JP2010247773A - 惰行制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】惰行制御状態のまま車速が増加又は減少し一定以上に達して、車両の減速・加速が遅れてしまう状況の発生を防止する。
【解決手段】車両に搭載されるエンジンが車両の走行に寄与する仕事をしないときに、エンジンと車両の駆動輪との間に介設されるクラッチ51を断にすると共に、エンジンをアイドル状態にして車両を惰性走行させる惰行制御を行う惰行制御装置であって、アクセル開度及びクラッチのドリブン側回転数に基づく惰行制御開始条件が成立したときに、惰行制御を開始し、その惰行制御中にアクセル開度及びクラッチのドリブン側回転数に基づく惰行制御終了条件が成立したときに、惰行制御を終了する制御手段11、12を備え、制御手段11、12は、惰行制御中に惰行制御開始時の車速と現在の車速との差を求め、その差が所定のしきい値以上であるときに、惰行制御終了条件に拘らず惰行制御を終了する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に搭載されるエンジンが車両の走行に寄与する仕事をしないときに、エンジンと車両の駆動輪との間に介設されるクラッチを断にすると共に、エンジンをアイドル状態にして車両を惰性走行させる惰行制御を行う惰行制御装置に関するものである。
車両において、クラッチが断のとき、アクセルペダルが踏み込まれると、アクセルが開かれてエンジンがいわゆる空ぶかしとなり、エンジン回転数は、アクセル開度に対応したエンジン回転数に落ち着く。このとき、エンジンが発生させた駆動力とエンジン内部抵抗(フリクション)とが均衡し、エンジン出力トルクは0である。すなわち、エンジンは、外部に対して全く仕事をせず、燃料が無駄に消費される。
エンジンが外部に対して仕事をしない状態は、前述したクラッチ断のときの空ぶかしに限らず、車両の走行中にも発生している。このとき、エンジンは、空ぶかしのときと同じようにアクセル開度に対応したエンジン回転数で回転するだけで、車両の加速・減速に寄与しない。したがって、エンジンを回転させるためだけに燃料が消費されており、非常に無駄である。
本出願人は、エンジンが回転はしているが外部に対して仕事をしないときに、クラッチを断にし、エンジンをアイドル状態に戻して燃料消費を抑える惰行制御を行う惰行制御装置を提案した(特許文献2)。
惰行制御は、クラッチを自動で断接できる機構を搭載した車両において、エンジンが回転はしているが外部に対して仕事をしないときに自動でクラッチを切り、エンジン回転数をアイドリング回転数又は相当する回転数とする事で、燃費を向上させる手法である。
惰行制御は、上述のように自動でエンジン出力を切る(自動でクラッチを断接する)ことができる車両であれば適用できるので、マニュアル式のクラッチシステム(マニュアルT/M)に限らず、自動式のクラッチシステム(通常のトルコンATやAMT)においても同様の効果を得ることが可能である。
特開平8−67175号公報 特開2006−342832号公報
しかしながら、特許文献2では、ドライバーが加速の意志でアクセルを踏み込んでいるときにもクラッチが断にされる場合があり、ドライバーにとっては減速から加速に移行する際にトルク抜けが感じられ、違和感がある。
そこで、本出願人は、アクセル開度とクラッチ回転数を指標とする惰行制御判定マップを作成し、この惰行制御判定マップ上で、アクセル開度とクラッチ回転数の座標点が予め設定された惰行制御しきい線をアクセル開度が減少する方向に通過したとき、惰行制御を開始する惰行制御装置を開発中である。
ところで、上記の惰行制御においては、アクセル開度に基づいて制御を開始し、アクセル開度に基づいて制御を終了する。しかし、車両抵抗が走行中に変化した場合(例えば、緩やかな下り坂で惰行制御を開始し、その後急な下り坂に至った場合)、ドライバーがアクセル操作を変更すれば終了条件が成立して惰行制御が終了するが、車速の増加や減少を伴っていてもドライバーがアクセル操作を変更せず、惰行制御状態のまま車速が増加又は減少し一定以上に達すると、車両の減速・加速が遅れてしまう状況が発生する。
