JP2010236682A - 流路開閉弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】弁体の密閉性能を保ち、耐久性に富む流路開閉弁を提供する。
【解決手段】EGRバルブ20は、ボディ本体22と、ボールバルブ30と、シャフト軸90と、前記ボールバルブ30が接するバルブ押さえ32と、バルブシート37とを含み、バルブ押さえ32の小径部34と大径部36との間にはこれらよりも小径な環状溝43が形成され、前記環状溝43とボディ本体と間に室33が形成される。ボールバルブ30の閉成時には、排気ガスの燃焼生成物が室33に堆積するため、ボールバルブ30と排気ガス流出口26との密閉性能を長期に良好に保持する。
【選択図】図4

Description

本発明は、流路開閉弁に関し、一層詳細には、例えば、内燃機関から排出される排気ガスが流通する流路等に介装されて該流路の開閉を行う流路開閉弁に関する。
この種の流路開閉弁には、排気ガスを再循環させるための流路開閉弁として用いられるものがある。特開2003−172211号公報(特許文献1)には、この種の排気流路開閉弁として球状の弁体を有する「ボールバルブ」構造が開示されている。前記「ボールバルブ」構造は、流路の断面積を大きくすることが可能であり、弁体と弁座とでチャタリングを起こすことが少ない。
特開昭57−114068号公報(特許文献2)は「ボール弁」に関するものであって、弁構造体の熱膨張に対して流路の密閉性を保つために可動部材を備える。可動部材は介設される弾性部材の弾発力により弁体に当接する方向に付勢されており、前記可動部材は弁体を保持する機能を有するとともに、シート機能も有する。一方、可動部材が弁体を保護する機能を達成するのみでシート機能を有しない場合もある。
ところで、特許文献1の従来技術によれば、前記ボールバルブの開閉機構には間隙が生じやすく、このため、弁体と弁座の密閉性を向上させるために両者の摺接する部位の一部又は全体を弾性変形する部材で構成したり、あるいは、シールリングを弁体又は弁座に装着したりしている。しかしながら、前記摺接する部位は、開閉時にボールバルブが回動する部位であるため、弁体と弁座との間を完全に密閉することは出来ない。特に、流体が排気ガスの場合、この間隙には燃焼生成物の予期せぬ堆積が生じてしまう。この堆積によって、弾性部材の弾発力が十分に発揮されることなく徐々に弱まり、密閉機能が損なわれる不都合がある。
特許文献2の従来技術によれば、メタルタッチタイプのボールバルブのボディ内に組み込まれたボールに金属製シートリングを当接し、螺旋ばねの弾発力によって前記シートリングをボディの内面に圧接し、ボールが熱膨張すると、シートリングはその膨張に追随してスライドする構造のものが採用されている。しかしながら、この特許文献2の従来技術では、シートリングを配設する間隙は密閉性を有していないため、特許文献1と同様に、燃焼生成物の予期せぬ堆積が生じてしまう。そして、このような構造によれば、進入した燃焼生成物のほとんどが弾性部材を収容する空間に直接堆積してしまう。そのため、弾性部材の円滑な動作を阻害するという難点が顕在化する。
特開2003−172211号公報 特開昭57−114068号公報
本発明は、前記の従来技術を克服するためになされたものであって、ボディ本体に形成された流体口に臨むボールバルブに対し、変位自在に可動部材を設け、この可動部材を弾性部材によって付勢する構造の流路開閉弁において、前記可動部材と前記ボディ本体との間に不要物、例えば、燃焼生成物を堆積させる小室を設けることで、前記可動部材よりも下流に配設された弾性部材の周辺には前記不要物が堆積しないようにし、このため、弾性部材の耐久性が向上し、且つ密閉性能に優れた、しかも長期間にわたって使用可能な流路開閉弁を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本願の請求項1で特定される発明は、貫通孔が設けられたボールバルブと、前記ボールバルブを回転自在に収容する室が設けられ且つ前記室の上流側と下流側に第1の流体口と第2の流体口とが設けられたボディ本体と、前記ボールバルブを前記室内で回動させて、前記第1と第2の流体口とを連通遮断するシャフト軸と、前記シャフト軸を回動するアクチュエータと、前記第1の流体口側に設けられ、前記ボールバルブに変位自在に摺接するバルブ押さえと、前記第2の流体口側に設けられ、前記ボールバルブが着座するバルブシートを備え、前記バルブ押さえは、前記ボールバルブが着座可能である可動部材と、前記可動部材を介して前記ボールバルブを前記バルブシート側へ押圧する弾性部材とを有し、さらに、前記可動部材は、前記ボディ本体と前記可動部材との間に第1の流体口から流れ込む不要物を受容する小室が形成されていることを特徴とする。
