JPH04282455A - 構造部品の保守管理方法およびその保守管理装置 - Google Patents

構造部品の保守管理方法およびその保守管理装置

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JPH04282455A
JPH04282455A JP3045072A JP4507291A JPH04282455A JP H04282455 A JPH04282455 A JP H04282455A JP 3045072 A JP3045072 A JP 3045072A JP 4507291 A JP4507291 A JP 4507291A JP H04282455 A JPH04282455 A JP H04282455A
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JP
Japan
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amount
years
structural parts
corrosion
change
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JP3045072A
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English (en)
Inventor
Kazunari Fujiyama
山 一 成 藤
Hiroaki Yoshioka
吉 岡 洋 明
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温で使用される構造
部品の保守管理方法およびその保守管理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、火力発電プラント等、高温で使用
される構造部品の保守管理では、主に、クリープと疲労
による寿命消費の判定・処置に重点が置かれていた。例
えば、特許第1544509号の蒸気タービンへの実施
例は、使用状態量の計測と材料状態量の計測により、き
裂発生・伝播の寿命を予測し、保守管理に結び付けるも
のであった。ところが、近年増加しつつあるガスタービ
ンと蒸気タービンを結合した複合発電プラントで使用さ
れるガスタービンは、従来の蒸気タービン等と比較して
極めて高温で使用されている。このため個々の部品に極
めて短時間に劣化・損傷が発生し、さらに、材質劣化や
クリープ・疲労損傷のみならず高温酸化・腐食、変形な
ど多くの劣化・損傷因子が複合している。また、補修方
法も、金属組織を製造時の状態に戻す再生熱処理や、損
傷回復のための熱間静水圧処理、き裂除去と溶接補修な
ど多岐に渡っている。
【0003】ところで従来、温度・応力解析および未使
用材の材料特性データをもとにしたガスタービン部品の
クリープ・疲労寿命評価システムが提案されている(T
ransaction of ASME, Journ
al of Engineering for Gas
 Turbines and Power, vol.
 108, p414, 1986, および第24回
高温強度シンポジウム前刷集、p102、1986等)
。しかしながら、保守管理については所定の時間が経過
すると一律に交換するなど、個々の部品の劣化・損傷状
態や補修履歴の相違を考慮した部品延命のための適切な
保守管理方法は提案されていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来、
高温で使用される構造部品について、複合した劣化・損
傷因子を適確に検出する保守管理方法は開発されていな
かった。また個々の構造部品の劣化・損傷の程度や補修
履歴に応じた適切な処理は行なわれていなかった。
【0005】本発明はこのような点を考慮してなされた
ものであり、複合した劣化・損傷因子を適確に検出し評
価するとともに、個々の構造部品について、劣化・損傷
の程度や補修履歴に応じた適切な処理を行なうことがで
きる構造部品の保守管理方法およびその保守管理装置を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、高温で使用さ
れる構造部品の金属組織変化量、高温酸化・腐食量、お