特に、マニュアル式のクラッチシステム(マニュアルT/M)では、ドライバーの操作により変速して走行するため、上述のような問題が発生する機会が増加する。自動式のクラッチシステム(ATやAMT)では、所定以上の車速変化で変速条件が成立するため、惰行制御から通常の変速制御に移行することができ、上述のような問題の発生はかなり少なくなるが、同様の問題はある。
そこで、本発明の目的は、惰行制御状態のまま車速が増加又は減少し一定以上に達して、車両の減速・加速が遅れてしまう状況の発生を防止することにある。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、車両に搭載されるエンジンが前記車両の走行に寄与する仕事をしないときに、前記エンジンと前記車両の駆動輪との間に介設されるクラッチを断にすると共に、前記エンジンをアイドル状態にして前記車両を惰性走行させる惰行制御を行う惰行制御装置であって、アクセル開度及び前記クラッチのドリブン側回転数に基づく惰行制御開始条件が成立したときに、前記惰行制御を開始し、その惰行制御中にアクセル開度及び前記クラッチのドリブン側回転数に基づく惰行制御終了条件が成立したときに、前記惰行制御を終了する制御手段を備え、前記制御手段は、前記惰行制御中に前記惰行制御開始時の車速と現在の車速との差を求め、その差が所定のしきい値以上であるときに、前記惰行制御終了条件に拘らず前記惰行制御を終了するものである。
前記制御手段は、アクセルペダルの操作速度が所定のしきい速度以下であるときのみ、前記惰行制御を開始するものであってもよい。
前記制御手段は、前記惰行制御中にアクセルペダルの操作速度が所定のしきい速度を超えるときには、前記惰行制御を終了するものであってもよい。
本発明によれば、惰行制御状態のまま車速が増加又は減少し一定以上に達して、車両の減速・加速が遅れてしまう状況の発生を防止することができるという優れた効果を奏する。
図1は、本発明の一実施形態に係る惰行制御装置が適用される車両の入出力構成図である。 図2は、制御手段の制御フローを説明するフローチャートである。 図3は、制御手段の制御フロー(常時演算時のフロー)を説明するフローチャートである。 図4は、本発明の一実施形態に係る惰行制御装置が適用される車両のクラッチシステムのブロック構成図である。 図5は、図4のクラッチシステムを実現するアクチュエータの構成図である。 図6は、惰行制御の概要を説明するための作動概念図である。 図7は、惰行制御判定マップのグラフイメージ図である。 図8は、惰行制御による燃費削減効果を説明するためのグラフである。 図9は、実際に惰行制御が行われた惰行制御判定マップの図である。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1に示すように、車両には、主として変速機・クラッチを制御する電子制御ユニット(ECU)11と、主としてエンジンを制御するECM(エンジン・コントロール・モジュール)12が設けられている。
電子制御ユニット11には、シフトノブスイッチ、変速機のシフトセンサ、セレクトセンサ、ニュートラルスイッチ、T/M回転センサ、車速センサ(車速検出手段)13、アイドルスイッチ、マニュアル切替スイッチ、パーキングブレーキスイッチ、ドアスイッチ、ブレーキスイッチ、半クラッチ調整スイッチ、クラッチセンサ、油圧スイッチの各入力信号線が接続されている。また、電子制御ユニット11には、クラッチシステム51の油圧ポンプ64のモータおよびソレノイドバルブ62、坂道発進補助用バルブ、ウォーニング&メータの各出力信号線が接続されている。
ECM12には、図示しないがエンジン制御に利用される各種の入力信号線と出力信号線が接続されている。ECM12は、クラッチ回転数、エンジン回転数、アクセル開度、エンジン回転変更要求の各信号をCAN(Controller Area Network;車載ネットワーク)の伝送路を介して電子制御ユニット11に送信することができる。
