JP2010223823A - クリープ損傷評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鍛鋼だけでなく金属材料組織が不均質な鋳鋼等に対しても、クリープ破壊原理に基づくボイド評価パラメータを適用して、精度良好な余寿命診断を可能とする。
【解決手段】クリープ損傷の評価対象部材に対し、ボイド個数密度法、ボイド面積率法、およびAパラメータ法のいずれかを適用して第1の評価パラメータを取得する工程と、前記評価対象部材に対し、該当部材の各結晶粒界上に発生したクリープボイドの粒界占有率のうち最大値たるMパラメータを第2の評価パラメータとして測定する工程と、前記第1の評価パラメータに前記第2の評価パラメータを乗じて第3の評価パラメータを算定しクリープ寿命消費率を推定する工程とを実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、クリープ損傷評価方法に関するものであり、具体的には、鍛鋼だけでなく金属材料組織が不均質な鋳鋼等に対しても、クリープ破壊原理に基づくボイド評価パラメータを適用して、精度良好な余寿命診断を可能とする技術に関する。
火力発電所設備の高温材料についてのクリープ余寿命評価方法として、最大粒界占有率法(通称”Mパラメータ法”)が提案されている(特許文献1参照)。この技術は、評価対象の結晶粒界において発生するクリープボイドが一粒界分の長さまで連結する過程と、クリープ寿命とに相関があることを利用した余寿命評価法であり、結晶粒径等の金属材料組織が比較的均一なボイラ用鍛鋼製材料等を主な適用先としている。こうしたMパラメータ法は、(1)クリープボイドが連結して微視き裂になり、(2)微視き裂が連結して巨視き裂になり、(3)き裂が進展して破壊に至るクリープ破壊の原理の内、(1)クリープボイドが連結して微視き裂になるまでの段階を考慮している。
上記のMパラメータ法の他に、クリープボイドとクリープ破断寿命の相関に着目した余寿命評価法として、例えば、Aパラメータ法、ボイド面積率法(特許文献2参照)、ボイド個数密度法(特許文献3、4参照)などがある。
特許第3976938号公報 特開平9−72896号公報 特開平9−72897号公報 特開2003−315251号公報
ところで火力発電設備などでは、ボイラと並び蒸気タービンも高温高圧の使用環境にさらされる。そのため蒸気タービンの部位によってはクリープ損傷が進行する。蒸気タービン材料には、ローターや翼などの鍛鋼製部品の他、車室や弁など鋳鋼製部品も含まれる。鋳鋼は鋳造時の冷却速度の影響により、鍛鋼と比べ金属材料組織が不均質になりやすい特徴がある。
一方、上述したMパラメータ法では、実機部材表面の金属組織のレプリカ転写フィルムを、顕微鏡により高倍率に拡大して1mm程度の評価範囲を定め、この評価範囲中においてボイド発生量が最大の結晶粒界に注目して余寿命を評価する。蒸気タービン用鋳鋼等、結晶粒径や化学組成等が比較的不均質な材料では、評価視野中のほとんどの粒界でクリープボイドが存在せず巨視的構造物としてのクリープ寿命が十分に残存する場合でも、特定の粒界にのみボイドが発生し一粒界長さ程度連結すれば、「余寿命なし」と判定される問題があった。
他方、Aパラメータ法は、適用の前提として最大応力方向を定義し、その方向に対して平行に一定間隔の線を複数引き、ボイドが発生している結晶粒界との交点の数をカウントしてパラメータ化する方法である。そのため、最大応力方向の特定が困難となるタービン車室や弁といった複雑形状物ではひずみ計測や応力解析等を併用しなければ適用がし難い問題があった。
また、ボイド面積率法は、評価視野におけるボイド占有面積を把握するため、高度な画像処理を行う必要がある他、クリープボイドが連結してき裂に成長するクリープ破壊の原理を考慮していない方法である(特許文献2参照)。また、ボイド個数密度法は、評価視野中におけるボイド発生量を数えるだけの簡便な方法であるが、ボイド面積率法同様、クリープボイドが連結してき裂に成長するクリープ破壊の原理を考慮していない方法である(特許文献3、4参照)。
そこで本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、鍛鋼だけでなく金属材料組織が不均質な鋳鋼等に対しても、クリープ破壊原理に基づくボイド評価パラメータを適用して、精度良好な余寿命診断を可能とする技術の提供を主たる目的とする。
