JP2010248352A - 接着剤用(メタ)アクリル系樹脂組成物 - Google Patents

接着剤用(メタ)アクリル系樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】初期接着性、接着安定性、耐熱性に優れ、使用後はエネルギー照射することにより、容易に解体(剥離)できる(メタ)アクリル系樹脂組成物の提供。
【解決手段】(A)多官能(メタ)アクリレート、(B)単官能(メタ)アクリレート、及び(C)オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステル及び/又はオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]−エチルエステルを含有する (メタ)アクリル系樹脂組成物。(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質を含有してもよい。該 (メタ)アクリル系樹脂組成物を用いる易解体性接着剤。
【選択図】なし

Description

本発明は接着剤に関する。例えば、初期接着性に優れるだけでなく、接着安定性、耐熱性に優れる。又、使用後は接着体にエネルギーを照射することにより、容易に解体(剥離)し、基材をリサイクル(再利用若しくは分別廃棄処理)可能とする(メタ)アクリル系樹脂組成物、これを用いる易解体性接着剤及び接着・解体方法に関する。
異種の基材を接着剤で貼り合わせた複合接着体は、建築用部材、電気電子部品、自動車用部品、事務用品、生活用品等数多くの用途に用いられている。近年、環境問題、省資源問題等がある。接着基材をリサイクル(再利用若しくは分別廃棄処理)させるため、不要となった時には容易に解体(剥離)可能な接着剤が求められている。又、自動車用部品や電気電子部品では耐熱性が求められている。
このような要求に対して熱硬化性接着剤中に有機系熱膨張性粒子を30〜300質量部の割合で添加して接着後、加熱処理により接着力が著しく低下し、容易に自己剥離が可能になる熱剥離型接着剤が報告されている(特許文献1参照)。しかしながら、このような熱剥離型接着剤では耐熱性が得られず、自動車用部品や電気電子部品では実用的でないという問題があった。
特許文献2では、ガラス転移温度200℃以上である耐熱性熱可塑性樹脂を主成分とする耐熱性接着剤が報告されている。しかしながら、このような耐熱性接着剤は容易に解体することができないという問題があった。
特許文献3では、光硬化性樹脂成分と光重合開始剤成分とを有効成分とし、150〜200℃の高温においても接着性を有する耐熱性接着剤が報告されている。しかしながら、このような耐熱性接着剤は解体する際に220℃以上に加熱することが必要である。加熱処理により接着体を解体するため、接着基材が熱により破損してしまうという問題があった。
特許文献4では、樹脂硬化体のガラス転移温度をコントロールし、かつ、樹脂組成物に溶解しない粒状物質を適量添加することを特徴とする接着性組成物及びそれを用いた仮固定方法が報告されている。しかしながら、このような接着性組成物及びそれを用いた仮固定方法では耐熱性が得られず、自動車用部品や電気電子部品では実用的でないという問題があった。
特開2003−171648号公報 特許第3109707号公報 特開2004−83878号公報 特願2006−218416号公報
本発明は、例えば、生産性に優れる。本発明は、接着基材に熱等によるダメージを与えない、使用時に優れた接着性、接着安定性、耐熱性を含む、必要に応じて容易に剥離することができる耐熱性を有する、といった効果を有する光硬化型易解体性接着剤用(メタ)アクリル系樹脂組成物を提供することを目的とする。
即ち本発明は、(A)多官能(メタ)アクリレート、(B)単官能(メタ)アクリレート、及び(C)オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステル及び/又はオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]−エチルエステルを含有する (メタ)アクリル系樹脂組成物であり、(A)及び(B)の合計量100質量部に対して、(C)オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステル及び/又はオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]−エチルエステル1〜40質量部を含有する(メタ)アクリル系樹脂組成物であり、得られる硬化体のガラス転移温度が−50〜50℃である該(メタ)アクリル系樹脂組成物であり、(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質を含有する該易解体性接着剤用(メタ)アクリル系樹脂組成物であり、(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質の形状が球状である該(メタ)アクリル系樹脂組成物であり、(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質の平均粒径が5〜200μmである該 (メタ)アクリル系樹脂組成物であり、(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質のレーザー回折法による粒径(μm)を対数で表示したときの粒径に対する粒子体積分布の標準偏差が0.0001〜0.25である該(メタ)アクリル系樹脂組成物であり、該(メタ)アクリル系樹脂組成物を用いる易解体性接着剤であり、可視光線若しくは紫外線を波長365nmにおいて1〜10000mJ/cmのエネルギーを請求項8記載の易解体接着剤に照射して接着基材同士を接着して接着体を作製した後、可視光線若しくは紫外線を波長365nmにおいて300〜150000mJ/cmのエネルギーを易解体接着剤に照射して接着体を解体する接着・解体方法であり、可視光線若しくは紫外線を波長365nmにおいて1〜10000mJ/cmのエネルギーを請求項8記載の易解体接着剤に照射して接着基材同士を接着して接着体を作製した後、可視光線若しくは紫外線を波長365nmにおいて300〜150000mJ/cmのエネルギーを易解体接着剤に照射し、接着体を0〜100℃の水に浸漬して解体することを特徴とする接着・解体方法であり、可視光線若しくは紫外線を波長365nmにおいて1〜10000mJ/cmのエネルギーを請求項8記載の易解体接着剤に照射して接着基材同士を接着して接着体を作製した後、可視光線若しくは紫外線を波長365nmにおいて300〜150000mJ/cmのエネルギーを易解体接着剤に照射した、接着体を30〜300℃に加熱して解体することを特徴とする接着・解体方法であり、該解体工程におけるエネルギー源として、キセノンガス封入のフラッシュランプを用いることを特徴とする接着・解体方法である。
本発明は、例えば、以下の効果を有する。本発明の易解体性接着剤用(メタ)アクリル系樹脂組成物は光硬化型であるため、初期接着性に優れ、使用後は接着体に可視光線又は紫外線の少なくとも一方を照射することにより、容易に解体(剥離)し、基材をリサイクル(再利用若しくは分別廃棄処理)可能とする。本発明は、接着安定性、耐熱性に優れる。従って、電気電子部品、自動車用部品をはじめ、事務用品、生活用品等数多くの用途に用いられる易解体接着剤として極めて有用である。本発明の解体方法は、可視光線又は紫外線の少なくとも一方を照射することのみでも解体することができ、接着基材を破損することが少なく、工業的に優位な方法である。
本発明で使用する(A)多官能(メタ)アクリレートとしては、オリゴマー/ポリマー末端又は側鎖に2個以上(メタ)アクロイル化された多官能(メタ)アクリレートオリゴマー/ポリマーや、2個以上の(メタ)アクロイル基を有するモノマー等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートオリゴマー/ポリマーとしては、1,2-ポリブタジエン末端ウレタン(メタ)アクリレート(例えば、日本曹達社製「TE−2000」、「TEA−1000」)、前記水素添加物(例えば、日本曹達社製「TEAI−1000」)、1,4−ポリブタジエン末端ウレタン(メタ)アクリレート(例えば、大阪有機化学社製「BAC−45」)、ポリイソプレン末端(メタ)アクリレート、ポリエステル系ウレタン(メタ)アクリート(例えば、日本合成社製「UV−2000B」、「UV−3000B」、「UV−7000B」、根上工業社製「KHP−11」、「KHP−17」)、ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレート(例えば、日本合成社製「UV−3700B」、「UV−6100B」)、ビスA型エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
2官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−プロパンジオール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリストールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシテトラエトキシフェニル)プロパン、2−(1,2−シクロヘキサカルボキシイミド)エチル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
3官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロイキシエチル]イソシアヌレート等が挙げられる。
4官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとしては、ジメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(A)多官能(メタ)アクリレートの使用量は、効果が大きい点で、(A)及び(B)の合計量100質量部に対して、10〜80質量部が好ましく、25〜65質量部がより好ましい。
(B)単官能(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロデカトリエン(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、エトキシカルボニルメチル(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、フェノール(エチレンオキサイド2モル変性)(メタ)アクリレート、フェノール(エチレンオキサイド4モル変性)(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(エチレンオキサイド4モル変性)(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(エチレンオキサイド8モル変性)(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(プロピレンオキサイド2.5モル変性)(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性フタル酸(メタ)アクリレ−ト、エチレンオキシド変性コハク酸(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ダイマー、β−(メタ)アクロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、n−(メタ)アクリロイルオキシアルキルヘキサヒドロフタルイミド、2−(1,2−シクロヘキサカルボキシイミド)エチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(B)単官能(メタ)アクリレートの使用量は、効果が大きい点で、(A)及び(B)の合計量100質量部に対して、20〜90質量部が好ましく、35〜75質量部がより好ましい。
