JP2010245963A - ワイヤレスマイクロフォン - Google Patents
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Abstract
【課題】赤外線をマイク周囲に放射することができ、構造が簡単で部品点数が少なく、生産性を向上できるワイヤレスマイクロフォンを提供する。
【解決手段】ワイヤレスマイクロフォン1は、音声信号を赤外線により送信する。ワイヤレスマイクロフォン1内の基板15に複数の赤外発光素子17が取り付けられており、複数の赤外発光素子17が、基板15の両面に少なくとも一つずつ配置されている。基板15の両面の各々に複数の赤外発光素子17が設けられて、それら赤外発光素子17が放射状に配置されてよい。基板15と別の専用基板を外発光素子17のために設けなくても、赤外線をマイク1の周囲に放射できる。
【選択図】 図1
【解決手段】ワイヤレスマイクロフォン1は、音声信号を赤外線により送信する。ワイヤレスマイクロフォン1内の基板15に複数の赤外発光素子17が取り付けられており、複数の赤外発光素子17が、基板15の両面に少なくとも一つずつ配置されている。基板15の両面の各々に複数の赤外発光素子17が設けられて、それら赤外発光素子17が放射状に配置されてよい。基板15と別の専用基板を外発光素子17のために設けなくても、赤外線をマイク1の周囲に放射できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、音声信号を赤外線により送信するワイヤレスマイクロフォンに関する。
従来、赤外線タイプのワイヤレスマイクロフォン(以下、マイクという)は、使用者に携帯される筒型のケースを有し、ケースに赤外発光素子が内蔵される。赤外発光素子は一般に発光ダイオード(LED)である。
使用者やマイクの向きに拘わらずマイクからの信号を受信するためには、赤外線を全方位すなわち360度の方向に向けて放射する必要がある。そこで、従来は、円形基板に複数の発光ダイオードが実装され、さらに、それら発光ダイオードの脚部が折り曲げられる。これにより、複数の発光ダイオードは各々が外を向くように円形に配置される。そして、この円形基板が、筒型のケース内に収容されている。
また、発光ダイオードを単純に外向きに折り曲げることによって発光ダイオードが円形基板から外にはみ出るのを避けるため、発光ダイオードを周方向に折り曲げ加工することも提案されている(例えば特許文献1)。
しかしながら、従来の赤外線タイプのマイクにおいては、上述のように円形基板を設ける必要があり、構造が複雑で部品点数が多く、そのために生産性も低いという問題があった。
この点に関し、マイクには、マイクロコンピュータや音声信号回路等を搭載した基板を収容する必要がある。マイクロコンピュータ等の基板は、マイク筐体内の細長い空間を有効に利用して必要な面積を確保するために、基板面がマイクの軸方向に沿うように配置される。これに対して、発光ダイオードの円形基板は、全方位の照射のために、マイクの軸方向に対して垂直に配置される。したがって、発光ダイオードの円形基板は、マイコン等の基板と別に設ける必要があり、更に基板間を接続するケーブルやコネクターも必要になる。そのため、構造が複雑で部品点数が多いという問題があり、さらには、基板実装工程が増え、組立工数も増加し、生産性が低下するという問題がある。
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、その目的は、赤外線をマイク周囲に放射することができ、構造が簡単で部品点数が少なく、生産性を向上できるワイヤレスマイクロフォンを提供することにある。
本発明は、音声信号を赤外線により送信するワイヤレスマイクロフォンであって、該ワイヤレスマイクロフォン内の基板に複数の赤外発光素子が取り付けられており、前記複数の赤外発光素子が、前記基板の両面に少なくとも一つずつ配置されている。
この構成により、ワイヤレスマイクロフォン内の基板の両面に赤外発光素子を備えることによりマイク周囲へ赤外線を放射できるので、赤外発光素子を設けた基板を特別に設ける必要がなくなり、基板間のケーブルやコネクターも不要になる。したがって、ワイヤレスマイクロフォンの構造を簡単にできると共に部品点数を削減でき、生産性も向上できる。
また、本発明のワイヤレスマイクロフォンでは、前記基板の両面の各々に複数の赤外発光素子が設けられており、基板両面の赤外発光素子が放射状に配置されている。
この構成により、ワイヤレスマイクロフォンの周囲の全方向に適切に赤外線を放射でき、良好な指向特性が得られる。
また、本発明のワイヤレスマイクロフォンでは、前記赤外発光素子の指向性に応じて放射範囲が全方位を網羅するように前記赤外発光素子の数が定められており、前記複数の赤外発光素子が周方向に間隔をあけて配置されている。