上記課題を解決する本発明のクリープ損傷評価方法は、例えば、火力発電所等のボイラやタービンに使用される耐圧部材などに生じやすいクリープ損傷について評価する技術である。また、例えば蒸気タービン材料のローターや翼などの鍛鋼製部材の他、車室や弁といった鋳鋼製等の金属材料組織が(鍛鋼に比して)不均質な部材についても、余寿命評価を行える技術である。
すなわち、本発明のクリープ損傷評価方法は、クリープ損傷の評価対象部材に対し、ボイド個数密度法、ボイド面積率法、およびAパラメータ法のいずれかを適用して第1の評価パラメータを取得する工程と、前記評価対象部材に対し、該当部材の各結晶粒界上に発生したクリープボイドの粒界占有率のうち最大値たるMパラメータを第2の評価パラメータとして測定する工程と、前記第1の評価パラメータに前記第2の評価パラメータを乗じて第3の評価パラメータを算定しクリープ寿命消費率を推定する工程と、を実行することを特徴とする。
これによれば、クリープ破壊原理を反映していないが評価対象部材をマクロ的な視野で評価できる特徴(第1の評価パラメータの特徴)と、評価対象部材をミクロ的な視野で評価しがちであるが、クリープ破壊原理を反映している特徴(第2の評価パラメータの特徴)とを掛け合わせた、評価対象部材についてクリープ破壊原理を考慮したマクロ的な視野でのクリープ損傷評価が実現できる。つまり、鍛鋼だけでなく、金属材料組織が不均質な鋳鋼等(マクロ的な視点でMパラメータを考慮しなければ、評価視野中のほとんどの粒界でクリープボイドが存在せず巨視的構造物としてのクリープ寿命が十分に残存する場合でも、特定の粒界にのみボイドが発生し一粒界長さ程度連結すれば、「余寿命なし」と判定される問題が生じやすい)に対しても、クリープ破壊原理に基づくボイド評価パラメータを適用して、精度良好な余寿命診断が可能となる。
なお、前記第1の評価パラメータを取得する工程において適用される上記Aパラメータ法は、評価対象部材にかかる最大応力の方向を定義し、その方向に対して平行に一定間隔の線を複数引き、この線を横切る粒界の総数(例:アセチルセルロースフィルムを用いて金属組織を写し取り観察)に対するボイド発生粒界の比率を、Aパラメータとして算定する従来手法である。 従って前記Aパラメータは、A=(ボイドのある粒界数)/(健全な粒界数+ボイドのある粒界数)、の式で求められる。
また、上記ボイド面積率法は、所定のクリープ寿命消費率となっている評価対象部材(の金属組織)における評価視野中でのボイド占有面積を算定し、前記評価視野の面積に対するボイド占有面積の比からクリープ寿命消費率に応じた評価パラメータ値を求める従来手法である。また、上記ボイド個数密度法は、所定のクリープ寿命消費率となっている評価対象部材(の金属組織)における評価視野中でのボイド発生量を算定し、前記評価視野の面積に対するボイド発生量の比からクリープ寿命消費率に応じた評価パラメータ値を求める従来手法である。
前記クリープ損傷評価方法において、前記第1の評価パラメータが1となった時のクリープ寿命時間t1を、前記評価対象部材に対する加速クリープ試験により求める工程と、前記第2の評価パラメータが1となった時のクリープ寿命時間t2を、前記評価対象部材に対する加速クリープ試験により求める工程と、前記第1の評価パラメータの各値を、前記クリープ寿命時間t1の時の第1の評価パラメータの値で除算して第1の規格化パラメータを算定し、前記第2の評価パラメータの各値を、前記クリープ寿命時間t2の時の第2の評価パラメータの値で除算して第2の規格化パラメータを算定する工程とを実行し、前記クリープ寿命消費率を推定する工程において、前記第1の規格化パラメータに前記第2の規格化パラメータを乗じて第3の評価パラメータを算定する、とすれば好適である。これによれば、第1および第2の各評価パラメータを、クリープ寿命消費率の観点で同一基準にて扱うことが可能である。
本発明によれば、鍛鋼だけでなく金属材料組織が不均質な鋳鋼等に対しても、クリープ破壊原理に基づくボイド評価パラメータを適用して、精度良好な余寿命診断が可能となる。
本実施形態のクリープ損傷評価方法の処理手順例を示す図である。 本実施形態のクリープボイド結晶粒界占有率の概念を示す図である。 本実施形態のクリープ寿命消費率のマスターカーブ例1を示す図である。 本実施形態のクリープ寿命消費率のマスターカーブ例2を示す図である。 本実施形態のクリープ寿命消費率のマスターカーブ例3を示す図である。 本実施形態のクリープ寿命消費率のマスターカーブ例4を示す図である。
