JP2010235150A - 別添袋付き自立袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】包装袋を左右2室に分けた場合に、一方の室を充填後、直ちにヒートシールすることが出来るようにすることによって、包装袋が倒れて内容物で汚れたり、異物の混入の恐れがない安定した製造が可能になり、1つの商品の購入により2種の調味料で好みに応じた味に調整することができる別添袋付き自立袋の提供。
【解決手段】下部にガゼット部を有し、胴部が表裏2面の壁面フィルムの両側の端縁部をサイドシール部でヒートシールして形成される本体袋と、本体袋の少なくとも横片側に区分けヒートシール部を介して連接された別添袋とからなり、上記別添袋の上部ヒートシール部が区分けヒートシール部の反対外側に斜めに形成されていることを特徴とする別添袋付き自立袋。
【選択図】図1

Description

本発明は、鍋つゆ等の液体状の調味料や、スープ等の液体物、更には、具材入りスープや、おかゆのような固体物を含む食品等を収納する袋であり、液体や固体の食品等を使用するのに適した形状の自立袋(スタンディングパウチ)に関する。
より詳しくは自立袋本体に別添袋(スマートパウチ)を付けることで商品価値を高める構造の自立袋に関する。
従来から、鍋つゆ等の液体状の調味料がレトルトパウチに充填された状態で販売されているが、個人の好みに応じて、調味料を混ぜ合わせて味を調整したい場合には、別途調味料を購入する必要があった。
そこで現在では、食品をはじめとする主内容物に対して、試供品や調味料等を小袋に充填して主内容物の包装袋に粘着テープやホットメルト等により添付して販売する形態が散見される。しかし、そのような形態の場合、本体と小袋の充填工程がそれぞれ別になるため2工程になり、また後に殺菌などの工程がある場合にもそれぞれ別途行わなくてはならない等、工程数が増え煩雑になるという問題点があった。
また、小袋を本体に添付する必要があり、その際にも、ごみや髪の毛等の異物が付着したり、小袋の添付し忘れや輸送中での脱落という問題点があった。
そこで上記欠点を解決するために、包装袋が2室に分かれており、一つのパウチを購入することによって、2種の内容物が手に入るパウチが開発されており、容易に自分の好みの量を混合することができるパウチがいくつか提案されている。
このようなものとしては、たとえば特許文献2では、少なくとも第一及び第二区画を含む可撓性多区画パウチであって、第一区画が第一流体組成物を含み、第二区画が第二流体組成物を含み、第一組成物と第二組成物は混合すると化学反応する可撓性多区画パウチが示されておりひとつのパウチであらかじめ混合することなしに2種類以上の内容物の包装が出来る。
特許文献3では、複数の収納部が形成され、複数の収納部の各々において先端が狭くなっている注出部を備え、さらにパウチの底部はスタンディングパウチ形式であり、注出部にはレーザによるハーフカットにより易開封性手段がとられている多室パウチが提案されており内容物の絞り出しが容易に出来るような工夫がなされている。
しかしながら、レトルトパウチが2室に区切られているため、自立性が悪く、調理に使う際には、調理中に内容物がこぼれるといったような問題があった。また、商品として陳列する際にも自立性が悪いため、袋の上部が折れ曲がったり、傾いたりすることがあり、商品の表示が見えづらく、商品の陳列もしづらいとの問題があった。
これに対して特許文献1では、袋が2室に区切られていても、自立性を保持し、調理中に用いる際に内容物がこぼれないようにするために、 袋の下部がガゼット部を有する形式で形成され、胴部が前後2面の壁面フィルムの両側の端縁部をサイドシール部でヒートシールして形成される自立型袋において、袋の一部がヒートシール部によって2室に区分けされており、ヒートシール部は、サイドシール部と平行ないしは30°以内の角度で設けられた柱シール部と、柱シール部の下部から斜め下方向へサイドシール部に向かって設
けられた区分けヒートシール部と、からなり、区分けヒートシール部とサイドシール部の交わる位置が、区分けヒートシール部とサイドシール部が直角に交わる位置よりも下方向にあり、底面フィルム折り返し部とサイドシール部が交わる位置よりも上方向にあることを特徴とする自立型袋が提案されている。
このように、包装室が2室に分かれた1つのパウチからなり、鍋つゆ等の液体状の調味料と香辛料のような2種類の調味料が封入されたパウチの購入で、2種の調味料を手に入れることが出来るようになってきている。
