JP2010235038A - 車両用内燃機関 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両用内燃機関1は、クランクケース3にクランク軸2とメイン軸41とカウンタ軸42と出力軸43とを平行に配置し、クランク軸2の後方にメイン軸41を配置し、メイン軸41の後方にカウンタ軸42を配置するとともに、カウンタ軸42の前方かつ下方に出力軸43を配置する構成とする。
【選択図】図4
Description
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、クランクケースの前後長を短く抑えた上で、クランクケースの上下長を短く抑えた車両用内燃機関を提供することにある。
上記構成によれば、クランク軸の後方にメイン軸を配置し、メイン軸の後方にカウンタ軸を配置したため、クランク軸、メイン軸、及びカウンタ軸は、この順で前後に配置されるので、クランクケースの上下長を短く抑えることができる。この場合、例えばメイン軸に固定されるメイン軸側被動歯車の直径が大きくても、メイン軸側被動歯車が上方に突出しないので、クランクケースが上方に張り出すのを抑制することが可能となる。また、カウンタ軸の前方かつ下方に出力軸を配置したため、クランクケースの前後長を短く抑えることができる。
上記構成によれば、メイン軸及びカウンタ軸は、上下ケース部材の合わせ面上に配置されるので、メイン軸及びカウンタ軸の軸受構造が単純化し、メイン軸及びカウンタ軸の組み付けが容易になる。
上記構成によれば、シフトドラムは、メイン軸及びカウンタ軸の間の空間を有効利用して配置されるので、クランクケースの前後長及び上下長を短く抑えることができる。
上記構成であっても、クランク軸の後方にメイン軸を配置し、メイン軸の後方にカウンタ軸を配置することで、クランク軸、メイン軸、及びカウンタ軸は、この順で前後に配置されるので、クランクケースの上下長を短く抑えることができる。この場合、例えばメイン軸に固定されるメイン軸側被動歯車の直径が大きくても、メイン軸側被動歯車が上方に突出しないので、クランクケースが上方に張り出すのを抑制することが可能となる。また、カウンタ軸の前方かつ下方に出力軸を配置することで、クランクケースの前後長を短く抑えることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る内燃機関が搭載される自動二輪車を示す側面図である。なお、以下の説明中、前後左右及び上下といった方向の記載は車体に対してのものとする。
自動二輪車100の車体フレーム111は、車体前部に位置するヘッドパイプ112と、このヘッドパイプ112から車体中央まで後方に延びるメインフレーム114と、このメインフレーム114の後端部から車両後部まで延びるリヤフレーム(不図示)とを備えている。
ヘッドパイプ112には、フロントフォーク124が回動自在に取り付けられ、このフロントフォーク124の下端に前輪125が回転自在に支持されている。また、ヘッドパイプ112の上部には、操舵用ハンドル126が取り付けられている。図中符号142は前輪ブレーキであり、符号143はフロントマスタシリンダである。
フロントバンクBfの排気口には、左右一対の排気パイプ161L,161Rの一端が接続されている。この排気パイプ161L,161Rは、排気口から下側に延びた後に、車体後方に向かって引き回され、クランクケース3の下方に位置する筒状の触媒装置163に連結されている。リヤバンクBrの排気口には、左右一対の排気パイプ171L,171Rの一端が接続されている。この排気パイプ171L,171Rは、排気口から下側に延びる上部排気パイプ172L,172Rと、上部排気パイプ172L,172Rから下側に延びた後に、車体前方に向かって引き回され、触媒装置163に連結される下部排気パイプ173L,173Rとを備えて構成されている。触媒装置163は、一本の排気管176を介して、内燃機関1の後方に設けられたマフラ181に連結されている。
内燃機関1の後部には、車体を停めるためのスタンド151が設けられている。また、内燃機関1の左側面の下部には、サイドスタンド152が設けられている。
また、自動二輪車100は、車体を覆う樹脂製の車体カバー150を有し、この車体カバー150は、車体フレーム111の前方から内燃機関1の前部までを連続的に覆うフロントカバー147と、シート115の下方を覆うリヤカバー119とを備えている。フロントカバー147の上部には、ミラー148が取り付けられている。また、フロントフォーク124には、前輪125の上方を覆うフロントフェンダ146が取り付けられている。