本願の請求項1の発明によれば、前記ボディ本体と前記可動部材との摺接部に第1の流体口から流れ込む不要物を受容する小室を設けたので、不要物、例えば、燃焼生成物(例えば炭素等の微粒子)は弾性部材の周辺に堆積することなく、前記小室へと侵入する。このため、弾性部材自体又はその周辺に不要物が堆積したり固着されないため、弾性部材の弾発力は長期にわたって損なわれることはないという効果が得られる。
本願の請求項2で特定される発明は、請求項1記載の流路開閉弁において、前記小室は、その一部が可動部材に設けられた環状の溝又は切欠であることを特徴とする。
本願の請求項2の発明によれば、不要物、例えば、燃焼生成物(例えば炭素等の微粒子)は、前記小室を構成する環状の溝又は切欠に侵入する。この場合、前記溝又は切欠は環状であるために不要物を収容する容積が大きく、且つ円形状であるが故に不要物の侵入方向も問うことなく捕捉可能である。このため、弾性部材自体又はその周辺に不要物が堆積したり固着されないため、弾性部材の弾発力は長期にわたって損なわれることはないという効果が得られる。
本願の請求項3で特定される発明は、請求項1又は2記載の流路開閉弁において、前記小室は、流体の流路方向と直交する少なくとも1つの急峻な壁部で形成されていることを特徴とする。
本願の請求項3で特定される発明によれば、前記小室に設けられた急峻な壁部の周辺では流体の流路が突然に狭くなるため、流体抵抗が大きくなり、流体が滞留しやすくなるため、不要物を効率よく収集可能となる。このため、弾性部材自体又はその周辺に不要物が堆積したり固着されないため、弾性部材の弾発力は長期にわたって損なわれることはないという効果が得られる。
本願の請求項4で特定される発明は、請求項3記載の流路開閉弁において、前記急峻な壁部は前記可動部材の軸線方向に沿って設けられる複数の環状溝により、複数形成されることを特徴とする。
本願の請求項4の発明によれば、複数形成される急峻な壁部によって、より一層不要物を捕捉することができる。
本願の請求項5で特定される発明は、請求項3又は4に記載の流路開閉弁において、前記急峻な壁部の外周縁は前記室を形成する内周壁に摺接することを特徴とする。
本願の請求項5の発明によれば、前記急峻な壁部の外周縁によって不要物の漏洩通路を極力小さくでき、小室への該不要物の侵入を可及的に少なくすることが可能となるとともに前記不要物を前記内周壁から掻き落とすことができる。
本願の請求項6で特定される発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の流路開閉弁において、前記可動部材の外周縁は湾曲した形状を有し、前記湾曲した外周縁が前記室を形成する内周壁に当接することを特徴とする。
本願の請求項6の発明によれば、前記外周縁と内周壁との接触面積が小さくなるために可動部材が変位し易くなり、しかも前期内周壁から不要物を効果的に掻き落とすことができる。
本願の請求項7で特定される発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の流路開閉弁において、前記流路開閉弁はEGRバルブであることを特徴とする。
本願の請求項7の発明によれば、内燃機関から排出される排気ガスに含まれる燃焼生成物(炭素の微粒子等)を効果的に捕捉することができる。
バルブボディに形成された室に収容されるボールバルブが開閉する際、流体口から導出される不要物をバルブ押さえを構成する可動部材とバルブボディとの間に設けられた小室へ堆積させるように導出するので、ボールバルブとバルブ押さえとを弾性作用下に密着させる弾性部材自体又はその周辺に不要物が堆積したり固着することを抑制することが可能となり、弾性部材の弾発力を損なうことなく長期間にわたってバルブ押さえの密封機能を発揮することができる。
