JP2005238035A - 化粧板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】表面に凹凸を有する基材表面に意匠性に優れた模様塗膜層を容易に、能率よく且つ精度よく描画でき、しかも耐久性に優れた化粧板の製造方法を提供すること。
【解決手段】活性水素を有する化合物及びポリイソシアネート化合物を樹脂成分とする下塗塗料を表面に凹凸を有する基材の該凹凸表面に塗布し、該塗布した下塗塗料の反応率が20〜80%の状態で該下塗塗料上にインクジェットプリンターを用いて粘度が1〜14mPa・s(20℃)の着色インクを模様状に塗布して模様塗膜を形成し、該模様塗膜の全面にクリヤー塗料を塗装することにより表面に凹凸を有する化粧板を製造する。
【選択図】 なし
【解決手段】活性水素を有する化合物及びポリイソシアネート化合物を樹脂成分とする下塗塗料を表面に凹凸を有する基材の該凹凸表面に塗布し、該塗布した下塗塗料の反応率が20〜80%の状態で該下塗塗料上にインクジェットプリンターを用いて粘度が1〜14mPa・s(20℃)の着色インクを模様状に塗布して模様塗膜を形成し、該模様塗膜の全面にクリヤー塗料を塗装することにより表面に凹凸を有する化粧板を製造する。
【選択図】 なし
Description
本発明は表面に凹凸を有する化粧板の製造方法に関し、より詳しくは表面に凹凸を有し且つ意匠性に優れた模様塗膜を有する化粧板を容易に製造することができる化粧板の製造方法に関する。
従来、建築物の内壁用化粧板、外壁用化粧板に模様を付ける方法は種々知られている。内壁用化粧板としては、基材の表面にアルカリ防止処理及び強化処理を施し、該処理層の表面にグラビア印刷した化粧紙を接着剤で貼り合わせ、該化粧紙の表面に不飽和ポリエステル樹脂を塗布したものがある。この場合にはこの化粧紙により多色の模様を表現することができるが、平面的であって変化に乏しく、また化粧紙の印刷、接着剤での貼り合わせといった手間とコストがかかっていた。
また、上記の化粧板を建築物の内壁として取付けた場合に、裏面又は側端面から水分が浸入すると、基材に含まれているアルカリ分を溶かしてアルカリ防止処理層を透過し、化粧紙に滲みだすので、化粧紙にカビや汚れが生じ、変色させることになる。従って、長期間の経過後には化粧板の表面が著しく汚れるばかりでなく、劣化し、また化粧紙が基材から剥離するという問題があった。
これらの問題点を解決する目的で基材表面に活性水素を有する化合物及びポリイソシアネート化合物を樹脂成分とするベースコートを塗布した後、該ベースコートの反応率が20〜80%の状態で、そのベースコートの上に転写シートを用いて模様塗膜層を転写する方法(特許文献1参照)やそのベースコートの上にスクリーン印刷により模様塗膜を形成する方法(特許文献2参照)があるが、転写シートを用いる場合には模様塗膜が硬化した後に転写シートを剥離する工程が必要であり、また何れの方法でも表面に凹凸を有する基板に模様塗膜を形成することは極めて困難である。
外壁用化粧板としては、レンガやタイルあるいは自然石を並べて積み上げた様な外観を呈するものが好まれ、普及する傾向が増大している。そのような外観を有する化粧板の生産においては、未硬化の状態にある水硬性板材の表面を、レンガ、タイル、自然石肌等を表現する凹凸模様が形成されている型板を介してプレス機で押圧してそれらの凹凸模様を該板材表面に形成し、次いで硬化養生し、その後公知の塗装機等で塗装して化粧板を作製している。しかしながら、このような方法で得られた化粧板はその表面化粧が単一色であるか、又は高低差を利用した2色仕上げであるかのいずれかであり、いずれも本物のレンガやタイルあるいは自然石からなる建築材料の外観とは全く異なり、意匠性に乏しいという問題があった。
本発明は、上記のような諸問題を解決するものであり、表面に凹凸を有する基材表面に意匠性に優れた模様塗膜層を容易に、能率よく且つ精度よく描画でき、しかも耐久性に優れた化粧板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討の結果、活性水素を有する化合物及びポリイソシアネート化合物を樹脂成分とする下塗塗料を用い、該下塗塗料の反応率が20〜80%の状態で下塗塗料上にインクジェットプリンターを用いて模様印刷層を形成し、クリヤー塗料を塗装することにより上記目的が達成されることを見いだし、本発明に到達した。
即ち、本発明の表面に凹凸を有する化粧板の製造方法は、活性水素を有する化合物及びポリイソシアネート化合物を樹脂成分とする下塗塗料を表面に凹凸を有する基材の該凹凸表面に塗布し、該塗布した下塗塗料の反応率が20〜80%の状態で該下塗塗料上にインクジェットプリンターを用いて粘度が1〜14mPa・s(20℃)の着色インクを模様状に塗布して模様塗膜を形成し、該模様塗膜の全面にクリヤー塗料を塗装することを特徴とする。
また、本発明の表面に凹凸を有する化粧板の製造方法は、活性水素を有する化合物及びポリイソシアネート化合物を樹脂成分とする下塗塗料を表面に凹凸を有する基材の該凹凸表面に塗布し、該塗布した下塗塗料の反応率が20〜80%の状態でコンベアにより搬送させながら、該下塗塗料上にインクジェットプリンターを用いて粘度が1〜14mPa・s(20℃)の着色インクを模様状に塗布して模様塗膜を形成し、この際に該着色インクの塗布を、コンピュータに記憶させた基板上への着色インクの塗布位置のデータに基づく制御信号によってインクジェットプリンターのバルブ制御装置を駆動させてノズルからのインク吐出を制御することによって実施し、該模様塗膜の全面にクリヤー塗料を塗装することを特徴とする。