本発明で使用する(C)オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステル及び/又はオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]−エチルエステルは、可視光線や紫外線の活性光線により増感させて樹脂組成物の光硬化を促進するために配合するものである。これらは、併用してもよい。
(C)オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステル及び/又はオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]−エチルエステルのの使用量は、(A)及び(B)の合計100質量部に対して、1〜40質量部が好ましい。1質量部以上であれば、十分な耐熱性と接着性が得られるし、40質量部以下であれば十分な解体性が得られる。接着性、耐熱性、解体性の点で、(C)成分の使用量は2〜25質量部が好ましく、5〜20質量部がより好ましい。
本発明の(メタ)アクリル系樹脂組成物から得られる硬化体のガラス転移温度は−50〜50℃が好ましい。前記硬化体のガラス転移温度がこの範囲内にあると、解体時に炭素原子を含む気体が発生することにより、硬化体自体が大きくうねりを生じる。その結果、接着面積の減少が達成されて接着強度が低下するので、容易に接着体を解体することができる。(メタ)アクリル系樹脂組成物から得られる硬化体のガラス転移温度が−50℃以上であると使用時にずれを生じにくく、接着精度の点で、優れる。50℃以下であると解体性に優れる。接着精度と解体性の点で、(メタ)アクリル系樹脂組成物から得られる硬化体のガラス転移温度は、−25〜45℃が好ましく、−20〜42℃がより好ましく、0〜40℃が尚更一層好ましい。
本発明の (メタ)アクリル系樹脂組成物は、(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質を、(A)、(B)と共に使用することが好ましい。これにより、硬化後の組成物が一定の厚みを保持することが容易となり、精度よく接着できる。接着剤の厚みを制御することにより、解体時の気体発生量を制御し、安定した解体性を得ることができる。(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質とは、(A)成分と(B)成分と(C)成分のいずれにも溶解しない粒状物質をいう。
(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質としては、一般的に使用される有機粒子、無機粒子が挙げられる。有機粒子としては、ポリエチレン粒子、ポリポリプロピレン粒子、架橋ポリメタクリル酸メチル粒子、架橋ポリスチレン粒子等が挙げられる。無機粒子としては、ガラス、シリカ、アルミナ、チタン等のセラミック粒子が挙げられる。
(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質は、接着剤の膜厚の制御の点で、球状であることが好ましい。有機粒子としては、メタクリル酸メチルモノマー、スチレンモノマーと架橋性モノマーとの公知の乳化重合法により単分散粒子として得られる架橋ポリメタクリル酸メチル粒子、架橋ポリスチレン粒子、及び架橋ポリメタクリル酸メチルポリスチレン共重合体粒子からなる群のうちの1種又は2種以上が好ましい。無機粒子としては、球状シリカが、粒子の変形が少なく、粒径のバラツキによる硬化後の組成物の膜厚のバラツキが少なくなる点で、好ましい。その中でも更に粒子の沈降等に因る貯蔵安定性や組成物の反応性の点で、架橋ポリメタクリル酸メチル粒子、架橋ポリスチレン粒子、及び架橋ポリメタクリル酸メチルポリスチレン共重合体粒子からなる群のうちの1種又は2種以上がより一層好ましい。架橋ポリメタクリル酸メチル粒子、架橋ポリスチレン粒子、及び架橋ポリメタクリル酸メチルポリスチレン共重合体粒子からなる群のうちの1種又は2種以上が更に好ましい。
(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質のレーザー法による平均粒径は5〜200μmの範囲にあることが好ましい。前記粒状物質の平均粒径が5μm以上であると解体性に優れ、200μm以下であると接着時にずれを生じにくく、接着精度の点で、優れる。解体性と接着精度の点で、平均粒径は8〜150μmがより好ましく、9〜120μmが更に好ましい。尚、本発明における粒子径及び粒径分布の標準偏差は、島津製作所製「レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−2200」により測定した。粒子径は、体積基準である。
