JP2010249085A - 圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮機の異常高圧又は経年変化時のフェイルを圧縮機内部でクローズする圧縮機を提供する。
【解決手段】圧縮機100は、密閉容器10と、密閉容器10内に収納され、吸入された冷媒を圧縮する圧縮機構部16と、密閉容器10内に収納され、圧縮機構部16を駆動する駆動機構部17と、圧縮機構部16で圧縮された高圧状態の冷媒が存在する密閉容器10内の高圧室95と、高圧室95に連通することで高圧室95の一部を構成し、高圧状態の冷媒を密閉容器10の外部に吐出させる吐出側配管13と、高圧室95に形成され、高圧室95を形成している部品の一部を他の部分よりも破壊されやすくした脆弱部90と、を有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、密閉型の圧縮機に関し、特に安全性を向上させた圧縮機に関するものである。
圧縮機の異常高圧が発生した際の対応としては、高圧カット保護装置を冷媒の吐出側に設け、圧縮機を停止させることが一般的になっている。しかしながら、高圧カット保護装置に作動不良や故障が発生した場合、他の装置で圧縮機の異常高圧を検知することができず、異常な高圧状態の冷媒及び冷凍機油が圧縮機から吐出され、圧縮機以外の冷媒吐出流路の途中における冷媒配管等に損傷を与える可能性が高くなることが想定される。そうすると、異常な高圧状態の冷媒及び冷凍機油が外部空間に漏洩するため、危険性が増加することになる。また、圧縮機のシェルが異常高圧に耐えられなくなり、シェルに亀裂などの損傷を与える危険性もある。
このような危険性を解消する安全装置を備えた装置が提案されている。そのようなものとして、「炭酸ガスCO2 冷媒の蒸発潜熱を利用して空気の冷却を行う空調装置において、該空調装置に異常な圧力上昇や圧力変化による繰り返し等による作用を受けたときに、該空調装置に設けた破片等の飛散を防止する脆弱部が破断又は破裂する安全装置を備えた空調装置」が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。この安全装置は、金属配管の一部に薄肉部等の脆弱部を設けることで構成されている。
特開2000−130896号公報(第4頁、第2図)
特許文献1に記載の安全装置は、空調装置の各機器を接続する冷媒配管に設けるようになっている。そして、脆弱部を破断又は破裂させることで、被害を小さくするようにしたものである。しかしながら、冷媒配管が破断又は破裂すれば、冷媒配管の破片が飛散することになり、危険性が完全に排除されたわけではない。また、皮膜を設けることで、冷媒配管の破片の飛散を低減できるが、その破片又は高圧の冷媒によって皮膜が破損することも想定できる。さらに、冷媒が漏洩してしまうことも考慮する必要がある。
加えて、特許文献1に記載のような安全装置は、空調装置の各機器の経年変化を想定していない。特に、空調装置の構成機器である圧縮機は、長年使用されることにより顕著に経年変化することが知られている。つまり、圧縮機が長年使用されることによって圧縮機内部の金属疲労や磨耗等が生じ、圧縮機の故障頻度が多くなるのである。したがって、圧縮機の異常に対する安全対策だけでなく、圧縮機の経年変化による安全対策をも考慮した設計が必要となっている。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、圧縮機の異常高圧又は経年変化時のフェイルを圧縮機内部でクローズする圧縮機を提供することを目的としている。
本発明に係る圧縮機は、密閉容器内に収納され、吸入された冷媒を圧縮する圧縮機構部と、前記密閉容器内に収納され、前記圧縮機構部を駆動する駆動機構部と、前記密閉容器に接続された吸入配管と、前記圧縮機構部で圧縮された高圧状態の冷媒と低圧状態の冷媒を区画する高圧側冷媒室と、前記密閉容器を貫通し、前記高圧側冷媒室に接続され、高圧状態の冷媒ガスを密閉容器外に吐出させる吐出側配管とを有し、前記密閉容器の内側の吐出配管に、前記密閉容器の外側の吐出配管に対して脆弱な部分を形成したことを特徴とする。
本発明に係る圧縮機によれば、圧縮機の異常高圧又は経年変化による圧縮機の異常又は故障等のフェイルを、脆弱部を先に破壊することで圧縮機内部でクローズするので、安全性を著しく向上することができる。
