JP2010233300A - ワイヤーハーネス固定具 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワイヤーハーネスに対する着脱作業性の向上が図れると共に、パネルにワイヤーハーネスを固定した後にワイヤーハーネスを取り外す必要が生じたときにも、パネルに垂直な方向に引き抜くだけで容易に取り外すことが可能であり、更にワイヤーハーネス上から完全に取り外すことができて、再利用も可能なワイヤーハーネス固定具を提供する。
【解決手段】ロックアーム15の外面と装着穴27の内面には、一対の突出片18Aを合わせることで形成した係合凸部18を装着穴27内に収容した場合であって、ロックアーム15が外側に開いたときに互いに係合し、一方、ロックアーム15が内側に窄まったときにその係合が解除される係止部16、28がそれぞれ設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】ロックアーム15の外面と装着穴27の内面には、一対の突出片18Aを合わせることで形成した係合凸部18を装着穴27内に収容した場合であって、ロックアーム15が外側に開いたときに互いに係合し、一方、ロックアーム15が内側に窄まったときにその係合が解除される係止部16、28がそれぞれ設けられている。
【選択図】図1
Description
本発明は、ワイヤーハーネスを車体に固定するためのワイヤーハーネス固定具に係り、特に、ワイヤーハーネスを固定後、必要に応じてワイヤーハーネスを容易に取り外すことのできるワイヤーハーネス固定具に関するものである。
図3に、特許文献1に記載された従来のワイヤーハーネス固定具の構成を示す。このワイヤーハーネス固定具100は、自動車に配索されるワイヤハーネスに取り付けられる結束バンド110と、該結束バンド110に脱着可能に係止される係止クリップ120との2つの樹脂成形部品よりなる。
結束バンド110は、可撓性を有した帯板状のバンド部111と、バンド部111の基端に設けられたバンド係合部112と、バンド係合部112の上面に設けられた矢羽根状の可撓性ロック枠113と、その近傍に設けられた位置決め突片114とを有している。バンド係合部112は、バンド部111の先端側を挿入する挿入孔112aを有しており、その挿入孔113aの内部には、挿入されたバンド部111を抜け止め係止する係止部(図示略)が設けられている。
一方、係止クリップ120は、クリップ本体121の一方の面側に、図示しない車体パネルの取付孔に挿入係止されるアンカー突起122を備えると共に、他方の面側に、結束バンド120の位置決め突片114が横方向(取付対象のパネルに平行な方向)からスライド嵌合される嵌合凹部123と、位置決め突片114がスライド嵌合された際に可撓性ロック枠113と係合するロック部(図示略)とを備えている。
このワイヤーハーネス固定具100を使用してワイヤーハーネスを車体パネルに固定する場合は、まず、結束バンド110のバンド部111をワイヤーハーネスの外周に巻き付け、バンド部111の先端側をバンド係合部112の挿入孔112aに挿入して抜け止めし、それにより、結束バンド110をワイヤーハーネスに固定する。その際、必要に応じて、バンド部111の先端の不要部分をカットして、パネルに固定した際に周囲の邪魔にならないようにする。次に、結束バンド110の位置決め突片114を、係止クリップ120の嵌合凹部123にスライド嵌合させ、可撓性ロック枠113をロック部にロックさせる。そして、係止クリップ120のアンカー突起122を車体パネルの取付孔に挿入して係止させることで、ワイヤーハーネスを車体パネルに取り付けることができる。
また、ワイヤーハーネスを車体パネルから取り外す場合は、可撓性ロック枠113を撓ませて図示略のロック部に対するロックを解除しながら、位置決め突片114を横方向にスライドさせて、係止クリップ120の嵌合凹部123から引き抜く。そうすることにより、係止クリップ120から結束バンド110を分離することができ、ワイヤーハーネスを車体パネルから取り外すことができる。