図1は、本実施の形態に係るEGRバルブの一部切断斜視図である。 図2は、図1に示すEGRバルブの一部分解切欠縦断面図である。 図3は、図1に示すEGRバルブの概略縦断説明図である。 図4は、図1に示すEGRバルブのボールバルブとシャフト軸先端の係合状態を示し且つボールバルブが閉成状態の縦断斜視説明図である。 図5は、図4に対応してEGRバルブが排気ガス導入口と排気ガス導出口とを連通させた状態の概略縦断面図である。 図6は、図4のボールバルブとシャフト軸先端との係合状態を示す一部省略斜視説明図である。 図7は、本発明の第2の実施の形態に係るバルブ押さえを含むEGRバルブの一部省略拡大断面図である。 図8は、本発明の第3の実施の形態に係るバルブ押さえを含むEGRバルブの一部省略拡大断面図である。 図9は、本発明の第4の実施の形態に係るバルブ押さえを含むEGRバルブの一部省略拡大断面図である。 図10は、本発明の第5の実施の形態に係るバルブ押さえを含むEGRバルブの一部省略拡大断面図である。
本発明に係る流路開閉弁に関し、排気流路バルブ(以下、EGRバルブと称する)を好適な実施の形態として例示し、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
図1において、参照符号20は流路開閉弁の第1の実施の形態としてのEGRバルブを示す。EGRバルブ20は、アルミニウム等からなるバルブのボディ本体22を有し、このボディ本体22の下部には、比較的小径な排気ガス流入口24(第1の流体口)と、その反対側に前記排気ガス流入口24に連通する比較的大径な排気ガス流出口26(第2の流体口)が設けられている。実際、前記排気ガス流入口24と排気ガス流出口26の間に室28が形成され、この室28の内部に変形した球状のボールバルブ30が回動自在に配設される。排気ガス流入口24側には、バルブ押さえ32が配設される。
この場合、ボディ本体22の排気ガス流入口24と室28との間にはこの室28の一部を形成する該排気ガス流入口24より大径な段部29が形成され、前記段部29よりもさらに大径な段部35に連なっている。実際、段部35は前記室28と同径である。
バルブ押さえ32は、図1、図2から容易に了解されるように、小径部34と、この小径部34と一体的且つ同軸な大径部36とからなる可動部材を含み、前記小径部34は排気ガス流入口24に臨み、大径部36は前記ボールバルブ30に臨むように配設されている。前記小径部34と大径部36との間にはこれらよりも小径な環状溝43が形成され、前記環状溝43の大径部36側はテーパ溝を形成している。従って、段部29にはバルブ押さえ32の小径部34が臨み、段部35には大径部36が臨み、前記環状溝43と段部29、35の間で室33が形成されることになる。なお、バルブ押さえ32の小径部34の外周縁部は段部29との当接部位が線接触となるように断面半円状になっている。大径部36の外周縁部も前記と同様に断面半円形状であるのが好ましい。小径部34から大径部36にわたってその軸線に沿って通路51が形成される。大径部36には、ウエーブワッシャ38が設けられ、従って、このウエーブワッシャ38の弾発力によってバルブ押さえ32は常時排気ガス流出口26側へと弾発付勢され、大径部36によりボールバルブ30は、シートされている。
この場合、前記ウエーブワッシャ38に対して、図2に示すように、小径部34側にプレーンワッシャ39を設けてもよい。このプレーンワッシャ39の介装によって大径部36をさらにボールバルブ30側に押し付けることにより、ウエーブワッシャ38とボディ本体22との間隔の調整をより一層容易に行うことができる。さらに、ウエーブワッシャ38が直接ボディ本体22に接触しなくなることから、ボディ本体22の損傷を回避することができる。
排気ガス流出口26側には、バルブシート37が配設される。このバルブシート37は円環状であって、ボディ本体22に設けられた円形状の溝41にしっかりと固定される。ボールバルブ30は、図2から容易に了解されるように、中心軸に直交するように一方の曲面と他方の曲面が取り除かれて、該中心軸に沿って一方の面から他方の面へと貫通孔40が形成された球体である。そして、この貫通孔40に直交する頂部には、平面長方形状の凹部42が形成される。図4及び図6から容易に了解されるように、前記凹部42は、湾曲する底面44とその両側の平行な第1の側面46と第2の側面48とを有する。
