く理解するため、まず、図1および図2を参照して、従来のスクリーン印刷方法について簡単に説明する。
図1および図2には、従来のスクリーン印刷方法を用いて、被印刷物にパターンを印刷する際の様子を示す。
図1に示すように、従来のスクリーン印刷方法を用いて被印刷物にパターンを印刷する場合、まず、スクリーン印刷機1の所定の位置に、被印刷物4が設置される。
なお、図1では、スクリーン印刷機1の構成要素として、スキージ58のみが示されている。しかしながら、実際のスクリーン印刷機1には、その他にも各種構成要素が含まれることは当業者には明らかである。
次に、被印刷物4の上に、所定のパターンを有するスクリーン版8が設置される。さらに、スクリーン版8の上に、ペースト(印刷インク)10が設置される。
次に、スキージ58をペースト10の近傍に配置した後、スキージ58をスクリーン版8に押し付ける。この押し付け力により、スキージ58の直下では、スクリーン版8が被印刷物4と接触する。
次に、この状態から、図2に示すように、ペースト10を同伴させながら、スキージ58を水平(X)方向に移動させる。このスキージ58の動きにより、ペースト10が、スクリーン版8を介して、被印刷物4の表面に連続的に押し出される。その結果、被印刷物4の表面に、ペースト10のパターン12を印刷することができる。
なお、被印刷物4の上に厚いパターンを形成する場合、このような操作が繰り返し実施され、被印刷物4の上に積層パターンが形成される。
ここで、スクリーン印刷方法によって被印刷物4上に形成されるパターン12は、図3に示すような、様々な形状を有し得る。
図3には、従来のスクリーン印刷方法により形成され得るパターン12の断面形態の一例を模式的に示す。図3に示すように、パターン12には、凹凸状の上面14aを有するパターン、凸状に形成された上面14bを有するパターン、および凹状に形成された上面14cを有するパターンなど、様々な形態が存在し得る。
このような「非平滑」な上面14a~14cを有するパターン12の上に、スクリーン印刷方法により、さらにパターンを積層した場合、積層パターンの寸法精度が低下するおそれがある。特に、繰り返し数が10回を超えるような多層スクリーン印刷方法では、積層パターンの寸法精度の低下が無視できなくなる可能性がある。
さらに、そのような寸法精度の低下が生じた場合、積層パターンに所望の特性が得られなくなるという問題が生じ得る。
このような問題から、高い精度で積層パターンを形成することの可能なスクリーン印刷方法を提供する必要がある。
(本発明の一実施形態によるスクリーン印刷方法)
次に、図4~図7を参照して、本発明の一実施形態によるスクリーン印刷方法について説明する。
図4には、本発明の一実施形態によるスクリーン印刷方法(以下、「第1のスクリーン印刷方法」と称する)のフローの一例を概略的に示す。また、図5~図7には、第1のスクリーン印刷方法における一工程の様子を模式的に示す。
図4に示すように、第1のスクリーン印刷方法は、
(I)n回(ここでnは1以上の整数)のスクリーン印刷を行い、被印刷物上にパターンを形成する工程(工程S110)と、
(II)前記パターンを乾燥させる工程(工程S120)と、
(III)前記パターンを焼成する工程(工程S130)と、
(IV)前記被印刷物上でローラを走査させる工程(工程S140)と、
(V)さらに、前記被印刷物上に(n+1)回目のスクリーン印刷を行う工程(工程S150)と、
を有する。
ただし、工程S120および工程S130の少なくとも一方は、省略されても良い。また、工程S150も、必要ない場合、省略することが可能である。
以下、図5~図6を参照しながら、各工程について説明する。
(工程S110)
まず、スクリーン印刷機を用いて、被印刷物上にパターンが印刷される。
図5には、被印刷物4上にパターン12が印刷された様子を模式的に示す。
この工程S110で使用されるスクリーン印刷機およびスクリーン印刷方法は、特に限られない。例えば、従来のスクリーン印刷機1を用いて、被印刷物4上にパターン12を印刷しても良い。あるいは、以降に示すような、本発明の一実施形態によるスクリーン印刷機を用いて、被印刷物4上にパターン12を印刷しても良い。
被印刷物4は、特に限られない。被印刷物4は、例えば、紙、金属、半導体、およびセラミックスなど、いかなる材料であっても良い。
また、スクリーン印刷に使用されるペーストは、特に限られない。ペーストとしては、例えば、水または樹脂溶媒中に、金属粒子および/またはセラミックス粒子を含有するもの等が使用されても良い。
スクリーン印刷に使用されるスクリーン版は、特に限られず、従来から使用されているいかなるスクリーン版を使用しても良い。