しかしながら、包装袋を2室とした場合に従来の方法では、上部に並んで2つの充填口があり、2つの異なる内容物を同時に充填するか、または、一方を充填した後、もう一方を充填し終わるまで、充填口を閉じることができない、すなわち内容物の充填工程で2室両方が充填された後でないと、トップシール部のヒートシールができないため、開封状態で次の充填工程に送ることになり、包装袋が倒れて内容物で汚れたり、開口部から異物の混入の恐れ等の問題点があった。
特開2006−44791号公報 特表2004−532162号公報 特開2000−264344号公報
そこで上記問題点を解決するために、包装袋を左右2室に分けた場合に、一方の室を充填後、直ちにヒートシールすることが出来るようにすることによって、包装袋が倒れて内容物で汚れたり、開口部から異物の混入の恐れがなくなって安定した製造が可能になり、1つの商品の購入により2種の調味料を手に入れることにより好みに応じた味に調整することができるような別添袋付き自立袋(スタンディングパウチ)の提供が本発明の課題となる。
上記課題を解決するための本発明の請求項1に係る発明は、下部が、表裏2面の壁面フィルムの間に、底面フィルムを内側に折り返して挿入し、周縁部をヒートシールにより封止してなるガゼット部を有し、胴部が表裏2面の壁面フィルムの両側の端縁部をサイドシール部でヒートシールして形成される本体袋と、本体袋の少なくとも横片側に区分けヒートシール部を介して連接された別添袋とからなり、上記別添袋の上部ヒートシール部が区分けヒートシール部の反対外側に斜めに形成されていることを特徴とする別添袋付き自立袋である。
本発明の請求項2に係る発明は、区分けヒートシール部がサイドシール部に略並行に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の別添袋付き自立袋である。
本発明の請求項3に係る発明は、別添袋の底部は、底面フィルムを表裏2面の壁面フィルム間に圧着させて形成した構造であることを特徴とする請求項1または2に記載の別添袋付き自立袋である。
本発明の請求項1に係る別添袋付き自立袋によれば、下部が、表裏2面の壁面フィルムの間に、底面フィルムを内側に折り返して挿入し、周縁部をヒートシールにより封止して
なるガゼット部を有し、胴部が表裏2面の壁面フィルムの両側の端縁部をサイドシール部でヒートシールして形成される本体袋と、本体袋の少なくとも横片側に区分けヒートシール部を介して連接された別添袋とからなり、上記別添袋の上部ヒートシール部が区分けヒートシール部の反対外側に斜めに形成されていることによって、本体袋と別添袋の一方の袋の充填前に他方の袋の上部ヒートシール部をヒートシールすることができる。
従来の方法では、上部に2つの充填口が並んであり、2つの異なる内容物を同時に充填するか、または、一方を充填した後、もう一方を充填し終わるまで、充填口を閉じることができない、すなわち内容物の充填工程で2室両方が充填された後でないと、トップシール部のヒートシールができないため、開封状態で次の充填工程に送ることになり、包装袋が倒れて内容物で汚れたり、開口部から異物の混入の恐れ等の問題点があった。
これにより、一方の内容物を充填後、直ちにヒートシールすることが出来るため、包装袋が倒れて内容物で汚れたり、開口部から異物が混入したりする恐れがなくなり、製造工程の安定化が図れる。また、殺菌などの工程がある場合でも、同一の袋により同時に行うことが可能であり、本体に小袋を添付する工程を省くことができ、生産力の向上を図ることができる。
また、本体袋の鍋つゆ等の内容物に、付加価値を付けるため、エキス等の別添素材を入れるための別添袋を本体袋から切り離して開封して使用できる2種類の調味料を同封することが可能になる。
本発明の請求項2に係る別添袋付き自立袋によれば、区分けヒートシール部がサイドシール部に略並行に設けられていることによって別添袋の本体袋からの切り離しがスムーズに行え、内容物の絞り出しも簡単である。
本発明の請求項3に係る別添袋付き自立袋によれば、別添袋の底部が、底面フィルムを表裏2面の壁面フィルム間に圧着させて形成した構造であることによって、既存のスタンディングパウチ製造設備の改良で製造が可能になり既存のパウチ製造設備を活用できる。
以上のように本発明の別添袋付き自立袋によれば、試供品や調味料等を小袋に充填して主内容物の包装袋に粘着テープやホットメルト等により添付する場合に起こる、本体と小袋の充填工程がそれぞれ別になるため2工程になり、また後に殺菌などの工程がある場合にもそれぞれ別途行わなくてはならない等、工程数が増え煩雑になるという問題点、あるいは、小袋を本体に添付する必要があり、その際にも、ごみや髪の毛等の異物が付着したり、小袋の添付し忘れや輸送中での脱落という問題点を効果的に防止することが出来る。
