JP3414582B2 - 高温機器の寿命監視装置 - Google Patents

高温機器の寿命監視装置

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JP3414582B2 JP11804796A JP11804796A JP3414582B2 JP 3414582 B2 JP3414582 B2 JP 3414582B2 JP 11804796 A JP11804796 A JP 11804796A JP 11804796 A JP11804796 A JP 11804796A JP 3414582 B2 JP3414582 B2 JP 3414582B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば火力発電プ
ラントに適用されるガスタービン等の高温機器につい
て、高温流体に曝される部材表面の性状変化を非破壊的
に計測し、機器部材の損傷率の経年的な変化を把握して
機器の寿命消費を監視する高温機器の寿命監視装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、エネルギーの有効利用や地球環境
保護等の観点から、発電プラント等における効率を高め
るため、ガスタービン等の原動機の高温化や大型化が急
速に進んでおり、これらの機器を構成する部材の使用条
件はますます過酷さを増している。特に高温流体に曝さ
れる主要高温部材には、起動停止や定常運転中の温度お
よび応力の上昇、変動等により、金属組織の劣化やき
裂、変形などの損傷が生じるため、それらの劣化および
損傷の的確な評価はもとより、劣化および損傷の進行を
できるだけ抑制するような運用方法を用いることが、機
器の安定運用と保守管理コストの低減につながる(例え
ば、藤山他、日本機械学会[No.940−34]シン
ポジウム講演論文集・材料と構造物の強度と破壊、「高
温機器部材における材質劣化と多重き裂損傷のシミュレ
ーション解析」、1994)。
【0003】従来、高温部材の劣化や損傷評価には種々
の方法が提案されてきたが、評価のための基礎情報とし
て温度および応力解析を用いる場合が多い。部材表面
は、流体との熱伝達を行う部分であり、温度分布や熱応
力分布は流体と部材との間の熱伝達率および部材の熱伝
導率によって大きな影響を受ける。
【0004】なかでも、熱伝達率は部材表面の性状に大
きく依存するが、部材表面は使用中に高温酸化、高温腐
食、浸食、き裂、剥離などの原因により、表面粗さが使
用前と比べて粗くなる傾向にある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、温度および応
力の解析に対し、使用中の部材表面の粗さ変化による熱
伝達率の変化を考慮することが必要となるが、これまで
実用的な方法として提案されたものはない。また、運転
中の部材の粗さ変化による熱伝達率の変化およびメタル
温度の変化を予測して材料の劣化や損傷等の加速的進行
を予知し、運転および保守管理上の適切な措置を講ずる
手段もこれまで提案されていない。さらに、表面粗さの
みならず、コーティング厚さ等も基材の温度分布に影響
を与える因子である。一方、使用条件の変化は、部材の
外観やミクロ組織の変化に影響を及ぼすことから、これ
らの計測に基づく的確な寿命監視手段が保守管理上必要
である。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、その目的は、高温機器の運転中に生じる構成部
材の変化に起因する損傷率の変化を把握して寿命監視を
行い、予防保全的保守管理を可能にすること、即ち、部
材の劣化や損傷計測情報および粗さ変化傾向の情報に基
づいて使用中の温度および応力条件の変化を推定し、部
材の損傷率および余寿命を的確に評価することができる
高温機器の寿命監視装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、高
温流体により作動する機器を構成する部材の表面粗さを
計測する表面粗さ計測手段と、予め設定された粗さと熱
伝達率との関係に基づいて前記部材の温度分布を求める
温度計算手段と、この温度計算手段によって求められた
温度分布に基づいて前記部材の熱応力を求める応力計算
手段と、求められた温度分布および応力の関係から損傷
率を計算する損傷率計算手段と、この損傷率計算手段に
よって求められた損傷率を後の予想運転条件に対する部
材の余寿命を予測する余寿命予測手段とを具備したこと
を特徴とする高温機器の寿命監視装置を提供する。
【0008】本発明においては、機器の点検時に高温流
体と接触する部材の表面粗さの経年変化を検出し、表面
粗さ量に応じた熱伝達率を計算して部材温度分布を計算
し、計算後の温度分布を用いて熱応力分布を計算し、例
えば計算後の温度分布および熱応力と機械応力との合成