ところで、上述のワイヤーハーネス固定具100を使用した場合は、ワイヤーハーネスに結束バンド110を取り付けるときに、バンド部111を挿入孔112aに挿入して締め付けるという作業を経る必要があった。また、バンド部111の締め付け後に、バンド部111の先端の不要部分をカットしないと邪魔になるおそれがあるので、その不要部分をカットするという作業を経る必要があった。また、ワイヤーハーネスを取り外すために結束バンド110を係止クリップ120から分離させる際に、結束バンド110の位置決め突片114を、横方向にスライドさせながら、係止クリップ120の嵌合凹部123から抜く必要があるので、横に障害物がある場合は取り外しが困難となることがあった。また、結束バンド110を係止クリップ120から分離させてワイヤーハーネスを車体パネルから取り外した場合に、結束バンド110がワイヤーハーネス上に残ってしまうことになるため、ワイヤーハーネスと固定具との完全な分離ができないという問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ワイヤーハーネスに対する着脱作業性の向上が図れると共に、パネルにワイヤーハーネスを固定した後にワイヤーハーネスを取り外す必要が生じたときにも、パネルに垂直な方向に引き抜くだけで容易に取り外すことが可能であり、更にワイヤーハーネス上から完全に取り外すことができて、再利用も可能なワイヤーハーネス固定具を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係るワイヤーハーネス固定具は、下記(1)〜(3)を特徴としている。
(1) ワイヤーハーネスを保持するワイヤーハーネス保持部材と、パネルに固定される係止クリップとを備える、前記ワイヤーハーネスを前記パネルに固定するためのワイヤーハーネス固定具であって、
前記ワイヤーハーネス保持部材は、
周方向の1箇所に開口を有し、且つ、その開口を通してワイヤーハーネスの出し入れが可能な可撓性を有したCリングと、
前記Cリングの周方向の両端に、それぞれ該Cリングの半径方向外側に向けて突出するように設けられ、両者を合わせることで前記開口を閉じると共に、その合わせた状態で、外方に突出した1個の係合凸部を形成する一対の突出片と、
を有し、
前記係止クリップは、
一方の面側に形成された、前記パネルの取付孔に挿入係止されるアンカー突起と、
他方の面側に形成された、前記ワイヤーハーネス保持部材の一対の突出片を互いに合わせることで形成した前記係合凸部を、前記パネルに垂直な方向に挿入及び引き抜くことで着脱可能とする装着穴と、
を有し、
前記各突出片には、自由状態で外側に開いた状態となり、且つ内側に押すことで内側に窄んだ状態となる可撓性を有したロックアームが設けられ、
前記ロックアームの外面と前記装着穴の内面には、前記一対の突出片を合わせることで形成した前記係合凸部を前記装着穴内に収容した場合であって、前記ロックアームが外側に開いたときに互いに係合し、一方、前記ロックアームが内側に窄まったときにその係合が解除される係止部がそれぞれ設けられていること。
(2) 上記(1)の構成のワイヤーハーネス固定具において、
前記各突出片が、
前記Cリングの周方向の両端から該Cリングの半径方向の外側に延出し、且つ前記一対の突出片を合わせたときに互いに当接し合う当接壁と、
前記当接壁の先端から外側に湾曲する湾曲部を介して折り返され、前記Cリングの外周側の前記当接壁の基端に近い位置に向けて延びるUターン壁と、
を有し、
前記Uターン壁は、前記ロックアームとして構成されており、該ロックアームの長さ方向の途中の外面には、前記係止部が設けられ、該係止部より先の該ロックアームの先端には、前記Cリングの外周に沿いつつ外側に向けて延びるように、該ロックアームを内側に押すための摘み部が設けられている、
こと。
(3) 上記(1)または(2)の構成のワイヤーハーネス固定具において、
前記係止クリップは、前記ワイヤーハーネス保持部材を結合するための連結ブロックを有しており、
