JP2010234366A - 意匠性建材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材の表面上に、水系インクをドット状に吐出する印刷方式により形成された着色模様や柄模様からなる印刷層と、水系クリヤー塗料を用いて印刷層の上に形成されたクリヤー層とを有する意匠性建材であって、印刷層におけるインク滲みや層間剥離が可及的に改善され、これによって印刷層及びクリヤー層を含む塗膜全体の耐久性(耐水性、耐光性、及び耐候性)が顕著に改善された意匠性建材を提供する。
【解決手段】建築用の基材と、この基材の表面上にインクジェットプリンターにより水系インクを吐出して形成された印刷層と、この印刷層の上に結合剤と感熱ゲル化剤を含む水系クリヤー塗料を塗装して形成されたクリヤー層とを有する意匠性建材である。
【選択図】なし

Description

この発明は、建築内装材や建築外装材等の分野において利用される化粧板等の意匠性建材及びその製造方法に係り、特に、建築用の基材の表面に、インクジェットプリンター等の印刷手段を用いて、種々の着色模様や、例えば自然石模様、大理石模様、タイル模様、木目模様、写真画像等の種々の柄模様(以下、これらを単に「模様」ということがある。)がその画像データに基づいて印刷され、意匠性に優れた意匠性建材及びその製造方法に関する。
建築用の資材、いわゆる建材として用いられる建築用化粧板には、建築物の屋外壁面等において用いられる無機質化粧板を始めとして、金属サイディング、塩ビ押出サイディング、ALCパネル、金属板、タイル等の多くの種類があり、かかる建築用化粧板においては、いずれも、無機質材料、金属材料、有機質材料等の材料を用いて板状等の必要な形状に形成された基材の表面に、基材それ自体の劣化防止や外観に関する意匠性の向上等を目的として、様々な模様の模様付けが行われている。
このような基材の表面に施される模様付けについては、周辺の自然環境や景観、更には住環境を破壊しないようにとの配慮から求められる周辺環境に基づく要求を始めとして、個性の表現等に基づく要求等から、ますます高い意匠性が求められるようになっており、この要求に応えるものとして、例えば、平滑な表面、比較的細かな凹凸の表面、比較的大きな凹凸の表面等を有する無機質材料で形成された基材の表面に、所定の画像データに基づいて、イエロー(Y:黄)、シアン(C:青緑)及びマゼンタ(M:赤紫)の三原色に加えて必要によりブラック(K:黒)の4色のインクをそれぞれノズルからドット状に吐出させて付着させ、係る印刷方式によって基材の表面に所望の模様の模様付けを行うことが提案されている(特許文献1)。
そして、このような印刷方式により模様付けされた建築用化粧板、特に屋外で使用される建築用化粧板においては、インクに対して耐水性、耐光性、及び耐候性が求められることから、インクの色材が染料から顔料へと転換しつつあり、また、色材として顔料を用いたインク、特に水系インクにおいては、通常その印字濃度が不十分であるだけでなく、顔料の分散安定性が不十分であり、印刷手段としてインクジェットプリンターを用いた場合にはヘッドでのノズル目詰りを起し易いという製造上の問題がある。そこで、この問題を解決するものとして、インクジェット用インクとして樹脂等の結合剤を含む水性顔料インクを使用することが提案されている(特許文献2)。
また、この種の建築用化粧板においては、その基材の表面を塗装する本来の目的が水や酸素のような建材劣化因子を基材表面から遮断して基材それ自体の劣化を防止することにあることから、模様付け前に基材の表面にこの目的を果たすための下地塗膜を設けることが多々あるが、このような下地塗膜はその必要性からその表面状態が必然的に密になり、このために、基材表面の下地塗膜上に吐出されたインクのドット液滴がこの下地塗膜に吸収されることなく下地塗膜表面で広がり、結果として緻密な画像を描くことが困難になるという問題がある。そこで、この問題を解決するものとして、下地塗膜のインク吸収性を向上させるためにこの下地塗膜を形成するための下地塗料中に吸油量の高いシリカ微粒子等の無機充填剤を配合することが提案されている(特許文献2)。
更に、印刷方式による高画質の模様付けを行うことを目的として、基材の表面には親水性架橋樹脂粒子を含む被印刷面形成用塗料を塗装してインク吸収性に優れたインクの受理層を形成すると共に、インクとして樹脂等の結合剤を実質的に含まない水系インクを用いることにより、インクジェットプリンターのヘッドのノズル口径を小さくしてもノズル目詰りが起こり難いだけでなく、インクの滲みを十分に防止することができ、これによって高画質の模様を容易に印刷することができる意匠性建材の製造方法も提案されており(特許文献3)、また同様に、基材の表面に被印刷面形成用塗料を塗装して被印刷層(インクの受理層)を形成し、この被印刷層には、予め反応性化合物Aを含有する着色インクを吐出して着色領域を形成した後に、この着色領域に反応性化合物Aと硬化反応をする反応性化合物Bを含有するクリヤーインクを吐出するか、あるいは反対に、予め反応性化合物Bを含有するクリヤーインクを吐出してクリヤー領域を形成した後に、反応性化合物Aを含有する着色インクを吐出することにより、インクの耐久性向上と滲み防止とを図った意匠性建材の製造方法も提案されている(特許文献4)。
ところで、このような建築用化粧板においても、他の塗装業界や印刷業界と同様に、その製造過程で用いられる種々の塗料や模様付け用のインクについて、環境汚染の低減や作業環境の改善を目的として、また、特に屋内で用いられる化粧板についてはシックハウス症候群の発症防止を目的として、溶剤系塗料や溶剤系インクを使用することが自粛されつつあり、水系塗料や水系インクを使用することが要望されている。
しかるに、上述したような従来の建築用化粧板においては、下地塗膜(インクの受理層)を形成するための塗料として水系塗料が用いられ、及び/又は、その着色模様や柄模様(印刷層)を形成するためのインクとして水系インクが用いられた場合には、これらのインクの受理層や印刷層は、それらが水性溶剤を用いた塗料やインクにより形成されたものであるが故に、必然的に耐水性に劣り、たとえ水系インクの色材として耐水性、耐光性、及び耐候性に優れた顔料を用いても、例えば屋外で風雨に晒されると、このインクの受理層や印刷層は容易に劣化してしまい、印刷層に形成された所望の模様が破壊されてしまう。そこで、従来においては、建築用化粧板においてその表面に形成されたインクの受理層や印刷層を保護する目的で、この印刷層の上にクリヤー塗料を塗装して耐水性、耐光性、及び耐候性に優れたクリヤー層を形成することが行われている。
しかしながら、印刷層における着色模様や柄模様(模様)について、より高度な意匠性が要求され、より繊細で高画質の画像が形成されるようになると、従来の水系クリヤー塗料でクリヤー層を形成した場合には、印刷層において模様を形成するインクがその上に塗装された水系クリヤー塗料の水性溶剤中に再溶解(インク再溶解)して、印刷層にインクの滲みが発生し、場合によってはインクの受理層とクリヤー層との間に剥離(層間剥離)が発生し、印刷層における耐水性やインクの滲みにおいて必ずしも十分な保護性能が得られず、製品の品質安定性の観点から、クリヤー層を形成するクリヤー塗料については溶剤系クリヤー塗料を用いざるを得ないのが実情であった。
また、このような問題を解決するための幾つかの試みもなされており、例えば、水系インクにより形成された印刷層の上に、アクリル樹脂系ビーズ、炭酸カルシウム微粒子、シリカ微粒子等の骨材を含む水系クリヤー塗料(特許文献5)や、ポリウレタン類、ポリアマイド類、セルロース類、粘土類等のレオロジーコントロール剤を含む水系クリヤー塗料(特許文献6)を塗装してクリヤー層を形成し、これによって印刷層における水系インクがクリヤー層へ移動するのを抑制し、印刷層に形成された模様の滲みを防止した建築板が提案されている。しかしながら、このような骨材やレオロジーコントロール剤を含む水系クリヤー塗料を用いた場合においても、印刷層における耐水性やインクの滲みについて必ずしも十分な保護性能が得られていない。
特開平07-31,929号公報 国際公開WO2002/100,652号公報 特開2007-44,614号公報 特開2007-152,149号公報 特開2008-073,602号公報 特開2008-253,942号公報
そこで、本発明者らは、たとえクリヤー塗料として水系クリヤー塗料を用いても、水系インクにより形成される印刷層とこの印刷層の上に水系クリヤー塗料により形成されるクリヤー層との間にインク再溶解が実質的に認められず、また、印刷層とクリヤー層との間の層間剥離も認められず、印刷層により優れた意匠性を発現できる意匠性建材について鋭意検討した結果、意外なことには、水系クリヤー塗料中に感熱ゲル化剤を添加することにより、目的を達成できることを見い出し、本発明を完成した。
