JP2010226410A - コプレーナ線路 - Google Patents

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毅彦 槇田
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Abstract

【課題】ミリ波帯域での基板への電磁波の漏れによる減衰が小さいコプレーナ線路を提供すること。
【解決手段】電気抵抗率が1kΩcm〜10kΩcmのシリコン基板12と、シリコン基板の第1主面12a側に形成される界面低抵抗層14と、界面低抵抗層上に形成される絶縁膜16と、絶縁膜の表面側に形成される信号線路18及び信号線路を平面的に挟む位置に設けられた1対の接地導体20a,20bとを備えていて、界面低抵抗層の電気抵抗率が、0.01Ωcmより大きい。
【選択図】図5

Description

この発明は、ミリ波の周波数帯域で動作する集積回路チップ間の接続や集積回路チップとパッケージのコネクタとの接続に用いられるコプレーナ線路に関する。
ミリ波の周波数帯域で用いられるコプレーナ線路は、一般にGaAsあるいはInP等の化合物半導体結晶基板に、金属配線パターンが形成されて構成される。これら化合物半導体結晶基板は、10Ωcm程度の高い抵抗率を有するため、化合物半導体結晶基板にコプレーナ線路を形成すれば、基板への電磁波の漏れを低減できる。
従って、化合物半導体結晶基板を用いることにより、周波数が10GHz以上の高周波数帯域におけるMMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)を作成することが可能である。すなわち、化合物半導体結晶基板にトランジスタ又はミキサ等の能動デバイスや、能動デバイスの入出力側にインピーダンス整合回路としての伝送線路、あるいは、フィルタ又はインダクタ等の受動素子を形成することができる。
しかしながら、化合物半導体結晶基板は、シリコン結晶基板と比較して高価である。また、これら化合物半導体結晶基板の市場におけるサイズの主流は、直径3〜4インチ(1インチは約2.54cm)である。一方、シリコン結晶基板のサイズの主流は、直径6インチ以上である。このように、化合物半導体結晶基板は、高価である上、サイズも小さいので、化合物半導体結晶基板に形成されるコプレーナ線路は、製造コストが高くなる。
一方、抵抗率が1kΩcm〜10kΩcm程度のシリコン単結晶基板に膜厚が10μm以上のSiO膜、SiN膜又はポリイミド膜などの絶縁膜を形成し、この絶縁膜上に信号線路と接地導体を形成したコプレーナ線路が知られている(例えば、特許文献1参照)。このコプレーナ線路によれば、基板としてシリコン単結晶基板を用いる場合であっても、基板への電磁波の漏れを低減でき、周波数が10GHz以上の高周波数帯域のMMICを製造することが可能である。
特開2000−68714号公報
しかしながら、上述の特許文献1に開示されているコプレーナ線路では、絶縁膜の膜厚が10μm以上であるために、成膜に長時間を要するという問題点があった。すなわち、絶縁膜としてSiO膜又はSiN膜を、プラズマCVD装置を用いて形成する場合、膜厚10μmの絶縁膜を形成するには、例えば4〜12時間を要し、プラズマCVD法による絶縁膜の形成は非現実的である。
この出願に係る発明者は、鋭意研究した結果、シリコン基板上に絶縁膜を形成したとき、後述するようにシリコン基板と絶縁膜との間の界面層が低抵抗層であることを発見し、この界面低抵抗層を利用すれば上述の課題を解決できると判断した。
この発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、この発明の目的は、シリコン単結晶基板に膜厚が10μm以上であるような厚い絶縁膜を備えることなく、ミリ波帯域での基板への電磁波の漏れによる減衰が小さいコプレーナ線路を提供することである。
上述の目的の達成を図るために、この発明のコプレーナ線路は、電気抵抗率が1kΩcm〜10kΩcmのシリコン基板と、シリコン基板の第1主面側に形成される界面低抵抗層と、界面低抵抗層上に形成される絶縁膜と、絶縁膜の表面側に形成される信号線路及び信号線路を平面的に挟む位置に設けられた1対の接地導体とを備えていて、界面低抵抗層の電気抵抗率を、0.01Ωcmより大きくする。
このコプレーナ線路において、絶縁膜を構成する材料として、フッ素系の感光性低誘電率コーティング樹脂を用いることが好ましい。
このコプレーナ線路において、界面低抵抗層の電気抵抗率が、絶縁膜としてフッ素系の感光性低誘電率コーティング樹脂を用いた場合に比較して、絶縁膜としてSiO又はSiNを用いた場合の方が小さい値であることが好ましい。
ここで、フッ素系の感光性低誘電率コーティング樹脂が、AL−POLYMER(旭硝子株式会社:商品名)であることが好ましい。
上述のコプレーナ線路において、絶縁膜の厚みを2μm以上かつ8μm以下とすることが好ましい。
