JP2010235714A - ベンゾオキサジン樹脂 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ベンゾオキサジン樹脂に関する。
従来から、ベンゾオキサジン環構造を有する樹脂(以下、「ベンゾオキサジン樹脂」と記載する場合がある。)は開環重合し、熱硬化する樹脂として知られている。
このようなベンゾオキサジン樹脂として、下記式(3)で示されるベンゾオキサジン樹脂(以下、「B−a」と記載する場合がある。)が挙げられる。
式(3):
また、特許文献1には、下記式(4)で示される構造の化合物およびその開環重合体からなる熱硬化性樹脂が開示されている。
式(4):
このようなベンゾオキサジン樹脂として、下記式(3)で示されるベンゾオキサジン樹脂(以下、「B−a」と記載する場合がある。)が挙げられる。
式(3):
また、特許文献1には、下記式(4)で示される構造の化合物およびその開環重合体からなる熱硬化性樹脂が開示されている。
式(4):
特許文献2には、ベンゾオキサジン樹脂と、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、さらにはエラストマ等とを混合することが開示されている。
しかしながら、特許文献1および2に開示されるようなベンゾオキサジン樹脂は、堅く脆いものであり、熱硬化性樹脂として、十分な寸法安定性を有するものではなかった。
また、ベンゾオキサジン樹脂と他の樹脂と混合した特許文献2のような技術によっても、熱硬化性樹脂として十分な特性を有するものではなく、耐熱性や寸法安定性の点で、満足するものではなかった。
また、ベンゾオキサジン樹脂と他の樹脂と混合した特許文献2のような技術によっても、熱硬化性樹脂として十分な特性を有するものではなく、耐熱性や寸法安定性の点で、満足するものではなかった。
本発明が解決しようとする課題は、耐熱性および寸法安定性に優れるベンゾオキサジン樹脂を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術における課題を解決するために鋭意研究を行った結果、新規ベンゾオキサジン樹脂が、耐熱性および寸法安定性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下のとおりである。
[1]
下記一般式(1)で示されるベンゾオキサジン環構造を有するベンゾオキサジン樹脂。
一般式(1):
(一般式(1)中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、置換基を示し、nは0〜20の整数を示し、mは1〜20の整数を示し、pおよびqは、それぞれ独立して、0〜4の整数を示し、rおよびsは、それぞれ独立して、mは0〜3の整数を示す。)
[2]
下記一般式(2)で示されるベンゾオキサジン環構造を有するベンゾオキサジン樹脂。
一般式(2):
(一般式(2)中、nは0〜20の整数を示し、mは1〜20の整数を示す。)
[3]
重量平均分子量が10000以下である、[1]または[2]に記載のベンゾオキサジン樹脂。
[4]
nは0〜5の整数を示し、mは1〜5の整数を示す、[1]〜[3]のいずれかに記載のベンゾオキサジン樹脂。
[5]
ジヒドロキシベンゾフェノンと、アミノフェノールと、ホルムアルデヒドと、を反応させる、下記一般式(1)で示されるベンゾオキサジン環構造を有するベンゾオキサジン樹脂の製造方法。
一般式(1):
(一般式(1)中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、置換基を示し、nは0〜20の整数を示し、mは1〜20の整数を示し、pおよびqは、それぞれ独立して、0〜4の整数を示し、rおよびsは、それぞれ独立して、mは0〜3の整数を示す。)
[6]
前記ジヒドロベンゾフェノン1モルに対して、前記アミノフェノールを0.8〜1.2モルで反応させる、[5]に記載の製造方法。
[7]
[1]〜[4]のいずれかに記載のベンゾオキサジン樹脂とエポキシ樹脂を含有するベンゾオキサジン組成物。
[8]
前記ベンゾオキサジン樹脂100質量部に対し、エポキシ樹脂組成物を20〜1000質量部で含有する、[7]に記載のベンゾオキサジン組成物。
[9]
[1]〜[4]のいずれかに記載のベンゾオキサジン樹脂、または[7]もしくは[8]に記載のベンゾオキサジン組成物から得られる成形体。
[10]
フィルム状またはシート状である、[9]に記載の成形体。
[11]
[1]〜[4]のいずれかに記載のベンゾオキサジン樹脂、[7]もしくは[8]に記載のベンゾオキサジン組成物、または[9]もしくは[10]に記載の成形体から得られる硬化体。
[12]
フィルム状またはシート状である、[11]に記載の硬化体。
[13]
[9]もしくは[10]に記載の成形体、または[11]もしくは[12]に記載の硬化体を含むプリント配線板。
[1]
下記一般式(1)で示されるベンゾオキサジン環構造を有するベンゾオキサジン樹脂。
一般式(1):
(一般式(1)中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、置換基を示し、nは0〜20の整数を示し、mは1〜20の整数を示し、pおよびqは、それぞれ独立して、0〜4の整数を示し、rおよびsは、それぞれ独立して、mは0〜3の整数を示す。)
[2]
下記一般式(2)で示されるベンゾオキサジン環構造を有するベンゾオキサジン樹脂。
一般式(2):
(一般式(2)中、nは0〜20の整数を示し、mは1〜20の整数を示す。)
[3]
重量平均分子量が10000以下である、[1]または[2]に記載のベンゾオキサジン樹脂。
[4]
nは0〜5の整数を示し、mは1〜5の整数を示す、[1]〜[3]のいずれかに記載のベンゾオキサジン樹脂。
[5]
ジヒドロキシベンゾフェノンと、アミノフェノールと、ホルムアルデヒドと、を反応させる、下記一般式(1)で示されるベンゾオキサジン環構造を有するベンゾオキサジン樹脂の製造方法。
一般式(1):
(一般式(1)中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、置換基を示し、nは0〜20の整数を示し、mは1〜20の整数を示し、pおよびqは、それぞれ独立して、0〜4の整数を示し、rおよびsは、それぞれ独立して、mは0〜3の整数を示す。)
[6]
前記ジヒドロベンゾフェノン1モルに対して、前記アミノフェノールを0.8〜1.2モルで反応させる、[5]に記載の製造方法。