前記結合ブロックは、該連結ブロックの一方の面側には前記アンカー突起が突設され、該連結ブロックの他方の面側には前記装着穴が設けられ、前記アンカー突起の基部には、前記パネルの取付孔へ前記アンカー突起を係合させたときに、前記パネルの表面に押圧接触するスカート部が設けられている、
こと。
(1) ワイヤーハーネスを保持するワイヤーハーネス保持部材と、パネルに固定される係止クリップとを備える、前記ワイヤーハーネスを前記パネルに固定するためのワイヤーハーネス固定具であって、
前記ワイヤーハーネス保持部材は、
周方向の1箇所に開口を有し、且つ、その開口を通してワイヤーハーネスの出し入れが可能な可撓性を有したCリングと、
前記Cリングの周方向の両端に、それぞれ該Cリングの半径方向外側に向けて突出するように設けられ、両者を合わせることで前記開口を閉じると共に、その合わせた状態で、外方に突出した1個の係合凸部を形成する一対の突出片と、
を有し、
前記係止クリップは、
一方の面側に形成された、前記パネルの取付孔に挿入係止されるアンカー突起と、
他方の面側に形成された、前記ワイヤーハーネス保持部材の一対の突出片を互いに合わせることで形成した前記係合凸部を、前記パネルに垂直な方向に挿入及び引き抜くことで着脱可能とする装着穴と、
を有し、
前記各突出片には、自由状態で外側に開いた状態となり、且つ内側に押すことで内側に窄んだ状態となる可撓性を有したロックアームが設けられ、
前記ロックアームの外面と前記装着穴の内面には、前記一対の突出片を合わせることで形成した前記係合凸部を前記装着穴内に収容した場合であって、前記ロックアームが外側に開いたときに互いに係合し、一方、前記ロックアームが内側に窄まったときにその係合が解除される係止部がそれぞれ設けられていること。
(2) 上記(1)の構成のワイヤーハーネス固定具において、
前記各突出片が、
前記Cリングの周方向の両端から該Cリングの半径方向の外側に延出し、且つ前記一対の突出片を合わせたときに互いに当接し合う当接壁と、
前記当接壁の先端から外側に湾曲する湾曲部を介して折り返され、前記Cリングの外周側の前記当接壁の基端に近い位置に向けて延びるUターン壁と、
を有し、
前記Uターン壁は、前記ロックアームとして構成されており、該ロックアームの長さ方向の途中の外面には、前記係止部が設けられ、該係止部より先の該ロックアームの先端には、前記Cリングの外周に沿いつつ外側に向けて延びるように、該ロックアームを内側に押すための摘み部が設けられている、
こと。
(3) 上記(1)または(2)の構成のワイヤーハーネス固定具において、
前記係止クリップは、前記ワイヤーハーネス保持部材を結合するための連結ブロックを有しており、
前記結合ブロックは、該連結ブロックの一方の面側には前記アンカー突起が突設され、該連結ブロックの他方の面側には前記装着穴が設けられ、前記アンカー突起の基部には、前記パネルの取付孔へ前記アンカー突起を係合させたときに、前記パネルの表面に押圧接触するスカート部が設けられている、
こと。
上記(1)の構成のワイヤーハーネス固定具によれば、ワイヤーハーネスを固定する際に、まず、ワイヤーハーネス保持部材のCリングの開口からCリングの中へワイヤーハーネスを挿入し、その状態でCリングの両端に設けた一対の突出片を互いに合わせ、その合わせた状態で一対の突出片によって形成される係合凸部を、係止クリップの装着孔に挿入してロックアームの係止部を装着穴内の係止部に係合させ、その上で、係止クリップのアンカー突起をパネルの取付孔に挿入係止させるだけで、ワイヤーハーネスをパネルに固定することができる。また、予め係止クリップをパネルの取付孔に取り付けた状態で、係止クリップの装着穴に前記係合凸部を挿入して係合させることにより、ワイヤーハーネスをパネルに固定することもできる。
従って、従来の結束バンドをワイヤーハーネスに取り付ける場合のように、バンド部をワイヤーハーネスに締め付ける作業を行う必要がなく、作業手間も掛からずに、簡単にワイヤーハーネスをパネルに固定することができる。