車両には、エンジンが車両の走行に寄与する仕事をしないときに、クラッチを断にすると共に、エンジン回転数をアイドル回転数(又は相当する回転数)に落してエンジンをアイドル状態として、車両を惰性走行させる惰行制御を実行する惰行制御装置が搭載されている。
次に、惰行制御装置を搭載する車両についてより詳細に説明する。
まず、車両のクラッチシステムについて説明する。
図4に示すように、車両のクラッチシステム51は、マニュアル式と電子制御ユニット11の制御による自動式との両立方式である。クラッチペダル52に機械的に連結されたクラッチマスターシリンダ53は、クラッチフリーオペレーティングシリンダ54に動作油を供給するようになっている。一方、電子制御ユニット11で制御されるクラッチフリーアクチュエータユニット55もまた、クラッチフリーオペレーティングシリンダ54に動作油を供給するようになっている。クラッチフリーオペレーティングシリンダ54は、クラッチスレーブシリンダ56に動作油を供給するようになっている。クラッチスレーブシリンダ56のピストン57がクラッチ58の可動部に機械的に連結されている。
図5に示すように、図4のクラッチフリーオペレーティングシリンダ54である中間シリンダ61、クラッチフリーアクチュエータユニット55を構成するソレノイドバルブ62、リリーフバルブ63、油圧ポンプ64がクラッチフリーアクチュエータ65に設けられる。中間シリンダ61は、プライマリピストン66とセカンダリピストン67とが直列配置されており、クラッチマスターシリンダ53からの動作油によりプライマリピストン66がストロークすると、セカンダリピストン67が随伴してストロークするようになっている。また、クラッチフリーアクチュエータユニット55からの動作油によりセカンダリピストン67がストロークするようになっている。セカンダリピストン67のストロークに応じてクラッチスレーブシリンダ56に動作油が供給されるようになっている。この構成により、マニュアル操作が行われたときには、優先的にマニュアル操作どおりのクラッチ断・接が実行され、マニュアル操作が行われていないときには電子制御ユニット11の制御どおりのクラッチ断・接が実行される。
ここでは、マニュアル式と自動式の両立方式のクラッチシステムについて説明したが、自動式のクラッチシステム(ATやAMT)であってもよい。
次に、惰行制御装置について説明する。
まず、図6により、惰行制御の作動概念を説明する。横軸は時間と制御の流れを示し、縦軸はエンジン回転数を示す。アクセルペダル71が大きく踏み込まれてアクセル開度70%の状態が継続する間、エンジン回転数72が上昇し、車両が加速される。エンジン回転数72が安定し、アクセルペダル71の踏み込みが小さくなりアクセル開度が35%になったとき後述する惰行制御開始条件が成立したとする。惰行制御開始により、クラッチが断に制御され、エンジン回転数72がアイドル回転数に制御される。その後、アクセルペダル71の踏み込みがなくなってアクセル開度が0%になるか又はその他の惰行制御終了条件が成立したとする。惰行制御終了により、エンジンが回転合わせ制御され、クラッチが接に制御される。この例では、アクセル開度が0%であるので、エンジンブレーキの状態となり、車両は減速される。
惰行制御が行われなかったとすると、惰行制御の実行期間の間、破線のようにエンジン回転数が高いまま維持されることになるので、燃料が無駄に消費されるが、惰行制御が行われることで、エンジン回転数72がアイドル回転数となり燃料が節約される。
本実施形態に係る惰行制御装置は、アクセル開度及びクラッチ回転数に基づく惰行制御開始条件が成立したときに、惰行制御を開始し、その惰行制御中にアクセル開度及びクラッチ回転数に基づく惰行制御終了条件が成立したときに、惰行制御を終了する制御手段を備える。