[7]
[1]〜[4]のいずれかに記載のベンゾオキサジン樹脂とエポキシ樹脂を含有するベンゾオキサジン組成物。
[8]
前記ベンゾオキサジン樹脂100質量部に対し、エポキシ樹脂組成物を20〜1000質量部で含有する、[7]に記載のベンゾオキサジン組成物。
[9]
[1]〜[4]のいずれかに記載のベンゾオキサジン樹脂、または[7]もしくは[8]に記載のベンゾオキサジン組成物から得られる成形体。
[10]
フィルム状またはシート状である、[9]に記載の成形体。
[11]
[1]〜[4]のいずれかに記載のベンゾオキサジン樹脂、[7]もしくは[8]に記載のベンゾオキサジン組成物、または[9]もしくは[10]に記載の成形体から得られる硬化体。
[12]
フィルム状またはシート状である、[11]に記載の硬化体。
[13]
[9]もしくは[10]に記載の成形体、または[11]もしくは[12]に記載の硬化体を含むプリント配線板。
本発明によれば、耐熱性および寸法安定性に優れる新規ベンゾオキサジン樹脂を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明のベンゾオオキサジン樹脂は、下記一般式(1)で示されるベンゾオキサジン環構造を有する樹脂である。
一般式(1):
(一般式(1)中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、置換基を示し、nは0〜20の整数を示し、mは1〜20の整数を示し、pおよびqは、それぞれ独立して、0〜4の整数を示し、rおよびsは、それぞれ独立して、mは0〜3の整数を示す。)
R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、置換基を示すが、R1およびR2は同一の置換基であっても、異なる置換基であってもよく、また、R3およびR4は同一の置換基であっても、異なる置換基であってもよい。
置換基は、活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、炭素数1から6の飽和または不飽和の、直鎖または分岐のアルキル、アルケニル、およびアルキニル、炭素数3から6のシクロアルキル、並びにフェニルなどの置換または無置換のアリールなどから選択される基が挙げられ、具体例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、およびヘキシルなどから選択される基が挙げられる。
該有機基は、酸素原子および窒素原子を含んでいてもよく、酸素原子および窒素原子を含む有機基としては、炭素数1から6の飽和または不飽和の、直鎖または分岐のアルキルオキシ、ジアルキルアミノ、アルケニルオキシ、ジアルケニルアミノ、アルキニルオキシ、ジアルキニルアミノ、アルキルオキシアルキル、およびジアルキルアミノアルキルなどから選択される基が挙げられ、具体例として、メチルオキシ、エチルオキシ、ジメチルアミノおよびジエチルアミノなどから選択される基が挙げられる。
p、q、r、およびsは、ベンゼン環上の置換基の数を意味し、p、q、r、およびsが0の時、無置換であることを意味する。
p、q、r、およびsが2以上の整数である時、pを例示して説明すると、pが2である場合、R1として2つの置換基を有することを意味するが、それら2つの置換基は同一の置換基であっても、異なる置換基であってもよい。
上記一般式(1)中、mは1〜20の整数を示すが、塗工液に用いる溶媒への溶解性が高いことが好ましいため、分子量が小さいベンゾオキサジン化合物を含有するベンゾオキサジン樹脂であることが好ましい。そのため、mは1〜10の整数であることが好ましく、1〜5の整数であることがより好ましい。
また、nは0〜20の整数を示すが、塗工液に用いる溶媒への溶解性が高いことが好ましいため、分子量が小さいベンゾオキサジン化合物を含有するベンゾオキサジン樹脂であることが好ましい。そのため、nは0〜10の整数であることが好ましく、0〜5の整数であることがより好ましい。
一般式(1):
(一般式(1)中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、置換基を示し、nは0〜20の整数を示し、mは1〜20の整数を示し、pおよびqは、それぞれ独立して、0〜4の整数を示し、rおよびsは、それぞれ独立して、mは0〜3の整数を示す。)
R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、置換基を示すが、R1およびR2は同一の置換基であっても、異なる置換基であってもよく、また、R3およびR4は同一の置換基であっても、異なる置換基であってもよい。
置換基は、活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、炭素数1から6の飽和または不飽和の、直鎖または分岐のアルキル、アルケニル、およびアルキニル、炭素数3から6のシクロアルキル、並びにフェニルなどの置換または無置換のアリールなどから選択される基が挙げられ、具体例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、およびヘキシルなどから選択される基が挙げられる。
該有機基は、酸素原子および窒素原子を含んでいてもよく、酸素原子および窒素原子を含む有機基としては、炭素数1から6の飽和または不飽和の、直鎖または分岐のアルキルオキシ、ジアルキルアミノ、アルケニルオキシ、ジアルケニルアミノ、アルキニルオキシ、ジアルキニルアミノ、アルキルオキシアルキル、およびジアルキルアミノアルキルなどから選択される基が挙げられ、具体例として、メチルオキシ、エチルオキシ、ジメチルアミノおよびジエチルアミノなどから選択される基が挙げられる。
p、q、r、およびsは、ベンゼン環上の置換基の数を意味し、p、q、r、およびsが0の時、無置換であることを意味する。
p、q、r、およびsが2以上の整数である時、pを例示して説明すると、pが2である場合、R1として2つの置換基を有することを意味するが、それら2つの置換基は同一の置換基であっても、異なる置換基であってもよい。
上記一般式(1)中、mは1〜20の整数を示すが、塗工液に用いる溶媒への溶解性が高いことが好ましいため、分子量が小さいベンゾオキサジン化合物を含有するベンゾオキサジン樹脂であることが好ましい。そのため、mは1〜10の整数であることが好ましく、1〜5の整数であることがより好ましい。