分布を用いて単位時間当たりクリープ損傷率と起動停止
当りの疲労損傷率を計算し、計算後の損傷率と今後の運
用予測に基づいて余寿命を予測し、表示することが可能
となる。
【0009】請求項2の発明では、請求項1記載の高温
機器の寿命監視装置において、表面粗さ計測手段に加
え、部材の表面コーティング層の厚さを計測するコーテ
ィング厚さ計測手段を具備し、温度計算手段は前記部材
の表面粗さおよびコーティング層の厚さと、そのコーテ
ィング層および基材の熱伝達率とに基づいて温度分布を
計算する機能を有することを特徴とする高温機器の寿命
監視装置を提供する。
【0010】本発明においては、機器の点検時に高温流
体と接触するコーティング施工された部材についてコー
ティング表面粗さの経年変化を計測し、かつコーティン
グ厚さの経年変化を計測し、コーティング表面の熱伝達
率、コーティング層の熱伝導率と厚さ、および基材の熱
伝導率等に基づいて温度分布を計算し、計算後の温度分
布を用いて熱応力分布を計算し、計算後の温度分布およ
び熱応力と機械応力の合成分布を用いて単位時間当たり
クリープ損傷率と起動停止当りの疲労損傷率を計算し、
計算後の損傷率と今後の運用予測に基づいて余寿命を予
測し、表示することが可能となる。
【0011】請求項3の発明では、請求項1記載の高温
機器の寿命監視装置において、表面粗さ計測手段に代
え、または加えて、部材表面の外観着色度合を計測する
表面色調計測手段、もしくは部材表面の酸化物の成分分
析手段を具備し、温度計測手段は前記部材またはその表
面のコーティング層の粗さ、着色度合または酸化物成分
に基づいて温度分布を計算する機能を有することを特徴
とする高温機器の寿命監視装置を提供する。
【0012】本発明においては、機器の点検時に高温流
体と接触する面の経年的な着色度合または酸化物成分を
計測し、この計測値から部材表面温度を計算し、計算し
た表面温度から温度分布を計算し、求めた温度分布を用
いて熱応力分布を計算し、これらの温度分布および熱応
力と機械応力の合成分布を用いて単位時間当たりクリー
プ損傷率と起動停止当りの疲労損傷率を計算し、計算後
の損傷率と今後の運用予測に基づいて余寿命を予測し、
表示することが可能となる。
【0013】請求項4の発明では、請求項1記載の高温
機器の寿命監視装置に加え、機器を構成する部材が使用
中に受けるミクロ組織的な材質劣化を計測する材質劣化
計測手段と、材質劣化計測量に基づいて温度、応力等の
材料特性を計算する材料特性計算手段とを具備したこと
を特徴とする高温機器の寿命監視装置を提供する。
【0014】本発明においては、請求項1の発明に加え
て、機器の点検時に部材が使用中にうける材質劣化を検
出し、材質劣化計測データからクリープと疲労の材料寿
命特性を計算し、クリープと疲労の損傷率を求めること
が可能となる。
【0015】請求項5の発明では、請求項1記載の高温
機器の寿命監視装置に加え、機器を構成する部材が使用
中に受ける変形を計測する変形計測手段と、前記部材の
変形によって変化する具備したことを特徴とする高温機
器の寿命監視装置を提供する。
【0016】本発明においては、請求項1の発明に加え
て、機器の点検時に部材の流体通路を経年的に変化させ
る変形を計測し、変形によって生じる流体通路の変化に
よる流体特性の変化を計算し、熱伝達率を計算すること
が可能となる。
【0017】請求項6の発明では、請求項1記載の高温
機器の寿命監視装置に加え、コーティングに発生する割
れの長さまたは間隔を計測するコーティング割れ計測手
段と、計測したコーティング割れ量から熱応力を推定す
る熱応力推定手段とを具備したことを特徴する高温機器
の寿命監視装置を提供する。
【0018】本発明においては、請求項1の発明に加え
て、機器の点検時に部材表面のコーティングに生じる割
れの長さおよび間隔を計測し、予め設定したコーティン
グ割れ量と熱応力との関係を用いて熱応力を推定するこ
とが可能となる。
【0019】請求項7の発明では、請求項1記載の高温
機器の寿命監視装置に加え、部材の内部冷却孔の表面酸
化厚さを計測する冷却孔酸化皮膜厚さ計測手段を具備
し、温度計算手段は表面粗さと、酸化皮膜形成による熱
伝達率および熱伝導率の変化に基づいて温度分布を計算
する機能を有することを特徴とする高温機器の寿命監視
装置を提供する。
【0020】本発明においては、請求項1の発明に加え
て、機器の点検時に部材の内部冷却孔での酸化皮膜厚さ
の経年変化を計測し、酸化皮膜による熱伝達率および熱
伝導率の変化を計算することが可能となる。
【0021】請求項8の発明では、請求項1から7まで
のいずれかに記載の高温機器の寿命監視装置において、
機器の運転履歴および予想運転条件に対する部材の表面
粗さの経年変化を予測するマスターカーブを予め設定
し、このマスターカーブから予測した粗さに基づき、あ
るいはこれに加えてコーティング層厚さの経年変化を予