また、ワイヤーハーネスをパネルから取り外す際には、ワイヤーハーネス保持部材に設けたロックアームを内側に撓ませながら、ワイヤーハーネスごとワイヤーハーネス保持部材をパネルに垂直な方向に引く。そうすると、ロックアームによるロックが外れた状態で、前記係合凸部を係止クリップの装着穴から引き抜くことができる。従って、ワイヤーハーネスの横方向に障害物があるような場合でも、難なくワイヤーハーネス保持部材を係止クリップから分離することができる。しかも、分離した状態でワイヤーハーネス保持部材のCリングの開口を開けば、簡単にCリングの中からワイヤーハーネスを取り出すことができるので、ワイヤーハーネス上に何も残さずに、ワイヤーハーネスから完全に固定具を取り外すことができる。
このように、上記(1)の構成のワイヤーハーネス固定具によれば、ワイヤーハーネスに対する着脱作業性の向上が図れると共に、パネルに垂直な方向にワイヤーハーネス保持部材を引き抜くだけで、容易に係止クリップからワイヤーハーネス保持部材とワイヤーハーネスを取り外すことができる。また、ワイヤーハーネス上に何も残さずに、完全に固定具を取り外すことができるので、再利用も可能である。
上記(2)の構成のワイヤーハーネス固定具によれば、一対の突出片に、それら突出片を合わせたときに互いに当接する当接壁が設けられているので、確実にガタ付きなくCリングの開口を閉じた状態に保っておくことができる。また、当接壁の先端から折り返してCリング側に戻るUターン壁でロックアームを構成しているので、ロックアームに無理なく充分なバネ性(可撓性)を持たせることができる。また、ロックアームの先端の摘み部を、Cリングの外周に沿いつつ外側に向けて延びるように形成しているので、摘み部をCリングの周壁と当接壁とできるコーナー部分にほぼ隠れた状態で配置することができる。従って、摘み部が邪魔になることがなく、また、間違って摘み部を押してしまうおそれも少ない。
上記(3)の構成のワイヤーハーネス固定具によれば、アンカー突起の基部にパネルの表面に押圧接触するスカート部を設けたので、係止クリップをパネルにガタ付きなく固定することができ、ワイヤーハーネスのガタ付きを最小限に規制することができる。
従って、従来の結束バンドをワイヤーハーネスに取り付ける場合のように、バンド部をワイヤーハーネスに締め付ける作業を行う必要がなく、作業手間も掛からずに、簡単にワイヤーハーネスをパネルに固定することができる。
また、ワイヤーハーネスをパネルから取り外す際には、ワイヤーハーネス保持部材に設けたロックアームを内側に撓ませながら、ワイヤーハーネスごとワイヤーハーネス保持部材をパネルに垂直な方向に引く。そうすると、ロックアームによるロックが外れた状態で、前記係合凸部を係止クリップの装着穴から引き抜くことができる。従って、ワイヤーハーネスの横方向に障害物があるような場合でも、難なくワイヤーハーネス保持部材を係止クリップから分離することができる。しかも、分離した状態でワイヤーハーネス保持部材のCリングの開口を開けば、簡単にCリングの中からワイヤーハーネスを取り出すことができるので、ワイヤーハーネス上に何も残さずに、ワイヤーハーネスから完全に固定具を取り外すことができる。
このように、上記(1)の構成のワイヤーハーネス固定具によれば、ワイヤーハーネスに対する着脱作業性の向上が図れると共に、パネルに垂直な方向にワイヤーハーネス保持部材を引き抜くだけで、容易に係止クリップからワイヤーハーネス保持部材とワイヤーハーネスを取り外すことができる。また、ワイヤーハーネス上に何も残さずに、完全に固定具を取り外すことができるので、再利用も可能である。
上記(2)の構成のワイヤーハーネス固定具によれば、一対の突出片に、それら突出片を合わせたときに互いに当接する当接壁が設けられているので、確実にガタ付きなくCリングの開口を閉じた状態に保っておくことができる。また、当接壁の先端から折り返してCリング側に戻るUターン壁でロックアームを構成しているので、ロックアームに無理なく充分なバネ性(可撓性)を持たせることができる。また、ロックアームの先端の摘み部を、Cリングの外周に沿いつつ外側に向けて延びるように形成しているので、摘み部をCリングの周壁と当接壁とできるコーナー部分にほぼ隠れた状態で配置することができる。従って、摘み部が邪魔になることがなく、また、間違って摘み部を押してしまうおそれも少ない。