フロントバンクBfとリヤバンクBrとの間には側面視でV字状に形成された空間であるVバンク空間Kが形成されている。
クランクケース3は上下割りで構成され、上クランクケース(上ケース部材)3Uと下クランクケース(下ケース部材)3Lとを有している。クランク軸2はクランクケース3U,3Lにより挟まれるようにして回転自在に軸支され、上クランクケース3Uには、それぞれ左右に2気筒が配列される前シリンダブロック3fと後シリンダブロック3rとが、側面視でV字をなすように斜め上方に延出されて一体に形成されている。
また、各シリンダブロック3f,3rには、各シリンダブロック3f,3rを冷却する冷却水が流れるウォータージャケット8が、シリンダボア3aを囲うようにそれぞれ設けられている。
また、各シリンダヘッド4f,4rには、各シリンダヘッド4f,4rを冷却する冷却水が流れるウォータージャケット9が、吸気ポート21及び排気ポート22を囲うようにそれぞれ設けられている。
これらの吸気バルブ11および排気バルブ12は、各シリンダヘッド4f,4rごとに1本ずつ配設されたカムシャフト25で駆動されるユニカム方式の動弁装置10によって開閉駆動される。
カムシャフト25は、カムシャフト25の外周側に突出した吸気カム30及び排気カム31を有し、クランク軸2の回転に同期して回転させられる。吸気カム30および排気カム31は、中心から外周までの距離(半径)が一定でないカムプロフィールを有し、吸気カム30及び排気カム31が回転した際の半径の変化によって、吸気バルブ11及び排気バルブ12を上下運動させる。
ロッカシャフト26に軸支されたロッカアーム27の一端には排気カム31に転がり接触するローラ27aが設けられ、他端には排気バルブ12の上端に当接するタペットねじ27bが進退位置を調節可能として螺合されている。
図3に示すように、シリンダヘッド4fの各気筒には、シリンダボア3aの中心軸線であるシリンダ軸線C上に、プラグ差込孔15が形成されており、このプラグ差込孔15には点火プラグ16(右側の気筒の点火プラグは不図示)がその先端を燃焼室20内に臨ませて配置されている。
クランク軸2の一端側には、クランク軸2の回転を出力するカムシャフト駆動スプロケット17が設けられている。内燃機関1のカムシャフト駆動スプロケット17側には、各バンクBf,Br内で上下に延在するカムチェーン室35が設けられており、カムシャフト25と一体に回転する従動スプロケット36は、カムシャフト25の一端に固定されてカムチェーン室35内に位置している。従動スプロケット36とカムシャフト駆動スプロケット17とには、カムチェーン37が巻き回されており、カムシャフト25はカムチェーン37及び従動スプロケット36を介して、クランク軸2の回転の半分の回転速度で回転されるようになっている。
また、クランク軸2の他端側には、発電機としてのジェネレータ18が設けられている。
クランク軸2は、図4に示すように、上クランクケース3Uと下クランクケース3Lとの合わせ面3S上に配置されている。このクランク軸2の後方にメイン軸41が配置され、メイン軸41の後方にカウンタ軸42が配置されている。メイン軸41及びカウンタ軸42は、合わせ面3S上に配置されている。また、カウンタ軸42の前方かつ下方に出力軸43が配置されている。すなわち、メイン軸41及びカウンタ軸42の軸心O1,O2は合わせ面3S上に前後に位置し、出力軸43の軸心O3は、メイン軸41の軸心O1の後方であって、カウンタ軸42の軸心O2の前方かつ下方に位置している。
ここで、図3は、フロントバンクBf、クランク軸2、メイン軸41、カウンタ軸42、及び、出力軸43を各々直線で結ぶ断面で切断した断面図である。
メイン軸側被動歯車41Aは、メイン軸41上にメイン軸41と相対回転自在に設けられるとともに、クラッチ機構44に接続されており、このクラッチ機構44の作動によってクランク軸2とメイン軸41との間の動力の伝達が断続可能となっている。
また、メイン軸側被動歯車41Aには、オイルポンプ50(図2参照)を駆動するオイルポンプ駆動歯車41Bが設けられている。オイルポンプ駆動歯車41Bは、クラッチ機構44のオンオフとは無関係にメイン軸側被動歯車41Aと一体に回転し、図2に示すように、オイルポンプ50の駆動軸50Aに固定された被動歯車50Bに駆動チェーン45を介してクランク軸2の回転を伝達し、オイルポンプ50を駆動する。
シフタとなるメイン軸41上の3速駆動歯車m3及び4速駆動歯車m4と、カウンタ軸42上の5速被動歯車n5及び6速被動歯車n6とを変速切換機構47(図4参照)によって移動して変速がなされる。