測するマスターカーブを予め設定したコーティング厚さ
変化予測手段、または内部冷却孔の酸化層形成を予測す
るマスターカーブを予め設定した冷却孔酸化皮膜厚さ変
化予測手段を具備し、温度計算手段は前記マスターカー
ブの予測値に基づいて熱伝達率および熱伝導率を計算
し、求めた熱伝達率と熱伝導率から部材温度を計算かる
機能を有する一方、余寿命予測手段は、機器の運転状態
および運転履歴等の運転情報をオンライン入力して起動
停止回数および運転時間の積算ならびに増加傾向を計算
し、前記部材の表面損傷率、起動停止回数および運転時
間の増加傾向に基づいて前記部材の寿命および余寿命を
運転中に予測する機能を有することを特徴とする高温機
器の寿命監視装置を提供する。
【0022】本発明においては、機器の使用中に、予め
設定したマスターカーブに基づいて部材表面の粗さ変化
と、コーティング層厚さ変化、内部冷却孔の酸化層変化
等を予測し、これらの変化から温度分布変化を予測し、
また温度分布変化から応力分布変化を予測し、さらに温
度分布変化から材質劣化を予測して、予測した温度分
布、応力分布および劣化材料特性から損傷率の変化を予
測して余寿命を予測することが可能となる。
【0023】請求項9の発明では、請求項1から8記載
の高温機器の寿命監視装置において、機器の稼働中の熱
伝達率および熱伝導率を計測量またはマスターカーブに
基づいて計算し、求めた熱伝達率および熱伝導率から温
度分布を計算する温度計算手段と、求めた温度分布に基
づいて熱応力を計算する応力計算手段と、求めた温度お
よび応力から損傷率を計算して余寿命を予測し、予測し
た余寿命と今後の損傷率から現在の運転条件に対する制
限を表示する寿命消費率予測手段と、運転条件に対する
フィードバック信号を発生させ機器の運転手段を設定す
る運転条件設定手段と、設定された運転条件に基づいて
機器の運転制御を行う運転制御手段とを具備したことを
特徴とする高温機器の寿命監視装置を提供する。
【0024】本発明においては、請求項8の発明に加え
て、機器の起動停止の回数および種類、定常運転時の負
荷、流体温度、流体圧力、回転数、継続時間の運転状態
等を監視し、この運転状態に基づいて予測した損傷率お
よび余寿命から次回の点検までに機器の健全性を保つた
めに必要な運転条件の制限を表示し、運転条件制御のた
めのフィードバック信号を発生して機器の制御を行うこ
とが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る高温機器の寿
命監視装置の実施形態を図面を参照して説明する。
【0026】第1実施形態(図1〜図7) 本実施形態は、請求項1の発明に対応するものである。
図1は装置全体の系統図であり、図2は装置構成を示す
図である。図3〜図7はそれぞれ作用を説明するための
図である。
【0027】本実施形態では寿命監視の対象機器とし
て、燃焼ガスにより作動するガスタービンの動翼または
静翼などの高温ガス通路部品を適用したものである。寿
命監視装置は、図1に示すように、点検時に高温ガス通
路部品の表面粗さを計測する表面粗さ計測手段1と、こ
の表面粗さ計測手段1で得られた表面粗さ計測量を入力
し、予め設定された温度分布に基づいて高温ガス通路部
品の熱伝達率を計算して温度分布を求める計算を行う温
度計算手段2と、ここで求められた温度を用いて熱応力
の計算を行う応力計算手段3と、求められた温度および
応力を用いてクリープおよび疲労による損傷率を求める
損傷率計算手段4と、この損傷率計算手段4で求められ
た損傷率に基づいて予想運転に対する高温ガス通路部品
の余寿命を予測する余寿命予測手段5とを具備して構成
されている。
【0028】図2は、前述した表面粗さ計測手段1の装
置構成を示している。この表面粗さ計測手段は、動翼ま
たは静翼などの高温ガス通路部品6を走査するためのレ
ーザー式または接触式等の粗さ計7と、この粗さ計7で
の計測信号をデジタル値として記憶する粗さ計測用演算
処理装置8とからなっている。そして、粗さ計7で得ら
れた所定の計測範囲内の粗さデータが粗さ計測用演算処
理装置8内において、最大粗さRmax および自乗和平方
根Rrms 等に変換される。
【0029】図3は、図1における温度計算手段2の処
理内容を示している。この温度計算手段2では、まず表
面粗さ計測値(S101)から、粗さレイノルズ数Re
kがマスターカーブに従って決定される(S102)。
熱伝達率に係る無次元量ヌッセルト数Nuは、レイノル
ズ数Re、プラントル数Prおよび粗さレイノルズ数R
ekを含む関数として、次式(1)で与えられる。
【0030】
【数1】 Nu=f(Re,Pr,Rek) ……(1) 熱伝達率αは、ヌッセルト数Nu、流体の熱伝達率λg
および代表寸法Lから次式(2)で計算される(S10
3)。
【0031】
【数2】
【0032】以上の評価式において、粗さが増加すると