本発明の化粧板の製造方法においては、表面に凹凸を有する基材表面に意匠性に優れた模様塗膜層を容易に、能率よく且つ精度よく描画でき、しかも耐久性に優れた化粧板を製造することができる。
以下、本発明の表面に凹凸を有する化粧板の製造方法について詳細に説明する。
本発明で用いる表面に凹凸を有する基板として鋼板、非鉄金属板、無機建材、木質材料、プラスチック、紙、ガラス等を挙げることができる。非鉄金属板として、例えば、アルミニウム板、銅板、それらの合金板を挙げることができる。また、無機建材として、例えば、石綿スレート板、ケイカル板、石膏スラグ板、押し出し成形石綿セメント板、GRC板、石膏ボード、モルタル板、軽量気泡コンクリート板、ロックウール板、ガラス板、セラミック板を挙げることができる。また、この凹凸の形状は幾何学的な凹凸形状であっても、レンガ、タイル、自然石肌等を表現する凹凸形状であってもよい。
本発明で用いる表面に凹凸を有する基板として鋼板、非鉄金属板、無機建材、木質材料、プラスチック、紙、ガラス等を挙げることができる。非鉄金属板として、例えば、アルミニウム板、銅板、それらの合金板を挙げることができる。また、無機建材として、例えば、石綿スレート板、ケイカル板、石膏スラグ板、押し出し成形石綿セメント板、GRC板、石膏ボード、モルタル板、軽量気泡コンクリート板、ロックウール板、ガラス板、セラミック板を挙げることができる。また、この凹凸の形状は幾何学的な凹凸形状であっても、レンガ、タイル、自然石肌等を表現する凹凸形状であってもよい。
本発明で用いる下塗塗料は、活性水素を有する化合物及びポリイソシアネート化合物を樹脂成分として含有し、通常、従来から公知の各種塗料に用いられている着色顔料、体質顔料等の顔料類、有機溶剤、水等の溶媒及び各種添加剤等を含有することができる。
本発明で用いる活性水素を有する化合物としてポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリウレタンポリオール等を挙げることができる。
上記のポリエーテルポリオールとして、例えば、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール)又はアルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン)をポリオール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、シュークロース)に付加せしめて得られるものを挙げることができる。
上記のポリエーテルポリオールとして、例えば、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール)又はアルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン)をポリオール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、シュークロース)に付加せしめて得られるものを挙げることができる。
上記のポリエステルポリオールとして、例えば、多塩基酸(例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラクロルフタル酸、テトラブロムフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ハイミック酸、ヘット酸、コハク酸、マレイン酸、フマール酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデセニルコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸)又はその無水物と多価アルコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ビスフェノールA)との縮合反応により得られるポリエステルポリオール、上記多価アルコールとエポキシ化合物(例えば、n−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル)と上記多塩基酸との反応によって得られるポリエステルポリオール、上記エポキシ化合物と上記多塩基酸との反応によって得られるポリエステルポリオール、高級脂肪酸(例えば、大豆油、アマニ油、サフラワー油、ヤシ油、脱水ヒマシ油、キリ油、ロジン)と上記多塩基酸と上記多価アルコールとの反応により得られるアルキッド型ポリオール、ε−カプロラクタムと上記多価アルコールとを開環重合させて得られる重合型ポリエステルポリオール等を挙げることができる。
上記のアクリルポリオールとして、例えば、水酸基を有するエチレン性不飽和モノマー(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート)を必須単量体とし、必要に応じてその他の単量体(例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート)を併用して重合反応により得られるものを挙げることができる。
