JP2010233945A - 着用物品 - Google Patents

Abstract

【課題】 着用物品のレッグ側縁が、着用者の鼠蹊部に沿って容易に変形可能でし、レッグ側縁からの排泄物等の漏れを防止し、着用物品の着用感を向上させることができる着用物品を提供する。
【解決手段】 おむつ１０の内外面シート３０，４０の間には、前後レッグ弾性体５３ａ，５３ｂ，５４ａ，５４ｂが、レッグ側縁２３ａ，２３ｂに沿って取り付けられる。外面シート４０には、その着衣側に複数の凹部４４を形成している。凹部４４は、仮想中心線Ｐ−Ｐに対して斜めに交差する線上に延ぶ複数の第１列４５，４７と、前記第１列４５，４７に交差する複数の第２列４６，４８とを形成する。第１および第２列４５〜４８の傾斜角度は、レッグ側縁２３ａ，２３ｂの前後ウエスト域１１，１２側において、それぞれにほぼ沿うように形成され、第１および第２列４５〜４８の少なくとも一条は、前後レッグ弾性体５３ａ，５３ｂ，５４ａ，５４ｂに重なる。
【選択図】図５

Description

この発明は、着用物品に関し、さらに詳しくは使い捨てのおむつ、排泄トレーニングパンツ、失禁ブリーフ等に関する。

従来、ウエスト開口を形成するウエスト側縁と、レッグ開口を形成するレッグ側縁とを有するシャーシと、レッグ側縁に比較的幅広の帯状のレッグ弾性体を備える使い捨ておむつとして、例えば、特許文献１（特開昭６２−２１８０２）にかかる発明が公知である。この特許文献１によれば、レッグ弾性体として、弾性的に伸縮性を有するウレタンフォームを用いている。レッグ弾性体の幅を広くすれば、レッグ側縁において弾性化される領域を大きくすることができ、局部的に弾性体の収縮力が作用することによる着用者の肌トラブルを防止することができる。

特開昭６２−２１８０２号公報（ＪＰ ６２−２１８０２ Ａ）

レッグ開口が位置する着用者の鼠蹊部では、おむつのレッグ側縁が、鼠蹊部に沿って折れ曲がるような力が作用する。しかし、レッグ側縁では、シャーシと帯状のレッグ弾性体とが積層されているので、その分剛性が大きくなり、曲がり難くなっている。レッグ側縁が鼠蹊部に沿って曲がらないと、鼠蹊部との間に隙間が生じて排泄物等の漏れの原因になったり、レッグ側縁が着用者の鼠蹊部に突き当たり着用感を損ねたりする可能性がある。

この発明では、着用物品のレッグ側縁が、着用者の鼠蹊部に沿って容易に変形可能であることによって、レッグ側縁からの排泄物等の漏れを防止し、着用物品の着用感を向上させることができる着用物品を提供することを課題とする。

この発明は、縦方向および横方向と、身体側およびその反対側と、前ウエスト域、後ウエスト域および前記前後ウエスト域間に位置するクロッチ域とを含むシャーシと、前記クロッチ域に伸長状態で取り付けられたレッグ弾性体とを含み、前記シャーシは、前記縦方向に延びるとともに、前記前後ウエスト域に位置する前後側縁と、前記クロッチ域に位置するレッグ側縁とを含む着用物品の改良に関わる。

この発明は、前記着用物品において、前記レッグ弾性体は、前記レッグ側縁に沿って取り付けられるとともに、弾性を有する伸縮性繊維不織布によって形成され、前記シャーシには、前記レッグ弾性体と重なる位置であって、前記レッグ側縁に沿って延びる条溝が形成されることを特徴とする。

この発明の好ましい実施態様のひとつとして、前記条溝は、前記レッグ側縁に沿って間欠的に連なる凹部によって形成される。
好ましい他の実施態様のひとつとして、前記条溝は、前記レッグ弾性体に複数条重なって形成される。
好ましい他の実施態様のひとつとして、前記シャーシは、前記身体側に位置する内面シートと、前記反対側に位置する外面シートとを含み、前記レッグ弾性体は、前記内外面シートの間に取り付けられ、前記条溝は、前記外面シートを熱処理することによって形成される。
好ましい他の実施態様のひとつとして、前記外面シートは、捲縮性繊維によって形成される。

