JP2011196521A - 変速機用パーキングロック機構 - Google Patents

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Keijun Nedachi
圭淳 根建
Yoshiaki Tsukada
善昭 塚田
Takashi Ozeki
孝 大関
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Abstract

【課題】変速機における部品点数の低減を図ると共に、変速機の小型化を可能とした変速機用パーキングロック機構を提供する。
【解決手段】動力源からの回転動力が入力される入力軸と、前記入力軸と平行な軸線を有して駆動輪側に動力を伝達する出力軸と、前記入力軸及び前記出力軸間に設けられる複数変速段のギヤ列と、前記入力軸及び前記出力軸と平行な軸線方向に移動して前記ギヤ列の選択的な確立を切り換えるシフトフォーク(127a〜127d)とを備えた変速機において、前記シフトフォークに係合して各ポジションに応じたギヤ列の選択的な確立を行わせると共に、前記選択された少なくとも2つのギヤ列を同時に確立させるパーキングポジション(191・P1〜P4)を有するシフトカム(191)を備えた。
【選択図】図5

Description

本発明は、複数変速段のギヤ列のうち選択されたギヤ列を同時に確立することによりパーキングロックを得る変速機用パーキングロック機構に関する。
従来、車両用自動変速機において、複数変速段のギヤ列を選択的に確立するためのシフトフォークとは別に、パーキング用シフトフォークを設け、このパーキング用シフトフォークをパーキングロッドに固定して、パーキングロッドを軸方向に作動させることにより、2つのギヤ列を確立してパーキングロックを得るパーキングロック機構が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−105221号公報
しかしながら、従来の技術では、複数変速段のギヤ列を選択的に確立するためのシフトフォークとは別に、パーキング用シフトフォークが必要であり、部品点数が多くなり、変速機の大型化を招く課題があった。
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、変速機における部品点数の低減を図ると共に、変速機の小型化を可能とした変速機用パーキングロック機構を提供することにある。
本発明は、動力源からの回転動力が入力される入力軸(41)と、前記入力軸と平行な軸線を有して駆動輪側に動力を伝達する出力軸(42)と、前記入力軸及び前記出力軸間に設けられる複数変速段のギヤ列と、前記入力軸及び前記出力軸と平行な軸線方向に移動して前記ギヤ列の選択的な確立を切り換えるシフトフォーク(127a〜127d)とを備えた変速機において、前記シフトフォークに係合して各ポジションに応じたギヤ列の選択的な確立を行わせると共に、前記選択された少なくとも2つのギヤ列を同時に確立させるパーキングポジション(191・P1〜P4)を有するシフトカム(191)を備えたことを特徴とする。
本発明では、シフトフォークに係合して各ポジションに応じたギヤ列の選択的な確立を行わせると共に、選択された少なくとも2つのギヤ列を同時に確立させるパーキングポジションを有するシフトカムを備えることで、専用のロック機構を設けることなく、パーキングロック状態を得ることができるため、部品点数をより低減できると共に、変速機の小型化に寄与できる。
前記パーキングポジション(191・P1〜P4)は前記入力軸及び前記出力軸と平行な軸線まわりに回動する単一の円筒状シフトドラム(124)上のシフトカム(191)に設けてもよい。
パーキングロック状態とするためにシフトドラムと別部材を設ける場合と比べて、既存の単一の円筒状シフトドラムのみでロックできるので、部品点数の低減、及び変速機の小型軽量化に寄与することができる。
前記変速機は車両駐車時に前記動力源からの動力伝達が切断される車両用自動変速機であってもよい。
車両駐車時に前記動力源からの動力が変速機(クラッチを含む)で切断される小型車両用自動変速機であっても、パーキングロック専用のロック機構等の部品点数を増やすことなく、パーキングロック状態が得られる。
前記入力軸と変速機構との間を断接し、前記入力軸に互いに同軸に配設される第1クラッチ(151a)及び第2クラッチ(151b)を有するツインクラッチ(126)を備え、前記第1クラッチ(151a)が奇数段クラッチ、前記第2クラッチ(151b)が偶数段クラッチに対応し、同時に確立される複数変速段のギヤ列が奇数段同士あるいは偶数段同士であってもよい。
ツインクラッチを有する車両においても、奇数段同士あるいは偶数段同士のギヤ列を同時に確立することで、パーキングロック状態を得ることができる。
前記同時に確立される複数変速段のギヤ列は入力軸方向もしくは出力軸方向で互いに近接配置されてもよい。
軸方向に離れた位置で2つのギヤ列を同時に確立する場合に比べて、軸方向でよりコンパクトにパーキングロック機構を形成できる。
前記パーキングポジション(191・P1〜P4)は単一の円筒状シフトドラム上のシフトカム(191)において中立位置(C/N−N、M/N−N)からシフトダウン方向に隣接した位置でもよい。
シフトドラムを回転させることにより、直ちにパーキングポジションに至り、迅速にパーキングブレーキが掛けられる。
前記シフトカム(191)はカム溝(191A〜191D)であり、前記シフトフォーク(127a〜127d)がカム溝内を移動し、パーキングポジション(191・P1〜P4)に至ると、スライドギヤ或いはスライダを移動させて、複数変速段の奇数段同士あるいは偶数段同士のギヤ列を同時にインギアしてもよい。
パーキングロック状態とするためにシフトドラムと別部材を設ける場合と比べて、既存のシフトドラムとシフトフォークの組み合わせでロックできるので、部品点数の低減、及び変速機の小型軽量化に寄与することができる。