よび変形量を各々計測し、それぞれの許容限界値に到達
するまでの余寿命年数を求め、金属組織変化量、高温酸
化・腐食量および変形量のうち、少なくとも1つの値に
基づいてき裂発生に係わる材料特性を推定し、かつ構造
部品の運転条件に基づいてき裂発生までの余寿命年数を
求め、金属組織変化量、高温酸化・腐食量、および変形
量のうち、少なくとも1つの値に基づいてき裂伝播・破
壊に係わる材料特性を推定し、かつ構造部品の運転条件
に基づいてき裂伝播・破壊までの余寿命年数を求め、前
記各余寿命のうち最も短い余寿命年数に基づいて構造部
品の保守管理を行なうことを特徴とする構造部品の保守
管理方法、および高温で使用される構造部品の金属組織
変化量、高温酸化・腐食量、および変形量を各々計測し
、それぞれの許容限界値に到達するまでの余寿命年数を
求める計測評価装置と、金属組織変化量、高温酸化・腐
食量、および変化量のうち、少なくとも1つの値に基づ
いてき裂発生およびき裂伝播・破壊に係わる材料特性を
推定する材料特性設定装置と、構造部品の運転条件デー
タを設定する運転条件設定装置と、前記材料特性設定装
置および前記運転条件設定装置からの信号によりき裂発
生およびき裂伝播・破壊までの各々の余寿命年数を求め
る寿命演算装置と、前記各余寿命年数を比較し、最も短
い余寿命年数を出力する比較判定装置とを備えたことを
特徴とする構造部品の保守管理装置である。
【0007】
【作用】本発明によれば、個々の構造部品について、複
合した劣化および損傷状態を総合的かつ適確に検出する
ことができる。
【0008】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図1は本発明による構造部品の保守管理方
法およびその保守管理装置の基本的構成を示す図である
【0009】図1において、金属組織変化量を計測し金
属組織劣化度を評価する金属組織変化量計測・評価装置
1、高温酸化・腐食量を計測し高温酸化・腐食劣化度を
評価する高温酸化・腐食量計測・評価装置2および変化
量を計測し変形劣化度を評価する変形量計測・評価装置
3とが設けられている。そしてこれら計測・評価装置1
,2,3により、高温で使用される構造部品の複合的な
劣化・損傷現象を特徴別に的確に把握し、それぞれの限
界値に達するまでの余寿命年数を予め実験により定めた
評価曲線により判定するようになっている。
【0010】一方、金属組織変化量計測・評価装置1に
、金属組織劣化度からき裂発生・伝播・破壊に係わる材
料特性を推定する材料特性設定装置4が接続されている
。また材料特性設定装置4からの信号と、運転条件・運
転履歴データを蓄積処理する運転条件設定装置5により
設定される運転条件とから、き裂発生およびき裂伝播・
破壊に至るまでの余寿命年数を寿命演算装置6により計
算する。
【0011】そして比較判定装置7で前記各余寿命年数
を比較するとともに、最短寿命を判定し、補修履歴デー
タ処理装置8による補修履歴データと併せて、保守管理
判定装置9により補修回復可否の判定を行い、部品の補
修・交換を表示装置10により指示するようになってい
る。
【0012】次に図1に示す基本的構成の作用について
説明する。
【0013】まず、金属組織変化量計測・評価装置1に
おいて、金属組織が研磨、腐食され、レプリカに転写さ
れる。次にレプリカに転写された組織画像に画像処理が
施され、析出物の個数、密度、寸法変化等が計測され、
予め実験により設定した評価基準または評価曲線により
決定される材質劣化度と限界値に至るまでの余寿命年数
が出力される。なお、金属組織変化量は、材料の種類に
よっては、この他に硬さ計、超音波音速測定装置、X線
回析装置、電位差計測装置のいずれかまたはその組合わ
せにより計測可能である。
【0014】次に、高温酸化・腐食量計測・評価装置2
においては、部品表面がカメラにより画像入力され、画
像処理装置により色調を同定した上、予め実験により設
定した評価基準または評価曲線により決定される酸化・
腐食劣化度と限界値に至るまでの余寿命年数が出力され
る。
【0015】次に、変形量計測・評価装置3において、
部品の指定部位の寸法が計測され、予め実験により設定
した評価基準または評価曲線により決定される変形劣化
度と限界値に至るまでの余寿命年数が出力される。
【0016】次に、材料特性設定装置4では、金属組織
