JP2010229596A - 異染性ポリエステル混繊糸 - Google Patents

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Abstract


【課題】異染性杢調及びソフトで優れた風合とドライ感、軽量感を実現する異染性ポリエステル混繊糸を提供する。
【解決手段】単糸横断面形状が、偏平形状であり、該偏平形状は長手方向に丸断面単糸の3〜6個が接合したような形状を有しているカチオン可染性ポリエステル偏平断面マルチフィラメント糸条(A)と、単糸横断面形状に、特定の突起係数のフィン部を3〜8個有するポリエステル特殊異型断面マルチフィラメント糸条(B)とから構成される異染性ポリエステル混繊糸。
【選択図】なし

Description

本発明は異染性杢調混繊糸に関するものである。更に詳しくは2色染料(カチオン染料/分散染料)で染色可能であり、かつソフトで優れた風合とドライ感、軽量感を有し、細かな異染効果を併せ持つ異染性ポリエステル混繊糸に関する。
染色性の異なる糸条からなる異染混繊糸は、これを織編した後、染色を施すことにより染色部分が均一に現れ、異染性の外観が得られるため、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特開昭49−72485号公報(特許文献1)には、紡糸混繊により紡糸した2種の糸条を交絡処理した後、加熱処理して霜降調繊維を得る方法、また特開昭50−116708号公報(特許文献2)には、染色性の異なる2種のポリマーを使用し、紡糸混繊する方法、さらに、特開平9−316744号公報(特許文献3)には、配向差のある2種の糸条を延伸工程で混繊し、濃淡染着性差を利用して杢外観を得る方法が開示されている。しかし、これらの提案による混繊糸では、確かに杢調や霜降調の織編物を得ることができるが、所詮、延伸糸混繊のため、明瞭な細かい杢感、さらには、ソフトな風合を得ることはできない。
また、従来、ソフトなタッチと風合を有する複合仮撚加工糸として、特公昭60−22092号公報(特許文献4)、特開昭57−21526号公報(特許文献5)に記載のようなイオン性染料に可染色性のポリエステルフィラメントとイオン性染料に不染性のポリエステルフィラメントとを組み合わせた複合加工糸が知られている。しかし、これらの複合仮撚加工糸は交絡部によって集束性を、交絡部間の開繊部によって嵩高性を夫々付与しているものの、その風合は、フカツキ感を呈するものであった。
さらに、ソフトな風合と異染性を有する複合仮撚加工糸として、特開平2−139440号公報(特許文献6)にカチオン性染料に不染性の太デニールのポリエステル糸とカチオン性染料に可染性の細デニールのポリエステル糸とを組み合わせた複合糸が開示されている。このものは、ソフトな風合と異染性を有する一方、このような混合マルチフィラメントをブラウス等に使用した場合、特にムレ感などによる不快感を招くことが多く、吸水速乾性の機能が要求されている。また、鞘糸のカチオン可染糸の加工時の毛羽が要因で、特に、細デニールゾーンにおいては、ネップ体質とか、解舒体質が悪くなり、製編、製織工程での通過性が悪い等の問題もある。
このため、上記の問題を解決する異染性混繊糸が熱望されてきた。
特開昭49−72485号公報 特開昭50−116708号公報 特開平9−316744号公報 特公昭60−22092号公報 特開昭57−21526号公報 特開平2−139440号公報
本発明は、上記従来技術を背景になされたもので、その目的は、非常にソフトで滑らかな表面タッチの風合、かつ繊細な異染性杢調を発現させることができ、且つ製織編工程での通過性の良い異染性ポリエステル混繊糸を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、