シャーシとレッグ弾性体とが重なる部分において、シャーシにはレッグ側縁に沿う条溝を形成することとしたので、シャーシおよびレッグ弾性体は、形成された条溝に沿って折れ曲がりやすくなり、着用者の鼠蹊部を含む大腿近傍部に沿って変形可能となる。したがって、レッグ弾性体が位置する部分において、シャーシが着用者に密着し、排泄物等の漏れを防止できるとともに、シャーシおよびレッグ弾性体が突き当たることによる肌トラブルを抑制することができる。

おむつの斜視図。 おむつの身体側から見た展開平面図。 図２のＩＩＩ−ＩＩＩ線断面図。 図２のＩＶ−ＩＶ線断面図。 おむつの反対側から見た展開平面図。 図５の一部拡大図。 図６の説明図。 他の実施形態を示す図６と同様の説明図。

図１〜７は、この発明の一実施形態を示すものであり、着用物品として使い捨ておむつを例に挙げて説明する。

図１は、おむつ１０のウエスト開口およびレッグ開口が環状に保たれた状態の斜視図であり、図２は、おむつ１０の身体側から見た展開平面図であって、おむつの各弾性体をその収縮力に抗して伸長させ、おむつ１０を平面に保った状態を示したものであり、図３は、図２のＩＩＩ−ＩＩＩ線断面図、図４は、図２のＩＶ−ＩＶ線断面図、図５は、図２の身体との反対側から見た図、図６は、図５の一部拡大図、図７は、図６にレッグ弾性体の収縮力が作用した状態の説明図である。

おむつ１０は、縦方向Ｙおよび横方向Ｘと、身体側およびその反対側である着衣側と、前ウエスト域１１、後ウエスト域１２、前後ウエスト域１１，１２の間に位置するクロッチ域１３とを含むシャーシ２０を含む。おむつ１０は、横方向Ｘの長さ寸法を二等分する仮想縦中心線Ｐ−Ｐと、縦方向Ｙの長さ寸法を二等分する仮想横中心線Ｑ−Ｑとを含み、仮想縦中心線Ｐ−Ｐに対して対称に形成されている。

シャーシ２０は、内外面シート３０，４０によって形成され、内外面シート３０，４０の縦方向Ｙに延びる両側縁３１，４１によってシャーシ両側縁が形成されている。外面シート４０は、前ウエスト域１１側に位置する前外面シート４０ａと、後ウエスト域１２側に位置する後外面シート４０ｂとを含み、これらシート４０ａ，４０ｂは仮想横中心線Ｑ−Ｑ近傍で縦方向Ｙに離間されている。シャーシ両側縁は、前後ウエスト域１１，１２にそれぞれ位置する前後両側縁２１ａ，２１ｂ，２２ａ，２２ｂと、クロッチ域に位置するレッグ側縁２３ａ，２３ｂとを含む。前後両側縁２１ａ，２２ａおよび２１ｂ，２２ｂが互いに接合されることで、レッグ側縁２３ａ，２３ｂによってレッグ開口が形成される。内外面シート３０，４０の横方向Ｘに延びる前後端縁３２，３３，４２，４３は、それぞれ内面シート３０を内側にして横方向Ｘに延びる折返し線２４，２５を介して仮想横中心線Ｑ−Ｑに向かって折り返され、前後スリーブ部２６，２７を形成している。折返し線２４，２５によって、シャーシ前後端縁が形成され、ウエスト開口が形成される。

前後スリーブ部２６，２７内部には、折返し線２４，２５に沿って横方向Ｘに延びる前後ウエスト弾性体５１，５２が取り付けられている。前後ウエスト弾性体５１，５２には、弾性糸を用いることができ、横方向Ｘに伸長状態で収縮可能に取り付けられ、前後スリーブ部２６，２７の内面シート３０に図示しない接着手段を介して接合されている。前後スリーブ部２６，２７から仮想横中心線Ｑ−Ｑ側に延出して、それぞれ前後ウエストシート６１，６２が取り付けられている。前後ウエストシート６１，６２は、少なくとも横方向Ｘにおいて弾性を有する伸縮性繊維不織布によって形成されている。前後ウエストシート６１，６２は、横方向Ｘに伸長状態で収縮可能に取り付けられ、前後ウエスト域１１，１２を横方向Ｘに弾性化している。この実施形態では、前後ウエストシート６１，６２によって前後ウエスト域１１，１２を着用者の腹および背に密着させるとともに、前後ウエスト弾性体５１，５２によってさらにウエスト開口を着用者に密着させ、このウエスト開口からの尿等の排泄物の漏れを防止している。

