JP5652060B2 - ニードルコークス製造用石炭系原料の製造方法及びニードルコークスの製造方法 - Google Patents

ニードルコークス製造用石炭系原料の製造方法及びニードルコークスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ニードルコークス製造用石炭系原料油の製造方法及びニードルコークスの製造方法に関するものである。
人造黒鉛電極は電極使用条件の過酷化に伴い、機械的強度および耐熱衝撃性に優れている事が要求されている。中でも、この人造黒鉛電極の製造には熱膨張係数の小さい石炭系ニードルコークスが好適に用いられる。石炭系原料油を用いて熱膨張係数の低いニードルコークスを製造するにあたり、石炭系原料油の特性を表す指標として、一般的には、キノリン不溶分(以下、「Qi」と略記することがある)、トルエン不溶キノリン可溶分(以下、「β」と略記することがある。)が用いられてきた。石炭系原料油中にQi成分が多く含まれていると、コークス化の過程で結晶成長が不十分となりニードルコークスを得ることが困難となる。また、石炭系原料油中のβ成分が多いほど得られたニードルコークスの熱膨張係数が低くなることが知られている。
これらQi成分やβ成分を調整するために、改質されたニードルコークス製造用原料油を製造することが検討されてきた。
ニードルコークス製造用の石炭系原料油(コールタールピッチ)を改質する方法としては、例えば、コールタールピッチに多孔質無機物を添加して、粘度を200ポイズ以下に調整した後、該多孔質無機物を分離除去する方法(特許文献1)があり、この方法では、不溶成分に含まれるQi成分をある程度除去することは可能だが、β成分を調整することは困難である。
また、β成分を調整する方法として、コールタールピッチを熱処理する方法があり、例えば、実質的に1次Qiを含まない芳香族系組成物を340〜500℃で熱処理し、2次的に生成するメゾ相を、該芳香族系組成物から分離除去しβ成分を高濃度に含有したピッチを得る方法(特許文献2)、やQi成分を実質的に含有しないコールタール、コールタールピッチ又はこれらを主体とする炭化水素物質である原料油をコークスドラムに供給してコークス化する際に、原料油を熱処理してトルエン不溶分が10〜20重量%となるように調整したのち、コークスドラムに供給する方法(特許文献3)などがある。
これらの方法により、β成分をある程度調整することは可能であるが、得られるニードルコークスの熱膨張係数は十分なものとは言えなかった。
ところで、石炭系原料油中の成分を表す指標であるQiやβは、コールタールやコールタールピッチの有機溶剤に対する溶解度の違いを利用して、不溶分を定量し、重質度の目安とするものであるが、非特許文献1には、キノリンやトルエン以外の他の有機溶剤に対する溶解度、例えば、ニトロベンゼンやモルホリン、クロロホルム、アセトン、酢酸メチル等の溶剤に対する溶解度が示されている。しかし、これらの溶剤に対する不溶分差量を、ニードルコークスを製造する際に用いる原料のコールタールやコールタールピッチの評価指標に使用することは示されていない。
特開平7−041770号公報 特開昭58−001783号公報 特開平2−142889号公報
Energy & Fuels., 1991,5,p188-192
本発明の課題は、石炭系原料油を使用してニードルコークスを製造するにあたり、より簡便で効率よく、且つ熱膨張係数の小さいニードルコークスを製造するための石炭系原料油の製造方法、及びニードルコークスの製造方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、コールタールピッチなどの石炭系原料油にQi成分やβ成分以外の成分が含まれていることを見出し、これらの成分がニードルコークスの熱膨張係数と相関があるとの考えもと、トルエン可溶アセトン不溶分を調整することで、効率よく、簡便に熱膨張係数の低いニードルコークスを製造できることを見出し、本願発明を完成するに至った。即ち、本発明の要旨は下記[1]〜[2]に存する。