この構成により、ワイヤレスマイクロフォンの周囲の全方向に適切に赤外線を放射でき、良好な指向特性が得られる。
また、本発明のワイヤレスマイクロフォンは、隣接する前記赤外発光素子の間に延び、両側の前記赤外発光素子からの赤外線を反射する反射壁を有する。
この構成により、反射壁による赤外線の反射を利用して、ワイヤレスマイクロフォンの周囲方向に赤外線を放射させ、放射効率を高めることができ、良好な指向特性が得られる。
また、本発明のワイヤレスマイクロフォンでは、前記基板の一方の面に配置された前記赤外発光素子と、他方の面に配置された前記赤外発光素子とが、基板面に沿った方向にオフセットされている。
この構成により、ワイヤレスマイクロフォンの周囲に赤外線を放射できるように基板の両面に赤外発光素子を好適に取り付けることができる。
また、本発明のワイヤレスマイクロフォンでは、使用時のマイク姿勢にて前記赤外発光素子が仰角方向を向くように、前記赤外発光素子が前記基板に対して傾斜して取り付けられている。
この構成により、ワイヤレスマイクロフォンからの赤外線の放射方向を、天井部や壁面上部に取り付けられた赤外受光部に向けることができ、赤外受光部の受光特性を向上できる。
また、本発明のワイヤレスマイクロフォンでは、前記基板の両面の各々に、前記赤外発光素子の位置と方向を規制するガイド部材が取り付けられており、前記赤外発光素子が、前記ガイド部材に配置された状態で前記基板に取り付けられている。
この構成により、赤外発光素子を適切に位置決めでき、赤外線の放射方向のばらつきを小さく抑えることができ、赤外受光特性をより安定させることができる。
また、本発明のワイヤレスマイクロフォンでは、前記ガイド部材に可視発光素子が配置されており、前記可視発光素子が、前記赤外発光素子の周囲の赤外線透過部材を通して可視光を出射する。
この構成により、可視発光素子を発光させて、ワイヤレスマイクロフォンの動作状態を使用者に視覚的に把握させることができる。このような可視発光素子を、赤外発光素子を設けるための構造を活用して好適に取り付けられる。
また、本発明のワイヤレスマイクロフォンにおいて、前記ガイド部材は、前記基板に取り付けられるガイドベース部と、前記ガイドベース部に弾性ヒンジを介してつながった発光素子保持部とを有し、前記発光素子保持部が、前記弾性ヒンジによって回動して前記赤外発光素子を保持する構造を有する。
この構成により、発光素子保持部材を使って赤外発光素子を保持するので、赤外発光素子を基板に取り付ける作業が容易になる。例えば、赤外発光素子を基板の両面に半田づけするために基板を反転したときの素子落下を防止でき、取付作業が容易になる。
本発明は、ワイヤレスマイクロフォン内の基板の両面に赤外発光素子を設けることにより、赤外線をマイク周囲に放射することができ、構造が簡単で部品点数を削減でき、生産性を向上できるという効果を有するワイヤレスマイクロフォンを提供できる。
以下、本発明の実施の形態のワイヤレスマイクロフォン(以下、マイクという)について、図面を用いて説明する。
本発明の実施の形態に係るマイクを図1及び図2に示す。図1はマイク1の分解斜視図であり、図2がマイク1の外観の斜視図である。
まず、図2を参照すると、マイク1は、マイクケース(筐体)としての筒型の本体ケース3と、本体ケース3の上部に配置された赤外線透過部品5と、赤外線透過部品5の上部に配置されたマイクネット部品7とを有する。本体ケース3は、使用者が握りやすい外面形状を有している。更に、本体ケース3には、使用者にマイク1を握ったまま操作されるスイッチが設けられ、また、電池ボックスが設けられている。
次に図1を参照すると、本体ケース3は分割構造を有し、右ケース11と左ケース13とで構成される。赤外線透過部品5は、赤外線を透過するカラー型の部品であり、本体ケース3の外側に嵌められている。マイクネット部品7は、図示のように複数の音孔を有するキャップ型の部品であり、赤外線透過部品5の上側に配置されており、本体ケース3に被せられる。マイクネット部品7の内側には、息吹きや操作時の風切り音、水滴防止のための発泡材が取り付けられている。
本体ケース3の内部には基板15が収納されている。基板15は、本体ケース3内を軸方向(筒方向)に延びるように配置されており、基板面が軸方向に沿っている。基板15は、本体ケース3の下端付近から上端付近まで、ケース内部空間の全長に近いサイズを有している。また、図示されないが、本体ケース3の先端部にはマイク部品が取り付けられる。マイク部品は例えばECM(electret condenser microphone)である。マイク部品はマイクネット部品7の内側に配置され、基板15とケーブルで接続される。
基板15は、プリント基板であり、マイク1を機能させるための各種の部品が実装されている。例えば、基板15にはマイクロコンピュータが実装され、また、音声信号処理回路が実装されている。
