JP2010225900A - 露光装置および電子デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レチクルのパターン領域に向けて光束を出射する照明光学系と、前記光束が照射されたパターンの像を基板の露光面に投影する投影光学系と、露光における光学的な条件と、レジストマスクのパターン寸法と、の関係を前記レジストマスクのパターン寸法の補正情報として格納する補正情報格納部と、前記基板に形成された回路パターンの検査情報と、前記補正情報と、から前記レジストマスクのパターン寸法を補正するための前記光学的な条件を補正条件として求める補正条件演算部と、前記補正条件に基づいて前記光学的な条件を変化させる光学系制御部と、を備えたことを特徴とする露光装置が提供される。
【選択図】図1
Description
図1は、本実施の形態に係る露光装置を例示するための模式図である。
図1に示すように、露光装置1には、照明光学系2、レチクルステージ7、投影光学系8、基板ステージ10、補正条件演算部11、補正情報格納部12、光学系制御部13が設けられている。
光源3は、レーザ光源などの遠紫外線を出射するものとすることができる。例えば、波長が248nmのKrFエキシマレーザ光源、波長が193nmのArFエキシマレーザ光源、波長が157nmのF2レーザ光源、YAGレーザや固体レーザ(例えば、半導体レーザなど)などとすることができる。
光源3の出射側にはフライアイレンズ4が設けられている。フライアイレンズ4は、複数の小レンズをマトリクス状に集積させるようにして構成されている。そして、光源3から出射した光束がフライアイレンズ4を透過することで光束断面における光強度分布が均一となるようになっている。
図2は、照明絞り部5を例示するための模式図である。なお、図2(a)は照明絞り部5を例示するための模式断面図、図2(b)は図2(a)におけるA−A矢視図である。 図2に示すように、照明絞り部5には、遮光部5aと透過部5bとが設けられている。遮光部5aは金属などの不透明体で形成され、フライアイレンズ4から出射した光束の一部を遮光する。また、遮光部5aは複数の板状体5cを相互に重なり合わせることにより構成されている。それぞれの板状体5cは、支持部5dを中心に回転移動できるように構成されている。支持部5dが設けられた側の反対側には長穴5eが設けられている。この長穴5eには可動ピン5fが挿入されている。また、この可動ピン5fの位置よって、各板状体5cが支持部5dを中心として回転移動するようになっている。そして、各板状体5cが回転移動することで透過部5bの開口寸法(直径寸法)が変化するようになっている。また、可動ピン5fの位置を変化させるための図示しない駆動部が設けられ、図示しない駆動部と光学系制御部13とが電気的に接続されている。なお、板状体5c、支持部5d、長穴5e、可動ピン5fの寸法、形状、数、配設位置などは例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
この様な構成の照明絞り部5においては、光学系制御部13からの電気信号に基づいて図示しない駆動部を駆動し、各板状体5cを回転移動させることで透過部5bの開口寸法(直径寸法)、ひいては照明光学系2の開口数NALを変化させることができるようになっている。
一般に、開口数を大きくすれば解像度を向上させることができる。また、コヒーレンスファクタσを小さくすればコヒーレンシィが良くなるためパターンのエッヂを強調することができる。また、コヒーレンスファクタσを変化させると、投影光学系8の瞳面における照度分布を変化させることもできる。そのため、パターンの結像特性は開口数やコヒーレンスファクタσを変化させることで制御することができる。
なお、コヒーレンスファクタσなどの制御に関しては後述する。
コンデンサレンズ6(照明光学系2)の出射側には、レチクル(マスク)Rを保持するレチクルステージ7が設けられている。そして、レチクルステージ7上に保持されたレチクルRと照明絞り部5とは、光学的に共役な位置に配設されている。
レチクルRは、例えば、透明基板と、透明基板表面のパターン領域に形成されたパターンを有するものとすることができる。透明基板は、照射された光束を透過させる材料から形成されている。透明基板は、例えば、石英ガラスなどから形成することができる。また、パターンは、照射された光束を遮光または減衰させる材料から形成されている。パターンは、例えば、クロム(Cr)やモリブデンシリサイド(MoSi)などから形成することができる。
