JP2001215176A - コーティング部材の保守管理支援システム - Google Patents

コーティング部材の保守管理支援システム

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JP2001215176A
JP2001215176A JP2000023153A JP2000023153A JP2001215176A JP 2001215176 A JP2001215176 A JP 2001215176A JP 2000023153 A JP2000023153 A JP 2000023153A JP 2000023153 A JP2000023153 A JP 2000023153A JP 2001215176 A JP2001215176 A JP 2001215176A
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crack
coating
support system
coating film
maintenance management
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JP2000023153A
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English (en)
Inventor
Keisuke Takagi
圭介 高木
Hiroki Yamamoto
浩喜 山本
Takahiro Kubo
貴博 久保
Kazunari Fujiyama
一成 藤山
Junji Ishii
潤治 石井
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】高温の燃焼ガスに曝されるガスタービン翼等に
おける耐食、耐酸化、耐熱コーティング皮膜の表面に発
生するき裂間隔を計測し、ガスタービン翼の補修または
交換時期を非破壊的に的確に判定する。 【解決手段】き裂間隔計測部101と、ひずみ範囲推定
手段102aと、プラント等の起動・停止運転回数を算
出するき裂発生起動・停止運転回数算出手段102b
と、き裂深さ予測手段102cとを有するコーティング
き裂進展診断部102と、き裂進展予測手段103a
と、高温中の使用に伴う析出物厚さを推定する析出物厚
さ推定手段103bと、析出物厚さに基づいてコーティ
ング皮膜の補修の判定の可否を行なうコーティング皮膜
補修可否判定手段103cとを有するコーティング補修
時期診断部とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐食性、耐酸化性
および遮熱性向上等の目的でコーティング被覆を施した
プラント部材等を対象として、その表面に発生する疲労
き裂間隔を計測し、的確な補修・廃却スケジュールを提
供できるコーティング部材の保守管理支援システムに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コーティング部材の代表例とし
て、耐酸化、耐食コーティングを施したガスタービン第
1段動翼が知られており、この動翼を実機プラントで使
用した場合、1万時間程度の比較的短時間のうちにコー
ティング皮膜表面からき裂が発生することが認められて
いる。このようなき裂の発生部位は、主に腹側翼面およ
び前縁部であるが、特に前縁部のき裂が発見されないま
ま運転に供すると、き裂の進展および回転に伴う遠心力
によって翼が破壊に至るという問題を生じる。
【0003】この問題を回避するため、従来ではガスタ
ービン翼の交換、補修等の判定について、運転実績のあ
るプラントの運転データに基づいて経験的に交換時間を
設定している。通常ではこの設定時間の近傍で交換して
いるが、その場合にガスタービン動翼の全数のうちに
は、き裂の発生が認められず、使用可能なものが多く見
られる。しかしながら、これまではき裂が認められずに
使用可能な翼も含めて一括して廃却しているのが実情で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、高温の
燃焼ガスに曝されるガスタービン動翼には、一般にNi
基合金が主に用いられているが、高温酸化および腐食が
大きな問題となることから、基材の表面にMCrAlY
(M:Co、Ni、Fe等)を含有する耐食、耐酸化コ
ーティング皮膜が減圧プラズマ溶射によって形成され、
さらに耐酸化性を高めるためにAlの拡散処理を行うこ
ともある。また、燃焼ガス温度の上昇に伴い、基材のメ
タル温度を低下させるためにMCrAlYを下地とし
て、その上に遮熱のためにジルコニアなどを主成分とす
るセラミックスを被覆するようになってきた。
【0005】ところが、これらのコーティング共通の性
質として、低温での延性が低いという点が挙げられる。
つまり、起動・停止の繰返しによって生ずる熱応力によ
り、負荷方向に対して直角方向のき裂が平行に多数発生
する。
【0006】また、ガスタービン翼延命化の施策として
注目されているリコーティング補修間隔の設定を的確に
行うには、上述のき裂の発生・進展挙動を明らかにし、
き裂先端がコーティング皮膜−基材への界面に達する時
期を正確に判定する必要があるにも拘らず、従来ではそ
のような手段が知られていない。
【0007】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たもので、高温の燃焼ガスに曝されるガスタービン翼等
における耐食、耐酸化、耐熱コーティング皮膜の表面に
発生するき裂間隔を計測し、ガスタービン翼の補修また
は交換時期を非破壊的に的確に判定することができるコ
ーティング部材の保守管理支援システムを提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、耐食性、耐酸化性および遮熱性
向上のためのコーティング皮膜を形成したプラント部材
等のコーティング部材を対象とし、そのコーティング皮
膜の表面に発生したき裂に基づいて前記部材の補修等に
関する支援を行うコーティング部材の保守管理支援シス
テムであって、(A)前記コーティング部材のコーティ
ング皮膜表面に発生したき裂の間隔をき裂間隔計測手段
によって計測するとともに、このき裂間隔の計測データ
をき裂間隔記憶手段に記憶保持させるき裂間隔計測部
と、(B)前記コーティング部材に応力によって発生す
るき裂の間隔とひずみ範囲との関係を予め知識データと
して求めておき、この知識データを使用して前記計測デ
ータのき裂間隔に対応するき裂発生部位のひずみ範囲を
