以下に添付図面を参照して、本発明に係る冷媒回路装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1である冷媒回路装置が適用された自動販売機の内部構造を正面から見た場合を示す断面図である。ここで例示する自動販売機は、本体キャビネット1を備えている。
本体キャビネット1は、前面が開口した直方状の形態を成すものである。この本体キャビネット1には、その内部に例えば2つの断熱仕切板2によって仕切られた3つの独立した商品収容庫3が左右に並んだ態様で設けてある。この商品収容庫3は、缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の商品を所望の温度に維持した状態で収容するためのもので、断熱構造を有している。
図2は、図1に示した自動販売機の内部構造を示すものであり、右側の商品収容庫3の断面側面図である。尚、ここでは右側の商品収容庫3(以下、適宜右庫3aとも称する)の内部構造について示すが、中央の商品収容庫3(以下、適宜中庫3bとも称する)及び左側の商品収容庫3(以下、適宜左庫3cとも称する)の内部構造も右庫3aと略同じような構成である。尚、本明細書における右側とは、自動販売機を正面から見た場合の右方を示し、左側とは、自動販売機を正面から見た場合の左方を示す。
かかる図2に示すように、本体キャビネット1の前面には、外扉4及び内扉5が設けてある。外扉4は、本体キャビネット1の前面開口を開閉するためのものであり、内扉5は、商品収容庫3の前面を開閉するためのものである。この内扉5は、上下に分割してあり、上側の扉5aは商品を補充する際に開閉するものである。
上記商品収容庫3には、商品収納ラック6、搬出機構7及び搬出シュータ8が設けてある。商品収納ラック6は、商品を上下方向に沿って並ぶ態様で収納するためのものである。搬出機構7は、商品収納ラック6の下部に設けてあり、この商品収納ラック6に収納された商品群の最下位にある商品を1つずつ搬出するためのものである。搬出シュータ8は、搬出機構7から搬出された商品を外扉4に設けられた商品取出口4aに導くためのものである。
図3は、本発明の実施の形態1である冷媒回路装置を概念的に示す概念図である。ここで例示する冷媒回路装置は、冷却専用経路20及び加熱経路30からなり、内部に冷媒(二酸化炭素)が封入された冷媒回路10を備えて構成してある。
冷却専用経路20は、圧縮機21、凝縮器22、キャピラリーチューブ23及び蒸発器24を備えて構成してあり、適宜冷媒配管25にて接続してある。
圧縮機21は、図2にも示すように機械室9に配設してある。機械室9は、本体キャビネット1の内部であって商品収容庫3と区画され、かつ商品収容庫3の下方側の室である。この圧縮機21は、吸引口を通じて冷媒を吸引し、吸引した冷媒を圧縮して高温高圧の状態(高温高圧冷媒)にして吐出口より吐出するものである。
凝縮器22は、図2にも示すように圧縮機21と同様に機械室9に配設してある。この凝縮器22は、通過する冷媒を凝縮させるものである。より詳細に説明すると、圧縮機21で圧縮され、かつ吐出口から吐出されて冷媒配管25を通じて送出された冷媒を周囲空気と熱交換させて凝縮させるものである。この凝縮器22の近傍には、庫外送風ファンF1が設けてある。
キャピラリーチューブ23は、図2にも示すように圧縮機21及び凝縮器22と同様に機械室9に配設してある。このキャピラリーチューブ23は、通過する冷媒を減圧して断熱膨張させるものである。尚、本実施の形態1では、膨張機構としてキャピラリーチューブを例示したが、本発明においては、キャピラリーチューブに限られず、電子膨張弁等の膨張機構であっても構わない。
蒸発器24は、複数(図示の例では3つ)設けてあり、各商品収容庫3の内部低域であって、背面ダクトD(図2参照)の前面側に配設してある。これら蒸発器24とキャピラリーチューブ23とを接続する冷媒配管25は、その途中に配設された分配器26により3つに分岐され、右庫3aに配設された蒸発器24(以下、右蒸発器24aとも称する)の入口側に、中庫3bに配設された蒸発器24(以下、中蒸発器24bとも称する)の入口側に、左庫3cの内部に配設された蒸発器24(以下、左蒸発器24cとも称する)の入口側にそれぞれ接続してある。上記蒸発器24は、通過する冷媒を蒸発させて商品収容庫3の内部空気(内部雰囲気)を冷却するものである。
また、この冷媒配管25においては、分配器26から右蒸発器24a、中蒸発器24b及び左蒸発器24cのそれぞれに至る途中に低圧側電磁弁271,272,273及び膨張機構281,282,283がそれぞれ設けてある。低圧側電磁弁271,272,273は、開閉可能な弁体であり、図示せぬコントローラから開指令が与えられた場合には開成して冷媒の通過を許容する一方、閉指令が与えられた場合には閉成して冷媒の通過を規制するものである。膨張機構281,282,283は、例えばキャピラリーチューブのようなものであり、通過する冷媒を断熱膨張するためのものである。
中蒸発器24b及び左蒸発器24cの出口側に接続された冷媒配管25は、途中の第1合流点P1で合流し、更に右蒸発器24aの出口側に接続された冷媒配管25は、第2合流点P2で合流して圧縮機21に接続している。