設計上の回路パターンの寸法と実際に形成された回路パターンの寸法とに誤差が生じると、デバイス特性がばらついたり、製品歩留まりが低下したりするおそれがある。この様な寸法誤差は露光時(例えば、光近接効果など)のみならず後工程であるエッチング工程においても生じ得る。例えば、エッチング工程におけるプラズマ分布などのプラズマ特性が変動することでエッチング特性が変化して、過剰なエッチングが生じたりエッチングが不足したりする場合がある。
この光近接効果による寸法誤差の場合は、面内分布や経時的な変化が少ないと考えられるので、予め光強度シミュレーションなどを行うことで露光時における寸法誤差を一義的に求めることができる。そのため、露光時における寸法誤差を考慮してパターン寸法を補正したレチクルRを作成することができる。
図4は、コヒーレンスファクタσを変化させた場合を例示するための模式グラフ図である。なお、横軸は回路パターンのピッチ幅寸法を表し、右側になるほどピッチ幅寸法が大きくなることを表している。また、縦軸は形成されるレジストマスクのパターン寸法を表し、上側になるほど形成されるレジストマスクのパターン寸法が大きくなることを表している。また、図中のσはコヒーレンスファクタσが基準値の場合、σ−2は基準値から2%少ない値の場合、σ+2は基準値から2%多い値の場合である。
また、レジストマスクのパターン寸法には、ライン幅寸法、スペース幅寸法、ピッチ幅寸法が含まれるが、どれを対象としても同様の傾向を示す。そのため、縦軸は、レジストマスクのパターン寸法としてもよいし、レジストマスクのライン幅寸法、レジストマスクのスペース幅寸法、レジストマスクのピッチ幅寸法などとしてもよい。
なお、レジストマスクのパターン寸法には、ライン幅寸法、スペース幅寸法、ピッチ幅寸法が含まれるが、これらを含めてレジストマスクのパターン寸法と称することにする。
図5は、照明の形状を例示するための模式図である。なお、図5は、一例として、クエーサー照明(quasar illumination)の場合を例示したものである。
図5に示すように、クエーサー照明である照明30には4つの極30aが設けられている。極30aは、円環の2本の半径とその間にある2つの円弧に囲まれた形状を有している。また、各極30aは実質的に同一の形状を有し、同心円上に等間隔に配設されている。そして、円環の外側の円の半径寸法をL1、内側の円の半径寸法をL2としている。また、円環の2本の半径間の角度をθとしている。
また、光の強度や位相差などを変化させることでもレジストマスクのパターン寸法を補正することができる。例えば、光の強度は、光源3に印加する電圧などを制御することで変化させることができる。
補正情報格納部12は、シミュレーションや実験などに基づいて求められたレジストマスクのパターン寸法に関する補正情報を格納する。すなわち、補正情報格納部12は、露光における光学的な条件と、レジストマスクのパターン寸法と、の関係をレジストマスクのパターン寸法の補正情報として格納する。
回路パターンの寸法検査方法としては、例えば、いわゆる電子検査、光学検査などを例示することができる。この場合、電子検査としては、例えば、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope;SEM)、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope; TEM)、走査型透過電子顕微鏡 (Scanning Transmission Electron Microscope; STEM)、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope; AFM)などを用いた検査を例示することができる。また、光学検査としては、スキャトロメトリー法(Scatterometory)、光学顕微鏡などを用いた検査を例示することができる。
ただし、例示をした検査方法に限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
