JP2010242810A - 液封ブッシュ - Google Patents

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JP2010242810A JP2009090313A JP2009090313A JP2010242810A JP 2010242810 A JP2010242810 A JP 2010242810A JP 2009090313 A JP2009090313 A JP 2009090313A JP 2009090313 A JP2009090313 A JP 2009090313A JP 2010242810 A JP2010242810 A JP 2010242810A
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Abstract

【課題】大振幅低周波振動の入力に対しては、差動タイプの液封ブッシュに特有の、高い振動減衰機能を十分に発揮することができ、また、小振幅高周波振動に対しては、振動周波数の高低のいかんにかかわらず、常に高い追従性を発揮して、所期した通りの低動ばね化を実現することができ、しかも、大振幅低周波振動の入力に対し、高圧液室と低圧液室との間の差圧の、意図しない低下を有効に抑制できる液封ブッシュを提供する。
【解決手段】内筒1および、この内筒1を取り囲む外筒2と、これらの内外筒1,2を液密に連結する弾性部材3と、内外筒間で円周方向に間隔をおいて形成されて、液体を充填された二個の液室4a,4bと、これらの液室4a,4bの相互の連通をもたらす制限通路5とを具えるものであって、相互に隣接する液室4a,4b間に、穿孔剛性ケース6b内に可動部材6cを収納してなり、それらの両液室4a,4bの区画に寄与するがたメンブラン6を配設してなる。
【選択図】図2

Description

この発明は、サスペンションアームに圧入されるブッシュ、サブフレームに取り付けるに際して用いられるメンバーマウント等のブッシュ形状をなす防振装置のうちの、差動タイプの液封ブッシュに関するものであり、とくには、差圧タイプの液封ブッシュに比して、大きな振動減衰機能を発揮することができ、併せて、高周波微振幅振動による動ばね定数の増加を有効に抑制することができる技術を提案するものである。
従来の液封ブッシュとしては、特許文献1〜3のそれぞれに記載されたものがある。
特許文献1に記載されたものは、振幅が0.5mmより大きく周波数が4〜15Hzの振動に対し慣性減衰を行い、振幅が0.5mmより小さく周波数が8〜30Hzの振動に対し減衰の相互作用の遮断を行うことによって振動を防止するため、外側スリーブ、外側スリーブより内側にあって環状のスペースを形成し半径方向外向きのフランジを有する中間スリーブ、内側金属部分、内側金属と中間スリーブの間のゴム製スプリングを備え、外側スリーブと中間スリーブの間の環状スペースの中に慣性減衰チャンネルを有するものであり、中間スリーブから半径方向外側に延びる相互作用遮断プレートが保持手段に密接に組み付くことによって減衰の相互作用遮断が行われるとするものであり、
特許文献2に記載されたものは、互に同軸的に配置されるアウタースリーブとインナースリーブを弾性体を介して連結し、該弾性体の連結壁によって仕切られる2つの気密室に作動液を封入するとともに該両気密室をオリフィスを介して互いに連通してなる液体封入式ブッシュにおいて、前記連結壁に局部的な凹みを形成して小振幅の高周波振動を吸収する薄肉作動部を設けてなるものであり、
そして、特許文献3に記載されたものは、簡単な構造で、製作が容易であり、しかも複数の異なる周波数領域において、優れた振動吸収効果を有する円筒型液封入防振装置を提供するため、外筒と内筒を軸方向が一致するように配し、これらの間に配設した防振ゴム体の一部を凹陥せしめて外筒との間に主液室を形成し、その防振ゴム体には、他の部分の複数箇所に薄肉のゴム膜を形成し、これらゴム膜と外筒との間に、相互に仕切られ、かつ主液室と仕切られた複数の副液室を設け、上記副液室の一方と主液室とを第1のオリフィスにて連通せしめるとともに、複数の副液室を第2のオリフィスにて連通せしめ、上記第1のオリフィスと第2のオリフィスの流路長または流路断面積を変えてそれぞれ異なる周波数領域で振動吸収を行うようにしたものである。
実開平6−51587号公報 実開昭63−99050号公報 特開平8−4826号公報