(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質の粒径のレーザー法による粒径(μm)を対数で表示したときの粒径に対する粒子体積分布の標準偏差は0.0001〜0.25が好ましい。この範囲に粒状物質の粒径の標準偏差があると粒径のバラツキによる硬化後の組成物の膜厚のバラツキ少なくなり、接着精度の点で、優れる。接着精度及び解体性の点で、粒状物質の粒径の標準偏差は0.0001〜0.15が更に好ましく、0.0001〜0.1がより一層好ましく、0.0001〜0.08が尚更一層好ましく、0.0001〜0.072が著しく好ましい。
(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質の使用量は、接着強度、接着精度、解体性の点で、(A)及び(B)の合計量100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.2〜10質量部が好ましく、0.2〜6質量部が更に一層好ましい。
本発明の (メタ)アクリル系樹脂組成物は、その貯蔵安定性向上のため、重合禁止剤を使用することができる。重合禁止剤としては、メチルハイドロキノン、ハイドロキノン、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、カテコール、ハイドロキノンモノメチルエーテル、モノターシャリーブチルハイドロキノン、2,5−ジターシャリーブチルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジターシャリーブチル−p−ベンゾキノン、ピクリン酸、クエン酸、フェノチアジン、ターシャリーブチルカテコール、2−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、及び2,6−ジターシャリーブチル−p−クレゾール等が挙げられる。
これらの重合禁止剤の使用量は、(A)及び(B)の合計量100質量部に対して、0.001〜3質量部が好ましく、0.01〜2質量部がより好ましい。0.001質量部以上で貯蔵安定性が確保されるし、3質量部以下で良好な接着性が得られ、未硬化になることもない。
本発明の易解体性接着剤用(メタ)アクリル系樹脂組成物においては、極性有機溶媒を共に用いてもよい。
本発明の易解体性接着剤用(メタ)アクリル系樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、一般に使用されているアクリルゴム、ウレタンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム等の各種エラストマー、無機フィラー、溶剤、増量材、補強材、可塑剤、増粘剤、染料、顔料、難燃剤、シランカップリング剤及び界面活性剤等の添加剤を使用してもよい。
本発明の易解体性接着剤を使用した接着・解体方法としては、まず可視光線若しくは紫外線を波長365nmにおいて1〜10000mJ/cmのエネルギーを易解体性接着剤に照射し、接着基材同士を接着する(接着工程)。1〜10000mJ/cmの範囲であれば易解体性接着剤が硬化し、十分な接着強度が得られる。1mJ/cm以上だと接着剤が十分に硬化し、10000mJ/cm以下だと硬化歪みが発生せず、接着強度が低下しない。接着強度の点で、10〜5000mJ/cmが好ましく、100〜2000mJ/cmがより好ましい。
その後、易解体性接着剤に可視光線若しくは紫外線を波長365nmにおいて300〜150000mJ/cmのエネルギーを照射することにより、未反応の(C)成分からラジカルが発生し、大きな硬化歪みが発生し、硬化体自体が大きくうねりを生じる。その結果、接着面積の減少が達成されて接着強度が低下するので、容易に接着体を解体することができる。解体時のエネルギー量は解体性と接着基材への光エネルギーによる劣化の点で、500〜100000mJ/cmがより好ましく、1000〜60000mJ/cmが尚更一層好ましい。
上述の解体工程においては、該接着体を加熱しながら可視光線若しくは紫外線を照射してもよい。加熱しながら可視光線若しくは紫外線を照射することにより、該接着剤硬化体により大きな硬化歪みを発生させることができ、より容易に解体することが可能となる。易解体性と、熱による接着基材の劣化の点で、該接着体を加熱する温度は30〜300℃が好ましく、40〜280℃がより好ましく、50〜250℃がより一層好ましい。
本発明の接着工程におけるエネルギー照射源としては、重水素ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンランプ、キセノン−水銀混成ランプ、ハロゲンランプ、エキシマランプ、インジュームランプ、タリウムランプ、LEDランプ、無電極放電ランプ等公知のエネルギー照射源であれば使用することができる。これらの中では、キセノンガス封入のフラッシュランプを用いることが好ましい。キセノンガス封入のフラッシュランプは、形状を自由に設計することができるため、接着体の形状に合わせてランプを設計することにより、連続的にエネルギーを照射することができ、著しく生産性に優れる。
更に、本発明の易解体性接着剤を使用した接着・解体方法としては、上述した光エネルギーによる接着・解体方法を用いた後、0〜100℃の水に接着体を浸漬することにより、接着基材と易解体性接着剤の界面に水が侵入し、より容易に解体できる。解体性と接着基材への温水による劣化の点で、水の温度は30〜95℃がより好ましい。
本発明の易解体性接着剤を使用した接着・解体方法としては、上述した光エネルギーによる接着・解体方法を用いた後、30〜300℃に接着体を加熱することにより、より容易に解体することができる。解体性と接着基材への熱による劣化の点で、加熱する温度は40〜280℃がより好ましい。