熱伝達率が増加し、メタル温度も上昇する。
【0033】次に、次式(3)に示すように、熱伝達率
α、温度Tgの作動流体に、熱伝導率λm、密度ρ、比
熱c、温度Tiの基材が接触しているとき、流体と基材
表面の温度差δTに対して熱伝導方程式を解いて温度分
布を計算する(S104)。
【0034】
【数3】
【0035】図4は温度分布計算の方法を図解したもの
である。この場合、例えば簡便には、入力値(S10
5)に基づき、式(1)を1次元差分化して、次式
(4)を解く(S106)。
【0036】
【数4】
【0037】求められた温度分布(S107)に基づ
き、フックの法則、ひずみの適合条件式および釣り合い
方程式を解くことにより、熱応力分布(S108)が求
められる。このとき、遠心力を考慮して合成応力として
解くことができる。
【0038】以上の解は有限要素法によって得られる
が、局所に注目した簡易1次元差分法解析を用いた簡便
評価では、図5にステップ109〜112で示すよう
に、次式(5)を用いて起動停止間の応力レベルを計算
し、さらに遠心力などの機械応力と合成することで求め
られる。
【0039】
【数5】
【0040】図6は、損傷率計算手段4の処理内容を示
している。温度計算手段2と応力計算手段3で得られた
温度および応力、ならびに応力から換算したひずみ(S
113)に対応するクリープ破断寿命trおよび疲労寿
命Nfをマスターカーブから読み取る(S114)。単
位時間当たりのクリープ損傷率dφc/dtは次式
(6)で計算される(S115)。
【0041】
【数6】 ただし、T:温度、σ:応力
【0042】さらに、起動停止当りの疲労損傷率dφf
/dNは次式(7)で計算される。
【0043】
【数7】 ただし、Δε:ひずみ範囲、σmax :ピーク応力
【0044】図7は、余寿命予測手段5の処理内容を示
している。ここでは、損傷率計算手段4において計算さ
れた計算後損傷率dφc/dtおよびdφf/dNから
(S116)、運転時間と起動停止回数の増加に応じた
累積計算を行い、寿命消費率φを次式(8)で計算する
(S117)。
【0045】
【数8】
【0046】寿命消費率φから、例えば、現在と同様の
運転条件が今後も続くとした場合の余寿命t,Nが次式
(9)で計算される(S118)。
【0047】
【数9】
【0048】このようにして計算された余寿命は、CR
Tなどによって表示される。
【0049】以上の第1実施形態の構成によれば、使用
に伴う高温機器の部材表面粗さの変化による部材温度の
上昇を考慮して余寿命の予測を行うようにしたので、表
面粗さを考慮しない場合に比べて、部材の余寿命を安全
側にかつ精度良く予測することができ、機器部品の予想
しない破損等の不具合を未然に防止することが可能とな
る。
【0050】第2実施形態(図8、図9) 本実施形態は、請求項2の発明に対応するものである。
図8は本実施形態による系統構成を示す図であり、図9
はコーティング厚さ計測手段の構成および作用を示す説
明図である。
【0051】図8に示すように、本実施形態による高温
機器の寿命監視装置は、第1実施形態の構成にコーティ
ング厚さ計測手段9を加え、得られた厚さ計測値を温度
計算手段2に入力し、コーティングを施したガスタービ
ン動翼等に適用できるようにしたものである。その他の
構成は第1実施形態と同様である。
【0052】コーティング厚さ計測手段9は図9に示す
ように、厚さ計測子として例えば超音波計測プローブ1
0を有するとともに、コーティング厚さと表面波減衰と
の関係を求める処理装置12とを備えて構成されてい
る。このコーティング厚さ計測手段9では、超音波計測
プローブ10を用いてコーティング翼11の表面波減衰
定数を計測し、この計測値を予め作成したコーティング
厚さへの換算マスターカーブを用いて処理装置12でコ
ーティング厚さに換算するものである。
【0053】なお、別の方法として、図示しないが、電
磁気法、電位差法などを用いて計測することも可能であ
る。
【0054】熱伝達率の計算については、表面熱伝達率
をコーティング材料物性を用いて第1実施形態と同様の
方法で計算する。また、温度および応力分布については
計測断面の材料をコーティングと基材とに分割して、そ
れぞれの材料物性値を用いて図4に示した第1実施形態
と同様の方法で計算を行う。その他の計算については、
前記第1実施形態と略同様に行い、余寿命を予測する。
【0055】このような第2実施形態によれば、コーテ
ィングを施したガスタービン動翼などの部材について
も、表面粗さの影響を考慮した寿命消費率計算に基づく
余寿命予測が行える。
【0056】第3実施形態(図10、図11) 本実施形態は、請求項3の発明に対応するものである。
図10は装置系統を示す図であり、図11は表面色調計
測手段13の構成および作用を示す説明図である。
【0057】図10に示すように、本実施形態の高温機