次に、以上のように構成されるボールバルブ30を回動させるためのアクチュエータ側の構造について説明する。
ボディ本体22の上方には、小径な第1の環状溝70と、この第1環状溝70に連通する大径な第2の環状溝72が互いに連通して同軸的に形成され、前記第2環状溝72は外方に開放された状態にある。第1環状溝70から第2環状溝72にかけて、コイルスプリング74が設けられ、このコイルスプリング74の上端部に回転力伝達プレート76が配設される。回転力伝達プレート76は、その中心部分に下方へと開口する室78と、この室78と同軸で且つ狭径な上方へと開口する室80が設けられている。前記室80を構成する肉厚な環状の壁部82に連結ピン84が等間隔で複数本植設される。各々の連結ピン84の上部に金属製の円環状チューブ85が被嵌される。前記壁部82を囲繞してロータ押さえ86が嵌合し、このロータ押さえ86の上面に金属板からなるロータ88が設けられている。前記ロータ88は、後述するアクチュエータ110からの回動動作によって回転力伝達プレート76がどの程度回動したかを検出するためのセンサの一部を構成する。
一方、室80の中心部には、シャフト軸90が前記ボールバルブ30側へと延在するようにナット92によって締め付けられている。実際、シャフト軸90はボディ本体22に設けられた転がり軸受け94によって、その回動動作が円滑に行えるように構成され、さらに、前記転がり軸受け94と同軸的に且つその下方に排気ガスが外部に漏出しないようにシール96が設けられている。さらに、シール96の下方には、軸受け98が前記シール96から所定間隔離間して設けられている。
そこで、シャフト軸90の先端は、図2乃至図6から容易に了解されるように、二つの平行な側面100aと100bを有し、且つこの側面100a、100bが終端する下方は互いに外方へと膨出する曲面102a、102bとして形成されている。前記曲面102a、102bの下端部は、該曲面102a、102bの膨出方向に直交するように延在する円弧状の膨出部104に繋がっている。前記膨出部104、曲面102a、102b、側面100a、100bはシャフト軸90が組みつけられたとき、ボールバルブ30の凹部42に嵌合する。この場合、前記円弧状の膨出部104に代えて、図6に示すように屈曲する平面膨出部としてもよい。
なお、図中、参照符号106、107は、前記EGRバルブ20を強制的に冷却するための図示しない冷却水供給用パイプに連通する孔部を示し、参照符号108はシール96と転がり軸受94との間に設けられた金属製の押さえ板を示す。さらに、参照符号110は、前記シャフト軸90を開動するためのアクチュエータを示す。前記アクチュエータ110は、ボディ本体22の上部にロータ88を包被するように固着される。
本実施の形態に係るEGRバルブ20は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその作用並びに効果について説明する。
実際、アクチュエータ110は、ロータリーアクチュエータからなり、このアクチュエータ110が付勢されると、その回転力は、金属製の円環状チューブ85が被嵌された連結ピン84に伝達される。前記のように連結ピン84には、金属製の円環状チューブ85が被嵌されているために、アクチュエータ110が長期間に渡ってその回動動作を繰り返しても連結ピン84がその摩擦によって損耗することはない。このように連結ピン84に回転力が伝達されると、前記連結ピン84を植設している回転力伝達プレート76が回動し、その回動量はロータ88によって検出されるとともに、ナット92によってその一端部が緊締されたシャフト軸90にその回転力が伝達される。シャフト軸90の先端部は前記のように平行な側面100a、100bと、曲面102a、102b及び膨出部104がしっかりとボールバルブ30の凹部42に密着嵌合しているため、時間的遅れを生じることなく前記ボールバルブ30がその回転力に応じて即時に回転するに至る。すなわち、バルブ押さえ32の通路51と、バルブシート37の通路56に密着して両通路51、56の連通を遮断している状態(図3参照)から、ボールバルブ30を図5の状態に回転すれば、排気ガス流入口24側の通路51がボールバルブ30の貫通孔40とを連通し、さらにこの貫通孔40はバルブシート37側の通路56と連通して排気ガス流出口26に至る。従って、図示しないエンジンからの排気ガスが前記排気ガス流入口24に到達すると、通路54、貫通孔40、そして通路56を経て排気ガス流出口26から導出される。