図5に示すように、形成されたパターン12は、凹凸状の上面14-1を有する。ただし、これは単なる一例であって、パターン12は、いかなる上面を有しても良い。例えば、パターン12は、前述の図3に示したような上面14a~上面14cを有しても良い。
パターン12の高さ(厚さ)t1は、特に限られないが、例えば、1μm~1000μmの範囲であっても良い。パターン12の厚さt1は、5μm~30μmの範囲であることが好ましい。
一方、上面14-1は、最大高低差、すなわち凹部と凸部の最大差ΔDが、パターン全体の厚さt1の1/10~1/2の範囲であっても良い。例えば、ΔDは、1μm~100μmの範囲であっても良い。
なお、スクリーン印刷は、1回(すなわちn=1)のみならず、複数回(すなわち、n≧2)実施されても良い。スクリーン印刷が複数回実施される場合、図5に示したパターン12は、積層パターンを表す。
(工程S120)
次に、形成されたパターン12が乾燥処理される。乾燥処理の条件は、特に限られず、従来の一般的な処理条件が採用されても良い。
なお、前述のように、この工程S120は、省略されても良い。
(工程S130)
次に、形成されたパターン12が焼成処理される。焼成処理の条件は、特に限られず、従来の一般的な処理条件が採用されても良い。
なお、前述のように、この工程S130は、省略されても良い。
(工程S140)
次に、被印刷物4の上でローラが水平に走査される。また、この処理により、パターン12の上面14-1が平滑化される。従って、工程S140を、特に「平滑化処理」とも称する。
図6には、平滑化処理により、パターン12の上面14-1が平滑化され、平滑化上面14-2が形成された様子を模式的に示す。
この平滑化処理により得られる平滑化パターン13は、厚さt2を有する。平滑化パターン13の厚さt2は、前述のパターン12の厚さt1に対して、10%~90%の範囲であり、例えば40%~80%の範囲であっても良い。
また、平滑化上面14-2は、例えば、0.1μm~10μmの範囲の表面粗さRaを有しても良い。
なお、この工程は、固定ローラに対して、被印刷物4を移動させることにより、実施されても良い。あるいは、ローラと被印刷物4とを相互に反対方向に移動させることにより、実施されても良い。
ローラは、例えば、ステンレス鋼のような、金属などの硬質材料で構成されても良い。また、ローラは、表面にコーティング層を有しても良い。
ローラの表面にコーティング層を設置することにより、ローラに、例えば疎水性(もしくは親油性)または親水性(もしくは疎油性)のような、各種特性を付与することが可能となる。
例えば、パターン12が有機溶媒を含むペーストで構成される場合、コーティング層を疎油性とすることにより、ローラがパターン12と接触しても、ローラにペーストが付着することを抑制することができる。
また、工程S130および/または工程S140を実施する場合は、これらの工程によってペーストから生成される生成物の表面に対して非付着性のコーティング層が選定されても良い。
このように、パターン12に含まれる成分、またはそれに由来する生成物に基づいて、ローラ表面に設置されるコーティング層を適正に選定することにより、ローラに、パターン12またはパターン12から得られる生成物の表面に対する非付着性を付与することができる。
(工程S150)
次に、必要な場合、平滑化パターン13を有する被印刷物4に対して、再度スクリーン印刷が実施される。スクリーン印刷は、1回、または複数回実施されても良い。
これにより、積層膜が形成される。
図7には、工程S150におけるスクリーン印刷により、被印刷物4の上に積層膜23が形成された状態を模式的に示す。
図7に示すように、積層膜23は、平滑化パターン13の上に、上面14-3を有する追加膜21を有する。この追加膜21は、凹凸を有する上面ではなく、平滑化上面14-2の上に印刷される。従って、スクリーン印刷によって得られる積層膜23は、有意に高い寸法精度を有する。
その後、再度、ローラによる上面14-3の平滑化処理が実施されても良い。
以上のように、第1のスクリーン印刷方法では、所定の回数(例えば、1回または数回)のスクリーン印刷を実施した後に、ローラによるパターンの平滑化処理が実施される。また、この平滑化処理により、パターンの上面を平滑化することができる。
従って、第1のスクリーン印刷方法では、印刷工程(工程S110および工程S150)を繰り返しても、印刷パターンの寸法精度の低下を有意に抑制することができる。スクリーン印刷の実施総数は、例えば10回、20回、または30回以上であっても良い。
また、これにより、第1のスクリーン印刷方法では、積層膜における特性のばらつきや特性の低下を、有意に抑制することが可能となる。
