JP2010240989A - 機能性シート - Google Patents

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Abstract

【課題】気化性薬剤の塗布加工性に優れ、且つ、テープ状での加工性に優れた機能性シートを提供する。
【解決手段】表面層、中間層および裏面層が熱圧着によって一体化され、前記各層が一層以上で構成された積層不織布からなる機能性シートであって、該表面層と裏面層が平均繊維径10〜30μmの熱可塑性合成長繊維からなる不織布であり、該中間層が平均繊維径0.1〜5μmのメルトブロー極細繊維を1g/m以上有する不織布であり、該積層不織布は、部分熱圧着率が3〜35%、目付けが20〜200g/mであって、気化性薬剤が0.01g/m以上含有されてなることを特徴とする機能性シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、防錆性、防虫性、消臭性、芳香性、抗菌性、忌避性などの機能を有する機能性シートに関する。
紙、フイルム、織物、不織布などの単独又は積層体に防錆剤等の気化性薬剤が塗布されたシートは、金属類の保管、輸送等に広く利用されている。特に広く利用されている紙においては、リント(紙粉)が発生し、精密部品、クリーンルームなどでは利用できないなどの問題がある。
特許文献1には、気化性防錆剤を含有した合成樹脂不織布と、合成樹脂フイルム、合成樹脂クロスが順に積層されたポリオレフイン系樹脂の防錆シートが提案されている。この防錆シートは、強度に優れて破れ難く、再利用可能の材料からなるが、しかし、気化性防錆剤による加工性の問題、及び、テープ状での巻きの伸びが少ないなどの問題がある。
特許文献2には、密度0.2〜0.8g/cmの不織布に合成樹脂フイルムを積層させ、不織布に気化性防錆剤を含有させたポリオレフイン系樹脂の防錆シートが提案されている。この防錆シートは、不織布の繊維間隙が小さく密度が高いため、防錆剤が脱落しにくいという点で、改善されたものである。しかし、シート状物に防錆剤を塗布加工した場合に、防錆剤の塗布量が不十分であること、及び、塗布加工時の防錆剤の裏抜けが防止できないことなどの問題がある。
特許文献3には、有機過酸化物ヒドロペルオキシドを有効成分とする害虫忌避剤を塗布したシート状物が提案されており、一定空間において、各種害虫の侵入を有効に阻止できる空間忌避効果にすぐれている。しかし、シート状物に塗布加工する場合、塗布加工時の薬剤の裏抜けが防止できないなどの問題がある。
特許第3063273号公報 特許第3166438号公報 特許第3235911号公報
本発明は、上記のような従来の問題を解決し、リントの発生が少なく、気化性薬剤の塗布加工性に優れ、且つ、テープ状での加工性に優れた機能性シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の長繊維構成を有する不織布とすることにより、薬剤の裏抜けなどの塗布加工性が改善できること、及び、テープ状での加工性に優れることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は下記のとおりである。
1.表面層、中間層および裏面層が熱圧着によって一体化され、前記各層が一層以上で構成された積層不織布からなる機能性シートであって、該表面層と裏面層が平均繊維径10〜30μmの熱可塑性合成長繊維からなる不織布であり、該中間層が平均繊維径0.1〜5μmのメルトブロー極細繊維を1g/m以上有する不織布であり、該積層不織布は、部分熱圧着率が3〜35%、目付けが20〜200g/mであって、気化性薬剤が0.01g/m以上含有されてなることを特徴とする機能性シート。
2.熱可塑性合成長繊維およびメルトブロー極細繊維が、ポリエステル繊維、ポリエステル系共重合体繊維またはそれらの混合物繊維であることを特徴とする上記1記載の機能性シート。
3.前記積層不織布が、100N/5cm応力時の伸びが2%以上、100N/5cm応力時の幅入り率が20%未満であることを特徴とする上記1または2記載の機能性シート。
4.前記積層不織布が、平均みかけ密度が0.25g/cm以下であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の機能性シート。
5.前記積層不織布の少なくとも片面に、熱可塑性フイルムを貼り合わせてなることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の機能性シート。
