JP2014233899A - 離型フィルム用ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 例えば偏光板製造用の離型フィルムとして用いた際に、クロスニコル法による検査において精度ある検査を実施でき、かつ生産性に優れた特性を有する光学用途向け二軸配向ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】 3層以上のポリエステル層からなる積層フィルムの両最外層に不活性粒子Aおよび不活性粒子Bの2種を含有し、不活性粒子Bの平均粒径が不活性粒子Aの平均粒径よりも大きく、両最外層中に不活性粒子Aを0.1〜1.0重量%含有し、不活性粒子Bを0.005〜0.05重量%含有し、かつフィルムの配向角が15度以下であることを特徴とする偏光板離型用ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、離型フィルム用ポリエステルフィルムに関し、特に液晶表示用途等の偏光板用の離型フィルムに好適に使用される二軸配向ポリエステルフィルムに関するものである。
ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートに代表されるポリエステルフィルムは、機械的強度、寸法安定性、平坦性、耐熱性、耐薬品性、光学特性等に優れた特性を有し、コストパフォーマンスに優れるため、各種の用途において使用されている。しかし、その用途が多様化するにつれて、ポリエステルフィルムの加工条件や使用条件が多様化し、偏光板用の離型ポリエステルフィルムとして使用する場合、異物検査の際、離型フィルム中の粒子成分が輝点となり、検査精度が低下する等の問題が生じている。
近年、携帯電話やパーソナルコンピューターの急速な普及に伴い、従来型のディスプレイであるCRTに比べ、薄型軽量化、低消費電力、高画質化が可能である液晶ディスプレイ(LCD)の需要が著しく伸びつつあり、LCDの大画面化についてもその技術の成長は著しい。LCDの大画面化の一例として、最近では、30インチ以上の大型TV用途にLCDが使用されている。大画面化されたLCDにおいては、LCD内に組み込まれたバックライトの輝度を高めることや、輝度を向上させるフィルムを液晶ユニット内に組み込むこと等により、大画面で明るいLCDとする場合が多い。
また、このようないわゆる高輝度タイプのLCDでは、ディスプレイ中に存在する小さな輝点が問題となる場合が多く、ディスプレイ中に組み込まれる偏光板、位相差板または位相差偏光板といった構成部材においては、これまでの低輝度タイプのLCDでは問題にならなかったような微小なサイズの異物が問題となってきている。このため、製造工程における異物の混入を防ぐ一方で、万一異物が混入した場合であっても欠陥として確実に認知できるような検査精度の向上も重要となってきている。
従来、ポリエステルフィルム中の粒子はフィルムの滑り性、巻き特性を確保するために通常使用されるものであり、適度な粒径と配合量を満足しなければ、所望の滑り性を確保できなかったり、巻き特性が悪化して、その結果、生産性の悪化を招いてしまったりするものである。
しかしながら、通常使用される範囲の粒径、配合量とした場合、先に述べたとおり、偏光板用離型フィルムとして使用された際に、異物検査工程で当該粒子が輝点となり、検査に支障を来すことから、近年では偏光板用離型フィルムにも平滑化、低粗度化が求められているが、平滑化、低粗度化を追求するに伴い、フィルムの巻き特性が悪化し、傷の発生や巻きずれによる歩留り低下が問題となっている。
特開2003−327719号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その解決課題は、例えば偏光板製造用の離型フィルムとして用いた際に、クロスニコル法による検査において精度ある検査を実施でき、かつ生産性に優れた特性を有する光学用途向け二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の粒子を配合し、かつ特定の構成を有するポリエステルフィルムにより、上記課題が容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、3層以上のポリエステル層からなる積層フィルムの両最外層に不活性粒子Aおよび不活性粒子Bの2種を含有し、不活性粒子Bの平均粒径が不活性粒子Aの平均粒径よりも大きく、両最外層中に不活性粒子Aを0.2〜1.0重量%含有し、不活性粒子Bを0.005〜0.05重量%含有し、かつフィルムの配向角が15度以下であることを特徴とする偏光板離型用ポリエステルフィルムに存する。
本発明によれば、偏光板製造用の離型フィルムとして用いた際に、クロスニコル法による検査において精度ある検査を実施でき、かつ生産性に優れた特性を有する光学用途向け二軸配向ポリエステルフィルムを提供することができ、本発明の工業的価値は高い。
本発明でいうポリエステルとは、ジカルボン酸と、ジオールとからあるいはヒドロキシカルボン酸とから重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーを指す。ジカルボン酸としては、テレフタル酸、コハク酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を、ジオールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール等を、ヒドロキシカルボン酸としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等をそれぞれ例示することができる。
