JP3137239B2 - 模様プレコートメタルの製造方法 - Google Patents

模様プレコートメタルの製造方法

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JP3137239B2
JP3137239B2 JP10279942A JP27994298A JP3137239B2 JP 3137239 B2 JP3137239 B2 JP 3137239B2 JP 10279942 A JP10279942 A JP 10279942A JP 27994298 A JP27994298 A JP 27994298A JP 3137239 B2 JP3137239 B2 JP 3137239B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は意匠性に優れた模様
PCM(プレコートメタル)の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、消費者の高級品志向やニーズの多
様化から家電製品、建材などの各種被塗物に文字や模様
などの装飾を付与して意匠性に優れた模様塗膜を形成す
るために、予め樹脂製フィルムに文字や模様を印刷した
ものを塗装が終了した表面に熱転写したり、着色剤の昇
華性を利用して移行させる方法やグラビア印刷、グラビ
アオフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、凸
版印刷などの印刷による方法などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、樹脂製
フィルムを利用し印刷部分を移行させる手法では、いず
れも工程数が多く、任意の模様を作業性よく、かつ再現
性よく形成することが困難であった。グラビア印刷など
の印刷による方法では柄ごとの版(またはメッシュ)が
必要であり、印刷柄の変更時に版(またはメッシュ)を
変更するため工数を費やし、少量生産における問題があ
った。本発明の目的は、意匠性に優れた模様塗膜を少な
い工程数で作業性よく、精度よく、かつ再現性よく形成
することのできる模様PCMの製造方法を提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討の結果、特定のポリエステ
ル樹脂系下塗塗料を塗布し、インクジェットプリンター
を用いて柄模様を設け、更に全面に特定のポリエステル
樹脂系上塗透明塗料を塗布することにより、上記の目的
が達成されることを見いだし、本発明を完成した。
【0005】即ち、本発明の模様PCMの製造方法は、
金属板の表面に数平均分子量2,000〜30,00
0、ガラス転移温度−10〜80℃のポリエステル樹脂
とアミノプラスト樹脂を含有する下塗塗料を塗布し、硬
化して硬化下塗塗膜を形成し、次いで該硬化下塗塗膜上
に、ジェットプリンターを用いて着色インクによる部分
的または全面の柄模様を設け、次いで該着色インクによ
る柄模様が設けられた硬化下塗塗膜上に、数平均分子量
2,000〜30,000、ガラス転移温度0〜80℃
のポリエステル樹脂とアミノプラスト樹脂を含有する上
塗透明塗料を塗布し、焼付硬化することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明の詳細を説明する。
【0007】本発明に使用される下塗塗料は、数平均分
子量2,000〜30,000、ガラス転移温度−10
〜80℃のポリエステル樹脂とその架橋剤であるアミノ
プラスト樹脂からなる結合剤を必須成分とし、これに溶
剤を添加し、着色顔料(メタリック顔料、パール顔料を
含む)、体質顔料、防錆顔料やその他の添加剤などを必
要に応じ配合したものである。前記ポリエステル樹脂は
多価カルボン酸類と多価アルコールとを常法に従って重
合することにより得られるものである。多価カルボン酸
としては、例えばオルソフタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、コ