上記(3)の構成のワイヤーハーネス固定具によれば、アンカー突起の基部にパネルの表面に押圧接触するスカート部を設けたので、係止クリップをパネルにガタ付きなく固定することができ、ワイヤーハーネスのガタ付きを最小限に規制することができる。
本発明によれば、ワイヤーハーネスに対する着脱作業性の向上が図れると共に、パネルに垂直な方向にワイヤーハーネス保持部材を引き抜くだけで、容易に係止クリップからワイヤーハーネス保持部材とワイヤーハーネスを取り外すことができる。また、ワイヤーハーネス上に何も残さずに、完全に固定具を取り外すことができ、再利用も可能である。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は実施形態のワイヤーハーネス固定具の構成を示す側面図で、(a)は係止クリップにワイヤーハーネス保持部材を装着する前の状態を示す図、(b)は係止クリップにワイヤーハーネス保持部材を装着し、係止クリップをパネルの取付孔に係合させた状態を示す図、図2はワイヤーハーネス保持部材を係止クリップから取り外すときの状態を示す側面図で、(a)は摘み部を内側に押してロックアームの係合を解除した状態を示す図、(b)はその上でワイヤーハーネス保持部材を引き抜いた状態を示す図である。
図1は実施形態のワイヤーハーネス固定具の構成を示す側面図で、(a)は係止クリップにワイヤーハーネス保持部材を装着する前の状態を示す図、(b)は係止クリップにワイヤーハーネス保持部材を装着し、係止クリップをパネルの取付孔に係合させた状態を示す図、図2はワイヤーハーネス保持部材を係止クリップから取り外すときの状態を示す側面図で、(a)は摘み部を内側に押してロックアームの係合を解除した状態を示す図、(b)はその上でワイヤーハーネス保持部材を引き抜いた状態を示す図である。
このワイヤーハーネス固定具1は、ワイヤーハーネスをパネルに固定するためのものであり、ワイヤーハーネス(図示せず)を保持するワイヤーハーネス保持部材10と、パネルPに固定される係止クリップ20との2つの樹脂成形部品により構成されている。
ワイヤーハーネス保持部材10は、周方向の1箇所に開口12を有し、且つ、その開口12を通してワイヤーハーネスの出し入れが可能な可撓性を有したCリング11と、該Cリング11の周方向の両端に、それぞれ該Cリング11の半径方向外側に向けて突出するように設けられ、両者を合わせることで前記開口12を閉じると共に、その合わせた状態で、外方に突出した1個の係合凸部18を形成する一対の突出片18A、18Aと、を備えている。
各突出片18Aには、自由状態で外側に開いた状態となり且つ摘み部17を内側に押すことで内側に窄んだ状態となる可撓性を有したロックアーム15が設けられている。各突出片18Aは、Cリング11の周方向の両端から該Cリング11の半径方向の外側に延出し且つ一対の突出片を合わせたときに互いに当接し合う当接壁13と、該当接壁13の先端から外側に湾曲する湾曲部14を介して折り返され、Cリング11の外周側の当接壁13の基端に近い位置に向けて延びるUターン壁とを有しており、このUターン壁がロックアーム15として構成されている。
そして、これら各ロックアーム15の長さ方向の途中の外面に係止部16(後述する装着穴27の内部の係止部28と係合する部分)が設けられ、この係止部16より先のロックアーム15の先端に、Cリング11の外周に沿いつつ外側に向けて延びるように摘み部17が設けられている。これら一対の摘み部17は、互いに外を向いた押しボタン状に設けられており、両方の摘み部17を、例えば、Cリング11を跨いで宛がった手の親指と人差し指とで摘めるようになっている。
一方、係止クリップ20は、ワイヤーハーネス保持部材10を結合するための連結ブロック26を有している。連結ブロック26の一方の面側には、パネルPの取付孔Paに挿入係止されるアンカー突起21が突設されている。