また、信号線路と絶縁膜の表面との間に間隔が設けられており、間隔に対応する絶縁膜の表面領域に、1対の接地導体を電気的に接続するクロス配線が設けられていることが好ましい。
この発明のコプレーナ線路は上述のように構成しているので、電磁波の漏れによる減衰が小さい。
界面低抵抗層の概念的な模式図である。 (A)は、界面低抵抗層の存在を評価するための評価用コプレーナ線路の断面切り口を示す模式図であり、及び(B)は、評価用コプレーナ線路の平面図である。 コプレーナ線路の評価に用いた評価系の模式図である。 界面低抵抗層が存在することの説明に供する特性図である。 (A)は、実施の形態1のコプレーナ線路の断面切り口を示す模式図であり、及び(B)は、実施の形態1のコプレーナ線路の構造を概略的に示す平面図である。 (A)はコプレーナ線路の、シリコン基板の第1主面に垂直であり、かつ信号線路の長さ方向に対しても垂直な平面による切り口断面を示す図であり、及び(B)は、等角写像によって得られるコプレーナ線路の写像を示す図である。 実施の形態1のコプレーナ線路及びInP基板を用いたコプレーナ線路の減衰定数を比較した特性図である。 実施の形態1のコプレーナ線路及び評価用コプレーナ線路の減衰定数を比較した特性図である。 実施の形態1のコプレーナ線路において、減衰定数の基板バイアス電圧に対する依存性を示した特性図である。 従来型クロス配線の構造を概略的に示す切断端面図である。 (A)は、実施の形態2のクロス配線を備えたコプレーナ線路を模式的に示す斜視図、(B)は、(A)のクロス配線の部分におけるA−A切断端面図である。 (A)〜(D)は、クロス配線の製造工程の一工程段階を抜き出して順に示す工程断面図である。 (A)〜(D)は、クロス配線の製造工程の一工程段階を抜き出して順に示す工程断面図である。
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。なお、各図は、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係について、この発明が理解できる程度に概略的に示してある。また、以下、この発明の好適な構成例について説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は、以下の実施の形態に何ら限定されない。また、各図において、共通する構成要素には同符号を付し、その説明を省略することもある。
(界面低抵抗層について)
実施の形態のコプレーナ線路の説明に先立ち、この発明において重要な意味を持つ界面低抵抗層について、図1〜図4を参照して説明する。
図1は、界面低抵抗層の概念的な模式図である。図2(A)は、界面低抵抗層の存在を評価するための評価用コプレーナ線路の断面切り口を示す模式図である。図2(B)は、評価用コプレーナ線路の平面図である。図3は、評価に用いた評価系の模式図である。図4は、界面低抵抗層が存在することの説明に供する特性図である。
まず、発明者らが見いだした界面低抵抗層について概略を説明する。発明者らは、シリコン基板の第1主面上にSiOやSiNの絶縁膜を形成した場合に、シリコン基板と絶縁膜との間の界面に電気抵抗率が小さい界面低抵抗層が形成されることを見いだした。
図1に、界面低抵抗層の概念的な模式図を示す。図1において、符号102はシリコン基板を示し、符号103は、シリコン基板102の第1主面102a上に形成されたSiOやSiN等の絶縁膜を示し、及び符号105は界面低抵抗層を示す。
界面低抵抗層105は、図1に示すように、シリコン基板102と絶縁膜103との界面のシリコン基板102側に形成される。
発明者の評価によれば、シリコン基板102の第1主面102a上に積層する絶縁膜103が、SiN膜及びSiO膜の場合には、それぞれ界面低抵抗層105の第1主面102aに垂直に測った厚みは約8nmであり、それら膜の電気抵抗率は約0.01Ωcmであることが明らかとなった。
続いて、界面低抵抗層105の存在を示す実験結果について、図2〜図4を参照して説明する。
まず、図2(A)を参照して、界面低抵抗層105の存在の評価に用いた評価用コプレーナ線路100の断面構造について説明する。
図2(A)によると、評価用コプレーナ線路100は、電気抵抗率が1kΩcm〜10kΩcmのシリコン基板102と、シリコン基板102の平坦な第1主面102a上に形成されるSiN膜106と、SiN膜106上に形成される信号線路108及び信号線路108を平面的に挟む位置に設けられた1対の接地導体110a,110bとを備えている。
ここで、SiN膜106は厚みを約200nmとする。SiN膜106は、シリコン基板102の第1主面102aの全面に一様な厚みで形成されている。
信号線路108及び接地導体110a,110bは、2層構造であり、断面構造が等しい。すなわち、信号線路108及び接地導体110a,110bは、カレントフィルム112aと金属膜112bとがこの順にSiN膜106に積層された構造を有している。