[1] キノリン不溶分が0〜10重量%、トルエン不溶キノリン可溶分が1〜10重量%である石炭系原料油を用いて、ニードルコークス製造用石炭系原料油を得るにあたり、該石炭系原料油を熱ろ過処理又は超音波処理して、石炭系原料油中のトルエン可溶アセ
トン不溶分を8.0重量%以上とすることを特徴とするニードルコークス製造用石炭系原料油の製造方法
[2] [1]に記載のニードルコークス製造用石炭系原料油の製造方法により得られた石炭系原料油をコークス化して、ニードルコークスを得ることを特徴とするニードルコークスの製造方法。
以下、本発明を詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はこれらの内容に限定されない。以下、その詳細について説明する。
ニードルコークスの製造に用いる原料油としては、一般的に、石油精製の際に発生する、石油系重質油と、製鉄用コークスを製造する際に発生するコールタールを出発原料とする石炭系原料油が挙げられる。これらのうち、本発明では、石炭系原料油を用いる。本発明で使用するニードルコークス製造用石炭系原料油としては、コールタール、又はコールタールピッチを出発原料として用いることが好ましく、コールタールとしては、石炭を乾留してコークスを製造する際に得られる直留のコールタールがより好ましい。また、コールタールピッチとしては、コールタールを蒸留する際に塔底から抜き出される軟化点0℃以上、好ましくは、30〜100℃の軟ピッチ又は中ピッチと称されるピッチである。また、本発明の石炭系原料油としては、これらのコールタール又はコールタールピッチに石油系原料油を添加したものでもよい。
通常、これらのコールタール、又はコールタールピッチを出発原料とした石炭系原料油には、軽質のオイル成分が含まれており、有用成分を取り出すとともに生産性を上げるため蒸留操作を行い、精製されたコールタール又はコールタールピッチとして取り出す。
このときに使用する出発原料であるコールタール又はコールタールピッチは、Qiが0
.0〜10.0重量%、好ましくは1.0〜8.0重量%、より好ましくは2.0〜6.0重量%であり、βが1.0〜15.0重量%、好ましくは2.0〜10.0重量%、より好ましくは3.0〜8.0重量%のものであれば、特に制限はない。なお、本発明におけるQi及びβは、後述する測定方法により求めることができる。
また、上記のコールタール又はコールタールピッチを蒸留する際は、圧力が0.0〜0.1MPa、好ましくは0.01〜0.05MPaであり、温度が320〜360℃、好ましくは330〜350℃の条件下で、加熱炉から蒸留塔出口までの滞留時間は5分〜1時間、好ましくは10〜40分である。なお、蒸留の前に、コールタール又はコールタールピッチに含まれる水を除去するために、脱水をおこなってもよい。この蒸留操作によって、コールタール又はコールタールピッチに含まれる軽油、カルボル油、クレ油、及びナフタリン油を除去することができる。
この蒸留操作後の、コールタール又はコールタールピッチ中のQiは0.0〜15.0重量%、好ましくは1.0〜10.0重量%であり、βは1.0〜15.0重量%、好ましくは4.0〜10.0重量%である。また、このときのコールタール又はコールタールピッチ中のトルエン可溶アセトン不溶分(以下、「α」と略記することがある)の含有量は、特に限定されないが、5.0〜15.0重量%、好ましくは、6.0〜12.0重量%であり、また、ニトロベンゼン可溶モルホリン不溶分(以下、「β」と略記することがある)の含有量は、特に限定されないが、0.5〜5.0重量%、好ましくは、1.0〜4.0重量%である。
ニードルコークスを製造する際に用いられる原料油に、Qiが含まれているとコークス化の過程で結晶成長が不十分となり、品質の良くないニードルコークスとなるため、コークス化する前に予めコールタール又はコールタールピッチからQiを除去することが好ましい。