以下に実施例及び比較例をあげて本発明を更に詳細に説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(易解体性接着剤用(メタ)アクリル系樹脂組成物の作製)
以下に記す手順により易解体性接着剤用(メタ)アクリル系樹脂組成物を作製した。(A)多官能(メタ)アクリレートとして、日本合成化学社製「UV−3700B」(ポリエーテル系アクリレート、以下「UV−3700B」)20質量部、ジシクロペンタニルジアクリレート(日本化薬社製「KAYARAD R−684」、以下「R−684」と略す)15質量部、(B)単官能(メタ)アクリレートとして、2−(1,2−シクロヘキサカルボキシイミド)エチルアクリレート(東亜合成社製「アロニックスM−140」、以下「M−140」と略す)30質量部、フェノールエチレンオキサイド2モル変成アクリレート(東亜合成社製「アロニックスM−101A」)35質量部、(C)オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステルとオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]−エチルエステルの混合物として、チバ・ジャパン社製「IRGACURE754」、以下「I−754」と略す)10質量部、(D)平均粒子径20μm、粒径(μm)を対数で表示したときの粒径に対する粒子体積分布の標準偏差0.061の球状架橋ポリスチレン粒子(積水化学社製「GS−220」)を1質量部、重合禁止剤として2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)(住友化学工業社製「スミライザーMDP−S」、以下「MDP」と略す)0.1質量部を使用して易解体性接着剤用(メタ)アクリル系樹脂組成物を作製した。得られた易解体性接着剤用(メタ)アクリル系樹脂組成物を使用して、以下に示す評価方法にてガラス転移温度、引張せん断接着強さ、耐熱性試験を行った。
積算光量は紫外線積算照度計(アイグラフィック社製:EYE UV METER UVPF-A1(365nm受光器使用))で測定した。それらの結果を表2に示す。又、(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質の平均粒径及び粒径(μm)を対数で表示したときの粒径に対する粒子体積分布の標準偏差も測定した。
(評価方法)ガラス転移温度:易解体性接着剤用(メタ)アクリル系樹脂組成物を、1mm厚のシリコンシートを型枠とし、PETフィルムに挟み込んだ。易解体性接着剤用(メタ)アクリル系樹脂組成物を、無電極放電ランプを使用したフュージョン社製硬化装置により、365nmの波長の積算光量2000mJ/cmの条件にて上面から硬化させた後、更に下から365nmの波長の積算光量2000mJ/cmの条件にて硬化させ、厚さ1mmの易解体性接着剤用(メタ)アクリル系樹脂組成物の硬化体を作製した。作製した硬化体をカッターにて長さ50mm×幅5mmに切断し、ガラス転移温度測定用硬化体とした。得られた硬化体をセイコー電子産業社製、動的粘弾性測定装置「DMS210」により、窒素雰囲気中にて前記硬化体に1Hzの引張方向の応力及び歪みを加え、昇温速度毎分2℃の割合で昇温しながらtanδを測定し、該tanδのピークトップの温度をガラス転移温度とした。
引張せん断接着強さ(表の「接着強さ」):JIS K 6850に従い測定した。具体的には被着材として耐熱ガラス(商品名「耐熱パイレックス(登録商標)ガラス」、長さ25mm×幅25mm×厚さ2.0mm)を用い、接着部位を直径8mmの円形にし、作製した。易解体性接着剤用(メタ)アクリル系樹脂組成物にて、2枚の耐熱ガラスを貼り合わせ、ブラックライトを使用し、365nmの波長の積算光量500mJ/cmの条件にて硬化させ、引張せん断接着強さ試験片を作製した。作製した試験片は、万能試験機を使用して、温度23℃、湿度50%の環境下、引張速度10mm/minで引張せん断接着強さを測定した。
粒状物質の平均粒径粒径(μm)を対数で表示したときの粒径に対する粒子体積分布の標準偏差(表の「(A)、(B)、(C)に溶解しない粒状物質の粒径の標準偏差」):レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所製「SALD−2200」)により測定した。
(接着・解体方法(A)及び耐熱性試験)
接着基材である青板硝子A(長さ150mm×幅150mm×厚さ1.7mm)上に、作製した易解体性接着剤を2.5g塗布し、青板硝子B(80mm×80mm×厚さ1.1mm)を貼り合わせ、ブラックライトを使用し、365nmの波長のUV光を500mJ/cm照射し、青板硝子同士を接着した(固定用UV照射)。得られた接着試験体を210℃に加熱したオーブン内に2時間静置した後冷却した。その後光学顕微鏡を用いて、青板硝子Bの外周部から青板硝子Aが剥離している距離を測定し、最大距離を表2に記載した(表の「耐熱性試験」)。「耐熱性試験」の数値は、小さい方が好ましい。次に接着試験体にベルトコンベア式メタルハライドランプを使用し、365nmの波長の光を易解体性接着剤に2000mJ/cmずつ50回照射し、合計100000mJ/cmの光を照射した(剥離用UV照射)。その後、青板硝子Bに触れると青板硝子Aから簡単に解体することができた。解体性は、剥離用UVを照射した後、青板硝子Bを固定しながら、青板硝子Aの中央部に吸盤付きフックを吸着させ、該フック部をデジタルプッシュプルゲージ(AIKOHENGINEERRING CO.Ltd.社製 RX−20)に接続し、プッシュプルゲージを硝子面と垂直方向に引っ張り、解体するために必要な引っ張り強度を測定した。解体の確認として、引っ張り強度を表2に記載した(表の「解体の確認」)。