複数変速段の奇数段同士あるいは偶数段同士のギヤ列は、それぞれ変速比が異なる構成であるために、簡単な構成でパーキングロック機構を実現できる。
前記同時に確立される複数変速段のギヤ列における前記カム溝(191A〜191D)は前記シフトドラム(124)の周方向で同方向に形成されてもよい。
シフトドラムを一方向に回転すれば同時にシフトフォークが係合できるため、周方向で逆方向にカム溝を設ける場合と比べて、パーキングロック機構が確実なものとなる。
前記パーキングブレーキの動作を指示しシフトドラム(124)を回転させるパーキングブレーキスイッチ(118A)を備えてもよい。
パーキングブレーキスイッチの操作でECUに信号が伝達されることにより、アクチュエータによってシフトドラムが制御、回動されることにより、パーキングブレーキが掛けられるため、機械的なパーキングブレーキ機構とするよりも簡単な操作でシフトドラムを制御でき、操作性が向上する。
本発明では、シフトフォークに係合して各ポジションに応じたギヤ列の選択的な確立を行わせると共に、選択された少なくとも2つのギヤ列を同時に確立させるパーキングポジションを有するシフトカムを備えることで、専用のロック機構を設けることなく、パーキングロック状態を得ることができるため、部品点数をより低減できると共に、変速機の小型化に寄与できる。
また、パーキングロック状態とするためにシフトドラムと別部材を設ける場合と比べて、既存の単一の円筒状シフトドラムのみでロックできるので、部品点数の低減、及び変速機の小型軽量化に寄与することができる。
更に、車両駐車時に前記動力源からの動力が変速機(クラッチを含む)で切断される小型車両用自動変速機であっても、パーキングロック専用のロック機構等の部品点数を増やすことなく、パーキングロック状態が得られる。
本発明では、ツインクラッチを有する車両においても、奇数段同士あるいは偶数段同士のギヤ列を同時に確立することで、パーキングロック状態を得ることができる。
また、軸方向に離れた位置で2つのギヤ列を同時に確立する場合に比べて、軸方向でよりコンパクトにパーキングロック機構を形成できる。
更に、シフトドラムを回転させることにより、直ちにパーキングポジションに至り、迅速にパーキングブレーキが掛けられる。
パーキングロック状態とするためにシフトドラムと別部材を設ける場合と比べて、既存のシフトドラムとシフトフォークの組み合わせでロックできるので、部品点数の低減、及び変速機の小型軽量化に寄与することができる。
複数変速段の奇数段同士あるいは偶数段同士のギヤ列は、それぞれ変速比が異なる構成であるために、簡単な構成でパーキングロック機構を実現できる。
シフトドラムを一方向に回転すれば同時にシフトフォークが係合できるため、周方向で逆方向にカム溝を設ける場合と比べて、パーキングロック機構が確実なものとなる。
また、パーキングブレーキスイッチの操作でECUに信号が伝達されることにより、アクチュエータによってシフトドラムが制御、回動されることにより、パーキングブレーキが掛けられるため、機械的なパーキングブレーキ機構とするよりも簡単な操作でシフトドラムを制御でき、操作性が向上する。
本発明の一実施の形態に係る自動二輪車を示す側面図である。 内燃機関を示す断面図である。 図2におけるIII−III断面図である。 メイン軸、カウンタ軸、及び出力軸の関係を示す断面図である。 シフトカムを示す展開図である。 別の実施の形態による内燃機関を示す断面図である。 別の実施の形態によるシフトカムを示す展開図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る自動二輪車を示す側面図である。なお、以下の説明中、前後左右及び上下といった方向の記載は車体に対してのものとする。
自動二輪車100の車体フレーム111は、車体前部に位置するヘッドパイプ112と、このヘッドパイプ112から車体中央まで後方に延びる左右一対のメインフレーム114と、メインフレーム114の後端部から下方に延びる左右一対のピボットプレート115と、メインフレーム114の後端部から車体後部まで延びるリヤフレーム(不図示)とを備えている。ヘッドパイプ112には、フロントフォーク116が回動自在に取付けられ、このフロントフォーク116の下端に前輪117が回転自在に支持されている。ヘッドパイプ112の上部には、操舵用ハンドル118が取付けられている。
メインフレーム114の下方には、前後V型4気筒の内燃機関1が配置されている。この内燃機関1は、クランク軸2を左右水平方向に指向させる横置き配置のエンジンであって、OHC型の水冷式で、クランクケース3を備え、このクランクケース3から2気筒ずつ前後に傾いたフロントバンクBfと、リヤバンクBrとがV型に構成され、互いのバンク角が90度よりも小さい狭角V型エンジンである。フロントバンクBfの排気口には、左右一対の排気パイプ119の一端が接続され、排気口から下側に延びた後に、車体後方に向かって引き回され、リヤバンクBrの排気口から延びる左右一対の排気パイプ120に接続されて集合され、一本の排気管(不図示)を介して、内燃機関1の後方に設けられたマフラ(不図示)に連結されている。
内燃機関1の後方には、ピボット軸121が設けられており、このピボット軸121には、リヤフォーク222がピボット軸121を中心に上下方向に揺動自在に取付けられている。リヤフォーク222の後端部には、後輪131が回転自在に支持されている。後輪131と内燃機関1とは、リヤフォーク222内に設けられたドライブシャフト123によって連結されており、内燃機関1からの回転動力がドライブシャフト123を介して後輪131へと伝達される。また、リヤフォーク222と車体フレーム111との間には、リヤフォーク222からの衝撃を吸収するリヤクッション224が掛け渡されている。内燃機関1の後部には、車体を停めるためのスタンド225が設けられている。内燃機関1の左側面の下部には、サイドスタンド226が設けられている。