本実施の形態では、図示のように、赤外発光素子17が基板15に取り付けられている。赤外発光素子17は、赤外線透過部品5の内側に位置するように配置されており、赤外線透過部品5を通して赤外線を放射する。
図3〜図5を参照し、赤外発光素子17関連の構成について説明する。図3は、基板15の赤外発光素子17周辺の分解斜視図である。図4は基板15を本体ケース3の軸方向から見た図であり、図5は横方向から見た図である。概略的構成としては、基板15の両面の各々に、ガイド部材19が取り付けられている。そして、各ガイド部材19に3つの赤外発光素子17が支持されており、これにより基板15の各面に3個の赤外発光素子17が配置され、合計で6つの赤外発光素子17が配置されている。それら6個の赤外発光素子17は、隣り合う赤外発光素子17同士が互いに60度の角度を成すように配置されており、したがって、それら6個の赤外発光素子17が、周方向に360度にわたって等間隔に配置されている。以下、赤外発光素子17に関する構成を詳細に説明する。
基板15は、部品が実装された部品面と、その裏側の半田面を有している。2つのガイド部材19は、基板15の部品面と半田面にそれぞれ取り付けられている。ガイド部材19は、基板15に向かって延びる一対の脚部21を有し、脚部21の先端に係合爪23が設けられている。また、ガイド部材19は、脚部21と離れた位置にピン25を有する。係合爪23が基板15の角孔27に係合することでガイド部材19の抜けが防止され、かつ、ピン25が基板15の丸孔29に挿入されることでガイド部材19の回転が防止され、これによってガイド部材19が基板15に固定されている。
ガイド部材19は、赤外発光素子17を支持し、赤外発光素子17の位置と角度を規制する構成である。図4に示すように、ガイド部材19は、3個の赤外発光素子17をそれぞれ支持するように3つの支持部31、33、35を有する。中央の支持部33は、基板15と平行であって、基板15から所定の距離だけ離れている。両側の支持部31、35は、中央の支持部33に対して60度傾いている。
各々の支持部31、33、35は、凹部を有しており、凹部の底が素子設置面(支持面)である。また、凹部の壁面は、赤外発光素子17(より詳細には素子本体下部のフランジ部)と対応する円筒形状を有している。赤外発光素子17は、赤外発光ダイオード(赤外LED)であり、樹脂製で円柱形状の素子本体37を有し、素子本体37の下面から2本の端子39が突き出している。素子本体37が支持部31、33、35の凹部に挿入され、本体下面が凹部の底面の素子設置面にに支持され、これにより赤外発光素子17が位置決めされている。
赤外発光素子17の端子39は、支持部31、33、35に設けられた穴から突き出しており、基板15を突き抜けて、反対側の面にて基板15に半田付けされている。左右の赤外発光素子17については、端子39が事前に折り曲げ加工されており、これにより、端子39が基板15に向かって延び、基板15を突き抜け、半田づけされている。
上記のように、基板15の各々の面では、ガイド部材19の中央の支持部33が基板15に平行なので、中央の赤外発光素子17が基板15に対して垂直方向を向いている。両側の支持部31、35が60度傾いているので、両側の赤外発光素子17も中央の赤外発光素子17と60度の角度を成す。
したがって、基板15の両面全体では、6個の赤外発光素子17が、マイク1の軸回りの方向に60度置きに等間隔に配置されることになり、全方位、すなわち360度方向に赤外線を照射することができる。このような全方位の赤外線放射が、マイクロコンピュータ及び信号処理回路等を搭載する基板15への赤外発光素子17の実装により実現されている。すなわち、全方位の赤外線放射が、従来のような別体の円形基板を利用することなく実現されている。
また、本実施の形態では、ガイド部材19が上記のように素子設置面としての支持部31、33、35を有し、赤外発光素子17の位置と方向を物理的に規制している。これにより、手作業での端子39の折曲げ等によって赤外発光素子17を方向付けする構成と比べて、赤外発光素子17の光軸方向のばらつきが小さくなり、赤外受光特性の安定度を増すことができる。
また、図5に示されるように、基板15の両面では、2つのガイド部材19が上下にオフセットされており、赤外発光素子17も上下にオフセットされている。この構成は、基板15の両面で2つのガイド部材19が背中合わせになることを回避でき、赤外発光素子17が軸方向に同位置になることを回避できる。これにより、2つのガイド部材19が互いに干渉することなく好適に基板15に取り付けられる。また、基板両面の赤外発光素子17の干渉も避けることができ、赤外発光素子17の半田付けも適切に行える。