アンカー突起21は、連結ブロック26の一方の面に立設された支柱部22と、その支柱部22の先端頭部から支柱部22の基端方向に向けて斜めに延出する複数の弾性係止羽根23とを有している。複数の弾性係止羽根23は、自由状態で開いており、パネルPの取付孔Paにアンカー突起21の先端が差し込まれた際に、パネルPの取付孔Paの周縁と干渉することで内側にいったん窄まり、最外周部が取付孔Paの周縁を通過した段階で外側に弾性復帰して、自由端の外面に形成された係止段部24を、パネルPの取付孔Paの周縁の裏面側に係止させ、それにより取付孔Paに抜け止めされるようになっている。また、アンカー突起21の基部には、パネルPの取付孔Paへアンカー突起21を係合させたときに、パネルPの表面に押圧接触するスカート部(皿とも言う)25が設けられている。
また、連結ブロック26の他方の面側には、ワイヤーハーネス保持部材10の一対の突出片18A、18Aを互いに合わせることで形成した係合凸部18を、パネルPに垂直な方向に挿入及び引き抜くことで着脱可能とする装着穴27が設けられている。装着穴27の内部は、係合凸部18の形状に合わせて形成されており、装着穴27の内面には、一対の突出片18A、18Aを合わせることで形成した係合凸部18を装着穴27内に収容した状態で、ロックアーム15が外側に開いたときにロックアーム15側の係止部16と係合し、ロックアーム15が内側に窄まったときにロックアーム15の係止部16との係合が外れる係止部28が設けられている。
次に作用を説明する。
まず、ワイヤーハーネスをパネルPに固定する場合には、ワイヤーハーネス保持部材10のCリング11の開口12からCリング11の中へワイヤーハーネスを挿入し、その状態で、図1(b)に示すように、Cリング11の両端に設けた一対の突出片18A、18Aを互いに閉じ合わせ、その閉じ合わせた状態で一対の突出片18A、18Aによって形成される係合凸部18を、係止クリップ20の装着孔27に挿入して、ロックアーム15の係止部16を装着穴27内の係止部28に係合させる。そしてその上で、係止クリップ20のアンカー突起21をパネルPの取付孔Paに挿入して係止させる。こうすることにより、ワイヤーハーネスをパネルPに固定することができる。
まず、ワイヤーハーネスをパネルPに固定する場合には、ワイヤーハーネス保持部材10のCリング11の開口12からCリング11の中へワイヤーハーネスを挿入し、その状態で、図1(b)に示すように、Cリング11の両端に設けた一対の突出片18A、18Aを互いに閉じ合わせ、その閉じ合わせた状態で一対の突出片18A、18Aによって形成される係合凸部18を、係止クリップ20の装着孔27に挿入して、ロックアーム15の係止部16を装着穴27内の係止部28に係合させる。そしてその上で、係止クリップ20のアンカー突起21をパネルPの取付孔Paに挿入して係止させる。こうすることにより、ワイヤーハーネスをパネルPに固定することができる。
なお、予め係止クリップ20を先にパネルPの取付孔Paに取り付けた状態にしておき、後から係止クリップ20の装着穴27にワイヤーハーネス保持部材10の係合凸部18を挿入して係合させることにより、ワイヤーハーネスをパネルに固定することもできる。
このような操作でワイヤーハーネスをパネルPに取り付けるので、従来の結束バンドをワイヤーハーネスに取り付ける場合のように、バンド部をワイヤーハーネスに締め付ける作業を行う必要がなく、作業手間も掛からずに、簡単にワイヤーハーネスをパネルに固定することができる。
また、ワイヤーハーネスをパネルPから取り外す場合には、図2(a)に示すように、ワイヤーハーネス保持部材10に設けた摘み部17を内側(矢印F方向)に押してロックアーム15を内側に撓ませる。そうすると、ロックアーム15の係止部16と装着穴2の係止部28の係合が外れるので、そのまま、図2(b)に示すように、ワイヤーハーネスごとワイヤーハーネス保持部材10をパネルPに垂直な方向(矢印B方向)に引く。そうすると、ロックアーム15によるロックが外れた状態で、係合凸部18を係止クリップ20の装着穴27から引き抜くことができる。