単糸横断面形状が、偏平形状であり、該偏平形状は長手方向に丸断面単糸の3〜6個が接合したような形状を有しているポリエステルマルチフィラメント糸条Aと、単糸横断面形状が繊維断面コアー部から外側へ突出したフィン部を3〜8個有するポリエステルマルチフィラメント糸条Bとから構成される混繊糸であって、下記要件を満足することを特徴とする異染性ポリエステル混繊糸、
a)マルチフィラメント糸条Aが下記一般式(1)で表わされるスルホン酸ホスホニウム塩を0.1〜6.0モル%共重合した改質ポリエステルであること。
Figure 2010229596
(式中、Aは芳香族基又は脂肪族基、X1はエステル形成性官能基、XはXと同一もしくは異なるエステル形成性官能基又は水素原子、R、R、R及びRはアルキル基及びアリール基より選ばれた同一又は異なる基、nは正の整数を示す)
b)マルチフィラメント糸条Bの下記式で表される突起係数が0.3〜0.7であること。突起係数=(a1−b1)/a1
a1:繊維断面内面壁の内接円中心からフィン部頂点までの長さ
b1:繊維断面内面壁の内接円の半径
更に、本発明の異染性混繊糸の製造方法であって、カチオン可染性ポリエステル偏平断面マルチフィラメント糸条(A)と、ポリエステル特殊異型断面マルチフィラメント糸条(B)が、同一又は異なる紡糸口金から溶融吐出し、夫々の糸条群を冷却固化後に合糸して、次いで1000〜4000m/分の速度で一旦引き取った未延伸糸条を延伸して得られるか、又は、1000〜4000m/分の速度で引き取り、一旦巻取ることなく、延伸する製造方法、
が提供される。
本発明の混繊糸の一方成分であるマルチフィラメント糸条は細繊度で扁平形状繊維であるため丸断面繊維と比べソフトで、且つフィンを有する異形断面糸を混繊することにより工程で発生する毛羽や断糸の発生が低下し、製編織工程での工程通過性が大幅に向上する。
得られた布帛をカチオン染色することにより、ソフトで滑らかな表面タッチの風合、かつ繊細な杢調布帛が得られる。
マルチフィラメント糸条Aの長さ方向に対する直角断面図の模式図を示すものであり、(a)〜(h)はそれぞれ下記の通りである。(a) 偏平断面糸の断面図(b) 丸断面糸の断面図(c) 2つの山を有する偏平糸の断面図(d) 本発明を構成する単糸の断面図である。(e) 本発明を構成する単糸の断面図である。(f) 本発明を構成する単糸の断面図である。(g) 本発明を構成する単糸の断面図である。(h) 7つの山を有する偏平糸の断面図である。 マルチフィラメント糸条Bの断面形状 マルチフィラメント糸条Aのへたり部比と扁平係数を測定するための長軸部、短軸最長部B、短軸最小部Cを示す模式図 マルチフィラメント糸条Aの吐出口金形状 マルチフィラメント糸条Bの吐出口金形状
以下、本発明の異染性ポリエステル混繊糸は、それぞれ異なる2種類の異型断面を有するポリエステル繊維2糸条が巻き付き、互いに適度に絡みあうことによって全体として繊細な異染性杢調を引き出すことが出来る異染性ポリエステル混繊糸である。以下、この異染性ポリエステル混繊糸について具体的に説明する。
<マルチフィラメント糸条Aについて>
本発明の異染性ポリエステル混繊糸の一方成分を構成するカチオン可染性ポリエステル偏平断面マルチフィラメント糸条(A)は、下記一般式(1)で表わされるスルホン酸ホスホニウム塩を0.1〜6.0モル%共重合した極限粘度0.6以上の改質ポリエステルからなる偏平断面繊維であり、該偏平形状は長手方向に丸断面単糸の3〜6個が接合したような形状を有している。
Figure 2010229596
(式中、Aは芳香族基又は脂肪族基、X1はエステル形成性官能基、X2はX1と同一もしくは異なるエステル形成性官能基又は水素原子、R、R、R及びRはアルキル基及びアリール基より選ばれた同一又は異なる基、nは正の整数を示す)
