JP2010227478A - 片麻痺者用車椅子 - Google Patents

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Abstract

【課題】座乗者が健常な片足で車椅子を漕ぎやすく、さらに、ブレーキ操作がし易い片麻痺者用の車椅子を提供する。
【解決手段】回動自在なキャスター18と脱着自在のフットレスト26と、座部の左右に回動自在のアームレスト19を有し、車椅子のいずれか一方側に座部より低い小車輪と他方側に座部より高い大車輪21を有する片麻痺者用車椅子100とし、前記小車輪と前記大車輪21は左右で交換可能であり、前記座部の高さが車椅子の前後で同じであり、前記座部の座部フレームの前部を外側に湾曲させて、座乗者の足許を広くしたことを特徴とする片麻痺者用車椅子100とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、片麻痺者が使用する車椅子に関する。より詳しくは、体のいずれか一方が麻痺した患者が使用する車椅子であって、該車椅子を操作するために左右どちらかにハンドリムを有する大車輪を着設し、他方に乗降しやすいように座部より低い小車輪を着設した片麻痺者用車椅子に関する。
体のいずれか一方が麻痺した片麻痺患者が使用する車椅子は、自由に動かすことができる一方側の体を動かして車椅子を操作するために、片麻痺者用の車椅子には、通常の車椅子と異なる改良が加えられている。
特許文献1は、片麻痺者の在宅生活で使用するための車いすとして、一方側に健腕上肢で操作する大車輪と、他方側の前後に自在輪キャスターを着設した3輪で構成される片麻痺者用の車いすが開示されている。
特許文献2は、駆動輪のうち少なくとも一方を自力で操作することができる程度の障害がある片麻痺者が使用する片麻痺者用車椅子において、前記駆動輪の一方を前記座席の高さより小さい車輪とし、他方を自力で操作できるようにハンドリムを設けた駆動輪としたことを特徴とする片麻痺者用車椅子が開示されている。
特許文献3は、片麻痺者が車椅子で使用できるクッションを開示している。当該クッションはベースクッション部品と、このベースクッション部品に装着可能な左右一対の大腿パッド部品とで構成され、左側が麻痺をした患者の場合、右側のパッド部品を取り外して右側の溝を露出させて使用すれば溝の底面が前下がりになっているため、右側の足で床を蹴って車椅子を駆動させるためのクッションが開示されている。
特許文献4の段落[0004]「そこで、この考案は車椅子の軽量化を図るため車椅子構造について検討した結果、バックパイプ間に張設されたシートについては操縦者の体重が掛かることから、従来と同様に例えば布製で構成する必要があるが、スカートガード、レッグレストについては操縦者の側面及び側部をガードするに過ぎず、したがってバックレスト、シートよりも軽量な材質を用いても充分にその目的が達せられることを見出したものである。」と記載され、スカートガードに軽量なメッシュ材質で構成することが開示されている。
特許文献5の段落[0018]「一方、該スカートガード80の側面には、通孔80eが形成されており、該通孔80eとスカートガード80の側縁と該通孔とにより把持部80fを形成している。このため、介護者がアームレスト70を外して、容易に取り扱うことができる。」と記載され、把持部を有するスカートガードが開示されている。
上記のように片麻痺患者が使用するための車椅子やそれに装着するクッション、スカートガード等が開示されている。しかし、これらの開示されている車椅子でも片麻痺患者が車椅子を使用するに当たって、片麻痺患者の使い勝手を充分に満足させるものではなく、さらに、利用しやすい車椅子の出現が望まれている。
特開平08−191863号公報 特開平10−057417号公報 特開2003−199645号公報 実用新案登録第3079256号公報 特開2001−252310号公報
本発明は、上記事実に鑑みて片麻痺者が快適に使用できる車椅子を提供する。より詳しくは、座乗者が健常な片足で車椅子を漕ぎやすく、さらに、ブレーキ操作がし易い片麻痺者用の車椅子を提供する。
車椅子を片足で漕ぎやすくするために座部の前後で高低差をなくすと共に、車椅子の座部フレームの前を広くした。さらに、座乗者がブレーキ操作をし易くするために、スカートガードの前後に腕が通る穴を穿設した。
本発明の特徴は、車椅子の前部フレームに回動自在なキャスターとフットレストと、車椅子の座部の左右に回動自在のアームレストを有し、車椅子のいずれか一方側に座部より低い小車輪と他方側に座部より高い大車輪を有する片麻痺者用車椅子であって、前記小車輪と前記大車輪は左右で交換可能であり、前記座部の高さが車椅子の前後で同じであり、座部フレームを載設するサイドフレームの前部が外側に湾曲していることを特徴とする片麻痺者用車椅子である。
車椅子の一方側の車輪を座部より低い小さな車輪を着設して、座乗者がベッドやソファーに乗り移りやすくすると共に、他方側にハンドリムの付いた大きな車輪を着設して、麻痺のない健常な方の手で駆動させるためのものである。さらに、麻痺をしている側が反対側の場合は、左右の車輪を交換することもできる。