しかるに、特許文献1および3に記載された液封ブッシュは、ダイアフラムないしは薄肉ゴム膜の変形によって、上側チャンバーもしくは副液室の圧力を吸収する差圧タイプのものであって、大振幅低周波振動の入力に対し、慣性減衰チャンネルまたは第2のオリフィスを流動する液体流量が、ダイアフラム等の変形による圧力吸収によって自と少くなるため、封入液体に対する流動抵抗、封入液体の液柱共振等に基く振動減衰機能を十分に高めることができないという問題があった。
これに対し、特許文献2に記載された液封ブッシュは、振動の入力によって液室容積の変化をもたらす差動タイプのものであるので、大振幅低周波振動の入力に対しては、実質的には、オリフィスを通る多量の液体の流動に基き、すぐれた振動減衰機能を発揮することができる。
しかるに、この液封ブッシュは、小振幅高周波振動の入力に対しては、直径方向に対抗する二つの液室の区画に寄与する薄肉作動部を膨縮変形させて低動ばね化をもたらすものであり、その薄肉作動部は、大振幅低周波振動の入力によっても、高圧側の液室の内圧を低圧側に逃がす向きに変形することになって、対抗する両液室の液圧差を低減させるべく機能することになるため、大振幅低周波振動に対する振動減衰機能の必然的な低下が余儀なくされるという問題があった他、その薄肉作動部は、周囲を厚肉弾性体に連続されて、自身の変形を厚肉部分によって拘束されることになるため、小振幅高周波振動、なかでも、より高い周波数の振動に対する追従性が低いという問題があった。
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題点を解決することを課題とするものであり、それの目的とするところは、大振幅低周波振動の入力に対しては、差動タイプの液封ブッシュに特有の、高い振動減衰機能を十分に発揮することができ、また、小振幅高周波振動に対しては、振動周波数の高低のいかんにかかわらず、常に高い追従性を発揮して、所期した通りの低動ばね化を実現することができ、しかも、大振幅低周波振動の入力に対し、高圧液室と低圧液室との間の差圧の、意図しない低下を有効に抑制できる液封ブッシュを提供するにある。
この発明の液封ブッシュは、内筒および、この内筒を取り囲む外筒と、軸線方向が一致する、ともに剛性材料からなるこれらの内外筒を液密に連結する、ゴム、エラストマー等とすることができる弾性部材と、内外筒間で円周方向に間隔をおいて形成されて、所要の液体を充填された複数個の液室と、これらの液室の相互の連通をもたらす制限通路とを具えるものであって、相互に隣接する液室間に、それらの両液室の区画に寄与する、がたメンブラン等の変位量規制メンブランを配設してなるものである。
ここにおいて、「変位量規制メンブラン」とは、可動部材の変位量が規制される場合の他、可撓ないしは弾性部材の変形量が規制される場合をも含むものとする。
そして、この変位量規制メンブランは、それぞれの液室に臨む、一個もしくは複数個の孔を有する剛性ケース内に可動部材を収納したがたメンブランとすることが、応答性を高める上で好ましい。
なおここで、液室は、円周方向に間隔をおいて三個以上配設し得ることはもちろんであるが、振動の入力方向を特定できる場合は、液室を、内外筒の直径方向に対向する二個所に配設することが、構造の簡素化を図る上で好ましい。
またここで、制限通路は、ゴム等とすることができる弾性部材それ自体に、または、弾性部材と剛性部材との間に形成することも可能であるが、特定の横断面積および長さの条溝を有する、剛性材料になるチャンネル部材と、この剛性チャンネル部材の周りに緊密に嵌め合わせた剛性の外筒とで制限通路を区画するときは、弾性部材への変形の発生の有無にかかわらず、制限通路の各種寸法を常に一定に維持することができ、その制限通路に、チューニング通りの所定の機能を確実に発揮させることができる。
ところで、変位量規制メンブランは、制限通路がいわゆる目詰り状態の下で、所要の機能を発揮するので、そのメンブランは、外筒の軸線に対して、制限通路の配設側にそれと並列的に設けることも可能であるが、そのメンブランを、外筒の軸線に対して、制限通路とは反対の側に配設するときは、所要の寸法のメンブランを、スペース上の制約なしに簡易に設置することができる。
また、変位量規制メンブランは、弾性部材を介して内筒に連結した、剛性材料からなる中間筒と、これも剛性材料からなる外筒との間に配設することが、弾性部材が変形してなお、そのメンブランを所定の位置に確実に保持する上で好ましい。
ところでこの場合、変位量規制メンブランを、剛性中間筒に嵌め込み配置して位置決めすることが、そのメンブランの不測の位置ずれを、より効果的防止する上で好適である。