変化量計測・評価装置1の出力をもとに、低サイクル疲
労特性、高サイクル疲労特性、クリープ破断特性、疲労
裂伝播特性、クリープき裂伝播特性および破壊じん性が
設定される。そして運転条件設定装置5では、起動から
停止に至るガスタービンの温度、圧力、回転数、負荷の
計測データから、疲労に寄与する変動波形とクリープに
寄与する定常波形を分離し、それぞれの温度・応力なら
びに繰返し数・運転時間が出力される。さらに寿命演算
装置6においては、材料特性設定装置4および運転条件
設定装置5のデータ出力をもとに、き裂発生までの余寿
命年数およびき裂伝播・破壊までの余寿命年数が求めら
れる。
【0017】以上により得られた各種余寿命年数データ
は、比較判定装置7に入力されて最も短い余寿命年数が
求められ、この最短の余寿命年数が保守管理判定装置9
に入力される。そして保守管理判定装置9において、最
短余寿命年数が次期定検までの期間よりも短い場合、補
修の可能性を検討する。補修の可能性は、金属組織が補
修に耐え得ること、過去の補修履歴からみて補修量なら
びに補修繰り返し数が規定以内であることにより判定さ
れる。補修可能と判定された場合、この判定信号が材料
特性設定装置4に送られ、材料特性設定装置4において
補修材料の材料特性が選定され、寿命演算装置6により
補修後の余寿命が次回定検までの期間と比較して長いこ
とが確認される。以上の条件が不可の場合は廃却と判定
され、いずれの場合も表示装置10に表示される。
【0018】次に図2乃至図13により、本発明をガス
タービン静翼に適用した場合の実施例について、さらに
詳細に説明する。
【0019】図2は、本発明をガスタービン静翼に適用
した実施例を示す図である。図2において、静翼の金属
組織変化量を計測し金属組織劣化度を評価する装置とし
て、レプリカ採取装置11とレプリカ組織画像処理評価
装置12の組合わせ、または硬さ計測装置13と硬さ評
価装置14の組合わせの両方または一方が使用される。 高温酸化・腐食量を計測し高温酸化・腐食劣化度を評価
する装置として、表面色調計測装置15と色調画像処理
評価装置16の組合わせが使用される。変形量を計測し
変形劣化度を評価する装置として、間隙計測装置17と
間隙評価装置18が使用される。
【0020】本実施例においてさらに、金属組織劣化度
からき裂発生・伝播・破壊に係わる材料特性を推定する
材料特性設定装置4と、運転条件・運転履歴データを蓄
積処理する運転条件設定装置5と、き裂発生およびき裂
伝播・破壊に至るまでの余寿命年数を計算する寿命演算
装置6と、最短余寿命年数を判定する比較判定装置7と
、過去の検査補修データを蓄積処理する補修履歴データ
処理装置8と、補修回復可否の判定を行い、部品の補修
・交換を指示する保守管理判定装置9ならびにその結果
を表示する表示装置10が設けられている。これら各装
置4,5,6,7,8,9,10は、前述の基本的構成
で述べたものと同様の構成となっている。
【0021】次にガスタービン静翼に適用した場合の実
施例の作用について説明する。レプリカ採取装置11お
よびレプリカ組織画像処理評価装置12における処理手
順を図3に示す。レプリカ採取装置11は、研磨、腐食
及びレプリカ接着・剥離の可能な工具11aを有し、静
翼19の調査対象部位に密着してレプリカを採取する(
図3(a))。レプリカ画像処理装置12は、レプリカ
の拡大観察画像20に対して、結晶粒界析出物(炭化物
など)の寸法、粒界被覆率などの析出物パラメータと、
σ相、μ相生成率などの脆化相パラメータを定量計測す
る(図3(b))。ここで、材質劣化度d1 を、加熱
時効時間tと組織回復が不可能となる限界時効時間tc
との比t/tcと定義し、予め実験的に析出物パラメー
タまたは脆化相パラメータと材質劣化度d1 の関係の
マスターカーブ21を実機使用温度範囲について作成し
ておく(図3(c))。図3では、析出物パラメータ実
測値から部材の材質劣化度d1 を判定する場合が示さ
れている。材料劣化限界に達するまでの余寿命年数Y1
 は、現在までの運転年数Yopから、次式で計算され
る。
【0022】       Y1 =Yop(1−d1 )/d1  
             ………(1)なお、脆化相
パラメータは後述する補修判定基準に用いられる。
【0023】図4(a)は、静翼19について、硬さ計
測装置13として硬さ計22を適用した場合を示す図で