また、nは0〜20の整数を示すが、塗工液に用いる溶媒への溶解性が高いことが好ましいため、分子量が小さいベンゾオキサジン化合物を含有するベンゾオキサジン樹脂であることが好ましい。そのため、nは0〜10の整数であることが好ましく、0〜5の整数であることがより好ましい。
本発明のベンゾオキサジン樹脂は、下記一般式(5)で示されるフェノール化合物(以下、「ジヒドロキシベンゾフェノン」と記載する場合がある。)と、下記一般式(6)で示されるアミン化合物(以下、「アミノフェノール」と記載する場合がある。)と、ホルムアルデヒドとを、反応させることにより製造することができる。
一般式(5):
一般式(6):
一般式(5):
一般式(6):
上記一般式(5)において、カルボニル基のベンゼン環への結合部位は、フェノール性水酸基に対して、それぞれ、オルト位、メタ位、またはパラ位であるが、好ましくは、反応性が最も良好であるパラ位である。カルボニル基の左右の各ベンゼン環における結合部位は、両者で、例えばパラ位とパラ位のように同じ部位であってもよく、オルト位とパラ位のように異なっていてもよい。
上記一般式(5)で示されるフェノール化合物としては、下記一般式(7)で示される化合物が好ましい。
一般式(7):
一般式(7)で示されるフェノール化合物としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3’−ジヒドロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
反応性が高いことから、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンがより好ましい。
ジヒドロベンゾフェノンとしては、一種類を使用してもよく、二種類以上混合して使用することもできる。
一般式(7):
一般式(7)で示されるフェノール化合物としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3’−ジヒドロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
反応性が高いことから、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンがより好ましい。
ジヒドロベンゾフェノンとしては、一種類を使用してもよく、二種類以上混合して使用することもできる。
上記一般式(6)で示されるアミン化合物としては、下記一般式(8)で示される化合物が好ましい。一般式(6)および一般式(8)において、フェノール性水酸基のオルト位の少なくともどちらか一方は、水素原子である。
一般式(8):
一般式(8)で示される化合物としては、例えば、o−ヒドロキシアニリン、m−ヒドロキシアニリン、およびp−ヒドロキシアニリンが挙げられ、エポキシ樹脂との反応が良好であることから、エポキシ樹脂の物性改善に効果的であるため、m−ヒドロキシアニリンおよびp−ヒドロキシアニリンが好ましい。
アミノフェノールとしては、一種類を使用してもよく、二種類以上混合して使用することもできる。
一種類のアミノフェノールを使用することにより、一般式(1)で示されるベンゾオキサジン樹脂において、両末端のフェノール性ベンゼン環における置換基が同じ基であるベンゾオキサジン樹脂を得ることができる。
また、R1、R2、R3、およびR4は、同一の置換基であり、同一の置換様式であるベンゾオキサジン樹脂であることが好適である(この場合、R2、R3、およびR4は、R1と同じ基を示し、q、r、およびsは、pと同じ0〜3の整数である。)。
一般式(8):
一般式(8)で示される化合物としては、例えば、o−ヒドロキシアニリン、m−ヒドロキシアニリン、およびp−ヒドロキシアニリンが挙げられ、エポキシ樹脂との反応が良好であることから、エポキシ樹脂の物性改善に効果的であるため、m−ヒドロキシアニリンおよびp−ヒドロキシアニリンが好ましい。
アミノフェノールとしては、一種類を使用してもよく、二種類以上混合して使用することもできる。
一種類のアミノフェノールを使用することにより、一般式(1)で示されるベンゾオキサジン樹脂において、両末端のフェノール性ベンゼン環における置換基が同じ基であるベンゾオキサジン樹脂を得ることができる。
また、R1、R2、R3、およびR4は、同一の置換基であり、同一の置換様式であるベンゾオキサジン樹脂であることが好適である(この場合、R2、R3、およびR4は、R1と同じ基を示し、q、r、およびsは、pと同じ0〜3の整数である。)。
ホルムアルデヒドとしては、ホルマリンなどのホルムアルデヒド水溶液およびパラホルムアルデヒドを用いることができる。
本発明のベンゾオキサジン樹脂としては、耐熱性の観点で、一般式(1)において、p、q、r、sが0である、下記一般式(2)で示されるベンゾオキサジン樹脂が好ましい。
一般式(2):
(一般式(2)中、nは0〜20の整数を示し、mは1〜20の整数を示す。)
上記一般式(2)中、mは1〜20の整数を示すが、塗工液に用いる溶媒への溶解性が高いことが好ましいため、分子量は小さいベンゾオキサジン化合物を含有するベンゾオキサジン樹脂であることが好ましい。そのため、mは1〜10の整数であることが好ましく、1〜5の整数であることがより好ましい。
また、nは0〜20の整数を示すが、塗工液に用いる溶媒への溶解性が高いことが好ましいため、分子量は小さいベンゾオキサジン化合物を含有するベンゾオキサジン樹脂であることが好ましい。そのため、nは0〜10の整数であることが好ましく、0〜5の整数であることがより好ましい。
一般式(2):
(一般式(2)中、nは0〜20の整数を示し、mは1〜20の整数を示す。)
上記一般式(2)中、mは1〜20の整数を示すが、塗工液に用いる溶媒への溶解性が高いことが好ましいため、分子量は小さいベンゾオキサジン化合物を含有するベンゾオキサジン樹脂であることが好ましい。そのため、mは1〜10の整数であることが好ましく、1〜5の整数であることがより好ましい。
また、nは0〜20の整数を示すが、塗工液に用いる溶媒への溶解性が高いことが好ましいため、分子量は小さいベンゾオキサジン化合物を含有するベンゾオキサジン樹脂であることが好ましい。そのため、nは0〜10の整数であることが好ましく、0〜5の整数であることがより好ましい。