かかるポリマーの代表的なものとして、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6―ナフタレート等が例示される。これらのポリマーはホモポリマーであってもよく、また第3成分を共重合させたものでもよい。本発明のフィルムとしては、優れた強度や寸法安定性の観点から二軸延伸フィルムが好ましく用いられる。
本発明における光学用途向け二軸配向ポリエステルフィルムは、不活性粒子Aとして、低粗度かつ易滑性の高いフィルムが得られることから炭酸カルシウムが好ましく、平均粒径1.0μm以下の粒子が好ましい。不活性粒子Aの平均粒径が1.0μmよりも大きくなると、表面に形成された突起の凹凸が目立ち反射光による目視検査性の点で好ましくない場合がある。不活性粒子Aの含有量は0.1〜1.0重量%、さらに好ましくは0.3〜0.8重量%含有させる。不活性粒子Aの含有量が0.1重量%未満だと、表面突起の形成が十分でないため、易滑性が低下し、傷が入りやすくなり好ましくない。また、不活性粒子Aの含有量が1.0重量%より多くなると、表面粗面化によりフィルムの透明性が低くなり、目視検査性の点で劣るため好ましくない。
不活性粒子Bは、平均粒径が1.0〜5.0μm、好ましくは1.5〜4.0μm、さらに好ましくは2.0〜3.5μmの粒子を0.005〜0.05重量%、好ましくは0.01〜0.04重量%含有させる。
不活性粒子Bの平均粒径が1.0μmより小さいと、粒子に起因するフィルム表面の突起の発現が十分でないため、傷の発生や巻き特性への改善効果が認められないため好ましくない。また、平均粒径が5.0μmよりも大きいと、フィルム表面に発現する突起が大きくなり、輝点欠点のように見えてしまい、好ましくない。
不活性粒子Bの添加量が0.005重量%未満の場合、粒子に起因するフィルム表面の突起の数が十分でなく、傷の発生や巻ずれ等の巻き特性の改善効果が認められないため好ましくない。また、添加量が0.05重量%を超えるとフィルム表面に発現する突起が大きくなり、輝点欠点のように見えてしまい、好ましくない。
これらの要件を満たし本発明において特に好適に用いることのできる不活性粒子Bの種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられるが、フィルム化したときの透明性や取扱い性の観点からシリカが好ましく用いられる。
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に限定はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
なお、本発明においては、粒子の表面が各種表面処理剤、例えばシランカップリング剤やチタンカップリング剤等で処理されていたとしてもその効果は十分発揮される。
さらに、本発明におけるポリエステルフィルムは、配向角(配向主軸の傾きと表現されることもある)が15度以下であり、かつ下記式を満足することが好ましい。なお、ここでいう配向角とは、フィルム幅方向または縦方向に対する主軸の傾きである。
2≦ΔP/Δn≦7
(上記式中、ΔP面配高度、Δnは複屈折率を意味する)
配向角が15度より大きいとクロスニコル法検査の際に光漏れが大きくなり、ΔP/Δnが2未満あるいは7より大きい場合にも、やはりクロスニコル検査の際の光漏れが大きくなる。
また、本発明のフィルムは、180℃の雰囲気下で5分間保持したときの加熱収縮率が4%以下であることが好ましい。加熱収縮率が4%より大きい場合には、離型層を設置する工程や、離型フィルムを偏光板に貼り合わせる工程にある加熱処理工程において、フィルムの平面性が損なわれてしまう場合がある。
以下、本発明のフィルムの製造方法に関して具体的に説明するが、本発明の構成を満足する限り、本発明は以下の例示に特に限定されるものではない。公知の手法により乾燥したポリエステルチップを溶融押出装置に供給し、それぞれのポリマーの融点以上である温度に加熱し溶融する。次いで、溶融したポリマーをダイから押出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、本発明においては静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
本発明においては、このようにして得られたシートを2軸方向に延伸してフィルム化する。延伸条件について具体的に述べると、前記未延伸シートを好ましくは縦方向に70〜145℃で2〜6倍に延伸し、縦1軸延伸フィルムとした後、横方向に90〜160℃で2〜6倍延伸を行い、150〜240℃で1〜600秒間熱処理を行うことが好ましい。
さらにこの際、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向および/または横方向に0.1〜20%弛緩する方法が好ましい。また、必要に応じて再縦延伸、再横延伸を付加することも可能である。