6.前記気化性薬剤が、防錆剤、消臭剤、芳香剤、抗菌剤、忌避剤の少なくとも1種であることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の機能性シート。
本発明の機能性シートは、少なくとも1層に緻密な極細繊維層を有する積層不織布からなり、薬剤の塗布加工時に薬剤を十分に保液し、且つ、不織布の裏側に薬剤を透過しないなどの塗布加工性に優れている。従って、塗布された薬剤は、不織布表面より、主に内側の極細繊維層に保持されているため、薬剤の脱落が極めて少ない。更に、構成繊維がフイラメントからなるために、リント(脱落繊維)の発生が少ないなどの特徴を有する。
更に、本発明の機能性シートを金属などの鋼管等に被覆して用いる場合は、シワが入らない程度の張力下で、十分な伸びを有し、且つ、幅入りが少ない等、製品での2次加工性に優れている。
従って、防錆剤、防虫剤、消臭剤、芳香剤、抗菌剤、忌避剤などの薬剤を含有した機能性シートとして、金属類の保管、輸送用などの産業用、及び、家庭雑貨などの分野に広く利用できる。
以下本発明について詳細に説明する。
本発明の機能性シートは、表面層、中間層および裏面層が熱圧着によって一体化され、前記各層が一層以上で構成された積層不織布からなる。
積層不織布の中間層は、メルトブロー極細繊維(M)を1g/m以上有する不織布であって、該極細繊維の平均繊維径は0.1〜5μmであり、好ましくは0.3〜4μmである。中間層の不織布の目付けは、好ましくは1〜50g/m、より好ましくは2〜40g/mである。中間層にメルトブロー極細繊維を1g/m以上用いることにより、積層不織布の中間層における繊維間隙を小さくし、薬剤の塗布時において、裏抜けを有効に防止することができる。
積層不織布の表面層および裏面層は、熱可塑性合成長繊維(S)からなる不織布であって、熱可塑性合成長繊維の平均繊維径は10〜30μmであり、好ましくは12〜25μmである。また、該不織布の目付けは、好ましくは20〜170g/m、より好ましくは25〜150g/mである。表面層および裏面層は、機能性シートにおける補強材的役割を果たすものであり、機能性シート全体の強度を保持する。
従って、積層不織布の構成は、目的に応じて、SMS、SMMS、SMSMSなどの多層であってもよい。
本発明において、積層不織布の表面層および裏面層に用いられる熱可塑性合成長繊維は、溶融紡糸法で繊維化できる合成樹脂が用いられる。例えば、ポリプロピレン、共重合ポリプロピレンなどのポリオレフイン系繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートにフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、アジピン酸、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオールから選ばれた1種又は2種以上の化合物を共重合した芳香族ポリエステル共重合体、ポリ乳酸系重合体、ポリD−乳酸、ポリL−乳酸、D−乳酸とL−乳酸との共重合体、D−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体、L−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体、D−乳酸とL−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体などの脂肪族エステル等のポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66、共重合ポリアミドなどのポリアミド系繊維、鞘がポリエチレン、ポリプロピレン、共重合エステル、芯がポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの芯鞘構造の複合繊維等が用いられる。
特に、耐熱性、耐久性、強度などの点からポリエステル系繊維が好ましく用いられる。
本発明において、積層不織布の中間層に用いられる極細繊維は、メルトブロー方式で極細繊維が形成できる合成樹脂が用いられる。例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリエチレン、共重合ポリプロピレンなどのポリオレフイン繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートにフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、アジピン酸、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオールから選ばれた1種又は2種以上の化合物を共重合した芳香族ポリエステル共重合体、脂肪族エステルなどのポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66、共重合ポリアミドなどのポリアミド繊維などの合成繊維等が用いられる。