メインフレーム114の上部には、内燃機関1の上方を覆うようにして燃料タンク241が搭載されている。この燃料タンク241の後方には、シート142が位置し、該シート142は上記リヤフレームに支持されている。シート142の後方には、テールランプ143が配置され、テールランプ143の下方には、後輪131の上方を覆うリヤフェンダ144が配置されている。また、自動二輪車100は、車体を覆う樹脂製の車体カバー150を有し、この車体カバー150は、車体フレーム111の前方から内燃機関1の前部までを連続的に覆うフロントカバー251と、シート142の下方を覆うリヤカバー252とを備えている。フロントカバー251の上部には、左右一対のミラー253が取り付けられている。また、フロントフォーク116には、前輪117の上方を覆うフロントフェンダ146が取付けられている。
図2は、内燃機関1を示す断面図である。なお、図2では、図の上下を内燃機関1の上下、図の左側を内燃機関1の前側、図の右側を内燃機関1の後側として説明する。
フロントバンクBfとリヤバンクBrとの間には側面視でV字状に形成された空間であるVバンク空間Kが形成されている。
クランクケース3は上下割りで構成され、上クランクケース3Uと下クランクケース3Lとを有している。クランク軸2はクランクケース3U,3Lにより挟まれるようにして回転自在に軸支され、上クランクケース3Uには、それぞれ左右に2気筒が配列される前シリンダブロック3fと後シリンダブロック3rとが、側面視でV字をなすように斜め上方に延出されて一体に形成されている。
下クランクケース3Lの下部には、内燃機関1のオイル(潤滑油)が貯留されるオイルパン3Gが下方に膨出するように設けられている。内燃機関1内にオイルを循環させるオイルポンプ50は、下クランクケース3L内においてクランク軸2の下方に位置している。前シリンダブロック3fには前シリンダヘッド4fが前方斜め上に重ねられて締結ボルト(不図示)により締結され、前シリンダヘッド4fの上を前シリンダヘッドカバー5fが覆っている。同様に、後シリンダブロック3rには後シリンダヘッド4rが後方斜め上に重ねられて締結ボルト(不図示)により締結され、後シリンダヘッド4rの上を後シリンダヘッドカバー5rが覆っている。
前シリンダブロック3f及び後シリンダブロック3rには、それぞれシリンダボア3aが形成され、シリンダボア3aにはシリンダボア3a内を往復運動するピストン6が配置されている。各ピストン6は、各ピストン6に共通な1本のクランク軸2に対し、各コンロッド7f,7rを介して連結されている。また、各シリンダブロック3f,3rには、各シリンダブロック3f,3rを冷却する冷却水が流れるウォータージャケット8が、シリンダボア3aを囲うようにそれぞれ設けられている。前シリンダヘッド4f及び後シリンダヘッド4rには、シリンダボア3aの上方に位置する燃焼室20、吸気ポート21及び排気ポート22が設けられている。
各吸気ポート21には、各吸気ポート21に流れる混合気の量を調整するスロットルボディ23がそれぞれ接続されている。また、各シリンダヘッド4f,4rには、各シリンダヘッド4f,4rを冷却する冷却水が流れるウォータージャケット9が、吸気ポート21及び排気ポート22を囲うようにそれぞれ設けられている。また、各シリンダヘッド4f,4rには、一対の吸気バルブ11がバルブスプリング11aによって吸気ポート21を閉鎖する方向(弁閉方向)に付勢されて開閉可能に配置され、一対の排気バルブ12がバルブスプリング12aによって排気ポート22を閉鎖する方向に付勢されて開閉可能に配置されている。これら吸気バルブ11および排気バルブ12は、各シリンダヘッド4f,4rごとに1本ずつ配設されたカムシャフト25で駆動されるユニカム方式の動弁装置10によって開閉駆動される。
動弁装置10は、吸気バルブ11の上方の各シリンダヘッド4f,4rに回転自在に軸支されるカムシャフト25と、カムシャフト25と平行な軸線を有して各シリンダヘッド4f,4rに固定されるロッカシャフト26と、ロッカシャフト26に揺動可能に軸支されるロッカアーム27とを有している。カムシャフト25は、カムシャフト25の外周側に突出した吸気カム30及び排気カム31を有し、クランク軸2の回転に同期して回転させられる。吸気カム30および排気カム31は、中心から外周までの距離(半径)が一定でないカムプロフィールを有し、吸気カム30及び排気カム31が回転した際の半径の変化によって、吸気バルブ11及び排気バルブ12を上下運動させる。また、カムシャフト25と吸気バルブ11との間には、カムシャフト25の下方で各シリンダヘッド4f,4rに摺動可能に嵌合されるバルブリフタ13が設けられている。ロッカシャフト26に軸支されたロッカアーム27の一端には排気カム31に転がり接触するローラ27aが設けられ、他端には排気バルブ12の上端に当接するタペットねじ27bが進退位置を調節可能として螺合されている。そして、カムシャフト25と一体に吸気カム30及び排気カム31が回転されると、吸気カム30がバルブリフタ13を介して吸気バルブ11を押し下げ、排気カム31がロッカアーム27を介して排気バルブ12を押し下げ、吸気カム30及び排気カム31の回転の位相によって定まる所定のタイミングで吸気ポート21及び排気ポート22が開閉される。