ハク酸、マレイン酸あるいはこれらの無水物などが挙げ
られ、また多価アルコールとしては、例えばエチレング
リコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、トリメチロールプロパン、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,4−ペンタンジオール、プロピレングリコー
ル、グリセリン、ペンタエリストールなどが挙げられ
る。なお、ポリエステル樹脂の水酸基価は3〜150K
OHmg/gが好ましい。また、数平均分子量は2,0
00〜30,000であり、好ましくは5,000〜2
3,000である。数平均分子量が2,000未満の場
合、加工性が劣りPCM用塗料に適さない。逆に、3
0,000を越えると樹脂が溶剤に溶解し難く塗料化が
困難である。また、ガラス転移温度は−10〜80℃で
ある。ガラス転移温度が−10℃未満の場合、塗膜に傷
がつき易く、逆に80℃を越えると加工性が劣りPCM
用塗料に適さない。
【0008】前記アミノプラスト樹脂はメラミン、尿
素、ベンゾグアナミンなどのアミノ化合物とアルデヒド
化合物との縮合生成物あるいは該縮合生成物を更にメタ
ノール、ブタノールなどのアルコールでエーテル化した
ものである。
【0009】前記アミノプラスト樹脂は、ポリエステル
樹脂の水酸基と架橋させるために用いられる。ポリエス
テル樹脂の水酸基と反応する架橋剤としては、イソシア
ネートなどがあるが、塗料の安定性、塗膜物性(硬度)
や価格を考慮した場合アミノプラスト樹脂が最も好まし
い。
【0010】なお、ポリエステル樹脂とアミノプラスト
樹脂の固形分配合比率は重量基準で60/40〜90/
10が好ましく、また両者を含む結合剤の量は塗料中約
20〜60重量%であることが好ましい。
【0011】前記溶剤としてはトルエン、キシレン、メ
チルエチルケトン、酢酸エチルなどの通常の塗料用溶剤
が特に制限なく使用可能であるが、蒸発速度の小さい溶
剤を併用し、溶剤が急速に揮発しないようにしたものが
好ましい。この蒸発速度の小さい溶剤例を挙げると、セ
ロソルブ、ブチルセロソルブ、シクロヘキサノン、イソ
ホロンなどがある。溶剤量は塗布手段により任意に調整
すればよいが、通常塗料中に約30〜75重量%配合す
ることが好ましい。前記着色顔料としては酸化チタン、
亜鉛華、カーボンブラック、酸化鉄、黄鉛、酸化クロ
ム、フタロシアニンブルーなどの通常の塗料用着色顔料
が特に制限なく使用可能である。前記体質顔料としては
カオリン、沈降性硫酸バリウム、タルクなどの通常の塗
料用体質顔料が使用可能である。前記防錆顔料として
は、クロム酸ストロンチウム、リン酸亜鉛、トリポリリ
ン酸アルミニウムなどの通常の塗料用防錆顔料が使用可
能である。着色顔料、体質顔料、防錆顔料のトータル量
はその種類により異なるが、通常塗料中に約1〜40重
量%配合するのが好ましい。なお、必要に応じ通常用い
られる硬化触媒、分散剤、増粘剤、レベリング剤、消泡
剤などの添加剤を添加してもよい。更に、ポリエステル
樹脂との架橋剤としてアミノプラスト樹脂以外のものに
ついても塗料の安定性や塗膜物性が損なわない場合には
少量併用することも可能である。
【0012】また、本発明でジェットプリンターを用い
て柄模様を設ける際に使用する着色インクは透明着色イ
ンクあるいは不透明着色インクのいずれでもよい。
【0013】透明着色インクは、樹脂、透明性を阻害し
ない種類、量の着色剤(主として染料)及び溶剤を主成
分とするものであり、不透明着色インクは樹脂、着色剤
(染料や顔料など)及び溶剤を主成分とするものであ
り、それらの着色インクは粘度が2〜14mPa・s
(20℃)であることが好ましい。
【0014】着色インクを構成する上記の樹脂として
は、上記硬化下塗塗膜との密着性がよいものであれば特
に制限なく、従来からの公知のインク用樹脂を使用する
ことができる。具体的には、アルキッド樹脂系(ポリエ
ステル樹脂系含む)、アルキッドメラミン樹脂系、アク