特に、耐熱性、耐久性などの点からポリエステル系繊維が好ましく用いられる。
本発明において、積層不織布の目付けは、20〜200g/m、好ましくは25〜150g/mであり、平均みかけ密度は、好ましくは0.25g/m以下、より好ましくは0.05〜0.23g/m、さらに好ましくは0.1〜0.2g/mである。
目付けが20g/m未満では、薬剤の保液量が少なくなり、不織布の強度が低下する。一方、目付けが200g/mを超え、平均みかけ密度が0.25g/mを超えると、不織布の強度が高くなるが、薬剤の保液量が多くなりすぎて、薬剤の塗布加工性、薬剤の揮散性が低下する。
本発明において、積層不織布は、スパンボンド法、メルトブロー法などにより得られ、メルトブロー極細繊維が上下の熱可塑性合成長繊維不織布間に積層され、部分熱圧着で一体化される。部分熱圧着率は3〜35%であり、好ましくは5〜30%である。部分熱圧着率が3%未満では、不織布の強力が低下し、一定応力下で伸びが大きくなり、且つ、幅入りし易くなる。一方、部分熱圧着率が35%を超えると、不織布の強力は高くなり、一定応力の伸びが小さくなり、且つ、幅入りが小さくなるが、ペーパーライクで、被覆加工性などが低下する。
本発明における積層不織布は、表面層、中間層および裏面層が熱圧着によって一体化されている。一体化する方法としては、例えば、公知のエンボスロールと平滑ロール間で加熱、圧着して接合する方法が挙げられる。加熱温度は、例えば、用いられる繊維の融点より20〜150℃低温の範囲が好ましく、更に、繊維の劣化、ロール融着などの影響を緩和する目的で、上下ロールに温度差を設けて熱圧着することが好ましい。熱圧着の圧力は、好ましくは10〜1000kPa/cm、より好ましくは50〜700kPa/cmである。
本発明の機能性シートは、金属製鋼管などに被覆して用いることもできる。従って、一定張力下で、破断せず、適度な伸びを有し、且つ、幅入りが少ないことが好ましい。
本発明の機能性シートをテープ状にして鋼管などを被覆する場合には、例えば、50〜500N/5cmの一定張力下で破断せずにシワが入らないように被覆することができる。
そのため、本発明の機能性シートは、100N/5cm応力時の伸びが、好ましくは2%以上、より好ましくは3〜25%、さらに好ましくは4〜20%であり、100N/5cm応力時の幅入り率が、好ましくは20%未満、より好ましくは0〜15%、さらに好ましくは0〜10%である。また、破断強度は100N/5cm以上が好ましく、より好ましくは120〜500N/5cmであり、破断伸度は10%以上が好ましく、より好ましくは12〜50%である。
本発明の機能性シートは気化性の薬剤が塗布されており、使用時には、多くの場合、包装、袋体、被覆、テープ形状などにして用いられる。従って、本発明の機能性シートで材料を被覆してから、薬剤の非透過性フイルムで被覆することが好ましい。
あるいは、積層不織布の少なくとも片面に、熱可塑性フイルムを貼り合わせた機能性シートとすることもできる。熱可塑性フイルムを貼り合わせるためには、ポリエチレン系接着剤、ポリプロピレン系接着剤、エチレン・酢酸ビニール系接着剤、2液ウレタン系接着剤等の接着剤を介して接着するか、加熱ロール等で接触して熱ラミネートことが好ましい。
熱可塑性フイルムとしては、非透過性のフイルムが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン・酢酸ビニール共重合体、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエステル等が好ましく、厚みは、好ましくは10〜100μm、より好ましくは20〜70μmである。フイルムの厚みが上記の範囲であると、十分な強度と非透過性が得られ、また、貼り合わせの加工性などが容易である。
本発明の機能性シートは、防錆剤、防虫・忌避剤、消臭剤、芳香剤、抗菌・防カビ剤などの気化性薬剤を含有している。気化性薬剤の含有量は、0.01g/m以上であり、好ましくは0.03〜20g/mである。含有量が0.01g/m未満では、短期間で機能性が低下し十分な効果が得られない。