加熱経路30は、庫内熱交換器31及び庫外熱交換器32を有し、これらを放熱配管34で接続するとともに、上記冷却専用経路20に分岐配管33及び戻配管35で接続して構成したものである。
庫内熱交換器31は、左庫3cに配設され、その入口側が分岐配管33に接続されている。分岐配管33は、圧縮機21と凝縮器22との経路の途中の高圧側分岐点に配設された高圧側三方弁40に接続され、庫内熱交換器31の入口に連通するものである。この庫内熱交換器31は、通過する冷媒を凝縮させて、左庫3cの内部空気を加熱するためのものである。また、高圧側三方弁40は、コントローラから指令が与えられることにより開閉する弁体であり、圧縮機21で圧縮された冷媒を、冷媒配管25を通じて凝縮器22、あるいは分岐配管33を通じて庫内熱交換器31のいずれか一方に送出させるものである。
庫外熱交換器32は、放熱配管34を通じて庫内熱交換器31に接続され、その入口が放熱配管34を通じて庫内熱交換器31の出口に連通している。この庫外熱交換器32は、冷却専用経路20を構成する凝縮器22に隣接して配設してあり、通過する冷媒と周囲空気との間で熱交換させて、該冷媒に放熱させるものである。この庫外熱交換器32の出口側には、戻配管35が接続してある。戻配管35は、庫外熱交換器32に接続され、かつ冷却専用経路20を構成する冷媒配管25、すなわち凝縮器22とキャピラリーチューブ23との間の冷媒配管25の第3合流点P3に接続するものである。
以上のような構成を有する冷媒回路10においては、更に内部熱交換器41、圧縮冷媒供給経路50及び圧縮冷媒供給バルブ51が設けてある。
内部熱交換器41は、第3合流点P3を通過してキャピラリーチューブ23に向けて流れる冷媒と、蒸発器24を通過して圧縮機21に向けて流れる冷媒との間で熱交換させるものである。
圧縮冷媒供給経路50は、凝縮器22の入口側の冷媒配管25、すなわち高圧側三方弁40から凝縮器22に至る経路(冷媒配管25)の途中で分岐し、庫外熱交換器32の入口側の放熱配管34、すなわち庫内熱交換器31から庫外熱交換器32に至る経路(放熱配管34)に合流する態様で設けた圧縮冷媒供給配管により構成してある。この圧縮冷媒供給配管は、凝縮器22に向けて流れる冷媒の一部を庫外熱交換器32に送出するためのものである。
圧縮冷媒供給バルブ51は、圧縮冷媒供給経路50を構成する圧縮冷媒供給配管に設けてある。圧縮冷媒供給バルブ51は、開閉可能な弁体であり、コントローラから開指令が与えられた場合には開成して冷媒が圧縮冷媒供給経路50を通過することを許容する一方、閉指令が与えられた場合には閉成して冷媒が圧縮冷媒供給経路50を通過することを規制するものである。
以上のような構成を有する冷媒回路装置は、次のようにして商品収容庫3に収容された商品を冷却、あるいは加熱する。
まず、ヒートポンプ運転(本実施の形態1では、左庫3cの内部空気を加熱し、かつ右庫3a及び中庫3bの内部空気を冷却する運転)を行う場合について説明する。この場合、圧縮機21から吐出された冷媒(圧縮冷媒)を分岐配管33に送出するよう高圧側三方弁40の開閉状態を調整し、低圧側電磁弁273及び圧縮冷媒供給バルブ51を閉成させ、低圧側電磁弁271,272を開成させる。これにより圧縮機21で圧縮された冷媒は、図4に示すように循環する。
すなわち、圧縮機21で圧縮された冷媒は、高圧側三方弁40を介して分岐配管33に進入して庫内熱交換器31に至る。庫内熱交換器31に至った冷媒は、該熱交換器を通過中に、左庫3cの内部空気と熱交換し、該内部空気に放熱して凝縮する。これにより、左庫3cの内部空気を加熱する。加熱された内部空気は、庫内送風ファンF2の駆動により、左庫3cのそれぞれの内部を循環し、これにより左庫3cに収容された商品は、循環する内部空気に加熱される。
庫内熱交換器31で凝縮した冷媒は、放熱配管34を通過して庫外熱交換器32に至り、該庫外熱交換器32で周囲空気に放熱する。庫外熱交換器32で放熱した冷媒は、戻配管35を通過した後に第3合流点P3に至る。かかる第3合流点P3で冷却専用経路20に進入した冷媒は、内部熱交換器41を通過した後にキャピラリーチューブ23に至り、キャピラリーチューブ23で断熱膨張する。
キャピラリーチューブ23で断熱膨張して気化した冷媒は、分配器26を経由して開成する低圧側電磁弁271,272を通過して右蒸発器24a及び中蒸発器24bに至り、これら右蒸発器24a及び中蒸発器24bでそれぞれ蒸発して右庫3a及び中庫3bの内部空気から熱を奪い、該内部空気を冷却する。冷却された内部空気は、庫内送風ファンF2の駆動により右庫3a及び中庫3bのそれぞれの内部を循環し、これにより右庫3a及び中庫3bのそれぞれに収容された商品は冷却される。右蒸発器24a及び中蒸発器24bで蒸発した冷媒は、内部熱交換器41を通過した後、圧縮機21に吸引され、圧縮機21に圧縮されて上述した循環を繰り返す。