推定するひずみ範囲推定手段と、この推定したひずみ範
囲を基に前記コーティング皮膜の表面へのき裂発生に要
したプラント等の起動・停止運転回数を算出するき裂発
生起動・停止運転回数算出手段と、前記コーティング皮
膜における深さ方向のき裂進展特性を用いてき裂発生後
の起動・停止運転回数に伴うき裂深さを算出するき裂深
さ予測手段とを有するコーティングき裂進展診断部と、
(C)このコーティングき裂進展診断部によって算出し
たき裂深さと前記コーティング皮膜の残存厚さとを比較
し、前記コーティングき裂診断部において算出したき裂
深さに対して前記コーティング皮膜と前記コーティング
部材の基材との界面にき裂が達するプラントの起動・停
止回数を算出するき裂進展予測手段と、高温中の使用に
伴う析出物厚さを推定する析出物厚さ推定手段と、前記
析出物厚さに基づいて前記コーティング皮膜の補修の判
定の可否を行なうコーティング皮膜補修可否判定手段と
を有し、前記プラント等の運転に伴う前記コーティング
部材のき裂深さおよび析出物厚さを推定し、リコーティ
ング実施の指示を行うまでの起動・停止運転回数の出力
その他のコーティング皮膜の保守管理指針を与えるコー
ティング補修時期診断部と、を備えたことを特徴とす
る。
【0009】請求項2の発明は、請求項1記載のコーテ
ィング部材の保守管理支援システムにおいて、き裂間隔
計測手段は、耐食性、耐酸化性および遮熱性向上の目的
でコーティングを被覆したプラント部材のコーティング
皮膜表面に発生したき裂の間隔をプラントから取り外し
た状態で目視で計測する手段であることを特徴とする。
【0010】請求項3の発明は、請求項1記載のコーテ
ィング部材の保守管理支援システムにおいて、き裂間隔
計測手段は、プラント部材のコーティング皮膜表面に発
生したき裂の間隔を渦電流法を用いて計測するものであ
ることを特徴とする。
【0011】請求項4の発明は、請求項1記載のコーテ
ィング部材の保守管理支援システムにおいて、き裂間隔
計測部のき裂間隔計測手段は、プラント運転中にコーテ
ィング部材のき裂発生部位の外観を撮影し、この撮影し
た画像について前記き裂と、き裂以外の部分とを画像処
理にて2値化し、前記き裂に相当する部分についてき裂
間隔を計測するものであり、き裂間隔記憶手段は、予め
用意された部材の番号とき裂発生位置のマトリックス中
に計測されたき裂間隔を入力するものであり、これらき
裂間隔計測手段およびき裂間隔記憶手段は、前記コーテ
ィング部材のき裂診断部位でのき裂間隔の計測から、き
裂間隔計測結果の入力までを自動で行なうものであるこ
とを特徴とする。
【0012】請求項5の発明は、請求項1記載のコーテ
ィング部材の保守管理支援システムにおいて、コーティ
ングき裂進展診断部のひずみ範囲推定手段は、コーティ
ング部材と同じ材質の試験片を用いて熱サイクルと機械
的ひずみとを同時に与える熱機械疲労試験により試験片
表面に発生するき裂間隔と負荷したひずみ範囲の関係の
マスターカーブを予め作成しておき、発生したき裂間隔
を計測することで、運転中に生ずるき裂発生部位のひず
み範囲を推定するものであることを特徴とする。
【0013】請求項6の発明は、請求項1記載のコーテ
ィング部材の保守管理支援システムにおいて、コーティ
ングき裂進展診断部は、ひずみ範囲推定手段に代えて最
大引張応力推定手段を有し、この最大引張応力推定手段
は、コーティング部材と同材質の試験片を用いて熱サイ
クルと機械的ひずみとを同時に与える熱機械疲労試験に
より予め作成した、前記試験片の表面に発生するき裂間
隔と負荷した最大引張応力とのマスターカーブに基づい
て、発生したき裂間隔を計測することにより、運転中に
生ずるき裂発生部位の最大引張応力を推定するものであ
ることを特等とする。
【0014】請求項7の発明は、請求項5記載のコーテ
ィング部材の保守管理支援システムにおいて、コーティ
ング部材の運転条件を想定し、熱サイクルと機械的ひず
みとを同時に与える熱機械疲労試験の波形においてひず
み保持を行うことによって試験片表面に発生するき裂間
隔とひずみ範囲とのマスターカーブを補正することで、
き裂間隔から推定されるひずみ範囲の精度を高めること
を特徴とする。
【0015】請求項8の発明は、請求項6記載のコーテ
ィング部材の保守管理支援システムにおいて、コーティ
ング部材の運転条件を想定し、熱サイクルと機械的ひず
みとを同時に与える熱機械疲労試験の波形においてひず
み保持を行うことによって試験片表面に発生するき裂間
隔と最大引張応力とのマスターカーブを補正すること
で、き裂間隔から推定される最大引張応力の精度を高め
ることを特徴とする。
【0016】請求項9の発明は、請求項1記載のコーテ
ィング部材の保守管理支援システムにおいて、コーティ
ングき裂進展診断部のき裂深さ予測手段は、コーティン
グ皮膜の疲労き裂発生および進展特性を、中空円筒試験
片の熱サイクル−機械ひずみ重畳の熱機械疲労試験中の
ピーク応力変化から求めるものであることを特徴とす
る。
【0017】請求項10の発明は、請求項9記載のコー
ティング部材の保守管理支援システムにおいて、コーテ
ィング皮膜の疲労き裂発生形態を、負荷方向に対して垂
直な方向に平行に多数のき裂が発生する場合と、単一の
き裂が発生する場合とに分類し、コーティング皮膜表面
のき裂発生形態が前者の場合は、コーティング部材が運
転中に受ける温度−ひずみ履歴の関係が逆位相の関係で
あり、後者の場合はコーティング部材が運転中に受ける
温度−ひずみ履歴の関係が逆位相ではないと判定し、逆
位相でない場合には疲労き裂発生および進展特性を補正
することを特徴とする。
【0018】請求項11の発明は、請求項9記載のコー
ティング部材の保守管理支援システムにおいて、耐食
性、耐酸化性および遮熱性向上の目的でコーティングを
被覆したプラント部材の表面に発生したき裂長さを計測
し、疲労き裂発生および進展特性を補正ことするを特徴
とする。
【0019】請求項12の発明は、請求項1記載のコー
ティング部材の保守管理支援システムにおいて、コーテ
ィング補修時期診断部は、き裂深さがコーティング皮膜
の残存厚さを上回る場合には、き裂先端がコーティング
皮膜と基材との界面に達していると判断してリコーティ
ング実施の指示を行い、き裂深さがコーティング皮膜の
残存厚さ以内にある場合には、き裂先端がコーティング
皮膜中にあると判断して継続使用の指示を行う補修判定
手段を有することを特徴とする。
【0020】請求項13の発明は、請求項12記載のコ
ーティング部材の保守管理支援システムにおいて、コー
ティング補修時期診断部は、プラントの運転に伴ってコ