カレントフィルム112aは、厚みが約50nmのTi膜と、厚みが約100nmのAu膜とがこの順序でSiN膜106の表面に積層された構造を有している。
金属膜112bは、厚みが約4μmのAu膜がカレントフィルム112aに積層されることで形成されている。
次に、図2(B)を参照して、評価用コプレーナ線路100の平面構造について説明する。
図2(B)によると、評価用コプレーナ線路100は、直線状に延びる信号線路108と、この信号線路108を挟んで、信号線路108と平行に延在する1対の接地導体110a,110bとを有している。
より詳細には、信号線路108は、後述する第1及び第2ポート108P1及び108P2の間の長さがLの長尺な矩形状に形成されている。
接地導体110aは、信号線路108との間に間隔を空けて、信号線路108と平行に延在する長尺な矩形状に形成されている。接地導体110aの第1及び第2ポート110aP1及び110aP2間の長さは、信号線路108と同様にLとする。
接地導体110bは、信号線路108を挟んで接地導体110aと線対称の位置に設けられていて、接地導体110aと等しい形状を有している。接地導体110bの第1及び第2ポート110bP1及び110bP2間の長さは、信号線路108と同様にLとする。
なお、信号線路108と接地導体110aとの間の間隔、及び信号線路108と接地導体110bとの間の間隔は、互いに等しい寸法を有している。
信号線路108、及び接地導体110a及び110bの両端部には、後述する小信号特性を測定するための電極パッドが形成されている。より詳細には、信号線路108及び接地導体110a、110bの図面左側の端部には、電極パッドとしての第1ポート108P1,110aP1及び110bP1が形成されている。
信号線路108及び接地導体110a、110bの図面右側の端部には、電極パッドとしての第2ポート108P2,110aP2及び110bP2が形成されている。この第1及び第2ポートには、後述する小信号評価系120のプローブヘッド126P1及び126P2が接触される(図3参照)。
次に、図3を参照して、評価用コプレーナ線路100の減衰定数の測定方法について簡単に説明する。図3は、評価用コプレーナ線路100の測定に用いた評価系の模式図である。
小信号評価系120は、本体122と、基板載置ステージ124と、プローブヘッド126P1及び126P2と、パーソナルコンピュータ128とで構成されている。
測定は、評価用コプレーナ線路100を基板載置ステージ124上に載置して行われる。その上で、評価用コプレーナ線路100の第1ポート108P1,110aP1及び110bP1にプローブヘッド126P1を接触させ、同時に第2ポート108P2,110aP2及び110bP2にプローブヘッド126P2を接触させる。そして、プローブヘッド126P1及び126P2間に印加した信号の応答としての小信号の測定を行う。
小信号評価系120を用いた測定により、評価用コプレーナ線路100の小信号特性としてのSパラメータが得られる。
ここでSパラメータとは、プローブヘッド126P1及び126P2からの入力信号に対する透過出力電気信号及び反射出力電力成分の比として与えられる量であり、2行2列の行列の行列要素として与えられる。信号線路108を伝播する高周波信号の減衰の程度を示す単位長さ当たりの減衰定数αm(dB/m)は、このSパラメータの一つである行列要素S21(又はS12)を用いると、下記式(1)で与えられる。
αm=−20(log(|S21|))/L・・・(1)
次に、図4を参照して、シリコン基板102とSiN膜106との界面に界面低抵抗層105が形成されていることについて説明する。
図4は、界面低抵抗層が存在することの説明に供する特性図であり、横軸が高周波信号の周波数(GHz)を示し、縦軸が減衰定数αm(dB/m)を示す。図には、評価用コプレーナ線路100のシリコン基板102に裏面側から印加したバイアス電圧(以下、「基板バイアス電圧」とも称する。)を変えた7本の曲線が描かれている。すなわち、曲線1が、基板バイアス電圧が0Vの場合の減衰定数を示している。曲線2が、基板バイアス電圧が−20Vの場合の減衰定数を示している。曲線3が、基板バイアス電圧が−40Vの場合の減衰定数を示している。曲線4が、基板バイアス電圧が−50Vの場合の減衰定数を示している。曲線5が、基板バイアス電圧が+20Vの場合の減衰定数を示している。曲線6が、基板バイアス電圧が+40Vの場合の減衰定数を示している。曲線7が、基板バイアス電圧が+50Vの場合の減衰定数を示している。
なお、ここで、評価用コプレーナ線路100への基板バイアス電圧の印加は、小信号評価系の基板載置ステージ124に所望の電圧を印加することで行った。