なお、第1のスクリーン印刷方法において、スクリーン印刷は、1回のみ実施されても良い。すなわち、工程S110において1回のスクリーン印刷が実施された後、工程S140において平滑化処理が実施され、工程が完了しても良い。この場合、得られる印刷パターンは積層膜ではないが、パターンの上面の凹凸が少なくなり、パターンの寸法精度(例えば高さt1の精度)が向上する。
(本発明の一実施形態による平滑化装置)
次に、図8を参照して、本発明の一実施形態による平滑化装置について説明する。
図8には、本発明の一実施形態による平滑化装置(以下、「第1の平滑化装置」と称する)の構成を概略的に示す。
図8に示すように、第1の平滑化装置100は、テーブル195の上に載置された被印刷物4の上方に配置される。第1の平滑化装置100は、以降に示すように、スクリーン印刷機とともに使用することができる。
第1の平滑化装置100は、移動機構110と、調整機構120と、ヘッド140と、ローラ160とを有する。
移動機構110は、水平(X)方向に、調整機構120、ヘッド140およびローラ160等を移動させる機能を有する。
調整機構120は、ローラ160の被印刷物4に対する高さ位置を調節したり、被印刷物4に印加されるローラ160の押圧を調整したりすることができる。
ヘッド140は、ローラ160を支持する役割を有し、調整機構120に連結される。従って、ローラ160は、ヘッド140を介して調整機構120と連結される。
ローラ160は、被印刷物4と対面するように配置される。なお、図8からは明確ではないが、ローラ160は、紙面の奥行き方向に延伸しており、略円柱状の形状を有する。
次に、このような構成を有する第1の平滑化装置100の動作について説明する。
まず、前述の図1に示したようなスクリーン印刷機1を用いて、被印刷物4にパターン12が印刷される。
パターン12は、積層パターンであっても良い。また、パターン12は、その後、乾燥されても良い。さらに、パターン12は、焼成されても良い。
パターン12の上面は、前述の図3に示したような非平滑な上面14a~14cを有し得る。従って、このパターン12上に、さらにパターンを積層した場合、積層パターンの寸法精度が低下し得る。
しかしながら、本発明の一実施形態では、次に、第1の平滑化装置100を用いて、被印刷物4上のパターン12の上面が平滑化される。
この際には、第1の平滑化装置100の調整機構120により、被印刷物4、またはその上のパターン12に対するローラ160の高さ位置が調整される。また、これに加えて、またはこれとは別に、調整機構120により、被印刷物4上のパターン12に対するローラ160の押付力が調整されても良い。
次に、移動機構110を用いて、ローラ160が図8に示した矢印F1に沿って走査される。ローラ160の高さ位置および/またはパターン12に対する押付力は、調整機構120によって予め調整されている。このため、ローラ160の走査により、パターン12の上面に、所望の力を印加することができる。その結果、ローラ160の通過後に、パターン12の上面の凹凸は、適正に平坦化される。
このように、第1の平滑化装置100を用いることにより、被印刷物4上のパターン12の上面を平滑化することができる。
また、これにより、その後、平滑化されたパターン12の上に、新たにパターンをスクリーン印刷した場合であっても、得られるパターンの寸法精度を高く維持することができる。
(本発明の一実施形態による平滑化装置の構成部材)
次に、本発明の一実施形態による平滑化装置の構成部材について、より詳しく説明する。なお、ここでは、図8に示した第1の平滑化装置100を例に、その構成部材について説明する。従って、各構成部材を参照する際には、図8に示した参照符号を使用する。
(移動機構110)
移動機構110は、ローラ160と被印刷物4との間の距離を一定に維持した状態で、調整機構120に連結されたヘッド140、さらにはローラ160を水平移動させることができる限り、いかなる構成を有しても良い。
例えば、移動機構110は、例えば、水平面に沿って設置された、直動ガイド等を備えても良い。
(ローラ160)
ローラ160は、略円柱状の形態を有する。ローラ160の延伸軸に垂直な断面は、円形、特に真円であることが好ましい。
ローラ160の直径は、特に限られないが、例えば、20mm~100mmの範囲である。ローラ160の直径が大きくなり過ぎると、真円を形成することが難しくなる場合がある。また、ローラ160の直径が小さくなり過ぎると、平滑化処理後のパターンの上面の均一性が低下する場合がある。
ローラ160は、例えば、ステンレス鋼のような硬質金属で構成することができる。
また、ローラ160は、本体の上にコーティング層を有しても良い。