上記のポリウレタンポリオールとして、例えば、イソシアネート化合物(例えば、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1−メチル−2,4−ジイソシアネートシクロヘキサン、1−メチル−2,6−ジイソシアネートシクロヘキサン、ω,ω′−ジイソシアネートジエチルベンゼン、ω,ω′−ジイソシアネートメチルアミノトルエン、ω,ω′−ジイソシアネートジメチルキシレン、ω,ω′−ジイソシアネートジエチルキシレン、リジンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、4,4′−エチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ω,ω′−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω′−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、トリフェニルメタントリイソシアネート)又はその多量体とこれらに対して過剰量の低分子ポリオール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチルグリコール、ネオペンチルグリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、グリセリン、ソルビトール、ソルビタン、シュークロース、ペンタエリスリトール等)との付加反応によって得られるポリウレタンポリオール、前記のようなポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、重合型ポリエステルポリオール及びアクリルポリオールの中で比較的低分子量のポリオール化合物とモノイソシアネート、ジイソシアネート、トリイソシアネートのようなイソシアネート化合物との付加反応によって得られるポリウレタンポリオール等を挙げることができる。
また、本発明で用いる活性水素を有する化合物は、その骨格中に不飽和二重結合を有していても良く、具体例として、アリルアルコール、アクリル酸、メタクリル酸、3−シクロヘキセンメタノール、テトラヒドロフタル酸等を挙げることができる。
上記のような活性水素を有する化合物であればどのようなものでも用いることができ、それらは単独で用いても2種以上を併用しても良い。
上記のような活性水素を有する化合物であればどのようなものでも用いることができ、それらは単独で用いても2種以上を併用しても良い。
本発明で用いるポリイソシアネート化合物として、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同じ)6〜20の芳香族ポリイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート及びこれらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物等)を挙げることができる。
このようなポリイソシアネートの具体例として1,3−及び1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン−2,4′−及び/又は−4,4′−ジイソシアネート(MDI)、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート、アニリン−ホルムアルデヒドの縮合後にホスゲン化することにより得られるポリフェニレンポリイソシアネート(PAPI)、m−及びp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,3,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、ビス(2−イソシアネートエチル)カーボネート、2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート等の脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート等の脂環式ポリイソシアネート;キシリレンジイソシアネート、ジエチルベンゼンジイソシアネート等の芳香脂肪族ポリイソシアネート;ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、ウレタン変性TDI等のポリイソシアネートの変性物を挙げることができる。これらのポリイソシアネートは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明でいう「活性水素を有する化合物及びポリイソシアネート化合物を樹脂成分とする下塗塗料の反応率」は、塗膜中に存在する未反応イソシアネート量を定量することにより求められる。
Lambert−Beerの法則によると、ある波数の光に対する溶液の吸光度Aは光を吸収する物質の濃度C及び光の通過距離(光路長)Lに比例する。すなわち、
A=k×C×L (1)
(kは濃度に無関係な値でモル吸光係数と呼ばれる)。
A=k×C×L (1)
(kは濃度に無関係な値でモル吸光係数と呼ばれる)。
また、入射光の強さをI0 、透過光の強さをIとすると、吸光度は自然対数で
ln(I0/I)=k×C×L (2)
で表わされる。今、波数a、bの光を吸収する成分が溶液中にある場合、
Aa=ka×Ca×La (3)
Ab=kb×Cb×Lb (4)
で表わされる。ところが、同一試料においてその分子構造により吸収が起こるときの二波数の吸収度の比は、La≒Lb(ka/kb)=const.であるので、
Aa/Ab=K(Ca/Cb) (5)
となる。このことによりCb が一定になる場合には吸収度を求めることにより、Ca なる成分の濃度を敏速に知ることが可能になる。
ln(I0/I)=k×C×L (2)
で表わされる。今、波数a、bの光を吸収する成分が溶液中にある場合、
Aa=ka×Ca×La (3)
Ab=kb×Cb×Lb (4)
で表わされる。ところが、同一試料においてその分子構造により吸収が起こるときの二波数の吸収度の比は、La≒Lb(ka/kb)=const.であるので、
Aa/Ab=K(Ca/Cb) (5)