図4を参照すると、シリコン基板102上に形成する絶縁膜としてSiN膜106を用いた場合には、基板バイアス電圧の大小により減衰定数が大きく変化することが分かる。すなわち、曲線1〜曲線4を参照すると、基板バイアス電圧が負の場合、基板バイアス電圧の絶対値が大きくなっていくと、減衰定数が大きくなる(特性が悪くなる)ことが分かる。反対に、曲線5〜曲線7に示すように、基板バイアス電圧が正の場合、基板バイアス電圧の絶対値が大きくなっていくと、減衰定数が小さくなる(特性が良くなる)ことが分かる。
基板バイアス電圧による減衰定数の変化は、シリコン基板102とSiN膜106との間の界面のシリコン基板102側に導電型がn型の電気的抵抗が低い層(界面低抵抗層)の存在を仮定すると説明できる。
すなわち、曲線1〜曲線4に示すように、負の基板バイアス電圧をシリコン基板102の裏面側から印加すると、電気的な斥力の影響で自由電子がシリコン基板102の第1主面102a側に移動し、界面低抵抗層105に蓄積する。キャリアである自由電子が蓄積した結果、界面低抵抗層105の電気抵抗はより一層小さくなる。その結果、信号線路108を伝播する高周波信号のシリコン基板102への漏れが大きくなり減衰定数が大きくなる。
逆に、曲線5〜曲線7に示すように、正の基板バイアス電圧をシリコン基板102の裏面側から印加すると、電気的な引力の影響で自由電子がシリコン基板102の裏面側に移動する。その結果、界面低抵抗層105に存在する自由電子の量が減少する。キャリアである自由電子が減少した結果、界面低抵抗層105の電気抵抗はより一層大きくなる。その結果、信号線路108を伝播する高周波信号のシリコン基板102への漏れが小さくなり減衰定数が小さくなる。
このように、図4に示した減衰定数の測定結果から、界面低抵抗層105が存在することが示される。
(実施の形態1)
図5を参照して、この実施の形態のコプレーナ線路の構造について説明する。図5(A)は、コプレーナ線路の断面切り口を示す模式図である。図5(B)は、コプレーナ線路の構造を概略的に示す平面図である。
図5(A)を参照すると、コプレーナ線路10は、電気抵抗率が1kΩcm〜10kΩcmのシリコン基板12と、シリコン基板12の第1主面12a側に形成される界面低抵抗層14と、界面低抵抗層14上に形成される絶縁膜16と、絶縁膜16の表面側に、例えば絶縁膜16に接して形成される信号線路18及び信号線路18を平面的に挟む位置に、例えば、絶縁膜16に接して設けられた1対の接地導体20a,20bとを備えている。
図5(B)を参照すると、コプレーナ線路10は、直線状に延びる信号線路18と、この信号線路18を挟んで、信号線路18と平行に延在する1対の接地導体20a,20bとを有している。
より詳細には、この実施の形態に示す例では、信号線路18は長尺な矩形状に形成されている。接地導体20aは、信号線路18との間に間隔を空けて、信号線路18と平行に延在する長尺な矩形状に形成されている。
接地導体20bは、信号線路18を挟んで接地導体20aと線対称の位置に設けられていて、接地導体20aと等しい形状を有している。なお、信号線路18と接地導体20aとの間の間隔、及び信号線路18と接地導体20bとの間の間隔は、互いに等しい寸法を有している。
信号線路18及び接地導体20a,20bは、断面構造が等しい。すなわち、信号線路18及び接地導体20a,20bは、カレントフィルム22aと金属膜22bとがこの順に絶縁膜16に積層された構造を有している。
カレントフィルム22aは、厚みが約50nmのTi膜と、厚みが約100nmのAu膜とがこの順序で絶縁膜16の表面に積層された構造を有している。
金属膜22bは、厚みが約4μmのAu膜が、例えばメッキ法によりカレントフィルム22aに積層されることで形成されている。
シリコン基板12の電気抵抗率は、1kΩcm〜10kΩcmであることが好ましい。シリコン基板12の電気抵抗率が1kΩ未満であると、コプレーナ線路10を伝播する高周波信号の減衰定数が大きくなるために好ましくない。シリコン基板12の電気抵抗率は大きければ大きいほど、高周波信号の減衰定数が小さくなるために好ましい。
界面低抵抗層14は、上述したように、シリコン基板12の第1主面12a上に絶縁膜16を形成すると、シリコン基板12/絶縁膜16の界面のシリコン基板12側に不可避的に形成される電気抵抗が小さい(導電性が高い)層である。この界面低抵抗層14の電気抵抗率は、絶縁膜16としてSiO又はSiNを用いた場合に形成される界面低抵抗層の電気抵抗率よりも大きい値であることが好ましい。
絶縁膜16は、シリコン基板12の第1主面12aの全面に形成されている。絶縁膜16を構成する材料は、好ましくは、例えばフッ素系の感光性低誘電率コーティング樹脂とする。より具体的には、絶縁膜16を構成する材料として、フッ素系の感光性低誘電率コーティング樹脂であるAL−POLYMER(旭硝子株式会社:商品名)を用いることが好ましい。絶縁膜16としてAL−POLYMER(旭硝子株式会社:商品名)を用いることにより、後述するように、界面低抵抗層14の電気抵抗率を、絶縁膜16としてSiNやSiOを用いた場合よりも大きくし、コプレーナ線路10の減衰定数を小さくすることができる。