器の寿命監視装置は、第1実施形態の表面粗さ計測手段
1に加えて表面色調計測手段13を備え、得られた色調
計測値を温度計算手段2に入力するようになっている。
【0058】表面色調計測手段13は図11に示すよう
に、CCDカメラ16と画像処理装置17とを有してお
り、CCDカメラ16を用いて翼14の表面の色調15
を画像入力し、これを画像処理装置17によりデジタル
信号処理するようになっている。
【0059】このデジタル信号に基づき、図10におけ
る温度計算手段2において色調についての処理が行われ
る。例えば赤褐色の色調は、その下部(翼根側)と約2
00℃の温度差を有しており、色調に対応した簡易的な
温度分布が推定される。このようにして推定した温度分
布は、表面粗さに基づいて推定された温度分布の補正値
として用い、その較正結果を用いて第1実施形態と同様
の寿命消費率計算を行うことができる。
【0060】このような第3実施形態によれば、表面粗
さの効果を考慮した熱伝達率、温度、応力解析と部材表
面の状態から推定できる温度、応力と比較して較正する
ため、一層信頼度の高い寿命消費率解析が行える。
【0061】なお、本実施形態では表面粗さ計測手段1
を省略し、これに代えて表面色調計測手段13を主とな
る計測手段として適用することも可能である。
【0062】また、表面色調計測手段13に代え、図示
しないが部材表面の酸化物の成分分析手段を備えた構成
とすることもできる。
【0063】第4実施形態(図12) 本実施形態は、請求項4の発明に対応するものであり、
図12は装置系統を示す図である。
【0064】本実施形態の高温機器の寿命監視装置は図
12に示すように、第1実施形態に加えて材質劣化計測
手段18および材料特性計算手段19を備えている。
【0065】材質劣化計測手段18は、点検時に部材表
面を計測する手段であり、レプリカの観察手段、または
超音波や電磁気、電気抵抗または微小サンプル試験手段
によるものである。例えば、レプリカによる観察は、N
i基超合金の場合は、Ni,Al,Tiの化合物を微小
な粒子として析出し、材料の強化相としての役割を果た
しているγ′(ガンマプライム)相に着目した方法が既
に提案されており(例えば、岡部他、日本ガスタービン
学会誌、vol.22,No.85,「Ni基超合金I
N738LCの機械的性質に及ぼす材料劣化の影響」、
1994)、この方法を本実施形態においても適用可能
である。
【0066】なお上記のように、本実施形態では電気化
学的方法や超音波法も適用可能である。超音波法につい
ては、コーティング内部のミクロ組織変化を計測する方
法があり、これも適用可能である。
【0067】以上で例示した材料劣化の計測結果は、材
料特性計算手段19において損傷率計算に必要なクリー
プや疲労の材料特性を計算するために用いられる。例え
ばγ′相に着目した方法では、材料のクリープ速度およ
びクリープ寿命と対応するほか、温度推定にも適用で
き、前記の損傷率計算式(6)、(7)の右辺分母の寿
命trおよびNfの補正に用いることができる。
【0068】電気化学的方法は材料の析出物の変化を分
極測定装置により捉えるもので、上述のγ′相の変化と
同様の寿命に対する補正が行える。このように、点検時
の材質の計測結果に基づいて材料寿命を経年変化を考慮
して補正し、寿命評価に反映させることができる。この
ようにして補正した寿命評価式を用いて第1実施形態と
同様の寿命消費率計算を行うことができる。
【0069】なお、材料特性の計算結果は、温度または
応力の補正に使用することもできる。
【0070】このような第4実施形態によれば、高温部
材の表面の性状変化および内部の材質変化の双方を考慮
して温度、応力、材料寿命を評価することにより、精度
の高い余寿命予測が行える。
【0071】第5実施形態(図13、図14) 本実施形態は、請求項5の発明に対応するものである。
図13は装置系統を示す図であり、図14は翼の変形に
伴う流れの変化の状態を示す模式図である。
【0072】図13に示すように、本実施形態の高温機
器の寿命監視装置は、第1実施形態の表面粗さ計測手段
に加え、高温ガス通路部品が使用中に受ける変形を計測
する変形計測手段20、および計測した流路の変化によ
る流速、圧力、流量、乱流状態などの流体条件の計算を
行う流体特性計算手段21を備えている。
【0073】図14(A)、(B)は、例えばガスター
ビン静翼6aの断面変形に伴うガス流れの変化を模式的
に示すものである。高温ガス中では金属にクリープ変形
が生じるため、図14(A)に破線で示すような膨れa
が生じることがある。膨れaが生じると、その部分は同
図(B)の通常状態と比べて流体通路面積が狭くなり、
滑らかな流路が得られなくなる。そのため、流速の不均
一が生じ、乱流状態も複雑に変化して、粗さ変化で見ら
れたような温度上昇が局部的に生じる場合がある。
【0074】図13で示した変形計測手段20として