ある。硬さは、図4(b)に示すように予め実験により
作成した硬さと材質劣化度d1 のマスターカーブ23
に適用して、材質劣化度d1 に換算される。材料劣化
限界に達するまでの余寿命年数Y1 は、式(1)によ
り計算される。
【0024】図5は、表面画像入力装置15および色調
画像処理評価装置16の処理手順を示す図である。図5
(a)において表面画像入力装置15は静翼19表面の
色調をカラーカメラ等により多色画像として入力してい
る。表面色調分布画像24は、高温酸化・腐食の状態に
より特有の色調分布がある(図5(b))。予め実験に
より色調と酸化・腐食時間tと酸化・腐食減肉限界値に
対応する時間tcの比t/tcで表わされる酸化・腐食
劣化度d2 との関係のマスターカーブ25を実機使用
温度範囲について作成しておき、このマスターカーブを
用いて実機色調計測値から高温酸化・腐食劣化度d2 
を判定する(図5(c))。高温酸化・腐食劣化限界に
達するまでの余寿命年数Y2 は、現在までの運転年数
Yopから、次式で計算される。
【0025】       Y2 =Yop(1−d2 )/d2  
             ………(2)図6は、間隙
計測装置17および間隙評価装置18の処理手順を示す
図である。図6(a)において隙間ゲージ等により静翼
19と、動翼26の間隙の変形量δを計測する。そして
、予め実験または解析により変形量δと、時間tと限界
変形量δcに対応する時間tcとの比t/tcで定義さ
れる変形劣化度d3 との関係をマスターカーブ27と
して実機使用温度範囲について作成しておき、このマス
ターカーブを用いて実機間隙変形計測値から、変形劣化
度d3 を判定する(図6(b))。間隙変形限界に達
するまでの余寿命年数Y3 は、現在までの運転年数Y
opから、次式で計算される。
【0026】       Y3 =Yop(1−d3 )/d3  
             ………(3)次に、き裂発
生および伝播・破壊の寿命評価に関わる作用について説
明する。
【0027】図7は材料特性設定装置4の機能のうち、
き裂発生に関わる材料特性の設定機能を示す図である。 このうち図7(a)はクリープ破断特性28、図7(b
)は低サイクル疲労特性29、図7(c)は繰返し応力
・ひずみ特性30、図7(d)は高サイクル疲労特性3
1を示しており、それぞれ、金属組織変化量・評価装置
1によって求められた材質劣化度d1 に応じて適切な
材料特性が選定される。なお、図示した材料特性とは別
に、補修材料の材料特性も材料特性設定装置4に記憶さ
れている。
【0028】図8は、材料特性設定装置4の機能のうち
、き裂伝播に関わる材料特性の設定機能を示す図である
。このうち図8(a)は疲労き裂伝播特性32、図8(
b)はクリープき裂伝播特性33、図8(c)は破壊じ
ん性34であり、それぞれ材質劣化度d1 に応じて適
切な材料特性が選定される。
【0029】図9は、運転条件設定装置5の機能を表わ
す図である。ガスタービン35に取り付けられた図示し
ない回転計、圧力計、温度計、動力計等により、起動か
ら停止に至るまでの運転パターン36が得られる。ガス
タービン起動時には、静翼表面は高温ガスで熱せられ、
内部は空冷されているため、圧縮の熱応力が発生する。 さらに定常運転時は、定常熱応力とガス曲げ応力にガス
振動応力が重なり合う。停止時には起動時と概ね逆方向
の応力が発生する。このような運転パターンについて有
限要素法を用いて静翼各部の温度・応力の変化パターン
を計算する。
【0030】有限要素法解析により得られた応力波形に
つき、以下のように波形分解を行う。すなわちき裂発生
寿命評価のための波形は、起動停止の変化に相当する低
サイクル波形37と、定常運転中に生じる振動応力波形
38と、定常一定応力波形39とに分解される。一方、
き裂伝播・破壊寿命評価のための波形は、低サイクル波
形40と、平均応力を有する振動波形41と、定常一定
応力波形42に分解される。
【0031】次に、寿命演算装置6において、材料特定
設定装置4および運転条件設定装置からの信号にもとず
いて、き裂発生までの余寿命年数およびき裂伝播・破壊
までの余寿命年数を求める。はじめに、き裂発生までの
余寿命年数を求める。
【0032】図10は、寿命演算装置6の、き裂発生寿
命評価手順を表わす図である。まず、低サイクル疲労損