絶縁膜16の第1主面12aに垂直に測った厚みは、この実施の形態に示す例では、好ましくは、例えば約6.4μmとする。しかし、絶縁膜16の厚みは6.4μmには限定されず、2μm以上であればよい。絶縁膜16の厚みが2μm以上であれば、コプレーナ線路10の減衰定数を実用上充分に小さい値とすることができる。
絶縁膜16の厚みの上限値に特に制限はないが、シリコン基板12に対する1回のスピンコート塗布で成膜できるAL−POLYMER(旭硝子株式会社:商品名)の膜厚が8μmであることを勘案すると、絶縁膜16の厚みは8μm以下とすることが好ましい。
信号線路18の幅w、及び信号線路18と接地導体20a,20bとの間の間隔gは、高周波回路の特性インピーダンスと一致させるように設計することが好ましい。以下、この点について説明する。
コプレーナ線路10の特性インピーダンスを求めるためには、キャパシタンス成分の値Csが必要となる。コプレーナ線路10によって形成される単位長さ当たりのキャパシタンス成分の値Csは、等角写像法によって求めることができる(例えば、論文:C.P.Wen, "Coplanar Waveguide: A Surface Strip Transmission Line Suitable for Nonreciprocal Gyromagnetic Device Applications", IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques, vol.MTT-17, No.12, pp.1087-1090 (1969)を参照)。
図6(A)及び(B)を参照して、キャパシタンス成分の値Csの導出法について説明する。図6(A)は、コプレーナ線路の、シリコン基板12の第1主面12aに垂直であり、かつ信号線路18の長さ方向に対しても垂直な平面による切断端面を示す図である。図6(B)は、等角写像によって得られるコプレーナ線路10の写像を示す図である。
図6(A)の紙面内において、信号線路18の幅方向の線対称中心を原点0とし、シリコン基板12の第1主面12a上であって、信号線路18の幅方向にx軸、このx軸と被測定基板とに垂直にy軸を取る。信号線路18の両端のx座標を−a1及びa1とすると、信号線路18の幅wは2a1で与えられる。また、接地導体20a及び20bの信号線路18に対する側の端のx座標をそれぞれ−b1及びb1とすれば、信号線路18から接地導体20a及び20bまでのそれぞれの距離gは、b1−a1で与えられる。
シリコン基板12は、y軸の負の方向に半無限大の大きさを有しているものとする。C.P.Wenの上述の論文によれば、図6(A)に示すコプレーナ線路を等角写像することによって、図6(B)に示す写像が得られる。すなわち図6(B)に示す写像において、誘電体である半無限大のシリコン基板12が、等角写像を表す複素平面上での4点(−a+jb)、(a+jb)、(−a)、(a)を頂点とする長方形で囲まれた図形として写像される。
写像前の信号線路18、接地導体20a及び20bのそれぞれは、写像後は図6(B)に示すように、等角写像を表す複素平面上で(−a+jb)、(a+jb)、(−a)及び(a)で与えられる4点を頂点とする長方形を構成する4辺にそれぞれ写像される。信号線路18から接地導体20a及び20bまでのそれぞれの距離gは、写像によって、距離bに変換され、等角写像を表す複素平面上での長方形の上下の辺の長さは2aとなる。
このように写像することによって、コプレーナ線路10を構成する導体部分と、シリコン基板12と、コプレーナ線路10を構成する導体部分、及び周囲の真空によって形成されるキャパシタの容量が計算可能となる。
写像後のa及びbの具体的な値は得られないが、上述のC.P.Wenの論文に開示された公式を用いれば、aとbとの比(a/b)を得ることができる。この比(a/b)の値を用いて、コプレーナ線路10を構成する導体部分と被測定基板とによって形成されるキャパシタンス成分の値Cs、及びコプレーナ線路10を構成する導体部分及び被測定基板の双方以外の領域によって形成されるキャパシタンスの値Caは、それぞれ次式(2)及び(3)で与えられる。ここで、εrはシリコン基板12の比誘電率、εは真空の誘電率である。
Cs=2εεa/b・・・(2)
Ca=2εa/b・・・(3)
ここで、コプレーナ線路を一体と見なす系全体のキャパシタンスをCとすると、Cは、Cs及びCaを用いて、C=Cs+Caで与えられる。
ところで、コプレーナ線路を伝播する電磁波の位相速度vpは、次式(4)で与えられる。
vp=(2/(ε+1))0.5×c・・・(4)
従って、コプレーナ線路を一体と見なす系全体の特性インピーダンスZ0は、次式(5)で与えられる。
Z0=1/(Cvp)・・・(5)