次に、図6及び図7を参照し、赤外発光素子17に関連した本体ケース3の構造について説明する。図6はマイク1の正面図である。図7は、図6のラインA−Aを通る断面図であり、基板両側の赤外発光素子17を通るラインでマイク1が切断されている。
図示のように、マイク1は、隣接する赤外発光素子17の間に延びる反射壁41を有する。反射壁41は、基板15の各々側において、中央の赤外発光素子17の両側に配置されている。反射壁41は、銀色又は白色等の赤外線反射率が大きい色に着色されている。
反射壁41の構成を更に説明すると、図1に示すように、反射壁41は本体ケース3の一部である。本体ケース3は、赤外発光素子17の位置に開口43を有している。開口43は、赤外発光素子17のための窓であり、開口43内に赤外発光素子17が配置される。そして、反射壁41は、該反射壁41より上の部分と下の部分を連結する柱の役目を果たしている。
上記のように反射壁41を設けたので、以下の利点が得られる。反射壁41は、赤外発光素子17が発する赤外線を反射する。赤外発光素子17は、直進するだけでなく、反射壁41に反射してから赤外線透過部品5を透過する。したがって、ワイヤレスマイクロフォン周囲への放射効率が高まり、赤外線の強度分布をより均一にでき、指向特性を更に改善できる。
また、反射壁41は、本体ケース3の変形を防止する梁として機能する。これにより、例えばマイク1が踏みつけられた場合などに過荷重が作用したときに、また例えば、誤ってマイク1を落とした場合などに衝撃がマイク1に作用したときに、本体ケース3や赤外線透過部品5が破損するのを防止することができる。
次に、マイク1の製造方法について説明する。以下では、主として本発明に関連する部分の製造方法を説明する。図3に示すように、2つのガイド部材19が、基板15の両面にそれぞれ取り付けられる。ガイド部材19を取り付けるときは、ガイド部材19の係合爪23を基板15の角穴27に位置合わせし、ピン25を丸穴29に位置合わせし、ガイド部材19を基板15に押しつける。これにより、係合爪23が角穴27に係合し、ピン25が丸穴29に挿入される。
次に、各々のガイド部材19の支持部31、33、35に3つの赤外発光素子17を配置する。ここでは、赤外発光素子17を各支持部31、33、35の凹部に挿入し、素子本体37の下面を支持部31、33、35に当接させる。これにより、端子39が基板15を突き抜けて、反対の面から突き出す。両側の赤外発光素子17の端子39は、図3に示されているように予め折り曲げられている。3つの赤外発光素子17の端子39は、基板15に半田付けされる。半田付けの後、端子39の余分な部分が切断される。上記の作業は、基板15の両面の各々に対して行われる。これにより、6つの赤外発光素子17が基板15に実装される。
次に、基板15を挟み込むように、右ケース11と左ケース13が組み合わされて、本体ケース3が形成される。これにより、6つの赤外発光素子17は、本体ケース3の6つの開口43に配置される。さらに、図示されないが、ECM等のマイク部品が本体ケース3に取り付けられ、マイク部品のケーブルが基板15のコネクタに連結される。
さらに、本体ケース3の上部に赤外線透過部品5が嵌め込まれ、その上にマイクネット部品7が取り付けられる。こうしてマイク1の組立が完了する。
以上に、本実施の形態に係るマイク1の製造方法について説明した。次に、本実施の形態の各種の変形例について説明する。
「赤外発光素子の数及び配置」
上記の実施の形態では、6つの赤外発光素子17が60度置きに配置され、これにより全方向すなわち360度の指向特性が確保された。赤外発光素子の仕様によっては指向性が異なる。しかし、指向性が異なる赤外発光素子を適用する場合でも、素子数と素子配置(取付角度)を適切に設定することにより、マイク全体として指向特性を良好に設定でき、赤外線をマイク周囲に適切に放射できる。以下に、素子数及び素子配置が異なる幾つかの例を説明する。
上記の実施の形態では、6つの赤外発光素子17が60度置きに配置され、これにより全方向すなわち360度の指向特性が確保された。赤外発光素子の仕様によっては指向性が異なる。しかし、指向性が異なる赤外発光素子を適用する場合でも、素子数と素子配置(取付角度)を適切に設定することにより、マイク全体として指向特性を良好に設定でき、赤外線をマイク周囲に適切に放射できる。以下に、素子数及び素子配置が異なる幾つかの例を説明する。
図8は第1の例を示している。この例では、素子毎の放射範囲(指向角)が、上述の実施の形態の赤外発光素子17よりも狭い。そこで、360度の全方位を網羅するように、素子数が8に設定されており、基板15の両側にそれぞれ4個の赤外発光素子17が配置されている。そして、素子間の角度が45度に設定され、8個の赤外発光素子17が周方向に等間隔に配置されている。