ーティング皮膜表面に形成される酸化膜が高温流体によ
って除去される厚さと、起動停止回数および運転時間と
の関係を予め求めておき、それに基づいてコーティング
皮膜の残存厚さを算出するコーティング残存厚さ算出手
段を有することを特徴とする。
【0021】請求項14の発明は、請求項12記載のコ
ーティング部材の保守管理支援システムにおいて、コー
ティング補修時期診断部は、プラントの運転に伴ってコ
ーティング皮膜表面に形成される酸化膜が高温流体によ
って除去される厚さにより、リコーティング可能な限界
の起動・停止運転回数を補正する起動・停止運転回数補
正手段を有することを特徴とする。
【0022】請求項15の発明は、請求項1記載のコー
ティング部材の保守管理支援システムにおいて、コーテ
ィング皮膜補修時期診断部は、プラントの運転履歴から
部材の温度履歴を入力する温度履歴入力手段と、高温中
での使用によってコーティング皮膜に生成する酸化物お
よび窒化物の厚さを当該部位の温度履歴を用いたコーテ
ィング元素の相互拡散現象のシミュレーションにより算
出する析出物厚さ推定手段を有することを特徴とする。
【0023】請求項16の発明は、請求項1記載のコー
ティング部材の保守管理支援システムにおいて、コーテ
ィング皮膜補修時期診断部は、プラントの運転履歴から
部材の温度履歴を入力する温度履歴入力手段と、温度お
よび高温中の暴露時間と析出物厚さの関係のマスターカ
ーブを予め作成しておき、プラントの温度履歴を用いて
高温中での使用によってコーティング皮膜に生成する酸
化物および窒化物の厚さを推定する析出物厚さ推定手段
とを有することを特徴とする。
【0024】請求項17の発明は、請求項1記載のコー
ティング部材の保守管理支援システムにおいて、コーテ
ィング皮膜補修時期診断部は、プラントの運転履歴から
部材の温度履歴を入力する温度履歴入力手段と、試験片
表面より超音波を入射し、反射される波形の強度より酸
化物および窒化物の厚さを推定する析出物厚さ推定手段
を有することを特徴とする。
【0025】請求項18の発明は、請求項1記載のコー
ティング部材の保守管理支援システムにおいて、コーテ
ィング皮膜補修時期診断部は、プラントの運転履歴から
部材の温度履歴を入力する温度履歴入力手段と、分極に
よって計測された自然電位の新品状態からの上昇量から
プラントの温度履歴を用いて高温中での使用によってコ
ーティング皮膜に生成する酸化物および窒化物の厚さを
推定する析出物厚さ推定手段を有することを特徴とす
る。
【0026】請求項19の発明は、請求項13から16
までのいずれかに記載のコーティング部材の保守管理支
援システムにおいて、コーティング皮膜補修時期診断部
は、析出物厚さ推定手段によって算出した酸化物および
窒化物厚さとコーティング皮膜除去可能な酸化物および
窒化物厚さを比較し、酸化物および窒化物の厚さがコー
ティング皮膜除去コーティング皮膜の除去の可否を判定
するコーティング皮膜補修可否判定手段を有することを
特徴とする。
【0027】請求項20の発明は、請求項1から19ま
でのいずれかに記載のシステムを、ガスタービン翼の補
修時期および廃却時期の管理に適用することを特徴とす
る。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は、コ
ーティング部材としてガスタービンコーティング動翼を
適用したものである。
【0029】第1実施形態(図1〜図11) 図1は、本発明の第1実施形態によるガスタービンコー
ティング動翼の保守管理支援システムを示すブロック図
である。
【0030】この図1に示すように、本実施形態の装置
は大別して、き裂間隔計測部101と、コーティングき
裂進展診断部102と、コーティング補修時期診断部1
03とを備える。
【0031】き裂間隔計測部101は、例えば起動・停
止運転の繰り返しに伴う熱疲労を受ける耐酸化コーティ
ングを被覆したガスタービン動翼の表面に発生したき裂
の間隔を計測するき裂間隔計測手段101aと、計測さ
れたき裂間隔を記憶するき裂間隔記憶手段101bとを
有する。
【0032】コーティングき裂進展診断部102は、予
め求めたき裂間隔とひずみ範囲との関係に基づき、計測
されたき裂間隔からき裂発生部位のひずみ範囲を推定す
るひずみ範囲推定手段102aと、推定したひずみ範囲
を基にコーティング表面のき裂発生に要した起動・停止
運転回数を算出するき裂発生起動・停止運転回数算出手
段102bと、コーティング皮膜における深さ方向のき
裂進展特性を用いてき裂発生後の起動・停止運転回数に
伴うき裂深さを算出するき裂深さ予測手段102cとを
有する。
【0033】コーティング補修時期診断部103は、コ
ーティングき裂進展診断部102にて算出したき裂深さ
とコーティング皮膜の残存厚さとを比較し、コーティン
グき裂診断部102において算出したき裂深さに対して
コーティング皮膜と基材との界面に達するプラントの起
動・停止回数を算出するき裂進展予測手段103aと、
高温中の使用に伴う析出物厚さを推定する析出物厚さ推
定手段103bと、析出物厚さよりコーティング皮膜の
補修の判定の可否を行なうコーティング皮膜補修可否判
定手段103cとを有し、運転に伴う析出物厚さを推定
し、リコーティング実施の指示を行うまでの起動・停止
運転回数を出力する。このコーティング補修時期診断部
103により、コーティング皮膜の保守管理指針を与え
る。すなわち、コーティング補修時期診断部103は、
コーティングき裂進展診断部102にて算出したき裂深
さとコーティング皮膜の残存厚さを比較し、コーティン
グき裂診断部102において算出したき裂深さがコーテ
ィング皮膜と基材の界面に達するプラントの起動・停止
回数を算出し、リコーティング実施の指示を行うまでの
起動・停止運転回数を出力する。
【0034】図2は、き裂間隔計測部101のき裂計測
手段101aにより、ガスタービン動翼1の前縁部のき
裂間隔計測についての実施の様子を示す説明図である。
この図2に示すように、き裂計測においては、コーティ
ング皮膜2を被覆したガスタービン動翼1の点検時に、
き裂5が発生する部位にレプリカ採取範囲6を定め、レ
プリカ7を採取する。
【0035】レプリカ7には、図2に示すように、一定
方向に平行なき裂8が複数転写される。そこで、転写さ
れたレプリカ7のき裂間隔計測位置9について、顕微鏡
観察により裂間隔を読み取り、その平均値を算出する。
【0036】なお、目視によってガスタービン動翼1の
表面から直接き裂間隔を計測する方法、または渦電流法
を用いてプローブを一定速度で走査させる方法が採用で