(実施例2)
(接着・解体方法(B)及び耐熱性試験)接着基材である青板硝子A(長さ150mm×幅150mm×厚さ1.7mm)上に、作製した易解体性接着剤を2.5g塗布し、青板硝子B(長さ80mm×幅80mm×厚さ1.1mm)を貼り合わせ、高圧水銀灯を使用し、365nmの波長のUV光を200mJ/cm照射し、青板硝子同士を接着した(固定用UV照射)。得られた接着試験体を210℃に加熱したオーブン内に2時間静置した後冷却した。その後光学顕微鏡を用いて、青板硝子Bの外周部から青板硝子Aが剥離している距離を測定し、最大距離を表2に記載した(表の「耐熱性試験」)。次に接着試験体にベルトコンベア式メタルハライドランプを使用し、365nmの波長のUV光を易解体性接着剤に1600mJ/cmずつ25回照射し、合計40000mJ/cmの光を照射した(剥離用UV照射)。その後、接着試験体を90℃の温水に5分間浸漬した後、青板硝子Bを固定しながら、青板硝子Aの中央部に吸盤付きフックを吸着させた。吸盤付きフックのフック部を、デジタルプッシュプルゲージ(AIKOHENGINEERRING CO.Ltd.社製 RX−20)に接続した。プッシュプルゲージを硝子面と垂直方向に引っ張り、解体するために必要な引っ張り強度を測定した。解体の確認として、引っ張り強度を表2に記載した。
(実施例3)
(接着・解体方法(C)及び耐熱性試験)接着基材である青板硝子A(長さ150mm×幅150mm×厚さ1.7mm)上に、作製した易解体性接着剤を2.5g塗布し、青板硝子B(長さ80mm×幅80mm×厚さ1.1mm)を貼り合わせ、メタルハライドランプを使用し、365nmの波長のUV光を200mJ/cm照射し、青板硝子同士を接着した(固定用UV照射)。得られた接着試験体を210℃に加熱したオーブン内に2時間静置した後冷却した。その後光学顕微鏡を用いて、青板硝子Bの外周部から青板硝子Aが剥離している距離を測定し、最大距離を表2に記載した(表の「耐熱性試験」)。次に接着試験体にベルトコンベア式メタルハライドランプを使用し、365nmの波長のUV光を易解体性接着剤に1600mJ/cmずつ50回照射し、合計80000mJ/cmの光を照射した(剥離用UV照射)。その後、接着試験体を100℃に加温したホットプレート上で5分間加熱した後、青板硝子Bを固定しながら、青板硝子Aの中央部に吸盤付きフックを吸着させた。吸盤付きフックのフック部をデジタルプッシュプルゲージ(AIKOHENGINEERRING CO.Ltd.社製 RX−20)に接続し、プッシュプルゲージを硝子面と垂直方向に引っ張り、解体するために必要な引っ張り強度を測定した。解体の確認として、引っ張り強度を表2に記載した。
Figure 2010248352
Figure 2010248352
(実施例4〜6及び比較例2〜4)
(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質として平均粒子径75μm、粒径(μm)を対数で表示したときの粒径に対する粒子体積分布の標準偏差0.066の球状架橋ポリスチレン粒子(ガンツ化成社製「GS−75S」)を使用し、表1に示す種類の原材料を表1に示す組成で使用したこと以外は実施例1〜3と同様にして易解体性接着剤を作製した。得られた易解体性接着剤について、実施例1〜3と同様にガラス転移温度、引張せん断接着強さ、耐熱性試験、接着・解体試験(A)、(B)、(C)を行った。又、(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質の平均粒径及び粒径(μm)を対数で表示したときの粒径に対する粒子体積分布の標準偏差も測定した。それらの結果を表1〜2に示した。
(実施例7)
(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質として平均粒子径10μm、粒径(μm)を対数で表示したときの粒径に対する粒子体積分布の標準偏差0.058の球状架橋ポリスチレン粒子(積水化学社製「SP−210」)を使用し、表1に示す種類の原材料を表1に示す組成で使用したこと以外は実施例1と同様にして易解体性接着剤を作製した。得られた易解体性接着剤について、実施例1と同様にガラス転移温度、引張せん断接着強さ、耐熱性試験、接着・解体試験(A)を行った。又、(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質の平均粒径及び粒径(μm)を対数で表示したときの粒径に対する粒子体積分布の標準偏差も測定した。それらの結果を表1〜2に示した。
(実施例8)
(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質として平均粒子径40μm、粒径(μm)を対数で表示したときの粒径に対する粒子体積分布の標準偏差0.062の球状架橋ポリスチレン粒子(積水化学社製「GS−240」)を使用し、表1に示す種類の原材料を表1に示す組成で使用したこと以外は実施例2と同様にして易解体性接着剤を作製した。得られた易解体性接着剤について、実施例2と同様にガラス転移温度、引張せん断接着強さ、耐熱性試験、接着・解体試験(B)を行った。又、(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質の平均粒径及び粒径(μm)を対数で表示したときの粒径に対する粒子体積分布の標準偏差も測定した。それらの結果を表1〜2に示した。
(実施例9)