上記の制御手段は、具体的には、所定時間ごとにアクセル開度センサの出力信号をデジタルサンプリングし、その移動平均値を所定時間ごとのアクセル開度とするアクセル開度検出部と、アクセル開度の所定時間分を微分してアクセル開度速度を演算し、そのアクセル開度が負であって、かつ、その絶対値があらかじめ設定された開始基準値より小さいとき、惰行制御開始の判定を許可する判定条件検出部と、アクセル開度とクラッチ回転数を指標とし、エンジン出力トルクが負となるマイナス領域とエンジン出力トルクが正となるプラス領域との境界となるエンジン出力トルクゼロ線(ノーロード線)に沿わせて惰行制御しきい線が設定された惰行制御判定マップと、惰行制御開始の判定が許可されており、惰行制御判定マップ上で、アクセル開度とクラッチ回転数の座標点が惰行制御しきい線をアクセル開度が減少する方向に通過したとき、惰行制御を開始する惰行制御実行判定部とを有している。
ここで、クラッチ回転数とは、クラッチのドリブン側の回転数であり、トランスミッションのインプットシャフトの回転数と同一である。本実施形態では、インプットシャフトにクラッチ回転数センサを設け、インプットシャフトの回転数からクラッチ回転数を検出するようにした。
本実施形態では、電子制御ユニット11及びECM12が上記の制御手段をなす。また、上記のアクセル開度検出部、判定条件検出部、惰行制御判定マップ、惰行制御実行判定部は、電子制御ユニット11に搭載されるのが好ましい。
図7に、惰行制御判定マップをグラフイメージで示す。
惰行制御判定マップ81は、あらかじめエンジンについてアクセル開度とクラッチ回転数の相関をクラッチ断の状態にて計測して作成される。
図7に示すように、惰行制御判定マップ81は、横軸をアクセル開度とし、縦軸をクラッチ回転数とするマップである。惰行制御判定マップ81は、エンジン出力トルクが負となるマイナス領域Mと、エンジン出力トルクが正となるプラス領域Pとに分けることができる。すなわち、マイナス領域Mは、エンジン要求トルクよりもエンジンのフリクションが大きく、エンジン出力トルクが負となる領域である。プラス領域Pは、エンジン要求トルクがエンジンのフリクションより大きいため、エンジン出力トルクが正となる領域である。マイナス領域Mとプラス領域Pの境界となるエンジン出力トルクゼロ線(ノーロード線)Zは、エンジンが外部に対して仕事をせず、燃料が無駄に消費されている状態を示している。
本実施形態では、惰行制御判定マップ81のエンジン出力トルクゼロ線Zよりやや左(アクセル開度が小さい側)に惰行制御しきい線Tが設定される。
惰行制御判定マップ81には、マイナス領域Mとプラス領域Pとの間に惰行制御しきい線Tを含む有限幅の惰行制御可能領域CAが設定される。
惰行制御判定マップ81には、クラッチ回転数の下限しきい線Uが設定されている。下限しきい線Uは、アクセル開度とは無関係にクラッチ回転数の下限しきい値を規定したものである。下限しきい線Uは、アイドル状態におけるクラッチ回転数よりも図示のようにやや上に設定される。
本実施形態に係る惰行制御装置では、次の4つの惰行開始条件が全て成立したとき、惰行制御を開始するようになっている。
(1)アクセルペダルの操作速度がしきい値範囲内(アクセルペダルの操作速度がしきい速度以下であるとき)
(2)惰行制御判定マップ81において惰行制御しきい線Tをアクセル戻し方向で通過 (3)惰行制御判定マップ81へのプロット点が惰行制御可能領域CA内
(4)惰行制御判定マップ81においてエンジン回転数が下限しきい線U以上
また、本実施形態に係る惰行制御装置では、次の2つの惰行終了条件がひとつでも成立したとき、惰行制御を終了するようになっている。
(1)アクセルペダルの操作速度がしきい値範囲外(アクセルペダルの操作速度がしきい速度を超えるとき)
(2)惰行制御判定マップ81へのプロット点が惰行制御可能領域CA外
図8により、惰行制御による燃費削減効果を説明する。
まず、惰行制御を行わないものとする。エンジン回転数は、約30sから約200sまでの間、1600〜1700rpmの範囲で遷移しており、約200sから約260sまでの間に、約1700rpmから約700rpm(アイドル回転数)へ低下している。