従って、本発明の目的は、基材の表面上に水系インクをドット状に吐出する印刷方式により形成された着色模様や柄模様からなる印刷層と、水系クリヤー塗料を用いて前記印刷層の上に形成されたクリヤー層とを有する意匠性建材であって、印刷層におけるインク滲みや層間剥離が可及的に改善され、これによって前記印刷層及びクリヤー層を含む塗膜全体の耐久性(耐水性、耐光性、及び耐候性)が顕著に改善された意匠性建材を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、このような意匠性建材を製造する上で好適な意匠性建材の製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、建築用の基材と、この基材の表面上にインクジェットプリンターにより水系インクを吐出して形成された印刷層と、この印刷層の上に結合剤と感熱ゲル化剤を含む水系クリヤー塗料を塗装して形成されたクリヤー層を有することを特徴とする意匠性建材である。
また、本発明は、建築用の基材の表面上にインクジェットプリンターにより水系インクを吐出して印刷層を形成し、次いでこの印刷層の上に結合剤及び感熱ゲル化剤を含む水系クリヤー塗料を塗装してクリヤー層を形成することを特徴とする意匠性建材の製造方法である。
本発明の意匠性建材において、好ましい実施形態としては、水系クリヤー塗料が、固形分換算で、結合剤100質量部に対して感熱ゲル化剤を0.1〜12.0質量部の範囲で含むこと、また、水系クリヤー塗料が、固形分換算で、結合剤100質量部に対して光輝性顔料を0.1〜10.0質量部の範囲で含むこと、更に、基材の表面において、印刷層が、下塗り塗料を塗装して形成された下塗り層、及び/又は、被印刷面形成用塗料を塗装して形成された受理層を介して設けられていることが挙げられる。
また、本発明の意匠性建材の製造方法において、好ましい実施形態としては、水系クリヤー塗料の塗装が、形成された印刷層の乾燥処理後であって、この印刷層の温度が30℃以上80℃以下、好ましくは40℃以上70の範囲内にあるときに行われること、また、水系クリヤー塗料の塗装がスプレー塗装により行われることが挙げられ、更には、水系クリヤー塗料が、固形分換算で、結合剤100質量部に対して感熱ゲル化剤を0.1〜12.0質量部の範囲で含むことや、水系クリヤー塗料が、固形分換算で、結合剤100質量部に対して光輝性顔料を0.1〜10.0質量部の範囲で含むことや、基材の表面において、印刷層が、下塗り塗料を塗装して形成された下塗り層、及び/又は、被印刷面形成用塗料を塗装して形成された受理層を介して設けられていることが挙げられる。
本発明の意匠性建材は、そのクリヤー層が感熱ゲル化剤を含む水系クリヤー塗料を用いて形成されており、水系インクで形成された印刷層に対して優れた保護機能を発揮し、印刷層におけるインク滲みや層間剥離が可及的に改善され、これによって前記印刷層及びクリヤー層を含む塗膜全体の耐久性(耐水性、耐光性、及び耐候性)が顕著に改善される。
また、本発明の意匠性建材の製造方法によれば、水系インクで形成された印刷層と水系クリヤー塗料で形成されたクリヤー層を含むにもかかわらず、印刷層におけるインク滲みや層間剥離がなくて塗膜全体の耐久性(耐水性、耐光性、及び耐候性)が顕著に改善され意匠性建材を製造することができる。特に、水系クリヤー塗料の塗装を、印刷層の乾燥処理後でこの印刷層の温度が30℃以上80℃以下の範囲内にあるときに、スプレー塗装等により行うことにより、印刷層の上に塗装された水系クリヤー塗料中の感熱ゲル化剤を迅速にゲル化させることができ、印刷層におけるインク滲みや層間剥離を確実に防止することができる。
更に、本発明の製造方法によれば、インクジェットノズルにインク詰まりを発生させることなく、メタル流れの少ない光輝性外観を有する意匠性建材を製造することができ、また、下塗り塗料及び/又は被印刷面形成用塗料を塗装した後に水性インクを用いてインクジェットプリンターにより模様付けした場合には、基材表面の吸水性及び色素成分に対する吸収性のバランスが不十分な場合であってもその基材表面の不具合を解消することができる。
以下、本発明について詳述する。
[吸水量測定方法]
本発明において、吸水量は、温度23℃、湿度50%の恒温室内で、以下の方法により測定し、下記の計算式により算出した数値である。
先ず、200mm×250mm×2mmの大きさのガラス板に、下塗り塗料又は被印刷面形成用塗料をスプレー塗装で塗装し、ガラス板の表面に下塗り層又は受理層(以下、これらを単に「塗膜」という。)を形成する。このときの下塗り塗料又は被印刷面形成用塗料の塗布量は乾燥質量で40g/m2とし、塗膜表面が平滑になり、また、膜厚がガラス板全体で平均的に配向するように塗装する。塗装した下塗り塗料又は被印刷面形成用塗料が常温乾燥型の塗料である場合には80℃×30分の条件で強制乾燥を行う。塗装した下塗り塗料又は被印刷面形成用塗料が焼付け乾燥型の塗料である場合には150℃×30分の条件で強制乾燥を行う。上記強制乾燥が終了した後、温度23℃、湿度50%の恒温室に168時間静置する。
次に、静置した後、塗膜を形成させたガラス板の端面に吸水性のないシリコンコーキング剤によりシールを行う。この際のシリコンコーキングは塗膜側面から水が浸透すること及び水が流出することを防ぐために行うものであり、コーキング剤が塗膜の表面にかからないように細心の注意を払って行う。また、シリコンコーキングは塗膜を形成させた面側に3mmの高さとなるように盛り上げ、塗膜の表面に水を注いだ際に水がこぼれないようにする。
上記シリコンコーキングを施し、温度23℃、湿度50%の恒温室に24時間保持した後、質量を測定し、この測定値を初期質量とする。上記コーキング済みの試料を水平な箇所に置き、測定試料の表面(下塗り層又は受理層を形成させた塗膜面)に対して200gの水を表面全体が水に濡れるように注ぎ込み、水を注いだ直後に測定試料を傾け、水を除去し、裏面を下にしてペーパータオル〔キムタオル(株式会社クレシア製)〕上に置き、裏面に付着した水を除去すると共に、表面に付着した余分な水を同じく上記ペーパータオルで拭き取り除去する。
余分な水の除去が終了した後、直ちに質量を測定する。なお、水を注いでから質量を測定するまでの時間は可能な限り短くし、最長でも1分以内で行うものとする。吸水量は、上記測定結果に基づき、次の計算式により算出する。
吸水量(g/m2) =
〔拭き取り直後の質量(g)−初期質量(g)〕/ガラス板の面積(m2)
本発明の意匠性建材の製造方法は、必要に応じて、基材の表面に下塗り塗料を塗装して形成した下塗り層の上に、又は、基材の表面に被印刷面形成用塗料を塗装して形成した受理層の上に、更に、基材の表面に前記下塗り層と受理層を順次形成してその受理層の上に、インクジェットプリンターを用いて水系インクにより模様付けして印刷層を形成し、その後にこの印刷層の上に水系クリヤー塗料を塗装してクリヤー層を形成することからなる。
[基材について]
本発明において、意匠性建材を製造するために用いられる基材としては、インクジェットプリンターによる模様付けが可能であればその材質や形状により特に制限されるものではなく、従来からこの種の建材に用いられている種々の建築用資材を挙げることができ、例えば、フレキシブルボード、ケイ酸カルシウム板、石膏スラグバーライト板、木片セメント板、プレキャストコンクリート板、ALC板、石膏ボード等の無機質材料や、アルミニウム、鉄、ステンレス等の金属材料や、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の有機質材料を始めとして、これら無機質材料、金属材料及び有機質材料から選ばれた2種以上のものの組合せからなる組合せ材料を例示することができる。これらの基材については、その表面が平滑なものであっても、また、比較的細かな凹凸形状及び/又は比較的大きな凹凸形状を有するものであってもよい。
本発明においては、前記基材の表面上に、水系インクで模様付けして印刷層を形成するか、あるいは、被印刷面形成用塗料を塗装してインクの受理層を形成するが、基材と印刷層や受理層との間の付着性の確保や、水や基材(特に、セメント製基材等)由来のアルカリ等に対する保護機能の向上、更には被印刷面形成用塗料の塗装時における被印刷面形成用塗料の基材への吸込み防止等を目的として、水系インクでの模様付けや被印刷面形成用塗料の塗装に先駆けて、下塗り塗料を塗装して下塗り層を形成してもよい。
[下塗り層について]