本発明のポリエステルフィルムは、本発明の効果を損なわない範囲であれば、その要求特性に応じて必要な特性、例えば帯電防止性、耐候性および表面硬度の向上のため、必要に応じて縦延伸終了後、横延伸のテンター入口前にコートをしてテンター内で乾燥するいわゆるインラインコートを行ってもよい。また、フィルム製造後にオフラインコートで各種のコートを行ってもよい。このようなコートは片面、両面のいずれでもよい。コーティングの材料としては、オフラインコーティングの場合は水系および/または溶媒系のいずれでもよいが、インラインコーティングの場合は水系または水分散系が好ましい。
また、本発明のポリエステルフィルムには、本発明の効果を損なわない範囲であれば、他の熱可塑性樹脂、例えばポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等を混合することができる。また、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、顔料、蛍光増白剤等を混合することができる。
本発明のポリエステルフィルムに離型層を設置する場合、離型層を構成する材料は離型性を有するものであれば特に限定されるものではなく、硬化型シリコーン樹脂を主成分とするタイプでもよいし、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリコーンタイプ等を使用してもよい。それらの中でも、硬化型シリコーン樹脂を主成分とした場合に離型性が良好な点で良い。硬化型シリコーン樹脂の種類としては溶剤付加型・溶剤縮合型・溶剤紫外線硬化型、無溶剤付加型、無溶剤縮合型、無溶剤紫外線硬化型、無溶剤電子線硬化型等いずれの硬化反応タイプでも用いることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、種々の諸物性、特性は以下のように測定、または定義されたものである。
(1)平均粒径
(株)島津製作所社製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−CP3型を用いてストークスの抵抗則にもとづく沈降法によって粒子の大きさを測定した。
(2)配向角の測定
カールツァイス社製偏光顕微鏡を用いて、ポリエステルフィルムの配向を観察し、ポリエステルフィルム面内の主配向軸の方向がポリエステルフィルムの幅方向に対して何度傾いているかを測定し配向角とした。この測定を得られたフィルムの中央部と両端の計3カ所について実施し、3カ所の内で最も大きい配向角の値を最大配向角とした。
(3)屈折率の測定
アタゴ光学社製アッベ式屈折計を用い、フィルム面内の屈折率の最大値nγ、それに直角の方向の屈折率nβ、およびフィルムの厚さ方向の屈折率nαを測定し、次式によりΔn、ΔPを求めΔP/Δnを算出した。なお、屈折率の測定は、ナトリウムD線を用い、23℃で行った。また上記屈折率の測定は、得られたフィルムの中央部と両端の計3カ所を測定し、それぞれの箇所のΔP/Δnを算出し、3点の最大値と最小値を求めた。
Δn=nγ-nα
ΔP=(nγ+nβ)/2−nα
(4)加熱収縮率の測定
フィルムの長手方向、および横方向に35mm幅×1000mm長のサンプルを切り出し、無張力状態にて180℃に設定されたオーブン(田葉井製作所製:熱風循環炉)中で5分間の加熱処理を行い、加熱処理前後の長さをJIS1級のスケールにより測定し、下記式にて熱収縮率を求めた。
加熱収縮率(%)=[(a−b)/a]×100
(上記式中、aは加熱前のフィルム長さ(mm),bは加熱後のフィルム長さ(mm)である)
(5)巻き特性(巻ずれ)
4000mm幅のマスターロールから幅1300mm、巻長さ8000mの製品を採取した際の巻ずれ品の発生比率(巻ズレ本数/全製品本数)から、巻き特性を下記基準に従い判定した。
〇:0〜3%
×:3%以上
(6)クロスニコル下での目視検査性
得られたポリエステルフィルムを用いて硬化型シリコーン樹脂(信越化学製「KS−779H」)100部、硬化剤(信越化学製「CAT−PL−8」)1部、メチルエチルケトン(MEK)/トルエン混合溶媒系2200部より成る離型剤を塗工量が0.1g/mmになるように塗布し、170℃で10秒間の乾燥を行って離型フィルムを得た後、離型フィルムの幅方向が偏光フィルムの配向軸と平行となるように、粘着剤を介して離型フィルムを偏光フィルムに密着させて偏光板とし、密着させた離型フィルム上に配向軸がフィルム幅方向と直交するように検査用の偏光板を重ね合わせ、偏光板側より白色光を照射し、検査用の偏光板より目視にて観察し、クロスニコル下での目視検査性を下記基準に従い評価した。なお測定の際には、得られたフィルムの中央部と両端部の計3カ所のフィルムを用いて評価し、最も不良であった評価結果をそのフィルムの目視検査性とした。
<クロスニコル下での目視検査性 判定基準>
○:光干渉性無く検査可能
△:光干渉性はあるが検査可能
×:光干渉性があり検査不能
上記基準中、○および△は実用上問題のないレベルである。
(7)反射光下での目視検査性
得られた離型ポリエステルフィルムを用いて、離型フィルムの幅方向が、偏光フィルムの配向軸と平行となるように、粘着剤を介して離型フィルムを偏光フィルムに密着させ偏光板とし、蛍光灯反射下で偏光板を目視にて観察し、反射光下での目視検査性を下記基準に従い評価した。なお、測定の際には、A4サイズのサンプルを切り出して実施した。