エンジントルクは、約30sから約100sまでの間に増加しているが、その後、減少に転じ、約150sまで減少を続けている。エンジントルクは、約150sから約160sまで(楕円B1)、約200sから約210sまで(楕円B2)、約220sから約260sまで(楕円B3)の3箇所で、ほぼ0Nmとなっている。
燃料消費量(縦軸目盛りなし;便宜上、エンジントルクと重なるように配置してある)は、約50sから約200sまではエンジントルクの遷移にほぼ随伴して変化している。エンジントルクがほぼ0Nmであっても、燃料消費量は0ではない。
ここで惰行制御を行うものとすると、エンジントルクがほぼ0Nmとなる期間において、エンジン回転数がアイドル回転数に制御されることになる。グラフには、惰行制御を行わないクラッチ回転数の線(実線)から分かれるように惰行制御時のエンジン回転数の線(太い実線)が示される。惰行制御は、楕円B1,B2,B3の3回にわたり実行された。この惰行制御が行われた期間における燃料消費量は、惰行制御を行わない場合の燃料消費量を下回っており、燃料消費が節約されたことが分かる。
図9に、実際に惰行制御が行われた惰行制御判定マップ100を示す。各点は、実際に検出されたアクセル開度とクラッチ回転数のプロット点を示す。惰行制御判定マップ100には、マイナス領域、プラス領域、惰行制御しきい線(加速0しきい点、減速0しきい点)、惰行制御可能領域がそれぞれ設定されている。
ここで、本実施形態に係る惰行制御装置では、上記の制御手段は、惰行制御開始時の車速を記憶し、惰行制御中に惰行制御開始時の車速と現在の車速との差を求め、その差が所定のしきい値以上であるときに、通常の惰行制御終了条件に拘らず惰行制御を終了する点に特徴を有する。即ち、本実施形態では、惰行制御中に惰行制御開始時の車速(Akm/h)に対してしきい値(+αkm/h、−βkm/h)以上の速度変化(増速・減速)が発生したときに、通常の惰行制御終了条件に拘らず惰行制御を終了するようにしている。例えば、上記のしきい値(+αkm/h、−βkm/h)はそれぞれ、+3〜+5km/h、−3〜−5km/h程度に設定される。
次に、本実施形態に係る惰行制御装置における制御フローを説明する。
本実施形態に係る惰行制御装置では、惰行制御に移行すると図2に示す制御を開始して、並列演算を早期ループにて行う。
図2に示すように、まず、惰行制御開始後、電子制御ユニット11は、惰行制御開始時の車速(基準値Akm/h)を記憶し(ステップS1)、車速変化のしきい値(+αkm/h、−βkm/h)を読み込んで記憶する(ステップS2)。そして、電子制御ユニット11は、車速センサ13から現状車速(現在の車速)(Bkm/h)を読み込む(ステップS3)。
その後、電子制御ユニット11は、ステップS1で記憶した惰行制御開始時の車速AにステップS2で記憶した車速変化のしきい値(+α)を足すことで、許容増速度(A+α)を求め、求めた許容増速度(A+α)とステップS3で読み込んだ現状車速Bとを比較する(ステップS4)。現状車速Bが許容増速度(A+α)以上の場合(B≧A+α)、惰行制御終了フェーズに移行して惰行制御を終了する(ステップS6)。即ち、現状車速Bが許容増速度(A+α)以上の場合(B≧A+α)、惰行制御中に惰行制御開始時の車速(Akm/h)に対してしきい値(+αkm/h)以上の速度変化(増速)が発生しているので、惰行制御から通常の変速制御に移行するのである。他方、現状車速Bが許容増速度(A+α)より小さい場合(B<A+α)、本制御フローを継続する。
次に、電子制御ユニット11は、ステップS1で記憶した惰行制御開始時の車速AにステップS2で記憶した車速変化のしきい値(−β)を足すことで、許容減速度(A−β)を求め、求めた許容減速度(A−β)とステップS3で読み込んだ現状車速Bとを比較する(ステップS5)。現状車速Bが許容減速度(A−β)以下の場合(B≦A−β)、惰行制御終了フェーズに移行して惰行制御を終了する(ステップS6)。即ち、現状車速Bが許容減速度(A−β)以下の場合(B≦A−β)、惰行制御中に惰行制御開始時の車速(Akm/h)に対してしきい値(−βkm/h)以上の速度変化(減速)が発生しているので、惰行制御から通常の変速制御に移行するのである。他方、現状車速Bが許容減速度(A−β)より大きい場合(B>A−β)、電子制御ユニット11は、本制御フローを継続する。