本発明において、Qiを除去する処理方法としては、特に限定されないが、遠心分離法、重量沈降法、濾過法など公知の方法を採用することができるが、残存Qiを少なくするため、濾過法または重量沈降法によりQiを除去することが好ましい。また、この場合、各操作を容易にするために必要に応じて適宜の溶媒を使用してもよい。濾過法によりQiを除去する際は、圧力が0.05〜1.0MPa、好ましくは0.1〜0.5MPaであり、温度が20〜200℃、好ましくは50〜150℃の条件下でおこなう。また、濾過に使用するフィルターの目開きは3ミクロン以下が望ましい。
重量沈降法によりQiを除去する場合は、温度が20〜350℃、静置時間が10分から10時間の条件下で行う。
このようにして、Qiを除去処理した後のコールタール、又はコールタールピッチに含まれるQiは0.1重量%以下、好ましくは0.01重量%以下である。また、Qi除去操作後のコールタール、又はコールタールピッチに含まれるβは、1.0〜15.0重量%であり、好ましくは4.0〜10.0重量%である。また、このときのコールタール又はコールタールピッチ中のα成分の含有量は、特に限定されないが、通常、5.0〜8.0重量%であり、好ましくは、5.5〜7.5重量%であり、また、β成分の含有量は、特に限定されないが、0.3〜2.0重量%であり、好ましくは、0.8〜1.5重量%である。
本発明では、このQi除去操作後のコールタール、又はコールタールピッチなどのニードルコークス製造用石炭系原料油中のα成分の含有量を8.0重量%以上とすることで、熱膨張係数の低いニードルコークスが製造できる。なお、本発明におけるトルエン可溶アセトン不溶分は、後述する測定方法により求めることができる。
本発明において、石炭系原料油中のαは、8.0重量%以上であり、好ましくは、9.
0重量%以上であり、更に好ましくは、9.5重量%以上である。また、一方、上限としては、20重量%以下である。αが大きくなるほど、コークス化の際に配向しやすい組織の割合が多くなり、ニードルコークスの熱膨張係数が低くなる傾向にあり、小さくなるほど、ニードルコークスの熱膨張係数が高くなる傾向にある。
αを調整する方法としては、石炭系原料油にα成分を添加してもよいが、石炭系原料油に分散処理を行なうことで、α成分を調整することができる。ここでいう、分散処理とは、具体的には、加圧熱ろ過、又は超音波処理などが挙げられる。
加圧熱ろ過とは、多孔質のフィルターなどに、コールタール、又はコールタールピッチなどの石炭系原料油を透過させることであり、具体的には、フィルターを付けた耐圧容器に、所定の温度に加温したコールタール、又はコールタールピッチなどの石炭系原料油を入れ、窒素等により所定の圧力をかけること、あるいは、ポンプにより加圧された石炭系原料油をフィルターを付けた容器に通すことである。
加圧熱ろ過の条件としては、フィルターの目開きは3ミクロン以下であり、好ましくは1ミクロン以下、さらに好ましくは0.5ミクロン以下である。濾過温度は50〜300℃であり、好ましくは100〜250℃である。濾過圧力は1.0MPa以下であるが、濾過面での圧力損失が0.3MPa以下になるよう調整する。
超音波処理とは、超音波振動を機械的振動に変換して、振動子に伝達させ、この振動子を石炭系原料油中に浸すことで分散を行うことであり、具体的には超音波分散器(ホモジナイザー)を使用することで実現できる。超音波処理の条件としては、処理時間5〜60分であり、好ましくは10〜40分である。処理温度は150℃以下が望ましい。
また、本発明において、石炭系原料油中のβの含有量が、1.0重量%以下であることが好ましい。更に、好ましくは、0.5重量%以下であり、特に好ましくは、0.1重量%以下である。このβが大きくなるほど、コークス化の過程での結晶成長が不十分となり、結果としてニードルコークスの熱膨張係数が高くなる傾向にある。βが小さくなるほどコークス化での重合が進みやすく、結晶が十分成長し、コークス組織が針状構造になり、熱膨張係数が低くなる傾向にある。