次に、冷却運転(本実施の形態1ではすべての商品収容庫3の内部空気を冷却する運転)を行う場合について説明する。この場合、圧縮機21から吐出された冷媒(圧縮冷媒)を冷媒配管25に送出するよう高圧側三方弁40の開閉状態を調整し、低圧側電磁弁271,272,273及び圧縮冷媒供給バルブ51を開成させる。これにより圧縮機21で圧縮された冷媒は、図5に示すように循環する。
すなわち、圧縮機21で圧縮された冷媒は、高圧側三方弁40を介して冷媒配管25に進入する。かかる冷媒配管25に進入して通過する冷媒は、その途中で、一方は凝縮器22に至り、他方は圧縮冷媒供給経路50に進入する。凝縮器22に至った冷媒は、該凝縮器22を通過中に、周囲空気(外気)に放熱して凝縮する。圧縮冷媒供給経路50に進入した冷媒は、圧縮冷媒供給バルブ51が開成していることにより、該圧縮冷媒供給経路50を通過し、放熱配管34に進入した後、庫外熱交換器32に至り、該庫外熱交換器32で放熱して凝縮する。
庫外熱交換器32で放熱(凝縮)した冷媒は、戻配管35を通過した後に第3合流点P3で、凝縮器22で凝縮した冷媒と合流し、内部熱交換器41を通過した後にキャピラリーチューブ23に至り、キャピラリーチューブ23で断熱膨張する。
キャピラリーチューブ23で断熱膨張して気化した冷媒は、分配器26で3つに分岐され、各膨張機構281,282,283で更に断熱膨張して右蒸発器24a、中蒸発器24b及び左蒸発器24cに至り、各蒸発器24で蒸発して商品収容庫3の内部空気から熱を奪い、該内部空気を冷却する。冷却された内部空気は、各庫内送風ファンF2の駆動により内部を循環し、これにより各商品収容庫3に収容された商品は、循環する内部空気に冷却される。各蒸発器24で蒸発した冷媒は、内部熱交換器41を通過した後、圧縮機21に吸引され、圧縮機21に圧縮されて上述した循環を繰り返す。
このように冷媒回路装置は、冷却運転を行う場合に圧縮冷媒供給バルブ51を開成させて、圧縮機21で圧縮された冷媒の一部を圧縮冷媒供給経路50に導入し、導入した冷媒(圧縮冷媒)を庫外熱交換器32に通過させて凝縮させ、その後凝縮器22で凝縮した冷媒と合流させてキャピラリーチューブ23を介して各蒸発器24に送出させている。これにより、凝縮器22及び庫外熱交換器32の両方に並列的に冷媒(圧縮冷媒)が流れることにより凝縮能力が向上し、より多くの熱を放出することが可能になり、この結果、蒸発器24の入口における冷媒温度を低下させることができ、冷却能力の向上を図ることができる。
従って、本実施の形態1である冷媒回路装置によれば、装置全体の大型化を招来することなく、冷却能力の向上を図ることができる。特に、夏季等の自動販売機の周囲温度が高い時期に冷却運転を行う場合に有用である。
また、上記冷媒回路装置によれば、冷却能力は従来のものと同程度に維持する場合には、庫外熱交換器32及び凝縮器22の小型化を図ることができ、これにより装置全体の小型化を図ることができる。
<実施の形態2>
図6は、本発明の実施の形態2である冷媒回路装置を概念的に示す概念図である。尚、上述した実施の形態1である冷媒回路装置と同一の構成を有するものには同一の符号を付して説明する。ここで例示する冷媒回路装置は、冷却専用経路20及び加熱経路30からなり、内部に冷媒(二酸化炭素)が封入された冷媒回路11を備えて構成してある。
冷却専用経路20は、圧縮機21、凝縮器22、キャピラリーチューブ23及び蒸発器24を備えて構成してあり、適宜冷媒配管25にて接続してある。
圧縮機21は、機械室9(図2参照)に配設してある。機械室9は、本体キャビネット1の内部であって商品収容庫3と区画され、かつ商品収容庫3の下方側の室である。この圧縮機21は、吸引口を通じて冷媒を吸引し、吸引した冷媒を圧縮して高温高圧の状態(高温高圧冷媒)にして吐出口より吐出するものである。
凝縮器22は、圧縮機21と同様に機械室9に配設してある。この凝縮器22は、通過する冷媒を凝縮させるものである。より詳細に説明すると、圧縮機21で圧縮され、かつ吐出口から吐出されて冷媒配管25を通じて送出された冷媒を周囲空気と熱交換させて凝縮させるものである。この凝縮器22の近傍には、庫外送風ファンF1が設けてある。
キャピラリーチューブ23は、圧縮機21及び凝縮器22と同様に機械室9に配設してある。このキャピラリーチューブ23は、通過する冷媒を減圧して断熱膨張させるものである。
蒸発器24は、複数(図示の例では3つ)設けてあり、各商品収容庫3の内部低域であって、背面ダクトD(図2参照)の前面側に配設してある。これら蒸発器24とキャピラリーチューブ23とを接続する冷媒配管25は、その途中に配設された分配器26により3つに分岐され、右蒸発器24aの入口側に、中蒸発器24bの入口側に、左蒸発器24cの入口側にそれぞれ接続してある。上記蒸発器24は、通過する冷媒を蒸発させて商品収容庫3の内部空気を冷却するものである。
また、この冷媒配管25においては、分配器26から右蒸発器24a、中蒸発器24b及び左蒸発器24cのそれぞれに至る途中に低圧側電磁弁271,272,273及び膨張機構281,282,283がそれぞれ設けてある。低圧側電磁弁271,272,273は、開閉可能な弁体であり、コントローラから開指令が与えられた場合には開成して冷媒の通過を許容する一方、閉指令が与えられた場合には閉成して冷媒の通過を規制するものである。膨張機構281,282,283は、例えばキャピラリーチューブのようなものであり、通過する冷媒を断熱膨張するためのものである。