以上のように、本実施の形態によれば、EGRバルブ20を閉成しようとするとき、前記と同様にアクチュエータ110からの回転力が連結ピン84に伝達され、ロータ88によってその位置が確認されるとともに、回転力伝達プレート76が回動し、シャフト軸90を経て、ボールバルブ30を図3に示す位置に回動せしめる。これによって、バルブシート37の通路56は完全に閉成されることから、図示しないエンジンからの排気ガスが排気ガス流出口26に至ることはない。しかしながら、ボールバルブ30の閉成後にも、エンジンからの排気ガスは排気ガス流入口24から、通路51に到達する。この排気ガスは、ボールバルブ30に到達するが、ボールバルブは閉成しているため、通路51内で滞留する。この場合、バルブ押さえ32の小径部34の外周部はボディ本体との当接部位が線接触となるように断面半円状になっているため、この小径部34によって排気ガスの侵入は阻止され、あるいは段部29の内周壁に付着した排気ガス中の炭素の微粒子は掻き落とされる。しかしながら、小径部34とボディ本体との接触面間の隙間は微小ではあるが、漏洩流路31へと少量漏出する(図4の実線矢印参照)。排気ガス流入口24に至った前記排気ガスは、漏洩流路31に沿ってバルブ押さえ32の小径部34の外周を経て室33に到達する。この際、漏洩流路31へと漏出した前記排気ガスは、該漏洩流路31内の流体抵抗が急激に大きくなる位置、すなわち、室33に侵入するため、前記排気ガスが含有する炭素の微粒子は、主として室33の内部に堆積する。このため、前記該漏洩流路31内のウエーブワッシャ38近傍への炭素の微粒子の堆積は抑制され、ウエーブワッシャ38の弾発力は長期間にわたって正常に保たれる。従って、該ウエーブワッシャ38によって、ボールバルブ30の閉成時の該ボールバルブ30と排気ガス流出口26との密閉性能を良好に保つことが可能となる。
図7〜10に、本発明の別の実施形態を示す。これらの実施の形態は室33を形成するバルブ押さえ32の形状に関する。なお、これらの実施の形態において、前記実施の形態の構成要素と同一の構成要素には、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略し、以下、同様とする。
図7は、第2の実施の形態の流路開閉弁を構成するバルブ押さえ200と該バルブ押さえ200を含むEGRバルブの一部拡大断面図を示す。この実施の形態ではバルブ押さえ200の大径部36の排気ガス流入口24側の一部に環状の切欠202を形成している。これによって、室33の容積が増大し排気ガス流入口24から侵入した排気ガスが含有する炭素の微粒子を一層多く環状の室33へと堆積させることが可能となる。
図8に示す実施の形態では、バルブ押さえ300の大径部36に環状溝302を形成するとともにバルブ押さえ32の小径部34と大径部36との間の環状溝43をさらに深く形成して環状溝304とし、その一方の壁部を急峻に立ち上がる遮蔽壁306としている。この場合、環状溝304によって室33の容積を増やすとともに急峻な遮蔽壁306としたので、排気ガスが含有する炭素の微粒子の拡散を抑制し、効率よく室33にこの炭素の微粒子を堆積させることができる。また、遮蔽壁306は段部29の隅角部まで延在させ、段部29を構成する面と摺接するようにしてもよく、この場合、バルブ押さえ300がボディ本体22と摺動する際には、該摺動部位は高圧力で摺動し、前記環状の室33内でボディ本体22側に堆積した炭素の微粒子を好適に掻き落とすことが可能となる。
図9に示す実施の形態では、バルブ押さえ400の大径部36に環状溝402を形成するとともに、バルブ押さえ400の小径部34と大径部36との間に、小径部34よりもさらに小径な環状溝404と環状溝406とを二条形成し、環状溝404の一方の壁部を急峻に立ち上がる遮蔽壁408とし、環状溝404と環状溝406との間の壁部を急峻に立ち上がる遮蔽壁410としている。この場合、前記二条の環状溝404と環状溝406とを設けることによって、室33の容積を増やし、一方これら環状溝404、406を形成する壁部を急峻な遮蔽壁408、410としたので、排気ガスが含有する炭素の微粒子の拡散を抑制し、効率よく室33にこの炭素の微粒子を堆積させることができる。