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態のクリープ損傷評価方法の処理手順を示す図である。ここでのクリープ損傷評価対象としては、一例として、火力発電所等のボイラやタービンに使用される金属製の耐圧部材のうち、車室や弁といった鋳鋼部材10を想定できる。この鋳鋼部材10は、鍛鋼に比してその金属組織が不均質になりがちな部材と言われている。勿論、本実施形態のクリープ損傷評価方法において、前記の鋳鋼部材10のみを評価対象と限定することはなく、クリープ損傷評価の対象となりうる部材であればいずれのものも対象となりうる。
本実施形態のクリープ損傷評価方法においては、まず、クリープ損傷の評価対象部材たる前記鋳鋼部材10に対し、ボイド個数密度法、ボイド面積率法、およびAパラメータ法のいずれかを適用して第1の評価パラメータを取得する工程を実行する(s100)。
ここで例えば、前記ボイド個数密度法を実行するとすれば、ある実験条件下で所定の試験時間経過時における前記鋳鋼部材10(の金属組織)における評価視野中でのボイド発生量を算定し、前記評価視野の面積に対するボイド発生量の比から、前記所定のクリープ寿命消費率における評価パラメータ値(=第1の評価パラメータ)を求める。
或いは、前記ボイド面積率法を実行するとすれば、ある実験条件下で所定の試験時間経過時における前記鋳鋼部材10(の金属組織)における評価視野中でのボイド占有面積を算定し、前記評価視野の面積に対するボイド占有面積の比から、前記所定のクリープ寿命消費率における評価パラメータ値(=第1の評価パラメータ)を求める。
また例えば、前記Aパラメータ法を実行するとすれば、前記鋳鋼部材10にかかる最大応力の方向をひずみ計測や応力解析等により特定する。そして、ある実験条件下で所定の試験時間経過時における前記鋳鋼部材10の表面について、アセチルセルロースフィルム等を用いて金属組織を写し取って検鏡する。その際、前記特定した最大応力方向と平行する平行線を一定間隔で評価視野中に設定し、前記平行線を横切る粒界の総数とボイド発生粒界数とをカウントする。そして、カウントした粒界総数に対するボイド発生粒界の比率を、前記所定のクリープ寿命消費率におけるAパラメータ(=第1の評価パラメータ)として算定する。前記Aパラメータは、A=(ボイドのある粒界数)/(健全な粒界数+ボイドのある粒界数)、の式で求められる。
続いて、前記ステップs100で求めた第1の評価パラメータが「1」となった時のクリープ寿命時間t1を求める(s101)。このクリープ寿命時間t1は、ある実験条件下で前記クリープボイド13が増加し、ついには評価パラメータが「1」となった時点の試験経過時間となる。このクリープ寿命時間t1は、前記鋳鋼部材10に対する加速クリープ試験により求める。また、所定の試験時間経過時における第1の評価パラメータの値を、前記クリープ寿命時間t1の時の第1の評価パラメータの値で除算して第1の規格化パラメータを算定する(s102)。
次に、ある実験条件下で所定の試験時間経過時における前記鋳鋼部材10に対し、該当部材の各結晶粒界上に発生したクリープボイドの粒界占有率のうち最大値たるMパラメータを第2の評価パラメータとして測定する(s103)。図2に、本実施形態のクリープボイド結晶粒界占有率の概念を示す。図2に例示するように、前記鋳鋼部材10の金属組織は複数の結晶粒11から構成されており、この結晶粒11は結晶粒界12を境界として互いに接している。この結晶粒界上にクリープボイド13が発生する。図2に示す評価視野5において、クリープボイドが存在する1つの結晶粒界12の全長を「Lα」とし、1つの結晶粒界上に「i」から「n」までのクリープボイドが存在している。また、前記評価視野5において、クリープボイド13が存在する粒界数を「m」、結晶粒界12とクリープボイド13の交点を結晶粒界に平行に取ったクリープボイド13の長さを「lα」としている。このようなクリープボイド13の情報は、走査型電子顕微鏡、光学顕微鏡及びレーザー顕微鏡を用いて任意倍率にて前記鋳鋼部材10の表面を観察することで得られる。図2に示すように、前記Mパラメータは、最大ボイド粒界占有率(MB)として数式1で算定できる。