中蒸発器24b及び左蒸発器24cの出口側に接続された冷媒配管25は、途中の第1合流点P1で合流し、更に右蒸発器24aの出口側に接続された冷媒配管25は、第2合流点P2で合流して圧縮機21に接続している。
加熱経路30は、庫内熱交換器31及び庫外熱交換器32を有し、これらを放熱配管34で接続するとともに、上記冷却専用経路20に分岐配管33及び戻配管35で接続して構成したものである。
庫内熱交換器31は、左庫3cに配設され、その入口側が分岐配管33に接続されている。分岐配管33は、圧縮機21と凝縮器22との経路の途中の高圧側分岐点に配設された高圧側三方弁40に接続され、庫内熱交換器31の入口に連通するものである。この庫内熱交換器31は、通過する冷媒を凝縮させて、左庫3cの内部空気を加熱するためのものである。また、高圧側三方弁40は、コントローラから指令が与えられることにより開閉する弁体であり、圧縮機21で圧縮された冷媒を、冷媒配管25を通じて凝縮器22、あるいは分岐配管33を通じて庫内熱交換器31のいずれか一方に送出させるものである。
庫外熱交換器32は、放熱配管34を通じて庫内熱交換器31に接続され、その入口が放熱配管34を通じて庫内熱交換器31の出口に連通している。この庫外熱交換器32は、冷却専用経路20を構成する凝縮器22に隣接して配設してあり、通過する冷媒と周囲空気との間で熱交換させて、該冷媒に放熱させるものである。この庫外熱交換器32の出口側には、戻配管35が接続してある。戻配管35は、庫外熱交換器32に接続され、かつ冷却専用経路20を構成する冷媒配管25、すなわち凝縮器22とキャピラリーチューブ23との間の冷媒配管25の第3合流点P3に接続するものである。
以上のような構成を有する冷媒回路11においては、更に内部熱交換器41及び圧縮冷媒供給経路50が設けてある。
内部熱交換器41は、第3合流点P3を通過してキャピラリーチューブ23に向けて流れる冷媒と、蒸発器24を通過して圧縮機21に向けて流れる冷媒との間で熱交換させるものである。
圧縮冷媒供給経路50は、凝縮器22の入口側の冷媒配管25、すなわち高圧側三方弁40から凝縮器22に至る経路(冷媒配管25)の途中で分岐し、庫外熱交換器32の入口側の放熱配管34、すなわち庫内熱交換器31から庫外熱交換器32に至る経路(放熱配管34)に合流する態様で設けた圧縮冷媒供給配管により構成してある。この圧縮冷媒供給配管は、凝縮器22に向けて流れる冷媒の一部を庫外熱交換器32に送出するためのものである。
また、この圧縮冷媒供給経路50の所定個所には、逆止弁52が配設してある。逆止弁52は、冷媒配管25から放熱配管34に向けて冷媒(すなわち、圧縮機21で圧縮された冷媒)が通過することを許容する一方、放熱配管34から冷媒配管25に向けて冷媒が通過することを規制するものである。
以上のような構成を有する冷媒回路装置は、次のようにして商品収容庫3に収容された商品を冷却、あるいは加熱する。
まず、ヒートポンプ運転(本実施の形態2では、左庫3cの内部空気を加熱し、かつ右庫3a及び中庫3bの内部空気を冷却する運転)を行う場合について説明する。この場合、圧縮機21から吐出された冷媒(圧縮冷媒)を分岐配管33に送出するよう高圧側三方弁40の開閉状態を調整し、低圧側電磁弁273を閉成させ、低圧側電磁弁271,272を開成させる。これにより圧縮機21で圧縮された冷媒は、図7に示すように循環する。
すなわち、圧縮機21で圧縮された冷媒は、高圧側三方弁40を介して分岐配管33に進入して庫内熱交換器31に至る。庫内熱交換器31に至った冷媒は、該熱交換器を通過中に、左庫3cの内部空気と熱交換し、該内部空気に放熱して凝縮する。これにより、左庫3cの内部空気を加熱する。加熱された内部空気は、庫内送風ファンF2の駆動により、左庫3cのそれぞれの内部を循環し、これにより左庫3cに収容された商品は、循環する内部空気に加熱される。
庫内熱交換器31で凝縮した冷媒は、放熱配管34を通過して庫外熱交換器32に至り、該庫外熱交換器32で周囲空気に放熱する。ここで、庫内熱交換器31で凝縮した冷媒は、逆止弁52により圧縮冷媒供給経路50を通過することができない。
庫外熱交換器32で放熱した冷媒は、戻配管35を通過した後に第3合流点P3に至る。かかる第3合流点P3で冷却専用経路20に進入した冷媒は、内部熱交換器41を通過した後にキャピラリーチューブ23に至り、キャピラリーチューブ23で断熱膨張する。
キャピラリーチューブ23で断熱膨張して気化した冷媒は、分配器26を経由して開成する低圧側電磁弁271,272を通過して右蒸発器24a及び中蒸発器24bに至り、これら右蒸発器24a及び中蒸発器24bでそれぞれ蒸発して右庫3a及び中庫3bの内部空気から熱を奪い、該内部空気を冷却する。冷却された内部空気は、庫内送風ファンF2の駆動により右庫3a及び中庫3bのそれぞれの内部を循環し、これにより右庫3a及び中庫3bのそれぞれに収容された商品は冷却される。右蒸発器24a及び中蒸発器24bで蒸発した冷媒は、内部熱交換器41を通過した後、圧縮機21に吸引され、圧縮機21に圧縮されて上述した循環を繰り返す。