実施の形態1に係る圧縮機の断面構成の一例を示す縦断面図である。 吐出側配管に形成した脆弱部を説明するための説明図である。 実施の形態2に係る圧縮機の断面構成の一例を示す縦断面図である。 配管肉厚の強度計算方法を説明するための説明図である。 金属材料の応力振幅(S)と繰返し数(N)との関係を示すS−N線図である。 X部分を拡大して模式的に示す拡大断面模式図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る圧縮機100の断面構成の一例を示す縦断面図である。図1に基づいて、圧縮機100の構成及び動作について説明する。この圧縮機100は、密閉型のスクロール式圧縮機である場合を例に示しており、たとえば冷蔵庫や冷凍庫、自動販売機、空気調和器、冷凍装置、給湯器等の冷凍サイクル(ヒートポンプサイクル)の構成要素となるものである。なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
この圧縮機100は、冷凍サイクルを循環する冷媒を吸入し、圧縮して高温高圧の状態として吐出させるものである。圧縮機100は、圧縮機構部16と駆動機構部17とに分類できる。この圧縮機構部16及び駆動機構部17は、密閉容器(シェル)10内に収納されている。この密閉容器10は、圧力容器となっている。図1に示すように、圧縮機構部16が密閉容器10の上側に配置され、駆動機構部17が密閉容器10の下側に配置されている。この密閉容器10の底部は、冷凍機油1を貯留する油だめ11となっている。また、密閉容器10には、冷媒ガスを吸入するための吸入側配管12と、冷媒ガスを吐出するための吐出側配管13とが連接されている。密閉容器10内部における吐出側配管13の一部を薄肉化して脆弱部90を形成している(図2で詳細に説明する)。
圧縮機構部16は、吸入側配管12から吸入した冷媒ガスを圧縮して密閉容器10内の吐出空間15に排出する機能を有している。吐出空間15は、圧縮機100内部の上方空間に形成されており、高圧空間となっている。この吐出空間15に排出された冷媒ガスは、吐出空間15に連通している吐出側配管13から圧縮機100の外部に吐出されるようになっている。ここでは、密閉容器10内部の上方空間に高圧室形成部材15aを設置し、高圧室となる吐出空間15を形成するようにしている。この高圧室形成部材15aは、吐出ポート63から吐出された所定量の高圧状態冷媒を密閉するように構成されている。つまり、高圧室形成部材15aにより、圧縮機構部16で圧縮された高圧状態の冷媒と低圧状態の冷媒を区画し、吐出空間15が高圧側冷媒室として作用するのである。
圧縮機構部16は、旋回スクロール50と、固定スクロール60と、フレーム70とで概略構成されている。図1に示すように、旋回スクロール50は下側に、固定スクロール60は上側に配置されるようになっている。固定スクロール60には、一方の面に立設された渦巻状突起であるラップ部62が形成されている。また、旋回スクロール50にも、一方の面に立設された渦巻状突起であるラップ部52が形成されている。旋回スクロール50及び固定スクロール60は、ラップ部52とラップ部62とを互いに噛み合わせ、密閉容器10内に装着されている。そして、ラップ部52とラップ部62との間には、相対的に容積が変化する圧縮室18が形成される。
固定スクロール60は、フレーム70に図示省略のボルト等によって固定されている。固定スクロール60の中央部には、圧縮され、高圧となった冷媒ガスを吐出する吐出ポート63が形成されている。そして、圧縮され、高圧となった冷媒ガスは、固定スクロール60の上部に設けられている吐出空間15に排出されるようになっている。旋回スクロール50は、固定スクロール60に対して自転運動することなく公転旋回運動を行うようになっている。また、旋回スクロール50のラップ部52形成面とは反対側の面(以下、スラスト面55と称する)の略中心部には、中空円筒形状の旋回スクロールボス部53が形成されている。この旋回スクロールボス部53には、後述するクランクシャフト40の上端に設けられた偏心ピン部41が嵌入(係合)されているのである。
フレーム70は、密閉容器10の内周面に固着され、中心部にクランクシャフト40を貫通させるため貫通孔が形成されている。また、フレーム70には、旋回スクロール50のスラスト面55側から軸方向下側に貫通する排油穴71が形成されており、スラスト面55を潤滑した冷凍機油1を油だめ11に戻すようになっている。図1では、排油穴71が1つだけ形成されている場合を例に示しているが、これに限定するものではない。たとえば、排油穴71を2つ以上形成してもよい。なお、フレーム70は、その外周面を焼き嵌めや溶接等によって密閉容器10の内周面に固定するとよい。