コーティング層を設けることにより、ローラ160の表面に、疎水性(もしくは親油性)、親水性(もしくは疎油性)など、各種特性を発現させることが可能となる。
コーティング層は、パターン12の表面に対して非吸着性であることが好ましい。この場合、ローラ160による走査の際に、パターン12の成分がローラ160に付着することを抑制することができる。
コーティング層は、例えば、ダイアモンドライクカーボン、テフロン(登録商標)等の樹脂、または金属めっき等で構成されても良い。
(調整機構120およびヘッド140)
前述のように、調整機構120は、ローラ160の被印刷物4に対する高さ位置を調節したり、パターン12に印加されるローラ160の押圧を調整したりすることができる限り、いかなる構造を有しても良い。
また、ヘッド140は、ローラ160を適正に支持することができる限り、いかなる構成を有しても良い。
図9には、第1の平滑化装置100における調整機構120~ヘッド140の部分の模式的な拡大図を示す。
図9に示すように、調整機構120は、エアシリンダ130およびストップ部材135を有する。
エアシリンダ130は延伸軸方向(鉛直Z方向)に延在するシャフト132を有し、該シャフト132は、上下方向に移動することができる。
ストップ部材135は、エアシリンダ130の上側に設置され、シャフト132の上端のZ方向における位置を調整する機能を有する。
例えば、ストップ部材135をZ軸に沿って下側に移動させると、エアシリンダ130のシャフト132の上方向への移動が抑制され、逆にストップ部材135をZ軸に沿って上側に移動させると、エアシリンダ130のシャフト132は、より上方に移動可能となる。
従って、ストップ部材135の高さ位置を調整することにより、エアシリンダ130のシャフト132の上端の位置を調整することができる。
エアシリンダ130のシャフト132の下端には、ヘッド140が連結される。
ヘッド140は、ローラ160を支持する支持部材142を有する。支持部材142は、固定部材145により、ヘッド140に固定され、これにより、ローラ160がヘッド140に取り付けられる。
固定部材145は、ヘッド140の両側面に設けられた貫通孔に挿入された回転ネジであっても良い。
ローラ160による平滑化処理を実施する際には、ストップ部材135が所定の位置に移動される。これにより、基準水平面99から、ストップ部材135の底面136までの高さhが、予め定められた値に調節される。基準水平面99は、被印刷物(図9には示されていない)の上面であっても良い。
あるいは、別の方法で、基準水平面99からローラ160の底面161までの高さが、予め定められた値に調整されても良い。
ストップ部材135の位置が定まると、エアシリンダ130が作動し、シャフト132は、その上端がストップ部材135の底面136と当接する位置にまで移動する。また、これにより、シャフト132に連結されたヘッド140、さらにはローラ160が、所定の高さ位置に定められる。
これに加えて、またはこれとは別に、エアシリンダ130の圧力を所定の値とすることにより、シャフト132によりローラ160が押される力が調整され、さらには、ローラ160によるパターン12に対する押圧が調整されても良い。
このような動作により、ローラ160による平滑化処理の際に、被印刷物のパターン12に対するローラ160の高さ、および/またはパターン12に加わる押圧を、適正に調整することが可能になる。
なお、調整機構120およびヘッド140の上記構成は、単なる一例に過ぎないことに留意する必要がある。すなわち、ローラ160の被印刷物4に対する高さ位置を適正に調節したり、パターン12に印加されるローラ160の押圧を適正に調整したりすることができる限り、調整機構120およびヘッド140は、いかなる構成を有しても良い。
(本発明の一実施形態によるスクリーン印刷機)
次に、図10を参照して、本発明の一実施形態によるスクリーン印刷機について説明する。
図10には、本発明の一実施形態によるスクリーン印刷機(以下、「第1のスクリーン印刷機」と称する)の構成を概略的に示す。
図10に示すように、第1のスクリーン印刷機200は、移動機構210と、調整機構220と、ヘッド240と、スキージ258とを有する。
移動機構210は、水平(X)方向に、調整機構220、ヘッド240およびスキージ258等を移動させる機能を有する。
調整機構220は、スキージ258のスクリーン版208に対する高さ位置を調節することができる。
ヘッド240は、スキージ258を支持する役割を有し、調整機構220に連結される。
なお、第1のスクリーン印刷機200を用いて、被印刷物4にパターンをスクリーン印刷する方法としては、前述の図1および図2を用いた記載等が参照できるので、ここではこれ以上説明しない。