本発明のベンゾオキサジン樹脂の製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、上記一般式(5)で示されるフェノール化合物と、上記一般式(6)で示されるアミン化合物と、ホルムアルデヒドとを溶媒中で反応させる方法などが挙げられ、具体的には、上記一般式(5)で示されるフェノール化合物を溶媒に添加し、加熱しながら溶解し、反応溶液を調製する第一工程、および前記反応溶液にホルムアルデヒドおよび上記一般式(6)で示されるアミン化合物を添加し、反応させる第二工程を含む方法などが挙げられる。
該製造方法に用いられる溶媒としては、特に限定されるものではなく、従来公知の溶媒を用いることができる。
溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、トルエン、メチルエチルケトンが挙げられる。
溶媒としては、一種類を使用してもよく、二種類以上混合して使用することもできる。
溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、トルエン、メチルエチルケトンが挙げられる。
溶媒としては、一種類を使用してもよく、二種類以上混合して使用することもできる。
加熱温度は、特に限定されるものではないが、例えば、60〜120℃であることが好ましく、80〜120℃であることがより好ましい。
加熱温度が60℃以上であることにより、原料を溶媒に溶解させることができ、均一な反応系とすることができる。また、加熱温度が120℃以下であることにより、過剰反応を抑制することができる。
加熱温度が60℃以上であることにより、原料を溶媒に溶解させることができ、均一な反応系とすることができる。また、加熱温度が120℃以下であることにより、過剰反応を抑制することができる。
加熱時間は、加熱温度によって異なり特に限定されるものではないが、例えば、100℃の加熱温度の場合には、1分〜5分の範囲の短時間で十分に反応は進行する。
反応を終了させるためには、室温以下に冷やした溶媒を加えて、反応系の温度を下げることで容易に反応を終了させることができる。
本発明のベンゾオキサジン樹脂の製造において、ジヒドロキシベンゾフェノン1モルに対して、アミノフェノールのモル比を適宜選択することにより、ベンゾオキサジン樹脂の分子量を制御することができるが、アミノフェノールを0.8〜2.4モルの範囲で用いることが好ましく、0.8〜1.2モルあるいは1.6〜2.4モルの範囲で用いることがより好ましく、ジヒドロキシベンゾフェノン1モルに対して、アミノフェノールを約1モルまたは約2モル用いることがさらに好ましい。
アミノフェノールを上記モル比で用いることにより、本発明のベンゾオキサジン樹脂を収率よく製造することができる。
アミノフェノールを上記モル比で用いることにより、本発明のベンゾオキサジン樹脂を収率よく製造することができる。
本発明のベンゾオキサジン樹脂の製造において、ジヒドロベンゾフェノン1モルに対して、ホルムアルデヒドを3〜5モルの範囲で用いることが好ましく、ジヒドロキシベンゾフェノン1モルに対して、ホルムアルデヒドを約4モル用いることがより好ましい。
本発明のベンゾオキサジン樹脂の製造方法において、本発明の目的を損ねない範囲内であれば、ジヒドロベンゾフェノン以外のフェノール化合物を含有させてもよい。
フェノール化合物とは、フェノール性水酸基を分子中に含む化合物を意味する。
フェノール化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、フェノール、クレゾール、およびキシレノールなどのモノフェノール化合物;ハイドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAF、およびビスフェノールSなどのビスフェノール化合物;各種ノボラック樹脂;フェノールアラルキル樹脂などが挙げられる。
フェノール化合物としては、一種類を使用してもよく、二種類以上混合して使用することもできる。
フェノール化合物とは、フェノール性水酸基を分子中に含む化合物を意味する。
フェノール化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、フェノール、クレゾール、およびキシレノールなどのモノフェノール化合物;ハイドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAF、およびビスフェノールSなどのビスフェノール化合物;各種ノボラック樹脂;フェノールアラルキル樹脂などが挙げられる。
フェノール化合物としては、一種類を使用してもよく、二種類以上混合して使用することもできる。
本発明のベンゾオキサジン樹脂の製造方法において、本発明の目的を損ねない範囲内であれば、アミノフェノール以外のアミン化合物を含有させてもよい。
アミン化合物とは、アニリン性アミノ基を分子中に含む化合物を意味する。
アミン化合物としては、例えば、アニリン、トルイジン、ジアミノベンゼン、およびジアミノジフェニルエーテルなどが挙げられる。
アミン化合物としては、一種類を使用してもよく、二種類以上混合して使用することもできる。
アミン化合物とは、アニリン性アミノ基を分子中に含む化合物を意味する。
アミン化合物としては、例えば、アニリン、トルイジン、ジアミノベンゼン、およびジアミノジフェニルエーテルなどが挙げられる。
アミン化合物としては、一種類を使用してもよく、二種類以上混合して使用することもできる。
本発明のベンゾオキサジン樹脂の製造方法において、本発明の目的を損ねない範囲内であれば、ホルムアルデヒソ以外のアルデヒド化合物を含有させてもよい。
アルデヒド化合物とは、アルデヒド基を分子中に含む化合物を意味する。
アルデヒド化合物としては、例えば、アセトアルデヒドなどが挙げられる。
アルデヒド化合物とは、アルデヒド基を分子中に含む化合物を意味する。
アルデヒド化合物としては、例えば、アセトアルデヒドなどが挙げられる。
本発明にベンゾオキサジン樹脂は、下記一般式(1)で示されるベンゾオキサジン化合物の混合物であることが好ましい。
一般式(1):
(一般式(1)中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、置換基を示し、nは0〜20の整数を示し、mは1〜20の整数を示し、pおよびqは、それぞれ独立して、0〜4の整数を示し、rおよびsは、それぞれ独立して、mは0〜3の整数を示す。)
一般式(1):
(一般式(1)中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、置換基を示し、nは0〜20の整数を示し、mは1〜20の整数を示し、pおよびqは、それぞれ独立して、0〜4の整数を示し、rおよびsは、それぞれ独立して、mは0〜3の整数を示す。)