きる。渦電流法を用いてプローブを走査させる方法で
は、図3に示すように、横軸にプローブの位置、縦軸に
電圧を表した線図が描かれる。プローブがき裂の位置に
来ると、電圧はピーク値10を示すため、電圧のピーク
の間隔11(き裂間隔δ)を読み取り、その平均値を算
出してもよい。
【0037】き裂間隔の計測範囲は、温度解析または温
度解析の結果、または各部位に発生する熱応力を応力解
析の結果により定める。即ち、き裂発生部位に対応する
部位の温度または応力レベルが均一な部分を、き裂間隔
の計測範囲とする。また、計測されたき裂間隔は、き裂
間隔記憶手段によってそれぞれ対応する部品番号と計測
位置のマトリックス上に記録される。
【0038】次に、コーティングき裂進展診断部102
のひずみ範囲推定手段102a、き裂発生起動・停止運
転回数算出手段102b、き裂深さ予測手段102c等
について説明する。
【0039】ひずみ範囲推定手段102aは、図示しな
いがガスタービン動翼1と同一の基材に、同一のコーテ
ィング皮膜を同一厚さに被覆した試験片について、実機
と同等レベルの温度範囲の熱サイクルと機械ひずみとが
重畳した熱疲労試験を行う。
【0040】図4は、この場合の全ひずみ範囲(縦軸)
とき裂間隔(横軸)とを示したものである。この図4に
示すように、試験片表面に発生したき裂間隔δの平均値
と、熱疲労試験における機械ひずみから熱サイクルによ
る熱ひずみを差し引いて得られたひずみ範囲Δεtとの
関係を求める。き裂間隔の平均値と熱疲労試験における
ひずみ範囲との関係は、両対数紙上で直線関係となるこ
とを利用し、き裂間隔とひずみ範囲のマスターカーブを
作成し、各き裂計測部位のひずみ範囲を算出する。
【0041】
【数1】δ=cΔε −α ……(1) 但し、c、αは試験片基材の材質およびコーティング皮
膜の材質による定数である。
【0042】また、ひずみ範囲推定精度向上のため、実
際の運転条件を想定して、熱サイクルと機械的ひずみを
同時に与える熱機械疲労試験波形の最高温度において、
ひずみ保持を行うことによって式(1)で表される試験
片表面に発生するき裂間隔とひずみ範囲のマスターカー
ブは、図5に示す破線13の如く補正されたものを使用
することになる(図5の実線は、補正前のマスターカー
ブを示す)。
【0043】き裂発生起動・停止運転回数算出手段10
2bにおいては、上記のき裂間隔とひずみ範囲のマスタ
ーカーブ作成の際に行うガスタービン動翼1と同一基材
に、同一コーティング皮膜を同一厚さに被覆した試験片
と、ガスタービン動翼1と同一の基材のみの試験片と用
い、実機と同等レベルの温度範囲の熱サイクルと機械ひ
ずみが重畳した熱疲労試験を行う。
【0044】図6は、この場合の応力・繰返し数の関係
を示したものである。この図6に示すように、試験片の
破損繰返し数に対する繰返し数の比(横軸)と、初期最
大引張応力に対する引張応力の比(縦軸)との関係を、
コーティング皮膜を被覆した試験片(特性線15)と基
材のみの試験片(特性線14)とで対比させ、コーティ
ング皮膜を被覆した試験片の引張応力の比が基材のみの
試験片に対して低下し始める時点とする。
【0045】また、き裂深さ予測手段102cでは、予
めコーティング皮膜表面に発生したき裂のコーティング
皮膜中の進展挙動のマスターカーブを作成しておき、き
裂発生からの起動・停止運転回数に伴うき裂深さの変化
を算出する。
【0046】このマスターカーブの作成については、ま
ず図7に示すように、ガスタービン動翼と同一の基材で
製作した長方形断面を持つ試験片16を作成し、その相
対する側面にガスタービン動翼と同一のコーティング皮
膜17を形成する。そして、この試験片16について、
実機と同等レベルの温度範囲の熱サイクルと機械ひずみ
とが重畳した熱疲労試験を行い、コーティング皮膜17
にき裂19を発生させる。そして、試験片16のコーテ
ィング皮膜を形成しない側面(き裂観察面18)から、
読み取り顕微鏡によってコーティング皮膜17のき裂1
9の深さを計測する。これにより前記のマスターカーブ
が作成される。
【0047】なお、図示しないがコーティング皮膜のな
い基材のみの試験片も作成し、この試験片についても前
記と同一の試験を行う。そして、図6に示したような試
験片の破損繰返し数に対する繰返し数の比と、初期最大
引張応力に対する引張応力の比との関係を、コーティン
グ皮膜を被覆した試験片と基材のみの試験片とで対比さ
せ、コーティング皮膜を被覆した試験片の引張応力の比
が基材のみの試験片に対して低下し始める時点から、基
材に達するまでの繰りかえし数比と引張応力の比との関
係から、試験片の断面積減少率を求め、それに伴うき裂
進展速度を算出する。また、実機の温度−ひずみ履歴の
関係により位相差の違いによってマスターカーブを補正
する。
【0048】さらに、き裂長さを計測して、き裂長さの
平均値を求め、図8に示すように、基準となるき裂進展
特性20に対し、き裂長さが短い延性の高いコーティン
グ皮膜の場合には、マスターカーブをき裂進展速度が遅
くなる方向に補正し(破線21)、き裂長さが長い延性
の低いコーティング皮膜の場合には、き裂進展速度が速
くなる方向に補正する(一点鎖線22)。
【0049】次に、コーティング補修時期診断部103
のき裂進展予測手段(補修判定手段)103a、高温中
の使用に伴う析出物厚さ推定手段103b、およびコー
ティング皮膜補修可否判定手段103cについて説明す
る。
【0050】このコーティング補修時期診断部103に
おいては、コーティングき裂進展診断部102にて得ら
れたき裂深さがコーティング皮膜の残存厚さを上回る場
合、き裂先端がコーティング皮膜と基材との界面に達し
ていると判断し、リコーティング実施の指示を行う。ま
た、き裂深さがコーティング皮膜の残存厚さ以内にある
場合には、き裂先端がコーティング皮膜中にあると判断
し、継続使用の指示を行う。
【0051】図9は酸化膜除去厚さと起動停止回数との
関係を示す特性図である。すなわち、運転に伴うコーテ
ィング皮膜表面に形成される酸化膜は、高温流体によっ
て除去されるが、図9に示すように、この厚さ(縦軸)
と起動停止回数および運転時間(横軸)との関係につい
ては起動回数の1次関数で表し、コーティング皮膜の残
存厚さを正確に算出することで、部材の継続使用および
補修の指示精度が向上する。
【0052】また、継続使用の指示を行った場合には、
コーティング皮膜表面に形成される酸化膜が高温流体に
よって除去される厚さ算出手段により、リコーティング
可能な限界の起動・停止運転回数を算出することで、補
修計画を立てるための情報を提供する。