駆動機構部17は、圧縮機構部16の旋回スクロール50を駆動する機能を果たすようになっている。つまり、駆動機構部17がクランクシャフト40を介して旋回スクロール50を駆動することによって、圧縮機構部16で冷媒ガスを圧縮するようになっている。駆動機構部17は、クランクシャフト40に固定されたロータ19と、密閉容器10に収容され、固着保持された固定子20と、駆動軸であるクランクシャフト40とで構成されている。ロータ19は、クランクシャフト40に固定され、固定子20への通電が開始することにより回転駆動し、クランクシャフト40を回転させるようになっている。また、固定子20の外周面は焼き嵌め等により密閉容器10に固着支持されている。すなわち、ロータ19及び固定子20でモータを構成しているのである。
クランクシャフト40は、作用するガス荷重に対し、許容撓み量を確保できる剛性をもち、切削性が良好であって、低コスト化できる材料を選定して構成するとよい。クランクシャフト40の上端部は、旋回スクロール50の旋回スクロールボス部53と回転自在に嵌合する偏心ピン部41が形成されている。また、クランクシャフト40の内部には、上端面まで連通している給油流路42が形成されている。この給油流路42は、油だめ11に貯留してある冷凍機油1の流路となるものである。油だめ11に溜まっている冷凍機油1は、クランクシャフト40の回転に伴い、冷凍機油1を吸い上げて給油流路42を流れて圧縮機構部16に給油されるようになっている。
旋回スクロール50と固定スクロール60との間には、旋回スクロール50の偏心旋回運動中における自転運動を阻止するためのオルダムリング80が配設されている。このオルダムリング80は、旋回スクロール50と固定スクロール60との間に配設され、旋回スクロール50の自転運動を阻止するとともに、公転運動を可能とする機能を果たすようになっている。つまり、オルダムリング80は、旋回スクロール50の自転防止機構として機能している。
ここで、圧縮機100の動作について簡単に説明する。
モータを構成するロータ19は、固定子20が発生する回転磁界からの回転力を受けて回転する。それに伴って、ロータ19に固定されたクランクシャフト40が回転駆動する。旋回スクロール50は、クランクシャフト40の偏心ピン部41に係合されており、旋回スクロール50の自転回転運動がオルダムリング80の自転防止機構によって公転旋回運動に変換される。このクランクシャフト40の回転駆動によって、密閉容器10内の冷媒ガスが固定スクロール60のラップ部62と旋回スクロール50のラップ部52とにより形成される圧縮室18内へ流れ、吸入過程が開始する。
圧縮室18内に冷媒ガスが吸入されると、偏心させられた旋回スクロール50の公転旋回運動で、圧縮室18の容積を減少させる圧縮過程へと移行する。つまり、圧縮機構部16では、旋回スクロール50が公転旋回運動すると、冷媒ガスが吸入口となる旋回スクロール50のラップ部52及び固定スクロール60のラップ部62の最外周開口部から取り込まれて、旋回スクロール50の回転とともに徐々に圧縮されながら中心部に向かうようになっている。なお、冷凍サイクルを循環してきた低圧状態の冷媒は、吸入側配管12から密閉容器10内に流入するようになっている。
そして、圧縮室18で圧縮された冷媒ガスは、吐出過程に移行する。つまり、冷媒ガスは、固定スクロール60の吐出ポート63を通過し、吐出空間15を経由してから圧縮機100の外部へと吐出されるのである。圧縮機100の吐出側配管13から吐出された冷媒は、高温高圧の状態となって、冷凍サイクルを構成する凝縮器に流入するようになっている。その後、固定子20への通電を停止すると圧縮機100は停止する。
図2は、吐出側配管13に形成した脆弱部90を説明するための説明図である。図2に基づいて、脆弱部90について詳細に説明する。また、図2(a)が圧縮機100の断面構成を模式的に示す断面模式図であり、図2(b)が図2(a)に示したX部分を拡大して模式的に示す拡大断面模式図である。ここでは、吐出側配管13の一部に、吐出側配管13に予め定められている耐圧以下とした脆弱部90を形成している状態を例に示している。