βを調整する方法としては、上述のコールタール又はコールタールピッチを蒸留する際の温度や圧力や時間などの諸条件の変更、熱処理、水素添加処理、又はQi除去操作時の温度、圧力、溶媒量などの諸条件の変更、前述の分散処理及びこれらの組み合わせによって達成できる。
例えば、Qi除去後のコールタール、又はコールタールピッチを、目開き1ミクロン以下のフィルターを用い、50〜300℃の温度、1MPa以下の圧力で、熱濾過すればβ
は低くなる。βの大半はコールタール、又はコールタールピッチに含まれる有機分子の凝集体であり、例えばα成分などが凝集したものである。これを熱濾過すると凝集がほぐれ、βが減少し、α成分が増加する傾向がある。
その他の例としては、重量沈降法によるQi除去時の操作温度を下げればβは減少する傾向にあり、Qi除去時の操作温度を上げればβは増加する傾向にある。
上記のようにして得られた原料油は、通常のニードルコークス製造法によりコークス化されニードルコークスが製造される。すなわち、ディレードコーカーに原料油を装入して生コークスを得、次いで、か焼してニードルコークスを得る。得られたニードルコークスは所定の割合に粒度配合され加熱混合しながらバインダーピッチを適当量添加捏合後、押し出し成形して生電極が製造される。この生電極を焼成、黒鉛化した後、加工して製品である黒鉛電極を製造することができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、本発明でのニードルコークス製造用石炭系原料油中のQi、β、α、βは以下の測定方法により測定した。
<Qi、β、α、及びβの測定方法>
溶媒として、アセトン(純度95.0%以上、和光純薬工業社製)、キノリン(純度9
5.0%以上、和光純薬工業社製)、ニトロベンゼン(純度99.5%以上、和光純薬工
業社製)、モルホリン(純度98.0%以上、和光純薬工業社製)、及びトルエン(純度99.5%以上、和光純薬工業社製)を用意し、これら、各溶媒に対するニードルコークス製造用石炭系原料油中の不溶分について、以下の(1)〜(6)の手順によって測定した。
(1)試料(コールタール、またはコールタールピッチ)2.0gをフラスコにとり、精
秤する(W1)。
(2)試料の入ったフラスコに上記測定溶媒(例えばキノリン)を100mlを注ぎ、冷却器を取り付け、110℃のオイルバスに入れる。(トルエンは130℃にする。)液を攪拌しながら30分間加熱し、溶解させる。
(3)あらかじめ精秤しておいた濾紙(W2)を濾過器に取り付ける。(2)の溶液を濾過器に注ぎ、吸引濾過をする。濾過残渣に60℃で加温しておいた測定溶媒100mlを注ぎ溶解・洗浄する。この操作を4回繰り返す
(4)濾過残渣の乗った濾紙を110℃の乾燥器に60分間入れ乾燥させる。
(5)濾過残渣の乗った濾紙を乾燥器から取り出し、デシケータ-内で30分放冷した後
、その重量を精秤する(W3)。
(6)溶媒不溶分を以下の式により計算する。
溶剤不溶分(重量%)=(溶解後残渣重量/試料重量)× 100
=((W3−W2)/W1 )× 100
測定溶媒を上記のアセトン、キノリン、ニトロベンゼン、モルホリン、トルエンと変更し、上記(1)〜(6)の方法で測定した各溶媒の不溶分(重量%)を、それぞれ、アセトン不溶分、キノリン不溶分、ニトロベンゼン不溶分、モルホリン不溶分、トルエン不溶分とする。
各溶媒に対して測定された不溶分をもとに、β、α、及びβは以下のように、求めることができる。
β(キノリン可溶トルエン不溶分)=(トルエン不溶分)−(キノリン不溶分)
α(トルエン可溶アセトン不溶分)=(アセトン不溶分)−(トルエン不溶分)
β(ニトロベンゼン可溶モルホリン不溶分)=(モルホリン不溶分)−(ニトロベンゼン不溶分)
