JP2010248502A - ニードルコークス製造用石炭系原料油並びにその製造方法及びニードルコークスの製造方法 - Google Patents

ニードルコークス製造用石炭系原料油並びにその製造方法及びニードルコークスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 より簡便で効率よく、且つ熱膨張係数の小さいニードルコークスを製造するための石炭系原料油並びにその製造方法、及びそのニードルコークスの製造方法を提供する
【解決手段】 ニードルコークス製造用石炭系原料油であって、該石炭系原料油中のキノリン可溶トルエン不溶分(以下、「β」と記す)に対するキノリン可溶ニトロベンゼン不溶分(以下、「β」と記す)の比(以下、「β/β」と記す)、βに対するニトロベンゼン可溶モルホリン不溶分(以下、「β」と記す)の比(以下、「β/β」と記す)、及びβに対するモルホリン可溶クロロホルム不溶分(以下、「β」と記す)の比(以下、「β/β」と記す)が、それぞれ0.00〜0.10:0.10〜0.40:0.30〜0.40 であるニードルコークス製造用石炭系原料油。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ニードルコークス製造用石炭系原料油並びにその製造方法及びニードルコークスの製造方法に関するものである。
人造黒鉛電極は電極使用条件の過酷化に伴い、機械的強度および耐熱衝撃性に優れている事が要求されている。この人造黒鉛電極の製造には熱膨張係数の小さいニードルコークスが必要であり、特に熱膨張係数の低い石炭系ニードルコークスは好まれている。石炭系原料油を用いて熱膨張係数の低いニードルコークスを製造するにあたり、石炭系原料油の特性として、キノリン不溶分(以下、「Qi」と略記することがある)、トルエン不溶キノリン可溶分(以下、「β」と記す。)が注目されてきた。Qiが含まれていると、コークス化の過程で結晶成長が不十分となりニードルコークスは得られない。また、石炭系原料油中のβが多いほど熱膨張係数の低くなることが広く知られている。これらの成分を調整するためのニードルコークス製造用石炭系原料油の改質方法の一つとして熱処理を用いた改質方法が挙げられる。
熱処理を用いた改質方法としては、例えば、コールタール及びコールタールピッチを圧力常圧〜20kg/cm2、温度300〜500℃,0.5〜50時間熱処理した後、1次キノリン不溶分及び2次キノリン不溶分を遠心分離法により除去する方法(特許文献1)や、Qiが1〜8重
量%、βが4〜12重量%であるピッチ類を、Qi及びβの増加量が0〜5重量%及び2〜15
重量%となるように熱処理した後、Qi及び一部のβを除去する方法(特許文献2)などが
知られている。
しかし、これらの方法では、加熱処理用の工程が増え、反応槽や加熱炉などの多大な設備が必要であり、しかも、これらの設備を用いて加熱処理を比較的高温で長い時間かけて行い、Qiやβを増加させるため、Qiやβの一部を除去する工程で、それらを十分に除去できない場合は、製造されたニードルコークスは、結果として、熱膨張係数が高くなるという問題があった。
また、石炭系原料油中の成分を示す指標としては、一般的には、Qiやβという指標が用いられる。これらはコールタールやコールタールピッチの有機溶剤に対する溶解度の違いを利用して、不溶分を定量し、重質度の目安とするものであるが、非特許文献1には、他の有機溶剤に対する溶解度、例えば、ニトロベンゼンやモルホリン、クロロホルム、アセトン、酢酸メチル等の溶剤に対する溶解度が示されている。しかし、これらの溶剤に対する不溶分差量を、ニードルコークスを製造する際に用いる原料となるコールタールやコールタールピッチの評価指標に使用することは示されていない。
特開昭60−49084号公報 特開平8−27467号公報
Energy & Fuels., 1991,5,p188-192
本発明の課題は、石炭系原料油を使用してニードルコークスを製造するにあたり、より簡便で効率よく、且つ熱膨張係数の小さいニードルコークスを製造するための石炭系原料油並びにその製造方法、及びそのニードルコークスの製造方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、β成分の中でもある特定の成分が、ニードルコークスの熱膨張係数と相関があることに着目し、その特定成分を調整することで、効率よく、簡便に熱膨張係数の低いニードルコークスを製造できることを見出し、本願発明を完成するに至った。即ち、本発明の要旨は下記[1]〜[3]に存する。