ここで上記一般式(1)で表されるスルホン酸ホスホニウム塩は0.1〜6.0モル%、好ましくは0.5〜3.0モル%共重合されており、極限粘度は0.60以上、好ましくは0.64以上である事が望ましい。特に極限粘度は異型断面フィラメント糸の強度に影響し、0.60未満では、十分な糸強度を得る事ができない。スポーツ衣料用を含めた汎用用途として十分な耐磨耗性や、引き裂き強力を発現するレベルのフィラメント強度を得るためには、製糸原料のポリマー段階で極限粘度が0.64以上である必要がある。極限粘度が0.64以上であれば、製糸、製織後の加工工程において、染色により優れた鮮明性を発現し、同時に耐磨耗性と引き裂き強力に優れた布帛を得る事が出来る。
マルチフィラメント糸条A(糸条Aと呼ぶ場合がある)の単糸断面形状は偏平形状であり、該偏平形状は長手方向に丸断面単糸の3〜6個が接合したような形状を有している偏平断面繊維である。ここで“接合したような”とは、現実にその溶融紡糸の段階で接合されることを示しているのでは無く、結果として“接合したような”形状を有しているという意味である。すなわち、本発明の偏平断面繊維の断面形状は、長手方向(長軸方向)に丸断面単糸が接合したような形状であり、長軸を軸として凸部と凸部(山と山)、凹部と凹部(谷と谷)が対称に互いに重なり合う形をしており、上記のように丸断面単糸の数は3〜6個である必要がある。
マルチフィラメント糸条Aの断面形状を図1により説明する。図1(a)〜図1(h)は、繊維の断面形状を模式的に示したものであり、図1(d)〜図1(g)が本発明に属する断面形状であり、図1(d)は3個、図1(e)は4個、図1(f)は5個および図1(g)は6個の丸形断面単糸が融着したような形状を示している。
すなわち、マルチフィラメント糸条Aの断面形状は、偏平形状であり、長手方向(図1では横方向)に丸断面単糸が連続して融着したような形状であり、また横方向の中心線を軸として山と山(凸部と凸部)、谷と谷(凹部と凹部)が対称に互いに重なり合う形をしている。図1(d)〜図1(g)に示されるように、山(凸部)の数は3〜6個である。
この山(凸部)を3〜6ケ有する偏平糸とすることにより丸断面の糸に比べて、原糸段階での曲げ特性が向上する。その結果、得られた布帛は柔軟性に富んだ物となる。
繊維横断面におけるこの凸部が2ケ以下の場合は繊維横断面における長軸の幅Aとそれと直交する短軸の最大幅Bの比が2以下となるため目的とする柔軟性が得られないばかりか、製織したさいに単繊維の長軸が布帛の面方向に配列することなく、単繊維の太さが1/2で単糸数が2倍のマルチフィラメントを製織した時に類似した形状となり、かつ単繊維太さが従来の丸断面と同じであることより、単繊維の短軸が布帛面方向に配列した場合は、むしろ布帛は硬いものとなる。
一方、凸部の数が7ケを越えると、断面形状は凸部の無い偏平形状糸に近くなり、紡糸時の冷却斑が発生するため紡糸時の糸曲がりや糸揺れが発生し製糸時の糸切れとなり製造が困難となる。
<マルチフィラメント糸条Bについて>
一方、本発明の異染性ポリエステル混繊糸を構成する他方のマルチフィラメント糸条B(糸条Bと呼ぶ場合がある)は、単糸横断面形状において、下記式で定義する突起係数0.3〜0.7、より好ましくは0.4〜0.6である、繊維断面コアー部から外側へ突出したフィン部(図2参照)を3〜8個、好ましくは4〜6個存在する形状を呈している必要がある。
突起係数=(a1−b1)/a1
a1:繊維断面内面壁の内接円中心からフィン部頂点までの長さ
b1:繊維断面内面壁の内接円の半径
該突起係数が0.3未満のフィン部は、マルチフィラメント糸条Bの各単糸間、或いはマルチフィラメント糸条Aを構成する単糸との間に充分な空隙を形成出来ず、嵩高性が不足し、特徴とするドライ感、軽量感が得られない。さらにこのような短小フィン部は、布帛に吸水処理剤を施す場合のアンカー効果が小さくなるため、該処理剤の洗濯耐久性を低下させる傾向にある。また、布帛の風合もフラットなペーパーライクなものとなる。一方、突起係数が0.7を越えるフィン部は、布帛加工の段階で、該フィン部に応力が集中しやすいため、繊維断面の部分的破壊が発生して十分な空隙形成がなされなくなり、ドライ感、軽量感が不十分となる。また、製糸工程での糸切れや毛羽も頻発する。