次に、冷却運転(本実施の形態2ではすべての商品収容庫3の内部空気を冷却する運転)を行う場合について説明する。この場合、圧縮機21から吐出された冷媒(圧縮冷媒)を冷媒配管25に送出するよう高圧側三方弁40の開閉状態を調整し、低圧側電磁弁271,272,273を開成させる。これにより圧縮機21で圧縮された冷媒は、図8に示すように循環する。
すなわち、圧縮機21で圧縮された冷媒は、高圧側三方弁40を介して冷媒配管25に進入する。かかる冷媒配管25に進入して通過する冷媒は、その途中で、一方は凝縮器22に至り、他方は圧縮冷媒供給経路50に進入する。凝縮器22に至った冷媒は、該凝縮器22を通過中に、周囲空気(外気)に放熱して凝縮する。圧縮冷媒供給経路50に進入した冷媒は、逆止弁52を介して該圧縮冷媒供給経路50を通過し、放熱配管34に進入した後、庫外熱交換器32に至り、該庫外熱交換器32で放熱して凝縮する。
庫外熱交換器32で放熱(凝縮)した冷媒は、戻配管35を通過した後に第3合流点P3で、凝縮器22で凝縮した冷媒と合流し、内部熱交換器41を通過した後にキャピラリーチューブ23に至り、キャピラリーチューブ23で断熱膨張する。
キャピラリーチューブ23で断熱膨張して気化した冷媒は、分配器26で3つに分岐され、各膨張機構281,282,283で更に断熱膨張して右蒸発器24a、中蒸発器24b及び左蒸発器24cに至り、各蒸発器24で蒸発して商品収容庫3の内部空気から熱を奪い、該内部空気を冷却する。冷却された内部空気は、各庫内送風ファンF2の駆動により内部を循環し、これにより各商品収容庫3に収容された商品は、循環する内部空気に冷却される。各蒸発器24で蒸発した冷媒は、内部熱交換器41を通過した後、圧縮機21に吸引され、圧縮機21に圧縮されて上述した循環を繰り返す。
このように冷媒回路装置は、冷却運転を行う場合に圧縮機21で圧縮された冷媒の一部を圧縮冷媒供給経路50に導入し、導入した冷媒(圧縮冷媒)を庫外熱交換器32に通過させて凝縮させ、その後凝縮器22で凝縮した冷媒と合流させてキャピラリーチューブ23を介して各蒸発器24に送出させている。これにより、凝縮器22及び庫外熱交換器32の両方に並列的に冷媒(圧縮冷媒)が流れることにより凝縮能力が向上し、より多くの熱を放出することが可能になり、この結果、蒸発器24の入口における冷媒温度を低下させることができ、冷却能力の向上を図ることができる。
従って、本実施の形態2である冷媒回路装置によれば、装置全体の大型化を招来することなく、冷却能力の向上を図ることができる。特に、夏季等の自動販売機の周囲温度が高い時期に冷却運転を行う場合に有用である。
また、上記冷媒回路装置によれば、冷却能力は従来のものと同程度に維持する場合には、庫外熱交換器32及び凝縮器22の小型化を図ることができ、これにより装置全体の小型化を図ることができる。
<実施の形態3>
図9は、本発明の実施の形態3である冷媒回路装置を概念的に示す概念図である。尚、上述した実施の形態1及び2である冷媒回路装置と同一の構成を有するものには同一の符号を付して説明する。ここで例示する冷媒回路装置は、冷却専用経路20及び加熱経路30からなり、内部に冷媒(二酸化炭素)が封入された冷媒回路12を備えて構成してある。
冷却専用経路20は、圧縮機21、凝縮器22、キャピラリーチューブ23及び蒸発器24を備えて構成してあり、適宜冷媒配管25にて接続してある。
圧縮機21は、機械室9(図2参照)に配設してある。機械室9は、本体キャビネット1の内部であって商品収容庫3と区画され、かつ商品収容庫3の下方側の室である。この圧縮機21は、吸引口を通じて冷媒を吸引し、吸引した冷媒を圧縮して高温高圧の状態(高温高圧冷媒)にして吐出口より吐出するものである。
凝縮器22は、圧縮機21と同様に機械室9に配設してある。この凝縮器22は、通過する冷媒を凝縮させるものである。より詳細に説明すると、圧縮機21で圧縮され、かつ吐出口から吐出されて冷媒配管25を通じて送出された冷媒を周囲空気と熱交換させて凝縮させるものである。この凝縮器22の近傍には、庫外送風ファンF1が設けてある。
キャピラリーチューブ23は、圧縮機21及び凝縮器22と同様に機械室9に配設してある。このキャピラリーチューブ23は、通過する冷媒を減圧して断熱膨張させるものである。
蒸発器24は、複数(図示の例では3つ)設けてあり、各商品収容庫3の内部低域であって、背面ダクトD(図2参照)の前面側に配設してある。これら蒸発器24とキャピラリーチューブ23とを接続する冷媒配管25は、その途中に配設された分配器26により3つに分岐され、右蒸発器24aの入口側に、中蒸発器24bの入口側に、左蒸発器24cの入口側にそれぞれ接続してある。上記蒸発器24は、通過する冷媒を蒸発させて商品収容庫3の内部空気を冷却するものである。
また、この冷媒配管25においては、分配器26から右蒸発器24a、中蒸発器24b及び左蒸発器24cのそれぞれに至る途中に低圧側電磁弁271,272,273及び膨張機構281,282,283がそれぞれ設けてある。低圧側電磁弁271,272,273は、開閉可能な弁体であり、コントローラから開指令が与えられた場合には開成して冷媒の通過を許容する一方、閉指令が与えられた場合には閉成して冷媒の通過を規制するものである。膨張機構281,282,283は、例えばキャピラリーチューブのようなものであり、通過する冷媒を断熱膨張するためのものである。