従って、ワイヤーハーネスの横方向に障害物があるような場合でも、難なくワイヤーハーネス保持部材10を係止クリップ20から分離することができる。しかも、分離した状態でワイヤーハーネス保持部材10のCリング11の開口12を開けば、簡単にCリング11の中からワイヤーハーネスを取り出すことができる。そのため、ワイヤーハーネス上に何も残さずに、ワイヤーハーネスから完全に固定具1のワイヤーハーネス保持部材10を取り外すことができる。
このように、本実施形態のワイヤーハーネス固定具1によれば、ワイヤーハーネスに対する着脱作業性の向上が図れると共に、パネルPに垂直な方向にワイヤーハーネス保持部材10を引き抜くだけで、容易に係止クリップ20からワイヤーハーネス保持部材10とワイヤーハーネスを取り外すことができる。また、ワイヤーハーネス上に何も残さずに、完全にワイヤーハーネス固定具1のワイヤーハーネス保持部材10を取り外すことができるので、再利用も可能である。
また、本実施形態のワイヤーハーネス固定具1によれば、一対の突出片18A、18Aに、それら突出片18A、18Aを合わせたときに互いに当接する当接壁13が設けられているので、確実にガタ付きなくCリング11の開口12を閉じた状態に保っておくことができる。また、当接壁13の先端からUターンしてCリング11側に戻るUターン壁でロックアーム15を構成しているので、ロックアーム15に無理なく充分なバネ性(可撓性)を持たせることができる。
また、ロックアーム15の先端の摘み部17を、Cリング11の外周に沿いつつ外側に向けて延びるように形成しているので、摘み部17をCリング11の周壁と当接壁13とできるコーナー部分にほぼ隠れた状態で配置することができる。従って、摘み部17が邪魔になることがなく、また、間違って摘み部17を押してしまうおそれも少ない。
また、本実施形態のワイヤーハーネス固定具1では、アンカー突起21の基部に、パネルPの表面に押圧接触するスカート部25を設けているので、係止クリップ20をパネルPにガタ付きなく固定することができ、ワイヤーハーネスのガタ付きを最小限に規制することができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
1 ワイヤーハーネス固定具
10 ワイヤーハーネス保持部材
11 Cリング
12 開口
13 当接壁
14 湾曲部
15 ロックアーム
16 係止部
17 摘み部
18 係合凸部
18A 突出片
20 係止クリップ
21 アンカー突起
26 連結ブロック
27 装着穴
28 係止部
P パネル
Pa 取付孔
10 ワイヤーハーネス保持部材
11 Cリング
12 開口
13 当接壁
14 湾曲部
15 ロックアーム
16 係止部
17 摘み部
18 係合凸部
18A 突出片
20 係止クリップ
21 アンカー突起
26 連結ブロック
27 装着穴
28 係止部
P パネル
Pa 取付孔
Claims (3)
- ワイヤーハーネスを保持するワイヤーハーネス保持部材と、パネルに固定される係止クリップとを備える、前記ワイヤーハーネスを前記パネルに固定するためのワイヤーハーネス固定具であって、
前記ワイヤーハーネス保持部材は、
周方向の1箇所に開口を有し、且つ、その開口を通してワイヤーハーネスの出し入れが可能な可撓性を有したCリングと、
前記Cリングの周方向の両端に、それぞれ該Cリングの半径方向外側に向けて突出するように設けられ、両者を合わせることで前記開口を閉じると共に、その合わせた状態で、外方に突出した1個の係合凸部を形成する一対の突出片と、
を有し、
前記係止クリップは、
一方の面側に形成された、前記パネルの取付孔に挿入係止されるアンカー突起と、
他方の面側に形成された、前記ワイヤーハーネス保持部材の一対の突出片を互いに合わせることで形成した前記係合凸部を、前記パネルに垂直な方向に挿入及び引き抜くことで着脱可能とする装着穴と、
を有し、