となる。このことによりCb が一定になる場合には吸収度を求めることにより、Ca なる成分の濃度を敏速に知ることが可能になる。
ウレタン塗料の硬化においては、主として、
R・NCO+R′OH→R・NHCOOR′ (6)
の反応によってウレタンが生成する。即ち、分子構造の変化としては反応の進行と共にイソシアネート基及びオキシ基の濃度が減少し、一方ではウレタン結合が生成する。また、炭化水素による鎖状部分は全く変化しないこととガス発生等による減量がないことから(5)式を適用することが可能である。
R・NCO+R′OH→R・NHCOOR′ (6)
の反応によってウレタンが生成する。即ち、分子構造の変化としては反応の進行と共にイソシアネート基及びオキシ基の濃度が減少し、一方ではウレタン結合が生成する。また、炭化水素による鎖状部分は全く変化しないこととガス発生等による減量がないことから(5)式を適用することが可能である。
ウレタン結合試料の赤外線吸収スペクトルにおける特徴的な吸収として、OH及びNHによる吸収、CH2 結合による吸収、NCOによる吸収、ウレタン結合による吸収が認められる。特に、NCOによる吸収の強度の変化から活性水素化合物との反応を追跡することができる。
ところで、特性吸収のうちCH2 結合による吸収は反応によっても変化しない吸収であり、この吸収を標準吸収として(5)式よりイソシアネート基の変化量を比較法で求めることができる。
すなわち、図1に示すように特性吸収の肩を結ぶベースラインを引き、(7)式に従って透過率を求める。
%T=(T1 /T0)×100 (7)
%Tは(8)式により吸光度に変換できる。
A=2−log%T (8)
2950cm-1 でのCH2 結合の吸光度をACH2 、2260cm-1 でのNCOの吸光度をANCO で表わすと(9)式により吸光度が得られる。
AR=ANCO/ACH2 (9)
この吸光度比を比較することによりイソシアネート基の変化量を知ることができる。
%T=(T1 /T0)×100 (7)
%Tは(8)式により吸光度に変換できる。
A=2−log%T (8)
2950cm-1 でのCH2 結合の吸光度をACH2 、2260cm-1 でのNCOの吸光度をANCO で表わすと(9)式により吸光度が得られる。
AR=ANCO/ACH2 (9)
この吸光度比を比較することによりイソシアネート基の変化量を知ることができる。
しかしながら、以上に説明した赤外線吸収法による定量はすべて透過法によるスペクトルによって行なわれているので、塗膜のような固体試料では容易には粉末にできず、また多くの場合着色されているので、透過法によるスペクトル測定は困難である。
そこで、赤外線吸収法と同様のスペクトルが得られる赤外全反射スペクトル法(ATR法)が採用される。ATR法というのは、従来の透過法では試料を置くところにプリズムを置き、このプリズムに赤外線を投射するとプリズム底面で全反射し光束エネルギーの一部が反射面からはみだした状態が得られる。そして、プリズムに密着させた試料に赤外波長領域の吸収をもっている場合、その波長の赤外線は一部吸収される。したがって、ATR法でも前記赤外線吸収法と同様のスペクトルが得られる。
本発明では、下塗塗料の反応率が20〜80%、好ましくは25〜75%の状態で該下塗塗料上にインクジェットプリンターを用いて着色インクを模様状に塗布する。下塗塗料の反応率が20%未満の状態で着色インクを塗布した場合には、下塗塗料が未硬化で流動性であるので、塗布した着色インクが下塗塗料と共に動き、鮮鋭性等の点で外観が劣ることになる傾向があるので好ましくない。逆に、下塗塗料の反応率が80%を超えた状態で着色インクを塗布した場合には、下塗塗膜への着色インクの浸透性が悪くてニジミが発生し、また、下塗塗膜とインクとの密着性が低下する傾向があるので好ましくない。
本発明で使用する着色インクは粘度が1〜14mPa・s(20℃)、より好ましくは2〜10mPa・s(20℃)のものである。着色インクの粘度が上記の範囲から外れると、ノズルから吐出される着色インクが正常なドット状のインク滴となりにくいので好ましくない。また、着色インクのその他の性状については、表面張力が20〜60ダイン/cmであり、比重が0.7〜3であるものが好適である。
本発明で使用する着色インクは透明着色インクあるいは不透明着色インクの何れでもよい。透明着色インクは樹脂、透明性を阻害しない種類、量の着色剤(主として染料)及び溶剤を主成分とするものであり、不透明着色インクは樹脂、着色剤及び溶剤を主成分とするものである。
着色インクを構成する上記の樹脂として、上記の下塗塗料(下塗塗膜)との密着性がよいものであれば特に制限はなく、従来から公知のインク用樹脂を使用することができる。具体的には、アルキッド樹脂系(ポリエステル樹脂系)、アルキッドメラミン樹脂系、アクリル樹脂系、アクリルメラミン樹脂系、アクリルエポキシ樹脂系、ビニル樹脂系、アクリルシリコーン樹脂系、フッ素樹脂系、シリコーン樹脂系、塩素化樹脂系等の各種の樹脂を代表的なものとして挙げることができる。
着色インクを構成する上記の着色剤として、艶消し剤を含む体質顔料、着色顔料、染料、パール顔料、アルミフレーク等の各種の着色剤を挙げることができる。更に、着色インクを構成する上記の溶剤としては、比蒸発速度(酢酸正ブチルを100とした質量法による)が好ましくは50〜380、より好ましくは80〜200の範囲のものを使用する。上記の範囲内の比蒸発速度を有する溶剤として、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;エチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール系溶剤;ブチルセロソルブ等のエーテルアルコール系溶剤;酢酸正プロピル、酢酸正ブチル、酢酸第二ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系溶剤;石油ベンジン、ゴム揮発油等の脂肪族炭化水素系溶剤等を代表的なものとして挙げることができる。なお、本発明においては、上記範囲内の比蒸発速度を有する溶剤を主体とし、上記範囲外の比蒸発速度を有する溶剤を全溶剤基準で20質量%以下の範囲の量で併用しても良好な結果が得られる。