【0053】さらに、補修の指示を行った場合には、部
材の温度履歴からコーティング皮膜に生成される酸化物
や窒化物等の析出物の厚さを考慮する。すなわち、当該
部位の温度履歴を用いたコーティング元素の相互拡散現
象のシミュレーション、および実機と同条件の燃焼ガス
中での時効試験により、図10に示すように、析出物厚
さ(縦軸)の起動回数(横軸)に対するマスターカーブ
を予め作成しておき、このマスターカーブを用いて運転
時間に対応する析出物の厚さを推定する。
【0054】なお、析出物厚さの推定には試験片表面よ
り超音波を入射し、反射される波形の強度と析出物の厚
さとの関係のマスターカーブ、および分極法によって自
然電位の上昇量と析出物厚さとの関係のマスターカーブ
を予め作成しておき、これらのマスターカーブを用いて
運転時間に対応する析出物厚さを推定する方法を用いて
もよい。
【0055】コーティング皮膜補修可否判定手段103
cでは、推定された析出物厚さが一定値に達しているか
否かにより補修の可否判断を行う。図11は、コーティ
ング皮膜除去不可能域23と、コーティング皮膜除去可
能域24とを示している。この図11に示すように、推
定された析出物厚さが一定値に達していない場合には、
コーティング皮膜の除去・リコーティング・拡散熱処理
を行うことで、部材の延命化が行われる。また、推定さ
れた析出物厚さが一定値を越えた場合は、コーティング
皮膜の除去が行えないため、そのまま廃却される。
【0056】以上の第1実施形態によれば、従来コーテ
ィング皮膜が消失するまで運転に供された後に廃却され
ていたガスタービン動翼において、き裂間隔とガスター
ビン動翼の発生したひずみ範囲を推定できるマスターカ
ーブ、および高温中での運転時間の経過に伴う析出物量
評価による補修可否判定手段によって、き裂間隔を計測
するだけで、簡便にして的確なガスタービン動翼の疲労
劣化診断を行うことができ、延命化の保守管理支援が可
能となる。
【0057】第2実施形態(図12〜図14) 図12は、本発明に係るコーティング部材の保守管理支
援システムの第2実施形態を概念的に示すブロック図で
あり、図13および図14は、本実施形態による特性を
示す図である。
【0058】本実施形態が第1実施形態と異なる点は、
図1に示したひずみ範囲推定手段102aに代え、図2
に示すように、最大引張応力推定手段102dを備えた
構成とした点にある。その他の構成については、第1実
施形態と同様であるから、図12の対応部分に図1と同
一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ
説明する。
【0059】き裂発生部位102の最大引張応力推定手
段102dは、き裂間隔を基に予め作成される最大引張
応力のマスターカーブから、き裂間隔計測手段で得られ
たき裂間隔に対するき裂発生部位の最大引張応力を推定
するものである。
【0060】このマスターカーブは、ガスタービン動翼
と同一の基材に、同一のコーティング皮膜を同一の厚さ
に被覆した試験片について、実機と同等レベルの温度範
囲の熱サイクルと機械ひずみが重畳した熱疲労試験を行
い、図13に示すように、試験片表面に発生したき裂間
隔の平均値δと、熱疲労試験の各サイクルにおける最大
引張応力σmaxの関係を求め、き裂間隔の平均値と熱
疲労試験における最大引張応力の関係が両対数紙上で直
線関係となることを利用したものである。すなわち、
【数2】δ=cσmax −α ……(2) 但し、c、αは試験片基材の材質およびコーティング皮
膜の材質による定数である。
【0061】また、最大引張応力推定精度向上のため、
実際の運転条件を想定して、熱サイクルと機械的ひずみ
とを同時に与える熱機械疲労試験波形の最高温度におい
て、ひずみ保持を行う。図14は、き裂間隔の平均値δ
と最大引張応力σmaxとの関係についての補正前後の
マスターカーブを示したものであり、実線25は補正前
のマスターカーブを示し、破線26はひずみ保持の影響
を考慮して補正した後のマスターカーブを示している。
このように、(2)式で表される試験片表面に発生する
き裂間隔と最大引張応力とのマスターカーブは、図14
に破線で示した補正後のものを使用する。
【0062】これにより、本実施形態によれば、従来コ
ーティング皮膜が消失するまで運転に供された後に廃却
されていたガスタービン動翼において、き裂間隔とガス
タービン動翼の発生した最大引張応力を推定できるマス
ターカーブおよび高温中での運転時間の経過に伴う析出
物量評価による補修可否判定手段によって、き裂間隔を
計測するだけで、簡便にして的確なガスタービン動翼の
疲労劣化診断を行うことができ、延命化の保守管理支援
が可能になる。
【0063】第3実施形態(図15) 図15は、本発明に係るコーティング部材の保守管理支
援システムの第3実施形態を概念的に示すブロック図で
ある。
【0064】本実施形態は、第1実施形態の構成におい
て、き裂間隔計測手段101aで使用するき裂計測と、
き裂間隔記憶手段101bにおけるき裂間隔計測結果の
入力までを、自動的に実施するものである。なお、第1
実施形態の構成部分と同一部分には同一の符号を付し、
異なる部分のみ説明する。
【0065】本実施形態においては、ガスタービン動翼
き裂間隔の計測について、ガスタービンロータの回転と
同期させてロータに植え込まれている全ての翼面を撮影
する。そして、撮影した画像を、き裂の部分とき裂でな
い部分とで2値化し、得られた画像についてき裂間隔の
計測を行い、き裂間隔の平均値を算出する。
【0066】また、き裂間隔記憶手段102bでは、予
め翼の番号と計測位置のマトリクスを用意しておき、ひ
ずみ範囲算出部、き裂進展診断部およびコーティング補
修時期診断部において出力された結果を自動的に入力
し、画面上でモニタできるようにする。
【0067】本実施形態によれば、第1実施形態と同様
の効果に加え、き裂間隔の計測から記憶までを自動的に
行うことによって、さらに簡便にして的確なガスタービ
ン動翼の疲労劣化診断を行うことができ、延命化の保守
管理支援が可能となる。
【0068】
【発明の効果】以上で詳述したように、本発明に係るコ
ーティング部材の保守管理支援システムによれば、耐食
性、耐酸化性および遮熱性向上の目的でコーティングを
被覆したガスタービン翼の表面に発生したき裂間隔を計
測し、き裂間隔を基に予め作成されるひずみ範囲のマス
ターカーブから運転中に生ずるき裂発生部位のひずみ範
囲を推定し、推定したひずみ範囲を基にき裂発生に要し
た起動・停止運転回数を設定し、別途求めた深さ方向の