傷φfを求める。この低サイクル疲労損傷φfは、起動
停止パターンi時の低サイクル疲労波形43について、
材料特性設定装置4で選択された材質劣化度d1 に対
する低サイクル疲労特性29を適用し、次式で計算する
。       φf=Σni /Nfi        
               ………(4)    
        i ただし、ni :iなる起動停止パターンの繰返し数N
f1 :iなる起動停止パターンにおいて生じるひずみ
範囲Δεi に対する低サイクル疲労破損繰返し数ここ
で、ひずみ範囲Δεi を決定するためには、Nube
r による弾塑性解析法を適用する。即ち、図11(a
)に示すように、平均断面応力範囲Δσo を繰返し受
ける構造物44の応力集中部45の局所的な弾塑性ひず
み範囲Δεi は、Neuberの式       Kσ・Kε=Kt           
                ………(5)ただし
、Kσ=Δσi /Δσo :弾塑性応力集中係数Δσ
i :弾塑性局所応力範囲 Kε=Δεi ・E/Δσo :弾塑性ひずみ集中係数
E:ヤング率 Kt =Δσmax /Δσo :弾性応力集中係数Δ
σmax :応力集中部断面の弾性応力範囲分布45に
おける最大値、および次式で表わされる材料特性設定装
置4で選択された材質劣化度d1に対する繰返し応力ひ
ずみ特性       Δεi /2=Δσi /(2E)+{Δ
σi /(2K)}α  ……(6)K,α:d1 に
依存する材料定数との連立方程式を解くことにより決定
される。
【0033】あるいは、ひずみ範囲Δεi を図11(
b)に示す図式解法により解くこともできる。
【0034】次に、高サイクル疲労損傷φf′を求める
。この高サイクル疲労損傷φf′は、図10に示すよう
に運転中の振動パターンj時の高サイクル疲労波形46
について、材料特性設定装置4で選択された材質劣化度
d1 に対する高サイクル疲労特性31を適用し、次式
で計算する。
【0035】       φf′=Σnj ′/Nfj ′    
            ………(7)       
       j ただし、nj ′:jなる振動の繰返し数Nfj ′:
jなる振動パターンの応力振幅Δσj /2に対する高
サイクル疲労破損繰返し数 最後に、クリープ損傷φcを求める。クリープ損傷φc
は、図10に示すように定常一定応力特性47について
、材料特性設定装置4で選択された材質劣化度d1 に
対するクリープ破断特性28を適用し、次式で表わされ
るクリープ損傷φcを計算する。
【0036】
【数1】 ただし、tr:クリープ破断時間
【0037】
【数2】 以上の式により、φf+φf′と、φcの値を予め実験
により作成したき裂発生限界損傷線図48にプロットし
、以下に示す手順により消費寿命Lc、余寿命Lrおよ
びき裂発生までの年数Yφを計算する。
【0038】すなわち、クリープと疲労が重なり合う場
合のき裂発生限界は、損傷和が材料の限界損傷値D(φ
f+φf′,φc)に達した時点であり、この時点を次
式で表わす。
【0039】       φf+φf′+φc=D(φf+φf′,
φc)  ……(9)また一般に、消費寿命Lcおよび
余寿命Lrは次式で計算される。
【0040】       Lc=(φf+φf′+φc)/D(φf
+φf′,φc)……(10)      Lr=1−
Lc                       
       ………(11)そしてき裂発生までの余
寿命年数Yφは次式により計算され出力される。
【0041】       Yφ=YopLr/Lc        
                ………(12)次に
き裂伝播・破壊までの余寿命年数を図12により求める
【0042】図12は、寿命演算装置6の、き裂伝播・
破壊寿命評価手順を示す図である。き裂伝播、破壊寿命
評価は、き裂を残存して運転する場合、または検査限界
以下のき裂を想定する場合について行う。まず、起動停
止パターンi時の応力変動49によるき裂伝播速度da
/dNは、材料特性設定装置4で選択された材質劣化度
d1 に対する疲労き裂伝播特性32に適用して次式に
より計算する。
【0043】       da/dN=CΔKim        
             ………(13)ただし、Δ
Ki :引張応力範囲Δσi に対する応力拡大係数範