本発明の別添袋付き自立袋を示す概略図である。図の下部円内はX−X’線での断面を示す。 本発明の別添袋付き自立袋の別添袋を本体袋から切り離した際の説明図である。
以下に、本発明の別添袋付き自立袋について、図面を用いて具体的に説明する。
図1は、本発明の別添袋付き自立袋の概略図である。
図1に示した別添袋付き自立袋(100)は、その下部が、表裏2面の壁面フィルム(1)、(1’)の下部の間に、底面フィルムを内側に向けて折り返し、底面フィルム折り返し部(3)まで挿入してなるガゼット部(5)を有する形式で形成され、前記ガゼット部(5)が、内側が両側から中央部に向けて湾曲線状に窪んだ形状となる船底形のシールパターン、即ち、底部シール部(2)でヒートシールされて形成され、胴部が、表裏2面の壁面フィルム(1)、(1’)の両側の端縁部を設け、サイドシール部(6)と上部まで垂直の区分けヒートシール部(7)でヒートシールされている本体袋の部分(B)と、本体袋の横(この図では左)片側に区分けヒートシール部(7)を介して連接された別添袋(A)とからなる自立袋であって、別添袋(A)の上部ヒートシール部(8A)が区分けヒートシール部(7)の反対外側に斜めに形成されている別添袋付き自立袋である。
このような構成を採用することにより、別添袋付き自立袋(100)は、袋全体がフィルムで形成されているので、軽量で嵩張らず、内容物の保存性もよく、また、使用後の廃棄処理も容易である。
そして、内容物の充填は、シール前の本体袋上部ヒートシール部(8B)部分の開口部(図示しない)及びシール前の別添袋上部ヒートシール(8A)部分の開口部(図示しない)から容易に充填し、充填終了後はすぐにヒートシールして密閉し、次の充填に移るという手順によって片方づつ順にヒートシールして密封することができる。
内容物が充填された別添袋付き自立袋(100)は、下部のガゼット部(5)が内側が湾曲線で形成された船底形の底部シール部(2)でヒートシールされているので、底部が前後に丸形に大きく広がり、底面の外周にはリング状の脚部が形成されるため、自立性が付与され取り扱いやすい。
本発明の別添袋付き自立袋では、自立袋のサイドシール側を横に延長して底面を形成し、表裏面、底面を垂直方向にヒートシールすることにより、別添袋を形成する。
別添袋部分(A)の下部シール部は図1にX−X’の断面を示すように底面フィルムをそのまま折り込んでヒートシールする簡略な方法を用いて形成されているので装置の改造や特殊な機械が不要で従来の設備と工程で容易に形成できる。
別添袋部分(A)と本体袋部分(B)で構成されている本発明の別添袋付き自立袋(100)は、たとえば以下のような使い方が出来る。
本体袋部分(B)には、主な内容物、例えば、ストレートタイプの液状調味料、スープ、更には、カレーやシチュー等の具入りの液状食品等が収納されており、別添袋部分(A)には、主な内容物と共に使用する物、例えば、本体袋部分(B)に含まれている主な内容物の味を自分好みに調整するための調味料(ペースト状の辛子、みそ、粉末状の胡椒、唐辛子、ソース等)やトッピング類(飾り用のソース、クルトン、乾燥野菜等)等が収納されている。
たとえば、本体袋部分(B)にストレートタイプの鍋つゆ等を入れ、別添袋部分(A)に濃縮タイプの鍋つゆ、または各種調味料を入れることにより、鍋つゆの味を適宜調節できるような商品としたり、本体袋部分(B)にスープを入れ、別添袋部分(A)にトッピング用のソースや乾燥野菜、香辛料等を入れて、より完成度の高い商品とすることができる。このように内容物は、液体、固体を問わず含ませることができる。その他、別添袋部分(A)には、景品としてのカード・バッチ等のような食品以外のものを収納させてもよい。
本発明の別添袋付き自立袋においては、このような別添袋部分(A)と本体袋部分(B)に区分けするために、サイドシール部(6)に平行な底面にほぼ垂直な帯状の区分けヒートシール部(7)が設けられている。
区分けヒートシール部(7)とその本体袋反対外側のサイドシール部(6)の間の距離は、別添袋部分(A)、本体袋部分(B)の内容物の性状や充填量、充填を行う充填機のノズル径等の諸条件により適宜選択することが可能であるので、特に限定されるものではない。
ただし、別添袋部分(A)の本体袋部分(B)からの切り離し前の別添袋付き自立袋の自立性が確保されるためには上記の距離が本体袋部分(B)の幅よりも小さいことが望ましく、別添袋からの内容物の絞り出し易さから見てもこのことは望ましい。
必要に応じて、区分けヒートシール部(7)に切り離し用破断線(9)を設け、切り離し作業を簡単にすることができる。切り離し用破断線(9)はレーザーカットやミシン目等の公知の方法で設けることが出来、線の位置を見てすぐにわかるようにするための印刷も併用できる。