図10に示す実施の形態では、バルブ押さえ500の小径部34と大径部36との間に環状溝502を形成し、その一方の壁部を急峻に立ち上がる遮蔽壁504とするとともに、環状溝502の小径部34側には、該環状溝502よりもさらに深い環状溝506を形成している。また、環状溝506の大径部36側の壁部は、急峻に立ち上がる遮蔽壁508としている。この場合、環状溝506を環状溝502よりもさらに深く形成することによって室33の容積を増やすとともに、急峻な遮蔽壁504、508としたので、排気ガスが含有する炭素の微粒子の拡散を抑制し、効率よく室33にこの炭素の微粒子を堆積させるばかりでなく、バルブ押さえ500がボディ本体22と摺動する際、環状の室33内でボディ本体22側に堆積した炭素の微粒子を好適に掻き落とすことが可能となる。
なお、本発明について、好適な実施の形態を挙げて説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。特に、環状の室はバルブ押さえ側に設けられる構造に限定されるものではなく、ボディ本体に設けられてもよく、さらに、本発明に係る流路開閉弁は、前記EGRバルブに限定されるものではなく、種々の流体の流路を開閉する弁として用いることができることは言うまでもない。
20…EGRバルブ 22…ボディ本体
24…排気ガス流入口 26…排気ガス流出口
30…ボールバルブ 31…漏洩流路
32…バルブ押さえ 33、78、80…室
37…バルブシート 40…貫通孔
42…凹部
43、302、304、402、404、406、502、506…環状溝
46…第1の側面 48…第2の側面
74…コイルスプリング 76…回転力伝達プレート
84…連結ピン 86…ロータ押さえ
88…ロータ 90…シャフト軸
100a、100b…側面 102a、102b…曲面
104…膨出部

Claims (7)

  1. 貫通孔が設けられたボールバルブと、
    前記ボールバルブを回転自在に収容する室が設けられ且つ前記室の上流側と下流側に第1の流体口と第2の流体口とが設けられたボディ本体と、
    前記ボールバルブを前記室内で回動させて、前記第1と第2の流体口とを連通遮断するシャフト軸と、
    前記シャフト軸を回動するアクチュエータと、
    前記第1の流体口側に設けられ、前記ボールバルブに変位自在に摺接するバルブ押さえと、
    前記第2の流体口側に設けられ、前記ボールバルブが着座するバルブシートを備え、
    前記バルブ押さえは、前記ボールバルブが着座可能である可動部材と、前記可動部材を介して前記ボールバルブを前記バルブシート側へ押圧する弾性部材とを有し、さらに、前記可動部材は、前記ボディ本体と前記可動部材との間に第1の流体口から流れ込む不要物を受容する小室が形成されている
    ことを特徴とする流路開閉弁。
  2. 請求項1記載の流路開閉弁において、
    前記小室は、その一部が可動部材に設けられた環状の溝又は切欠である
    ことを特徴とする流路開閉弁。
  3. 請求項1又は2記載の流路開閉弁において、
    前記小室は、流体の流路方向と直交する少なくとも1つの急峻な壁部で形成されている
    ことを特徴とする流路開閉弁。
  4. 請求項3記載の流路開閉弁において、
    前記急峻な壁部は前記可動部材の軸線方向に沿って設けられる複数の環状溝により、複数形成される
    ことを特徴とする流路開閉弁。
  5. 請求項3又は4に記載の流路開閉弁において、
    前記急峻な壁部の外周縁は前記室を形成する内周壁に摺接することを特徴とする流路開閉弁。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の流路開閉弁において、
    前記可動部材の外周縁は湾曲した形状を有し、
    前記湾曲した外周縁が前記室を形成する内周壁に当接することを特徴とする流路開閉弁。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の流路開閉弁において、
    前記流路開閉弁はEGRバルブであることを特徴とする流路開閉弁。
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