き裂進展特性を用いてき裂発生後の起動・停止運転回数
に伴うき裂深さ算出し、算出した起動・停止運転回数に
伴うき裂深さからリコーティング可能な限界の起動・停
止運転回数を算出するので、簡便にして精度の高い構造
部材の補修・交換などの保守管理上の判断を的確に行う
ことができる等の優れた効果が奏される。
【0069】また、本発明に係るコーティング部材の保
守管理支援システムによれば、耐食性、耐酸化性および
遮熱性向上の目的でコーティングを被覆したガスタービ
ン翼の表面に発生したき裂間隔を計測して運転中に生ず
るき裂発生部位の最大引張応力を推定することで、疲労
寿命の予測が行える。
【0070】さらに、本発明に係るコーティング部材の
保守管理支援システムによれば、耐食性、耐酸化性およ
び遮熱性向上の目的でコーティングを被覆したガスター
ビン翼の表面に発生したき裂深さを渦電流法による非破
壊的き裂深さ計測手段によってリコーティング可能な限
界の起動・停止運転回数を補正することで、高精度の劣
化診断が行える。
【0071】さらにまた、本発明によるコーティング部
材の保守管理支援システムは、ガスタービンの起動・停
止運転回数に伴うコーティング皮膜表面に形成される酸
化膜が高温流体によってはく離する厚さ算出手段によっ
てリコーティング可能な限界の起動・停止運転回数を補
正できる。
【0072】また、本発明によるコーティング部材の保
守管理支援システムによれば、ガスタービンの起動・停
止運転回数に伴いコーティング皮膜−翼基材の界面に形
成する劣化層発生時期および厚さをシミュレーションに
よって算出することにより、リコーティング時期を高精
度で決定することができる。
【0073】また、本発明によるコーティング部材の保
守管理支援システムにおよれば、コーティング皮膜の材
質、被覆手法によらず、ガスタービン翼の表面に発生し
たき裂間隔を計測することで、ガスタービン翼の劣化診
断を容易に行い、延命化のための補修時期を的確に算出
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコーティング部材の保守管理支援
システムの第1実施形態を示すブロック図。
【図2】前記第1実施形態における、ガスタービン動翼
前縁部のき裂間隔計測実施状況を示す図。
【図3】前記第1実施形態における、プローブの位置と
電圧の関係を示す図。
【図4】前記第1実施形態における、試験片表面のき裂
間隔の平均値δと、熱疲労試験における機械ひずみから
熱サイクルによる熱ひずみを差し引いて得られたひずみ
範囲Δεとの関係を示す図。
【図5】前記第1実施形態における、ひずみ保持の影響
を考慮して補正した後のき裂間隔の平均値δとひずみ範
囲Δεとのマスターカーブを示す図。
【図6】前記第1実施形態における、き裂発生回数を示
す図。
【図7】前記第1実施形態で使用する熱機械疲労試験片
を示す模式図。
【図8】前記第1実施形態における、き裂長さによるき
裂進展特性補正例を示す図。
【図9】前記第1実施形態における、除去されるコーテ
ィング皮膜厚さと起動停止回数および運転時間との関係
を示す図。
【図10】前記第1実施形態における、析出物厚さと運
転時間との関係のマスターカーブを示す図。
【図11】前記第1実施形態における、析出物厚さとコ
ーティング皮膜補修可否判定の関係を示す図。
【図12】本発明に係るコーティング部材の保守管理支
援システムの第2実施形態を概念的に示すブロック図。
【図13】前記第2実施形態における、試験片表面のき
裂間隔の平均値δと、最大引張応力σmaxとのマスタ
ーカーブを示す図。
【図14】前記第2実施形態における、補正前後のき裂
間隔の平均値δと最大引張応力σ maxのマスターカー
ブを示す図。
【図15】本発明に係るガスタービン動翼の保守管理支
援システムの第3実施形態を概念的に示すブロック図。
【符号の説明】
1 ガスタービン動翼 2 コーティング皮膜 5 き裂 6 レプリカ採取範囲 7 レプリカ 8 き裂 9 き裂間隔計測位置 13 破線 15 試験片(特性線) 14 試験片(特性線) 16 試験片 17 コーティング皮膜 19 き裂 20 き裂進展特性 21 破線 22 一点鎖線 23 コーティング皮膜除去不可能域 24 コーティング皮膜除去可能域 25 実線 26 破線 101 き裂間隔計測部 101a き裂間隔計測手段 101b き裂間隔記憶手段 102 コーティングき裂進展診断部 102a ひずみ範囲推定手段 102b き裂発生起動・停止運転回数算出手段 102c き裂深さ予測手段 102d 最大引張応力推定手段 103 コーティング補修時期診断部 103a き裂進展予測手段 103b 析出物厚さ推定手段 103c コーティング皮膜補修可否判定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 貴博 神奈川県横浜市鶴見区末広町二丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 藤山 一成 神奈川県横浜市鶴見区末広町二丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 石井 潤治 神奈川県横浜市鶴見区末広町二丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 Fターム(参考) 2G024 AD06 AD18 AD33 BA12 BA21 CA02 CA04 DA01 DA16 FA06 FA13 FA17

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐食性、耐酸化性および遮熱性向上のた
    めのコーティング皮膜を形成したプラント部材等のコー
    ティング部材を対象とし、そのコーティング皮膜の表面
    に発生したき裂に基づく補修等に関する支援を行うコー
    ティング部材の保守管理支援システムであって、(A)
    前記コーティング部材のコーティング皮膜表面に発生し
    たき裂の間隔をき裂間隔計測手段によって計測するとと
    もに、このき裂間隔の計測データをき裂間隔記憶手段に
    記憶保持させるき裂間隔計測部と、(B)前記コーティ
    ング部材に応力によって発生するき裂の間隔とひずみ範
    囲との関係を予め知識データとして求めておき、この知
    識データを使用して前記計測データのき裂間隔に対応す
    るき裂発生部位のひずみ範囲を推定するひずみ範囲推定
    手段と、この推定したひずみ範囲を基に前記コーティン
    グ皮膜の表面へのき裂発生に要したプラント等の起動・