前記各突出片には、自由状態で外側に開いた状態となり、且つ内側に押すことで内側に窄んだ状態となる可撓性を有したロックアームが設けられ、
前記ロックアームの外面と前記装着穴の内面には、前記一対の突出片を合わせることで形成した前記係合凸部を前記装着穴内に収容した場合であって、前記ロックアームが外側に開いたときに互いに係合し、一方、前記ロックアームが内側に窄まったときにその係合が解除される係止部がそれぞれ設けられていることを特徴とするワイヤーハーネス固定具。 - 前記各突出片が、
前記Cリングの周方向の両端から該Cリングの半径方向の外側に延出し、且つ前記一対の突出片を合わせたときに互いに当接し合う当接壁と、
前記当接壁の先端から外側に湾曲する湾曲部を介して折り返され、前記Cリングの外周側の前記当接壁の基端に近い位置に向けて延びるUターン壁と、
を有し、
前記Uターン壁は、前記ロックアームとして構成されており、該ロックアームの長さ方向の途中の外面には、前記係止部が設けられ、該係止部より先の該ロックアームの先端には、前記Cリングの外周に沿いつつ外側に向けて延びるように、該ロックアームを内側に押すための摘み部が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載したワイヤーハーネス固定具。 - 前記係止クリップは、前記ワイヤーハーネス保持部材を結合するための連結ブロックを有しており、
前記結合ブロックは、該連結ブロックの一方の面側には前記アンカー突起が突設され、該連結ブロックの他方の面側には前記装着穴が設けられ、前記アンカー突起の基部には、前記パネルの取付孔へ前記アンカー突起を係合させたときに、前記パネルの表面に押圧接触するスカート部が設けられている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のワイヤーハーネス固定具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009076325A JP2010233300A (ja) | 2009-03-26 | 2009-03-26 | ワイヤーハーネス固定具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009076325A JP2010233300A (ja) | 2009-03-26 | 2009-03-26 | ワイヤーハーネス固定具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010233300A true JP2010233300A (ja) | 2010-10-14 |
Family
ID=43048609
Family Applications (1)
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JP2009076325A Pending JP2010233300A (ja) | 2009-03-26 | 2009-03-26 | ワイヤーハーネス固定具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010233300A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107770993A (zh) * | 2016-08-18 | 2018-03-06 | 川湖科技股份有限公司 | 理线总成及其理线装置 |
-
2009
- 2009-03-26 JP JP2009076325A patent/JP2010233300A/ja active Pending
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CN107770993A (zh) * | 2016-08-18 | 2018-03-06 | 川湖科技股份有限公司 | 理线总成及其理线装置 |
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