内面シート３０の身体側には、吸液構造体７０が配置されている。吸液構造体７０は、フラッフパルプや高吸収性ポリマー粒子を液拡散性シートで覆うことによって形成される吸液性芯材７４と、芯材７４の着衣側、すなわち、内面シート３０側に位置する被覆シート７５とを含む。吸液性芯材７４は、縦方向Ｙに延びる吸液両側縁７１と、横方向Ｘに延びる吸液前後端縁７２，７３とを含み、被覆シート７５は、吸液両側縁７１から横方向Ｘに延出するとともに、吸液性芯材７４の身体側において吸液両側縁７１に沿って折り返され、漏れバリアカフ７６を形成している。すなわち、被覆シート７５の両側縁７７にはカフスリーブ部７８が形成され、カフスリーブ部７８内部にカフ弾性体７９が取り付けられている。カフ弾性体７９は、縦方向Ｙに伸長状態で収縮可能に取り付けられ、その収縮によって、両側縁７７が身体側に向かって内面シート３０から起立するように離間し、体液等の漏れを防止する。

吸液構造体７０は、前ウエスト域１１においては、前ウエストシート６１の身体側に位置し、前スリーブ部２６で吸液前端縁７２が覆われている。後ウエスト域１２においては、後ウエストシート６２の着衣側、すなわち後ウエストシート６２と内面シート３０との間に位置し、後ウエストシート６２によって吸液後端縁７３が覆われている。このように吸液前後端縁７２，７３を少なくとも前後スリーブ部２６，２７で覆うことによって、芯材が吸液前後端縁７２，７３からこぼれ出るのを防止することができる。

レッグ側縁２３ａ，２３ｂでは、その横方向Ｘの長さ寸法が狭くなるように仮想縦中心線Ｐ−Ｐに向かって互いに湾曲し、仮想横中心線Ｑ−Ｑにおいて最も狭くなっている。より詳しくは、レッグ側縁２３ａ，２３ｂは、仮想横中心線Ｑ-Ｑ近傍では、仮想縦中心線Ｐ−Ｐにほぼ平行に延び、その前後ウエスト域１１，１２側では、それぞれ仮想縦中心線Ｐ-Ｐに対して傾斜するように形成されている。これら平行部分と傾斜部分とは、明確に分けられていなくてもよく、円弧を画くように湾曲していてもよい。

レッグ側縁２３ａ，２３ｂにおいて、内外面シート３０，４０の間には、縦方向Ｙに延びるレッグ弾性体が取り付けられている。すなわち、内面シート３０と前外面シート４０ａとの間には、前レッグ弾性体５３ａ，５３ｂが取り付けられ、内面シート３０と後外面シート４０ｂとの間には、後レッグ弾性体５４ａ，５４ｂが取り付けられている。前後レッグ弾性体５３ａ，５３ｂ，５４ａ，５４ｂは、弾性を有する伸縮性繊維不織布によって形成され、レッグ側縁２３ａ，２３ｂの傾斜部分に沿って、それぞれ伸長状態で収縮可能に取り付けられている。これら前後レッグ弾性体５３ａ，５３ｂ，５４ａ，５４ｂは、内外面シート３０，４０の少なくともいずれか一方に図示しない接着剤を介して接合されている。
前後レッグ弾性体５３ａ，５３ｂ，５４ａ，５４ｂの横方向Ｘの長さ寸法は、約１０〜３０ｍｍであり、伸張倍率は、約１．５〜３倍である。この実施形態において、前後レッグ弾性体５３ａ，５３ｂ，５４ａ，５４ｂが、仮想横中心線Ｑ−Ｑ近傍で離間されているが、これらが連続されていてもよい。その場合には、外面シート４０が前後外面シート４０ａ，４０ｂに離間されることなく、連続したシートによって形成してもよい。

図５に示したように、外面シート４０には、その着衣側に複数の凹部４４を形成している。凹部４４は、加熱加圧処理によって、外面シート４０の身体側面から着衣側面に向かって形成される。これら凹部４４は、仮想中心線Ｐ−Ｐに対して斜めに交差する線上に延び、互いに交差する二列上に配置されている。すなわち、凹部４４は、前後外面シート４０ａ，４０ｂにおいて、図面左上から右下へと向かう複数の第１列４５，４７と、第１列４５，４７に交差するとともに図面右上から左下へと向かう複数の第２列４６，４８とを含む。第１列４５，４７と第２列４６，４８とは、互いにほぼ直交している。このように第１列４５，４７と第２列４６，４８とが交差することによって、凹部４４によって格子模様が形成される。