補正条件演算部11に提供された検査情報は、補正条件演算部11に設けられた図示しない格納部に格納される。この検査情報には、回路パターンの寸法情報(加工変換差に関する情報に変換されたものも含む)や面内分布に関する情報が含まれている。なお、検査情報が逐次提供されるようにしてもよいし、定期的に提供されるようにしてもよい。また、補正条件演算部11からの要求に応じて提供されるようにしてもよい。すなわち、回路パターンの検査情報は、逐次または必要に応じて収集され、提供されるようにすることができる。また、図示しない格納手段を介して補正条件演算部11に検査情報が提供されるようにしてもよい。例えば、検査装置100からの検査情報を図示しない格納手段に格納し、補正条件演算部11からの要求に応じて適宜提供するようにすることもできる。
図6に示すように、光学的な条件(例えば、開口数(開口数NAL、開口数NAP)、コヒーレンスファクタσ、照明の形状、光の強度、位相差など)を変化させるようにすれば、加工変換差の面内分布の均一化を図ることができる。また、加工変換差も低減することができる。
まず、所定のレチクルRがレチクルステージ7に保持される。そして、図示しない搬送手段により基板W(例えば、ウェーハやガラス基板など)が搬入され、基板ステージ10の載置面に載置、保持される。
次に、既に露光がされ、エッチング処理がされた基板Wの検査情報が補正条件演算部11に提供される。提供される検査情報には、回路パターンの寸法情報(加工変換差に関する情報に変換されたものも含む)や面内分布に関する情報が含まれている。
パターンの転写が終了した基板Wは、図示しない搬送手段により搬出される。この後必要があれば、前述の手順が繰り返されて基板Wの露光面にパターンが転写される。
図7に示すように、照明絞り部15には、遮光部15a、透過部15b〜15eが設けられている。透過部15b〜15eの外径寸法(直径寸法)は、それぞれ異なるものとされている。また、照明絞り部15には、遮光部15aを回転させるための駆動部18が設けられている。そして、駆動部18と光学系制御部13とが電気的に接続されている。
また、透過部15b〜15eは、照明絞り部15の回転中心を中心とする同心円上に設けられている。なお、透過部15b〜15eの外径寸法(直径寸法)、数、配設位置などは例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
本実施の形態によれば、摺動部を少なくすることができるのでパーティクルの発生を抑制することができる。
図8に示すように、照明絞り部25には、遮光部25a、透過部25b、偏光部25cが設けられている。遮光部25aは金属などの不透明体で形成され、フライアイレンズ4から出射した光束の一部を遮光する。透過部25bは、フライアイレンズ4から出射した光束を透過させる。透過部25bは、ガラスなどの透明体とすることもできるし、孔とすることもできる。
偏光部25cには、図示しない駆動部が設けられている。また、図示しない駆動部と光学系制御部13とが電気的に接続されている。そして、光学系制御部13からの電気信号に基づいて図示しない駆動部を駆動することで、透光状態と遮光状態とが切り換えられるようになっている。この様なものとしては、例えば、電圧をかけることで分子の配列方向が変化するという液晶の性質を利用して、透光状態と遮光状態とを切り換えるようなものを例示することができる。そして、偏光部25cの透光状態と遮光状態とを切り換えることで照明光学系2の開口数NALを変化させることができるようになっている。なお、偏光部25cの大きさや数などは例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。例えば、複数の偏光部を同心状に設けるようにすることもできる。
本実施の形態によれば、摺動部をなくすことができるのでパーティクルの発生を抑制することができる。また、迅速な切り換えを行うこともできる。
なお、照明絞り部15、照明絞り部25と同様の構成のものを投影光学系8に設けられる開口絞り部に用いることもできる。
本実施の形態に係る電子デバイスの製造方法としては、一例として、半導体装置の製造方法を例示することができる。
ここで、半導体装置の製造は、成膜・レジスト塗布・露光・現像・エッチング・レジスト除去などにより基板(ウェーハ)表面に回路パターンを形成する工程、回路パターンの検査工程、洗浄工程、熱処理工程、不純物導入工程、拡散工程、平坦化工程などの複数の工程を繰り返すことにより行われる。この場合、露光以外のものは、既知の各工程における技術を適用することができるので、それらの説明は省略する。
既に露光がされ、エッチング処理がされた基板Wの検査情報を収集する(ステップS1a)。検査情報は検査装置などを用いて収集することができる。検査情報には、回路パターンの寸法情報(加工変換差に関する情報に変換されたものも含む)や面内分布に関する情報が含まれている。