本発明で使用する着色インクの各成分の割合については、樹脂4〜50質量%、着色剤1〜30質量%、溶剤49〜95質量%であることが適当である。本発明で使用する着色インクは、必要に応じて、電導度調整剤、界面活性剤等の各種の添加剤を含有することができる。本発明で使用する着色インクは、上記の各成分を混合、攪拌した後、本発明で使用するインクジェットプリンターのノズルの直径の約1/10以下のポアーサイズを有するフィルターを用いて濾過、精製したものであることが好ましい。
本発明においては、インクジェットプリンターを用いて着色インクを模様状に塗布して模様塗膜を形成するのであるが、この模様状は、斑点状のもの、ストライプ状のもの、文字状のもの、花柄等の各種図柄状のもの等を包含する。
本発明においては、インクジェットプリンターとして、従来から公知のインクジェットプリンターを使用することができ、またその制御方式としては、例えば、オンディマンド方式、荷電制御方式、サーマルヘッドによりインクを吐出させる方式が代表的なものとして挙げられる。
次に、ソレイドバルブの開閉によるオンディマンド方式のインクジェットプリンターを使用した模様塗膜の形成方法の一実施例を図2及び図3を参照して具体的に説明する。図2及び図3において符号1は表面に凹凸を有する基板aを載せて前方に搬送するコンベアである。活性水素を有する化合物及びポリイソシアネート化合物を樹脂成分とする下塗塗料を基板aの凹凸表面に塗布し、該塗布した下塗塗料の反応率が20〜80%の状態になったものをこのコンベアによりインクジェットプリンターの位置にくるようにする。コンベア1の上方には、インクジェットプリンター(全体は示されていない)のプリンター・ヘッド2が配備されており、プリンター・ヘッド2には、コンベア1の巾方向全体に亘って、口径0.1〜0.4mmの複数のノズル3が1〜5mmのピッチで下向きに並列配置で設けられている。なお、プリンター・ヘッド2は単一でコンベア1の巾に対応するようにしてもよいが、基板の大きさ(即ち、コンベアの巾)に応じて、プリンター・ヘッド2を複数個並べて配置してもよいことは勿論である。プリンター・ヘッド2には、インクタンク4内のインク5を送り込むためにポンプ6が接続されていると共に、レリーフ弁7を介してインクタンク4が接続されている。
また、符号9はプリンター・ヘッド2の下方に設けられたそれぞれのノズル3を開閉動作する弁であり、弁9はバルブ制御装置8で個別に制御されるようになっている。符号10は印刷すべき柄、模様に対応する柄パターンを記録したパターンデータの記憶部であり、符号11は記憶部10からインプットされたパターンデータに基づきバルブ制御装置8に制御信号を発する制御部(コンピュータ)であり、また、符号12はコンベア1上の基板搬送路の両側に設けられた投光器13と受光器14とからなる光電管式センサーであり、基板aの通過を検知し、その検出信号を制御部11に送信するものである。符号15はコンベア1の駆動ロール16に連結したエンコーダであって、例えば、2000分の360度の極小回転角毎に制御部11にパルスを送信するものである。なお、上記の説明はプリンター・ヘッド2を固定した方式であるが、プリンター・ヘッド2を基板aの巾方向あるいは進行方向に制御稼働させる方式でも採用可能である。
次に、このような、制御系を含むインクジェットプリンターを用いて基板表面を模様付けする方法の一例を説明する。基板aが1〜60m/分、好ましくは3〜45m/分のスピードでコンベア1上を搬送されてくると、基板aの前端部がコンベア1の所定位置に到来したことをセンサー12が検出して、その信号を制御部11に送信する。一方、コンベア1の作動に伴い、エンコーダ15からはパルスが制御部11に発信されている。制御部11はセンサー12からの信号により上記パルスを計数し始め、そのパルス数が予め記憶させた設定値に至ると、その後、所定範囲(時間)で受け入れたパルス数に応じて上記柄パターンについてのパターンデータを記憶部10から読み出し、それに基づく制御信号(指令信号)を、逐次、バルブ制御装置8に送信し、この信号によりバルブ制御装置8で弁9を個別に開閉制御する。その結果、0.1〜0.5Kg/cm2 の圧力でプリンター・ヘッド2中に送り込まれているインク5が弁9の開口部を通過してノズル3から吐出され、パターンデータに基づく模様を基板aの表面に描出させる。なお、基板aの表面とノズル3の先端との間には、約0.5〜4cmの距離を持たせてあるので、相互に接触することがなく、従って基板表面に凹凸があっても、模様の描出が支障なく行える。
また、多色の模様を形成したい場合には、上記プリンター・ヘッド2をコンベア1の搬送方向に複数段配置し、それぞれのプリンター・ヘッド2中に上記の供給方法で異なる色のインクを供給し、それらのインクを上記と同様にして吐出させる。このことによって、基板aの表面に多色の模様を描出させることが可能である。本発明では、このようにしてインクジェットプリンターによって基板表面に模様付けを行ない、その後乾燥させる。