前外面シート４０ａにおいて、第１および第２列４５，４６の傾斜角度は、レッグ側縁２３ａ，２３ｂの前ウエスト域１１側に位置する傾斜部分にそれぞれほぼ沿うように形成され、この第１および第２列４５，４６の少なくとも一条は、前レッグ弾性体５３ａ，５３ｂにそれぞれ重なる。後外面シート４０ｂにおいて、第１および第２列４７，４８の傾斜角度は、レッグ側縁２３ａ，２３ｂの後ウエスト域１２側に位置する傾斜部分にそれぞれ沿うように形成され、この第１および第２列４７，４８の少なくとも一条は、後レッグ弾性体５４ａ，５４ｂにそれぞれ重なる。ここで、レッグ側縁２３ａ，２３ｂに沿って延びるとは、完全にレッグ側縁２３ａ，２３ｂとその形状を一致させるもののほかに、ほぼ一致するもの、またはその一部が一致するものを含む。この実施形態では、第１および第２列４５〜４８は、レッグ側縁２３ａ，２３ｂの前後ウエスト域１１，１２側における傾斜部分でその傾斜角度がほぼ一致し、これら形状がほぼ一致している。なお、レッグ側縁２３ａ，２３ｂが円弧を画くように湾曲している場合であっても、第１および第２列４５〜４８がこれらにほぼ一致するような形状とすることもできる。

図６に示したように、上記のような凹部４４は、一辺が約０．７ｍｍの方形を形成している。第１列４５，４７および第２列４６，４８において、凹部４４の離間寸法ｔ１およびｔ２は、約０．８ｍｍであって、隣接する第１列４５，４７における離間寸法ｔ３および隣接する第２列４６，４８における離間寸法ｔ４は、それぞれ約５．３ｍｍである。図６では、前外面シート４０ａ側を示しているが、後外面シート４０ｂでも同様である。
図６の状態から、前後レッグ弾性体５３ａ，５３ｂ，５４ａ，５４ｂが収縮すると、凹部４４が形成された前後外面シート４０ａ，４０ｂも収縮される。図７に示したように、前レッグ弾性体５３ａが収縮すると、前外面シート４０ａのレッグ側縁２３ａに沿った第１列４５は、凹部４４の離間寸法ｔ１を縮める。

凹部４４は、熱処理で一部繊維が溶融されることによって形成されているから、凹部４４の形成部分では、剛性が高くなり、その形状が崩れ難い。これに対して、凹部４４間の繊維は容易に変形しやすいから、これが着衣側に盛り上がるようにして変形し、凹部４４間の離間寸法ｔ１が縮められる。これら離間寸法ｔ１が縮められることによって、隣接する凹部４４が実質的に連続され、第１列４５において実質的に連続する条溝を形成する。なお、離間寸法ｔ１が短くなることによって、離間寸法ｔ４も縮んで短くなっている。
ここで、実質的に連続する条溝を形成するとは、間欠的に形成された凹部４４が近接して連なることによって、見かけ上、一条の溝を形成することを意味している。

前レッグ弾性体５３ｂにおいては、第２列４６における凹部４４がその離間寸法ｔ２を縮めるように収縮し、実質的に連続する条溝を形成する。同様に、後レッグ弾性体５４ａにおいては第２列４８が、後レッグ弾性体５４ｂにおいては第１列４７が、それぞれ凹部４４間の離間寸法ｔ２およびｔ１を縮めるように収縮し、実質的に連続する条溝を形成する。

上記のように、実質的に連続する条溝が形成されることによって、外面シート４０は、この条溝に沿って折れ曲がりやすく、外面シート４０に接合された前後レッグ弾性体５３ａ，５３ｂ，５４ａ，５４ｂおよび内面シート３０もこれに追従して折れ曲がりやすくなる。すなわち、内外面シート３０，４０および前後レッグ弾性体５３ａ，５３ｂ，５４ａ，５４ｂは、着用者の鼠蹊部を含む大腿近傍部が位置するレッグ開口において、条溝に沿って折れ曲がりやすくなるから、前記近傍部にあわせて変形して密着することができる。したがって、前記近傍部とレッグ開口との間からの排泄物等の漏れを防止することができる。また、前後レッグ弾性体５３ａ，５３ｂ，５４ａ，５４ｂが着用者に合わせて変形するので、着用者に対する肌トラブルを防止し、着用感を向上させることができる。