下塗り層を形成するための下塗り塗料については、従来からこの種の意匠性建材の製造に用いられている下塗り塗料を用いることができる。特に、使用する基材の表面に素穴が多い場合や、この素穴の分布にバラツキがある場合には、この基材の表面上に被印刷面形成塗料を直接塗装してインクの受理層を形成すると、形成された受理層の吸水量(又は吸油量)が均一にならない場合が生じ、このような場合には、上記インクを吐出して模様付けを行うと、形成される印刷層の模様に部分的に不鮮明な箇所が生じ、製造される意匠性建材の製品としての品質が低下する場合が生じるが、基材の表面上に予め所定の吸水量(又は吸油量)を有する下塗り層を形成することにより、使用する基材の種類や表面状態の如何を問わず、インクの受理層の吸水量(又は吸油量)を一定の範囲に収めることができ、結果として製造される意匠性建材の品質と耐久性とを向上させることができる。なお、インクの受理層の吸水量(又は吸油量)を一定の範囲に収めるためには、上記の下塗り層に代えて、被印刷面形成塗料の塗装により形成される受理層を二重に形成することも可能である。
ここで、このような下塗り層を形成するための下塗り塗料については、結合剤と有機溶剤主体の溶媒からなる溶剤系下塗り塗料(水を実質的に含まない親水性溶剤のみが用いられる下塗り塗料と、溶剤を全く用いない粉体下塗り塗料も含まれる。)と、結合剤と水主体の溶媒からなる水系下塗り塗料(溶剤を実質的に含まない水溶性樹脂からなる下塗り塗料も含まれる。)とが存在し、これらの下塗り塗料には、必要に応じて、充填剤や各種の添加剤が配合される。ここで、前記結合剤としては、従来から下塗り塗料に用いられてきた、結合剤であれば水系、溶剤系を問わず各種の結合剤を用いることが可能であり、代表的なものとしては、例えば、エポキシ樹脂や、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、無機系樹脂、アクリルシリコン樹脂、アルキド樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記充填剤としては、例えば酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック等の無機系着色顔料:フタロシアニンブルー、カーミンFB、ハンザイエロー等の有機系着色顔料:タルク、カオリン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の体質顔料が代表的なものとして挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記添加剤としては、消泡剤、レベリング剤、分散剤、成膜助剤、増粘剤等を必要に応じて配合することが可能であり、下塗りの配合、目的等に応じて適宜変化させることが可能である。
本発明においては、環境目的(環境汚染の低減、作業環境の改善、シックハウス症候群の発症防止等の目的)で、意匠性建材の製造に用いる各種の塗料を可及的に水系化するために、あるいは、オール水系化するためには、下塗り塗料として水系下塗り塗料が用いられる。そして、この場合には、意匠性建材の製造に用いる基材の表面の吸水性が一定ではなく、また、形成される下塗り層の吸水率が高すぎるとその上に受理層を形成し難くなるので、下塗り層の吸水量が0.1g/m2以上10.0g/m2以下、好ましくは0.1g/m2以上2.0g/m2以下となるような水系下塗り塗料を用いることが好ましい。形成された下塗り層の吸水量が0.1g/m2より低いと、耐水性は良好であるが、下塗り層の塗膜が緻密に形成されていることになり、可とう性が不足して基材との密着性が低下する虞があり、反対に、10.0g/m2より高くなると、下塗り層への被印刷面形成用塗料の塗装から成膜の工程において、被印刷面形成用塗料の水分が下塗り層に吸水され易く、成膜の際に必要な水分が不足し、受理層が成膜し難くなるという問題が生じる。
また、前記基材の表面に前記下塗り塗料を塗装する方法については、従来から採用されているいずれの方法も適用可能であり、エアースプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電塗装、ロールコーター塗装、フローコーター塗装等を適宜選択することが可能である。上記下塗り塗料の塗装方法、塗布量等は、選択する基材や下塗り塗料の種類により適宜変更することが可能である。特に無機質材料を対象とする場合においては、固形分換算で20〜75g/m2の範囲で塗装することが好ましく、30〜60g/m2の範囲で塗装することがより好ましい。20g/m2より少ないと、基材と塗膜の密着性、エフロ成分のブリード抑止効果が低下する傾向にあり、反対に、75g/m2より多いと、乾燥に要する時間が長くなるだけでなく、チェッキング等が起きることにより、平滑な下塗り[塗膜]層の形成が期待できず、しかも、コスト的に不利になる傾向がある。
[インクの受理層について]
本発明においては、前記基材の表面上に、必要により下塗り層を介して、被印刷面形成用塗料を塗装してインクの受理層が形成される。この目的で用いられる被印刷面形成用塗料は、基本的にはインクの受容体となるシリカ微粒子や親水性架橋樹脂粒子等の粒子とこの粒子間を互いに結合してインクの受理層を形成する結合剤とからなり、必要に応じて遮蔽性のための顔料、樹脂成膜性向上のための成膜助剤、希釈のための溶媒等の添加剤が配合されるものであり、水主体の溶剤が用いられる水系であっても、また、有機溶剤主体の溶剤系であっても、更に、溶媒を全く使用しない粉体系であってもよい。
上記の被印刷面形成用塗料を構成する結合剤としては、従来からこの種の塗料で使用されている樹脂を用いることでき、具体的には、例えばエポキシ樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、アクリルシリコン樹脂、無機質樹脂、及びこれらの樹脂を変性した変性樹脂等から選ばれた1種又は2種以上を挙げることができ、更には、これらの樹脂と硬化剤や硬化触媒等との混合物からなるものも使用することができる。
また、上記の被印刷面形成用塗料を構成する粒子としては、例えば所定の吸油量を有するシリカ微粒子や、所定の吸水量を有する(メタ)アクリル酸系樹脂、ビニルアルコール系樹脂等の樹脂からなる親水性架橋樹脂粒子が挙げられるが、環境目的で意匠性建材の製造に用いる各種の塗料を可及的水系化、あるいは、オール水系化を実現するための水系被印刷面形成用塗料を構成するためには、親水性架橋樹脂粒子を用いるのが好ましい。なお、上記の親水性架橋樹脂粒子は、架橋されていることが必要であり、架橋されていない樹脂粒子を使用すると、インクを吸収させた際に樹脂粒子が水を吸収して膨張し、印刷層における模様の品質低下を招くほか、製造された意匠性建材の耐久性を損ねて好ましくない。
ここで、上記の親水性架橋樹脂粒子を形成するためのアクリル系樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム等のアルカリ金属塩が好適に挙げられる。そして、(メタ)アクリル酸系樹脂としては、例えば、メチル(メタ)アクリレートや、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、α-クロロエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系単量体を重合した後、加水分解することによって製造することができる。また、アクリロニトリルやメタクリロニトリルを重合してから加水分解しても得られる。上記のビニルアルコール系樹脂の単量体としては、酢酸ビニル等が挙げられる。
また、上記の架橋を施す方法としては、単量体を重合して樹脂粒子を製造する際に架橋性を有する単量体(以下、「架橋性単量体」という。)を配合する方法や、ヒドラジン等の架橋剤を用いて予め形成された樹脂粒子を架橋する方法等を挙げることができる。ここで、上記の架橋性単量体配合方法で用いられる架橋性単量体の代表的なものとしては、ジビニルベンゼンや、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の分子中に重合性不飽和二重結合を2個以上有するアクリル酸誘導体からなる単量体や、例えば(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の加水分解縮合反応が可能なシリル基含有エチレン性不飽和単量体や、例えばカルボキシル基を持つ単量体とグリシジル基を持つ単量体等の乳化重合時の反応温度で互いに反応する官能基を持つ単量体からなる単量体混合物等が例示される。
更に、上記の親水性架橋樹脂粒子における架橋の程度は、前者の架橋性単量体を配合する方法の場合には架橋性単量体の配合量により決まり、この架橋性単量体の配合量は、重合に用いた単量体全体に対して、0.2質量%以上15.0質量%以下、好ましくは0.5質量%以上12.0質量%以下であるのがよく、この架橋性単量体の配合量が0.2質量%より少ないと、製造された親水性架橋樹脂粒子が水系インクに配合した水系溶剤を吸収した際に必要以上に膨張して印刷層における模様の品質が低下する傾向にあり、反対に、15.0質量%より多いと、所望の粒子の均一性が損なわれやすく、また吸水性が低下する傾向にある。