<反射光下での目視検査性 判定基準>
(検査性良好) ○>△>× (検査性不良)
(8)離型層設置後の平面性検査
ポリエステルフィルム上に硬化型シリコーン樹脂(信越化学製「KS−779H」)100部、硬化剤(信越化学製「CAT−PL−8」)1部、メチルエチルケトン(MEK)/トルエン混合溶媒系2200部よりなる離型剤を塗工量が0.1g/mmになるように塗布して170℃で10秒間の乾燥を行い離型フィルムとし、得られた離型フィルムの平面性を目視にて検査した。
○:極めて平面性がよく実用性に富んでいる
△:やや平面性に欠けるが実用的である
×:平面性悪く実用性に欠ける
実施例1:
(ポリエステルチップの製造法)
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール70部、および酢酸カルシウム一水塩0.07部を反応器にとり、加熱昇温すると共にメタノール留去させエステル交換反応を行い、反応開始後、約4時間半を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次に燐酸0.04部および三酸化アンチモン0.035部を添加し、常法に従って重合した。すなわち、反応温度を徐々に上げて、最終的に280℃とし、一方、圧力は徐々に減じて、最終的に0.05mmHgとした。4時間後、反応を終了し、常法に従いチップ化して、ポリエステルPを得た。上記ポリエステルPを製造する際、平均粒径0.7μmの炭酸カルシウムを20000ppm添加し、ポリエステルAを得た。また、上記ポリエステルPを製造する際、平均粒径2.4μmの非晶質シリカを2000ppm添加し、ポリエステルBを得た。
(ポリエステルフィルムの製造)
上記ポリエステルP、ポリエステルA、ポリエステルBを70%、25%、5%の割合で混合した混合原料をA層の原料とし、ポリエステルP100%の原料をB層の原料として、2台の押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、A層を最外層(表層)、B層を中間層として、40℃に冷却したキャスティングドラム上に、2種3層(ABA)で、厚み構成比がA:B:A=3:32:3になるように共押出し冷却固化させて無配向シートを得た。
次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度125℃で縦方向に2.8倍延伸した後、テンターに導き、予熱工程を経て横方向に100℃で4.2倍延伸し、210℃で10秒間の熱処理を行った後、180℃で幅方向に7%の弛緩を加え、幅4000mm、厚さ38μmのポリエステルフィルムを得た。
得られたフィルムは、スリッターでの巻き特性が良好で、クロスニコル目視検査性、反射光による目視検査性がともに良好であり、実用性の高いポリエステルフィルムであった。さらに、このようにして得られたポリエステルフィルム上に離型層を塗布して離型フィルムを得た後、離型フィルムの平面性を検査した結果、平面性についても良好であった。
実施例2:
原料配合および製膜条件を表1記載のようにした以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、表1に示したような結果となり、いずれも実用性の高いフィルムであった。また、実施例2で得られたポリエステルフィルムを用いて実施例1と同様にして離型フィルムを得、離型フィルムの平面性を検査したところ、平面性についても良好であった。
比較例1:
原料配合および製膜条件を表2記載のようにする以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、スリッターでの巻き特性は良好だったが、クロスニコル目視検査性に劣っており実用性に欠けたフィルムであった。
比較例2〜8:
原料配合および製膜条件を表1記載のようにする以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは表1に示す結果であり、いずれもスリッターでの巻き特性、または目視検査性に劣っており、離型フィルムとした際の平面性のいずれかの特性についても劣っており、実用性に欠けたフィルムであった。なお、比較例2では製膜中に破断が多発したため、巻き特性及び離型層の評価について評価不可であり、得られたフィルムの加熱収縮率の測定の際に、収縮が大きすぎて加熱処理後のフィルム長さの測定が不能であった。
Figure 2014233899
本発明のフィルムは、偏光板基材用途等で必要な光学検査法において、高度な精度を実現できる離型フィルム用ポリエステルフィルムであり、かつ生産性に優れたポリエステルフィルムとして好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. 3層以上のポリエステル層からなる積層フィルムの両最外層に不活性粒子Aおよび不活性粒子Bの2種を含有し、不活性粒子Bの平均粒径が不活性粒子Aの平均粒径よりも大きく、両最外層中に不活性粒子Aを0.1〜1.0重量%含有し、不活性粒子Bを0.005〜0.05重量%含有し、かつフィルムの配向角が15度以下であることを特徴とする偏光板離型用ポリエステルフィルム。
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