(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質として、平均粒子径140μm、粒径(μm)を対数で表示したときの粒径に対する粒子体積分布の標準偏差0.086の球状架橋ポリメチルメタクリレート粒子(ガンツ化成社製「GM−5003」を目開き150μmの篩と125μmの篩を用いて篩分けして作製)を使用し、表1に示す種類の原材料を表1に示す組成で使用したこと以外は実施例2と同様にして易解体性接着剤を作製した。得られた易解体性接着剤について、実施例2と同様にガラス転移温度、引張せん断接着強さ、耐熱性試験、接着・解体試験(B)を行った。又、(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質の平均粒径及び粒径(μm)を対数で表示したときの粒径に対する粒子体積分布の標準偏差も測定した。それらの結果を表1〜2に示した。
(実施例10、12〜14)
(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質として平均粒子径20μm、粒径(μm)を対数で表示したときの粒径に対する粒子体積分布の標準偏差0.061の球状架橋ポリスチレン粒子(積水化学社製「GS−220」)を使用し、表1に示す種類の原材料を表1に示す組成で使用したこと以外は実施例2と同様にして易解体性接着剤を作製した。得られた易解体性接着剤について、実施例2と同様にガラス転移温度、引張せん断接着強さ、耐熱性試験、接着・解体試験(B)を行った。又、(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質の平均粒径及び粒径(μm)を対数で表示したときの粒径に対する粒子体積分布の標準偏差も測定した。それらの結果を表1〜2に示した。
(実施例11、比較例1、比較例5)
(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質として平均粒子径20μm、粒径(μm)を対数で表示したときの粒径に対する粒子体積分布の標準偏差0.061の球状架橋ポリスチレン粒子(積水化学社製「GS−220」)を使用し、表1に示す種類の原材料を表1に示す組成で使用したこと以外は実施例1と同様にして易解体性接着剤を作製した。得られた易解体性接着剤について、実施例1と同様にガラス転移温度、引張せん断接着強さ、耐熱性試験、接着・解体試験(A)を行った。又、(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質の平均粒径及び粒径(μm)を対数で表示したときの粒径に対する粒子体積分布の標準偏差も測定した。それらの結果を表1〜2に示した。
(実施例12、13)
(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質として平均粒子径20μm、粒径(μm)を対数で表示したときの粒径に対する粒子体積分布の標準偏差0.061の球状架橋ポリスチレン粒子(積水化学社製「GS−220」)を使用し、表1に示す種類の原材料を表1に示す組成で使用したこと以外は実施例2と同様にして易解体性接着剤を作製した。得られた易解体性接着剤について、実施例2と同様にガラス転移温度、引張せん断接着強さ、耐熱性試験、接着・解体試験(B)を行った。又、(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質の平均粒径及び粒径(μm)を対数で表示したときの粒径に対する粒子体積分布の標準偏差も測定した。それらの結果を表1〜2に示した。
(実施例14)
(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質として平均粒子径20μm、粒径(μm)を対数で表示したときの粒径に対する粒子体積分布の標準偏差0.061の球状架橋ポリスチレン粒子(積水化学社製「GS−220」)を使用し、表1に示す種類の原材料を表1に示す組成で使用したこと以外は実施例2と同様にして易解体性接着剤を作製した。得られた易解体性接着剤について、実施例2と同様にガラス転移温度、引張せん断接着強さ、耐熱性試験、接着・解体試験(B)を行った。又、(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質の平均粒径及び粒径(μm)を対数で表示したときの粒径に対する粒子体積分布の標準偏差も測定した。それらの結果を表1〜2に示した。
(実施例15)
(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質として平均粒子径140μm、粒径(μm)を対数で表示したときの粒径に対する粒子体積分布の標準偏差0.086の球状架橋ポリメチルメタクリレート粒子(ガンツ化成社製「GM−5003」を目開き150μmの篩と125μmの篩を用いて篩分けして作製)を使用し、表1に示す種類の原材料を表1に示す組成で使用したこと以外は実施例1と同様にして易解体性接着剤を作製した。得られた易解体性接着剤について、実施例1と同様にガラス転移温度、引張せん断接着強さ、耐熱性試験、接着・解体試験(A)を行った。又、(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質の平均粒径及び粒径(μm)を対数で表示したときの粒径に対する粒子体積分布の標準偏差も測定した。それらの結果を表1〜2に示した。
(実施例16〜18)