【0044】
【数3】 C、m:材質劣化度d1 に依存する定数次に、運転中
の振動パターンj時の応力変動50によるき裂伝播速度
da/dNは、材料特性設定装置4で選択された材質劣
化度d1 に対する応力比R(=σmin /σmax
 )の効果を考慮した疲労き裂伝播特性32に適用して
次式により計算する。
【0045】       da/dN′=CR ΔKj ′mR  
            ………(14)ただし、ΔK
j ′:応力範囲Δσj ′に対する応力拡大係数範囲 CR ,mR :材質劣化度d1 と、応力比Rに依存
する定数 最後に、定常運転中の一定応力51によるき裂伝播速度
da/dtは、材料特性設定装置4で選択された材質劣
化度d1 に対するクリープき裂伝播特性33に適用し
て次式により計算する。
【0046】       da/dt=AKn          
               ………(15)ただし
、K:定常応力σopに対する応力拡大係数
【0047
【数4】 A,n:材質劣化度d1 に依存する定数き裂寸法aは
、(13)〜(15)式により求めた上記各量を運転順
序に従って次式に示すような累積計算により算出する。
【0048】
【数5】 き裂伝播・破壊に至るまでの余寿命年数Yfrは、式(
16)により算出したき裂進展曲線52において、き裂
寸法aが破壊じん性Kcより計算される限界き裂寸法a
c      ac=Kc2 /{(σf)2 π} 
           ………(17)に達するまでの
年数で決定される。
【0049】次に、以上の各余寿命年数(Y1 ,Y2
 ,Y3 ,Yφ,Yfr)は、比較判定装置7におい
て比較され、最も短いものから順に順序付けられる。図
13に保守管理判定装置9の処理手順を示す。まず、比
較判定装置7で判定された最短余寿命年数が次期定検ま
での年数と比較して短いか否かを判定し、短い場合には
補修履歴データ処理装置8に蓄積されている対象部品の
データを参照して補修履歴があるか否かを判定する。同
時に保守管理判定装置9において、補修履歴がある場合
、き裂の除去、熱処理、補修溶接、熱間静水圧処理(H
IP)等の回数、量および範囲が予め設定した限度以内
であるか否かを判定する。限度以内であれば、レプリカ
画像処理評価装置12において得られた前記脆化相パラ
メータを参照し、その量が限界量以下であれば補修を実
施する。
【0050】補修実施と判定された場合、寿命演算装置
6が再度作動し、材料特性設定装置4から、溶接部材等
補修後の材料特性を選択し、き裂発生およびき裂伝播・
破壊までの年数を算出し、次回定検までの部材の健全性
を確認する。一方、補修限度を越えている場合は部品を
交換する。以上の結果は図2の表示装置10により表示
される。
【0051】以上説明したように、本実施例によれば、
ガスタービン静翼の個々の部品の劣化・損傷状態と補修
履歴を総合的に評価・判定して的確な補修・交換の判断
が可能となり、プラントの経済的かつ安定した長期運用
を支援することができる。
【0052】なお、上記実施例において、ガスタービン
静翼の個々の構成部品について保守管理する例を示した
が、これに限らずガスタービン静翼の他の構成部品につ
いて各種余寿命年数を求め、的確な補修・交換を行なっ
てもよい。
【0053】また金属組織変化量に基づいて、き裂発生
、き裂伝播・破壊に係わる材料特性を推定した例を示し
たが、高温酸化・腐食量または変形量に基づいて、き裂
発生、き裂伝播破壊に係わる材料特性を推定してもよい
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高温状態で使用される構造部品の各々について、複合し
た劣化および損傷状態を総合的かつ適確に検出すること
ができる。このため個々の構造部品毎について適切な保
守管理を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的構成を示す図。
【図2】本発明をガスタービン静翼に適用した場合の構
成を示す図。
【図3】ガスタービン静翼のレプリカ採取および金属組
織画像評価手順を示す図。
【図4】ガスタービン静翼の硬さ計測およびその評価手
順を示す図。
【図5】ガスタービン静翼の高温酸化・腐食状態の画像
入力・評価手順を示す図。
【図6】ガスタービン静翼の間隙計測・評価手順を示す