図2(a)に示すように、吸入側配管12に連通している密閉容器10内部は低圧空間(以下、低圧室96と称する)となっており、圧縮機構部16から吐出された冷媒が導通する密閉容器10内部は高圧空間となっている。図1及び図2に示すように、実施の形態1に係る圧縮機100は、高圧室形成部材15aを設置して高圧室となる吐出空間15を形成し、吐出側配管13を高圧室形成部材15aに挿通させ吐出空間15と連通させることで、高圧状態の冷媒を吐出するようになっている。
圧縮機100での高圧状態が異常に上昇した場合、異常な高温状態の冷媒及び冷凍機油1が吐出され、冷媒配管あるいは圧縮機100以外の機器(たとえば、熱交換器や膨張弁等)が破壊される可能性がある。
そこで、この実施の形態1に係る圧縮機100では、吐出側配管13に脆弱部90を設け、圧縮機100の異常及び故障に備えるようにしている。脆弱部90は、圧縮機100内部における吐出側配管13の一部をリング状に薄肉化し、吐出側配管13に予め定められている耐圧以下とすることで構成されている。具体的には、図2(b)に示すように吐出側配管13の全体的な肉厚t1 に比べて、薄肉化した部分の肉厚t2 を薄くしている。吐出配管13の内部に圧力Pが作用した場合、吐出側配管13の脆弱部以外の部分に発生する応力をσ0 とすると、σ0 =(D1 ×P)/2t1 と簡易的に表現できる。ここで、D1 はt1 部分の配管外径を示している。
通常、吐出側配管13については、安全率が4倍程度、つまり吐出側配管13の脆弱部以外の許容引っ張り強度をσ1 とすると、σ1 ≧4×σ0 となるように設計されている。そこで、脆弱部90の肉厚t2 をt1 より薄くすることで、脆弱部90が先に破壊されるようにしている。たとえば、吐出側配管13の脆弱部の許容引っ張り強度をσ2 とし、σ1 ≧2×σ2 となるように配管肉厚を設定するとよい。前述の通り、吐出側配管13は通常の吐出圧力に対し4倍の余裕を有しているので内部の脆弱部90は通常の吐出出力に対し2倍の余裕を有することになり、通常運転時は配管が破裂しない。一方、異常昇圧が発生した場合は、内部の脆弱部90に発生する応力が2倍以上になるため、材料強度のばらつきや加工精度のばらつきによらず、確実に内部の脆弱部90が破壊し、高圧部分と低圧部分が圧縮機100の内部で連通し、高圧ガスが低圧部に流れるので異常な高圧上昇を防止できる。
このように、吐出側配管13に脆弱部90を形成しておけば、圧縮機100で異常高圧が発生しても、先に脆弱部90が破壊されることになり、配管破片が圧縮機100の外部に飛散することなく、また冷媒も圧縮機100の外部に漏洩することがない。すなわち、圧縮機100の異常高圧時のフェイルを圧縮機100内部でクローズすることができるのである。加えて、圧縮機100が長年使用され、圧縮機100の内部部品が経年劣化し、圧縮機100が故障したとしても、圧縮機100の故障時のフェイルを圧縮機100内部でクローズすることができるので、安全対策として有効な手段になる。
なお、実施の形態1では、圧縮機100内部における吐出側配管13の一部を薄肉化することで脆弱部90を構成した場合を例に説明したが、圧縮機100内部における吐出側配管13の一部の材質強度を、吐出側配管13の他の部分の材質強度よりも小さく設定することで脆弱部90としてもよい。また、圧縮機100内部における吐出側配管13の一部をリング状に薄肉化して脆弱部90を構成した場合を例に説明したが、これに限定するものではなく、圧縮機100内部における吐出側配管13の一部を断片的に薄肉化することで脆弱部90を構成してもよい。補足として、外部配管(密閉容器10の外側の吐出側配管13)に用いる材質の許容引っ張り強度をσout 、内圧作用時の外部配管発生応力をσ1 とし、内部配管(密閉容器10の内側の吐出側配管13)に用いる材質の許容引っ張り強度をσin、内圧作用時の内部配管発生応力をσ2 としたとき、前述の通り、σout /σ1 ≧4となるように通常設計されるため、σin/σ2 ≦(σout /σ1 )/2となるよう設計するとよい。
さらに、脆弱部90を吐出側配管13の一部ではなく、高圧室となる吐出空間15を形成している高圧室形成部材15aの一部を、高圧室形成部材15aに予め定められている耐圧以下として脆弱部としてもよい。この場合、高圧室形成部材15aの一部を薄肉化したり、高圧室形成部材15aの一部の材質強度を、高圧室形成部材15aの他の部分の材質強度よりも小さく設定したりすることで脆弱部とすればよい。また、薄肉化する場合の厚み設定は、吐出側配管13の一部を薄肉化する場合と同様である。