図9は第2の例を示している。この例では、素子毎の放射範囲が、上述の実施の形態の赤外発光素子17よりも広い。そこで、素子数が4に設定されており、基板15の両側にそれぞれ2個の赤外発光素子17が配置されている。また、素子間の角度は90度に設定されている。
図10は第3の例を示している。この例では、素子数が2であり、基板15の両面に一ずつ配置されており、素子間の角度は180度である。この例に示されるように、本発明の範囲内で、マイク1は、基板15の両面に少なくとも一つずつ赤外発光素子17を備えてよい。ただし、より多くの赤外発光素子17を設けることが好適であり、より広くより均一な指向特性を得られる。
また、図10の構成は、上述の実施の形態と基板15の向きが異なっており、この点について以下に説明する。
使用者は、通常、親指がケース外面のスイッチ上に位置するようにマイク1を握る。このとき、使用者にとってはスイッチが前側にある。そこで、以下の説明では、スイッチ側を前面側といい、反対側を背面側といい、前面と背面を結ぶ方向を前後方向といい、前後方向と垂直な方向を左右方向という。
上記の実施の形態では、基板15の両基板面が左右方向を向いている。これに対して、図10の構成では、基板15の向きが変更されており、両基板面が前後方向を向いている(基板面が左右方向に沿っている)。これにより、赤外発光素子17は、前面側と背面側を向けて配置される。この構成は、下記の点で有利である。
図10では、広い指向性を持つ赤外発光素子17を使用しているが、それでも指向性には限界がある。そのため、図10の例のように素子数が少ない場合、赤外線の到達距離は、赤外発光素子17の光軸方向において、その他の方向よりも長くなる。一方、マイク1から赤外線を受信する受光センサは、使用者の正面方向にある場合が多い。したがって、上記のような基板及び素子配置を用いることで、マイク1からの赤外線をより確実に受光センサに到達させることができる。
また、上記の説明は受光センサがマイク1の正面方向にあることを想定しているが、受光センサがマイク1の横に位置する場合もある。例えば、センサー付き可搬型アンプなどは、使用者に可搬設置されるので、マイク1の横に位置することが多い。しかし、この場合は、受光センサが使用者の近くにあるので、図10のように赤外発光素子17が前後方向を向いていても、赤外線を好適に受光センサに届かせることができる。
また、前述の実施の形態では、本体ケース3は左右方向に分割された。これに対して、図10の構成では、本体ケース3が前後方向に分割される。これにより、前後方向を向いた基板15を好適に本体ケース3内に収容できる。また、前後方向を向いた赤外発光素子17のための開口(窓)を本体ケース3に好適に設けられる。
以上に素子数及び素子配置が異なる3つの例を説明した。その他、本発明の範囲内で、素子数は奇数であってもよい。この場合、奇数の素子を全体として周方向に等間隔に配置することが好適である。
「仰角方向を向いた取付角度」
次に、赤外発光素子17の上下方向の取付角度に関する変形例を説明する。本実施の形態に係る筒型のマイク1は、通常は垂直に近い姿勢で使用者に保持されることが多い。垂直姿勢とは、マイク1の軸方向が鉛直方向を向き、先端が上を向く姿勢である。
次に、赤外発光素子17の上下方向の取付角度に関する変形例を説明する。本実施の形態に係る筒型のマイク1は、通常は垂直に近い姿勢で使用者に保持されることが多い。垂直姿勢とは、マイク1の軸方向が鉛直方向を向き、先端が上を向く姿勢である。
上述の実施の形態では、赤外発光素子17の光軸が基板15に垂直な面上にあるので、マイク1が垂直姿勢にあるときに赤外発光素子17の光軸が水平方向を向く。そして、赤外線は水平方向を中心に仰角方向及び俯角方向に均等に放射される。しかし、光軸方向は、天井や壁面上部に配置される赤外受光部(受光センサ)の方向と大きくずれており、このことは受光感度を低下させる要因になり、受光特性にとっては不利である。この変形例は、上記の点を考慮して、受光特性を向上するものである。
図11は、この変形例に係るマイク1の構成を示している。マイク1は使用時の垂直姿勢にある。赤外受光部(受光センサ)は、遮蔽物を避けるために天井及び壁面上部に取り付けられている。図11では説明のために、天井及び壁面とマイク1とのサイズの比率が異なっている。
図11に示されるように、使用時のマイク姿勢にて赤外発光素子17が仰角方向を向くように、赤外発光素子17の取付角度が設定されている。この取付角度を実現するためには、ガイド部材19の支持部31、33、35の凹部が上向きに傾けられ、これにより素子設置面(凹部底面)も上向きに傾けられる。ここで、上向きとは、マイク1の先端方向である。これにより、赤外発光素子17の光軸が仰角方向を向くように、赤外発光素子17が基板15に傾斜して取り付けられる。