外面シート４０として、約３０ｇ／ｍ^２の捲縮性のスパンボンド繊維不織布を用いたときの、曲げ剛性およびヒステリシスを測定した。この外面シート４０に前レッグ弾性体５３ａ，５３ｂまたは後レッグ弾性体５４ａ，５４ｂとして、伸縮性繊維不織布を約２．２倍の伸張率で取り付けた。曲げ剛性およびヒステリシスは、第１列４５または第２列４６に沿って折り曲げた場合の測定値である。曲げ剛性およびヒステリシスは、ＫＥＳ−ＦＢ２−ＡＵＴＯ−Ａ自動化純曲げ試験機（カトーテック株式会社製）を用い測定した。試料として、接合された上記捲縮性のスパンボンド繊維不織布と伸縮性繊維不織布とを用い、これら試料寸法を２０ｃｍ×２０ｃｍで用いた。曲げ変形速度を０．５ｃｍ^−１／ｓｅｃとして、各測定をおこなった。
上記測定の結果、曲げ剛性は０．１０５３×１０^−４Ｎｍ／ｍであり、ヒステリシスは０．０４８５×１０^−２Ｎ／ｍであった。

また、外面シート４０として、約２５ｇ／ｍ^２の非捲縮性のスパンボンド繊維不織布を用い、凹部４４は、一辺約０．４ｍｍの方形で、離間寸法約１．７ｍｍの千鳥格子に形成されたものについて、上記と同様に曲げ剛性およびヒステリシスを測定した。その結果、曲げ剛性は０．１４８０^−４Ｎｍ／ｍ、ヒステリシスは０．１１００×１０^−２Ｎ／ｍであった。
この結果から、外面シート４０として捲縮性繊維不織布を用い、かつ、凹部４４として第１列４５，４７および第２列４６を，４８形成するように配置することによって、曲げ剛性およびヒステリシスの値が小さくなり、より柔軟なものとすることができることが推察される。

すなわち、外面シート４０として、捲縮性繊維不織布を用いることによって、凹部４４間では、繊維が着衣側に盛り上がるようになるので、外面シート４０の厚さ方向の嵩が増大し、クッション性を有するようになる。したがって、着用者に対する肌触りが向上する。また、凹部４４間において繊維が盛り上がるので、剛性が高くなった凹部４４が直接肌に接触するのを防止することもできる。捲縮性繊維は、機械や加熱による捲縮等、この分野における一般的な技術を用いて行うことができる。

この実施形態において、凹部４４を前後外面シート４０ａ，４０ｂの全体に形成するようにしているが、少なくともレッグ側縁に沿ったいずれか一方を形成すればよい。ただし、凹部４４を外面シート４０全体に形成することによって、レッグ側縁２３ａ，２３ｂに沿った変形のみならず、外面シート４０の全体において、着用者に対する肌触りを向上させることができる。また、これら凹部４４によって、おむつ１０に模様を画くことができる。

凹部４４は、第１および第２列４５〜４８を構成することとしているが、これに限ったものではない。例えば、隣接する凹部４４が、縦方向Ｙおよび横方向Ｘにおいて互いに重ならないように、千鳥格子を画くように形成されてもよいし、レッグ側縁２３ａ，２３ｂに沿って各一列形成されてもよい。いずれにしても、レッグ側縁２３ａ，２３ｂに沿って条溝を形成できるものであればよい。また、第１および第２列４４，４５を形成し、弾性体によっておむつ１０が縦方向Ｙおよび横方向Ｘに収縮された場合には、これら列が嵩高になり、あたかもキルト地を使用したかのような外観および触感を得ることができる。

凹部４４を間欠的に形成することとして、前後レッグ弾性体５３ａ，５３ｂ，５４ａ，５４ｂの収縮時に実質的に連続する条溝を形成するようにしているが、伸張時においても連続的に形成された条溝を形成するものであってもよい。凹部４４の形状、離間寸法および配置については、この実施態様に限られることなく、適宜変更可能である。
凹部４４は、加熱加圧処理によって形成されることとしているが、非加熱のプレス加工等によっても形成することができる。