(D)実施例1〜3と同様にして作製した易解体性接着剤を使用し、ガラス転移温度、引張せん断接着強さ、耐熱性試験、接着・解体試験(A)、(B)、(C)を行った。又、(D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質の平均粒径及び粒径(μm)を対数で表示したときの粒径に対する粒子体積分布の標準偏差も測定した。解体試験の際の剥離用UV照射は、キセノンガス封入のフラッシュランプ(マテリアルサイエンス社製:RC―802)を使用した。それらの結果を表1〜2に示した。
(使用材料)
TE−2000:ポリエステル系ウレタンアクリレート(日本曹達社製「TE−2000」)
UV−3000B:ポリエステル系ウレタンアクリレート(日本合成化学社製「UV−3000B」)
1.6−HX−A:ヘキサンジオールジアクリレート(共栄社化学社製「ライトエステル1.6−HX−A」)
1.9−ND:1.9−ノナンジオールジメタクリレート(共栄社化学社製「ライトエステル 1.9−ND」)
BDK:ベンジルジメチルケタール(チバ・ジャパン社製IRGACURE651)
I−907:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・ジャパン社製IRGACURE907)
本発明の用(メタ)アクリル系樹脂組成物は、光硬化型であるため、生産性及び初期接着性に優れる。使用後は接着体にエネルギーを照射することにより、容易に解体(剥離)し、基材をリサイクル(再利用若しくは分別廃棄処理)可能とすることができる。本発明の用(メタ)アクリル系樹脂組成物は、使用時の接着安定性、耐熱性にも優れ、建築用部材、電気電子部品、自動車用部品、事務用品、生活用品等数多くの用途に用いることができるため、産業上に有用である。特に耐熱性に優れるため、耐熱性が必要とされる電気電子部品、自動車用部品の耐熱性を必要とする解体性接着剤として産業上、非常に有用である。
本発明の接着・解体方法は、接着基材に熱等によるダメージを与えない。本発明の接着・解体方法は、必要に応じて光を照射することにより容易に剥離する。近年、環境問題、省資源問題等により、接着基材をリサイクル(再利用若しくは分別廃棄処理)させることが求められており、本発明の接着・解体方法は、産業上、非常に有用である。

Claims (12)

  1. (A)多官能(メタ)アクリレート、(B)単官能(メタ)アクリレート、及び(C)オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステル及び/又はオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]−エチルエステルを含有する (メタ)アクリル系樹脂組成物。
  2. (A)及び(B)の合計量100質量部に対して、(C)オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステル及び/又はオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]−エチルエステル1〜40質量部を含有する (メタ)アクリル系樹脂組成物。
  3. 得られる硬化体のガラス転移温度が−50〜50℃である請求項1乃至2の(メタ)アクリル系樹脂組成物。
  4. (D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質を含有する請求項1乃至3記載の易解体性接着剤用(メタ)アクリル系樹脂組成物。
  5. (D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質の形状が球状である請求項4記載の (メタ)アクリル系樹脂組成物。
  6. (D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質の平均粒径が5〜200μmである請求項4乃至5記載の(メタ)アクリル系樹脂組成物。
  7. (D)(A)〜(C)成分に溶解しない粒状物質のレーザー回折法による粒径(μm)を対数で表示したときの粒径に対する粒子体積分布の標準偏差が0.0001〜0.25である請求項4乃至6記載の(メタ)アクリル系樹脂組成物。
  8. 請求項1乃至7記載の(メタ)アクリル系樹脂組成物を用いる易解体性接着剤。
  9. 可視光線若しくは紫外線を波長365nmにおいて1〜10000mJ/cmのエネルギーを請求項8記載の易解体接着剤に照射して接着基材同士を接着して接着体を作製した後、可視光線若しくは紫外線を波長365nmにおいて300〜150000mJ/cmのエネルギーを易解体接着剤に照射して接着体を解体する接着・解体方法。
  10. 可視光線若しくは紫外線を波長365nmにおいて1〜10000mJ/cmのエネルギーを請求項8記載の易解体接着剤に照射して接着基材同士を接着して接着体を作製した後、可視光線若しくは紫外線を波長365nmにおいて300〜150000mJ/cmのエネルギーを易解体接着剤に照射し、接着体を0〜100℃の水に浸漬して解体することを特徴とする接着・解体方法。
  11. 可視光線若しくは紫外線を波長365nmにおいて1〜10000mJ/cmのエネルギーを請求項8記載の易解体接着剤に照射して接着基材同士を接着して接着体を作製した後、可視光線若しくは紫外線を波長365nmにおいて300〜150000mJ/cmのエネルギーを易解体接着剤に照射し、接着体を30〜300℃に加熱して解体することを特徴とする接着・解体方法。
  12. 請求項9乃至11記載の解体工程におけるエネルギー源として、キセノンガス封入のフラッシュランプを用いることを特徴とする接着・解体方法。
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