無線通信システムにおいては、特性インピーダンスは50Ωに設定される場合が多いので、式(5)で与えられる特性インピーダンスの値が50Ωとなるよう設定するのがよい。
続いて、図7〜図9を参照して、コプレーナ線路10の動作について説明する。
図7は、この実施の形態のコプレーナ線路10とInP基板を用いたコプレーナ線路の減衰定数を比較した特性図である。図8は、この実施の形態のコプレーナ線路10と、評価用コプレーナ線路100の減衰定数を比較した特性図である。図9は、この実施の形態のコプレーナ線路10において、減衰定数の基板バイアス電圧に対する依存性を示した特性図である。
なお、図7〜図9に共通して、縦軸は減衰定数(dB/m)を示し、及び横軸は高周波信号の周波数(GHz)を示す。また、図7〜図9を得るに当たっては、評価用コプレーナ線路100において減衰定数を求めたと同様の方法で測定を行っている。また、図7〜図9に共通して、絶縁膜16としては、厚みが6.4μmのAL−POLYMER(旭硝子株式会社:商品名)を用いている。
図7には、2本の曲線が描かれている。曲線1は、電気抵抗率が10Ωcm程度であるInPを基板として用いたコプレーナ線路における減衰定数を示している。曲線2は、この実施の形態のコプレーナ線路10の減衰定数を示している。
図7を参照すると、この実施の形態のコプレーナ線路10は、測定した周波数範囲(0.5〜100.5GHz)で、従来から高周波回路に用いられてきたInPを基板として用いたコプレーナ線路とほぼ同等の減衰定数を示すことが分かる。
図8には、2本の曲線が描かれている。曲線1は、上述した評価用コプレーナ線路100の減衰定数を示している。曲線2は、この実施の形態のコプレーナ線路10の減衰定数を示している。
図8を参照すると、この実施の形態のコプレーナ線路10は、測定した周波数範囲(0.5〜100.5GHz)で、絶縁膜としてSiN膜106を用いた評価用コプレーナ線路100よりも小さい減衰定数を有している。つまり、この実施の形態のコプレーナ線路10の方が評価用コプレーナ線路100に比べて高周波信号の損失が小さいことが分かる。
図9には、シリコン基板12に印加する基板バイアス電圧を変化させた7本の曲線が描かれている。すなわち、曲線1が、基板バイアス電圧が0Vの場合のコプレーナ線路10の減衰定数を示している。曲線2が、基板バイアス電圧が−20Vの場合のコプレーナ線路10の減衰定数を示している。曲線3が、基板バイアス電圧が−40Vの場合のコプレーナ線路10の減衰定数を示している。曲線4が、基板バイアス電圧が−50Vのコプレーナ線路10の場合の減衰定数を示している。曲線5が、基板バイアス電圧が+20Vの場合のコプレーナ線路10の減衰定数を示している。曲線6が、基板バイアス電圧が+40Vの場合のコプレーナ線路10の減衰定数を示している。曲線7が、基板バイアス電圧が+50Vの場合のコプレーナ線路10の減衰定数を示している。
図9に示した結果は、既に説明した図4を得た方法と同様にして測定している。図4と図9とを比較すると、この実施の形態のコプレーナ線路10は、基板バイアス電圧の変化に対する減衰定数の変化率が評価用コプレーナ線路100よりも小さいことが分かる。これは、AL−POLYMER(旭硝子株式会社:商品名)を絶縁膜16として用いた場合に形成される界面低抵抗層14の電気抵抗率が、絶縁膜としてSiNやSiOを用いた評価用コプレーナ線路100で形成される界面低抵抗層の電気抵抗率よりも大きいためと推測される。
上述したように、この実施の形態のコプレーナ線路10では、界面低抵抗層14の電気抵抗率を0.01Ωcmより大きい値にすることができる絶縁膜16をシリコン基板12上に形成している。その結果、高周波信号の漏れによる減衰が小さいコプレーナ線路10を得ることができる。
(実施の形態2)
続いて、図10〜図13を参照して、実施の形態2のコプレーナ線路について説明する。
実施の形態2のコプレーナ線路には、いわゆるクロス配線が設けられている。クロス配線は、例えば高周波回路において、信号線路の両脇に沿って延在する両接地導体の電位を等しくするために、伝播する高周波の波長の1/4程度の間隔で両接地導体間を電気的に接続するための一種の橋絡(ブリッジ)配線である。
ここで、この実施の形態のクロス配線の理解に資するために、従来型のクロス配線について、図10を参照して簡単に説明する。図10は、従来型クロス配線の構造を概略的に示す切断端面図である。
図10に示す構成例によれば、絶縁性の基板202の第1主面202a上に、信号線路204と、信号線路204を挟んで設けられた1対の接地導体206a及び206bとが設けられている。そして、従来型クロス配線208が、信号線路204の上空を跨いで、接地導体206aと206bとを電気的に接続している。
このような従来型クロス配線208では、信号線路204の上空を跨いで配線を成膜する必要があるために、製造過程で段差部に断線(段切れ)が発生しやすい。