また、後者の予め形成された樹脂粒子を架橋剤で架橋する方法の場合には、上記の親水性架橋樹脂粒子における架橋の程度は、架橋剤の導入により増加したN原子の数により測定され、上記の予め得られた樹脂粒子に基づき0.6質量%以上8.0質量%以下、好ましくは1.0質量%以上5.0質量%以下であるのがよい。この場合においても、架橋の程度は、0.6質量%より低いと、模様の画像が滲む虞があり、反対に、8.0質量%より高くなると、模様の画像の濃度が低下するという問題が生じる。
上記の親水性架橋樹脂粒子については、この親水性架橋樹脂粒子を含有する被印刷面形成用塗料を用いて形成されるインクの受理層において良好な水系インクの吸収性能を発現させる上で、平均粒子径が好ましくは0.3〜130μmの範囲であり、また、吸水時の体積膨張率が6〜40%であるのがよく、更に、真比重が好ましくは0.7〜2.0g/cm3の範囲であるのがよい。ここで、吸水時の体積膨張率が40%より高いと、印刷層における模様の品質低下を招くほか、製造された意匠性建材の耐久性を損ね、反対に、体積膨張率が6%より低いと、インクの吸着が不十分で印刷層における模様の品質低下を招く。
上記の親水性架橋樹脂粒子の好ましい例としては、アクリロニトリルを、必要に応じて、例えば、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、(メタ)アクリル酸エステルやアリルスルホン酸等のスルホン酸含有モノマー及びその塩、アクリル酸やイタコン酸等のカルボン酸含有モノマー及びその塩、アクリルアミド、スチレン、酢酸ビニル等の共重合可能な単量体と共に共重合して親水性樹脂粒子を製造し、この親水性樹脂粒子に架橋剤としてヒドラジン系化合物を添加して架橋し、次いで酸処理した後に、水酸化ナトリウム等のアルカリを用いて粒子の表層又は内部まで加水分解することにより得られる親水性樹脂粒子を挙げることができる。この場合において、共重合される単量体全体のうち、アクリロニトリルは好ましくは70質量%以上95質量%以下、より好ましくは75質量%以上90質量%以下の範囲で含まれているのがよく、アクリロニトリル含有量を上記範囲とすることにより、インク吸収性に優れた親水性架橋樹脂粒子を効率良く得ることが可能となる。なお、ここで使用する酸としては、硝酸、硫酸、塩酸等の鉱酸の水溶液、有機酸等が挙げられるが特に限定されない。この処理の前に架橋処理で残留したヒドラジン系化合物を十分に除去しておく。また、加水分解に使用するアルカリとしては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アンモニア等の塩基性水溶液等が挙げられるが、加水分解可能なアルカリであれば特に限定されない。
このような親水性架橋樹脂粒子の具体例としては、代表的なものとして、例えばタフチック(東洋紡社の登録商標)HUシリーズのHU720PS、HU700E等を挙げることができ、その平均粒子径は0.9〜50μmの範囲であって、温度20℃及び湿度65%RHの条件下での吸湿率(20℃、65%RH)は45〜55%の範囲である。
また、被印刷面形成用塗料中に必要に応じて添加されるとしては、着色顔料と体質顔料とがあり、これらはそのいずれか一方又は両方を用いることができる。そして、着色顔料としては、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、カーボンブラック、黄鉛、オーカー、弁柄、複合酸化物(ニッケル・チタン系、クロム・チタン系、ビスマス・バナジウム系)等の無機系顔料や、フタロシアニンブルー、キナクリドン、ジケトピロロピロール、ベンズイミダゾロン、イソインドリノン、アンスラピラミジン、スレン、ジオキサジン等の有機系顔料等の、一般的に塗料用として使用される各種の無機系や有機系の着色顔料が挙げられ、また、体質顔料としては、例えば、タルク、カオリン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、マイカ、珪石粉、珪藻土、非晶質シリカ、アロフェン、イモゴライト、ベントナイト、モンモリロナイト、セピオライト等の、塗料用として一般的に使用される体質顔料や、多孔質無機粉末等が挙げられるが、これらは例示されたものに限定されるものではない。
本発明においては、被印刷面形成用塗料により形成される受理層の吸水量を改善する目的で、好ましくは、前記顔料の一部として、あるいは、全部として、着色顔料の酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、硫化亜鉛、カーボンブラック、黄鉛、オーカー、弁柄等や、体質顔料の珪藻土、炭酸カルシウム、シリカ等を添加するのがよい。この目的で添加される顔料の配合量については、例えば、酸化チタンの場合には10質量%以上20質量%以下、好ましくは15質量%以上18質量%以下の範囲で、また、珪藻土の場合には1質量%以上10質量%以下、好ましくは3質量%以上5質量%以下の範囲で配合される。被印刷面形成用塗料中にこの範囲で珪藻土を配合することにより、形成された受理層におけるインクの吸着性が向上し、これによって形成される印刷層の模様の品質がより向上する。この酸化チタンや珪藻土の配合量が少な過ぎると、この酸化チタンや珪藻土を添加する意義が発現し難く、反対に、多くなり過ぎると、塗料の顔料成分が多くなり過ぎて形成される受理層に割れが発生し易いという問題が生じる。
更にまた、被印刷面形成用塗料中に必要に応じて添加される溶媒としては、塗料において通常使用されているいずれのものも使用することが可能であり、例えば、トルエンや、キシレン等の芳香族系炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール類、さらには各種の脂肪族炭化水素類、グリコールエーテル類、水等から選択される1種、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明においては、上記の下塗り塗料の場合と同様に、環境目的で意匠性建材の製造に用いる各種の塗料を可及的水系化するため、あるいは、オール水系化するために、水系被印刷面形成用塗料を用いるのがよく、好ましくは、水又は実質的に水を主体とする水系溶剤が用いられる。
そして、被印刷面形成用塗料における上記各成分の配合割合は、固形分換算で、結合剤が20質量%以上80質量%以下、好ましくは30質量%以上45質量%以下の範囲であり、また、親水性架橋樹脂粒子が5質量%以上20質量%以下、好ましくは6質量%以上8質量%以下の範囲であり、更に、必要に応じて配合される着色顔料と体質顔料を合わせた顔料が5質量%以上60質量%以下であり、更にまた、溶媒が用いられる場合にはその配合割合は10質量%以上80質量%以下、好ましくは25質量%以上60質量%以下の範囲である。ここで、結合剤の配合量が20質量%より少ないと、結合剤不足に起因する受理層の成膜不良の問題が生じ、反対に、80質量%より多くなると、受理層における塗膜の隠蔽力が低下して、印刷層において意図する模様が描かれず、また、下塗り層や基材表面の色が透けて見えてしまうという問題が生じる虞がある。また、親水性架橋樹脂粒子の配合量が5質量%より少ないと、親水性架橋樹脂粒子を添加したことによる効果が望めなくなり、形成される受理層のインク吸収能力が低下し、反対に、20質量%より多いと、受理層の製造効率が低下し、また、インクを吐出することにより形成した印刷層の模様の画質が低下する。更に、顔料の配合量が5質量%より少ないと、インクを吐出して形成した模様が不鮮明となり、結果として意匠性建材の品質が低下する場合があり、反対に、60質量%より多くなると、形成される受理層の塗膜強度が低下し、意匠性建材の耐久性が低下する。更にまた、溶媒の配合量が10質量%より少ないと、塗装性が低下し、反対に、80質量%より多くなると、平滑な受理層を形成し難くなるという問題が生じる。
なお、本発明において、被印刷面形成用塗料中には、必要に応じて、その他の添加剤、例えば成膜助剤、硬化剤、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、抗菌剤、架橋促進剤、分散剤、沈殿防止剤、インク溶媒に対する濡れ助成剤等を配合することができる。ここで配合する添加剤の種類及び添加量については、使用する結合剤や親水性樹脂粒子、更には着色顔料、体質顔料、溶媒等により、適宜選択される。
上記の基材の表面上に、直接に又は下塗り層を介して、インクの受理層を形成するために前記被印刷面形成用塗料を塗装するが、この際の塗料の塗布量は、固形分換算で、通常20g/m2以上80g/m2以下、好ましくは30g/m2以上60g/m2以下の範囲であり、この塗料の塗布量が20g/m2より低いと、製造した意匠性建材の耐久性が低下し、反対に、80g/m2を超えると、被印刷面形成用塗料を塗装した後の乾燥に要する時間が長くなり、また、最終的に形成される意匠性建材の耐久性の向上が期待できず、コスト的に不利となる。