別添袋部分(A)及び本体袋部分(B)の開封予定部には開封を容易にするためのノッチ(11)、(13)や開封用破断線(12),(14)を公知の方法で設けることも出来る。
別添袋上部ヒートシール(8A)部分はシール前の開口部が外側(図では左側)に向くように設けられており、開口位置と内容物注入ノズルの位置と角度を適切に設定することによって本体袋または別添袋のいずれかに内容物を充填した後に充填した袋の上部をヒートシールしてから他の袋の内容物を充填するという順序で充填作業を進行することが可能であり、内容物充填後の開封状態で移動させる必要がないために作業中の内容物のこぼれや異物の混入をへらすことが出来る。
この別添袋上部ヒートシール(8A)部分の開口部が外側に向く最適な角度は内容物注入ノズル及びヒートシールバーの位置と角度によってその範囲が決められる。
ここで、区分けヒートシール部の上部(10)は、実際に本発明の自立型袋を調理等で使用する際に、別添袋部分(A)と本体袋部分(B)の2つの袋を切り離す際に指を当てやすく、さらに、ミシン目等の切り離し破断線(9)に沿って切りやすくするために丸みを帯びている形状であってもよい。このことは、切り離した後のそれぞれの袋の端部が、鋭利な形状になって使用者が怪我をすることがないようにするための安全性確保の手段としても有効である。
調理する前に別添袋部分(A)と本体袋部分(B)の2つの袋を切り離す時に切りやすいようにミシン目等で設けてある切り離し破断線(9)は、使用者が2袋に切り離しやすいために設けられているものであるので、点線であってもよいし、他の異形のものであってもよい。
次に、本発明に係る別添袋付き自立袋を構成する壁面フィルムの材料について説明する。
本発明の別添袋付き自立袋に用いる表裏の壁面フィルム及び底面フィルムの基本材料としては、レトルト加工処理の条件に耐えられる、機械的、物理的、化学的に優れた性質を有する耐熱性基材フィルムと、太陽光等の光の遮光性、水蒸気、水、酸素や内容物を劣化させる気体等のバリア性を有するバリア性フィルムと、フィルム同士を熱融着させ、包装袋の形状に製袋するためのヒートシール性フィルムとからなり、バリア性が不要な場合に
は、耐熱性基材フィルムとヒートシール性フィルムからなってもよい。
上記の耐熱性基材フィルムの具体的な材料例を挙げると、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、フッ素系樹脂等を使用することができる。これら樹脂フィルムは、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
これら耐熱性基材フィルムの厚さとしては、必要な耐熱性があり、袋としての機械的強度、剛性等が必要な程度に保持できる、すなわち破袋しない厚さであればよく、約9〜50μm、好ましくは約12〜25μmである。
本発明の別添袋付き自立袋にレトルト加工適性が要求される場合には、物理的にも化学的にも過酷な条件に置かれることから、構成する包装材料には、変形防止強度、落下衝撃強度、耐ピンホール性、耐熱性、密封性、品質保全性、作業性、衛生性、その他等の種々の条件が課せられる。
このために、本発明の別添袋付き自立袋に用いる基材においては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ジエン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、その他等の公知の樹脂のフィルムから選択して使用することができる。
上記のフィルムは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができる。フィルムの製膜方法としては、押し出し法、インフレーション法、コーティング法等の公知の方法から選択できる。
上記のバリア性フィルムは遮光性、水蒸気、水、酸素や内容物を劣化させる気体等に対するバリア性を有する材料により構成されたフィルムであればよく単体の基材、または2種以上の基材を組み合わせた複合材料基材等であってもよい。
バリア性フィルムの具体例として、遮光性とバリア性を有するアルミニウム箔、アルミニウムの蒸着膜を有する樹脂フィルム、バリア性を有する酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を有する樹脂フィルム、高密度ポリエチレン等の樹脂フィルム、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等の樹脂フィルム、樹脂に顔料等の着色剤を加えて混練してなる遮光性を有する着色樹脂フィルム等を挙げることができる。