なお、本発明において、各溶媒に対する可溶分とは、100(重量%)より上記の方法で測定した不溶分(重量%)を差し引いた値とする。
<熱膨張係数の測定方法>
押し棒式熱膨張計(ULVAC理工製 型番 DLY-96OOR)に黒鉛化されたテストピー
スをセットする。赤外線イメージ炉で30℃から130℃まで昇温し、この間の伸びを測定する(△L)。テストピースの代わりにテストピースと同サイズの石英を熱膨張計にセットし、同様に30℃から130℃まで昇温し、この間の伸びを測定する(△L‘)。
次式により熱膨張係数を計算する。
熱膨張係数(×10-7/℃)=(△L−△L‘)/(L×△T)+5.1×10-7
(上記式中、L=テストピースの長さ、△T=伸びを測定した温度差(ここでは100
℃)、5.1×10-7=石英の熱膨張係数(30℃から130℃))
<実施例1>
重量沈降法によりQiを除去したコールタールピッチ(Qi成分含有量:0.009重量%、β成分含有量:5.9重量%)を、1目開き0.5ミクロンのPTFEメンブランフィルターを用い、120℃、0.2MPaにて加圧熱濾過した。加圧熱ろ過後のコールタールピッチのQi成分含有量は0.002重量%、β成分含有量は0.08重量%、α成分含有量は9.2重量%であった。処理後のソフトピッチを150mlの反応容器に仕込み、480℃、0.34MPaで12時間コーキングし、生コークスを得た。次いでこの生コークスを1300℃で2時間か焼し、ニードルコークスを製造した。更にこのニードルコークスを2800℃で黒鉛化し、熱膨張係数を測定したところ2.8×10-7/℃で
あった。結果を表−1に示す。
<実施例2>
重量沈降法によりQiを除去したコールタールピッチ(Qi成分含有量:0.009重量%、β成分含有量:5.9重量%)を、超音波ホモジナイザーで30分、分散処理を行った。超音波処理後のコールタールピッチのQi成分含有量は0.002重量%、β成分含有量は0.96重量%、及びα成分含有量は10.8重量%であった。このコールタールピッチを実施例1と同様にコーキング、か焼して、ニードルコークスを製造し、そのニードルコークスを黒鉛化して、熱膨張係数を測定したところ2.9×10-7/℃であっ
た。結果を表−1に示す。
<比較例1>
実施例1のQiを除去したコールタールピッチ(β成分含有量: 1.1重量%、α
成分含有量:7.7%)を、そのまま実施例1と同様にコーキング、か焼、黒鉛化を行い
熱膨張係数を測定したところ3.8×10-7/℃であった。結果を表−1に示す。
<比較例2>
重量沈降法によりQiを除去したコールタールピッチ(Qi成分含有量:0.009重量%、β成分含有量:5.9重量%)を、1目開き10ミクロンのPTFEメンブランフィルターを用い、120℃、0.2MPaにて加圧熱濾過した。加圧熱ろ過後のコールタールピッチのQi成分含有量は0.006重量%、β成分含有量は1.1重量%、α成分含有量は7.5重量%であった。このコールタールピッチを実施例1と同様にコーキング、か焼して、ニードルコークスを製造し、そのニードルコークスを黒鉛化して、熱膨張係数を測定したところ3.8×10-7/℃であった。結果を表−1に示す。
Figure 0005652060

Claims (2)

  1. キノリン不溶分が0〜10重量%、トルエン不溶キノリン可溶分が1〜10重量%である石炭系原料油を用いて、ニードルコークス製造用石炭系原料油を得るにあたり、該石炭系原料油を熱ろ過処理又は超音波処理して、石炭系原料油中のトルエン可溶アセトン不溶分を8.0重量%以上とすることを特徴とするニードルコークス製造用石炭系原料油の製造方法。
  2. 請求項1に記載のニードルコークス製造用石炭系原料油の製造方法により得られた石炭系原料油をコークス化して、ニードルコークスを得ることを特徴とするニードルコークスの製造方法。
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