図。
【図7】き裂発生に係わる材料特性と材質劣化度の関係
を示す図。
【図8】き裂伝播・破壊に関わる材料特性と材質劣化度
の関係を示す図。
【図9】ガスタービン運転条件の設定手順を示す図。
【図10】き裂発生寿命評価手順を示す図。
【図11】弾塑性ひずみ範囲の評価方法を示す図。
【図12】き裂伝播・破壊寿命評価手順を示す図。
【図13】補修・交換の判定手順を示す図。
【符号の説明】
1  金属組織変化量計測評価装置 2  高温酸化・腐食量計測評価装置 3  変形量計測評価装置 4  材料特性設定装置 5  運転条件設定装置 6  寿命演算装置 7  比較判定装置 8  補修履歴データ処理装置 9  保守管理判定装置 10  表示装置 11  レプリカ採取装置 12  レプリカ画像処理評価装置 13  硬さ計測装置 14  硬さ評価装置 15  表面画像入力装置 16  色調画像処理評価装置 17  間隙計測装置 18  間隙評価装置 19  ガスタービン静翼

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高温で使用される構造部品の金属組織変化
    量、高温酸化・腐食量、および変形量を各々計測し、そ
    れぞれの許容限界値に到達するまでの余寿命年数を求め
    、金属組織変化量、高温酸化・腐食量および変形量のう
    ち、少なくとも1つの値に基づいてき裂発生に係わる材
    料特性を推定し、かつ構造部品の運転条件に基づいてき
    裂発生までの余寿命年数を求め、金属組織変化量、高温
    酸化・腐食量、および変形量のうち、少なくとも1つの
    値に基づいてき裂伝播・破壊に係わる材料特性を推定し
    、かつ構造部品の運転条件に基づいてき裂伝播・破壊ま
    での余寿命年数を求め、前記各余寿命のうち最も短い余
    寿命年数に基づいて構造部品の保守管理を行なうことを
    特徴とする構造部品の保守管理方法。
  2. 【請求項2】金属組織変化量の計測は、構造部品のレプ
    リカ採取によりミクロ的な金属組織の画像処理を行ない
    、析出物の個数、密度、寸法変化を求め、予め実験によ
    り設定した評価曲線により材質劣化度を計測することに
    よって行なわれることを特徴とする請求項1記載の構造
    部品の保守管理方法。
  3. 【請求項3】金属組織変化量の計測は、硬さ、超音波、
    X線、電位差のいずれか、またはその組合せにより計測
    して行なわれることを特徴とする請求項1記載の構造部
    品の保守管理方法。
  4. 【請求項4】高温酸化、腐食量の計測は、構造部品表面
    の色調変化を画像処理して行なわれることを特徴とする
    請求項1記載の構造部品の保守管理方法。
  5. 【請求項5】変化量の計測は、構造部品の指定部位の寸
    法を計測し、予め実験により設定した評価曲線によって
    変形劣化度を計測することにより行なわれることを特徴
    とする請求項1記載の構造部品の保守管理方法。
  6. 【請求項6】最も短い余寿命年数に基づいて、補修履歴
    を参照して補修回復処置の可否判定を行ない、この可否
    判定に基づいて構造部品の補修・変換を判定・指示する
    ことを特徴とする請求項1記載の構造部品の保守管理方
    法。
  7. 【請求項7】高温で使用される構造部品の金属組織変化
    量、高温酸化・腐食量、および変形量を各々計測し、そ
    れぞれの許容限界値に到達するまでの余寿命年数を求め
    る計測評価装置と、金属組織変化量、高温酸化・腐食量
    、および変化量のうち、少なくとも1つの値に基づいて
    き裂発生およびき裂伝播・破壊に係わる材料特性を推定
    する材料特性設定装置と、構造部品の運転条件データを
    設定する運転条件設定装置と、前記材料特性設定装置お
    よび前記運転条件設定装置からの信号によりき裂発生お
    よびき裂伝播・破壊までの各々の余寿命年数を求める寿
    命演算装置と、前記各余寿命年数を比較し、最も短い余
    寿命年数を出力する比較判定装置とを備えたことを特徴
    とする構造部品の保守管理装置。
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