クランクケース3内には、クランク軸2とそれぞれ平行に配置されるメイン軸41、カウンタ軸(出力軸とも云う。)42、及び、出力軸43が設けられている。クランク軸2、メイン軸41、カウンタ軸42は、上クランクケース3Uと下クランクケース3Lとの合わせ面3S上に配置され、カウンタ軸42の前方かつ下方に出力軸43が配置されている。すなわち、メイン軸41及びカウンタ軸42の軸心O1,O2は合わせ面3S上に前後に位置し、出力軸43の軸心O3は、メイン軸41の軸心O1の後方であって、カウンタ軸42の軸心O2の前方かつ下方に位置している。クランク軸2のカムチェーン室(不図示)側の端には、クランク側駆動歯車2Bが固定され、クランク側駆動歯車2Bはメイン軸41のメイン軸側被動歯車41Aと噛み合っている。メイン軸側被動歯車41Aは、後述のように、メイン軸41上にメイン軸41と相対回転自在に設けられ、クラッチ機構(図2においては不図示)に接続されており、このクラッチ機構の作動によってクランク軸2とメイン軸41との間の動力の伝達が断続可能となっている。メイン軸側被動歯車41Aには、オイルポンプ駆動歯車41Bが設けられ、オイルポンプ駆動歯車41Bは、クラッチ機構のオンオフとは無関係にメイン軸側被動歯車41Aと一体に回転し、オイルポンプ50の駆動軸50Aに固定された被動歯車50Bに駆動チェーン45を介してクランク軸2の回転を伝達し、オイルポンプ50を駆動する。
メイン軸41には、5速分の駆動歯車m1〜m5が設けられ、カウンタ軸42には5速分の被動歯車n1〜n5が設けられ、各駆動歯車m1〜m5及び被動歯車n1〜n5は、対応する変速段同士で互いに噛み合い、それぞれ各変速段に対応する変速歯車対(歯車の組み合わせ)を構成する。
図3は変速機Mを示す。
この変速機Mはツインクラッチ式変速機である。この変速機Mは内外シャフト41m、41nからなる二重構造のメイン軸41と、該メイン軸41と平行に配置されるカウンタ軸42及び出力軸43と、メイン軸41及びカウンタ軸42に跨って配置される上記変速ギヤ群m1〜m5、n1〜n5と、メイン軸41の右端部に同軸配置されるツインクラッチ126と、該ツインクラッチ126に作動用油圧を供給する油圧供給装置(不図示)とを有してなる。メイン軸41、カウンタ軸42、変速ギヤ群m1〜m5、n1〜n5及び出力軸43からなる集合体をトランスミッションとする。
メイン軸41は、図4に示すように、左右に延在する内シャフト41mの右側部を外シャフト41n内に相対回転可能に挿通してなる。該内シャフト41mはベアリングを介して外シャフト41nに回転可能に支持される。内外シャフト41m,41nの外周には、変速ギヤ群における5速分の駆動ギヤm1〜m5が振り分けて配置される。一方、カウンタ軸42の外周には、変速ギヤ群における5速分の従動ギヤn1〜n5が配置される。各駆動ギヤm1〜m5及び従動ギヤn1〜n5は、対応する変速段同士で互いに噛み合い、それぞれ各変速段に対応する変速ギヤ対を構成する。各変速ギヤ対は、1速から5速の順に減速比が小さくなる(高速ギヤとなる)。
内シャフト41mの左端部はミッションケース122の左側壁122aに至り、該左側壁122aにボールベアリング173を介して回転可能に支持されている。一方、内シャフト41mの右側部は、ミッションケース122の右側壁122bを貫通してクラッチ収納室125内に臨み、該内シャフト41mの左右中間部が、同じく右側壁122bを貫通する外シャフト41nの左右中間部及びボールベアリング177を介して、ミッションケース122の右側壁122bに回転可能に支持されている。外シャフト41nは内シャフト41mよりも短く、その左端部はミッションケース122の左右中間部で終端する。外シャフト41nにおける右側壁122bよりも左方に位置する部位には、偶数変速段(2、4速)に対応する駆動ギヤm2,m4が支持される。一方、内シャフト41mにおける外シャフト41nの左端部よりも左方に位置する部位には、奇数変速段(1、3、5速)に対応する駆動ギヤm1,m3,m5が支持される。
カウンタ軸42の左右端部は、ミッションケース122の左右側壁122a、122bにベアリング182、186を介して回転可能に支持される。カウンタ軸42の右端部にはギヤ183が連結され、ギヤ183は出力軸43のギヤ185と常時噛み合っている。出力軸43は、図3に示すように、ミッションケース122の左右側壁122a、122bにベアリング187、188を介して回転可能に支持される。出力軸43には、トルクダンパ151が配置される。トルクダンパ151は、トルク変動が加わった場合にそれを緩和するものであり、出力軸43に軸方向に移動可能にスプライン結合された円筒部材152を備えている。出力軸43には、ばね受け部材153が固定され、円筒部材152とばね受け部材153との間にコイルばね154が設けられ、円筒部材152がギヤ185側に付勢されている。トルクダンパ51は、円筒部材152、ばね受け部材153及びコイルばね154を備えて構成されている。
出力軸43の左端部には、駆動傘歯車148が一体的に設けられ、駆動傘歯車148は、軸部149の前端に一体に設けられた被動傘歯車149aに噛み合う。軸部149は、車体の前後方向に延びるドライブシャフト123に連結され、これによって、出力軸43の回転がドライブシャフト123に伝達される。
カウンタ軸42におけるミッションケース122の内側に位置する部位には、変速ギヤ群における各変速段に対応する従動ギヤn1〜n5が、各駆動ギヤm1〜m5と同様の順に支持される。メイン軸41(内シャフト41m)及びカウンタ軸42の内部には、エンジン内各部へのオイル圧送用のメインオイルポンプ(不図示)からの油圧を供給可能な主供給油路71、72がそれぞれ形成され、該各主供給油路171、172を介して各変速ギヤ群に適宜エンジンオイルが供給される。
メイン軸41の右端部には、ツインクラッチ126が同軸配置されている。
このツインクラッチ126は、図4に示すように、互いに同軸に隣接配置される油圧式の第1及び第2ディスククラッチ(以下、単にクラッチということがある)151a、151bを有し、これらクラッチ151a、151bに内外シャフト41m,41nが同軸に連結される。クラッチ151a、151bが共有するクラッチアウタ156には、クランク軸2のプライマリドライブギヤ158aに噛み合うプライマリドリブンギヤ158が同軸に設けられ、これらギヤ158、158aを介して、クラッチアウタ156にクランク軸2からの回転駆動力が入力される。クラッチアウタ156に入力された回転動力は、クラッチ151a、151bの断続状態に応じて内外シャフト41m,41nに個別に伝達される。