リル樹脂系、アクリルメラミン樹脂系、アクリルエポキ
シ樹脂系、ビニル樹脂系、アクリルシリコーン樹脂系、
フッソ樹脂系、シリコーン樹脂系、塩素化樹脂系などの
各種の樹脂が代表的なものとして挙げられる。ポリエス
テル系の硬化下塗塗膜との密着性を考慮した場合、アル
キッド樹脂系(ポリエステル樹脂系含む)、アルキッド
メラミン樹脂系が好ましい。
【0015】着色インクを構成する上記着色剤として
は、艶消し剤を含む体質顔料、着色顔料、染料、パール
顔料、アルミフレークなどの各種の着色剤が挙げられる
が、次工程にて透明上塗塗料を全面に塗布し焼付乾燥さ
せるため、150℃以上での耐熱性のある顔料が好まし
い。
【0016】更に、着色インクを構成する上記溶剤とし
ては、比蒸発速度(酢酸ノルマルブチルを100とした
重量法による)が好ましくは10〜380、より好まし
くは40〜200の範囲である。上記範囲内の比蒸発速
度を有する溶剤としては、トルエン、キシレンなどの芳
香族炭化水素系溶剤;エチルアルコール、イソプロピル
アルコール、イソブチルアルコールなどのアルコール系
溶剤;酢酸ノルマルプロピル、酢酸ノルマルブチル、酢
酸イソブチルなどのエステル系溶剤;石油ベンジン、揮
発油などの脂肪族炭化水素系溶剤などが代表的なものと
して挙げられる。
【0017】本発明で使用する透明着色インクは、以上
に説明した樹脂、透明性を阻害しない種類、量の着色剤
及び溶剤を主成分とし、また不透明着色インクは、以上
に説明した樹脂、着色剤及び溶剤を主成分とし、更に必
要に応じて、電導度調整剤、界面活性剤などの各種の添
加剤を配合したものから構成される。これらの場合にお
ける各成分の割合は、樹脂4〜50重量%、着色剤1〜
30重量%、溶剤49〜95重量%が好ましい。この着
色インクは、上記の各成分を混合、攪拌した後、本発明
の方法で使用するインクジェットプリンターのノズルの
直径の約1/10以下のポアーサイズを有するフィルタ
ーを用いて濾過、精製したものが好ましく用いられる。
【0018】また、本発明で使用する着色インクは、粘
度が好ましくは2〜14mPa・s(20℃)、より好
ましくは4〜10mPa・s(20℃)である。着色イ
ンクの粘度が上記の範囲を外れると、ノズルから吐出さ
れるインクが正常なドット状のインク滴となりにくいの
で好ましくない。また、インクのその他の性状として
は、表面張力が20〜60ダイン/cmであり、比抵抗
が200〜300Ωcmであり、比重が0. 7〜3であ
るものが好ましい。
【0019】なお、本発明でいう硬化(下塗)塗膜と
は、着色インクを塗り重ねた際着色インク中の溶剤によ
り実質的に溶解しない程度以上、例えばゲル分率90%
以上に乾燥硬化した塗膜をいう。下塗塗膜の乾燥膜厚は
基材の種類、用途などにより任意に決定されるが、通常
10〜50μm程度が好ましい。次いで硬化下塗塗膜上
に、部分的または全面に、着色インクを模様状に塗布す
る。
【0020】なお、本発明でいう模様状とは、斑点状の
もの、ストライプ状のもの、文字状のもの、花柄などの
各種図柄状を包含している。本発明で使用するインクジ
ェットプリンターとしては、従来から公知のインクジェ
ットプリンターがあり、またその制御方式としては、例
えばオンディマンド方式、荷電制御方式、サーマルヘッ
ドによりインクを吐出させる方式が代表的なものとして
挙げられる。
【0021】次に、本発明の塗膜の形成方法をソレイド
バルブの開閉によるオンディマンド方式のインクジェッ
トプリンターを使用した一実施例について、図1及び図
2を参照して具体的に説明する。図において符号1は表
面に下層着色塗膜を施した基板aを載せて、前方に搬送
するコンベアであり、コンベア1の上方には、インクジ
ェットプリンター(全体は示されていない)のプリンタ
ー・ヘッド2が配備されており、プリンター・ヘッド2
には、コンベア1の巾方向全体に亘って、口径0. 1〜
0. 4mmの複数のノズル3が1〜5mmのピッチで下
向きに並列配置で設けられている。なお、プリンター・
ヘッド2は単一でコンベア1の巾に対応するようにして