また、前記第2の評価パラメータたるMパラメータが「1」となった時のクリープ寿命時間t2を求める(s104)。このクリープ寿命時間t2は、ある実験条件下で前記クリープボイド13が増加し、ついにはMパラメータが「1」となった時点の試験経過時間となる。このクリープ寿命時間t2は、前記鋳鋼部材10に対する加速クリープ試験により求める。
そして、所定の試験時間経過時における前記Mパラメータの値を、前記クリープ寿命時間t2の時のMパラメータの値で除算して第2の規格化パラメータを算定する(s105)。図3に、こうして算定した第2の規格化パラメータに関するグラフを示す。このグラフは、前記クリープ寿命時間t2を全寿命時間中の8割値程度(クリープ寿命消費率:α2)とした場合に、この時にクリープボイド粒界占有率が「1」となる、クリープ寿命消費率とクリープボイド粒界占有率の対応関係を示すグラフとなる。クリープ寿命消費率は、例えば、評価対象部材にクリープ破断が生じる破断時間=全寿命時間として、これに対する試験経過時間の割合を示すものとなる。
次に、前記第1の規格化パラメータ(ボイド個数密度法、ボイド面積率法、およびAパラメータ法のいずれかで得た評価パラメータを規格化したもの)に、前記第2の規格化パラメータ(規格化したMパラメータ)を乗じて第3の評価パラメータを算定し、前記評価対象部材たる鋳鋼部材10に関するクリープ寿命消費率のマスターカーブを生成し、クリープ寿命消費率の推定を行う(s106)。
本実施形態では、一例として発電所タービン主塞止弁廃材(Cr-Mo-V鋳鋼)の単軸クリープ試験中途止め試験片を前記鋳鋼部材10として採用し、これに対し、所定温度、所定圧力の試験条件下にて、実機余寿命推定に十分な試験経過時間(例:数千時間以上)までクリープ試験を行った。それにより得られた前記第1の評価パラメータたるボイド個数密度パラメータの値(規格化パラメータの値)と、前記第2の評価パラメータたるMパラメータの値(規格化パラメータの値)、およびこれら両パラメータを乗算した第3のパラメータの値の例を図4のグラフに示す。
このグラフに示すように、Mパラメータ(規格化)の値のみから得られるマスターカーブ(データ凡例:▲、グラフの線:累乗近似(Mパラメータ(規格化)))は、クリープ寿命消費率後半におけるパラメータ値の増加量が少なく、データのばらつきも大きい。つまりこのマスターカーブを利用するとしても、Mパラメータ値の少しの変動でクリープ寿命消費率も大きく影響を受けて変動することになり、寿命判定精度が低いと言える。
また、ボイド個数密度パラメータの値のみから得られるマスターカーブ(データ凡例:■、グラフの線:累乗近似(ボイド個数密度(規格化)))は、クリープ寿命消費率後半におけるパラメータ値の増加量は大きいが、データのばらつきが大きい。つまりこのマスターカーブについても寿命判定精度良好とは言えない。
一方、ボイド個数密度パラメータの値とMパラメータの値との乗算値から得られるマスターカーブ(データ凡例:●、グラフの線:累乗近似(個数密度×M(規格化)))は、クリープ寿命消費率後半におけるパラメータ値の増加量が大きく,データのばらつきも低減されている。つまりこのマスターカーブに、クリープ寿命消費率が不明の部材に関して得たボイド個数密度パラメータとMパラメータの観測値を適用すれば、該当部材のクリープ寿命消費率を高精度で推定できる。
同様に、前記クリープ試験により得られた前記第1の評価パラメータたるボイド面積率パラメータの値(規格化パラメータの値)と、前記第2の評価パラメータたるMパラメータの値(規格化パラメータの値)、およびこれら両パラメータを乗算した第3のパラメータの値の例を図5のグラフに示す。
このグラフに示すように、Mパラメータ(規格化)の値のみから得られるマスターカーブ(データ凡例:▲、グラフの線:累乗近似(Mパラメータ(規格化)))は、クリープ寿命消費率後半におけるパラメータ値の増加量が少なく、データのばらつきも大きい。また、ボイド面積率パラメータの値のみから得られるマスターカーブ(データ凡例:○、グラフの線:累乗近似(ボイド面積率(規格化)))は、クリープ寿命消費率後半におけるパラメータ値の増加量は大きいが、データのばらつきが大きい。一方、ボイド面積率パラメータの値とMパラメータの値との乗算値から得られるマスターカーブ(データ凡例:*、グラフの線:累乗近似(面積率×M(規格化)))は、クリープ寿命消費率後半におけるパラメータ値の増加量が大きく,データのばらつきも低減されている。つまりこのマスターカーブに、クリープ寿命消費率が不明の部材に関して得たボイド面積率パラメータとMパラメータの観測値を適用すれば、該当部材のクリープ寿命消費率を高精度で推定できる。