なお、二回目以降は惰行制御開始時の車速A及び車速変化のしきい値(+α、−β)の記憶は省略して、一回目(制御開始直後)に記憶した惰行制御開始時の車速A及び車速変化のしきい値(+α、−β)を用いても構わない。
また、図2に示す制御フローは並列演算で行われるが、電子制御ユニット11の構成に余裕があれば図3に示す如く常時演算しても構わない。図3に示す制御フローでは、まず、電子制御ユニット11は、惰行制御中であるか否か(惰行制御が継続しているか否か)を判断し(ステップS7)、惰行制御中である場合、惰行制御開始時の車速Aを記憶するステップ(ステップS1)に移行する。また、電子制御ユニット11は、惰行制御中でない場合(惰行制御が終了した場合)、本制御フローを終了する。
次に、本実施形態の作用を説明する。
本実施形態に係る惰行制御装置では、惰行制御中に惰行制御開始時の車速(Akm/h)に対してしきい値(+αkm/h、−βkm/h)以上の速度変化(増速・減速)が発生した場合、通常の惰行制御終了条件に拘らず惰行制御を終了するようにしている。
例えば、緩やかな下り坂で惰行制御を開始し、その後急な下り坂に至った場合、急な下り坂で車両が増速されるので、ドライバーがアクセルペダルを離せば惰行制御終了条件(惰行制御判定マップ81へのプロット点が惰行制御可能領域CA外)が成立して惰行制御が終了し、惰行制御から通常の変速制御に移行する。
しかし、車速の増加を伴っていてもドライバーがアクセルペダルを離さない場合には、惰行制御判定マップ81へのプロット点が惰行制御可能領域CA外とはならずに惰行制御可能領域CA内に留まることがあり、その結果、惰行制御状態のまま車速が増加して一定以上に達して、この場合には車両の減速が遅れてしまう可能性がある。
本実施形態では、惰行制御中に惰行制御開始時の車速(Akm/h)に対してしきい値(+αkm/h、−βkm/h)以上の速度変化(増速・減速)が発生した場合、通常の惰行制御終了条件に拘らず惰行制御を終了するようにしたので、惰行制御中に一定以上の速度変化が生じる前に惰行制御を終了させることができ、惰行制御状態のまま車速が増加又は減少し一定以上に達して、車両の減速・加速が遅れてしまう状況の発生を防止することができる。
11 電子制御ユニット(制御手段)
12 ECM(制御手段)
13 車速センサ
51 クラッチ(クラッチシステム)
71 アクセルペダル

Claims (3)

  1. 車両に搭載されるエンジンが前記車両の走行に寄与する仕事をしないときに、前記エンジンと前記車両の駆動輪との間に介設されるクラッチを断にすると共に、前記エンジンをアイドル状態にして前記車両を惰性走行させる惰行制御を行う惰行制御装置であって、
    アクセル開度及び前記クラッチのドリブン側回転数に基づく惰行制御開始条件が成立したときに、前記惰行制御を開始し、その惰行制御中にアクセル開度及び前記クラッチのドリブン側回転数に基づく惰行制御終了条件が成立したときに、前記惰行制御を終了する制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記惰行制御中に前記惰行制御開始時の車速と現在の車速との差を求め、その差が所定のしきい値以上であるときに、前記惰行制御終了条件に拘らず前記惰行制御を終了することを特徴とする惰行制御装置。
  2. 前記制御手段は、アクセルペダルの操作速度が所定のしきい速度以下であるときのみ、前記惰行制御を開始する請求項1に記載の惰行制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記惰行制御中にアクセルペダルの操作速度が所定のしきい速度を超えるときには、前記惰行制御を終了する請求項1又は2に記載の惰行制御装置。
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