[1] ニードルコークス製造用石炭系原料油であって、該石炭系原料油中のキノリン可溶トルエン不溶分(以下、「β」と記す)に対するキノリン可溶ニトロベンゼン不溶分(以下、「β」と記す)の比(以下、「β/β」と記す)、βに対するニトロベンゼン可溶モルホリン不溶分(以下、「β」と記す)の比(以下、「β/β」と記す)、及びβに対するモルホリン可溶クロロホルム不溶分(以下、「β」と記す)の比(以下、「β/β」と記す)が、それぞれ0.00〜0.10:0.10〜0.40:0.30〜0.40 であるニードルコークス製造用石炭系原料油。
[2] キノリン不溶分が0〜10重量%、βが1〜10重量%であるコールタールを用いて、ニードルコークス製造用石炭系原料油を製造するにあたり、該石炭系原料油中のβ/β、β/β、及びβ/βが、それぞれ0.00〜0.10:0.10〜0.40:0.30〜0.40となるよ
うに該コールタールを加熱処理することを特徴とするニードルコークス製造用石炭系原料油の製造方法。
[3] キノリン可溶トルエン不溶分(β)に対するキノリン可溶ニトロベンゼン不溶分(β)の比(β/β)、キノリン可溶トルエン不溶分(β)に対するニトロベンゼン可溶モルホリン不溶分(β)の比(β/β)、及びキノリン可溶トルエン不溶分(β)に対するモルホリン可溶クロロホルム不溶分(β)の比(β/β)が、それぞれ0.00〜0.10:0.10〜0.40:0.30〜0.40である石炭系原料油をコークス化することを特徴とするニードルコークスの製造法。
以下、本発明を詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はこれらの内容に限定されない。以下、その詳細について説明する。
ニードルコークスの製造に用いる原料油としては、一般的に、石油精製の際に発生する、石油系重質油と、製鉄用コークスを製造する際に発生するコールタールを出発原料とする石炭系原料油が挙げられる。これらのうち、本発明では、石炭系原料油を用いる。本発明で使用するニードルコークス製造用石炭系原料油は、コールタール、又はコールタールピッチを出発原料として用いることが好ましい。通常、これらのコールタール、又はコールタールピッチを出発原料とした石炭系原料油には、軽質のオイル成分が含まれており、有用成分を取り出すとともに生産性を上げるため蒸留操作を行い、精製されたコールタール又はコールタールピッチとして取り出す。
このときに使用する出発原料であるコールタール又はコールタールピッチは、Qiが0.0〜10.0重量%、好ましくは1.0〜8.0重量%、より好ましくは2.0〜6.0重量%で、βが1.0〜15.0重量%、好ましくは2.0〜10.0重量%、より好ましくは3.0〜8.0重量%のものであれば、特に制限はない。なお、本発明におけるQi及びβは、後述する測定方法により求めることができる。
また、コールタール又はコールタールピッチを蒸留する際は、圧力0.0〜0.1MP
a、好ましくは0.01〜0.05MPaで、温度320〜360℃、好ましくは330〜350℃の条件下で、加熱炉から蒸留塔出口までの滞留時間は5分〜1時間、好ましくは10分〜40分である。
この蒸留操作後の、コールタールピッチ中のQiは0.0〜15.0重量%、好ましくは1.0〜10.0重量%で、βは1.0〜15.0重量%、好ましくは4.0〜10.0重量%である。
本発明におけるコールタール、コールタールピッチにはキノリン不溶分(Qi)と呼ばれる重質分が含まれる。ニードルコークスを製造する際に用いられる原料油に、Qiが含まれているとコークス化の過程で結晶成長が不十分となり、品質の良くないニードルコークスとなるため、コークス化する前に予めコールタール又はコールタールピッチからQiを除去することが好ましい。
本発明において、Qiを除去する処理方法としては、特に限定されないが、遠心分離法、重量沈降法、濾過法など公知の方法を採用することができるが、残存Qiを少なくするため、濾過法または重量沈降法によりQiを除去することが好ましい。また、この場合、各操作を容易にするために必要に応じて適宜の溶媒を使用してもよい。濾過法によりQiを除去する際は、圧力0.05〜1.0MPa、好ましくは0.1〜0.5MPaで、温度20〜200℃、好ましくは50〜150℃の条件下でおこなう。また、濾過に使用するフィルターの目開きは3ミクロン以下が望ましい。