上記のように、赤外発光素子17を仰角方向に向けることにより、赤外光軸と赤外受光部方向とのずれが小さくなる。そして、図示のように、赤外受光部が、赤外発光素子17の指向角の範囲に適切に入る。したがって、赤外光軸の角度を最適化でき、受光特性を向上することができる。
「可視発光素子の追加」
図12及び図13を参照すると、この変形例では、可視発光素子51が追加されている。ガイド部材19は、可視発光素子51をガイドする形状を有し、これにより可視発光素子51がガイド部材19の所定位置に配置され、そして、可視発光素子51の端子が基板15に半田づけされている。
図12及び図13を参照すると、この変形例では、可視発光素子51が追加されている。ガイド部材19は、可視発光素子51をガイドする形状を有し、これにより可視発光素子51がガイド部材19の所定位置に配置され、そして、可視発光素子51の端子が基板15に半田づけされている。
図13を参照すると、既に説明したように、使用者は、マイク1の前面側のスイッチに親指を置くようにしてマイク1を握ることが多い。可視発光素子51は、スイッチと同じ側、すなわち、マイク1の前面に近い場所に、前面を向くように配置される。このような配置を実現するようにガイド部材19のガイド形状が構成されている。
可視発光素子51の点灯は、基板15のマイクロコンピュータ等の回路によって制御される。可視発光素子51の点灯は、マイク1の動作状態に応じて制御され、マイク1が正常に機能している場合に点灯される。具体的には、本実施の形態では、音声入力がされ、音声信号によりFM変調された赤外光が赤外発行素子17より発光されているときに、可視発光素子51が点灯される。可視発光素子51は継続的に点灯してもよく、点滅してもよい。
可視発光素子51の可視光は、赤外線透過部品5を透過する。使用者は、可視発光素子51の点灯を見て、マイク1の動作状態を把握でき、マイク1が正常に機能していることを確認できる。なお、赤外線透過部品5において、可視光通過部(可視発光素子51に対応する部分)は厚みを薄くして、または、その部分に可視光透過部材を設けて、可視光の視認性を良くしてもよい。
このようにして、本実施の形態では、赤外発光素子17を取り付けるためのガイド部材19を活用して可視発光素子51も基板15に取り付けられる。可視発光素子51を簡単な構造で設けることができ、そして、マイク1の動作状態を使用者に把握させることができる。
「ガイド部材の変形(発光素子保持部の追加)」
図14及び図15は、本実施の形態の更なる変形例を示している。この変形例では、赤外発光素子を位置決めするガイド部材が変形される。
図14及び図15は、本実施の形態の更なる変形例を示している。この変形例では、赤外発光素子を位置決めするガイド部材が変形される。
図示のように、この変形例では、ガイド部材61が基板15に取り付けられる。ガイド部材61は、ガイドベース部63と、弾性ヒンジ65と、発光素子保持部67で構成されている。これらは一体の部材であり、ガイドベース部63と発光素子保持部67が弾性ヒンジ65を介してつながっている。弾性ヒンジ65は薄肉部分であり、弾性ヒンジ65でガイド部材61を折り曲げて、発光素子保持部67をガイドベース部63に被せることができる。
ガイドベース63は、前述の実施の形態で説明されたガイド部材19と同様の機能を果たすように構成されている。すなわち、ガイドベース63は一対の脚部71を有し、脚部71の先端に係合爪73が設けられている。また、ガイドベース63は、脚部71と離れた位置にピン75を有する。係合爪73が基板15の角孔に係合することでガイド部材61の抜けが防止され、かつ、ピン75が基板15の丸孔に挿入されることでガイド部材61の回転が防止され、これによってガイド部材61が基板15に固定されている。
更に、ガイドベース部63は、支持部81、83、85を有し、それぞれ赤外発光素子17を支持する。各々の支持部81、83、85は凹部を有し、凹部に赤外発光素子17が挿入され、素子本体37が凹部の底の素子設置面に当接し、赤外発光素子17が位置決めされる。また、中央の支持部83が基板15に平行であり、両側の支持部81、85が傾いている。これにより、3つの赤外発光素子17が、互いに60度異なる方向を向けて配置される。
発光素子保持部67は、ガイドベース部63に対応する屈曲形状を有している。これにより、ガイド部材61が弾性ヒンジ65で折り曲げられると、発光素子保持部67がガイド部材61を覆うように、ガイド部材61の上に位置する。
発光素子保持部67の先端には係合爪91が設けられている。係合爪91が基板15の係合穴93に係合し、これにより、発光素子保持部67は、ガイドベース部63に被さった状態で固定される。
発光素子保持部67は、図示のように、3つの赤外発光素子17に対応する位置に窓部95を有する。赤外発光素子17は窓部95内に位置する。窓部95は、赤外発光素子17による赤外線放射を妨げない形状を有する。