    停止運転回数を算出するき裂発生起動・停止運転回数算
    出手段と、前記コーティング皮膜における深さ方向のき
    裂進展特性を用いてき裂発生後の起動・停止運転回数に
    伴うき裂深さを算出するき裂深さ予測手段とを有するコ
    ーティングき裂進展診断部と、(C)このコーティング
    き裂進展診断部によって算出したき裂深さと前記コーテ
    ィング皮膜の残存厚さとを比較し、前記コーティングき
    裂診断部において算出したき裂深さに対して前記コーテ
    ィング皮膜と前記コーティング部材の基材との界面にき
    裂が達するプラントの起動・停止回数を算出するき裂進
    展予測手段と、高温中の使用に伴う析出物厚さを推定す
    る析出物厚さ推定手段と、前記析出物厚さに基づいて前
    記コーティング皮膜の補修の判定の可否を行なうコーテ
    ィング皮膜補修可否判定手段とを有し、前記プラント等
    の運転に伴う前記コーティング部材のき裂深さおよび析
    出物厚さを推定し、リコーティング実施の指示を行うま
    での起動・停止運転回数の出力その他のコーティング皮
    膜の保守管理指針を与えるコーティング補修時期診断部
    と、を備えたことを特徴とするコーティング部材の保守
    管理支援システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のコーティング部材の保守
    管理支援システムにおいて、き裂間隔計測手段は、耐食
    性、耐酸化性および遮熱性向上の目的でコーティングを
    被覆したプラント部材のコーティング皮膜表面に発生し
    たき裂の間隔をプラントから取り外した状態で目視で計
    測する手段であることを特徴とするコーティング部材の
    保守管理支援システム。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のコーティング部材の保守
    管理支援システムにおいて、き裂間隔計測手段は、プラ
    ント部材のコーティング皮膜表面に発生したき裂の間隔
    を渦電流法を用いて計測するものであることを特徴とす
    るコーティング部材の保守管理支援システム。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のコーティング部材の保守
    管理支援システムにおいて、き裂間隔計測部のき裂間隔
    計測手段は、プラント運転中にコーティング部材のき裂
    発生部位の外観を撮影し、この撮影した画像について前
    記き裂と、き裂以外の部分とを画像処理にて2値化し、
    前記き裂に相当する部分についてき裂間隔を計測するも
    のであり、き裂間隔記憶手段は、予め用意された部材の
    番号とき裂発生位置のマトリックス中に計測されたき裂
    間隔を入力するものであり、これらき裂間隔計測手段お
    よびき裂間隔記憶手段は、前記コーティング部材のき裂
    診断部位でのき裂間隔の計測から、き裂間隔計測結果の
    入力までを自動で行なうものであることを特徴とするコ
    ーティング部材の保守管理支援システム。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のコーティング部材の保守
    管理支援システムにおいて、コーティングき裂進展診断
    部のひずみ範囲推定手段は、コーティング部材と同じ材
    質の試験片を用いて熱サイクルと機械的ひずみとを同時
    に与える熱機械疲労試験により試験片表面に発生するき
    裂間隔と負荷したひずみ範囲の関係のマスターカーブを
    予め作成しておき、発生したき裂間隔を計測すること
    で、運転中に生ずるき裂発生部位のひずみ範囲を推定す
    るものであることを特徴とするコーティング部材の保守
    管理支援システム。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のコーティング部材の保守
    管理支援システムにおいて、コーティングき裂進展診断
    部は、ひずみ範囲推定手段に代えて最大引張応力推定手
    段を有し、この最大引張応力推定手段は、コーティング
    部材と同材質の試験片を用いて熱サイクルと機械的ひず
    みとを同時に与える熱機械疲労試験により予め作成し
    た、前記試験片の表面に発生するき裂間隔と負荷した最
    大引張応力とのマスターカーブに基づいて、発生したき
    裂間隔を計測することにより、運転中に生ずるき裂発生
    部位の最大引張応力を推定するものであることを特等と
    するコーティング部材の保守管理支援システム。
  7. 【請求項7】 請求項5記載のコーティング部材の保守
    管理支援システムにおいて、コーティング部材の運転条
    件を想定し、熱サイクルと機械的ひずみとを同時に与え
    る熱機械疲労試験の波形においてひずみ保持を行うこと
    によって試験片表面に発生するき裂間隔とひずみ範囲と
    のマスターカーブを補正することで、き裂間隔から推定
    されるひずみ範囲の精度を高めることを特徴とするコー
    ティング部材の保守管理支援システム。
  8. 【請求項8】 請求項6記載のコーティング部材の保守
    管理支援システムにおいて、コーティング部材の運転条
    件を想定し、熱サイクルと機械的ひずみとを同時に与え
    る熱機械疲労試験の波形においてひずみ保持を行うこと
    によって試験片表面に発生するき裂間隔と最大引張応力
    とのマスターカーブを補正することで、き裂間隔から推
    定される最大引張応力の精度を高めることを特徴とする
    コーティング部材の保守管理支援システム。
  9. 【請求項9】 請求項1記載のコーティング部材の保守
    管理支援システムにおいて、コーティングき裂進展診断
    部のき裂深さ予測手段は、コーティング皮膜の疲労き裂
    発生および進展特性を、中空円筒試験片の熱サイクル−
    機械ひずみ重畳の熱機械疲労試験中のピーク応力変化か
    ら求めるものであることを特徴とするコーティング被覆
    材の保守管理支援システム。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のコーティング部材の保
    守管理支援システムにおいて、コーティング皮膜の疲労
    き裂発生形態を、負荷方向に対して垂直な方向に平行に