は、図示しないが定期検査時に使用される比較的簡便な
計測治具、またはレーザーによる3次元計測装置等を適
用することができ、これにより膨れaを定量的に計測す
ることができる。これらによる計測量を用いて、流体特
性計算手段21では第1実施形態で述べた流体無次元量
の計算と熱伝達率の補正計算とを行い、温度計算手段2
にその情報を伝達する。その他の機能は第1実施形態と
同一である。
【0075】以上の第5実施形態によれば、部材の変形
によって生じる温度変化を考慮するため、部材の余寿命
を安全側にかつ精度良く予測することができ、機器部品
の予想しない破損等の不具合を未然に防止することが可
能となる。
【0076】第6実施形態(図15、図16) 本実施形態は、請求項6の発明に対応するものである。
図15は装置系統を示す図であり、図16はコーティン
グ割れ計測手段22の構成および作用を示す図である。
【0077】図15に示すように、本実施形態の高温機
器の寿命監視装置は、第1実施形態の表面粗さ計測手段
に加え、コーティングに発生する割れの長さまたは間隔
を計測するコーティング割れ計測手段22と、コーティ
ング割れ計測値に基づいて熱応力を推定する熱応力推定
手段23とを備えている。
【0078】コーティング割れ計測手段22としては、
表面色調計測手段13と同様の装置を適用することがで
きる。例えば図16に示すように、CCDカメラ16等
を用いて表面の微細割れ24を画像入力し、これを画像
処理装置17によりデジタル信号処理する。この信号に
基づき、図15の熱応力推定手段23において、割れ計
測量として割れの間隔と割れ分布領域の高さに基づく応
力推定を行う。割れの間隔は、発生応力に比例し、割れ
領域の高さは起動停止回数に比例する。この関係を用い
て、予め実験と過去の検査履歴データをもとに設定した
マスターカーブを用いて表面に生じる応力レベルを推定
し、第1実施形態の手順で計算した応力を補正する。そ
の補正結果を用いて第1実施形態と同様の寿命消費率計
算を行う。
【0079】以上の第6実施形態によれば、応力を割れ
の計測結果に基づいて補正するため、温度分布と併せて
一層信頼度の高い余寿命予測が行える。
【0080】第7実施形態(図17、図18) 本実施形態は、請求項7の発明に対応するものである。
図17は装置系統を示す図であり、図18は冷却孔の酸
化皮膜形成状況を示す説明図である。
【0081】図17に示すように、本実施形態の高温機
器の寿命監視装置は、第1実施形態の表面粗さ計測手段
1に加えて内部冷却孔の表面厚さを計測する冷却孔酸化
皮膜厚さ計測手段25を備えている。
【0082】図18にガスタービン動翼6aの断面を示
すように、内部冷却孔6bには金属の酸化が生じ、表面
に酸化層皮膜6cが形成される。この皮膜6cは、熱伝
達と熱伝導の両面で冷却能力を低下させる効果がある。
熱伝達率では、表面粗さの増加により増加の傾向を示
し、熱伝導では、断面温度勾配の低下により、金属部分
の温度を上昇させる。
【0083】そこで、図17の冷却孔酸化皮膜厚さ計測
手段25では、図18で示す酸化層厚さδを内径寸法計
測またはX線透過写真撮影により計測し、かつ酸化皮膜
表面粗さを計測して、温度計算手段2により第1実施形
態と同様に温度計算を行い、その計算結果を用いて第1
実施形態と同様の寿命消費率計算を行うものである。
【0084】以上の第7実施形態によれば、内部冷却孔
の酸化による金属部温度の温度分布変化を考慮するた
め、一層信頼度の高い余寿命予測が行える。
【0085】第8実施形態(図19〜図22) 本実施形態は、請求項8の発明に対応するものである。
図19は装置系統を示す図であり、図20はガスタービ
ンの運転時に計測される運転状態量の計測システムを示
す構成図である。また、図21は温度補正手順を示す作
用説明図であり、図22は寿命消費率計算手順を示す作
用説明図である。
【0086】図19に示すように、本実施形態の高温機
器の寿命監視装置では、第1実施形態の表面粗さ計測手
段1に代えて、運転状態計測手段26、運転履歴記録手
段27、表面粗さ変化予測手段28、コーティング厚さ
変化予測手段29および冷却孔酸化皮膜厚さ変化予測手
段30を備えている。また、前記の余寿命予測手段5に
代えて、寿命・余寿命予測手段31を備えている。
【0087】運転状態計測手段26では、機器の起動か
ら停止までの運転時に作動流体の圧力、流量、流速、温
度と、機器の回転数および負荷が計測される。例えば図
20に示すシステムにおいて、ガスタービン32の運転
時に燃焼器32aへの燃料ガス流量33が計測されると
ともに、ガスタービン32ではタービン出口ガス温度3
5が計測され、またコンプレッサ34では入口流量36
が計測される。さらに、コンプレッサ34の吐出圧力3
7およびガスタービン32の回転速度の信号38も計測
される。これらの計測値がA/Dコンバータ39を経