発光素子保持部67は、更に、赤外発光素子17と当接する当接部97を有する。当接部97は、赤外発光素子17の素子本体37の下端にあるフランジ部99と当接する。これにより、フランジ部99がガイドベース部63と発光素子保持部67の間に挟まれ、赤外発光素子17が保持される。
次に、ガイド部材61を用いる場合のマイク1の製造方法について説明する。ここでは、ガイド部材61を使って赤外発光素子17を基板15に取り付ける動作の好適な例を説明する。
まず、2つのガイド部材61が、基板15の両面にそれぞれ取り付けられる。ここでは、特に、ガイド部材61のガイドベース部63が基板15に取り付けられる。すなわち、ガイドベース部63が基板15の所定位置に配置されて、基板15に押しつけられる。これにより、ガイドベース部63の係合爪73が基板15の角穴に係合し、また、ピン75が基板15の丸穴に挿入される。
次に、各々のガイドベース部63の支持部81、83、85に3つの赤外発光素子17を配置する。ここでは、赤外発光素子17を各支持部81、83、85の凹部に挿入し、素子本体37の下面を支持部81、83、85に当接させる。赤外発光素子17の端子39は基板15を突き抜けて、反対の面から突き出す。
次に、ガイド部材61が弾性ヒンジ65にて折り曲げられる。発光素子保持部67が弾性ヒンジ65を中心に回動し、ガイドベース部63に被さる。発光素子保持部67の先端の係合爪91が基板15の係合穴93に係合する。これにより、発光素子保持部67の当接部97が赤外発光素子17の素子本体37のフランジ部99に当接し、発光素子保持部67により赤外発光素子17が保持される。
次に、3つの赤外発光素子17の端子39が、基板15に半田付けされる。図15に示されるように、端子39は、基板15から突き出している。この部分が半田付けされ、それから、端子39の余分な部分が切断される。本実施の形態では、基板15の両面に赤外発光素子17が取り付けられ、半田付け作業のために基板15が裏返されることもある。この場合にも、赤外発光素子17が発光素子保持部67により保持されるので、赤外発光素子17の落下が防止され、作業が容易になる。
赤外発光素子17の落下を防止するために、特別な治具を用いることも考えられる。しかし、治具の取付及び取り外しという面倒な作業が生じる。本実施の形態によれば、ガイド部材61に一体的に発光素子保持部67が設けられる。したがって、部品点数を増やすことなく、赤外発光素子17の落下を防止でき、治具も不要にできる。
以上に本発明の実施の形態に係るマイク1(ワイヤレスマイクロフォン)について説明した。本実施の形態によれば、マイク1内の基板15の両面に赤外発光素子17を備えることによりマイク周囲へ赤外線を放射できるので、基板15と別に赤外発光素子専用基板を設ける必要がなくなり、基板間のケーブルやコネクターも不要になる。したがって、ワイヤレスマイクロフォンの構造を簡単にできると共に部品点数を削減でき、生産性も向上できる。
また、本実施の形態では、基板15の両面の各々に複数の赤外発光素子が設けられており、それら基板両面の赤外発光素子が放射状に配置されており、したがって、マイク周囲の全方向に適切に赤外線を放射でき、良好な指向特性が得られる。
また、本実施の形態では、赤外発光素子17の指向性に応じて放射範囲が全方位を網羅するように赤外発光素子17の数が定められており、それら複数の赤外発光素子17が周方向に間隔をあけて配置されており、したがって、マイク周囲の全方向に適切に赤外線を放射でき、良好な指向特性が得られる。
また、本実施の形態では、反射壁41が隣接する赤外発光素子17の間に延びるように設けられ、両側の赤外発光素子17からの赤外線を反射する。反射壁41による赤外線の反射を利用して、赤外線の放射強度のばらつきを低減でき、良好な指向特性が得られる。
また、本実施の形態では、基板15の一方の面に配置された赤外発光素子17と、他方の面に配置された赤外発光素子17とが、基板面に沿った方向にオフセットされている。したがって、マイク周囲に赤外線を放射できるように基板15の両面に赤外発光素子17を好適に取り付けることができる。
また、本実施の形態では、使用時のマイク姿勢にて赤外発光素子17が仰角方向を向くように、赤外発光素子17が基板15に対して傾斜して取り付けられている。したがって、マイク1からの赤外線の放射方向を、天井部や壁面上部に取り付けられた赤外受光部に向けることができ、赤外受光部の受光特性を向上できる。
また、本実施の形態では、基板15の両面の各々に、赤外発光素子17の位置と方向を規制するガイド部材19が取り付けられており、赤外発光素子17が、ガイド部材19に配置された状態で基板15に取り付けられる。これにより、赤外発光素子17を適切に位置決めでき、赤外線の放射方向のばらつきを小さく抑えることができ、赤外受光特性をより安定させることができる。