この段切れを解消するためには、クロス配線を基板側の表面に設ければよい。そこで実施の形態1で説明したコプレーナ線路の2つの接地導体間を橋絡するクロス配線を絶縁膜上に形成して備える構造とすればよい。
以下、図11を参照して実施の形態2のコプレーナ線路について説明する。図11(A)は、この実施の形態のクロス配線を備えたコプレーナ線路の構造を模式的に示す斜視図である。図11(B)は、(A)のA−A線における切断端面図である。なお、図11(A)は、この実施の形態のクロス配線の構造の理解に資するための参考図である。従って、図11(A)では、不要な構造の表示を省略してあるほか、主要な構造を誇張して描いてある。また、図11(A)においては、クロス配線54を表わすために、クロス配線54に対応する領域を点線で示してある。また、図11(A)及び(B)において、図5と同様の構成要素には同符号を付して、その説明を省略することもある。
図11(A)を参照すると、この実施の形態のコプレーナ線路50では、図10に示した従来型クロス配線208とは異なり、クロス配線54が、絶縁膜16上に形成されている。そして、クロス配線54が設けられている領域において、信号線路52と絶縁膜16の表面との間に間隔が設けられている。つまり、絶縁膜16上に設けられたクロス配線54の上空を跨いで信号線路52が延在している。
以下、図11(B)を参照して、コプレーナ線路50についてより詳細に説明する。
コプレーナ線路50は、電気抵抗率が1kΩcm〜10kΩcmのシリコン基板12と、シリコン基板12の第1主面12a側に形成される電気抵抗率が0.01Ωcmより大きい界面低抵抗層14と、界面低抵抗層14上に形成される絶縁膜16と、絶縁膜16の表面側に形成される信号線路52及び信号線路52を平面的に挟む位置に設けられた1対の接地導体20a,20bと、クロス配線54と、保護膜56とを備えている。
保護膜56は、この実施の形態では例えばSiN膜とし、クロス配線54と、信号線路52との接触による電気的リークを抑制する機能を有する。保護膜56は、延在する領域により第1保護膜56aと第2保護膜56bとに区分される。第1保護膜56aは、クロス配線54が形成されている領域以外の領域(主に、接地導体20a,20bが形成されている領域)に設けられており、絶縁膜16とカレントフィルム22aとの間に介在している。第2保護膜56bは、主にクロス配線54が形成されている領域に設けられており、この領域では、第2保護膜56bは、クロス配線54の表面に、一面を大気に露出して形成されている。
実施の形態1の信号線路18(図5)とは異なり、この実施の形態の信号線路52は、絶縁膜16の表面との間に間隔52aが設けられている。より詳細には、クロス配線54が形成されている領域で、信号線路52は、絶縁膜16及び第2保護膜56bから離間して、言わば空中に浮いている。
クロス配線54は、信号線路52と絶縁膜16との間の間隔52aに対応する絶縁膜16の表面領域に、一対の接地導体20a及び20bを電気的に接続するように設けられている。より詳細には、クロス配線54は、両接地導体20a及び20bに跨り、絶縁膜16の表面に形成された、段差を有さない平面状の膜体である。すなわち、クロス配線54は、空中に浮いている信号線路52の下部空間と、信号線路52と両接地導体20a及び20bとの間の間隔58a,58bとに跨って、両接地導体20a及び20bを電気的に接続している。これによりクロス配線54は、接地導体20a及び20bを同電位に保つ。クロス配線54は、この実施の形態に示す例では、例えばAuを材料とする。
このように、この実施の形態では、クロス配線54が、空中に浮いている信号線路52の下部空間において平坦な絶縁膜16の表面に形成されているとともに、段差を有さない平面状の膜体であるので、段切れの発生を抑制することができる。
続いて、クロス配線54の形成方法について図12〜図13を参照して説明する。図12(A)〜図12(D)及び図13(A)〜図13(D)は、クロス配線54の製造工程の一工程段階を抜き出して順に示す工程断面図である。
図12(A)に示すように、まず、電気抵抗率が1kΩcm〜10kΩcmのシリコン基板12の第1主面12a上に、AL−POLYMER(旭硝子株式会社:商品名)を厚み6.4μmでスピンコートする。そして、塗布したAL−POLYMER(旭硝子株式会社:商品名)を温度約350℃で約30分焼成して、絶縁膜16を形成する。
これにより、シリコン基板12と絶縁膜16の界面のシリコン基板側には、電気抵抗率が、0.01Ωcmより大きい界面低抵抗層14が形成される。
続いて、図12(B)に示すように、クロス配線54を絶縁膜16上に形成する。より詳細には、公知のフォトリソグラフィにより、クロス配線54に対応する領域に開口を有するレジストパターン(不図示)を形成し、公知のスパッタリング法等により、約200nmのAu膜を形成する。