中蒸発器24b及び左蒸発器24cの出口側に接続された冷媒配管25は、途中の第1合流点P1で合流し、更に右蒸発器24aの出口側に接続された冷媒配管25は、第2合流点P2で合流して圧縮機21に接続している。
加熱経路30は、庫内熱交換器31及び庫外熱交換器32を有し、これらを放熱配管34で接続するとともに、上記冷却専用経路20に分岐配管33及び戻配管35で接続して構成したものである。
庫内熱交換器31は、左庫3cに配設され、その入口側が分岐配管33に接続されている。分岐配管33は、圧縮機21と凝縮器22との経路の途中の高圧側分岐点に配設された高圧側三方弁40に接続され、庫内熱交換器31の入口に連通するものである。この庫内熱交換器31は、通過する冷媒を凝縮させて、左庫3cの内部空気を加熱するためのものである。また、高圧側三方弁40は、コントローラから指令が与えられることにより開閉する弁体であり、圧縮機21で圧縮された冷媒を、冷媒配管25を通じて凝縮器22、あるいは分岐配管33を通じて庫内熱交換器31のいずれか一方に送出させるものである。
庫外熱交換器32は、放熱配管34を通じて庫内熱交換器31に接続され、その入口が放熱配管34を通じて庫内熱交換器31の出口に連通している。この庫外熱交換器32は、冷却専用経路20を構成する凝縮器22に隣接して配設してあり、通過する冷媒と周囲空気との間で熱交換させて、該冷媒に放熱させるものである。この庫外熱交換器32の出口側には、戻配管35が接続してある。戻配管35は、庫外熱交換器32に接続され、かつ冷却専用経路20を構成する冷媒配管25、すなわち凝縮器22とキャピラリーチューブ23との間の冷媒配管25の第3合流点P3に接続するものである。
以上のような構成を有する冷媒回路12においては、更に内部熱交換器41及び凝縮冷媒用三方弁60が設けてある。
内部熱交換器41は、第3合流点P3を通過してキャピラリーチューブ23に向けて流れる冷媒と、蒸発器24を通過して圧縮機21に向けて流れる冷媒との間で熱交換させるものである。
凝縮冷媒用三方弁60は、凝縮器22から第3合流点P3に至る経路(冷媒配管25)の途中に配設してある。この凝縮冷媒用三方弁60は、入口側が凝縮器22の出口側に接続された冷媒配管25に接続されており、2つの出口のうち一方側が第3合流点P3に接続された冷媒配管25に接続され、他方側が凝縮冷媒供給経路61を構成する凝縮冷媒供給配管に接続されている。このような凝縮冷媒用三方弁60は、コントローラから指令が与えられることにより開閉する弁体であり、凝縮器22で凝縮された冷媒を、冷媒配管25を通じて第3合流点P3、あるいは凝縮冷媒供給経路61のいずれか一方に送出させるものである。
凝縮冷媒供給経路61は、凝縮冷媒用三方弁60の出口の他方側に接続され、かつ庫外熱交換器32の入口側の放熱配管34、すなわち庫内熱交換器31から庫外熱交換器32に至る経路(放熱配管34)に合流する態様で設けた凝縮冷媒供給配管により構成してある。この凝縮冷媒供給配管は、凝縮器22から第3合流点P3に向けて流れる冷媒(凝縮冷媒)の一部を庫外熱交換器32に送出するためのものである。
以上のような構成を有する冷媒回路装置は、次のようにして商品収容庫3に収容された商品を冷却、あるいは加熱する。
まず、ヒートポンプ運転(本実施の形態3では、左庫3cの内部空気を加熱し、かつ右庫3a及び中庫3bの内部空気を冷却する運転)を行う場合について説明する。この場合、圧縮機21から吐出された冷媒(圧縮冷媒)を分岐配管33に送出するよう高圧側三方弁40の開閉状態を調整するとともに、凝縮冷媒用三方弁60の開閉状態を、凝縮器22の出口側の冷媒配管25と、第3合流点P3に接続された冷媒配管25とが連通するよう調整する。また、低圧側電磁弁273を閉成させ、低圧側電磁弁271,272を開成させる。これにより圧縮機21で圧縮された冷媒は、図10に示すように循環する。
すなわち、圧縮機21で圧縮された冷媒は、高圧側三方弁40を介して分岐配管33に進入して庫内熱交換器31に至る。庫内熱交換器31に至った冷媒は、該熱交換器を通過中に、左庫3cの内部空気と熱交換し、該内部空気に放熱して凝縮する。これにより、左庫3cの内部空気を加熱する。加熱された内部空気は、庫内送風ファンF2の駆動により、左庫3cのそれぞれの内部を循環し、これにより左庫3cに収容された商品は、循環する内部空気に加熱される。
庫内熱交換器31で凝縮した冷媒は、放熱配管34を通過して庫外熱交換器32に至り、該庫外熱交換器32で周囲空気に放熱する。ここで、庫内熱交換器31で凝縮した冷媒は、凝縮冷媒供給経路61に進入しても凝縮冷媒用三方弁60により流れることができず、該凝縮冷媒供給経路61に進入した冷媒は該経路にて滞留することになる。
庫外熱交換器32で放熱した冷媒は、戻配管35を通過した後に第3合流点P3に至る。かかる第3合流点P3で冷却専用経路20に進入した冷媒は、内部熱交換器41を通過した後にキャピラリーチューブ23に至り、キャピラリーチューブ23で断熱膨張する。