重量沈降法によりQiを除去する場合は、温度20〜350℃、好ましくは150〜300℃、静置時間10分から10時間、好ましくは30分〜6時間の条件下で行う。
このようにして、Qiを除去処理した後のニードルコークス製造用石炭系原料油に含まれるQiは0.1重量%以下、好ましくは0.01重量%以下である。また、Qi除去操作後の
ニードルコークス製造用石炭系原料油に含まれるβは、1.0〜15.0重量%であり、好ましくは4.0〜10.0重量%である。
さらに、本発明では、このQi除去操作後のニードルコークス製造用石炭系原料油中のβに対するキノリン可溶ニトロベンゼン不溶分(β)の比(β/β)、キノリン可溶トルエン不溶分(β)に対するニトロベンゼン可溶モルホリン不溶分(β)の比(β/β)、及びキノリン可溶トルエン不溶分(β)に対するモルホリン可溶クロロホルム不溶分(β)の比(β/β)をある特定の範囲とすることで、熱膨張係数の低いニードルコークスが製造できる。なお、本発明におけるβ、β、及びβは後述する測定方法により求めることができる。
本発明では、ニードルコークス製造用石炭系原料油中のβ/βは0.00〜0.10、好ましくは0.01〜0.08、更に好ましくは0.03から0.06であり、β/βは0.10〜0.40、好ましくは0.20〜0.35、更に好ましくは0.25〜0.30であり、β/βは0.30〜0.40、好ましくは0.33〜0.39であることを特徴とする。β/βやβ/βの比率が多いとコークス化の過程での結晶成長が不十分となる傾向があり、結果としてニードルコークスの熱膨張係数が大きくなる。β/βの比率が多いと、コークス化の過程で重合が進みやすく、結晶が十分成長し、コークス組織が針状構造になる傾向となり、ニードルコークスの熱膨張係数が小さくなる。
これらの各成分の比率(β/β、β/β、及びβ/β)を調整する方法としては、上述のコールタール又はコールタールピッチを蒸留する際の温度や圧力や時間などの諸条件の変更、熱処理、水素添加処理、又はQi除去操作時の温度、圧力、溶媒量などの諸条件の変更、及びこれらの組み合わせによって達成できる。
β/βを調整するには、例えば、重量沈降法によるQi除去操作時の温度を上げれば、
数値は増加する傾向にあり、重量沈降法によるQi除去操作時の温度を下げれば、数値は減少する傾向にある。β/βを調整するには、例えば、350〜400℃、5時間のように比較的高温で、比較的長時間の熱処理とすれば、数値は増加する傾向になる。β/βを調整するには、例えば、コールタール蒸留の温度を上げる軽い熱処理をすれば、数値は増加する傾向になる。例えば、コールタールの蒸留は、加熱炉で所定温度に加熱されたコールタールを蒸留塔に装入して行われるが、この温度を上げると、コールタールピッチは低温短時間の熱処理を受け、前述の成分比率(β/β、β/β、及びβ/β)が変わる。従来のコールタールピッチの熱処理は、通常、処理時間1〜10時間、処理温度400℃程度で行われる。本発明では、蒸留温度の変更は、加熱炉から配管、蒸留塔を通過する極めて短時間である。処理時間5分〜1時間、好ましくは、10〜40分、であり、処理温度は330〜370℃、好ましくは、340〜360℃である。蒸留温度を10℃程度上げることにより、低温短時間の熱処理を受け、コールタールピッチは重質化し、結果として、β3/βの割合が増加する傾向にある。
上記のようにして得られた原料油は、通常のニードルコークス製造法によりコークス化されニードルコークスが製造される。すなわち、ディレードコーカーに原料油を装入して生コークスを得、次いでか焼してニードルコークスを得る。得られたニードルコークスは所定の割合に粒度配合され加熱混合しながらバインダーピッチを適当量添加捏合後、押し出し成形して生電極が製造される。この生電極を焼成、黒鉛化した後、加工して製品である黒鉛電極を製造することができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、本発明でのニードルコークス製造用石炭系原料油中のQi、β、β、β、及びβは以下の測定方法により測定した。
<Qi、β、β、β、及びβの測定方法>
溶媒として、キノリン(純度95.0%以上、和光純薬工業社製)、ニトロベンゼン(純度99.5%以上、和光純薬工業社製)、モルホリン(純度98.0%以上、和光純薬工業社製)、クロロホルム(純度99.0%以上、和光純薬工業社製)、及びトルエン(純度99.5%以上、和光純薬工業社製)を用意し、これら、各溶媒に対するニードルコークス製造用石炭系原料油中の不溶分について、以下の(1)〜(6)の手順によって測定した。