もよいが、基板の大きさ(即ち、コンベアの巾)に応じ
て、プリンター・ヘッド2を複数個並べて配置してもよ
いことは勿論である。プリンター・ヘッド2には、イン
クタンク4内のインク5を送り込むためにポンプ6が接
続されていると共に、レリーフ弁7を介してインクタン
ク4が接続されている。
【0022】また、符号9はプリンター・ヘッド2の下
方に設けられたそれぞれのノズル3を開閉動作する弁で
あり、弁9はバルブ制御装置8で個別に制御されるよう
になっている。符号10は印刷すべき柄、模様に対応す
る柄パターンを記録したパターンデータの記憶部であ
り、符号11は記憶部10からインプットされたパター
ンデータに基づきバルブ制御装置8に制御信号を発する
制御部(コンピュータ)であり、また、符号12はコン
ベア1上の基板搬送路の両側に設けられた投光器13と
受光器14とからなる光電管式センサーであり、基板a
の通過を検知し、その検出信号を制御部11に送信する
ものである。符号15はコンベア1の駆動ロール16に
連結したエンコーダであって、例えば、2000分の3
60度の極小回転角毎に制御部11にパルスを送信する
ものである。なお、上記の説明はプリンター・ヘッド2
を固定した方式であるが、プリンター・ヘッド2を基板
aの巾方向あるいは進行方向に制御稼働させる方式でも
採用可能である。
【0023】次に、このような、制御系を含むインクジ
ェットプリンターを用いて基板表面を模様付けする本発
明方法の一例を説明する。基板aが1〜60m/分、好
ましくは3〜45m/分のスピードでコンベア1上を搬
送されてくると、基板aの前端部がコンベア1の所定位
置に到来したことをセンサー12が検出して、その信号
を制御部11に送信する。一方、コンベア1の作動に伴
い、エンコーダ15からはパルスが制御部11に発信さ
れている。制御部11はセンサー12からの信号により
上記パルスを計数し始め、そのパルス数が予め記憶させ
た設定値に至ると、その後、所定範囲(時間)で受け入
れたパルス数に応じて上記柄パターンについてのパター
ンデータを記憶部10から読み出し、それに基づく制御
信号(指令信号)を、逐次、バルブ制御装置8に送信
し、この信号によりバルブ制御装置8で弁9を個別に開
閉制御する。その結果、0. 1〜0. 5Kg/cm2
圧力でプリンター・ヘッド2中に送り込まれているイン
ク5が弁9の開口部を通過してノズル3から吐出され、
パターンデータに基づく模様を基板aの表面に描出させ
る。なお、基板aの表面とノズル3の先端との間には、
約0. 5〜4cmの距離を持たせてあるので、相互に接
触することがなく、従って基板表面に凹凸があっても、
模様の描出が支障なく行える。
【0024】また、多色の模様を形成したい場合には、
上記プリンター・ヘッド2をコンベア1の搬送方向に複
数段配置し、それぞれのプリンター・ヘッド2中に上記
の供給方法で異なる色のインクを供給し、それらのイン
クを上記と同様にして吐出させる。このことによって、
基板aの表面に多色の模様を描出させることが可能であ
る。
【0025】本発明の方法では、このようにしてインク
ジェットプリンターによって硬化下塗塗膜上に模様付け
を行う。次いで、上塗透明塗料を全面に塗り重ねるので
あるが、そのタイミングは、インク塗膜中の溶剤量が好
ましくは50重量%以下、より好ましくは10重量%以
下になった時である。インク塗膜中の溶剤量が50重量
%越える場合インクが上塗塗料によってリフティングが
発生し易くなり、印刷柄がにじむ問題が発生し易いため
好ましくない。
【0026】なお、使用するインクの溶剤量がもとから
前記範囲にあるものであれば、ジェットプリンターにて
印刷後ただちに上塗透明塗料を塗り重ねることも可能で
ある。
【0027】本発明で使用する上塗透明塗料としては、
着色顔料を配合しないかもしくは透明性を阻害しない程
度の少量配合する以外は、下塗塗料とほぼ同様の組成か
らなるものである。なお、上塗透明塗料で使用するポリ
エステル樹脂の水酸基価は3〜150KOHmg/gの