各クラッチ151a、151bの断続状態は、油圧供給装置(不図示)からの油圧供給の有無により個別に制御される。そして、クラッチ151a、151bの一方を接続状態とすると共に他方を切断状態とし、内外シャフト41m,41nの一方に連結された何れかの変速ギヤ対を用いてトランスミッション内の動力伝達を行うと共に、内外シャフト41m,41nの他方に連結された変速ギヤ対の中から次に用いるものを予め選定し、この状態からクラッチ151a、151bにおいて接続状態のクラッチを切断状態とし、切断状態のクラッチを接続状態とすることで、トランスミッションの動力伝達が予め選定した変速ギヤ対を用いたものに切り替わり、もってトランスミッションのシフトアップ又はシフトダウンがなされる。
トランスミッションは、各変速段に対応する駆動ギヤm1〜m5と従動ギヤn1〜n5とが常に噛み合った常時噛み合い式とされる。各ギヤm1〜m5、n1〜n5は、その支持軸(メイン軸41、カウンタ軸42)に対して一体回転可能な固定ギヤと、支持軸に対して相対回転可能かつ軸方向で移動不能なフリーギヤと、支持軸に対して一体回転可能かつ軸方向で移動可能なスライドギヤとに大別される。具体的には、駆動ギヤm1,m2は固定ギヤとされ、駆動ギヤm3はスライドギヤとされ、駆動ギヤm4,m5はフリーギヤとされている。また、従動ギヤn1〜n4はフリーギヤとされ、従動ギヤn5はスライドギヤとされている。n6は、支持軸(カウンタ軸42)に対して一体回転可能かつ軸方向で移動可能な、ギヤを有しないスライダである。以下、ギヤm3,n5をスライドギヤ、ギヤm4,m5,n1〜n4をフリーギヤという。
スライドギヤm3にはダボD1が設けられ、ダボD1はフリーギヤm5のダボ穴D2に結合可能である。スライドギヤn5には、両側にダボD3,D5が設けられ、一方のダボD3はフリーギヤn1のダボ穴D4に結合可能、他方のダボD5はフリーギヤn3のダボ穴D6に結合可能である。ギヤを有しないスライダn6にはダボD7が設けられ、ダボD7はフリーギヤn2のダボ穴D8に結合可能である。各ダボD1,D3,D5,D7及びダボ穴D2,D4,D6,D8は、対応するスライドギヤ及びフリーギヤ同士が近接した際に互いに相対回転不能に係合し、前記スライドギヤ及びフリーギヤ同士が離間した際に前記係合を解除する。そして、各ドッグを介して各スライドギヤの何れかと対応するフリーギヤとが相対回転不能に係合することで、メイン軸41及びカウンタ軸42間で何れかの変速ギヤ対を選択的に用いた動力伝達が可能となる。なお、各スライドギヤ及びフリーギヤ間の係合が全て解除された状態では、メイン軸41及びカウンタ軸42間の動力伝達が不能となり、ニュートラル状態となる。
つぎに、ギヤシフト装置を説明する。
図3に示すように、ギヤシフト装置141は、メイン軸41及びカウンタ軸42と平行に配置されたシフトドラム124の回転により4つのシフトフォーク127a,127c,127dを軸方向で移動させ、メイン軸41及びカウンタ軸42間の動力伝達に用いる変速ギヤ対(変速段)を切り換える。シフトフォーク127aは、メイン軸41側に延び、スライドギヤm3の凹所P3に嵌る。また、シフトフォーク127c,127dはカウンタ軸42側に延び、一方のシフトフォーク127cは、スライドギヤn5の凹所P5に嵌り、他方のシフトフォーク127dは、ギヤを有しないスライダn6の凹所P6に嵌る。シフトフォーク127a,127c,127dの基端側は、一対のシフトフォークロッド128,129にそれぞれ軸方向で移動可能に支持されている。シフトフォーク127a,127c,127dの基端側には、シフトドラム124外周の複数のカム溝(シフトカム)191の何れかに係合する摺動突部127eがそれぞれ設けられる。
シフトドラム124の図中右端は、シフトドラム124の回転量を制御するラチェット機構124Aを介してシフトスピンドル124Bに連結されている。
シフトスピンドル124Bの図中左端には、シフト制御装置124Cが連結され、シフト制御装置124Cはシフトモータ124Dを有し、シフトモータ124Dにはギヤ列124Eを介してシフトスピンドル124Bが連結されている。
シフトモータ124Dの回転によりギヤ列124E、シフトスピンドル124B及びラチェット機構124Aを介してシフトドラム124が回転し、シフトドラム124の回転時には、シフトドラム124外周の複数のカム溝191のパターン(図5参照)に沿って、シフトフォーク127a,127c,127dを軸方向で移動させ、スライドギヤを軸方向で移動させて、トランスミッションの変速段を変化させる。
図5は、シフトドラム124外周の複数のカム溝(シフトカム)191を示す展開図である。カム溝191は3条あり、左端側から第1〜第3カム溝191A,191B,191Dである。第1カム溝191Aにはシフトフォーク127cの摺動突部127eが嵌り、第2カム溝191Bにはシフトフォーク127aの摺動突部127eが嵌り、第3カム溝191Aにはシフトフォーク127dの摺動突部127eが嵌る。
つぎに、動作を説明する。
内燃機関1の始動時に、シフトフォーク127a,127c,127dは、カム溝中において、図示のポジション、即ち、C/N−N、M/N−Nの位置(中立位置)にある。Cはカウンタ軸42、Mはメイン軸41を示し、−の前段は奇数段、−の後段は偶数段を示す。また、Nは変速段のダボD1〜D8が抜けた状態を示す。従って、C/N−Nは、カウンタ軸42において奇数段も偶数段も、ダボDが抜けており、M/N−Nは、メイン軸41において奇数段も偶数段も、ダボDが抜けた状態である。