また、露光における光学的な条件とレジストマスクのパターン寸法との関係に係る補正情報を収集する(ステップS1b)。補正情報は、シミュレーションや実験などにより予め求められ、収集される。光学的な条件としては、照明光学系の開口数NAL、投影光学系の開口数NAP、コヒーレンスファクタσ、照明の形状、光の強度、位相差などを例示することができる。
そして、回路パターンの状態の判定の結果、レジストマスクのパターン寸法の補正が必要とされた場合には、収集した補正情報から適切なものを選定し、補正条件(例えば、補正値や補正に関する関数式など)を求める(ステップS3)。
なお、レジストマスクのパターン寸法の補正が必要ないとされた場合には、後述する露光(ステップS5)が行われる。
次に、光源から光束を放射させ、レチクルRを介して基板Wの露光面(レジスト膜上)に光束を入射させることで露光を行う(ステップS5)。
また、回路パターンの検査情報を収集する工程においては、加工変換差および加工変換差の面内分布の少なくともいずれかが収集されるようにすることができる。
また、回路パターンの検査情報は、逐次または必要に応じて収集されるようにすることができる。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、露光装置1が備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
Claims (8)
- レチクルのパターン領域に向けて光束を出射する照明光学系と、
前記光束が照射されたパターンの像を基板の露光面に投影する投影光学系と、
露光における光学的な条件と、レジストマスクのパターン寸法と、の関係を前記レジストマスクのパターン寸法の補正情報として格納する補正情報格納部と、
前記基板に形成された回路パターンの検査情報と、前記補正情報と、から前記レジストマスクのパターン寸法を補正するための前記光学的な条件を補正条件として求める補正条件演算部と、
前記補正条件に基づいて前記光学的な条件を変化させる光学系制御部と、
を備えたことを特徴とする露光装置。 - 前記光学的な条件は、前記照明光学系の開口数、前記投影光学系の開口数、コヒーレンスファクタ、前記照明光学系に設けられた照明の形状、光の強度、位相差よりなる群から選ばれた少なくとも1つであることを特徴とする請求項1記載の露光装置。
- 前記回路パターンの検査情報には、加工変換差および前記加工変換差の面内分布の少なくともいずれかが含まれていること、を特徴とする請求項1または2に記載の露光装置。
- 前記回路パターンの検査情報は、逐次または必要に応じて収集されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の露光装置。
- 基板に形成された回路パターンの検査情報を収集する工程と、
露光における光学的な条件と、レジストマスクのパターン寸法と、の関係を前記レジストマスクのパターン寸法の補正情報として収集する工程と、
前記検査情報に基づいて回路パターンの状態を判定する工程と、
前記補正情報から適切なものを選定し、前記レジストマスクのパターン寸法を補正するための前記光学的な条件を補正条件として求める工程と、
前記補正条件に基づいて前記光学的な条件を変化させる工程と、
レチクルのパターン領域に向けて光束を出射させ、前記光束が照射されたパターンの像を前記基板の露光面に投影させることで露光を行う工程と、
を備えたことを特徴とする電子デバイスの製造方法。 - 前記光学的な条件を変化させる工程において、照明光学系の開口数、投影光学系の開口数、コヒーレンスファクタ、前記照明光学系に設けられた照明の形状、光の強度、位相差よりなる群から選ばれた少なくとも1つを変化させること、を特徴とする請求項5記載の電子デバイスの製造方法。
- 前記回路パターンの検査情報を収集する工程において、加工変換差および前記加工変換差の面内分布の少なくともいずれかが収集されること、を特徴とする請求項5または6に記載の電子デバイスの製造方法。
- 前記回路パターンの検査情報は、逐次または必要に応じて収集されることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1つに記載の電子デバイスの製造方法。
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