JP2010234617A - 光学用二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 平均粒径0.01〜1.0μmの酸化アルミニウム粒子を0.10〜1.0重量%含有し、配向角が15度以下であり、かつ下記式を満足することを特徴とする光学用二軸配向ポリエステルフィルム。
2≦ΔP/Δn≦7
(上記式中、ΔP面配高度、Δnは複屈折率を意味する)
【選択図】 なし
Description
(上記式中、ΔP面配高度、Δnは複屈折率を意味する)
以下、本発明を詳細に説明する。
2≦ΔP/Δn≦7
(上記式中、ΔP面配高度、Δnは複屈折率を意味する)
また、本発明のポリエステルフィルムには、本発明の効果を損なわない範囲であれば、他の熱可塑性樹脂、例えばポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等を混合することができる。また、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、顔料、蛍光増白剤等を混合することができる。
顕微鏡にて粒径を測定し、等価球換算値の体積分率50%の点の粒径(直径)を平均粒径とする。
カールツァイス社製偏光顕微鏡を用いて、ポリエステルフィルムの配向を観察し、ポリエステルフィルム面内の主配向軸の方向がポリエステルフィルムの幅方向に対して何度傾いているかを測定し配向角とした。この測定を得られたフィルムの中央部と両端の計3カ所について実施し、3カ所の内で最も大きい配向角の値を最大配向角とした。
アタゴ光学社製アッベ式屈折計を用い、フィルム面内の屈折率の最大値nγ、それに直角の方向の屈折率nβ、およびフィルムの厚さ方向の屈折率nαを測定し、次式によりΔn、ΔPを求めΔP/Δnを算出した。なお、屈折率の測定は、ナトリウムD線を用い、23℃で行った。また上記屈折率の測定は、得られたフィルムの中央部と両端の計3カ所を測定し、それぞれの箇所のΔP/Δnを算出し、3点の最大値と最小値を求めた。
Δn=nγ-nα
ΔP=(nγ+nβ)/2−nα
フィルムの長手方向、および横方向に35mm幅×1000mm長のサンプルを切り出し、無張力状態にて180℃に設定されたオーブン(田葉井製作所製:熱風循環炉)中で5分間の加熱処理を行い、加熱処理前後の長さをJIS1級のスケールにより測定し、下記式にて熱収縮率を求めた。
加熱収縮率(%)=[(a−b)/a]×100
(上記式中、aは加熱前のフィルム長さ(mm),bは加熱後のフィルム長さ(mm)である)
暗室下にて、フィルム表面に蛍光灯などで光を当て、目視にてフィルム表面を観察し、傷を検出する。検出した傷を蛍光灯下等の明室下で、反射光でその状態を観察する。
<傷目視検査の判定基準>
◎:暗室下で傷を検出できない
○:明室下で傷を確認できない
△:明室下で僅かに傷を確認できる
×:明室下で傷が確認できる
上記基準中、○および△は実用上問題のないレベルである。
得られたポリエステルフィルムを用いて硬化型シリコーン樹脂(信越化学製「KS−779H」)100部、硬化剤(信越化学製「CAT−PL−8」)1部、メチルエチルケトン(MEK)/トルエン混合溶媒系2200部より成る離型剤を塗工量が0.1g/mm2になるように塗布し、170℃で10秒間の乾燥を行って離型フィルムを得た後、離型フィルムの幅方向が偏光フィルムの配向軸と平行となるように、粘着剤を介して離型フィルムを偏光フィルムに密着させて偏光板とし、密着させた離型フィルム上に配向軸がフィルム幅方向と直交するように検査用の偏光板を重ね合わせ、偏光板側より白色光を照射し、検査用の偏光板より目視にて観察し、クロスニコル下での目視検査性を下記基準に従い評価した。なお測定の際には、得られたフィルムの中央部と両端部の計3カ所のフィルムを用いて評価し、最も不良であった評価結果をそのフィルムの目視検査性とした。
<クロスニコル下での目視検査性 判定基準>
○:光干渉性無く検査可能
△:光干渉性はあるが検査可能
×:光干渉性があり検査不能
上記基準中、○および△は実用上問題のないレベルである。