ものが好ましい。また、数平均分子量は2,000〜3
0,000であり、好ましくは5,000〜15,00
0である。数平均分子量が2,000未満の場合加工性
が劣る。逆に、30,000を越えると樹脂が溶剤に溶
解し難く塗料化が困難である。また、ガラス転移温度は
0〜80℃であり、好ましくは20〜60℃である。ガ
ラス転移温度が0℃未満の場合、塗膜に傷がつき易く、
逆に80℃を越えると加工性が劣る。
【0028】アミノプラスト樹脂の表面張力は40ダイ
ン/cm以下であることが好ましい。表面張力が40ダ
イン/cmを越えると着色インクの影響を受け易く、印
刷面に沿って凹凸が発生し易いため好ましくない。但
し、印刷面の凹凸が発生しない範囲においては、表面張
力が40ダイン/cmを越えるアミノプラスト樹脂を併
用することも可能である。
【0029】なお、ポリエステル樹脂とアミノプラスト
樹脂の固形分配合比率は重量基準で50/50〜80/
20が好ましく、また両者を含む結合剤の量は塗料中約
30〜60重量%が好ましい。
【0030】本発明において使用される金属板は、鉄、
溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、アルミニウ
ム、ステンレス鋼板などの一般的な金属のことであり、
通常PCM用に用いられる金属であればいずれも使用可
能である。
【0031】なお、これらの金属板は、必要に応じ金属
素材との密着性向上や耐食性向上のために通常に行われ
る脱脂処理、クロメート処理などの前処理、あるいはプ
ライマーなどを施したものであってもよい。
【0032】本発明の方法において、先ず必要に応じ予
熱した金属板表面に下塗塗料をロールコート、フローコ
ート、スプレー塗装などの通常の塗装手段により塗布
し、焼付乾燥せしめ硬化下塗塗膜を形成させる。焼付条
件は通常PMT(ピークメタル温度)180〜250
℃、30秒〜3分間程度が好ましい。下塗塗膜の平均乾
燥塗膜は10〜30μm程度が好ましく、10μm未満
であると塗膜の隠ぺい性不足による色調の問題や、加工
性の問題が起こり易く、30μmを越えるとワキなどの
成膜性に問題を生じ易いため好ましくない。
【0033】更に、ジェットプリンターを用いた模様塗
膜の形成方法は、コンベアなどにより搬送されている下
塗塗料を塗装した被塗物表面にインクを塗布すべき位置
をコンピュータに記憶させ、該コンピュータの制御信号
によってバルブ制御装置を駆動させてインクジェットプ
リンターのノズルからインク吐出を制御して柄模様を単
色、または複数色にて発生させる。
【0034】次いで、上塗透明塗料を、ロールコート、
フローコート、スプレー塗装などの通常の塗装手段によ
り塗布し、焼付乾燥し硬化上塗透明塗膜を形成させる。
焼付条件は通常PMT(ピークメタル温度)180〜2
50℃、30秒〜3分間程度が好ましい。上塗透明塗膜
の平均乾燥塗膜は2〜25μm程度が好ましい。2μm
未満であると印刷インクが上塗透明塗料で覆われにくい
ため、局部的なはじきを生じ易く好ましくない。25μ
mを越えるとワキなどの成膜性に問題を生じ易いため好
ましくない。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。なお、実施例中「部」、「%」は重量基準で示
す。使用する下塗塗料、着色インク、上塗透明塗料の組
成は次の通りである。
【0036】<金属板>厚さ0.5mmの亜鉛目付量3
0g/m2 の電気亜鉛メッキ鋼板(塗布型クロメート処
理したもの)を用いた。
【0037】<下塗塗料1> ポリエステル樹脂1(注1) 60.0部 アミノプラスト樹脂1(注2) 3.5 酸化チタン 21.0 酸化鉄黄 0.3 赤色酸化鉄 0.1 カーボンブラック 0.1 硬化触媒 0.2 添加剤 0.5 シクロヘキサノン 8.0 ソルベッソ#100(注3) 6.3
【0038】<下塗塗料2> ポリエステル樹脂2(注4) 44.0 アミノプラスト樹脂1 7.5 酸化チタン 18.0 酸化鉄黄 0.3 赤色酸化鉄 0.1 カーボンブラック 0.1 硬化触媒 0.15 添加剤 0.5 シクロヘキサノン 13.2 ソルベッソ#100 13.0