運転者(ライダー)が1速操作すると、シフトモータ124Dの駆動によりシフトドラム124が回転し、シフトフォーク127c,127dがカム溝191A,191Dに従い矢印方向に移動してC/1−Nに至り、シフトフォーク127aがカム溝191Bに従い矢印方向に移動してM/1−Nに至る。C/1−Nは、カウンタ軸42の奇数段がギヤn1にインギアされ、偶数段はダボ抜けの状態である。また、M/1−Nは、メイン軸41の奇数段がギヤm1にインギアされ、偶数段はダボ抜けの状態である。そして、第1ディスククラッチ151aが接続され、1速が確立される。
1速の確立が検出されると、シフトドラム124が再び回転し、シフトフォーク127c,127dがC/1−2に至り、シフトフォーク127aがM/1−2に至る。C/1−2は、カウンタ軸42の奇数段がギヤn1にインギアし、偶数段がギヤn2にインギアの状態である。M/1−2は、メイン軸41の奇数段がギヤm1で、偶数段がギヤm2である。この段階は予備変速である。
運転者が、2速操作すると、第1ディスククラッチ151aが切断され、第2ディスククラッチ151bが接続されて、2速が確立される。既に、予備変速されているため、2速の確立はスムーズである。2速の確立が検出されると、シフトドラム124が再び回転し、シフトフォーク127c,127dがC/N−2を経てC/3−2に至り、シフトフォーク127aがM/N−2を経てM/3−2に至る。
C/N−2は、カウンタ軸42の奇数段がダボ抜けし、偶数段がギヤn2にインギアであり、C/3−2は、カウンタ軸42の奇数段がギヤn3にインギアし、偶数段がギヤn2にインギアである。また、M/N−2は、メイン軸41の奇数段がダボ抜けし、偶数段がギヤm2であり、M/3−2は、カウンタ軸42の奇数段がギヤm3にインギアし、偶数段がギヤn2にインギアである。この段階も予備変速である。
運転者が、3速操作すると、第2ディスククラッチ151bが切断され、第1ディスククラッチ151aが接続されて、3速が確立される。既に、予備変速されているため、3速の確立はスムーズである。以降、4速、5速も同様にシフトアップされる。なお、シフトダウン時も同様であるため、説明を省略する。
なお、マニュアルモードで説明したが、車速やエンジン回転数等の車両情報に基づきトランスミッションの変速段を自動切り替えするフルオートマチックモードや、運転者の意志に基づきトランスミッションの変速段を切り替え可能とするセミオートマチックモードであってもシフトアップ、ダウンが同様に行われる。
この変速機Mは、自動二輪車100が停止すると、その直前における変速段が何れの変速段であっても、第1ディスククラッチ151a、及び第2ディスククラッチ151bが切断され、シフトモータ124Dの駆動によりシフトドラム124が回転され、シフトフォーク127a,127c,127dが、カム溝内を移動して、図示のポジション、即ち、C/N−N、M/N−Nに戻される。即ち、該変速機Mは、車両駐車時にクランク軸2からの動力伝達が切断される自動変速機である。
本実施の形態では、カム溝(シフトカム)191A,191B,191Dが、上述したように、シフトフォーク127a,127c,127dに係合して、各ポジションに応じたギヤ列の選択的な確立(1速〜5速)を行わせると共に、奇数段のカム溝(シフトカム)191A、191Bが、選択された少なくとも2つのギヤ列を同時に確立させるパーキングポジション191・P1,191・P2を備えて構成される。パーキングポジション191・P1,191・P2は、メイン軸41及びカウンタ軸42と平行な軸線まわりに回動する単一の円筒状シフトドラム124上のシフトカムに設けられる。本構成では、シフトフォーク127cが、カム溝191A内を移動し、パーキングポジション191・P1に至ると、ギヤn3とギヤn5が同時にインギアされる。また、シフトフォーク127aが、カム溝191B内を移動して、パーキングポジション191・P2に至ると、ギヤm3とギヤm5が同時にインギアされる。同時に確立される複数変速段のギヤ列は入力軸方向もしくは出力軸方向で互いに近接配置される。奇数段同士のギヤ列(n3,m3及びn5,m5)が同時に確立した場合、各ギヤ列の変速比が異なり、メイン軸41及びカウンタ軸42の間がロックされ、出力軸43がロックされる。
本実施の形態では、運転者が、自動二輪車100を停止させた後に、例えば、操舵用ハンドル118に設けたパーキングブレーキスイッチ118A(図1)を操作すると、図5を参照し、シフトフォーク127a,127c,127dが、C/N−N、M/N−Nの位置から矢印と反対方向に移動し、C/3・5−N、M/3・5−N(パーキングポジション191・P1,191・P2)に至る。奇数段の3・5は、ギヤ列(n3,m3又はn5,m5)が同時に確立したことを意味する。上記操作により、2つの奇数段同士のギヤ列(n3,m3及びn5,m5)が同時に確立し、これによりメイン軸41及びカウンタ軸42の間がロックされ、出力軸43がロックされる。
パーキングポジション191・P1,191・P2は、C/N−N、M/N−Nの中立位置からシフトダウン方向(矢印と反対方向)に一つ移動した隣接した位置にある。
従って、本構成では、自動二輪車100を停止した後、パーキングブレーキスイッチ118Aを操作し、シフトドラム124をシフトダウン方向に回転させると、直ちにC/3・5−N、M/3・5−Nの位置に至り、迅速にパーキングブレーキが掛けられる。パーキングブレーキは、例えばクラッチが切断され、車速がゼロを前提に掛けられる。その他、サイドスタンド226の起立などを前提としてもよい。
図6及び図7は、別の実施の形態を示す。
図6は図3に相当し、図7は図5に相当し、図3及び図5と同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
この実施の形態では、図6に示すように、メイン軸41の外シャフト41nに設けた駆動ギヤm4が、フリーギヤとして構成されると共に、フリーギヤm4に隣接して、ギヤを有しないスライダm6が設けられ、ギヤシフト装置141が、スライダm6の凹所P4に嵌るシフトフォーク127bを備えて構成されている。また、従動ギヤn4が、カウンタ軸42に対して一体回転可能な固定ギヤとして構成され、スライダn6がこれに隣接したフリーギヤn2に係合可能に構成されている。