同様に、前記クリープ試験により得られた前記第1の評価パラメータたるAパラメータの値(規格化パラメータの値)と、前記第2の評価パラメータたるMパラメータの値(規格化パラメータの値)、およびこれら両パラメータを乗算した第3のパラメータの値の例を図6のグラフに示す。
このグラフに示すように、Mパラメータ(規格化)の値のみから得られるマスターカーブ(データ凡例:▲、グラフの線:累乗近似(Mパラメータ(規格化)))は、クリープ寿命消費率後半におけるパラメータ値の増加量が少なく、データのばらつきも大きい。また、Aパラメータの値のみから得られるマスターカーブ(データ凡例:×、グラフの線:累乗近似(Aパラメータ(規格化)))は、クリープ寿命消費率後半におけるパラメータ値の増加量は大きいが、データのばらつきが若干ある。一方、Aパラメータの値とMパラメータの値との乗算値から得られるマスターカーブ(データ凡例:−、グラフの線:累乗近似(A×M(規格化)))は、クリープ寿命消費率後半におけるパラメータ値の増加量が大きく,データのばらつきも低減されている。つまりこのマスターカーブに、クリープ寿命消費率が不明の部材に関して得たAパラメータとMパラメータの観測値を適用すれば、該当部材のクリープ寿命消費率を高精度で推定できる。
以上のように本実施形態によれば、ボイド個数密度パラメータなど前記第1の評価パラメータ(評価視野内の平均的なクリープ損傷度を反映)と、Mパラメータ(クリープ破壊原理に基づく局所的なクリープ損傷度を反映)とを乗じることにより、両パラメータの欠点を補完したパラメータを用いてクリープ損傷評価を行うことが可能となる。また、前記規格化パラメータを算定して利用することで、前記第1および第2の各評価パラメータを、クリープ寿命消費率の観点で同一基準にて扱うことが可能でなり、処理の効率化が図られる。
したがって本実施形態によれば、鍛鋼だけでなく金属材料組織が不均質な鋳鋼等に対しても、クリープ破壊原理に基づくボイド評価パラメータを適用して、精度良好な余寿命診断が可能となる。
以上、本発明の実施の形態について、その実施の形態に基づき具体的に説明したが、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
5 評価視野
10 鋳鋼部材(評価対象部材)
11 結晶粒
12 結晶粒界
13 クリープボイド

Claims (2)

  1. クリープ損傷の評価対象部材に対し、ボイド個数密度法、ボイド面積率法、およびAパラメータ法のいずれかを適用して第1の評価パラメータを取得する工程と、
    前記評価対象部材に対し、該当部材の各結晶粒界上に発生したクリープボイドの粒界占有率のうち最大値たるMパラメータを第2の評価パラメータとして測定する工程と、
    前記第1の評価パラメータに前記第2の評価パラメータを乗じて第3の評価パラメータを算定しクリープ寿命消費率を推定する工程と、
    を実行することを特徴とするクリープ損傷評価方法。
  2. 前記第1の評価パラメータが1となる時のクリープ寿命時間t1を、前記評価対象部材に対する加速クリープ試験により求める工程と、
    前記第2の評価パラメータが1となる時のクリープ寿命時間t2を、前記評価対象部材に対する加速クリープ試験により求める工程と、
    前記第1の評価パラメータの各値を、前記クリープ寿命時間t1の時の第1の評価パラメータの値で除算して第1の規格化パラメータを算定し、前記第2の評価パラメータの各値を、前記クリープ寿命時間t2の時の第2の評価パラメータの値で除算して第2の規格化パラメータを算定する工程とを実行し、
    前記クリープ寿命消費率を推定する工程において、前記第1の規格化パラメータに前記第2の規格化パラメータを乗じて第3の評価パラメータを算定する、ことを特徴とする請求項1に記載のクリープ損傷評価方法。
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