(1)試料(コールタール、またはコールタールピッチ)2.0gをフラスコにとり、精秤する。(W1)
(2) 試料の入ったフラスコに上記測定溶媒(例えばキノリン)を100mlを注ぎ、冷却
器を取り付け、110℃のオイルバスに入れる。(クロロホルムは80℃、トルエンは130℃にする。)液を攪拌しながら30分間加熱し、溶解させる。
(3)あらかじめ精秤しておいた濾紙(W2)を濾過器に取り付ける。(2)の溶液を濾過器に注ぎ、吸引濾過をする。濾過残渣に60℃で加温しておいた測定溶媒100mlを注ぎ溶解
・洗浄する。この操作を4回繰り返す
(4)濾過残渣の乗った濾紙を110℃の乾燥器に60分間入れ乾燥させる。
(5)濾過残渣の乗った濾紙を乾燥器から取り出し、デシケータ-内で30分放冷した後
、その重量を精秤する(W3)。
(6)溶媒不溶分を以下の式により計算する。
溶剤不溶分(重量%)=(溶解後残渣重量/試料重量)×100
=((W3−W2)/W1)×100
測定溶媒を上記のキノリン、ニトロベンゼン、モルホリン、クロロホルム、トルエンと変更し、上記(1)〜(6)の方法で測定した各溶媒の不溶分(重量%)を、それぞれキ
ノリン不溶分、ニトロベンゼン不溶分、モルホリン不溶分、クロロホルム不溶分、トルエン不溶分とする。
各溶媒に対して測定された不溶分をもとに、β、β、β、βは以下のように、求めることができる。
β(キノリン可溶トルエン不溶分)=(トルエン不溶分)−(キノリン不溶分)
β(キノリン可溶ニトロベンゼン不溶分)=(ニトロベンゼン不溶分)−(キノリン不溶分)
β(ニトロベンゼン可溶モルホリン不溶分)=(モルホリン不溶分)−(ニトロベンゼン不溶分)
β(モルホリン可溶クロロホルム不溶分)=(クロロホルム不溶分)−(モルホリン不溶分)
なお、本発明において、各溶媒に対する可溶分とは、100(重量%)より上記の方法で
測定した不溶分(重量%)を差し引いた値とする。
<熱膨張係数の測定方法>
押し棒式熱膨張計(ULVAC理工製 型番 DLY-96OOR)に黒鉛化されたテストピー
スをセットする。赤外線イメージ炉で30℃から130℃まで昇温し、この間の伸びを測定する(△L)。テストピースの代わりにテストピースと同サイズの石英を熱膨張計にセットし、同様に30℃から130℃まで昇温し、この間の伸びを測定する(△L‘)。
次式により熱膨張係数を計算する。
熱膨張係数(×10-7/℃)=(△L−△L‘)/(L*△T)+5.1×10-7
ここで、L=テストピースの長さ、△T=伸びを測定した温度差(本実施例では10
0℃)、5.1×10-7/℃=石英の熱膨張係数(30℃から130℃)
(実施例1)
キノリン不溶分3.0重量% キノリン可溶トルエン不溶分3.8重量%のコールタールを342℃で蒸留し、蒸留塔底部よりソフトピッチを得た。この時の蒸留塔圧力は常圧、加熱炉から蒸留塔出口までの滞留時間20分であった。得られたソフトピッチを1ミクロンのフィルターを用い、120℃、0.2MPaにて加圧熱濾過して、Qiの除去を行った。
上記の測定方法で、Qi、β、β、β,βを測定し、濾液ソフトピッチのQiは0.01重量%、キノリン可溶トルエン不溶分(=β)に対するキノリン可溶ニトロベンゼン不溶
分(β)の比(β/β)は0.05、キノリン可溶トルエン不溶分(β)に対するニトロベンゼン可溶モルホリン不溶分(β)の比(β/β)は、0.29、キノリン可溶トルエン不溶分(=β)に対するモルホリン可溶クロロホルム不溶分(β)の比(β/β)は0.36であった。
このコールタールのソフトピッチを150mlの反応容器に仕込み、480℃,0.34MPaで12
時間コーキングし、生コークスを得た。次いでこの生コークスを1300℃で2時間か焼し、
ニードルコークスを製造した。更にこのニードルコークスを2800℃で黒鉛化し、長さ10cmのテストピースを作成し、上記の方法で熱膨張係数を測定したところ4.6×10-7/℃であった。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、原料であるキノリン不溶分3.0重量% キノリン可溶トルエン不溶
分3.8重量%のコールタールを335℃で蒸留を行った以外は、全て同様の方法で、加圧
熱濾過とQiの除去を実施した。