本発明のベンゾオキサジン樹脂は、高い耐熱性および寸法安定性を有するのでエポキシ樹脂への物性改良用の添加剤として用いることができる。また、本発明のベンゾオキサジン樹脂は、機械的強度にも優れる樹脂であるため好ましい。ベンゾオキサジン樹脂が耐熱性と寸法安定性に優れるので、少量の添加でエポキシ樹脂の耐熱性および寸法安定性の向上を達成することができる
ベンゾオキサジン樹脂およびエポキシ樹脂を含有する塗工液とする際に、塗工液に用いる溶媒への溶解性が高いことが好ましいため、分子量が小さいベンゾオキサジン化合物を含有するベンゾオキサジン樹脂であることが好ましい。
ベンゾオキサジン樹脂の重量平均分子量が、10000以下であることが好ましく、5000以下であることがより好ましく、1500以下であることがさらに好ましい。
ベンゾオキサジン樹脂の数平均分子量が、3300以下であることが好ましく、1600以下であることがより好ましく、500以下であることがさらに好ましい。
本発明において、重量平均分子量および数平均分子量は、下記実施例に記載の方法により測定することができる。
ベンゾオキサジン樹脂およびエポキシ樹脂を含有する塗工液とする際に、塗工液に用いる溶媒への溶解性が高いことが好ましいため、分子量が小さいベンゾオキサジン化合物を含有するベンゾオキサジン樹脂であることが好ましい。
ベンゾオキサジン樹脂の重量平均分子量が、10000以下であることが好ましく、5000以下であることがより好ましく、1500以下であることがさらに好ましい。
ベンゾオキサジン樹脂の数平均分子量が、3300以下であることが好ましく、1600以下であることがより好ましく、500以下であることがさらに好ましい。
本発明において、重量平均分子量および数平均分子量は、下記実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明のベンゾオキサジン組成物は、ベンゾオキサジン樹脂を含有する組成物である。
ベンゾオキサジン組成物としては、エポキシ樹脂をさらに含有することが好ましい。
ベンゾオキサジン樹脂とエポキシ樹脂を含有するベンゾオキサジン組成物とすることにより、熱硬化して得られる硬化体として、耐熱性および寸法安定性に優れる硬化体を得ることができる。また、ベンゾオキサジン樹脂は、エポキシ樹脂の物性改善に優れた効果を有する。
本発明のベンゾオキサジン組成物は、厚みの薄い成形体および硬化体として、耐熱性や寸法安定性に優れた性能を有するフィルムやシートなどを得ることができる。
ベンゾオキサジン組成物としては、エポキシ樹脂をさらに含有することが好ましい。
ベンゾオキサジン樹脂とエポキシ樹脂を含有するベンゾオキサジン組成物とすることにより、熱硬化して得られる硬化体として、耐熱性および寸法安定性に優れる硬化体を得ることができる。また、ベンゾオキサジン樹脂は、エポキシ樹脂の物性改善に優れた効果を有する。
本発明のベンゾオキサジン組成物は、厚みの薄い成形体および硬化体として、耐熱性や寸法安定性に優れた性能を有するフィルムやシートなどを得ることができる。
エポキシ樹脂としては、特に限定はされないが、例えば、芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂などが挙げられる。これらエポキシ樹脂は、その結合様式から、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルアクリル型エポキシ樹脂、およびポリエステル型エポキシ樹脂などが挙げられる。
エポキシ樹脂としては、一種類を使用してもよく、二種類以上混合して使用することもできる。
エポキシ樹脂としては、一種類を使用してもよく、二種類以上混合して使用することもできる。
エポキシ樹脂は、硬化剤や硬化促進剤などとのエポキシ樹脂組成物としてベンゾオキサジン樹脂と混合することが好ましい。
硬化剤として、ビフェニレン骨格含有フェノール系硬化剤を用いることができる。
ビフェニレン骨格含有フェノール系硬化剤の重量平均分子量は、溶剤への溶解性の観点で、10000以下であることが好ましく、5000以下であることがより好ましい。
ビフェニレン骨格含有フェノール系硬化剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、例えば、下記式(9)に示す構造式のものが挙げられる。
式(9):
(式(9)中、nは0〜20の整数を示す。)
硬化剤として、ビフェニレン骨格含有フェノール系硬化剤を用いることができる。
ビフェニレン骨格含有フェノール系硬化剤の重量平均分子量は、溶剤への溶解性の観点で、10000以下であることが好ましく、5000以下であることがより好ましい。
ビフェニレン骨格含有フェノール系硬化剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、例えば、下記式(9)に示す構造式のものが挙げられる。
式(9):
(式(9)中、nは0〜20の整数を示す。)
硬化剤として、アミン系硬化剤を用いることもできる。
アミン系硬化剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジシアンジアミド系硬化剤などが挙げられる。
硬化剤として、ビフェニレン骨格含有フェノール系硬化剤とアミン系硬化剤以外の他の硬化剤を用いてもよい。
該硬化剤としては、例えば、ポリアミン化合物、ポリアミン化合物の誘導体、ヒドラジド化合物、メラミン化合物、酸無水物、フェノール化合物、活性エステル化合物、熱潜在性カチオン重合触媒、光潜在性カチオン重合開始剤、およびシアネートエステル樹脂などが挙げられる。これらの硬化剤の誘導体を用いてもよい。
硬化剤は、一種類を使用してもよく、二種類以上混合して使用することもできる。
また、硬化剤に加えて、アセチルアセトン鉄などの硬化触媒を用いてもよい。
アミン系硬化剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジシアンジアミド系硬化剤などが挙げられる。
硬化剤として、ビフェニレン骨格含有フェノール系硬化剤とアミン系硬化剤以外の他の硬化剤を用いてもよい。
該硬化剤としては、例えば、ポリアミン化合物、ポリアミン化合物の誘導体、ヒドラジド化合物、メラミン化合物、酸無水物、フェノール化合物、活性エステル化合物、熱潜在性カチオン重合触媒、光潜在性カチオン重合開始剤、およびシアネートエステル樹脂などが挙げられる。これらの硬化剤の誘導体を用いてもよい。