この発明の液封ブッシュは、サスペンションアームに圧入されるブッシュ、メンバーマウント等に適用されて、たとえば、内外筒の中心軸線方向の荷重の作用下で、そこへ、たとえば、液室が配設された前後方向もしくは左右方向の振動が入力された場合、その振動がブレーキ時のジャダー振動のような、低周波数(7〜15Hz)の大振幅振動であるときは、たとえば、相互に対抗して位置するそれぞれの液室内圧の増減圧に基き、それらの液室内の液体は制限通路を経て他方の液室側へ流動し、これにより、それぞれの液室容積の増減がもたらされることになる。
そしてこの場合、液体が制限通路から受ける流動抵抗、制限通路内の液体の液柱共振等に基いて、大振幅の低周波振動が効果的に減衰されることになる。
なおこのとき、隣接する液室間に配設されて、両液室の区画に寄与する変位量規制メンブランもまた、液室内圧の増減の影響を受けて、たとえば、メンブランの剛性ケース内の可動部材が、高圧側から低圧側へ変位することになるも、可動部材のこの変位量は、剛性ケースの作用によって、十分小さい、いいかえれば、0.5〜1mm程度の微振幅振動を吸収するに足る程度に抑制されるので、可動部材のこの変位が、高圧側の液室と、低圧側の液室との圧力差を、従来技術の液封ブッシュほどに大きく低減させることはなく、これがため、上記の振動減衰機能を十分に高めることができる。
この一方で、タイヤからのロードノイズ振動のような、高周波数(40〜80Hz)の微振幅振動の入力によって、制限通路が実質的な閉塞状態になった場合は、それぞれの液室間に配設した、変位量規制メンブランの、たとえば可動部材を、それぞれの液室内圧の作用下で、穿孔剛性ケース内にて高圧側から低圧側へ、振動振幅に応じて微振動させることによって、それぞれの液室内圧の増加を抑制することで、高周波振動を有効に吸収して、動ばね定数の増加を効果的に防止することができる。
なおこの場合、変位量規制メンブランをがたメンブランとしたときは、そのがたメンブランの可動部材は、剛性ケース内で、何の制約も受けることなく、高圧側から低圧側へ自由に変位することができるので、どのような高周波数振動に対しても、すぐれた応答性をもって高い追従性を発揮して、所期した通りの低動ばね化を実現することができる。
これに対し、変位規制メンブランを、穿孔剛性ケースと、この剛性ケース内に収納されて、剛性ケースの制約下で変形する、可撓ないしは弾性部材とで構成したときは、可撓部材もしくは弾性部材の、剛性ケースで制限される範囲内の撓み変形もしくは弾性変形をもって、ブッシュの低動ばね化を実現することができる。
以上のような液封ブッシュにおいて、液体を充填した液室を、内外筒の直径方向に対抗する二個所に配設したときは、入力方向が特定される振動に対し、所要の機能を十分に発揮させるとともに、設置スペースが限定される、比較的小型の液封ブッシュの構造を十分に簡素化することができる。
また、制限通路を、所定の横断面積および長さの条溝を有する剛性チャンネル部材と、この剛性チャンネル部材の周りに緊密に嵌め合わせた剛性の外筒とで区画した場合は、その制限通路の各種寸法を、弾性部材の変形の有無を問わず、常に一定のものとすることができるので、制限通路に、チューニング通りの機能を確実に発揮させて、所定の周波数の大振幅振動を所期した通りに減衰させることができる。
ここで、変位量規制メンブランを、外筒の軸線に対して、制限通路とは反対の側に配設するときは、そのメンブランの設置スペース上の制約なしに、所要寸法の変位量規制メンブランを簡易に配設することができ、また、制限通路側に設置する場合に比し、寸法の大型化に伴って、メンブランの応答性を高めて、より効率的に低動ばね化をもたらすことができる。
そしてまた、変位量規制メンブランを、ゴム等の弾性部材を介して内筒に連結した、剛性部材からなる中間筒と、これも剛性部材からなる外筒との間に配設するときは、弾性部材の変形の有無にかかわらず、そのメンブランを、両剛性部材間で、所定の位置に確実に保持して、メンブランに所要の機能を十分に発揮させることができる。
なおこのことは、変位量規制メンブランを、剛性中間筒に嵌め込み配置して、メンブランの所定の位置への位置決め保持をより一層確実なものとした場合にとくに効果的である。
この発明の一の実施形態を、外筒を取り外して示す斜視図である。 一の実施形態を、内外筒の軸線と直交する面内での、制限通路を通る断面として示す横断面図である。 変位量規制メンブランの分解斜視図である。 剛性部材からなる中間筒への、変位量規制メンブランの嵌め込み穴の形成例を示す図1と同様の図である。 他の実施例を示す図2と同様の横断面図を示す。 振動減衰性能および振動吸収性能を示すグラフである。