ここで、配管肉厚の強度計算方法について更に具体的に説明する。図4は、配管肉厚の強度計算方法を説明するための説明図である。図5は、金属材料の応力振幅(S)と繰返し数(N)との関係を示すS−N線図である。図6は、X部分を拡大して模式的に示す拡大断面模式図である。図4において、t0 が配管肉厚を、D0 が配管外径を、Pが配管内部圧力を、それぞれ表している。また、σ0 が発生応力を表している。図5では、横軸が金属材料の繰返し数(N)を、縦軸が金属材料の応力振幅(S)を、それぞれ示している。
均一な厚みの配管内部に圧力Pが発生した場合、配管に発生する応力は、一般的にt0 =(P×D0 )/2σ0 と表記することができる。圧力容器10に使用する配管肉厚(吐出側配管13の肉厚)を選定する際は、冷凍保安規則関係例示基準に順ずるのが一般的である。この例示基準における破壊試験では、設計圧力の4倍未満の破壊圧力で破壊しないことが合格判定基準となっている。そのため、通常、t0 ≧4×(P×D0 )/2σyを満たすような配管肉厚を選定する。つまり、選定した肉厚寸法は、発生応力に対し、約4倍の裕度を持ったものとなっているといえる。
一方、長年使用されるような環境下では、吐出側配管13に作用する内部圧力Pが大きく変動することで繰返し応力が発生するため、吐出側配管13の材料の疲労強度を考慮した配管材料の選定が要求される。冷凍保安規則関係例示基準における「内面に圧力を受ける管」の最小厚さの計算式では、t=(P×D0 )/(2ση+0.8P)と表記している。ここで、tが管の最小厚さを、Pが設計圧力を、D0 が管の外径を、σが材料の許容引張り応力を、ηが溶接継手の効率を、それぞれ表している。
吐出側配管13に継目無管を使用した場合はη=1であり、t=(P×D0 )/(2σ+0.8P)≒(P×D0 )/2σとなる。また、冷凍保安規則関係例示基準別表では、銅・アルミなどの展伸材や炭素鋼・合金鋼などの鋼材の最小引張り強さσyと許容引張り応力σは、σ≒σy/4としている。そのため、上記の最小厚さの計算式は、t≒4×(P×D0 )/2σyと置き換えることができる。つまり、疲労強度を考慮した場合も、前述と同じ肉厚選定となっている。
以上より、圧力容器(ここでは密閉容器10)の配管肉厚選定(ここでは吐出側配管13)における肉厚設定は、最小引張り強さの約4倍としているため、それ以下の肉厚となる薄肉部(ここでは脆弱部90)を設ければ、配管の強度不足による配管破損が生じた場合でも先に薄肉部が破損するようにできる。また、薄肉部を高圧配管に設けられない場合には、高圧室形成部材15aに薄肉部を設けることで、配管に薄肉部を設けた場合と同様の効果を得ることができる。
しかしながら、実機においては材料強度や加工寸法にばらつきが必ず生じるため、設計肉厚と薄肉部の肉厚との比率によっては、薄肉部が先に破損しない場合も想定することができる。そこで、ばらつきを考慮した薄肉部の肉厚設定が必要となる。
金属材料の高サイクル疲労強度のばらつきは、過去の文献や疲労試験などから正規分布にならうとされており、図5に示すS−N線図におけるばらつきの指標である標準偏差σは、σ=7%〜10%とするのが一般的である。正規分布によるばらつき中央品の疲労限σbに対するばらつき下限品の疲労限の割合は、仮にσ=7%〜10%、発生確率100万分の1とした場合でも、約0.67〜0.53である。
以上より、金属材料の疲労限のばらつきを考慮して、配管に設けた薄肉部を先に破損させるためには、図2(b)における配管肉厚と薄肉部の肉厚との関係をt1 ≧2×t2 程度に設定すればよいと考えられる。
また、脆弱部90を材料強度の異なる材料で構成する場合においても、前述と同様にt×σ≒4×(P×D0 )が成立する。図6において、吐出側配管13に設けた脆弱部90を先に破損させるためには、前述した疲労強度を考慮して、材料強度σ1 で構成された配管の肉厚t1 と、材料強度σ2 で構成された脆弱部90の肉厚t2 との関係を、t1 ×σ1 ≧2×t2 ×σ2 程度に設定すればよいと考えられる。
たとえば、肉厚t1 側の材料を鉄、肉厚を5mmとし、肉厚t2 側の材料を銅で構成したとする。仮に、鉄の引張り強度σ1 =400MPa、銅の引張り強度σ2 =200MPaとすると、t2 の肉厚は上式より、5×400≧2×t2 ×200、つまり5≧t2 となるため、5mm以下に設定すればよいということになる。
実施の形態2.