硬化剤は、一種類を使用してもよく、二種類以上混合して使用することもできる。
また、硬化剤に加えて、アセチルアセトン鉄などの硬化触媒を用いてもよい。
エポキシ樹脂組成物には、エポキシ樹脂100質量部に対して、硬化剤を1〜200質量部の範囲内で含有することが好ましく、30質量部以上であることがより好ましく、また、140質量部以下であることがより好ましい。
硬化剤の含有量が上記範囲内にあることにより、ベンゾオキサジン組成物を十分に硬化させることができる。
硬化剤の含有量が上記範囲内にあることにより、ベンゾオキサジン組成物を十分に硬化させることができる。
硬化促進剤としては、イミダゾール系硬化促進剤を用いることができる。
イミダゾール系硬化促進剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、および2−フェニル−4−メチル−5−ジヒドロキシメチルイミダゾールなどが挙げられる。
イミダゾール系硬化促進剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、および2−フェニル−4−メチル−5−ジヒドロキシメチルイミダゾールなどが挙げられる。
硬化促進剤として、イミダゾール系硬化促進剤以外の他の硬化剤を用いてもよい。
該硬化促進剤としては、例えば、トリフェノルホスフィンなどのホスフィン化合物、DBU、DBN、DBUのフェノール塩、DBNのフェノール塩、オクチル酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ギ酸塩、オルソフタル酸塩、およびフェノールノボラック樹脂塩などが挙げられる。
エポキシ樹脂組成物には、エポキシ樹脂100質量部に対して、硬化促進剤を0.01〜3質量部の範囲内で含有することが好ましい。
硬化促進剤の量を0.01質量部以上とすることにより、ベンゾオキサジン組成物を十分に硬化させることができる。また、硬化剤促進剤の量を3質量部以下とすることにより、反応開始点が多くなることから分子量が十分に大きくならないことがあったり、架橋が不均一になったりすることを抑制することができる。
該硬化促進剤としては、例えば、トリフェノルホスフィンなどのホスフィン化合物、DBU、DBN、DBUのフェノール塩、DBNのフェノール塩、オクチル酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ギ酸塩、オルソフタル酸塩、およびフェノールノボラック樹脂塩などが挙げられる。
エポキシ樹脂組成物には、エポキシ樹脂100質量部に対して、硬化促進剤を0.01〜3質量部の範囲内で含有することが好ましい。
硬化促進剤の量を0.01質量部以上とすることにより、ベンゾオキサジン組成物を十分に硬化させることができる。また、硬化剤促進剤の量を3質量部以下とすることにより、反応開始点が多くなることから分子量が十分に大きくならないことがあったり、架橋が不均一になったりすることを抑制することができる。
本発明のベンゾオキサジン組成物は、ベンゾオキサジンの脆性を改善できる観点で、ベンゾオキサジン樹脂100質量部に対して、エポキシ樹脂組成物を好ましくは20〜1000質量部、より好ましくは100〜600質量部、さらに好ましくは200〜400質量部で含有する。
本発明において、エポキシ樹脂組成物とは、エポキシ樹脂組成物を含む組成物であって、硬化剤、硬化促進剤、硬化触媒を必要に応じて含む組成物を意味する。
本発明において、エポキシ樹脂組成物とは、エポキシ樹脂組成物を含む組成物であって、硬化剤、硬化促進剤、硬化触媒を必要に応じて含む組成物を意味する。
本発明のベンゾオキサジン樹脂およびベンゾオキサジン組成物の成形方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の樹脂の成形方法により成形することができる。
成形方法として、例えば、支持シートへ塗工し、溶媒を揮発させることにより、シート状に成形する方法、所望の型内に充填して、加熱圧縮することにより、型形状に成形する方法などが挙げられる。
成形方法として、例えば、支持シートへ塗工し、溶媒を揮発させることにより、シート状に成形する方法、所望の型内に充填して、加熱圧縮することにより、型形状に成形する方法などが挙げられる。
本発明のベンゾオキサジン樹脂、ベンゾオキサジン組成物、およびそれらの成形体の硬化方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の硬化方法により硬化することができる。
硬化方法としては、例えば、熱風オーブンに、所定時間保持して、加熱硬化させる方法、加熱された型内に、所定時間保持して、加熱硬化させる方法などが挙げられる。該効果方法としては、例えば、ベンゾオキサジン樹脂の場合、150〜220℃、30分〜3時間で、エポキシ樹脂を含むベンゾオキサジン組成物の場合、150〜200℃、30分〜3時間で加熱硬化する方法が挙げられる。
硬化方法としては、例えば、熱風オーブンに、所定時間保持して、加熱硬化させる方法、加熱された型内に、所定時間保持して、加熱硬化させる方法などが挙げられる。該効果方法としては、例えば、ベンゾオキサジン樹脂の場合、150〜220℃、30分〜3時間で、エポキシ樹脂を含むベンゾオキサジン組成物の場合、150〜200℃、30分〜3時間で加熱硬化する方法が挙げられる。
本発明の成形体および硬化体は、ベンゾオキサジン樹脂が耐熱性および寸法安定性に優れるので、特に限定されるものではないが、フィルム状またはシート状の形態で好適に用いることができる。
ベンゾオキサジン樹脂などから得られる本発明の成形体および硬化体は、耐熱性および寸法安定性に優れるため、電気・電子部品、自動車部品、銅張り積層基板、プリント基板、耐火コーティング、複合材マトリクス樹脂などの材料として好適に用いることができる。
本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例のみに限定されるものではない。本発明における測定方法は以下のとおりである。
(1)プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMRスペクトル)
測定装置(日本電子社製、型番JNM−ECX)を用いて、256回積算し、緩和時間を10秒とした条件下で、1H−NMR(400MHz)測定を行った。溶媒として、重水素ジメチルスルホキシドを使用し、内部標準として、テトラメチルシランを用いた。