図7は、シフトドラム124外周の複数のカム溝(シフトカム)191を示す展開図である。カム溝191は4条あり、左端側から第1〜第4カム溝191A〜191Dである。第1カム溝191Aにはシフトフォーク127cの摺動突部127eが嵌り、第2カム溝191Bにはシフトフォーク127aの摺動突部127eが嵌り、第3カム溝191Aにはシフトフォーク127bの摺動突部127eが嵌り、第4カム溝191Aにはシフトフォーク127dの摺動突部127eが嵌る。
つぎに、動作を説明する。
内燃機関1の始動時に、シフトフォーク127a〜127dは、カム溝中において、図7に示すように、C/N−N、M/N−Nの位置(中立位置)にある。Cはカウンタ軸42、Mはメイン軸41を示し、−の前段は奇数段、−の後段は偶数段を示す。また、Nは変速段のダボD1〜D8が抜けた状態を示す。従って、C/N−Nは、カウンタ軸42において奇数段も偶数段も、ダボDが抜けており、M/N−Nは、メイン軸41において奇数段も偶数段も、ダボDが抜けた状態である。
運転者(ライダー)が1速操作すると、シフトモータ124Dの駆動によりシフトドラム124が回転し、シフトフォーク127c,127dがカム溝191A,191Dに従い矢印方向に移動してC/1−Nに至り、シフトフォーク127a,127bがカム溝191B,191Cに従い矢印方向に移動してM/1−Nに至る。C/1−Nは、カウンタ軸42の奇数段がギヤn1にインギアされ、偶数段はダボ抜けの状態である。また、M/1−Nは、メイン軸41の奇数段がギヤm1にインギアされ、偶数段はダボ抜けの状態である。そして、第1ディスククラッチ151aが接続され、1速が確立される。1速の確立が検出されると、シフトドラム124が再び回転し、シフトフォーク127c,127dがC/1−2に至り、シフトフォーク127a,127bがM/1−2に至る。C/1−2は、カウンタ軸42の奇数段がギヤn1にインギアし、偶数段がギヤn2にインギアの状態である。M/1−2は、メイン軸41がギヤm1にインギアし、偶数段がギヤm2にインギアである。この段階は予備変速である。
運転者が、2速操作すると、第1ディスククラッチ151aが切断され、第2ディスククラッチ151bが接続されて、2速が確立される。既に、予備変速されているため、2速の確立はスムーズである。2速の確立が検出されると、シフトドラム124が再び回転し、シフトフォーク127c,127dがC/N−2を経てC/3−2に至り、シフトフォーク127a,127bがM/N−2を経てM/3−2に至る。C/N−2は、カウンタ軸42の奇数段がダボ抜けし、偶数段がギヤn2にインギアであり、C/3−2は、カウンタ軸42の奇数段がギヤn3にインギアし、偶数段がギヤn2にインギアである。また、M/N−2は、メイン軸41の奇数段がダボ抜けし、偶数段がギヤm2にインギアであり、M/3−2は、カウンタ軸42の奇数段がギヤm3にインギアし、偶数段がギヤn2にインギアである。この段階も予備変速である。
運転者が、3速操作すると、第2ディスククラッチ151bが切断され、第1ディスククラッチ151aが接続されて、3速が確立される。既に、予備変速されているため、3速の確立はスムーズである。以降、4速、5速も同様にシフトアップされる。なお、シフトダウン時も同様であるため、説明を省略する。
この変速機Mは、自動二輪車100が停止すると、その直前における変速段が何れの変速段であっても、第1ディスククラッチ151a、及び第2ディスククラッチ151bが切断され、シフトモータ124Dの駆動によりシフトドラム124が回転され、シフトフォーク127a〜127dが、カム溝内を移動して、図示のポジション、即ち、C/N−N、M/N−Nに戻される。即ち、該変速機Mは、車両駐車時にクランク軸2からの動力伝達が切断される自動変速機である。
この実施の形態では、カム溝(シフトカム)191A〜191Dが、上述したように、シフトフォーク127a〜127dに係合して、各ポジションに応じたギヤ列の選択的な確立(1速〜5速)を行わせると共に、偶数段のカム溝(シフトカム)191C、191Dが、選択された少なくとも2つのギヤ列を同時に確立させるパーキングポジション191・P3,191・P4を備えて構成される。
即ち、上記実施の形態では、奇数段の3速及び5速を同時に確立したが、本実施の形態では、偶数段のギヤ列(n2,m2及びn2,m4)を同時に確立させることにより、メイン軸41及びカウンタ軸42の間をロックし、出力軸43をロックする。
この形態でも、パーキングポジション191・P3,191・P4は、C/N−N、M/N−Nの中立位置からシフトダウン方向(矢印と反対方向)に一つ移動した隣接した位置にある。従って、自動二輪車100を停止した後、パーキングブレーキスイッチ118Aを操作し、シフトドラム124を逆回転させると、直ちにC/3・5−N、M/3・5−Nの中立位置に至り、迅速にパーキングブレーキが掛けられる。
本実施の形態では、シフトフォーク127a〜127dに係合して各ポジションに応じたギヤ列の選択的な確立を行わせると共に、選択された少なくとも2つのギヤ列を同時に確立させるパーキングポジション191・P1〜P4を有するシフトカム191を備えることで、専用のロック機構を設けることなく、パーキングロック状態を得ることができるため、部品点数をより低減できると共に、変速機の小型化に寄与できる。また、パーキングロック状態とするためにシフトドラム124と別部材を設ける場合と比べて、既存の単一の円筒状シフトドラム124のみでロックできるので、部品点数の低減、及び変速機の小型軽量化に寄与することができる。更に、自動二輪車100の駐車時に動力源からの動力が変速機M(クラッチを含む)で切断される小型車両用自動変速機であっても、パーキングロック専用のロック機構等の部品点数を増やすことなく、パーキングロック状態が得られる。