ポリエステルフィルム上に硬化型シリコーン樹脂(信越化学製「KS−779H」)100部、硬化剤(信越化学製「CAT−PL−8」)1部、メチルエチルケトン(MEK)/トルエン混合溶媒系2200部よりなる離型剤を塗工量が0.1g/mm2になるように塗布して170℃で10秒間の乾燥を行い離型フィルムとし、得られた離型フィルムの平面性を目視にて検査した。
○:極めて平面性がよく実用性に富んでいる
△:やや平面性に欠けるが実用的である
×:平面性悪く実用性に欠ける。
(ポリエステルチップの製造法)
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール70部、および酢酸カルシウム一水塩0.07部を反応器にとり、加熱昇温すると共にメタノール留去させエステル交換反応を行い、反応開始後、約4時間半を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次に燐酸0.04部および三酸化アンチモン0.035部を添加し、常法に従って重合した。すなわち、反応温度を徐々に上げて、最終的に280℃とし、一方、圧力は徐々に減じて、最終的に0.05mmHgとした。4時間後、反応を終了し、常法に従いチップ化して、ポリエステルAを得た。上記ポリエステルAを製造する際、平均粒径0.06μmのδ型の酸化アルミニウムを15000ppm添加し、ポリエステルBを得た。また、上記ポリエステルAを製造する際、平均粒径2.4μmの非晶質シリカを10000ppm添加し、ポリエステルCを得た。さらには、上記ポリエステルAを製造する際、平均一次粒径0.7μmの炭酸カルシウムを20000ppm添加し、ポリエステルDを得た。
上記ポリエステルBを20%(フィルム中含有量 0.30重量%)、ポリエステルCを20%、ポリエステルAを60%の割合で混合した混合原料を押出機に供給し、285℃で溶融した後、20℃に冷却したキャスティングドラム上に冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、ロール周速差を利用して125℃にて縦方向に2.8倍延伸した後、テンター内で予熱工程を経て100℃で4.2倍の横延伸を施した後、210℃で10秒間の熱処理を行い、その後180℃で幅方向に20%の弛緩を加え、幅2000mm、厚み38μmのポリエステルフィルムを得た。
得られたフィルムは、外観上傷がなく、目視検査性が良好であり、実用性の高いポリエステルフィルムであった。さらに、このようにして得られたポリエステルフィルム上に離型層を塗布して離型フィルムを得た後、離型フィルムの平面性を検査した結果、平面性についても良好であった。
原料配合および製膜条件を表1記載のようにした以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、表1に示したような結果となり、いずれも実用性の高いフィルムであった。また、実施例2〜5で得られたポリエステルフィルムを用いて実施例1と同様にして離型フィルムを得、離型フィルムの平面性を検査したところ、平面性についても良好であった。
原料配合および製膜条件を表2記載のようにする以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、傷外観は良好だったが、目視検査性に劣っており実用性に欠けたフィルムであった。
原料配合および製膜条件を表1記載のようにする以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは表2に示す結果であり、いずれも傷検査、または目視検査性に劣っており、離型フィルムとした際の平面性のいずれかの特性についても劣っており、実用性に欠けたフィルムであった。なお、比較例2では加熱収縮率の測定の際に、収縮が大きすぎて加熱処理後のフィルム長さの測定が不能であった。また、離型層を設置する工程においてもフィルム幅方向の著しい収縮により安定した離型層塗布ができず、離型フィルムが得られなかった。
Claims (1)
- 平均粒径0.01〜1.0μmの酸化アルミニウム粒子を0.10〜1.0重量%含有し、配向角が15度以下であり、かつ下記式を満足することを特徴とする光学用二軸配向ポリエステルフィルム。
2≦ΔP/Δn≦7
(上記式中、ΔP面配高度、Δnは複屈折率を意味する)
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