気化性薬剤を含有させる方法としては、塗布する方法が好ましく、例えば、調整液の粘度を、好ましくは50〜20000mPa・s/25℃、より好ましくは100〜15000mPa・s/25℃に調整して、グラビアコーター、ナイフコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター等で塗布する方法が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、尿素、チオ尿素、亜硝酸ソーダ、亜硝酸ジシクロヘキシルアンモニウム、カプリン酸ジシクロヘキシルアンモニウム、安息香酸、安息香酸イソプロピル、安息香酸ブチル、安息香酸ソーダ、カプリン酸、カプリル酸、ジエチルアミン等の単独又は、2種以上を混合して用いる。但し、塗布加工性を良好に行う目的で、水溶性媒体、又は、溶剤性媒体に分散または混和して、接着剤、浸透剤などと調整して用いることもできる。
消臭剤としては、常温で液体の気化性を有するものであれば良い。例えば、ヒバ油、ヒノキ油、竹エキス、ヨモギエキス、キリ油、ツバキ油、ワサビ抽出油、マスタード油などの精油などが挙げられる。また、香料、植物性抽出物、香辛料抽出物等の薬剤としては、ハッカ油、メントール、リモネン、バニリン、マスタード、ワサビ、ガーリック、シナモン、胡椒、生姜などが挙げられる。
抗菌・防カビ剤としては、常温で液体の気化性を有するものであれば良い。例えば、α-ブロムシンナムアルデヒド、アリルイソチオシアネート、オクチルアルデヒド、パラホルムアルデヒド、チモール、ヘキサクロルベンゼン、チオシアノアセテート、オルソフエニルフエノールm-クレシル、アセテート、ソジウム、イソボルニルなどが挙げられる。
害虫・忌避剤としては、例えば、1−エチル−2−メチル−2−ペンテニル、クリサンセメート、クリサンセメート、2−メチル−3−アリル−4−オキソシクロペント−2−エニル、ピレスロイド化合物、メンタルヒドロペルオキシド、ピナンヒドロペルオキシドなどの少なくとも1種の有機過酸化物ヒドロペルオキシドと、ベーパスリン、N,N−ジエチル−m−トルアミド、ペリラアルデヒドなどの少なくとも1種の化合物などが挙げられる。
前記薬剤と共に用いられる水溶性媒体としては、例えば、水単独、又は、水に、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール、エチレングリコールなどを混和した混合液が用いられ、溶剤性媒体としては、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなどの単独または、2種以上の混合液が用いられる。
また、前記薬剤と共に用いられる接着剤としては、水溶性媒体の場合は、水性系接着剤、溶剤性媒体の場合は、溶剤系接着剤が用いられる。水性系接着剤は、例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、澱粉、寒天、アルギン酸ソーダ、カゼイン、ポリアクリル酸、及び、スチレン・ブタジエン系ラテックス、アクリル酸エステル系ラテックス、塩化ビニリデン系ラテックスなどのラテックス系バインダーなどであり、また、溶剤系接着剤は、例えば、メチルセルロース、フエノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などが用いられる。浸透剤としては、例えば、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などから選択して用いられる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。なお、測定方法及び評価方法は以下の通りである。
(1)目付(g/m
JIS−L1906に規定の方法に従い、経20cm×緯25cmの試験片を、布帛の幅1mあたり3箇所採取して質量を測定し、3点の平均値を単位面積あたりの質量に換算して求めた。
(2)厚み(mm)
JIS−L1906に規定の方法に従い、接圧荷重10kPaにて、布帛の幅方向に10箇所測定し、10点の測定値の平均値を算出して厚みとした。厚み計は、PEACOCK社製のNo.207を用いた。
(3)繊維径(μm)
布帛(繊維ウェブ、不織布など)の両端部10cmを除いて、布帛の幅20cm毎の区域からそれぞれ1cm角の試験片を切り取ってサンプルとした。各試験片について、マイクロスコープで繊維の直径を30点測定し、該30点の測定値の平均値を算出して繊維径とした。
(4)平均みかけ密度(g/cm
JIS−L1906 フラジュール法に準拠して測定した。布帛の3個所につき、目付と接圧荷重10kPaにて測定した厚みから単位容積当たりの重量を求め、3点の平均値を算出して平均みかけ密度とした。