図1,2に示すところにおいて、1,2はそれぞれ、剛性材料からなり、軸線方向が一致する内筒および外筒を示し、ここでは、内筒1と、それを取り囲んで位置する外筒2とを、ゴム、エラストマー等とすることができる弾性部材3によって液密に連結する。
そしてここでは、内外筒1,2間で、弾性部材3を隔てた位置に、円周方向に間隔をおいて形成されて、内外筒1,2の直径方向に対抗する、所要の液体を充填された二個の液室4a,4bを設けるとともに、それらの両液室4a,4bの相互の連通をもたらす、一本もしくは複数本、図では一本の制限通路5を設ける。
ここで、この制限通路5は、弾性部材3の外周面に形成した、所要の横断面積および長さを有する条溝と、この条溝の開口を閉止する外筒2とで区画し得ることがもちろんであるが、たとえば図2に示すように、弾性部材3に埋設配置した、所要の溝横断面積および溝長さを有する剛性チャンネル部材5aと、この剛性チャンネル部材5aの周りに緊密に嵌め合わされて条溝の開口を閉止する外筒2とで制限通路5を区画するときは、振動の入力、荷重の作用等によって弾性部材3に変形が生じると否とにかかわらず、制限通路5の横断面積および長さを常に一定のものとして、その制限通路5内の液体を、所期した通りの振動周波数にて確実に液柱共振させることができ、液封ブッシュに、その周波数の振動を効果的に吸収させることができる。
またここでは、相互に隣接する液室4a,4b間に、図3(a)に分解斜視図で例示するように、それぞれの液室4a,4bに臨む面に、好ましくは複数個の孔6aを穿設してなる、全体として箱型をなす剛性ケース6b内に、たとえば軽量の樹脂板もしくは樹脂シート、または、ゴム板もしくはゴムシート等とすることができる可動部材6cを収納してなり、両液室4a,4bの区画に寄与する変位量規制メンブラン、図ではがたメンブラン6を配設する。
ところで、このがたメンブラン6は、外筒2の軸線に対して、制限通路5の配設側に配設することも可能であるが、これによれば、がたメンブラン6の配設スペースが自と狭小になって、がたメンブラン6の小型化が余儀なくされることになるので、好ましくは、図1,2に示すように、外筒2の軸線に対して制限通路5とは反対の側に配設することとし、これにより、所要の寸法のがたメンブランの配設を、大きなスペースの存在下にて十分簡易なものとし、また、受圧面積の大きい可動部材6cの適用下で、それぞれの液室4a,4bの内圧変化に対する応答性、ひいては、振動追従性を十分に高める。
なおこのようながたメンブラン6は、制限通路5とは反対の側で、弾性部材3の外周面と、外筒2の内周面との間に挟み込んで位置決め固定することも可能であるが、がたメンブラン6の位置決め固定をより確実なものとするためには、図2に例示するように、弾性部材3を介して内筒1に加硫接着、接着剤接着等によって連結した、剛性材料からなる中間筒7と、これも剛性材料からなる外筒2との間に、そのがたメンブラン6を挟み込み固定することで、弾性部材3が変形しても、がたメンブラン6の、所定位置への保持を担保することが好ましい。
そしてまた、がたメンブラン6の位置決め固定をさらに確実なものとするためには、図4に例示するように、剛性材料からなる中間筒7に、がたメンブラン6の嵌め込み穴7aを形成し、その嵌め込み穴7a内へがたメンブラン6の一側部を嵌め込み配置して、そのメンブラン6に対する位置決め拘束力を高めることが好ましい。
ところで、図3(b)は、図3(a)に示すがたメンブラン6の可動部材6cと置換可能な弾性膜体6dを示し、ゴム部材にて形成できるこの弾性膜体6dは、剛性ケース6b内で、その剛性ケース6bの制約下で、予め定めた寸法範囲で変形して、液室内圧の増加を防ぎ、動ばね定数の低下をもたらすことができる。
ここで、この弾性膜体6は、その周縁部の厚肉部分で剛性ケース6bに緊密に嵌まり合うので、弾性膜体6の薄肉部分が剛性ケース6b内で変形することはできても、弾性膜体6全体の、剛性ケース6b内での変位は、厚肉周縁部分の存在下で防止されることになる。
従って、このような弾性膜体6を用いたメンブランは、変位量規制メンブランではあっても、がたメンブラン6とはなり得ない。
図5は、この発明の他の実施形態を示す、図2と同様の横断面図であり、これはとくに、弾性部材3に埋設配置した剛性チャンネル部材5aの周方向長さを長くすることで、制限通路5の長さを長くし、併せて、がたメンブラン6の一方の側部部分を、剛性中間筒7に穿設した一の嵌め込み穴7a内に嵌め込み配置した点で、図1〜4に示すものとは構成を異にするものである。