    多数のき裂が発生する場合と、単一のき裂が発生する場
    合とに分類し、コーティング皮膜表面のき裂発生形態が
    前者の場合は、コーティング部材が運転中に受ける温度
    −ひずみ履歴の関係が逆位相の関係であり、後者の場合
    はコーティング部材が運転中に受ける温度−ひずみ履歴
    の関係が逆位相ではないと判定し、逆位相でない場合に
    は疲労き裂発生および進展特性を補正することを特徴と
    するコーティング被覆材の保守管理支援システム。
  11. 【請求項11】 請求項9記載のコーティング部材の保
    守管理支援システムにおいて、耐食性、耐酸化性および
    遮熱性向上の目的でコーティングを被覆したプラント部
    材の表面に発生したき裂長さを計測し、疲労き裂発生お
    よび進展特性を補正ことするを特徴とする熱機械疲労試
    験法。
  12. 【請求項12】 請求項1記載のコーティング部材の保
    守管理支援システムにおいて、コーティング補修時期診
    断部は、き裂深さがコーティング皮膜の残存厚さを上回
    る場合には、き裂先端がコーティング皮膜と基材との界
    面に達していると判断してリコーティング実施の指示を
    行い、き裂深さがコーティング皮膜の残存厚さ以内にあ
    る場合には、き裂先端がコーティング皮膜中にあると判
    断して継続使用の指示を行う補修判定手段を有すること
    を特徴とするコーティング部材の保守管理支援システ
    ム。
  13. 【請求項13】 請求項12記載のコーティング部材の
    保守管理支援システムにおいて、コーティング補修時期
    診断部は、プラントの運転に伴ってコーティング皮膜表
    面に形成される酸化膜が高温流体によって除去される厚
    さと、起動停止回数および運転時間との関係を予め求め
    ておき、それに基づいてコーティング皮膜の残存厚さを
    算出するコーティング残存厚さ算出手段を有することを
    特徴とするコーティング部材の保守管理支援システム。
  14. 【請求項14】 請求項12記載のコーティング部材の
    保守管理支援システムにおいて、コーティング補修時期
    診断部は、プラントの運転に伴ってコーティング皮膜表
    面に形成される酸化膜が高温流体によって除去される厚
    さにより、リコーティング可能な限界の起動・停止運転
    回数を補正する起動・停止運転回数補正手段を有するこ
    とを特徴とするコーティング被覆材の保守管理支援シス
    テム。
  15. 【請求項15】 請求項1記載のコーティング部材の保
    守管理支援システムにおいて、コーティング皮膜補修時
    期診断部は、プラントの運転履歴から部材の温度履歴を
    入力する温度履歴入力手段と、高温中での使用によって
    コーティング皮膜に生成する酸化物および窒化物の厚さ
    を当該部位の温度履歴を用いたコーティング元素の相互
    拡散現象のシミュレーションにより算出する析出物厚さ
    推定手段を有することを特徴とするコーティング部材の
    保守管理支援システム。
  16. 【請求項16】 請求項1記載のコーティング部材の保
    守管理支援システムにおいて、コーティング皮膜補修時
    期診断部は、プラントの運転履歴から部材の温度履歴を
    入力する温度履歴入力手段と、温度および高温中の暴露
    時間と析出物厚さの関係のマスターカーブを予め作成し
    ておき、プラントの温度履歴を用いて高温中での使用に
    よってコーティング皮膜に生成する酸化物および窒化物
    の厚さを推定する析出物厚さ推定手段とを有することを
    特徴とするコーティング部材の保守管理支援システム。
  17. 【請求項17】 請求項1記載のコーティング部材の保
    守管理支援システムにおいて、コーティング皮膜補修時
    期診断部は、プラントの運転履歴から部材の温度履歴を
    入力する温度履歴入力手段と、試験片表面より超音波を
    入射し、反射される波形の強度より酸化物および窒化物
    の厚さを推定する析出物厚さ推定手段を有することを特
    徴とするコーティング部材の保守管理支援システム。
  18. 【請求項18】 請求項1記載のコーティング部材の保
    守管理支援システムにおいて、コーティング皮膜補修時
    期診断部は、プラントの運転履歴から部材の温度履歴を
    入力する温度履歴入力手段と、分極によって計測された
    自然電位の新品状態からの上昇量からプラントの温度履
    歴を用いて高温中での使用によってコーティング皮膜に
    生成する酸化物および窒化物の厚さを推定する析出物厚
    さ推定手段を有することを特徴とするコーティング部材
    の保守管理支援システム。
  19. 【請求項19】 請求項13から16までのいずれかに
    記載のコーティング部材の保守管理支援システムにおい
    て、コーティング皮膜補修時期診断部は、析出物厚さ推
    定手段によって算出した酸化物および窒化物厚さとコー
    ティング皮膜除去可能な酸化物および窒化物厚さを比較
    し、酸化物および窒化物の厚さがコーティング皮膜除去
    コーティング皮膜の除去の可否を判定するコーティング
    皮膜補修可否判定手段を有することを特徴とするコーテ
    ィング部材の保守管理支援システム。
  20. 【請求項20】 請求項1から19までのいずれかに記
    載のシステムを、ガスタービン翼の補修時期および廃却
    時期の管理に適用することを特徴とするコーティング部
    材の保守管理支援システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010197166A (ja) * 2009-02-24 2010-09-09 Chugoku Electric Power Co Inc:The 欠陥検出方法
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KR101231460B1 (ko) 2006-12-12 2013-02-07 현대자동차주식회사 플라즈마 합성 가스 개질기의 코킹 진단 시스템
JP2017146224A (ja) * 2016-02-18 2017-08-24 三菱日立パワーシステムズ株式会社 合金材料の評価方法

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