これらのフィルム材料は1種ないしそれ以上を積層して使用することもできる。上記のバリア性フィルムの厚さは、通常5〜300μm、好ましくは10〜100μmである。
アルミニウム箔としては、5〜30μmの厚さが好ましい。アルミニウムまたは無機酸化物の蒸着膜としては、厚さ1〜500nmのものを使用することができる。バリア性を重視する場合には5nm以上好ましくは10nm以上とし、透明性を重視する場合には300nm以下好ましくは150nm以下とする。
上記の蒸着膜を表面に設ける支持フィルムの例としては、たとえば、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコ−ルフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム等を挙げることが出来る。
フィルム同士を熱融着させ包装袋の形状に製袋するための、上記のヒートシール性フィルムは、熱により溶融し相互に融着する樹脂フィルムであり、レトルト加工処理に耐える材料、具体例として中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、酸変性ポリオレフィン樹脂等の樹脂フィルムが使用出来る。
フィルムの厚さは、30〜300μm、好ましくは、40〜100μmである。これらの樹脂には、必要に応じて添加剤、例えば、充填剤、分散剤、着色剤、その他等を適当量添加することもできる。
本発明の別添袋付き自立袋に用いる壁面フィルム及び底面フィルムは、上記のような材料を使用し、袋の外側から内側に向けて、少なくとも耐熱性基材フィルムおよびヒートシール性フィルムを順に積層した積層体であり、積層方法としては、たとえばドライラミネーション法、無溶剤型ドライラミネーション法等の公知の方法により行うことが出来る。
上記の積層の際には、必要に応じてコロナ処理、オゾン処理等の前処理を樹脂フィルムに施すことができる。
積層のための接着剤としては、例えばイソシアネート系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、有機チタン系等のアンカーコート剤、あるいはポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系等のラミネート用接着剤などの公知のアンカーコート剤、接着剤を使用することができる。
本発明の別添袋付き自立袋の製造方法の一例について図面を用いて説明する。図1は、本発明の別添袋付き自立袋を示す概略図である。
2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに印刷を施し、印刷面に接着剤を塗布して2軸延伸ナイロンフィルムとラミネートする。さらに、2軸延伸ナイロンフィルムのもう一方の面に接着剤を塗布してアルミニウム箔とラミネートを行い、さらにアルミニウム箔のもう一方の面に接着剤を塗布して未延伸ポリプロピレンフィルムとラミネートを行い、本発明の別添袋付き自立袋の壁面フィルムとして用いる積層体を得る。印刷を省略した他は上記と同様にして底面フィルムとなる積層体を作成する。
図1に示すように、該積層体を袋形状に製袋を行うと同時に、区分けヒートシール部(7)を設けて2室を有する袋を得る。さらに区分けヒートシール部(7)の中央に破線状の刃を用いて切り離し用破断線(9)を設ける。この時点では別添袋(A)の上部ヒートシール部(8A)と本体袋(B)の上部ヒートシール部(8B)はシールされておらず開口状態(図示しない)である。
2つの袋のうち、本体袋(B)には鍋つゆ等を、別添袋(A)には、本体袋(B)に収納する鍋つゆ等の味を調整するための調味料を充填し、レトルト処理を行う。
本発明の別添袋付き自立袋においては内容物の充填は、シール前の本体袋上部ヒートシ
ール部(8B)部分の開口部及びシール前の別添袋上部ヒートシール部(8A)部分の開口部の一方から容易に充填し、充填終了後はすぐにヒートシールして密閉し、次の充填に移るので片方づつ順にヒートシールして密封することができる。これにより、一方の内容物を充填後、直ちにヒートシールすることが出来るため、工程中で包装袋が倒れて内容物で汚れたり、開口部から異物が混入したりする恐れがなくなり、製造工程の安定化が図れる。
本発明の別添袋付き自立袋の使用方法の一例について図面を用いて説明する。
図2は本発明の別添袋付き自立袋の一例の切り離し後の説明図である。
調理等で別添袋付き自立袋を用いた商品を使用する際には、図1に示すように、別添袋部分(A)と本体袋部分(B)を図1の切り離し用破断線(9)によって切り離す。その後、本体袋(B)の鍋つゆ等を注ぐ際、本体袋(B)をノッチ(11)から開封用破断線(12)で開封することで、本体袋(B)の開口部分から鍋つゆを注ぐ。同様に別添袋(A)をノッチ(13)から開封用破断線(14)で開封して開口部分から必要な量の調味料を注出する。