続いて、図12(C)に示すように、図12(B)で得られた構造体の全面に、保護膜56となるべき前駆保護膜56Zを成膜する。より詳細には、従来公知のCVD(Chemical Vapor Deposition)法により、厚みが約200nmのSiN膜を形成する。これにより前駆保護膜56Zが形成される。
続いて、図12(D)に示すように、クロス配線54の両端部に位置する前駆保護膜56Zの一部を除去して開口を形成し、後の工程で形成される接地導体20a及び20bとのコンタクトホール54a及び54bを形成する。より詳細には、従来公知のフォトリソグラフィにより、クロス配線54の両端部に開口を有するレジストパターン(不図示)を形成し、従来公知のプラズマエッチングにより、上述した開口に存在する前駆保護膜56Zを除去して、クロス配線54の表面を露出させる。これによりコンタクトホール54a及び54bが形成される。また、この工程を終了することで、前駆保護膜56Zは保護膜56へと変化する。
続いて、図13(A)に示すように、クロス配線54上に残置されている保護膜56、つまり第2保護膜56bの表面にレジストパターン60を形成する。より詳細には、従来公知のフォトリソグラフィにより、第2保護膜56bの表面に限定された領域を被覆するレジストパターン60を形成する。なお、このレジストパターン60は言わばスペーサであり、後の工程で形成される信号線路52と、第2保護膜56bとの間に間隔52aを確保する機能を有する。
続いて、図13(B)に示すように、図13(A)に示す構造体の全表面を被覆するように、カレントフィルム22aを形成する。より詳細には、スパッタリング法により、厚みが約50nmのTi膜と、厚みが約100nmのAu膜とをこの順序で成膜する。
続いて、図13(C)に示すように、図13(B)に示す構造体に信号線路52と接地導体20a,20bとを分離するためのレジストパターン62を形成する。より詳細には、従来公知のフォトリソグラフィにより、第2保護膜56bの両端に対応する領域、すなわち間隔58a及び58bとなるべき領域を被覆するレジストパターン62を形成する。なお、レジストパターン62の厚みは、次の工程で形成される金属膜22bとしてのAu膜の厚み(約4μm)よりも大きくする。これは、接地導体20a,20bと信号線路52とのリークを防ぐためである。
続いて、図13(D)に示すように、図13(C)に示す構造体の全表面に、金属膜22bとしての厚みが約4μmのAu膜を、メッキ法により成膜する。これにより、コンタクトホール54a及び54bの内部が金属膜22bで充填される。
最後に、レジストパターン62を従来公知の方法で除去して信号線路52と接地導体20a,20bとの間の間隔58a及び58bを形成する。そして、第2保護膜56b上のカレントフィルム22a及びスペーサとしてのレジストパターン60を公知の方法で除去して、第2保護膜56b、従ってクロス配線54を跨ぐように空中に延在する信号線路52を形成する。これにより図11に示すようなクロス配線54が得られる。
10,50 コプレーナ線路
12 シリコン基板
12a 第1主面
14 界面低抵抗層
16 絶縁膜
18,52 信号線路
20a,20b 接地導体
22a カレントフィルム
22b 金属膜
54 クロス配線
54a,54b コンタクトホール
56 保護膜
56a 第1保護膜
56b 第2保護膜
56Z 前駆保護膜
58a,58b 間隔
60,62 レジストパターン

Claims (6)

  1. 電気抵抗率が1kΩcm〜10kΩcmのシリコン基板と、該シリコン基板の第1主面側に形成される界面低抵抗層と、該界面低抵抗層上に形成される絶縁膜と、該絶縁膜の表面側に形成される信号線路及び該信号線路を平面的に挟む位置に設けられた1対の接地導体とを備えていて、
    前記界面低抵抗層の電気抵抗率が、0.01Ωcmより大きいことを特徴とするコプレーナ線路。
  2. 前記絶縁膜を構成する材料として、フッ素系の感光性低誘電率コーティング樹脂を用いることを特徴とする請求項1に記載のコプレーナ線路。
  3. 前記界面低抵抗層の電気抵抗率が、前記絶縁膜として前記フッ素系の感光性低誘電率コーティング樹脂を用いた場合に比較して、前記絶縁膜としてSiO又はSiNを用いた場合の方が小さい値であることを特徴とする請求項2に記載のコプレーナ線路。
  4. 前記フッ素系の感光性低誘電率コーティング樹脂が、AL−POLYMER(旭硝子株式会社:商品名)であることを特徴とする請求項2又は3に記載のコプレーナ線路。
  5. 前記絶縁膜の厚みを2μm以上かつ8μm以下とすることを特徴とする請求項3又は4に記載のコプレーナ線路。
  6. 前記信号線路と前記絶縁膜の表面との間に間隔が設けられており、該間隔に対応する絶縁膜の表面領域に、1対の前記接地導体を電気的に接続するクロス配線が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のコプレーナ線路。
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