測定装置(日本電子社製、型番JNM−ECX)を用いて、256回積算し、緩和時間を10秒とした条件下で、1H−NMR(400MHz)測定を行った。溶媒として、重水素ジメチルスルホキシドを使用し、内部標準として、テトラメチルシランを用いた。
(2)GPCスペクトル
ウォーターズ社製Waters 440 ultraviolet(UV) detector、ポアサイズ1000nm、100nm、50nmのスチレンゲルが充填されたカラムを直列につなぎ、溶出液にテトラヒドロフランを使用した。ポリスチレン(東ソー社製、A−300、A−1000、A−2000、A−5000)を標準物質として用い、重量平均分子量および数平均分子量を測定した。
ウォーターズ社製Waters 440 ultraviolet(UV) detector、ポアサイズ1000nm、100nm、50nmのスチレンゲルが充填されたカラムを直列につなぎ、溶出液にテトラヒドロフランを使用した。ポリスチレン(東ソー社製、A−300、A−1000、A−2000、A−5000)を標準物質として用い、重量平均分子量および数平均分子量を測定した。
(3)線膨張率
エスエスアイ・ナノテクノロジー社製TMA/SS6100を用い、20℃〜120℃において、線膨張率を測定した。
エスエスアイ・ナノテクノロジー社製TMA/SS6100を用い、20℃〜120℃において、線膨張率を測定した。
(4)ガラス転移温度
エスエスアイ・ナノテクノロジー社製TMA/SS6100を用い、20℃〜120℃において、加熱膨張曲線の変曲点からガラス転移温度を測定した。
エスエスアイ・ナノテクノロジー社製TMA/SS6100を用い、20℃〜120℃において、加熱膨張曲線の変曲点からガラス転移温度を測定した。
〔実施例1〕
(ベンゾオキサジン樹脂)
磁石式のテフロン(登録商標)スターラーをセットした300ccの平底フラスコに、4.4’−ジヒドロキシベンゾフェノン20g(93.5mmol)(和光純薬)、ジメチルホルムアミド10g(和光純薬)を加えた。得られた混合液を、表面温度200℃に制御したホットスターラー上で、回転数120回転/分の回転数で攪拌した。4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンが溶解後、混合液に、パラホルムアルデヒド12.4g(413mmol)(和光純薬)、4−アミノフェノール20.4g(187mmol)(和光純薬)を加えた。その後、撹拌を行って3分間反応を継続させた。
次いで、5℃に冷やしたジメチルホルムアミド50gを添加して反応を終了させた。
濾紙でろ過を行った後に、1リットルの水中へ攪拌しながら流し込むことで生成したベンゾオキサジン樹脂を沈殿させた。
50℃を設定したギアオープン中で乾燥し、目的のベンゾオキサジン樹脂を得た。目的のベンゾオキサジン樹脂の収率は90%であった。
得られたベンゾオキサジン樹脂の1H−NMRスペクトルを図1に示す。
図1のスペクトルにおいて、ベンゾオキサジン環に特有と考えられる4〜6ppmに現れるピークは、それぞれ、主成分と想定される下記式(10)で示されるベンゾオキサジン化合物のメチレン基において、Ha:5.43ppm、Hb:4.63ppm、Hc:5.20ppm、Hd:4.43ppmと帰属すると推定された。Ha〜Hdは、それぞれ、水素原子を示す。
式(10):
得られたベンゾオキサジン樹脂のGPCスペクトルを図2に示す。図2中、横軸は溶出時間(分)を示し、縦軸はUV光吸収強度(またはUV吸光度(abs))を示す。
メインピークのポリスチレン換算分子量は、重量平均分子量で1,300であり、数平均分子量は810であった。
メインピークがシャープでないのは、合成されるベンゾオキサジン樹脂が主成分として考えられる上記式(10)で示されるベンゾオキサジン化合物以外の化合物を含む樹脂と考えられるからである。
図1のNMRスペクトルと矛盾しない解釈として、主生成物である上記式(10)で示されるベンゾオキサジン化合物に混在して、例えば、下記式(11)で示される群からなるベンゾオキサジン化合物が存在すると考えられる。
式(11):
(ベンゾオキサジン樹脂)
磁石式のテフロン(登録商標)スターラーをセットした300ccの平底フラスコに、4.4’−ジヒドロキシベンゾフェノン20g(93.5mmol)(和光純薬)、ジメチルホルムアミド10g(和光純薬)を加えた。得られた混合液を、表面温度200℃に制御したホットスターラー上で、回転数120回転/分の回転数で攪拌した。4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンが溶解後、混合液に、パラホルムアルデヒド12.4g(413mmol)(和光純薬)、4−アミノフェノール20.4g(187mmol)(和光純薬)を加えた。その後、撹拌を行って3分間反応を継続させた。
次いで、5℃に冷やしたジメチルホルムアミド50gを添加して反応を終了させた。
濾紙でろ過を行った後に、1リットルの水中へ攪拌しながら流し込むことで生成したベンゾオキサジン樹脂を沈殿させた。
50℃を設定したギアオープン中で乾燥し、目的のベンゾオキサジン樹脂を得た。目的のベンゾオキサジン樹脂の収率は90%であった。
得られたベンゾオキサジン樹脂の1H−NMRスペクトルを図1に示す。
図1のスペクトルにおいて、ベンゾオキサジン環に特有と考えられる4〜6ppmに現れるピークは、それぞれ、主成分と想定される下記式(10)で示されるベンゾオキサジン化合物のメチレン基において、Ha:5.43ppm、Hb:4.63ppm、Hc:5.20ppm、Hd:4.43ppmと帰属すると推定された。Ha〜Hdは、それぞれ、水素原子を示す。
式(10):
得られたベンゾオキサジン樹脂のGPCスペクトルを図2に示す。図2中、横軸は溶出時間(分)を示し、縦軸はUV光吸収強度(またはUV吸光度(abs))を示す。
メインピークのポリスチレン換算分子量は、重量平均分子量で1,300であり、数平均分子量は810であった。
メインピークがシャープでないのは、合成されるベンゾオキサジン樹脂が主成分として考えられる上記式(10)で示されるベンゾオキサジン化合物以外の化合物を含む樹脂と考えられるからである。
図1のNMRスペクトルと矛盾しない解釈として、主生成物である上記式(10)で示されるベンゾオキサジン化合物に混在して、例えば、下記式(11)で示される群からなるベンゾオキサジン化合物が存在すると考えられる。