前後レッグ弾性体５３ａ，５３ｂ，５４ａ，５４ｂは、内外面シート３０，４０の間に取り付けられるようにしているが、内面シート３０のさらに身体側、または、外面シート４０のさらに着衣側に取り付けられてもよい。また、前後ウエスト域１１，１２側のそれぞれに前後レッグ弾性体５３ａ，５３ｂ，５４ａ，５４を取り付けることとしているが、これらレッグ弾性体は、前後ウエスト域１１，１２側の少なくともいずれか一方に取り付けられていればよく、レッグ側縁２３ａ，２３ｂを弾性化するものであればよい。すなわち、前後レッグ弾性体５３ａ，５３ｂ，５４ａ，５４ｂがレッグ側縁２３ａ，２３ｂにおいて収縮可能であればよい。

図８は、他の実施形態を示したものであり、図６と同様の図である。この実施形態では、前後レッグ弾性体５３ａ，５３ｂ，５４ａ，５４ｂにおいて、第１および第２列４５〜４８が、それぞれ複数列ずつ重なるようにしている。すなわち、図示したように、前レッグ弾性体５３ａには、二列の第１列４５が重なるようにしている。このように、複数列が重なることによって、複数条の条溝が形成されることとなり、より一層、レッグ側縁２３ａ，２３ｂに沿って、前後レッグ弾性体５３ａ，５３ｂ，５４ａ，５４ｂおよび内外面シート３０，４０が曲がりやすくなり、着用者に密着することができる。また、このように複数列の第１および第２列４５〜４８が前後レッグ弾性体５３ａ，５３ｂ，５４ａ，５４ｂにおいて重なるようにすることによって、レッグ側縁２３ａ，２３ｂが段階的に折れ曲がることができ、着用者の広い範囲に密着可能となり、レッグ側縁による局部的な刺激を抑制することができる。

この実施形態では、二条の第１および第２列４５，４６が前後レッグ弾性体５３ａ，５３ｂ，５４ａ，５４ｂに重なるようにしているが、これに限られることなく３列以上が重なるようにしてもよい。この場合には、第１列間の離間寸法ｔ３および第２列間の離間寸法ｔ４を小さくすること、凹部４４間の離間寸法ｔ１，ｔ２を小さくすること、または、前後レッグ弾性体５３ａ，５３ｂ，５４ａ，５４ｂの横方向の長さ寸法、すなわち幅寸法を大きくすることが考えられる。

１０ おむつ（着用物品）
１１ 前ウエスト域
１２ 後ウエスト域
１３ クロッチ域
２０ シャーシ
２１ａ 前側縁
２１ｂ 前側縁
２２ａ 後側縁
２２ｂ 後側縁
２３ａ レッグ側縁
２３ｂ レッグ側縁
３０ 内面シート
４０ 外面シート
４４ 凹部
５３ａ 前レッグ弾性体
５３ｂ 前レッグ弾性体
５４ａ 後レッグ弾性体
５４ｂ 後レッグ弾性体
Ｘ 横方向
Ｙ 縦方向

Claims (5)

1. 縦方向および横方向と、身体側およびその反対側と、前ウエスト域、後ウエスト域および前記前後ウエスト域間に位置するクロッチ域とを含むシャーシと、前記クロッチ域に伸長状態で取り付けられたレッグ弾性体とを含み、前記シャーシは、前記縦方向に延びるとともに、前記前後ウエスト域に位置する前後側縁と、前記クロッチ域に位置するレッグ側縁とを含む着用物品において、
   前記レッグ弾性体は、前記レッグ側縁に沿って取り付けられるとともに、弾性を有する伸縮性繊維不織布によって形成され、
   前記シャーシには、前記レッグ弾性体と重なる位置であって、前記レッグ側縁に沿って延びる条溝が形成されることを特徴とする前記着用物品。
2. 前記条溝は、前記レッグ側縁に沿って間欠的に連なる凹部によって形成される請求項１記載の着用物品。
3. 前記条溝は、前記レッグ弾性体に複数条重なって形成される請求項１または２記載の着用物品。
4. 前記シャーシは、前記身体側に位置する内面シートと、前記反対側に位置する外面シートとを含み、
   前記レッグ弾性体は、前記内外面シートの間に取り付けられ、
   前記条溝は、前記外面シートを熱処理することによって形成される請求項１〜３のいずれかに記載の着用物品。
5. 前記外面シートは、捲縮性繊維によって形成される請求項４記載の着用物品。
   

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