て、時間信号40とともにデジタル信号に変換され、時
間と組み合わせたデータセットとして一時記憶され、部
品の設計諸元に基づき各部の流体温度、圧力、流量、流
速等の諸量41として変換される。
【0088】これらの諸量41は、図3および図4に示
した第1実施形態と同様の計算手順により、温度分布お
よび熱応力分布の計算に用いられる。このとき、温度補
正を行うためには、表面粗さ計測量またはコーティング
厚さ計測量または冷却孔酸化皮膜厚さ計測量などが必要
であるが、本実施形態では、これらの諸量の変化につい
て、予めマスターカーブを作成しておき、そのマスター
カーブに基づいて予測し、温度補正を行うものである。
【0089】図21(A)〜(F)は、温度補正の手順
を示す図である。表面粗さは、図21(A)に示すよう
に、段階的に変化する上昇傾向を有する。このマスター
カーブに対応する1次温度変化カーブも図22(B)に
示すように、既に説明した計算により容易に得られ、同
様の傾向を有する。次に、コーティング厚さは、図21
(C)に示すように漸増傾向を有する。このマスターカ
ーブに対応する温度変化カーブを、表面粗さから補正し
た1次温度変化カーブと合成して図22(D)に示すよ
うに、2次補正温度変化カーブを作成する。さらに、酸
化膜厚さは、放物線則に従うため、図21(E)に示す
漸増傾向を有する。そごて、このマスターカーブに対応
する温度変化カーブと合成して、図22(F)に示すよ
うに、3次補正温度変化カーブを作成するものである。
【0090】図22(A)〜(C)は、寿命・余寿命予
測手段31における予測手順を示すものである。即ち、
図22(A)に示す温度補正カーブ(図22(F)と同
一)を用いて、損傷率の補正(図22(B))と、寿命
消費率の補正(図22(C))を行った結果を示すもの
である。ここで温度補正に対応した熱応力の計算および
損傷率・寿命消費率の計算法は、第1実施形態で述べた
通りである。
【0091】このような計算を機器の運転開始から最終
寿命に至るまで行って寿命予測するとともに、検査によ
って得られた表面粗さなどの計測量を用いて補正計算す
ることにより、余寿命を計算することができる。このと
き、既に消費した寿命と将来の寿命消費の配分を計算す
るために、過去の運転時間および起動停止回数が、運転
状態計測手段26の情報をもとに運転履歴記録手段27
に蓄積され、寿命消費率予測手段31に供給される。
【0092】以上の第8実施形態によれば、運転中の機
器構成部材の温度変化を予め予測し、それに基づいて寿
命消費率を予測するため、寿命および余寿命予測が行え
る。温度補正計算は表面粗さなどの計測量が無い場合で
も行うことができるが、マスターカーブに対して計測量
をもとに補正を行うことによって、一層精度の高い余寿
命予測を行うことができる。
【0093】第9実施形態(図23、図24) 本実施形態は、請求項9の発明に対応するものである。
図23は装置系統を示す図であり、図24は運転条件設
定手段43の作用説明図である。
【0094】図23に示すように、本実施形態の機器の
寿命監視装置は、運転状態計測手段26と、温度計算手
段2と、応力計算手段3と、損傷率計算手段4と、運転
履歴記録手段27と、寿命消費率予測手段42と、運転
条件設定手段43と、運転制御手段44とを備えて構成
されている。
【0095】本実施形態において、運転状態計測手段2
6および運転履歴計測手段27の機能は第8実施形態の
ものと同一である。温度計算手段2は、第8実施形態で
示した表面粗さ変化予測手段28、コーティング厚さ変
化予測手段29および冷却孔酸化皮膜厚さ変化予測手段
30の機能を含んでいる。
【0096】損傷率計算手段4、寿命消費率予測手段4
2および運転条件設定手段43では、図24に示すよう
に、次の処理が行われる。まず、温度計算手段2および
応力計算手段3からは、温度(S201)および応力
(S202)と、時間(S203)との関係が、刻々の
運転情報に基づいて出力される(S204)。このと
き、現時点での温度と温度変化率とを外挿することによ
って(S205,S206)、起動完了時点までに生じ
るピーク応力を予測することができる。
【0097】即ち、起動時の運転パターンは、ガスター
ビンにおいては、着火後無負荷フルスピードに到達した
後、負荷併入されるが、起動過程をこれらの過程毎に区
分して区分内での昇温速度が継続するとして外挿し、区
分終了時のピーク応力を評価部位の解析モデルを用いて
計算する(S206)。今回計算時以前の区分でのピー
ク応力は記憶されているため、これと併せてピーク間の
応力範囲Δσおよびこれに対応するひずみ範囲Δεを求
める。1起動−停止サイクルでの疲労寿命消費率損傷φ
fは、例えば次式(10)で計算される。
【0098】
【数10】
【0099】損傷が疲労単独ではないときには、クリー
プによる損傷も考慮して、寿命消費率φを例えば次式