(5)引張強力(N/5cm)、破断伸度(%)
JIS−L1906に準拠して測定した。布帛から幅5cm、長さ30cmの試験片を切り取り、定長引張試験機を用いて、引張速度10cm/minで、タテ、ヨコ各々3カ所について測定し、その平均値を算出した。
(6)100N/5cm応力時の伸び(%)及び幅入り率(%)
上記(5)と同様の条件で、100N/5cm応力時の伸び(%)及び幅入り率(%)を測定した。
〔実施例1〕
ポリエチレンテレフタレート(融点263℃)を、スパンボンド法により紡糸温度300℃で溶融紡糸して、繊維化させ、繊維ウェブA(目付け20g/m、平均繊維径15μm)を捕集ネット上に形成した。次いで、ポリエチレンテレフタレート(融点260℃)を、メルトブロー方式により、紡糸温度300℃、加熱空気320℃で1000Nm/hrで糸条を噴出させ、極細繊維ウエブB(目付け10g/m、平均繊維径2μm)を、直接に繊維ウェブA上に積層した。さらにその極細繊維ウエブBの上に、ポリエチレンテレフタレート(融点263℃)を、紡糸温度300℃で溶融紡糸して、繊維化させ、繊維ウェブC(目付け20g/m、平均繊維径15μm)を積層した。
得られた3層の積層ウェブ(A+B+C)を、一対のエンボスロール/フラットロール(温度230℃/215℃、線圧300N/cm)で部分熱圧着し、目付け50g/m、平均みかけ密度0.17g/m、熱圧着率12%の積層不織布を得た。
次いで、気化性薬剤として、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト15部、イソプロピルアルコール3部、メチルセルロース2部、水80部の混合水溶液(混合液粘度:200mPa・s/25℃)を用い、グラビアロール方式で、塗布量が2g/mになるように塗布して、防錆剤を含有した機能性シートを得た。得られた機能性シートの特性を表1に示す。
得られた機能性シートは、薬剤塗布加工時の裏抜けがなく、ガイドロール汚れが生じないなどの加工性に優れ、且つ、一定張力下の伸び率を有し、及び、幅入り率が小さいことなどに優れていた。
〔実施例2〕
実施例1で得た積層不織布を用い、気化性薬剤として、ベンゾトリアゾールとポリビニルアルコール(日本合成化学製:NM−11)を1:5の割合で混合した水溶液(粘度2000Pa・s/25℃)を調整し、該調整液をコンマコーター機で塗布したこと以外は実施例1と同様にして、防錆剤を含有した機能性シートを得た(但し、防錆剤のベンゾトリアゾール塗布量は0.5g/mになるようにした。)。得られた機能性シートの特性を表1に示す。
得られた機能性シートは、薬剤の塗布加工性に優れ、且つ、一定張力下で十分な伸びを有し、幅入り率が小さいなど、テープ状加工性に優れていた。
〔実施例3〕
実施例1で得た積層不織布を用い、気化性薬剤として、アレスリンなどのピレスロイド化合物と、ベーパースリンの混合液(1:1)を用い、該混合液とポリビニールアルコール(日本合成化学製:NM−11)を1:5の割合でイソプロピルアルコールと水の混合液(1:1)に溶解させて、粘度1000mPa・s/25℃に調整し、該調整液をコンマコーター機を用いて塗布したこと以外は実施例1と同様にして、防虫剤を含有した機能性シートを得た(但し、防虫剤のピレスロイド化合物塗布量は0.1g/mになるようにした。)。得られた機能性シートの特性を表1に示す。
得られた機能性シートは、薬剤の塗布加工性に優れ、且つ、一定張力下で十分な伸びを有し、幅入り率が小さいなど、テープ状加工性に優れていた。また、該機能性シートは、袋形状の熱シール加工が容易にできる機能性シートであり、2次加工の袋形状、及び、テープ形状に用いた場合に、端部の熱シール加工で密封化が行えるものであった。
〔実施例4〕
ポリエチレンテレフタレート(融点263℃)を、スパンボンド法により紡糸温度300℃で溶融紡糸して、繊維化させ、繊維ウェブA(目付け15g/m、平均繊維径15μm)を捕集ネット上に形成した。次いで、ポリエチレンテレフタレート(融点260℃)を、メルトブロー方式で、紡糸温度300℃、加熱空気320℃で1000Nm/hrで糸条を噴出させ、極細繊維ウエブB(目付け10g/m、平均繊維径2μm)を、直接に繊維ウェブA上に積層した。さらにその極細繊維ウエブBの上に、2成分紡糸口金を用いて、鞘成分が共重合ポリエステル樹脂(融点160℃)、芯成分がポリエチレンテレフタレート(融点263℃)からなる複合長繊維ウエブD(目付け15g/m、平均繊維径18μm)を積層した。
得られた3層の積層ウェブ(A+B+D)を、一対のエンボスロール/フラットロール(温度230℃/145℃、線圧300N/cm)で部分熱圧着し、目付け50g/m、平均みかけ密度0.17g/m、熱圧着率12%の積層不織布を得た。