【0039】<下塗塗料3> ポリエステル樹脂3(注5) 64.0 アミノプラスト樹脂1 1.3 酸化チタン 29.5 酸化鉄黄 0.3 赤色酸化鉄 0.1 カーボンブラック 0.1 硬化触媒 0.15 添加剤 0.5 シクロヘキサノン 4.35
【0040】<着色インク1> アルキッド樹脂1(注6) 16.0 アミノプラスト樹脂2(注7) 5.3 酸化チタン 9.0 酸化鉄黄 0.4 赤色酸化鉄 0.2 カーボンブラック 0.3 酢酸ブチル 4.0 n−ブタノール 20.0 グリコールモノブチルエーテル 3.0 トルエン 30.0 キシレン 11.0 添加剤 0.8 からなる粘度4.1mPa・s(20℃)の組成物(溶
剤量77重量%)
【0041】<上塗透明塗料1> ポリエステル樹脂4(注8) 65.0 アミノプラスト樹脂3(注9) 12.5 硬化触媒 0.45 添加剤 0.6 ブチルセロソルブ 10.0 ソルベッソ#150(注10) 11.45
【0042】<上塗透明塗料2> ポリエステル樹脂5(注11) 70.0 アミノプラスト樹脂4(注12)18.8 硬化触媒 0.4 添加剤 0.6 ブチルセロソルブ 5.0 ソルベッソ#150 5.2
【0043】<上塗透明塗料3> ポリエステル樹脂4 65.0 アミノプラスト樹脂1 12.5 硬化触媒 0.45 添加剤 0.6 ブチルセロソルブ 10.0 ソルベッソ#150 11.45
【0044】<上塗透明塗料4> ポリエステル樹脂3 58.0 アミノプラスト樹脂1 4.0 硬化触媒 0.15 添加剤 0.6 イソホロン 20.0 ソルベッソ#150 17.25
【0045】(注1)「バイロン29CS」(東洋紡績
社製商品名)<固形分30%、数平均分子量23,00
0、ガラス転移温度72℃、水酸基価5KOHmg/g
> (注2)「サイメル303」(三井サイテック社製商品
名)<固形分100%,樹脂の表面張力40.7ダイン
/cm> (注3)芳香族系溶剤(シェル化学社製商品名) (注4)「バイロンGK59CS」(東洋紡績社製商品
名)<固形分50%、数平均分子量8,000、ガラス
転移温度15℃、水酸基価17KOHmg/g> (注5)「バイロン55CS」(東洋紡績社製商品名)
<固形分40%、数平均分子量30,000、ガラス転
移温度−16℃、水酸基価4KOHmg/g> (注6)「フタルキッド132−60」(日立化成工業
社製商品名)<固形分60%> (注7)「ユーバン20SE−60」(三井東圧化学社
製商品名)<固形分60%> (注8)「バイロンBP7210」(東洋紡績社製商品
名)<固形分45%、数平均分子量7,000、ガラス
転移温度51℃、水酸基価20KOHmg/g> (注9)「サイメル1156」(三井サイテック社製商
品名)<固形分100%、樹脂の表面張力30.5ダイ
ン/cm> (注10)芳香族系溶剤(シェル化学社製商品名) (注11)「バイロンGK15CS」(東洋紡績社製商
品名)<固形分40%、数平均分子量11,000、ガ
ラス転移温度20℃、水酸基価11KOHmg/g> (注12)「サイメル254」(三井サイテック社製商
品名)<固形分80%、樹脂の表面張力38.9ダイン
/cm>
【0046】なお、下塗塗料1〜3及び着色インク1
は、塗料組成物を調整するために、樹脂及び溶剤の一部
と顔料とを分散機に入れて分散させ、次いで樹脂、溶
剤、添加剤の残部を追加して塗料化した。上塗透明塗料
1〜4は、樹脂、溶剤、添加剤を混合し塗料化した。
【0047】下塗塗料は、塗装前に希釈溶剤(キシレン
/n−ブタノール/シクロヘキサノン/ソルベッソ#1
00=2/1/3/4の混合溶剤)にて粘度30秒(イ
ワタカップ#2/20℃)に調整したものをフローコー
ターにて膜厚15μmになるように塗装し、PMT23
2℃−60秒焼付塗装した。
【0048】次いで、ジェットプリンターによる着色イ
ンクを条件<ノズル口径0.2mm,ノズルピッチ0.