また、この被印刷面形成用塗料の塗装方法については、従来から塗料を塗装する際に採用されているいずれの方法も適用可能であり、例えば、エアースプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電塗装、ロールコーター塗装、フローコーター塗装等を適宜選択することができる。凹凸を有する建材に対して塗装する際には、凹凸形状への追従性や塗装速度の適合性から、好ましくはエアレススプレー塗装や静電塗装である。なお、使用する塗料が水系塗料である場合には、良好なインクの受理層を形成する上で、塗装直前の板表面温度が30〜70℃に予熱するのが望ましい。この予熱を行うことにより、形成される受理層においてチェッキングが起こり難くなるという利点が生じる。
本発明において、上記の被印刷面形成用塗料を塗装して形成される受理層の吸水量については8.0g/m2以上24.0g/m2以下であることが望ましく、この受理層の吸水量が8.0g/m2より低いと、受理層のインク吸収能力が低下して、この受理層の上に形成される印刷層における模様の品質が低下したり、インクを吐出した後に水系クリヤー塗料を塗装する際にインクの滲みが発生し、反対に、24.0g/m2より高いと、吐出したインクが過剰に吸収され、印刷された模様の画質が低下する。
[印刷層について]
本発明においては、上記の下塗り層に対して、あるいは、受理層に対してインクジェットプリンターにより水系インクを吐出することにより、種々の着色模様や、例えば自然石模様、大理石模様、タイル模様、木目模様等の種々の柄模様(模様)をその画像データに基づいて印刷し、印刷層を形成する。この水系インクを用いることにより、インクジェットプリンターの耐久性や保守性が向上し、また、作業場の衛生面や火災の危険が軽減され、さらに環境に対して負荷を低減する効果を持たせることができる。また、インクの蒸発速度をできる限り遅くすることにより、インクジェットプリンターのノズルの目詰りや、ノズル周辺部の汚れの発生を可及的に防止することができ、上記のインクの受理層との関係で良好な画質の模様を印刷することができる。
本発明で用いる水系インクは、着色顔料、分散剤、及び水主体の水系溶剤を主成分とし、実質的に結合剤を含まないものである。ここで、「実質的に結合剤を含まない」とは、着色顔料や分散剤の添加の際に不可避的に樹脂等の結合剤が混入する場合を許容する意味であり、この場合においても、樹脂等の結合剤の混入割合は、インク全体に対して10質量%以下、好ましくは5質量%以下の範囲に止めておくことが望ましい。本発明においては、求める画質精度が150〜600DPI(dots per inch)の範囲にあって、意匠性建材の製造において従来にない高画質の模様を印刷するためには、インクジェットプリンターにおけるインクの吐出口に対して、従来にないほどの小さな口径が必然的に要求されるからである。
上記の水系インクに配合される着色顔料としては、一般的に塗料やインクで用いられるいずれの着色顔料を用いることも可能であるが、形成させた着色や模様の耐候性や耐久性を向上させるという観点から、特に屋外用途においては、主として無機系着色顔料を配合することが好ましい。これら無機系着色顔料としては、カーボンブラック、酸化鉄、複合酸化物(ニッケル・チタン系、クロム・チタン系、ビスマス・バナジウム系)、酸化チタン等が代表的なものとして挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、上記無機系着色顔料に加えて、有機系着色顔料を配合することも可能である。これら有機系着色顔料としてはキナクリドン、ジケトプロロピール、ベンズイミダゾロン、イソインドリノン、アンスラピリミジン、フタロシアニンスレン、ジオキサジン等が代表的なものとして挙げられる。
また、この着色顔料については、平均粒子径が20nm以上400nm以下、好ましくは25nm以上300nm以下の範囲であるのがよい。平均粒子径が20nmより小さいと、顔料の凝集によりインク貯蔵安定性や印刷画質が低下し、また、インク粘度の上昇や、印刷面の耐光性低下等の問題が生じ易くなる。反対に、平均粒子径が400nmより大きいと、インクジェットプリンターの吐出ノズルの目詰りや、受理層に対するインクの吐着精度の低下が生じ易くなり、前述のような高画質での印刷が困難になる。
着色顔料の配合割合は、インク100質量部中に0.5質量部以上15.0質量部以下、好ましくは1.0質量部以上10.0質量部以下の範囲で添加することが好ましい。15.0質量部より多いと、インク粘度の上昇、及びインクの乾燥が早くなり過ぎ、印刷で用いる下記の如きインクジェットプリンターのノズル部分に目詰りが発生し易くなり、また、インク液滴の印刷面への塗着精度が悪くなる。反対に、0.5質量部より少ないと、発色が不十分になり、形成される模様が不鮮明になる。また、インクの着色顔料として有機顔料を用いる場合には、特に耐光性や退色性に優れたものを選んで用いる必要がある。
また、上記の水系インクに配合される分散剤としては、例えばスチレン-無水マレイン酸共重合物塩、オレフィン-無水マレイン酸共重合物塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物等のアニオン系高分子分散剤や、例えばポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンエーテルエステルのコポリマー、ポリアクリルアミド等のノニオン系高分子分散剤が例示され、これらアニオン系高分子分散剤やノニオン系高分子分散剤の中から選択される1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの分散剤の種類及び配合量については、使用する着色顔料や水主体の水系溶剤の種類及び配合量等により適宜使い分けされる。この分散剤としては、好ましくは印刷層が形成された際に顔料表面に存在してカルボキシル基やカルボン酸塩基を有するものがよい。印刷層が形成された際に顔料表面の分散剤にカルボキシル基やカルボン酸塩基が存在すると、印刷層の上にトップクリヤー層を形成する際に、水系クリヤー塗料中に配合された硬化剤、特にシランカップリング剤のアルコキシシリル基が顔料表面に存在する分散剤のカルボキシル基やカルボン酸塩基に働き、水系クリヤー塗料中へのインクの分散能をより一層低下させ、インク再溶解性がより一層改善する。
更に、上記の水系インクにおいて用いられる水主体の水系溶剤とは、水、又は水を主体としこれに必要に応じて親水性溶媒が配合された混合溶剤を意味する。ここで、前記親水性溶媒としては、インクで通常用いられている溶剤のいずれをも好適に使用することが可能であり、例えば、アルコール類、エチレングリコールやエチレングリコール誘導体、グリセリンやグリセリン誘導体、プロピレングリコールやプロピレングリコール誘導体等から選択される1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
水系インクにおける前記水系溶剤の配合量は、インク全体に対して、70質量%以上92質量%以下、好ましくは75質量%以上90質量%以下の範囲であるのがよい。このうち水の配合割合としては、45質量%以上70質量%以下の範囲にあることが好ましく、この水の配合割合が45質量%より低いと、インク粘度が上昇し、インクの吐出性が低下して、高画質の模様を得ることが困難になる。反対に、水の配合割合が70質量%より高いと、ノズル孔周辺での乾燥が顕著となり、ノズル目詰りやインク吐着精度が低下する。
なお、本発明で使用する水系インクにおいても、その他の添加剤として、例えば導電度調整剤、消泡剤、沈殿防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、防腐剤等を必要に応じて添加することができる。
本発明において、インクジェットプリンターを用いて受理層に前記水系インクを吐出し、模様を印刷して印刷層を形成する際に、受理層については必ずしも完全に硬化させ乾燥させておく必要はなく、ある程度溶媒を蒸発させた状態で印刷を行うことも、また、完全に硬化乾燥させた状態で印刷することも可能である。
なお、被印刷面形成用塗料を硬化若しくは乾燥させる条件は塗料の種類により常温乾燥、強制乾燥、或いは活性エネルギー線照射による硬化のいずれも適用することができ、塗料の配合組成により適宜選択して採用することができる。更には、グラビア印刷、スクリーン印刷等の他の印刷手段により印刷した印刷層の全面又は一部分に対して、更にインクジェットプリンターによりインクを吐出して模様を印刷する等、他の印刷手段とインクジェットプリンターによる印刷とを組み合わせて適用することもできる。また、受理層に対する模様の印刷は、受理層の表面全体を単一色に印刷してもよく、また、部分的に色相の異なる複合色に着色してもよく、更には、柄模様を印刷してもよい。そして、これらの模様は、意匠性建材の表面全体に形成してもよく、また、一部分にのみ形成してもよい。また、基材の表面が凹凸を有する場合には、凹部と凸部とを異なる色で着色することもできる。