キャピラリーチューブ23で断熱膨張して気化した冷媒は、分配器26を経由して開成する低圧側電磁弁271,272を通過して右蒸発器24a及び中蒸発器24bに至り、これら右蒸発器24a及び中蒸発器24bでそれぞれ蒸発して右庫3a及び中庫3bの内部空気から熱を奪い、該内部空気を冷却する。冷却された内部空気は、庫内送風ファンF2の駆動により右庫3a及び中庫3bのそれぞれの内部を循環し、これにより右庫3a及び中庫3bのそれぞれに収容された商品は冷却される。右蒸発器24a及び中蒸発器24bで蒸発した冷媒は、内部熱交換器41を通過した後、圧縮機21に吸引され、圧縮機21に圧縮されて上述した循環を繰り返す。
次に、冷却運転(本実施の形態3ではすべての商品収容庫3の内部空気を冷却する運転)を行う場合について説明する。この場合、圧縮機21から吐出された冷媒(圧縮冷媒)を冷媒配管25に送出するよう高圧側三方弁40の開閉状態を調整するとともに、凝縮冷媒用三方弁60の開閉状態を、凝縮器22の出口側の冷媒配管25と凝縮冷媒供給経路(凝縮冷媒供給配管)61とが連通するよう調整する。また、低圧側電磁弁271,272,273を開成させる。これにより圧縮機21で圧縮された冷媒は、図11に示すように循環する。
すなわち、圧縮機21で圧縮された冷媒は、高圧側三方弁40を介して冷媒配管25に進入する。かかる冷媒配管25に進入して通過する冷媒は、凝縮器22に至る。凝縮器22に至った冷媒は、該凝縮器22を通過中に、周囲空気(外気)に放熱して凝縮する。凝縮器22で凝縮した冷媒は、凝縮冷媒用三方弁60を介して凝縮冷媒供給経路61に進入して通過し、放熱配管34に進入した後、庫外熱交換器32に至り、該庫外熱交換器32で放熱して凝縮する。尚、当該実施の形態3においては、圧縮機21で圧縮された冷媒は、凝縮器22を通過した後にすべて庫外熱交換器32を通過することになる。
庫外熱交換器32で放熱(凝縮)した冷媒は、戻配管35を通過した後に第3合流点P3を通過し、内部熱交換器41を通過した後にキャピラリーチューブ23に至り、キャピラリーチューブ23で断熱膨張する。
キャピラリーチューブ23で断熱膨張して気化した冷媒は、分配器26で3つに分岐され、各膨張機構281,282,283で更に断熱膨張して右蒸発器24a、中蒸発器24b及び左蒸発器24cに至り、各蒸発器24で蒸発して商品収容庫3の内部空気から熱を奪い、該内部空気を冷却する。冷却された内部空気は、各庫内送風ファンF2の駆動により内部を循環し、これにより各商品収容庫3に収容された商品は、循環する内部空気に冷却される。各蒸発器24で蒸発した冷媒は、内部熱交換器41を通過した後、圧縮機21に吸引され、圧縮機21に圧縮されて上述した循環を繰り返す。
このように冷媒回路装置は、冷却運転を行う場合に凝縮器22で凝縮された冷媒を凝縮冷媒供給経路61に導入し、導入した冷媒(凝縮冷媒)を庫外熱交換器32に通過させて凝縮させ、その後キャピラリーチューブ23を介して各蒸発器24に送出させている。これにより、凝縮器22及び庫外熱交換器32の両方に直列的に冷媒が流れることにより凝縮能力が向上し、より多くの熱を放出することが可能になり、この結果、蒸発器24の入口における冷媒温度を低下させることができ、冷却能力の向上を図ることができる。
従って、本実施の形態3である冷媒回路装置によれば、装置全体の大型化を招来することなく、冷却能力の向上を図ることができる。特に、夏季等の自動販売機の周囲温度が高い時期に冷却運転を行う場合に有用である。
また、上記冷媒回路装置によれば、冷却能力は従来のものと同程度に維持する場合には、庫外熱交換器32及び凝縮器22の小型化を図ることができ、これにより装置全体の小型化を図ることができる。
<実施の形態4>
図12は、本発明の実施の形態4である冷媒回路装置を概念的に示す概念図である。尚、上述した実施の形態3の冷媒回路装置と同一の構成を有するものには同一の符号を付してその説明を省略する。
ここで例示する冷媒回路装置の冷媒回路13は、上述した実施の形態3の冷媒回路装置に比して次の点が異なる。すなわち、戻配管35、凝縮冷媒用三方弁60及び第3合流点P3がなく、凝縮器22の出口側の冷媒配管25は、凝縮冷媒供給経路62に連通している。この凝縮冷媒供給経路62は、凝縮器22の出口側の冷媒配管25に接続され、かつ庫外熱交換器32の入口側の放熱配管34、すなわち庫内熱交換器31から庫外熱交換器32に至る経路(放熱配管34)に合流する態様で設けた凝縮冷媒供給配管により構成してある。この凝縮冷媒供給配管は、凝縮器22で凝縮した冷媒(凝縮冷媒)を庫外熱交換器32に送出するためのものである。
以上のような構成を有する冷媒回路装置は、次のようにして商品収容庫3に収容された商品を冷却、あるいは加熱する。
まず、ヒートポンプ運転(本実施の形態4では、左庫3cの内部空気を加熱し、かつ右庫3a及び中庫3bの内部空気を冷却する運転)を行う場合について説明する。この場合、圧縮機21から吐出された冷媒(圧縮冷媒)を分岐配管33に送出するよう高圧側三方弁40の開閉状態を調整し、低圧側電磁弁273を閉成させ、低圧側電磁弁271,272を開成させる。これにより圧縮機21で圧縮された冷媒は、図13に示すように循環する。