上記の測定方法で、Qi、β、β、β,βを測定したところ、得られたコールタールソフトピッチのQiは0.01重量%、β/βは0.05、β/βは0.30、β/βは0.28で
あった。
このソフトピッチを実施例1と同様にコーキング、か焼、黒鉛化を行い熱膨張係数を測定
したところ5.0×10-7/℃であった。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、原料であるキノリン不溶分3.0重量% キノリン可溶トルエン不溶
分3.8重量%のコールタールを335℃で蒸留し、得られたソフトピッチを2リットルオート
クレーブに入れ、360℃、0.34MPaで5時間熱処理をした後、実施例1と同様の条件で加圧熱濾過とQiの除去を実施した。
上記の測定方法で、Qi、β、β、β,βを測定したところ、得られたコールタールソフトピッチのQiは0.01重量%、β/βは0.03、β/βは0.48、β/βは0.29で
あった。
このソフトピッチを実施例1と同様にコーキング、か焼、黒鉛化を行い熱膨張係数を測
定したところ5.4×10-7/℃であった。結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1と同じコールタールを335℃で常圧蒸留し、得られたソフトピッチをオートク
レーブに入れ、温度150℃、静置時間4時間で重量沈降法によるQi除去を行った。このとき得られたコールタールソフトピッチのQiは0.01重量%、β/βは0.00、β/βは0.00、β/βは0.30であった。このソフトピッチを実施例1と同様にコーキング、か焼、黒
鉛化を行い、熱膨張係数を測定したところ5.0×10-7/℃であった。結果を表1に示す。
(比較例4)
実施例1と同じコールタールを335℃で常圧蒸留し、実施例1と同様の条件で熱濾過を
行った。そして、得られたソフトピッチを温度450℃、水素雰囲気中で30分間熱処理を行
った。このとき得られたコールタールソフトピッチのQiは0.01重量%、β/βは0.00、β/βは0.29、β/βは0.58であった。このソフトピッチを実施例1と同様にコーキ
ング、か焼、黒鉛化を行い、熱膨張係数を測定したところ4.8×10-7/℃であった。結果を表1に示す。
(比較例5)
実施例1において、キノリン不溶分3.0重量% キノリン可溶トルエン不溶分4.8重量%のコールタールを用いた以外は、全て同様に蒸留・熱濾過を行った。得られたコールタールソフトピッチのQiは0.01重量%、β/βは0.14、β/βは0.31、β/βは0.33であった。このソフトピッチを実施例1と同様にコーキング、か焼、黒鉛化を行い、熱膨張
係数を測定したところ5.2×10-7/℃であった。結果を表1に示す。
Figure 2010248502

Claims (3)

  1. ニードルコークス製造用石炭系原料油であって、該石炭系原料油中のキノリン可溶トルエン不溶分(以下、「β」と記す)に対するキノリン可溶ニトロベンゼン不溶分(以下、「β」と記す)の比(以下、「β/β」と記す)、βに対するニトロベンゼン可溶モルホリン不溶分(以下、「β」と記す)の比(以下、「β/β」と記す)、及びβに対するモルホリン可溶クロロホルム不溶分(以下、「β」と記す)の比(以下、「β/β」と記す)が、それぞれ0.00〜0.10:0.10〜0.40:0.30〜0.40 であるニードルコークス製造用石炭系原料油。
  2. キノリン不溶分が0〜10重量%、βが1〜10重量%であるコールタールを用いて、ニードルコークス製造用石炭系原料油を製造するにあたり、該石炭系原料油中のβ/β、β/β、及びβ/βが、それぞれ0.00〜0.10:0.10〜0.40:0.30〜0.40となるように該コールタールを加熱処理することを特徴とするニードルコークス製造用石炭系原料油の製造方法。
  3. キノリン可溶トルエン不溶分(β)に対するキノリン可溶ニトロベンゼン不溶分(β)の比(β/β)、キノリン可溶トルエン不溶分(β)に対するニトロベンゼン可溶モルホリン不溶分(β)の比(β/β)、及びキノリン可溶トルエン不溶分(β)に対するモルホリン可溶クロロホルム不溶分(β)の比(β/β)が、それぞれ0.00〜0.10:0.10〜0.40:0.30〜0.40である石炭系原料油をコークス化することを特徴とするニードルコークスの製造法。
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