なお、突起係数が0.3〜0.7のフィン部であっても、単繊維断面に該フィン部の数が1〜2個では、充分な空隙を形成出来ず、ドライ感、軽量感が不十分となり、毛細管現象も十分発現せず、吸水性能が不十分となる。また、布帛の風合もフラットなペーパーライクなものとなる。一方、8個を越える場合には、フィン部への応力集中が発生し、繊維断面の部分的破壊が起こり、十分な毛細管形成がなされなくなり、吸水性能が不十分となる。また、製糸工程での糸切れや毛羽が頻発する。突起係数が0.3未満のフィン部は8個を超えて存在しても良い。
なお、上記マルチフィラメント糸条A及びマルチフィラメント糸条Bのいずれにも、本発明の目的を阻害しない範囲で、公知の添加剤、例えば、顔料、染料、艶消し剤、防汚剤、蛍光増白剤、難燃剤、安定剤、紫外線吸収剤、滑剤等が配合されていてもよい。
<混繊糸について>
糸条Aと糸条Bとの総繊度比は、A/B=30/70〜70/30が好ましく、なかでもA/B=50/50〜70/30の範囲がより微細な細杢調を発現させる上でさらに好ましい。本発明の混繊糸では、糸条Aと糸条Bとの混ざり具合を適度に制御して、得られる異染効果を織編物表面に繊細な細杢調を発現させている。したがって、糸条Aと糸条Bとの混ざり合いが進み過ぎると、織編物表面の細杢調が不充分となるだけでなく、がさついた風合となるので好ましくない。一方、糸条Bの比率が増大すると、混繊糸の強度、伸度が低下し、また毛羽も多い品質不良品となるだけでなく、織編物表面の杢が白けた光沢のないものとなるので好ましくない。さらには、該糸条を溶融紡糸する際に、断糸が頻発しやすい。
糸条Aと糸条Bの単繊維繊度は、同一であっても異なっていてもよいが、その平均単繊維繊度は1.0〜5.0dtex、好ましくは1.2〜4.0dtexの範囲であることが必要である。平均の単繊維繊度が1.0dtex未満の場合には、糸条Aと糸条Bとの混ざり合いが進みすぎるため、得られる織編物表面に杢調が発現し難くなるので好ましくない。一方平均単繊維繊度が5.0dtexを超える場合には、得られる織編物の風合いが粗硬化し、表面が不快な触感を与えるようになるので好ましくない。なお、糸条Aと糸条Bの単繊維繊度が異なる場合には、異染性ポリエステル混繊糸のより芯部に配されやすい糸条の方が、その単繊維繊度は大きい方が好ましい。しかし、単繊維繊度があまりに大きくなりすぎると風合いが粗硬なものとなりやすいので5.0dtex以下とするのが望ましい。
糸条Aと糸条Bとの混繊は従来公知の混繊装置を用いて行うことができる。交絡用空気噴射ノズルにて糸を交絡させた後、予熱ローラーにて予熱し引き取りローラーにて所定の倍率に延伸することにより得られる。
以下、実施例及び比較例により、本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれらによって些かも限定されるものではない。なお、実施例等における各測定値は次の方法で測定したものである。
(1)固有粘度
オルソ−クロルフェノールに溶解し、ウベローデ粘度管を用い、35℃で測定した。
(2)くびれ部比及び扁平係数(図3参照)
くびれ部比:糸条Aの単糸を繊維軸方向に10m毎に10箇所サンプリングし、おのおの断面顕微鏡写真を撮影した。撮影された全繊維断面について、短軸の最大長さ(B)と、くびれ部の短軸の長さ(C)との比B/Cを測定し、全測定値の平均値で表したものである。
扁平係数:糸条Aの単糸を繊維軸方向に10m毎に10箇所サンプリングし、おのおの断面顕微鏡写真を撮影した。撮影された全繊維断面について、長軸即ち最も長い部位の長さ(A)と、長軸に直交する短軸の最大長さ(B)との比A/Bを測定し、全測定値の平均値で表したものである。
(3)突起係数(図2参照)
糸条Bの断面顕微鏡写真を撮影し、単繊維断面内面壁の内接円中心からフィン部頂点までの長さ(a1)および繊維断面内面壁の内接円の半径(b1)を測定し、下記式で突起係数を計算した。