2mm、インク塗布量18g/m2 (Wet)、ノズル
基板距離20mm>にて大理石調の印刷をした。70℃
−2分セッティングし着色インクの溶剤量が10%重量
%以下にした。
【0049】次いで、上塗透明塗料は塗装前に希釈溶剤
(キシレン/n−ブタノール/シクロヘキサノン/ソル
ベッソ#100=2/1/3/4の混合溶剤)にて粘度
30秒(イワタカップ#2/20℃)に調整したものを
フローコーターにて膜厚15μmになるように塗装し、
PMT216℃−90秒焼付塗装した。
【0050】<評価方法>実施例1〜3及び比較例1〜
2で得られた塗装板について意匠性、鉛筆硬度、加工性
について下記の試験方法に従って評価した。結果は表1
に示す。
【0051】(意匠性)塗膜外観を目視判定した。
【0052】 ○:大理石調の模様にて、外観異常なし ×:その他
【0053】(鉛筆硬度)鉛筆のしんで塗膜を引っかい
て塗膜の硬さを調べ、塗膜にキズが付かない鉛筆の濃度
記号で表した(20℃にて評価した)。
【0054】(加工性)塗装面を外側にし、U字曲げし
た後、内側にn枚の同一厚さのサンプル板を挟み、プレ
スなどで押し潰す。曲げR部分のクラックの状態を10
倍ルーペで観察し、クラックのない最小の挟み込み枚数
を評価値とする。この試験は一定の温度(ここでは20
℃)で行う。
【0055】前記比較試験結果より明らかな通り、本発
明の模様プレコートメタルの製造方法である、実施例
1,2は、意匠性が良好であった。これに対して、下塗
塗料にガラス転移温度が−10℃未満のポリエステル樹
脂を用い、上塗塗料にガラス転移温度が0℃未満のポリ
エステル樹脂を用いた比較例1、上塗塗料にガラス転移
温度が0℃未満のポリエステル樹脂を用いた比較例2
は、ゆず肌的な凹凸が発生し、意匠性が不良であった。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】以上の通り、本発明の模様PCMは、意
匠性に優れたPCMである。
【図面の簡単な説明】
【図1】着色インクによる柄模様を形成するのに用いる
インクジェットプリンターと、その制御系の概略構成図
である。
【図2】上記インクジェットプリンター及び搬送用コン
ベアーの概略側面図である。
【符号の説明】
1 コンベア 2 プリンター・ヘッド 3 ノズル 4 インクタンク 8 バルブ制御装置 10 パターンデータの記憶部 11 制御部(コンピューター) a 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B32B 15/08 B32B 15/08 H (56)参考文献 特開 平5−138122(JP,A) 特開 平5−7839(JP,A) 特開 平10−128231(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05D 1/00 - 7/26 B32B 15/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板の表面に数平均分子量2,000
    〜30,000、ガラス転移温度−10〜80℃のポリ
    エステル樹脂とアミノプラスト樹脂を含有する下塗塗料
    を塗布し、硬化して硬化下塗塗膜を形成し、次いで該硬
    化下塗塗膜上に、ジェットプリンターを用いて着色イン
    クによる部分的または全面の柄模様を設け、次いで該着
    色インクによる柄模様が設けられた硬化下塗塗膜上に、
    数平均分子量2,000〜30,000、ガラス転移温
    度0〜80℃のポリエステル樹脂とアミノプラスト樹脂
    を含有する上塗透明塗料を塗布し、焼付硬化することを
    特徴とする模様プレコートメタルの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記上塗透明塗料に用いるアミノプラス
    ト樹脂の表面張力が、40ダイン/cm以下である請求
    項1に記載の模様プレコートメタルの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記着色インクの溶剤量が50重量%以
    下になった後、前記着色インクによる柄模様が設けられ
    た硬化下塗塗膜上に、前記上塗透明塗料を塗布する請求
    項1または2に記載の模様プレコートメタルの製造方
    法。
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