図3は、本発明の実施の形態2に係る圧縮機100aの断面構成の一例を示す縦断面図である。図3に基づいて、実施の形態2の特徴部分である脆弱部90aについて詳細に説明する。この圧縮機100aは、実施の形態1に係る圧縮機100と同様に密閉型のスクロール式圧縮機である場合を例に示しており、たとえば冷蔵庫や冷凍庫、自動販売機、空気調和器、冷凍装置、給湯器等の冷凍サイクルの構成要素となるものである。なお、実施の形態2では実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。
この実施の形態2に係る圧縮機100aでは、脆弱部90aの構成が、実施の形態1に係る圧縮機100の脆弱部90の構成と相違している。脆弱部90aは、吐出側配管13の端部を薄肉化して吐出側配管13と高圧室形成部材15aとの間に形成した隙間91と、その隙間91に配置され、高圧室となる吐出空間15と低圧室96との差圧をシールするシール材92と、で構成されている。このシール材92は、吐出空間15の圧力が所定圧力以上となったときに破壊されるような材料で構成されている。なお、隙間91が吐出側配管13の端部を薄肉化して構成した場合を例に説明したが、吐出側配管13ではなく、高圧室形成部材15aを薄肉化して構成してもよい。
このように、圧縮機100aの内部に脆弱部90aを形成しておけば、圧縮機100aで異常高圧が発生しても、脆弱部90a(詳しくはシール材92)を先に破壊又は変形されることになり、吐出側配管13の破裂を防止することができ、また冷媒も圧縮機100aの外部に漏洩することがない。すなわち、圧縮機100aの異常高圧時のフェイルを圧縮機100a内部でクローズすることができるのである。加えて、圧縮機100aが長年使用され、圧縮機100aの内部部品が経年劣化し、圧縮機100aが故障したとしても、圧縮機100aの故障時のフェイルを圧縮機100a内部でクローズすることができるので、安全対策として有効な手段になる。
1 冷凍機油、10 密閉容器、12 吸入側配管、13 吐出側配管、15 吐出空間、15a 高圧室形成部材、16 圧縮機構部、17 駆動機構部、18 圧縮室、19 ロータ、20 固定子、40 クランクシャフト、41 偏心ピン部、42 給油流路、50 旋回スクロール、52 ラップ部、53 旋回スクロールボス部、55 スラスト面、60 固定スクロール、62 ラップ部、63 吐出ポート、70 フレーム、71 排油穴、80 オルダムリング、90 脆弱部、90a 脆弱部、91 隙間、92 シール材、96 低圧室、100 圧縮機、100a 圧縮機。

Claims (5)

  1. 密閉容器内に収納され、吸入された冷媒を圧縮する圧縮機構部と、
    前記密閉容器内に収納され、前記圧縮機構部を駆動する駆動機構部と、
    前記密閉容器に接続された吸入配管と、
    前記圧縮機構部で圧縮された高圧状態の冷媒と低圧状態の冷媒を区画する高圧側冷媒室と、
    前記密閉容器を貫通し、前記高圧側冷媒室に接続され、高圧状態の冷媒ガスを密閉容器外に吐出させる吐出側配管とを有し、
    前記密閉容器の内側の吐出配管に、前記密閉容器の外側の吐出配管に対して脆弱な部分を形成した
    ことを特徴とする圧縮機。
  2. 前記密閉容器の内側の吐出配管の肉厚を、前記密閉容器の外側の吐出配管の肉厚に対し薄くすることで脆弱部を形成した
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記脆弱部は、
    前記密閉容器の内側の吐出配管の肉厚を、前記密閉容器の外側の配管の肉厚に対し1/2未満に設定したことで形成される
    ことを特徴とする請求項2に記載の圧縮機。
  4. 前記密閉容器の内側の吐出配管の材料強度を、前記密閉容器の外側の吐出配管の材質強度よりも弱い材料を用いた
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  5. 前記密閉容器内側の吐出配管材料の引っ張り強度を、前記密閉容器の外側の吐出配管材質の引っ張り強度に対し1/2未満の材料で構成した
    ことを特徴とする請求項4に記載の圧縮機。
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