本発明においては、得られた基板表面の耐汚染性、耐摩耗性を更に改善するために更にクリヤー塗料を塗装することが好ましい。このクリヤー塗料は通常のスプレー、静電霧化、ロールコーター、フローコーター等の手段により塗装することができる。
本発明で用いるクリヤー塗料としては、前記の下塗塗料塗膜との密着性、模様塗膜を形成するインクとの密着性の良いものであれば特に制限はなく、従来から公知のクリヤー塗料から適宜選定することができる。具体的には、アルキッドメラミン樹脂系、ポリエステルメラミン樹脂系、ウレタン樹脂系、アクリルウレタン樹脂系、アクリルエポキシ樹脂系、アクリルメラミン樹脂系、アクリルシリコーン樹脂系、アクリルフッ素樹脂系、フッ素樹脂系、シリコーン樹脂系等の結合剤を使用した焼付型、常乾型、活性エネルギー線硬化型等の有機溶剤系、水系、無溶剤系等、従来から公知のクリヤー塗料(カラークリヤー塗料も含む)を用いることができ、更に、単量体組成中に水酸基官能性アクリル樹脂やメチル化メラミン−ホルムアルデヒド樹脂のようなアミノ系架橋剤を配合して得た樹脂、アミノアルキド樹脂等を主成分とする塗料を用いることも勿論可能である。
以下に、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明する。実施例1〜2及び比較例1〜4においては、下記の着色インクを用いた。なお、実施例及び比較例中の「部」及び「%」は質量を基準として示す。
<着色インク1>
アクリルウレタンオリゴマー(イソホロンジイソシアネート1モルと2−ヒドロキシエチルアクリレート2モルとを常法により付加反応させて得た平均分子量500のアクリルウレタンオリゴマー)15.5部、2−エチルヘキシルメタクリレート20.6部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスホンオキサイド0.8部及び2.6部のSolvent Yellow 88からなる粘度4.3mPa・s(20℃)の組成物。
アクリルウレタンオリゴマー(イソホロンジイソシアネート1モルと2−ヒドロキシエチルアクリレート2モルとを常法により付加反応させて得た平均分子量500のアクリルウレタンオリゴマー)15.5部、2−エチルヘキシルメタクリレート20.6部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスホンオキサイド0.8部及び2.6部のSolvent Yellow 88からなる粘度4.3mPa・s(20℃)の組成物。
<着色インク2>
アクロナールYJ3031(アクリル樹脂エマルジョン、固形分49±2%、三菱化学BASF社製商品名)5部、EMカラーエロー(水分散顔料、黄褐、粒度60μm以下、東洋インキ社製商品名)6.7部、EMカラーブラック(カーボンブラック易分散顔料、 黒、粒度50μm以下、東洋インキ社製商品名)1.2部、消泡剤0.1部、水67部からなる粘度4.7mPa・s(20℃)の組成物。
アクロナールYJ3031(アクリル樹脂エマルジョン、固形分49±2%、三菱化学BASF社製商品名)5部、EMカラーエロー(水分散顔料、黄褐、粒度60μm以下、東洋インキ社製商品名)6.7部、EMカラーブラック(カーボンブラック易分散顔料、 黒、粒度50μm以下、東洋インキ社製商品名)1.2部、消泡剤0.1部、水67部からなる粘度4.7mPa・s(20℃)の組成物。
<着色インク3>
アクリディック56−1128(アクリル樹脂、酸価1未満、加熱残分50.0±1%、大日本インキ化学工業社製商品名)28.0部、酸化鉄黄0.6部、酸化鉄錆0.2部、カーボンブラック0.4部、酸化チタン0.4部、酸化珪素0.1部、添加剤0.3部、ゴム揮発油10.0部、トルエン12.0部及び石油ベンゼン38.0部からなる粘度17.6mPa・s(20℃)の組成物。
アクリディック56−1128(アクリル樹脂、酸価1未満、加熱残分50.0±1%、大日本インキ化学工業社製商品名)28.0部、酸化鉄黄0.6部、酸化鉄錆0.2部、カーボンブラック0.4部、酸化チタン0.4部、酸化珪素0.1部、添加剤0.3部、ゴム揮発油10.0部、トルエン12.0部及び石油ベンゼン38.0部からなる粘度17.6mPa・s(20℃)の組成物。
<実施例1>
メチルメタクリレート70部、ブチルアクリレート15部、β−ヒドロキシエチルメタクリレート15部、キシレン50部、酢酸ブチル50部及びAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)開始剤からなる配合物を常法にて重合して、質量平均分子量40,000、加熱残分50%、水酸基価(固形分)65のアクリルポリオール樹脂ワニスを得た。このアクリルポリオール樹脂ワニス60部、酸化チタン30部及びキシレン10部を練合して白エナメルを調製した。
メチルメタクリレート70部、ブチルアクリレート15部、β−ヒドロキシエチルメタクリレート15部、キシレン50部、酢酸ブチル50部及びAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)開始剤からなる配合物を常法にて重合して、質量平均分子量40,000、加熱残分50%、水酸基価(固形分)65のアクリルポリオール樹脂ワニスを得た。このアクリルポリオール樹脂ワニス60部、酸化チタン30部及びキシレン10部を練合して白エナメルを調製した。
表面に凹凸を有する石綿スレート板にVセラン#100シーラー(大日本塗料株式会社製商品名、ウレタン樹脂系下塗り塗料)を塗布し、乾燥させて得た石綿スレート板に、上記の白エナメルにスミジュールN75(住友バイエルウレタン株式会社製商品名、HDI系ポリイソシアネート樹脂、NCO含量16%)を上記白エナメルの水酸基価に対して1当量となる量で添加混合して得た下塗塗料を0.1kg/m2 の塗布量となるように塗布し、80℃で15分間乾燥させた。このものの反応率は40%であった。