次いで、実施例2で用いた気化性薬剤を、実施例2と同様にして塗布加工し、防錆剤を含有する機能性シートを得た(但し、防錆剤のベンゾトリアゾール塗布量は0.5g/mになるようにした。)。得られた機能性シートの特性を表1に示す。
得られた機能性シートは、薬剤塗布加工性に優れ、且つ、一定張力下で十分な伸びを有し、幅入り率が小さいなど、テープ状の加工性に優れていた。また、該機能性シートは、袋形状の熱シール加工が容易にでき、2次加工の袋形状、及び、テープ形状に用いた場合に、端部の熱シール加工で密封化が行えるものであった。
〔実施例5〕
実施例4で得た積層不織布を用い、実施例3で用いた気化性薬剤を、実施例3と同様の塗布方法で加工して、防虫剤を含有する機能性シートを得た(但し、防虫剤のピレスロイド化合物塗布量は0.1g/mになるようにした。)。得られた機能性シートの特性を表1に示す。
得られた機能性シートは、薬剤塗布加工性に優れ、且つ、一定張力下で十分な伸びを有し、幅入り率が小さいなど、テープ状の加工性に優れていた。
〔実施例6〕
実施例1で得た機能性シートの片面に、低密度ポリエチレンフイルム(30μm)を積層し、加熱ロール(温度120℃)で圧着させて貼り合わせ加工を行い、片面に非通気性のフイルム層を有する機能性シートを得た。得られた機能性シートを用いて金属製製品の包装を行った結果、3ヶ月の長期間保管しても、製品に錆の発生がなく、防錆効果の優れた包装ができた(なお、端部の熱シール接着加工ができ、密封化できた)。
〔比較例1〕
ポリエチレンテレフタレート(融点263℃)を、スパンボンド法により紡糸温度300℃で溶融紡糸して、繊維化させ、延伸・開繊した繊維ウェブ(平均繊維径15μm)を捕集ネット上に形成させ、一対のエンボスロール/フラットロール(温度230℃/225℃、圧力300N/cm)間で部分熱圧着し、目付け40g/m、平均みかけ密度0.28g/cm、熱圧着率25%の長繊維不織布を得た。
次いで、実施例1で用いた薬剤を、実施例1と同様にして塗布加工し、防錆剤を含有するシートを得た。得られた機能性シートの特性を表1に示す。
得られたシートは、薬剤の裏抜け現象が起こって、ガイドロールの汚れが発生し、塗布量のバラツキが生じて、加工の品位が低いものであった。
Figure 2010240989
本発明の機能性シートは、金属などの鋼管等に被覆して用いた場合、シワが入らない程度の張力下で、十分な伸びを有し、且つ、幅入りが少ない等、製品での2次加工性に優れている。従って、防錆剤、防虫剤、消臭剤、芳香剤、抗菌剤、忌避剤などの薬剤を含有した機能性シートとして、各種製品の包装材、保管、及び輸送に広く用いられる。特に、リント(脱落繊維など)の発生が少なく、精密機械部品などの包装資材、クリーンルームなどに広く利用できる。

Claims (6)

  1. 表面層、中間層および裏面層が熱圧着によって一体化され、前記各層が一層以上で構成された積層不織布からなる機能性シートであって、該表面層と裏面層が平均繊維径10〜30μmの熱可塑性合成長繊維からなる不織布であり、該中間層が平均繊維径0.1〜5μmのメルトブロー極細繊維を1g/m以上有する不織布であり、該積層不織布は、部分熱圧着率が3〜35%、目付けが20〜200g/mであって、気化性薬剤が0.01g/m以上含有されてなることを特徴とする機能性シート。
  2. 熱可塑性合成長繊維およびメルトブロー極細繊維が、ポリエステル繊維、ポリエステル系共重合体繊維またはそれらの混合物繊維であることを特徴とする請求項1記載の機能性シート。
  3. 前記積層不織布が、100N/5cm応力時の伸びが2%以上、100N/5cm応力時の幅入り率が20%未満であることを特徴とする請求項1または2記載の機能性シート。
  4. 前記積層不織布が、平均みかけ密度が0.25g/cm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の機能性シート。
  5. 前記積層不織布の少なくとも片面に、熱可塑性フイルムを貼り合わせてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の機能性シート。
  6. 前記気化性薬剤が、防錆剤、消臭剤、芳香剤、抗菌剤、忌避剤の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の機能性シート。
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