本発明において、前記受理層にインクを吐出する際には、インクジェットプリンターを用いる。使用されるインクジェットプリンターは、印刷に用いられるいずれの方式のものも使用することが可能である。より高画質の模様、具体的には100〜600DPIの画質の模様を効率良く印刷するためには、好ましくは、コンティニュアス方式のピエゾドロップ型インクジェットプリンターや、オンデマンド方式のピエゾドロップ型インクジェットプリンターが用いられる。また、プリンターヘッドについても、インク吐出時にプリンターヘッドがコンベア上方に位置してコンベア幅方向に往復運動する方式よりも、搬送されつつある基材の上方に位置して固定されている、いわゆるライン方式プリンターヘッドを備えた形式のインクジェットプリンターを用いることが、生産スピードの観点から好ましい。この場合、コンベアで搬送される基材の搬送速度は、通常10m/分以上60m/分以下、好ましくは20m/分以上50m/分以下であるのがよく、この基材の搬送速度が10m/分より遅いと、意匠性建材の製造効率が低下し、結果としてコストアップにつながる。反対に、基材の搬送速度が60m/分より速いと、印刷された模様の画質が低下する虞がある。更に、インクジェットプリンターのプリンターヘッドについては、赤系、黄系、青系の3原色に加えて、明度調整用としての黒色系の個々の色のインクに対して、個別に対応可能なものであるのがよく、更には必要に応じて、上記の4原色の中間色や白色系インクに対しても個別に対応可能な、4〜8群のプリンターヘッドを備えた、いわゆるフルカラーインクジェットプリンターを用いることが望ましい。
150〜600DPIの模様を形成させる際には、インクジェットプリンターの吐出ノズルの口径を10〜45μmにすることが好ましく、15〜35μmとすることがより好ましい。45μmより大きいと、高解像度の着色や模様を得ることが困難となる傾向にあり、また10μmより小さいと、ノズルの目詰り等が頻繁に発生する傾向にある。また、上記ノズルはコンベアの幅方向に複数個設けられていることが生産効率、画質の点からみて好ましい。また、ノズル間ピッチは10〜200μmであることが好ましく、15〜150μmであることがより好ましい。ノズルピッチが10μmより小さいと、印刷幅に対する必要ノズル数が膨大になるばかりでなく、コントロールシステムに要する容量が大きくなることにより、経済的に不利となる傾向にある。また、200μmより大きいと、印刷したインクのドット間距離が開きすぎる結果、画質が低下する傾向にある。本発明においては、上述したような方法をとることで、150〜600DPIの高解像度の着色や模様付けされた建材を製造することが可能となる。また、適正な生産コストをもって製造を行う際には、解像度を180〜360DPIの範囲に収めることが有効である。また、建材表面を単一色に着色する際においては、解像度を150〜360DPIの範囲に収めることが有効である。加えて、解像度については、横軸、縦軸共に同一画素数にそろえるのが一般的であるが、ライン方式のプリンターではプリンターヘッドの幅方向に高解像度、例えば600DPIに設定し、建材の搬送方向にはやや解像度を低下させ、例えば300DPIに設定することで、生産速度を落とすことなく、特定ノズルのつまりや、インク液滴に飛翔曲がりに起因する、建材搬送方向に発生する直線上の着色むらを緩和することも可能である。また、上記解像度は、ノズルの口径、ピエゾ素子の振動数等を調製することにより、適宜変化させ得る。また、上記ピエゾ振動素子の振動数は、ピエゾ振動素子に供給する電圧等により制御し得る。
本発明においては、水系インクにより模様付けをして印刷層を形成した後、印刷層中の揮発成分を揮発させて乾燥させる。この揮発成分の乾燥は、必ずしも完全に乾燥させておく必要はなく、水系クリヤー塗料の塗装によってインク滲みが発生しない程度にまで乾燥していればよいが、好ましくは、水系クリヤー塗料の塗装の際に印刷層が30℃以上80℃以下、好ましくは40℃以上70℃以下の温度範囲内に維持されているのがよい。この印刷層の温度が30℃より低くなると、水系クリヤー塗料を塗装した際に感熱ゲル化剤のゲル化が迅速に進まず、印刷層からのインク滲みが発生する場合があり、反対に、80℃より高くなると、連続したクリヤー塗膜が形成され難いという問題が生じる。
[クリヤー層について]
本発明において、印刷層の上にクリヤー層を形成するための水系クリヤー塗料は、基材に対して従来から塗装されてきた各種の水系クリヤー塗料に感熱ゲル化剤を配合したものであり、必要により更に光輝性顔料を配合したものであって、基本的には結合剤と感熱ゲル化剤を含み、更に必要により光輝性顔料、顔料、その他の添加剤、溶媒等の成分を含むものである。
上記結合剤としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコン系樹脂、アクリルシリコン樹脂、ビニル樹脂、セルロース誘導体等から選択される1種又は2種以上の組合せが挙げられ、これらと硬化剤や硬化促進触媒を組み合わせて使用することも可能である。
本発明の水系クリヤー塗料に添加される感熱ゲル化剤については、塗装されてクリヤー層となった際に、印刷層に形成された模様を視覚的に損なうことがなく、また、この水系クリヤー塗料の塗装工程で容易にゲル化するものであればよく、それが有機系の感熱ゲル化剤であっても、また、無機系の感熱ゲル化剤であってもよい。有機系の感熱ゲル化剤としては、例えば、でんぷん及びその誘導体、ノニオン活性剤系のオルガノポリシロキサンのアルキレンオキシド付加物、オルガノポリシロキサンのアルキルフェノールホルマリン縮合物、アルキルフェノール−ホルマリン縮合物のアルキレンオキサイド付加物、ポリビニルメチルエーテル、オルガノポリシロキサンポリエーテル共重合体などを挙げることができ、また、無機系の感熱ゲル化剤としては、例えば、ヘキサメタリン酸ソーダ、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、亜鉛アンモニウム錯塩、硝酸ナトリウム、硝酸鉛、酢酸ソーダ等を挙げることができ、これらはその1種のみを単独で用いることができるほか、2種以上を併用して用いることもできる。
この感熱ゲル化剤としては、曇点が30℃以上80℃以下、好ましくは40℃以上70℃以下の範囲内であるのがよい。このような曇点範囲内の感熱ゲル化剤を用いることにより、水系インクによる模様付けで形成された印刷層の乾燥処理後に水系クリヤー塗料を塗装する際に、乾燥処理後の印刷層が有する温度、通常30℃以上80℃以下の温度で感熱ゲル化剤が容易にゲル化し、印刷層の上に水系クリヤー塗料が塗装された際に印刷層からのインク滲みが効果的に防止される。
本発明の水系クリヤー塗料において、感熱ゲル化剤は、上記有機系と無機系のいずれを用いても、また、これらを併用してもよいが、その配合量は、固形分換算で、塗料成分となる結合剤100質量部に対して、0.1質量部以上12.0質量部以下、好ましくは0.5質量部以上7.0質量部以下の範囲で含むのがよく、配合量が0.1質量部より少ないと感熱ゲル化剤の添加効果が生じない場合があり、反対に、12.0質量部より多くなると増粘したり、保存安定性が悪くなる場合がある。
本発明において、水系クリヤー塗料に添加する好ましい感熱ゲル化剤として、特開2001-354,847号公報に記載のノニオン性界面活性剤を例示することができる。このノニオン性界面活性剤は、その1%水溶液の曇点が10〜80℃のものと100℃以上のものとの少なくとも2種のノニオン性界面活性剤からなるものである。ここで、1%水溶液の曇点が10〜80℃である成分(低曇点活性剤)又は曇点が100℃以上である成分(高曇点活性剤)としては、特に制限されるものではなく、例えば、これまでに知られている炭素数1〜18のアルコールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物、アルキレングリコール及び/又はアルキレンジアミンのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物等で設定された範囲の曇点を示すものから、適宜選んで用いることができる。また、このノニオン性界面活性剤について、低曇点活性剤と高曇点活性剤との比率や全体の使用量は特に制限されないが、低曇点活性剤と高曇点活性剤の比率(低曇点活性剤/高曇点活性剤の質量比)については0.1〜10が好ましい。