フォーク軸47Bにはメイン軸41のシフタに係合するシフトフォーク47B1が支持され、フォーク軸47Cにはカウンタ軸42のシフタに係合するシフトフォーク47C1が支持されている。変速歯車対は、変速切換機構47のシフトフォーク47B1,47C1を移動させることによって変更され、変更された変速歯車対を介して、メイン軸41の回転がカウンタ軸42に伝達される。図3に示すように、カウンタ軸42は、カウンタ軸42の回転を出力軸43に伝達する中間駆動歯車42Aを有している。
出力軸43の左端部には駆動傘歯車48が一体的に設けられ、この駆動傘歯車48は、車体の前後方向に延びるドライブシャフト49の前端に一体に設けられた被動傘歯車49Aに噛み合う。これによって、出力軸43の回転がドライブシャフト49に伝達される。
このように構成された内燃機関1において、クランク軸2、メイン軸41、及びカウンタ軸42は、この順で前後に配置されるので、クランクケース3の上下長を短く抑えることができる。この構成では、メイン軸41に固定されるメイン軸側被動歯車41Aの直径が大きくても、メイン軸がクランク軸及びカウンタ軸の上方に配置される場合に比べ、メイン軸側被動歯車41Aが上方に突出せず、クランクケース3が上方に張り出すのを抑制することが可能となる。したがって、リヤバンクBrとクランクケース3の上面3bとの間に補記類を配置することも可能となる。
さらに、メイン軸41及びカウンタ軸42は、上下クランクケース3U,3Lの合わせ面3S上に配置されるので、メイン軸41及びカウンタ軸42の軸受41C,42Cの構造が単純化し、メイン軸41及びカウンタ軸42の組み付けが容易になる。
このように、クランクケース3の前後長を短く抑えたことで、ホイールベースが短くなるので、自動二輪車100(図1参照)をコンパクトにすることができるとともに、自動二輪車100の旋回性能も向上する。
シフトドラム47Aは、その軸心O4が出力軸43の軸心O3より後方となるように配置されているので、シフトドラムの軸心と出力軸の軸心が上下に並んで配置される場合に比べ、クランクケース3の上下長を短く抑えることができる。したがって、リヤバンクBrとクランクケース3の上面3bとの間に補記類を配置することも可能となる。
また、カウンタ軸42の前方かつ下方に出力軸43を配置したため、クランクケース3の前後長を短く抑えることができ、内燃機関1を小型化できる。クランクケース3の前後長を短く抑えたことで、ホイールベースが短くなるので、自動二輪車100をコンパクトにすることができるとともに、自動二輪車100の旋回性能も向上する。
また、カウンタ軸42の前方かつ下方に出力軸43を配置することで、クランクケース3の前後長を短く抑えることができ、内燃機関1を小型化できる。クランクケース3の前後長を短く抑えたことで、ホイールベースが短くなるので、自動二輪車100をコンパクトにすることができるとともに、自動二輪車100の旋回性能も向上する。
2 クランク軸
3 クランクケース
3U 上クランクケース(上ケース部材)
3L 下クランクケース(下ケース部材)
3S 合わせ面
41 メイン軸
42 カウンタ軸
43 出力軸
47A シフトドラム
100 自動二輪車(車両)
Bf フロントバンク(シリンダ)
Br リヤバンク(シリンダ)
m1〜m6 駆動歯車
n1〜n6 被動歯車
Claims (4)
- クランクケースにクランク軸とメイン軸とカウンタ軸と出力軸とを平行に配置した車両用内燃機関において、
前記クランク軸の後方に前記メイン軸を配置し、前記メイン軸の後方に前記カウンタ軸を配置するとともに、前記カウンタ軸の前方かつ下方に出力軸を配置したことを特徴とする車両用内燃機関。 - 前記内燃機関のクランクケースは、上下2分割の上ケース部材及び下ケース部材を備え、前記メイン軸及び前記カウンタ軸は、前記上下ケース部材の合わせ面上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の車両用内燃機関。
- 前記メイン軸及び前記カウンタ軸上の歯車の組み合わせを切り替えるためのシフトドラムを前記メイン軸及び前記カウンタ軸の間、かつ、上方に配置したことを特徴とする請求項1に記載の車両用内燃機関。
- 前記内燃機関は、シリンダをV型に配置したV型内燃機関であることを特徴とする請求項1に記載の車両用内燃機関。
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