以下に本発明の別添袋付き自立袋の実施例を説明する。
<実施例1>
厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの裏面に、グラビア印刷法により所望の印刷模様を形成した後、該印刷模様面に、厚さ7μmのアルミニウム箔を2液硬化型ポリウレタン系接着剤を使用してドライラミネート法でラミネートし、更に、該アルミニウム箔の面に、2液硬化型ポリウレタン系接着剤を使用してドライラミネート法により、厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルムをラミネートし、さらに、二軸延伸ナイロンフィルムの面に、上記と同様に、2液硬化型ポリウレタン系接着剤を使用してドライラミネート法により、厚さ50μmの無延伸ポリプロピレンフィルムをラミネートして、下記の層構成からなる積層体を製造した。
(外面側)厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/接着剤層/厚さ7μmのアルミニウム箔/接着剤層/厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム/接着剤層/厚さ50μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(内面側)
次に、上記の積層体を表フィルムと裏フィルムとして使用し、図に示す壁面フィルムに形にカットしたのち、該表フィルムと裏フィルムとを、その無延伸ポリプロピレンフィルム面を対向して重ね合わせ、その間に底部として内部側に凸となるよう2つ折りの底材を挿入し、しかる後上端部を残して、他の周辺端部と区分けヒートシール部をヒートシールし2室の区画とした。
更に、抜加工時に、開封予定位置に、袋の底辺と平行にレーザ光を用いてハーフカットによる開封用破断線を刻設して、さらに区分けヒートシール部上に切り離し用破断線としてミシン目を入れることにより、別添袋と本体袋を切り離し可能とし、スタンディングパウチである別添袋付き自立袋を製造した。
内容物の充填は、シール前の本体袋上部ヒートシール部(8B)部分の開口部及びシール前の別添袋上部ヒートシール部(8A)部分の開口部から充填ノズルによって充填し、充填終了後はすぐにヒートシールして密閉し、残った開口部の充填に移るという手順によって片方づつ順にヒートシールして密封する手順で行った。
一方の内容物を充填後、直ちにヒートシールすることが出来るため、充填工程の途中で包装袋が倒れて内容物で汚れたり、開口部から異物が混入したりすることがなく、トラブルが低減した製造工程で生産が出来るようになった。
包装製品の開封に際しては、区分けヒートシール部の上部(10)を手に持って左右に引き裂いたところ、別添袋(A)と本体袋(B)が切り離し用破断線に沿って簡単に分離した。分離した2つの袋をそれぞれノッチ(11)、(12)から開封用破断線に沿って開封し、容易に内容物を取り出すことができた。また、本体袋(B)は切り離し用破断線より切り離した後も安定した自立性を保っていた。
1…表フィルム
1’…裏フィルム
2…底部シール部
3…底面フィルム折り返し部
5…ガゼット部
6…サイドシール部
7…区分けヒートシール部
8A…別添袋上部ヒートシール部
8B…本体袋上部ヒートシール部
9…切り離し用破断線
10…区分けヒートシール部の上部
11…ノッチ
12…開封用破断線
13…ノッチ
14…開封用破断線
100…別添袋付き自立袋
A…別添袋
B…本体袋

Claims (3)

  1. 下部が、表裏2面の壁面フィルムの間に、底面フィルムを内側に折り返して挿入し、周縁部をヒートシールにより封止してなるガゼット部を有し、胴部が表裏2面の壁面フィルムの両側の端縁部をサイドシール部でヒートシールして形成される本体袋と、本体袋の少なくとも横片側に区分けヒートシール部を介して連接された別添袋とからなり、
    上記別添袋の上部ヒートシール部が区分けヒートシール部の反対外側に斜めに形成されていることを特徴とする別添袋付き自立袋。
  2. 区分けヒートシール部がサイドシール部に略並行に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の別添袋付き自立袋。
  3. 別添袋の底部は、底面フィルムを表裏2面の壁面フィルム間に圧着させて形成した構造であることを特徴とする請求項1または2に記載の別添袋付き自立袋。
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