本発明の水系クリヤー塗料に必要により添加される光輝性顔料としては、通常のノンリーフィングタイプのアルミニウム顔料、アルミニウムペースト等のアルミ粉、白色〜銀色に濁った色を示すホワイトマイカ又はシルバーマイカと称される顔料、及び光干渉作用により各種の色調を示す光干渉顔料等があり、前者のホワイトマイカ又はシルバーマイカ顔料は燐片状雲母粉末の表面を酸化チタンで被覆したものであり、一般にその長手方向直径が5〜60μm、特に5〜25μm、厚さが0.25〜1.5μm、特に0.5〜1μmで、ホワイトパール調又はシルバーパール調に仕上げるために、酸化チタンの被覆厚さが、光学的厚さを基準にして90〜160nm、そして幾何学的厚さを基準にして40〜70nmであることが好ましい。一方、光干渉顔料として、シリカフレーク、アルミナフレーク、雲母フレーク、酸化チタンや酸化鉄等で被覆した雲母フレーク(これらの被覆厚さは上記のホワイトマイカ又はシルバーマイカ顔料の場合乗りも厚い)等を挙げることができ、これらの長手方向が5〜60μm、特に5〜25μm、厚さが0.25〜1.5μmであることが好ましい。更に必要に応じて、銀メッキガラスフレーク、チタンコートグラファイト、金属チタンフレーク、板状酸化鉄、フタロシアニンフレーク等を配合することができる。光輝性顔料の配合量は、厳密に制限されるものではないが、通常、樹脂成分の合計固形分100質量部当り3〜20質量部、特に7〜13質量部の範囲内が好ましい。
本発明の水系クリヤー塗料に必要により添加される顔料としては、通常、クリヤー層の透明性を失わない程度に使用する必要があるが、所望の意匠によっては顔料等により着色されたカラークリヤーとして使用してもよい。これら顔料として、艶消し剤を含む体質顔料や、着色顔料、カラーマイカ、ウレタン系、アクリル系等の着色又は透明ビーズ、鱗片状黒鉛、鱗片状酸化鉄、メッキ処理ガラスフレーク、アルミ箔カラークリヤー塗料切断品等の各種顔料を配合してよい。また、その他の添加剤としては、分散剤、沈殿防止剤、表面改質剤、紫外線吸収剤、界面活性剤等があり、これらの成分は結合剤の種類、クリヤー層に求められる要求性能に応じて適宜選択し、添加することができる。
本発明の水系クリヤー塗料で用いられる溶媒は、水を主体とする水系溶剤であって、水又は水を主体とし、これに必要に応じて親水性溶媒が配合された混合溶剤である。ここで、前記親水性溶媒としては、水系クリヤー塗料で通常用いられている親水性溶媒のいずれをも好適に使用することができ、例えば、アルコール類、エチレングリコールやエチレングリコール誘導体、グリセリンやグリセリン誘導体、プロピレングリコールやプロピレングリコール誘導体等から選択される1種、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において、水系クリヤー塗料の塗装方法としては、塗料を塗装する際に通常採用されるいずれの方法も適用可能であり、例えば、エアースプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電塗装、ロールコーター塗装、フローコーター塗装等の方法を挙げることができるが、好ましくはエアースプレー塗装、エアレススプレー塗装等のスプレー塗装や静電塗装であるのがよい。これらのスプレー塗装や静電塗装は、基材の凹凸面に対する追従性や塗装処理速度に優れているだけでなく、感熱ゲル化剤を含む水系クリヤー塗料が所定の温度を有する印刷層に塗装された際に、この感熱ゲル化剤が速やかにゲル化し、より効率的に印刷層のインク滲みを防止することができる。
水系クリヤー塗料の塗布量は、固形分換算で通常15g/m2以上80g/m2以下、好ましくは20g/m2以上65g/m2以下の範囲がよく、15g/m2より少ないと、意匠性建材の耐久性、印刷した模様の保護性が低下する傾向にあり、反対に、80g/m2より多いと、インクの溶媒が十分蒸発していない場合にインク滲みが発生する場合があり、また乾燥不良による塗装面のブロッキング現象を引き起こす場合がある。
水系クリヤー塗料を塗装した後、この水系クリヤー塗料を乾燥させ、又は硬化させてクリヤー層を形成させる。乾燥条件又は硬化条件は、水系クリヤー塗料の種類により常温乾燥、強制乾燥、焼付け乾燥、又は活性エネルギー線照射による硬化等のいずれも用いることができ、使用する水系クリヤー塗料の組成により適宜選択することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明の意匠性建材及びその製造方法を詳細に説明する。
ここで、以下の実施例及び比較例で用いた下塗り塗料、被印刷面形成用塗料、及び水系クリヤー塗料と水系インクの組成は下記の通りである。また以下の表における組成の単位は特に断りがない限り質量部であり、水系インクの組成における「部」は質量基準で示す。
<下塗り塗料>
表1に示す各成分を表1に示す組成となるように配合し、ビーズ練合することにより下塗り塗料を調製した。
Figure 2010234366
表1中の主剤「アクリル樹脂」は、大日本インキ社製の商品名「アクリディックA810-45」であって、加熱残分45%、OH価15.0のものであり、また、硬化剤「TDi系プレポリマー」は、三井武田ケミカル社製の商品名「タケネートM408」であり、加熱残分50%のものである。
<被印刷面形成用塗料>
表2に示す各成分を表2に示す組成となるように配合し、ビーズ練合することにより被印刷面形成用塗料を調製した。
Figure 2010234366
表2中の主剤「アクリル樹脂」は、三井化学社製の商品名「オレスターQ164」で、分子量23,000、加熱残分45%、比重0.95のものであり、また、主剤「ビニル系コポリマー」は、ユニオンカーバイド社製の商品名「ビニライトVAGH」で、分子量27,000、加熱残分99%超、比重1.39のものであり、更に、主剤「アクリル樹脂エマルション」は、大日本インキ社製の商品名「ボンコートYG651」で、分子量1,500,000、加熱残分47%、比重1.05のものであり、そして、架橋された親水性樹脂粒子「ポリアクリル酸ナトリウム粒子」は、東洋紡績社製の商品名「タフチックHU720PS」で、粉末状樹脂ビーズ、平均粒径50μm、真比重1.1のものであり、また、架橋された親水性樹脂粒子「ポリアクリル酸ナトリウム粒子水分散物」は、東洋紡績社製の「タフチックHU700E」で、アクリル系重合体エマルション、平均粒径0.9μm、加熱残分20±1%、真比重1.1のものであり、更に、主剤「溶媒」は酢酸ブチル:キシレン=1:1の混合溶媒であり、主剤「成膜助剤」はブチルグリコールエーテル、2,2,4-トリメチル1,3-ペンタンジオールモノイソブチレートであり、硬化剤「イソシアヌレート」は、日本ポリウレタン工業社製の商品名「コロネートHX」で、加熱残分99%超のものである。
<水系インク>
実施例、比較例で用いた各色の水系インクの組成は次の通りである。
[赤系インクの組成]
赤褐色透明酸化鉄 7.5部
水 65.0部
BYK−190(ビックケミー社製分散剤) 8.5部
エチレングリコール 11.5部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 7.5部
粘度(25℃、mPa・s):3.81
表面張力(25℃、mN/m):33.7
粒度分布(D50):65nm、(D90):105nm
[黄系インクの組成]
黄褐色透明酸化鉄 7.0部
水 65.5部
BYK−190 8.0部
エチレングリコール 11.5部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 8.0部
粘度(25℃、mPa・s):3.90
表面張力(25℃、mN/m):34.8
粒度分布(D50):70nm、(D90):130nm
[青系インクの組成]
C、I、ピグメントブルー 6.0部
水 62.0部
BYK−190 7.0部
エチレングリコール 12.0部
ジエチレングリコール 13.0部
粘度(25℃、mPa・s):3.92
表面張力(25℃、mN/m):35.5
粒度分布(D50):78nm、(D90):135nm
[黒系インクの組成]
C、I、ピグメントブラック 5.0部
水 70.0部
BYK−190 8.0部
グリセリン 5.0部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 12.0部
粘度(25℃、mPa・s):3.75
表面張力(25℃、mN/m):34.5
粒度分布(D50):115nm、(D90):190nm
<水系クリヤー塗料>
表3に示す各成分を表3に示す組成となるように配合し、ディスパー混合することによりクリヤー塗料を調製した。
Figure 2010234366
表3中の「結合剤」は、アクリル樹脂ワニスであって、日本触媒社製の商品名「アクリセットEX40」で加熱残分43%のものである。また、「感熱ゲル化剤 1)」は、曇点が約30℃のノニオン性界面活性剤であって、アデカ社製の商品名「アデカプラノンMPC-800」であり、また、「感熱ゲル化剤 2)」は、曇点が約50℃のノニオン性界面活性剤であって、アデカ社製の商品名「アデカプラノンMPC-810」である。更に、「光輝性顔料」は、無機パール顔料であって、メルク社製の商品名「Iriodin 163」であり、天然マイカの表面が酸化チタンで被覆された安定した無機パール顔料(酸化チタンの被覆率14%)である。そして、「成膜助剤」はブチルセロソルブ(エチレングリコールモノブチルエーテル)であり、また、「紫外線吸収剤」は、ベンゾトリアゾール系化合物であって、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の商品名「チヌビン1130」である。また、「艶消し剤」は、アクリル樹脂ビーズであって、東洋紡績社製の商品名「タフチックA-20」及びデグサ社製の商品名「TS100」である。更に、「増粘剤」は、高分子型特殊ノニオン系化合物であって、アデカ社製の商品名「アデカノールUH540」である。更に、「消泡剤」は、シリコン系コンパウンド乳化剤であって、サンノプコ社製の商品名「SN デフォーマー381」である。