その後、図2及び図3に関連して説明したように操作して、下塗塗料の反応率が40%の状態の石綿スレート板をコンベアによりインクジェットプリンターの位置にくるようにし、インクジェットプリンターにより模様塗膜を形成した。用いたインクは前記の着色インク1であり、プリンターのノズル口径は0.2mm、ノズルピッチは0.2mm、インク塗布量は25g/m2(wet)、ノズル−石綿スレート板間の距離は20mmであった。着色インクの硬化のために紫外線照射を並行して実施した。この着色インクの印刷作業性、着色インク付着性能、着色インク印刷後の外観を下記の評価基準に従って評価した。それらの評価結果は第1表に示す通りであった。
<着色インクの印刷作業性>
○:良好な印刷が達成される、
△:ノズルよりの流れが不安定、
×:粘度が高すぎて安定な印刷が困難。
○:良好な印刷が達成される、
△:ノズルよりの流れが不安定、
×:粘度が高すぎて安定な印刷が困難。
<着色インクの付着性能>
○:下塗塗膜と着色インクとの付着性が良好、
△:強く擦ると剥がれる、
×:下塗塗膜から着色インクが容易に剥がれる。
○:下塗塗膜と着色インクとの付着性が良好、
△:強く擦ると剥がれる、
×:下塗塗膜から着色インクが容易に剥がれる。
<着色インク印刷後の外観>
○:鮮映性が良好、
△:部分的にニジミ、流れが生じている、
×:ニジミ、流れがあり、不良。
○:鮮映性が良好、
△:部分的にニジミ、流れが生じている、
×:ニジミ、流れがあり、不良。
その後、Vトップ#100クリヤー(大日本塗料株式会社製商品名、アクリルウレタン樹脂クリヤー)を0.1kg/m2 の塗布量となるように塗装し、乾燥を行った。得られた塗装石綿スレート板を60℃の温水に8時間浸漬した後の塗膜外観及び塗膜付着性能を下記の評価基準に従って評価した。それらの評価結果は第1表に示す通りであった。
<塗膜外観>
○:異常なし、
×:フクレ、クラックが発生。
○:異常なし、
×:フクレ、クラックが発生。
<塗膜付着性能>
○:下塗塗膜と着色インクとの付着性が良好、
×:下塗塗膜と着色インクとの間で剥離する。
○:下塗塗膜と着色インクとの付着性が良好、
×:下塗塗膜と着色インクとの間で剥離する。
<実施例2>
脱脂ひまし油40部、トリメチロールプロパン20部、エチレングリコール10部及び無水フタル酸30部を常法により縮合反応させ、反応が終了した後、キシレン30部及び酢酸ブチル30部を加えて、質量平均分子量5,000、加熱残分60%、水酸基価(固形分)100のポリエステルポリオール樹脂ワニスを得た。このポリエステルポリオール樹脂ワニス50部、酸化チタン20部、炭酸カルシウム20部及びキシレン10部を練合して白エナメルを調製した。
脱脂ひまし油40部、トリメチロールプロパン20部、エチレングリコール10部及び無水フタル酸30部を常法により縮合反応させ、反応が終了した後、キシレン30部及び酢酸ブチル30部を加えて、質量平均分子量5,000、加熱残分60%、水酸基価(固形分)100のポリエステルポリオール樹脂ワニスを得た。このポリエステルポリオール樹脂ワニス50部、酸化チタン20部、炭酸カルシウム20部及びキシレン10部を練合して白エナメルを調製した。
表面に凹凸を有するみがき軟鋼板にエポニックス#3100プライマー(大日本塗料株式会社製商品名、エポキシ樹脂下塗り塗料)を塗布し、乾燥させて得たみがき軟鋼板に、上記白エナメルにコロネートHX(日本ポリウレタン株式会社製商品名、HDI系ポリイソシアネート樹脂、NCO含量21%)を上記白エナメルの水酸基価に対して1当量となる量で添加混合して得た下塗塗料を0.1kg/m2 の塗布量となるように塗布し、150℃で30分間乾燥させた。このものの反応率は65%であった。
その後、インクとして着色インク2を用いた以外は実施例1と同様にして模様塗膜を形成し、実施例1と同様に着色インクの印刷作業性、着色インク付着性能、着色インク印刷後の外観を実施例1と同じ評価基準に従って評価した。それらの評価結果は第1表に示す通りであった。
その後ルーセン#300クリヤー(大日本塗料株式会社製商品名、ウレタンアクリレート樹脂系紫外線硬化型クリヤー)を0.08kg/m2 の塗布量となるように塗布し、紫外線照射により硬化させた。得られたみがき軟鋼板を60℃の温水に8時間浸漬した後の塗膜外観及び塗膜付着性能を実施例1と同じ評価基準に従って評価した。それらの評価結果は第1表に示す通りであった。
<比較例1>
白エナメルにスミジュールN75を白エナメルの水酸基価に対して1当量となる量で添加混合して得た下塗塗料を0.1kg/m2 の塗布量となるように塗布した後に、加熱乾燥させないで常温で10分間放置し、溶剤が蒸発して反応率が8%となっている時点で、インクジェットプリンターにより模様塗膜を形成した以外は実施例1と同様に操作して化粧板を得た。この場合についても、実施例1と同様に着色インクの印刷作業性、着色インク付着性能、着色インク印刷後の外観を実施例1と同じ評価基準に従って評価した。それらの評価結果は第1表に示す通りであった。また、60℃の温水に8時間浸漬した後の塗膜外観及び塗膜付着性能も実施例1と同じ評価基準に従って評価した。それらの評価結果は第1表に示す通りであった。