座面は通常前が高くなっているが、本発明の車椅子の座面は前後で高さを同じにすると共に、サイドフレームの前を広くし、クロスバーの着設位置を通常の車椅子より後方に着設したことにより、片麻痺患者が健常な足で車椅子を漕ぐ場合に、足回りが広くなって足こぎの操作がし易くなった。
本発明の別の特徴は、回動自在のアームレストの下に着設されたスカートガードの前側上部に腕を通すための穴と後側下部に開いたアームレストを引き戻すための把持用の穴を穿設していることを特徴とする片麻痺者用車椅子である。
アームレストの下に健常な方の腕を通して、反対側に着設されているブレーキを解除または有効に係止するためにスカートガードの前側上部に穴が穿設されている。スカートガードの後側下部にはアームレストを立てたときに、これを戻すために手を掛けて戻す穴が穿設されている。
本発明の別の特徴は、フットレストは脱着自在であり、左右のフットレストを着設する嵌着部の嵌着孔は回転を防止する楕円形状であって、使用しないフットレストを保持するために楕円形状の嵌着孔を有する嵌着部を車椅子の後部に着設したことを特徴とする片麻痺者用車椅子である。
車椅子の一方側の車輪を座部より低い小さな車輪を着設して、座乗者がベッドやソファーに乗り移りやすくすると共に、他方側にハンドリムの付いた大きな車輪を着設して、麻痺のない健常な方の手で駆動させるためのものである。さらに、麻痺をしている側が反対側の場合は、左右の車輪を交換することもできる。
座面は通常前が高くなっているが、本発明の車椅子の座面は前後で高さを同じにすると共に、サイドフレームの前を広くし、クロスバーの着設位置を通常の車椅子より後方に着設したことにより、片麻痺患者が健常な足で車椅子を漕ぐ場合に、足回りが広くなって足こぎの操作がし易くなってた。
健常な方の腕で反対側に着設されているブレーキを解除または有効に係止するためにスカートガードに腕を通す穴がスカートガードの前側上部に穿設されている。また、乗り降りの際に、アームレストを立てたとき、これを戻すために手が掛けられるようにスカートガードの後側下部に穴が穿設されている。
図1は、車椅子に片麻痺患者が座乗した状態の側面図を示す。 図2は、車椅子の大車輪側の側面図を示す。 図3は、車椅子の小車輪側の側面図を示す。 図4は、車椅子の座部前面のサイドフレームが外側に湾曲している部分斜視図を示す。 図5は、車椅子のフットレストの側面図を示す。 図6は、車椅子の後部の嵌着部にフットレストを折りたたんで嵌着した斜視図を示す。 図7は、車椅子の裏面図でクロスバーを座部の後方に着設している斜視図を示す。
図1は、本発明の車椅子100に片麻痺患者が座乗した状態の側面図を例示している。片麻痺患者は、図1に示すように健常な方の手Aは、車椅子の大車輪21に着設されたハンドリム22を操作するために大車輪21のハンドリム22上にある。健常な方の足Bは、地面を蹴って車椅子を動かすために、接地した状態にある。不自由な方の足Cはフットレスト26上に乗せてベルト28で踵を軽く受けている。
図2は、大車輪と小車輪を軸着した本発明の車椅子100の大車輪21を着設した側を示している。図2に示すように、本発明の車椅子100は、把持部19を有する後部フレーム12に背もたれ部13が着設されており、その前方にクロスバー25が着設された座部フレームを載設するサイドフレーム14が着設されている。サイドフレーム14の前に着設されている前部フレーム17の左右両側には、フットレスト26が着脱自在に嵌着されている。車椅子の両側に車輪が軸着されており、一方側にはハンドリムを着設した大車輪21を軸着し、他方側には座部より低い小車輪が軸着されている。一方側のハンドリムを着設した大車輪は、片麻痺患者が健常な方の手で車椅子を操作するために着設されている。そのために、大車輪は片麻痺患者の健常な側に合わせて左右どちら側にでも着設できるように、後部フレーム12の下部に大車輪21(21a)または小車輪23(23a)を軸着する穴が上下に2カ所穿設されている。
図3は、大車輪と小車輪を軸着した本発明の車椅子100の小車輪23を軸着した側を示している。片麻痺患者の患部側には、座部15の高さよりも低い小車輪23を軸着する。座乗者が車椅子に乗り降りする場合に、座部15の高さよりも低い小車輪23を軸着することによって、開閉自在のアームレスト19を開いて座部15より低い小車輪23の着設した側から乗り降りがし易い構造となっている。
図3に示すように、アームレスト19の下に着設されたスカートガード10には、前側の上部10aと後側の下部10bに穴が穿設されている。この前側上部10aの穴は、通常健常な方の手は大車輪側にあり、小車輪は麻痺した動かせない状態の側に軸着されている。座乗者が小車輪側のブレーキ24を掛けたり、解除したりする場合には、体を捻って健常な方の手をアームレスト19の上から回して操作しなければならないという不便さがあった。この不便さを解消するためにスカートガード10の一部に、健常な方の手でブレーキ24を掛けたり、解除したりするために手を通すための穴10aを穿設して、手とブレーキの距離を短縮するようにした。スカートガード10の後側の穴10bはアームレスト19を上げて、車椅子に乗った後にアームレスト19を下げるときに10bに健常な方の手でアームレスト19を引き下ろすための穴である。