すなわち、圧縮機21で圧縮された冷媒は、高圧側三方弁40を介して分岐配管33に進入して庫内熱交換器31に至る。庫内熱交換器31に至った冷媒は、該熱交換器を通過中に、左庫3cの内部空気と熱交換し、該内部空気に放熱して凝縮する。これにより、左庫3cの内部空気を加熱する。加熱された内部空気は、庫内送風ファンF2の駆動により、左庫3cのそれぞれの内部を循環し、これにより左庫3cに収容された商品は、循環する内部空気に加熱される。
庫内熱交換器31で凝縮した冷媒は、放熱配管34を通過して庫外熱交換器32に至り、該庫外熱交換器32で周囲空気に放熱する。庫外熱交換器32で放熱した冷媒は、冷媒配管25を通過した後に内部熱交換器41を通過してキャピラリーチューブ23に至り、キャピラリーチューブ23で断熱膨張する。
キャピラリーチューブ23で断熱膨張して気化した冷媒は、分配器26を経由して開成する低圧側電磁弁271,272を通過して右蒸発器24a及び中蒸発器24bに至り、これら右蒸発器24a及び中蒸発器24bでそれぞれ蒸発して右庫3a及び中庫3bの内部空気から熱を奪い、該内部空気を冷却する。冷却された内部空気は、庫内送風ファンF2の駆動により右庫3a及び中庫3bのそれぞれの内部を循環し、これにより右庫3a及び中庫3bのそれぞれに収容された商品は冷却される。右蒸発器24a及び中蒸発器24bで蒸発した冷媒は、内部熱交換器41を通過した後、圧縮機21に吸引され、圧縮機21に圧縮されて上述した循環を繰り返す。
次に、冷却運転(本実施の形態4ではすべての商品収容庫3の内部空気を冷却する運転)を行う場合について説明する。この場合、圧縮機21から吐出された冷媒(圧縮冷媒)を冷媒配管25に送出するよう高圧側三方弁40の開閉状態を調整し、低圧側電磁弁271,272,273を開成させる。これにより圧縮機21で圧縮された冷媒は、図14に示すように循環する。
すなわち、圧縮機21で圧縮された冷媒は、高圧側三方弁40を介して冷媒配管25に進入する。かかる冷媒配管25に進入して通過する冷媒は、凝縮器22に至る。凝縮器22に至った冷媒は、該凝縮器22を通過中に、周囲空気(外気)に放熱して凝縮する。凝縮器22で凝縮した冷媒は、凝縮冷媒供給経路62に進入して通過し、放熱配管34に進入した後、庫外熱交換器32に至り、該庫外熱交換器32で放熱して凝縮する。尚、当該実施の形態4においては、圧縮機21で圧縮された冷媒は、凝縮器22を通過した後にすべて庫外熱交換器32を通過することになる。
庫外熱交換器32で放熱(凝縮)した冷媒は、冷媒配管25を通過して内部熱交換器41に至り、該内部熱交換器41を通過した後にキャピラリーチューブ23に至り、キャピラリーチューブ23で断熱膨張する。
キャピラリーチューブ23で断熱膨張して気化した冷媒は、分配器26で3つに分岐され、各膨張機構281,282,283で更に断熱膨張して右蒸発器24a、中蒸発器24b及び左蒸発器24cに至り、各蒸発器24で蒸発して商品収容庫3の内部空気から熱を奪い、該内部空気を冷却する。冷却された内部空気は、各庫内送風ファンF2の駆動により内部を循環し、これにより各商品収容庫3に収容された商品は、循環する内部空気に冷却される。各蒸発器24で蒸発した冷媒は、内部熱交換器41を通過した後、圧縮機21に吸引され、圧縮機21に圧縮されて上述した循環を繰り返す。
このように冷媒回路装置は、冷却運転を行う場合に凝縮器22で凝縮された冷媒を凝縮冷媒供給経路62に導入し、導入した冷媒(凝縮冷媒)を庫外熱交換器32に通過させて凝縮させ、その後キャピラリーチューブ23を介して各蒸発器24に送出させている。これにより、凝縮器22及び庫外熱交換器32の両方に直列的に冷媒が流れることにより凝縮能力が向上し、より多くの熱を放出することが可能になり、この結果、蒸発器24の入口における冷媒温度を低下させることができ、冷却能力の向上を図ることができる。
従って、本実施の形態4である冷媒回路装置によれば、装置全体の大型化を招来することなく、冷却能力の向上を図ることができる。特に、夏季等の自動販売機の周囲温度が高い時期に冷却運転を行う場合に有用である。
また、上記冷媒回路装置によれば、冷却能力は従来のものと同程度に維持する場合には、庫外熱交換器32及び凝縮器22の小型化を図ることができ、これにより装置全体の小型化を図ることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態1〜4について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
上述した実施の形態1〜4では、左庫3cにのみ庫内熱交換器31を配設していたが、本発明はこれに限定されず、中庫3b及び左庫3cの内部に庫内熱交換器31を配設し、中庫3b及び左庫3cを冷却加熱庫として利用しても構わない。
また、上述した実施の形態1〜4では、冷媒回路13には二酸化炭素が冷媒として封入されていたが、本発明においては、例えばR134aを冷媒とする冷媒回路装置であっても構わない。