[実施例1〜10及び比較例1]
表1に示す組成の下塗り塗料の粘度をフォードカップ#4で9秒となるように調整し、縦30cm×横30cm×厚さ1.6cmの石膏スラグバーライト板(基材)に対してエアースプレーにて乾燥質量で28g/m2となるように塗装した。下塗り塗装後に120℃×5分間の乾燥を行い、基材の表面に下塗り層を形成した。
表2に示す製造例で調製した被印刷面形成用塗料A〜Dの各々について、粘度をフォードカップ#4で13秒となるように調整し、上記で下塗り塗装した石膏スラグバーライト板に対してエアレススプレーにて乾燥質量で38g/m2となるように塗装した。各被印刷面形成用塗料の塗装後に120℃×5分間の乾燥を行い、下塗り層の上に受理層を形成した。
上記した水系インクの赤系インク、黄系インク、青系インク及び黒系インクを用い、上記の各被印刷面形成用塗料A〜Dで塗装した石膏スラグバーライト板(板温度:55℃)に対して、ピエゾ式インクジェットプリンター(フルカラーインクジェットプリンター:ミマキ社製GP‐604)にて各インクを吐出して模様付けを行い、受理層に御影石擬似模様の印刷層を形成させた。その後、100℃×30秒間乾燥させた。
表3に示す実施例又は比較例のクリヤー塗料を用い、上記で御影石擬似模様の印刷層を形成した石膏スラグバーライト板(基材)に対してエアレススプレーにて乾燥質量で32g/m2となるように塗装した。塗装後に120℃×15分間乾燥させ、印刷層の上にクリヤー層を形成し、実施例1〜10及び比較例1の意匠性建材を得た。
<意匠性の評価>
上記で得られた意匠性建材を目視で観察し、意匠性を下記の基準で評価した。
○:インクのにじみ又はハジキ等無く、明確な模様が形成されている。
△:多少のにじみはあるが、実用上問題ない程度に模様が形成されている。
×:インクのにじみ又はハジキが発生し、明確に模様が形成されていない。
<耐候性試験の評価>
上記で得られた意匠性建材について、下記の通り、メタルウェザーによる耐候性試験(サイクル数20)を実施した。
1サイクル:L→R→シャワー→D→シャワー。
L:波長295〜780nm、光エネルギー63mW/cm2(温度65℃、湿度70%)、
16時間照射。
R:照射無し(温度65℃、湿度70%)、2時間。
シャワー:純水10秒間散水。
D:照射無し(温度30℃、湿度98%以上)、6時間。
耐候性試験の結果を下記の基準で評価し、また、光沢保持率は、デジタル変角光沢計UGV−5D(スガ試験機株式会社製)にて測定した意匠性建材の表面の初期の60度鏡面光沢値と、耐候性試験後の60度鏡面光沢値との比率〔光沢保持率(%)=(耐候性試験後の光沢値/初期光沢値)×100〕により求めた。
○:塗膜外観及び形成された模様等に変化が認められず、光沢保持率は80%以上であった。
△:塗膜外観又は形成された模様等に軽微な変化が認められ、光沢保持率65%以上であった。
×:塗膜外観又は形成された模様等に激しい変化が認められ、光沢保持率は50%未満であった。
<耐温水性の評価>
50±1℃の温水中に30日間浸漬する耐温水性試験を行い、その後の状態を目視で観察して耐温水性を下記の3段階の基準で評価し、JIS K 5600-5-6の付着性(クロスカット法)に従い塗膜付着性試験を実施した。
○:塗膜外観及び形成された模様等に変化無く、層間剥離無し。
△:塗膜外観又は形成された模様等に変化軽微にあり、僅かに層間剥離が認められる。
×:塗膜外観又は形成された模様等に変化激しく、層間剥離が認められる。
<インク再溶解性>
インク再溶解性の評価試験は、意匠性建材の表面に直径10cmの筒状カップを載置し、意匠性建材とこの筒状カップとの間をシールし、筒状カップの中に3cmの高さまで水を入れ、23℃及び24時間の条件で放置し、意匠性建材の表面状態を目視観察した。
<凍害B法試験>
凍害B法試験(ASTM C666-B)においては、下記の3段階の基準で評価した。
○:異常なし。
△:混色部に微小の剥離が認められる。
×:混色部に剥離が認められる。
<耐メタル流れ性の評価>
上記で得られた各意匠性建材について、目視でメタル流れを観察し、メタル流れの発生程度を下記の3段階の基準で評価した。
○:メタル流れが殆ど認められない。
△:メタル流れが少し認められる。
×:メタル流れが多く認められる。
上記の各々の評価結果は第4表に示す通りであった。
Figure 2010234366
表4に示す評価結果から明らかなように、本発明の実施例に係る意匠性建材においては、クリヤー層がインクの受理層及びその上に形成された印刷層に対して優れた保護機能を発揮し、印刷層におけるインク滲みや層間剥離が可及的に改善され、これによって受理層、印刷層及びクリヤー層を含む意匠性建材全体の耐久性(耐水性、耐光性、及び耐候性)が顕著に改善されていることが分かる。また、本発明の実施例に係る意匠性建材は、耐メタル流れ性においても優れたものであった。これに対して、感熱ゲル化剤を含有しない水系クリヤー塗料を用いた比較例においては、受理層、印刷層及びクリヤー層を含む意匠性建材全体の耐久性(耐水性、耐光性、及び耐候性)に劣ると共に、耐メタル流れ性においても劣っていた。なお、上記の実施例2及び3において意匠性が△となっている理由はインクジェットプリンターにより模様付けした際の滲みによるものである。

Claims (14)

  1. 建築用の基材と、この基材の表面上にインクジェットプリンターにより水系インクを吐出して形成された印刷層と、この印刷層の上に結合剤と感熱ゲル化剤を含む水系クリヤー塗料を塗装して形成されたクリヤー層を有することを特徴とする意匠性建材。
  2. 水系クリヤー塗料が、固形分換算で、結合剤100質量部に対して感熱ゲル化剤を0.1〜12.0質量部の範囲で含む請求項1に記載の意匠性建材。
  3. 水系クリヤー塗料が、固形分換算で、結合剤100質量部に対して、光輝性顔料を0.1〜10.0質量部の範囲で含む請求項1又は2に記載の意匠性建材。
  4. 基材の表面には下塗り塗料を塗装して下塗り層が形成されており、印刷層がこの下塗り層を介して基材上に設けられている請求項1〜3のいずれかに記載の意匠性建材。
  5. 基材の表面には被印刷面形成用塗料を塗装して受理層が形成されており、印刷層がこの受理層を介して基材上に設けられている請求項1〜3のいずれかに記載の意匠性建材。
  6. 基材の表面には下塗り塗料を塗装して形成された下塗り層とこの下塗り層の上に被印刷面形成用塗料を塗装して形成された受理層とが設けられており、印刷層はこれら下塗り層と受理層を介して基材上に設けられている請求項1〜3のいずれかに記載の意匠性建材。
  7. 建築用の基材の表面上にインクジェットプリンターにより水系インクを吐出して印刷層を形成し、次いでこの印刷層の上に結合剤及び感熱ゲル化剤を含む水系クリヤー塗料を塗装してクリヤー層を形成することを特徴とする意匠性建材の製造方法。
  8. 水系クリヤー塗料の塗装は、形成された印刷層の乾燥処理後であってこの印刷層の温度が30〜80℃の範囲内にあるときに行う請求項7に記載の意匠性建材の製造方法。
  9. 水系クリヤー塗料の塗装は、スプレー塗装により行う請求項7又は8に記載の意匠性建材の製造方法。
  10. 水系クリヤー塗料が、固形分換算で、結合剤100質量部に対して感熱ゲル化剤を0.1〜12.0質量部の範囲で含む請求項7〜9に記載の意匠性建材の製造方法。
  11. 水系クリヤー塗料が、固形分換算で、結合剤100質量部に対して、光輝性顔料を0.1〜10.0質量部の範囲で含む請求項7〜10のいずれかに記載の意匠性建材の製造方法。
  12. 基材の表面には、下塗り塗料を塗装して下塗り層を形成し、この下塗り層の上に印刷層を形成する請求項7〜11のいずれかに記載の意匠性建材の製造方法。
  13. 基材の表面には、被印刷面形成用塗料を塗装して受理層を形成し、この受理層の上に印刷層を形成する請求項7〜11のいずれかに記載の意匠性建材の製造方法。
  14. 基材の表面には、下塗り塗料を塗装して下塗り層を形成し、次いでこの下塗り層の上に被印刷面形成用塗料を塗装して受理層を形成し、この受理層の上に印刷層を形成する請求項7〜11のいずれかに記載の意匠性建材の製造方法。
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