突起係数=(a1−b1)/a1
a1:繊維断面内面壁の内接円中心からフィン部頂点までの長さ
b1:繊維断面内面壁の内接円の半径
(4)杢(カスリ)
レベル1:均一に分散した微細で杢であり、筋、繊維塊等が認められない。
レベル2:筋、繊維塊等は認められないが、やや弱い色調の杢となっている。
レベル3:杢が局所的に散在したり、筋、繊維塊等が認められる。あるいは白けた色調の杢である。
(5)風合い
○:ソフトでしなやかな感触がある。
△:ややソフト感が乏しいが反撥性は感じられる。
×:カサカサした触感あるいは硬い触感である。
(6)混繊工程調子
東レ(株)製DT−104型毛羽カウンター装置を用いて、混繊糸サンプルを500m/分の速度で20分間連続測定して発生毛羽数を計測し、サンプル長1万m当たりの個数で表した。
○ 毛羽少なく良好(10ケ/1万m未満)
△ やや毛羽発生多い
× 毛羽多く製品品位悪い(10ケ/1万m以上)
(7)カチオン可染性:
マルチフィラメント糸にて作製した筒編みを、Estrol Brilliant Blue N−RL 2%owf、硫酸ナトリウム 3g/L、酢酸 0.5g/L、浴比1:50の染色液中にて100℃で1時間、染色を行って染色布帛を得た。
[実施例1]
(マルチフィラメント糸条Aの作成)
テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコール60部、酢酸マンガン4水塩0.03部(テレフタル酸ジメチルに対して0.024モル%)、整色剤として酢酸コバルト4水塩0.009部(テレフタル酸ジメチルに対して0.007モル%)、カチオン染料可染化剤としてテレフタル酸ジメチルに対して0.5モル%となる量の3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸テトラ−n−ブチルホスホニウム塩、および安定剤としてテレフタル酸ジメチルに対して0.050モル%のテトラエチルアンモニウムハイドロオキサイドをエステル交換缶に仕込み、窒素ガス雰囲気下3時間かけて140℃から220℃まで昇温して、生成するメタノールを系外に留去しながらエステル交換反応させた。
続いて得られた生成物にエステル交換触媒失活剤として正リン酸の56%水溶液0.03部(テレフタル酸ジメチルに対して0.033モル%)および消泡剤としてジメチルポリシロキサン0.03部を添加し、同時に過剰のエチレングリコールの昇温追出しを開始した。 10分後重縮合触媒として三酸化アンチモン0.04部(テレフタル酸ジメチルに対して0.027モル%)を添加した。内温が240℃に達した時点でエチレングリコールの追出しを終了し、反応生成物を重合缶に移した。次いで、ハード型ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムをテレフタル酸ジメチルに対して1.5モル%添加した後、昇温しながら内温が260℃に到達するまで常圧反応させた後、1時間かけて760mmHgから1mmHgまで減圧し、同時に1時間30分かけて内温を280℃まで昇温した。さらに、1mmHg以下の減圧下、重合温度280℃で更に2時間重合した時点で窒素ガスで真空を破って重合反応を終了し、窒素ガス加圧下にポリマーを吐出し、冷却してチップ化した。得られたチップの固有粘度[η]は0.640(これから得られた加工糸の固有粘度[η]Fは0.625)であった。
このポリマーチップを常法により乾燥した後、該乾燥ポリマーを従来公知の紡糸設備を用いて溶融し、スピンプロックを通して、紡糸スピンパックに導入した。ポリマー流は、該スピンパックに組み込まれた、扁平吐出孔を30個穿設した紡糸口金(図4参照)から吐出し、通常のクロスフロー型紡糸筒からの冷却風で冷却・固化し、紡糸油剤を付与した後、ゴデットロール前に配置したインターレーサーに供給した。
(マルチフィラメント糸条Bの作成)