ここで、第1のスクリーン印刷機200において、スキージ258は、ローラ(図10には示されていない)と交換可能にヘッド240に取り付けられる。例えば、スキージ258は、ローラとの相互交換が可能となるように、ヘッド240にアタッチメント式に取り付けられても良い。
このような構成を有する第1のスクリーン印刷機200では、ヘッド240にスキージ258を取り付けることにより、被印刷物4に、所定のパターンをスクリーン印刷することができる。
また、その後、スキージ258をローラと取り替えることにより、スクリーン印刷により形成されたパターンの上面を平滑化することができる。
その後、再度、ローラがスキージ258と取り替えられ、スクリーン印刷が実施されても良い。
このように、第1のスクリーン印刷機200では、ヘッド240に取り付けられる部品を交換するだけで、印刷→平滑化処理→印刷…の各工程を、第1のスクリーン印刷機200のみで実施することができる。
従って、第1のスクリーン印刷機200では、スクリーン印刷機と平滑化処理装置のそれぞれの場所を確保する必要がなくなり、装置占有スペースを小さくすることが可能となる。
また、通常、各種動作を制御する制御器を備える高機能なスクリーン印刷機は、被印刷物に対してスキージを水平方向に移動させる移動機構を備える。また、そのようなスクリーン印刷機には、スキージの高さ位置を調整する機構が設けられている。
従って、第1のスクリーン印刷機200は、そのようなスクリーン印刷機において、ヘッドをアタッチメント式に改良することにより、容易に製造することができる。
1 従来のスクリーン印刷機
4 被印刷物
8 スクリーン版
10 ペースト
12 パターン
13 平滑化パターン
14a、14b、14c 上面
14-1、14-3 上面
14-2 平滑化上面
21 追加膜
23 積層膜
58 スキージ
99 基準水平面
100 第1の平滑化装置
110 移動機構
120 調整機構
130 エアシリンダ
132 シャフト
135 ストップ部材
136 底面
140 ヘッド
142 支持部材
145 固定部材
160 ローラ
161 ローラの底面
195 テーブル
200 第1のスクリーン印刷機
208 スクリーン版
210 移動機構
220 調整機構
240 ヘッド
258 スキージ

Claims (9)

  1. スクリーン印刷方法であって、
    (1)被印刷物に1回以上スクリーン印刷を実施して、前記被印刷物上にパターンを形成する工程と、
    (2)前記被印刷物上でローラを走査させることにより、前記パターンの上面を平滑化する工程と、
    を有し、
    前記(2)の工程後に、再度、前記被印刷物に1回以上スクリーン印刷が実施される、スクリーン印刷方法。
  2. 前記(1)と(2)の工程の間に、
    (3)前記パターンを乾燥させる工程、および/または
    (4)前記パターンを焼成する工程、
    を有する、請求項1に記載のスクリーン印刷方法。
  3. 前記パターンは、有機溶媒および含有成分を含み、
    前記含有成分は、金属、セラミックス、または両者の組み合わせを含む、請求項1または2に記載のスクリーン印刷方法。
  4. 前記ローラは、表面にコーティング層を有する、請求項1乃至のいずれか一つに記載のスクリーン印刷方法。
  5. 前記コーティング層は、疎油性または親油性である、請求項に記載のスクリーン印刷方法。
  6. 前記コーティング層は、前記パターンの表面、または前記パターンを乾燥もしくは焼成した後の表面に対して、非付着性である、請求項またはに記載のスクリーン印刷方法。
  7. 前記ローラは、金属で構成される、請求項1乃至のいずれか一つに記載のスクリーン印刷方法。
  8. 被印刷物に対してスクリーン印刷を実施し、前記被印刷物上にパターンを形成するスクリーン印刷機であって、
    当該スクリーン印刷機は、スキージを有し、該スキージは、インクが載置されたパターンを有するスクリーン版上で、該スクリーン版に対して移動され、これにより、前記被印刷物上に前記パターンが転写され、
    所定の回数のスクリーン印刷後に、前記スキージを、形成された前記パターンの上面を平滑化するローラと取り替えることが可能な、スクリーン印刷機。
  9. さらに、
    前記スキージを支持するヘッドと、
    前記スキージを、前記被印刷物に対して平行に移動させる移動機構と、
    を有し、
    前記ヘッドは、前記スキージを前記ローラに交換可能な構成を有する、請求項に記載のスクリーン印刷機。
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