式(11):
(ベンゾオキサジン組成物)
エポキシ樹脂組成物としては、芳香族グリシジルエーテル型エポキシ樹脂RE−410Sを100質量部(日本化薬)、ビフェニレン骨格含有フェノール系硬化剤MEH7851を50質量部(明和化成)、ジシアンジアミド系硬化剤EH3636ASを10質量部(ADEKA)、イミダゾール系硬化促進剤2MAOK−PWを1質量部(四国化成)配合してエポキシ樹脂組成物を得た。
このエポキシ樹脂組成物260質量部に対して、130質量部のベンゾオキサジン樹脂を配合してベンゾオキサジン組成物を得た。
ベンゾオキサジン樹脂を100質量部とした場合に、200質量部のエポキシ樹脂組成物を混合した計算である。
エポキシ樹脂組成物としては、芳香族グリシジルエーテル型エポキシ樹脂RE−410Sを100質量部(日本化薬)、ビフェニレン骨格含有フェノール系硬化剤MEH7851を50質量部(明和化成)、ジシアンジアミド系硬化剤EH3636ASを10質量部(ADEKA)、イミダゾール系硬化促進剤2MAOK−PWを1質量部(四国化成)配合してエポキシ樹脂組成物を得た。
このエポキシ樹脂組成物260質量部に対して、130質量部のベンゾオキサジン樹脂を配合してベンゾオキサジン組成物を得た。
ベンゾオキサジン樹脂を100質量部とした場合に、200質量部のエポキシ樹脂組成物を混合した計算である。
(シート)
得られたベンゾオキサジン組成物100質量部に対して、を500質量部のジメチルホルムアミドに溶解させて塗工液を作成した。
ポリエチレンテレフタレート製の基材(東レセハン社製、XG284)上に、ナイフコーターを用いて約300μmの厚みで塗工した。
その後、180℃に設定された熱風オーブン中で、溶媒の除去と樹脂の硬化を行って、約100μmの厚みのシートを得た。得られたシートのガラス転移温度および線膨張率の測定結果を表1に示す。
得られたベンゾオキサジン組成物100質量部に対して、を500質量部のジメチルホルムアミドに溶解させて塗工液を作成した。
ポリエチレンテレフタレート製の基材(東レセハン社製、XG284)上に、ナイフコーターを用いて約300μmの厚みで塗工した。
その後、180℃に設定された熱風オーブン中で、溶媒の除去と樹脂の硬化を行って、約100μmの厚みのシートを得た。得られたシートのガラス転移温度および線膨張率の測定結果を表1に示す。
〔比較例1〕
ベンゾオキサジン樹脂を配合しない以外は実施例1と同様にして、シートを作成した。
得られたシートのガラス転移温度および線膨張率の測定結果を表1に示す。
ベンゾオキサジン樹脂を配合しない以外は実施例1と同様にして、シートを作成した。
得られたシートのガラス転移温度および線膨張率の測定結果を表1に示す。
〔比較例2〕
ベンゾオキサジン樹脂として、B−a(四国化成社製)を用いた以外は実施例1と同様にして、シートを作成した。
得られたシートのガラス転移温度および線膨張率の測定結果を表1に示す。
ベンゾオキサジン樹脂として、B−a(四国化成社製)を用いた以外は実施例1と同様にして、シートを作成した。
得られたシートのガラス転移温度および線膨張率の測定結果を表1に示す。
表1に示すように、ベンゾオキサジン樹脂を用いた実施例1のシートでは、比較例1のシートに対して、大幅にガラス転移温度が高く、線膨張率を低下させることができる。また、一般的なベンゾオキサジン樹脂であるB−aを用いた比較例2のシートと比べた場合にも、得られたシートの物性の改善効果においてより大きな効果が得られることが明確である。
本発明のベンゾオキサジン樹脂は、耐熱性および寸法安定性に優れるため、電気・電子部品、自動車部品、銅張り積層基板、プリント基板、耐火コーティング、複合材マトリクス樹脂などの材料として、産業上の利用可能性を有する。
Claims (13)
- 重量平均分子量が10000以下である、請求項1または2に記載のベンゾオキサジン樹脂。
- nは0〜5の整数を示し、mは1〜5の整数を示す、請求項1〜3のいずれか1項に記載のベンゾオキサジン樹脂。
- 前記ジヒドロベンゾフェノン1モルに対して、前記アミノフェノールを0.8〜1.2モルで反応させる、請求項5に記載の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のベンゾオキサジン樹脂とエポキシ樹脂を含有するベンゾオキサジン組成物。
- 前記ベンゾオキサジン樹脂100質量部に対し、エポキシ樹脂組成物を20〜1000質量部で含有する、請求項7に記載のベンゾオキサジン組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のベンゾオキサジン樹脂、または請求項7もしくは8に記載のベンゾオキサジン組成物から得られる成形体。
- フィルム状またはシート状である、請求項9に記載の成形体。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のベンゾオキサジン樹脂、請求項7もしくは8に記載のベンゾオキサジン組成物、または請求項9もしくは10に記載の成形体から得られる硬化体。
- フィルム状またはシート状である、請求項11に記載の硬化体。
- 請求項9もしくは10に記載の成形体、または請求項11もしくは12に記載の硬化体を含むプリント配線板。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108350337A (zh) * | 2015-12-16 | 2018-07-31 | 米其林集团总公司 | 可用于涂覆金属并将金属结合至橡胶的聚苯并噁嗪 |
WO2022004596A1 (ja) * | 2020-07-03 | 2022-01-06 | Eneos株式会社 | ベンゾオキサジン化合物含有混合物、これを含む硬化性組成物および該硬化性組成物を硬化させてなる硬化物 |
WO2022004593A1 (ja) * | 2020-07-03 | 2022-01-06 | Eneos株式会社 | ベンゾオキサジン化合物含有混合物の製造方法 |
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2009
- 2009-03-30 JP JP2009083552A patent/JP2010235714A/ja active Pending
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