他方、0.35重量%の酸化チタンを含む固有粘度0.630のポリエチレンテレフタレートを常法により乾燥した後、該乾燥ポリマーを従来公知の紡糸設備を用いて溶融し、スピンプロックを通して、図5示す吐出孔形状と同じタイプの吐出孔をベースとして、スリット幅が0.10mmおよび該円形吐出孔中心点から先端部までの長さ(図5のa2)が0.88mmのフィン部形成用吐出孔を有し、コアー部形成用円形吐出孔の半径(図5のb2)が0.15mmの吐出孔群を24群穿設した紡糸口金から吐出し、上記同様、通常のクロスフロー型紡糸筒からの冷却風で冷却・固化し、紡糸油剤を付与した後、ゴデットロール前に配置した上記と同じインターレーサーに供給した。
(混繊糸の作成)
次に上記糸条Aと糸条Bを該インターレーサーによって交絡付与し、一旦、3000m/minの速度で引き取り、一旦巻取ることなく、1.6倍延伸して、4800m/min.の速度で巻取り、本発明の特殊異型断面を有する異染性ポリエステル混繊糸を得た。
マルチフィラメント糸条Aは、単糸の横断面形状が図1(e)に示すような、くびれ部(くびれ部比が1.2)を3個所有する扁平断面(断面扁平度3.2)の扁平断面繊維で50dtex/30filであった。
マルチフィラメント糸条Bは、50dtex/24filで単糸の断面形状が図2に示されるようなフィン部を有する異形断面糸で突起係数は0.6であった。
[実施例2〜3 比較例1〜6]
表に示した条件以外は実施例1と同様に行った。
Figure 2010229596
杢調効果と高い発色性、吸水性を有し、豊かなふくらみ、ソフト感、ドレープ性、光沢と耐光性に優れ、かつ製編織工程通過性が良好な主としてスポーツ用衣料および婦人用衣料として有用である。
a1 :繊維断面内面壁の内接円中心からフィン部頂点までの長さ
b1 :繊維断面内面壁の内接円半径
a2 :コアー部形成用吐出孔中心点からフィン部形成用吐出孔先端部までの長さ
b2 :コアー部形成吐出孔中心に内接する円の半径

Claims (3)

  1. 単糸横断面形状が、偏平形状であり、該偏平形状は長手方向に丸断面単糸の3〜6個が接合したような形状を有しているポリエステルマルチフィラメント糸条Aと、単糸横断面形状が繊維断面コアー部から外側へ突出したフィン部を3〜8個有するポリエステルマルチフィラメント糸条Bとから構成される混繊糸であって、下記要件を満足することを特徴とする異染性ポリエステル混繊糸。
    a)マルチフィラメント糸条Aが下記一般式(1)で表わされるスルホン酸ホスホニウム塩を0.1〜6.0モル%共重合した改質ポリエステルであること。
    b)マルチフィラメント糸条Bの下記式で表される突起係数が0.3〜0.7であること。突起係数=(a1−b1)/a1
    a1:繊維断面内面壁の内接円中心からフィン部頂点までの長さ
    b1:繊維断面内面壁の内接円の半径
    Figure 2010229596
    (式中、Aは芳香族基又は脂肪族基、X1はエステル形成性官能基、XはXと同一もしくは異なるエステル形成性官能基又は水素原子、R、R、R及びRはアルキル基及びアリール基より選ばれた同一又は異なる基、nは正の整数を示す)
  2. ポリエステルマルチフィラメント糸条Aの固有粘度が0.6以上である請求項1記載の異染性ポリエステル混繊糸。
  3. 請求項1〜2いずれか記載の異染性ポリエステル混繊糸の製造方法であって、マルチフィラメント糸条(A)を構成するポリエステルとマルチフィラメント糸条(B)を構成するポリエステルを、同一又は異なる紡糸口金から溶融吐出し、夫々の糸条群を冷却固化後に合糸して、次いで延伸することなく1000〜4000m/分の速度で一旦引き取った後延伸するか、又は、1000〜4000m/分の速度で、一旦巻取ることなく延伸することを特徴とする請求項1記載の異染性ポリエステル混繊糸の製造方法。
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