また、ツインクラッチ126を有する車両においても、奇数段同士あるいは偶数段同士のギヤ列を同時に確立することで、パーキングロック状態を得ることができる。軸方向に離れた位置で2つのギヤ列を同時に確立する場合に比べて、軸方向でよりコンパクトにパーキングロック機構を形成できる。シフトドラム124を回転させることにより、直ちにパーキングポジション191・P1〜P4に至るため、迅速にパーキングブレーキが掛けられる。パーキングロック状態とするためにシフトドラム124と別部材を設ける場合と比べて、既存のシフトドラム124とシフトフォーク127a〜127dの組み合わせでロックできるので、部品点数の低減、及び変速機の小型軽量化に寄与することができる。更に、複数変速段の奇数段同士あるいは偶数段同士のギヤ列は、それぞれ変速比が異なる構成であるために、簡単な構成でパーキングロック機構を実現できる。
更に、シフトドラム124を一方向に回転すれば同時にシフトフォーク127a〜127dが係合できるため、周方向で逆方向にカム溝191を設ける場合と比べて、パーキングロック機構が確実なものとなる。パーキングブレーキスイッチ118Aの操作でECUに信号が伝達されることにより、シフトモータ(アクチュエータ)124Dによってシフトドラム124が制御、回動されることにより、パーキングブレーキが掛けられるため、機械的なパーキングブレーキ機構とするよりも簡単な操作でシフトドラム124を制御することができ、操作性が向上する。
以上、本発明の一実施の形態を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
1 内燃機関
2 クランク軸
41 メイン軸
42 カウンタ軸(出力軸)
43 出力軸
100 自動二輪車
118A パーキングブレーキスイッチ
124 シフトドラム
126 ツインクラッチ
127a〜127d シフトフォーク
191A〜191D カム溝(シフトカム)
191・P1〜P4 パーキングポジション
m1〜m5 駆動歯車(ギヤ)
n1〜n5 被動歯車(ギヤ)

Claims (10)

  1. 動力源からの回転動力が入力される入力軸(41)と、前記入力軸と平行な軸線を有して駆動輪側に動力を伝達する出力軸(42)と、前記入力軸及び前記出力軸間に設けられる複数変速段のギヤ列と、前記入力軸及び前記出力軸と平行な軸線方向に移動して前記ギヤ列の選択的な確立を切り換えるシフトフォーク(127a〜127d)とを備えた変速機において、前記シフトフォークに係合して各ポジションに応じたギヤ列の選択的な確立を行わせると共に、前記選択された少なくとも2つのギヤ列を同時に確立させるパーキングポジション(191・P1〜P4)を有するシフトカム(191)を備えたことを特徴とする変速機用パーキングロック機構。
  2. 前記パーキングポジション(191・P1〜P4)は前記入力軸及び前記出力軸と平行な軸線まわりに回動する単一の円筒状シフトドラム(124)上のシフトカム(191)に設けられることを特徴とする請求項1に記載の変速機用パーキングロック機構。
  3. 前記変速機は車両駐車時に前記動力源からの動力伝達が切断される車両用自動変速機であることを特徴とする請求項1又は2に記載の変速機用パーキングロック機構。
  4. 前記入力軸と変速機構との間を断接し、前記入力軸に互いに同軸に配設される第1クラッチ(151a)及び第2クラッチ(151b)を有するツインクラッチ(126)を備え、前記第1クラッチ(151a)が奇数段クラッチ、前記第2クラッチ(151b)が偶数段クラッチに対応し、同時に確立される複数変速段のギヤ列が奇数段同士あるいは偶数段同士であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の変速機用パーキングロック機構。
  5. 前記同時に確立される複数変速段のギヤ列は入力軸方向もしくは出力軸方向で互いに近接配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の変速機用パーキングロック機構。
  6. 前記パーキングポジション(191・P1〜P4)は単一の円筒状シフトドラム上のシフトカム(191)において中立位置(C/N−N、M/N−N)からシフトダウン方向に隣接した位置にあることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の変速機用パーキングロック機構。
  7. 前記シフトカム(191)はカム溝(191A〜191D)であり、前記シフトフォーク(127a〜127d)がカム溝内を移動し、パーキングポジション(191・P1〜P4)に至ると、スライドギヤ或いはスライダを移動させて、複数変速段の奇数段同士あるいは偶数段同士のギヤ列を同時にインギアすることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の変速機用パーキングロック機構。
  8. 複数変速段の奇数段同士あるいは偶数段同士のギヤ列は、それぞれ変速比が異なることを特徴とする請求項7に記載の変速機用パーキングロック機構。
  9. 前記同時に確立される複数変速段のギヤ列における前記カム溝(191A〜191D)は前記シフトドラム(124)の周方向で同方向に形成されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の変速機用パーキングロック機構。
  10. 前記パーキングブレーキの動作を指示しシフトドラム(124)を回転させるパーキングブレーキスイッチ(118A)を備えたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の変速機用パーキングロック機構。
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