以上のように構成してなる液封ブッシュは、たとえば、フロントサスペンションアームのリヤ側に、内外筒を車体の上下方向に向けた姿勢として取付けられて、車体の左右方向に向く、ブレーキング時のジャダー振動のような低周波数(7〜15Hz)の大振幅振動の入力を受けた場合は、その振動方向に配置した一対の液室4a,4bに圧力差が生じることになり、それぞれの液室4a,4b内の液体は、制限通路5を経て高圧側から低圧側へ流動することで、それらの液室4a,4bの容積が増減されるとともに、制限通路5内の液体の、チューニング周波数での液中共振、制限通路5が液体におよぼす流動抵抗等に基く、大きな振動減衰が行われることになる。
図6(a)は、この場合の振動減衰性能を、周波数との関係で概念的に示すグラフである。
これに対し、タイヤからのロードノイズ振動のような高周波数(40〜80Hz)の微振幅振動が入力された場合は、制限通路5内の液体の慣性力により、その通路5は実質的な閉塞状態となって、そこへの液体の流動は不能となるも、この微振幅振動に対しては、両液室4a,4bの区画に寄与するがたメンブラン6の可動部材6cが、穿孔剛性ケース6b内で、振動振幅に対応する量だけ高圧側から低下側へ変位して、その微振動による、高圧側の液室内圧の増加を防止するので、この高周波微振幅振動の入力による動ばね定数は、図6(b)に実線で示すように、がたメンブラン6の配設のない、図に仮想線で示す場合に比して大きく低減されることになり、ロードノイズ振動の、車体側への伝達は有効に防止されることになる。
ところで、このがたメンブラン6の可動部材6cは、剛性ケース6b内の限られたスペース内で、高圧側から低圧側へ、0.5〜1mm程度の微小量だけ変位するにすぎないので、ブッシュへの大振幅低周波振動の入力に当って、可動部材6cの変位が、高圧側の液室内圧を、意図しないほどに大きく低減させるおそれはなく、従って、両液室4a,4b間の大きな液圧差の発生を十分に担保することができるので、可動部材6cの変位による、制限通路5を通る液体の流動量の低減は無視し得る程度の微小なものとなる。
従って、大振幅低周波振動入力に対しては、がたメンブラン6の可動部材6cの変位があってなお、十分大きな振動減衰機能を発揮することができる。
なお、このような液封ブッシュの、メンバーマウントとしての適用は、たとえば、内外筒を車体の上下方向に向けた姿勢として、内筒を車体にボルト止めするとともに、内筒に設けた上端フランジを車体の下面に当接させ、また、外筒に設けた上端フランジの下面を、サスペンションメンバーのメンバーフレーム上に配置することによって行うことができる。
1 剛性内筒
2 剛性外筒
3 弾性部材
4a,4b 液室
5 制限通路
5a 剛性チャンネル部材
6 がたメンブラン
6a 孔
6b 剛性ケース
6c 可動部材
7 剛性中間筒
7a 嵌め込み穴

Claims (7)

  1. 内筒および、この内筒を取り囲む外筒と、これらの内外筒を液密に連結する弾性部材と、内外筒間で円周方向に間隔をおいて形成されて、液体を充填された複数個の液室と、これらの液室の相互の連通をもたらす制限通路とを具える液封ブッシュであって、
    相互に隣接する液室間に、それらの両液室の区画に寄与する変位量規制メンブランを配設してなる液封ブッシュ。
  2. 変位量規制メンブランを、それぞれの液室に臨む孔を有する剛性ケース内に可動部材を収納したがたメンブランとしてなる請求項1に記載の液封ブッシュ。
  3. 液室を、内外筒の直径方向に対抗する二個所に配設してなる請求項1もしくは2に記載の液封ブッシュ。
  4. 制限通路を、所定の横断面積および長さの条溝を有する剛性チャンネル部材と、この剛性チャンネル部材の周りに緊密に嵌め合わせた外筒とで区画してなる請求項1〜3のいずれかに記載の液封ブッシュ。
  5. 変位量規制メンブランを、外筒の軸線に対し、制限通路とは反対の側に配設してなる請求項1〜4のいずれかに記載の液封ブッシュ。
  6. 変位量規制メンブランを、弾性部材を介して内筒に連結した中間筒と外筒との間に配設してなる請求項1〜5のいずれかに記載の液封ブッシュ。
  7. 変位量規制メンブランを中間筒に嵌め込み配置してなる請求項6に記載の液封ブッシュ。
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