図4は、本発明の車椅子の座部15の前面を示している。本発明の車椅子の座部15は、図1、図2からも明らかなように、車椅子の座部15は前と後ろで高さは変わらないようにした。通常、車椅子の座部は腰を掛けたときに、後に凭れられるように、後側が下がるように設計されている。しかし、片麻痺患者の場合、車椅子を操作する時に足で地面を蹴って進むことがある。このように地面を足で蹴る時に体重が後方に掛かると足で蹴ることが難しくなる。また、座部の前が下がっていると体重が前に掛かり足で蹴ることが難しくなるため、本発明の車椅子の座部15は前後に傾きを設けていない。
さらに、本発明の車椅子は、図4に示すようにサイドフレーム14の前部(14a、14a)を外側に湾曲させて足下を広くした。これは、座乗者が健常な方の足で地面を蹴りながら(漕ぎながら)進む場合に、足で地面を蹴る操作が行いやすいように足回りを広くしたものである。
図5(5−1)は、本発明の車椅子に着設する脱着自在のフットレスト26を示している。通常の車椅子においてフットレストは車椅子に乗降する場合は車椅子の外側に回動させるようになっている。本発明の片麻痺者用の車椅子のフットレスト26は、麻痺している方の足を乗せて、健常な方の足は車椅子を操作するために地面に着いている。そこで麻痺している足を乗せるフットレスト26は動かないようにするために、本発明のフットレスト26を嵌着する嵌着孔は略楕円形状(図4の27a、27a参照)をしており、それに合わせてフットレストの嵌着孔に挿入する挿入部分(27b、27b)の断面は、図5の(5−2)に示すように略楕円形状をしている。嵌着孔と挿入部分(27b、27b)を略楕円形状とすることにより、足を乗せて体重がかかってもフットレスト26が回転しない構造となっている。通常の車椅子はフットレストが邪魔になったときは、フットレストを車椅子の外方向に回転させるようになっているが、本発明の車椅子のフットレスト26は、邪魔なときは簡単に取り外すことができる。
図6は本発明車椅子の後部を示している。前部フレーム17のフットレストの嵌着部27に嵌着されているフットレスト26は、座乗者が健常な方の足で地面を蹴りながら(漕ぎながら)進む場合には、健常な方の足の前にあるフットレスト26は邪魔になるので、取り外して図6に示すように車椅子の後部の楕円形状の嵌着孔27cを有するに嵌着部に嵌着しておくことができる。楕円形状をしているのでがたつきがなく、取り外したフットレスト26の保管場所を探す必要もない。また、フットレスト26を車椅子の両側に装着する場合も容易に取り付けることができる。
図7は、本発明車椅子100の裏側を示し、本発明の車椅子のクロスバー25が座部15の後方に着設していることを示す。本発明の車椅子のクロスバー25は、片麻痺患者が健常な方の足で地面を蹴って車椅子を進める場合に、足もとを少しでも広くするために、通常の車椅子に比較して座部15の後方に着設している。クロスバー25を座部15の後方に取着することによって、地面を蹴った足がクロスバー25に当たって負傷するようなことがないようにしている。
100:片麻痺者用車椅子
10:スカートガード
11:把持部
12:後部フレーム
13:背もたれ部
14:サイドフレーム
15:座部
16:座部フレーム
17:前部フレーム
18:キャスター
19:アームレスト
20:下部フレーム
21:大車輪
22:ハンドリム
23:小車輪
24:ブレーキ
25:クロスバー
26:フットレスト
27:フットレスト嵌着部
28:ベルト

Claims (3)

  1. 車椅子の前部フレームに回動自在なキャスターとフットレストと、車椅子の座部の左右に回動自在のアームレストを有し、車椅子のいずれか一方側に座部より低い小車輪と他方側に座部より高い大車輪を有する片麻痺者用車椅子であって、前記小車輪と前記大車輪は左右で交換可能であり、前記座部の高さが車椅子の前後で同じであり、座部フレームを載設するサイドフレームの前部が外側に湾曲していることを特徴とする片麻痺者用車椅子。
  2. 回動自在のアームレストの下に着設されたスカートガードの前側上部に腕を通すための穴と後側下部に開いたアームレストを引き戻すための把持用の穴を穿設していることを特徴とする請求項1に記載の片麻痺者用車椅子。
  3. フットレストは脱着自在であり、左右のフットレストを着設する嵌着部の嵌着孔は回転を防止する楕円形状であって、使用しないフットレストを保持するために楕円形状の嵌着孔を有する嵌着部を車椅子の後部に着設したことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の片麻痺者用車椅子。
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