また、本実施の形態では、ガイド部材19に可視発光素子51が配置されており、可視発光素子51が、赤外発光素子17の周囲の赤外線透過部品5を通して可視光を出射する。これにより、可視発光素子51を発光させて、マイク1の動作状態を使用者に視覚的に把握させることができる。このような可視発光素子51を、赤外発光素子17を設けるための構造を活用して好適に取り付けられる。
また、本実施の形態では、図14及び図15に示したように、ガイド部材61が、基板15に取り付けられるガイドベース部63と、ガイドベース部63に弾性ヒンジ65を介してつながった発光素子保持部67とを有し、発光素子保持部67が、弾性ヒンジ65によって回動して赤外発光素子17を保持する構造を有する。この構成により、発光素子保持部材67を使って赤外発光素子17を保持するので、赤外発光素子17を基板に取り付ける作業が容易になる。上記の例では、赤外発光素子17を基板15の両面に半田づけするために基板15が反転される。本実施の形態では、基板反転時の素子落下を防止でき、取付作業が容易になる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明した。しかし、本発明は上述の実施の形態に限定されず、当業者が本発明の範囲内で上述の実施の形態を変形可能なことはもちろんである。
以上のように、本発明にかかるワイヤレスマイクロフォンは、構造が簡単で部品点数を削減でき、生産性を向上できるという効果を有し、会議場などの施設で用いられるワイヤレスマイクロフォン等として有用である。
1 マイク
3 本体ケース
5 赤外線透過部品
7 マイクネット部品
15 基板
17 赤外発光素子
19 ガイド部材
31、33、35 支持部
41 反射壁
51 可視発光素子
3 本体ケース
5 赤外線透過部品
7 マイクネット部品
15 基板
17 赤外発光素子
19 ガイド部材
31、33、35 支持部
41 反射壁
51 可視発光素子
Claims (9)
- 音声信号を赤外線により送信するワイヤレスマイクロフォンであって、
該ワイヤレスマイクロフォン内の基板に複数の赤外発光素子が取り付けられており、前記複数の赤外発光素子が、前記基板の両面に少なくとも一つずつ配置されていることを特徴とするワイヤレスマイクロフォン。 - 前記基板の両面の各々に複数の赤外発光素子が設けられており、基板両面の赤外発光素子が放射状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤレスマイクロフォン。
- 前記赤外発光素子の指向性に応じて放射範囲が全方位を網羅するように前記赤外発光素子の数が定められており、前記複数の赤外発光素子が周方向に間隔をあけて配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のワイヤレスマイクロフォン。
- 隣接する前記赤外発光素子の間に延び、両側の前記赤外発光素子からの赤外線を反射する反射壁を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のワイヤレスマイクロフォン。
- 前記基板の一方の面に配置された前記赤外発光素子と、他方の面に配置された前記赤外発光素子とが、基板面に沿った方向にオフセットされていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のワイヤレスマイクロフォン。
- 使用時のマイク姿勢にて前記赤外発光素子が仰角方向を向くように、前記赤外発光素子が前記基板に対して傾斜して取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のワイヤレスマイクロフォン。
- 前記基板の両面の各々に、前記赤外発光素子の位置と方向を規制するガイド部材が取り付けられており、前記赤外発光素子が、前記ガイド部材に配置された状態で前記基板に取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のワイヤレスマイクロフォン。
- 前記ガイド部材に可視発光素子が配置されており、前記可視発光素子が、前記赤外発光素子の周囲の赤外線透過部材を通して可視光を出射することを特徴とする請求項7に記載のワイヤレスマイクロフォン。
- 前記ガイド部材は、前記基板に取り付けられるガイドベース部と、前記ガイドベース部に弾性ヒンジを介してつながった発光素子保持部とを有し、前記発光素子保持部が、前記弾性ヒンジによって回動して前記赤外発光素子を保持する構造を有することを特徴とする請求項7又は8に記載のワイヤレスマイクロフォン。
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