白エナメルにスミジュールN75を白エナメルの水酸基価に対して1当量となる量で添加混合して得た下塗塗料を0.1kg/m2 の塗布量となるように塗布した後に、加熱乾燥させないで常温で10分間放置し、溶剤が蒸発して反応率が8%となっている時点で、インクジェットプリンターにより模様塗膜を形成した以外は実施例1と同様に操作して化粧板を得た。この場合についても、実施例1と同様に着色インクの印刷作業性、着色インク付着性能、着色インク印刷後の外観を実施例1と同じ評価基準に従って評価した。それらの評価結果は第1表に示す通りであった。また、60℃の温水に8時間浸漬した後の塗膜外観及び塗膜付着性能も実施例1と同じ評価基準に従って評価した。それらの評価結果は第1表に示す通りであった。
<比較例2>
白エナメルにコロネートHXを白エナメルの水酸基価に対して1当量となる量で添加混合して得た下塗塗料を0.1kg/m2 の塗布量となるように塗布し、150℃で60分間乾燥させ、更に、常温で7日間放置して反応率が95%となっている時点で、インクジェットプリンターにより模様塗膜を形成した以外は実施例2と同様に操作して化粧板を得た。この場合についても、実施例1と同様に着色インクの印刷作業性、着色インク付着性能、着色インク印刷後の外観を実施例1と同じ評価基準に従って評価した。それらの評価結果は第1表に示す通りであった。また、60℃の温水に8時間浸漬した後の塗膜外観及び塗膜付着性能も実施例1と同じ評価基準に従って評価した。それらの評価結果は第1表に示す通りであった。
白エナメルにコロネートHXを白エナメルの水酸基価に対して1当量となる量で添加混合して得た下塗塗料を0.1kg/m2 の塗布量となるように塗布し、150℃で60分間乾燥させ、更に、常温で7日間放置して反応率が95%となっている時点で、インクジェットプリンターにより模様塗膜を形成した以外は実施例2と同様に操作して化粧板を得た。この場合についても、実施例1と同様に着色インクの印刷作業性、着色インク付着性能、着色インク印刷後の外観を実施例1と同じ評価基準に従って評価した。それらの評価結果は第1表に示す通りであった。また、60℃の温水に8時間浸漬した後の塗膜外観及び塗膜付着性能も実施例1と同じ評価基準に従って評価した。それらの評価結果は第1表に示す通りであった。
<比較例3>
最後の工程のクリヤー塗装を実施しなかった以外は実施例1と同様に操作して化粧板を得た。この場合についても、実施例1と同様に着色インクの印刷作業性、着色インク付着性能、着色インク印刷後の外観を実施例1と同じ評価基準に従って評価した。それらの評価結果は第1表に示す通りであった。また、60℃の温水に8時間浸漬した後の塗膜外観及び塗膜付着性能も実施例1と同じ評価基準に従って評価した。それらの評価結果は第1表に示す通りであった。
最後の工程のクリヤー塗装を実施しなかった以外は実施例1と同様に操作して化粧板を得た。この場合についても、実施例1と同様に着色インクの印刷作業性、着色インク付着性能、着色インク印刷後の外観を実施例1と同じ評価基準に従って評価した。それらの評価結果は第1表に示す通りであった。また、60℃の温水に8時間浸漬した後の塗膜外観及び塗膜付着性能も実施例1と同じ評価基準に従って評価した。それらの評価結果は第1表に示す通りであった。
<比較例4>
着色インク1の代わりに着色インク3を用いた以外は実施例1と同様に操作して化粧板を得た。この場合についても、実施例1と同様に着色インクの印刷作業性、着色インク付着性能、着色インク印刷後の外観を実施例1と同じ評価基準に従って評価した。それらの評価結果は第1表に示す通りであった。また、60℃の温水に8時間浸漬した後の塗膜外観及び塗膜付着性能も実施例1と同じ評価基準に従って評価した。それらの評価結果は第1表に示す通りであった。
着色インク1の代わりに着色インク3を用いた以外は実施例1と同様に操作して化粧板を得た。この場合についても、実施例1と同様に着色インクの印刷作業性、着色インク付着性能、着色インク印刷後の外観を実施例1と同じ評価基準に従って評価した。それらの評価結果は第1表に示す通りであった。また、60℃の温水に8時間浸漬した後の塗膜外観及び塗膜付着性能も実施例1と同じ評価基準に従って評価した。それらの評価結果は第1表に示す通りであった。
1 コンベア
2 プリンター・ヘッド
3 ノズル
4 インクタンク
8 バルブ制御装置
10 パターンデータの記憶部
11 制御部(コンピュータ)
a 表面に凹凸を有する基板
2 プリンター・ヘッド
3 ノズル
4 インクタンク
8 バルブ制御装置
10 パターンデータの記憶部
11 制御部(コンピュータ)
a 表面に凹凸を有する基板
Claims (2)
- 活性水素を有する化合物及びポリイソシアネート化合物を樹脂成分とする下塗塗料を表面に凹凸を有する基材の該凹凸表面に塗布し、該塗布した下塗塗料の反応率が20〜80%の状態で該下塗塗料上にインクジェットプリンターを用いて粘度が1〜14mPa・s(20℃)の着色インクを模様状に塗布して模様塗膜を形成し、該模様塗膜の全面にクリヤー塗料を塗装することを特徴とする表面に凹凸を有する化粧板の製造方法。
- 活性水素を有する化合物及びポリイソシアネート化合物を樹脂成分とする下塗塗料を表面に凹凸を有する基材の該凹凸表面に塗布し、該塗布した下塗塗料の反応率が20〜80%の状態でコンベアにより搬送させながら、該下塗塗料上にインクジェットプリンターを用いて粘度が1〜14mPa・s(20℃)の着色インクを模様状に塗布して模様塗膜を形成し、この際に該着色インクの塗布を、コンピュータに記憶させた基板上への着色インクの塗布位置のデータに基づく制御信号によってインクジェットプリンターのバルブ制御装置を駆動させてノズルからのインク吐出を制御することによって実施し、該模様塗膜の全面にクリヤー塗料を塗装することを特徴とする表面に凹凸を有する化粧板の製造方法。
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