(11)で計算する(S207)。
【0100】
【数11】
【0101】この寿命消費率φを所定の制限値φoと比
較し(S208)、寿命消費率φが所定の制限値φoを
越えて両者の差(φ−φo)が所定の値κより大きい場
合には、これが低下するように温度上昇速度を減少させ
て熱伝達率計算および温度・応力の時間変化計算を再度
行う(S209)。両者の差が所定の値κ以下であれ
ば、これを起動速度設定値(S210)として、図23
の運転条件設定手段43にて制御信号が作られ、この信
号はさらに図23の運転制御手段44に伝達される。
【0102】運転制御手段44は、例えば、前述の図2
0を示したガスタービンシステムのコンプレッサ開度
(コンプレッサ入口流量36)や燃料供給弁開度(燃料
ガス流量33)などを制御して温度上昇率や流量増加率
などを抑制する指令信号を各機器に伝達する。この運転
制御は、自動モードあるいは運転者の判断によりマニュ
アルで指令され、これらの情報はCRT画面等により示
され、運転者の判断を支援する。
【0103】以上の第9実施形態によれば、運転中の部
材の温度変化を考慮して熱伝達率、温度、応力を解析
し、運転中の寿命消費の加速傾向を事前に察知して余寿
命予測を行うとともに、寿命消費率を制限した運転制御
支援が可能となり、機器の安定運用を実現できる。
【0104】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、機器の
運転に伴い部材の表面性状と部材内部の材質が変化する
ことによる影響を考慮して、的確な寿命評価が行えると
ともに、寿命消費を抑えた運転制御も可能となるため、
機器の運転信頼性が向上でき、また、過度の安全側評価
を避けることができるため、保守管理コストを低減させ
ることができるなどの効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の高温機器の寿命監視装
置を示す系統図。
【図2】同実施形態の高温機器の寿命監視装置の表面粗
さ計測手段の構成および作用を示す図。
【図3】同実施形態の高温機器の寿命監視装置の温度計
算手段の計算手順を示す図。
【図4】同実施形態の高温機器の寿命監視装置の応力計
算手段の計算手順を示す図。
【図5】同実施形態の高温機器の寿命監視装置の応力計
算手段の計算手順を示す図。
【図6】同実施形態の高温機器の寿命監視装置の損傷率
計算手段の計算手順を示す図。
【図7】同実施形態の高温機器の寿命監視装置の余寿命
予測手段の予測手順を示す図。
【図8】本発明の第2実施形態の高温機器の寿命監視装
置を示す系統図。
【図9】同実施形態の高温機器の寿命監視装置における
コーティング厚さ計測手段の構成および作用を示す図。
【図10】本発明の第3実施形態の高温機器の寿命監視
装置を示す系統図。
【図11】同実施形態の高温機器の寿命監視装置におけ
る表面色調計測手段の構成および作用を示す図。
【図12】本発明の第4実施形態の高温機器の寿命監視
装置を示す系統図。
【図13】本発明の第5実施形態の高温機器の寿命監視
装置を示す系統図。
【図14】同実施形態におけるガスタービン静翼の変形
によるガス流れの変化を説明するための模式図で、
(A)は変化時の状態を示し、(B)は通常時の状態を
示す。
【図15】本発明の第6実施形態の高温機器の寿命監視
装置を示す系統図。
【図16】同実施形態の高温機器の寿命監視装置におけ
るコーティング割れ計測手段の構成および作用を示す
図。
【図17】本発明の第7実施形態の高温機器の寿命監視
装置を示す系統図。
【図18】同実施形態における内部冷却孔酸化層厚さ形
成状況を示す説明図。
【図19】本発明の第8実施形態の高温機器の寿命監視
装置を示す系統図。
【図20】同実施形態におけるガスタービン系統と運転
状態を監視するための計測諸量を示す説明図。
【図21】(A)〜(F)は、同実施形態の高温機器の
寿命監視装置におけるマスターカーブによる温度変化予
測手順を示す図。
【図22】(A)〜(C)は、同実施形態の高温機器の
寿命監視装置における寿命・余寿命予測手順を示す図。
【図23】本発明の第9実施形態の高温機器の寿命監視
装置を示す系統図。
【図24】同実施形態の高温機器の寿命監視装置の寿命
消費率制限運転制御手順を示す図。
【符号の説明】
1 表面粗さ計測手段 2 温度計算手段 3 応力計算手段 4 損傷率計算手段 5 余寿命予測手段 7 レーザー式粗さ計 8 粗さ計測用演算処理装置 9 コーティング厚さ計測手段 13 表面色調計測手段 18 材質劣化計測手段 19 材料特性計算手段 20 変形計測手段 21 流体特性計算手段 22 コーティング割れ計測手段 23 熱応力推定手段 25 冷却孔酸化皮膜厚さ計測手段 26 運転状態計測手段 27 運転履歴記録手段 28 表面粗さ変化予測手段 29 コーティング厚さ変化予測手段 30 冷却孔酸化皮膜厚さ変化予測手段 31 寿命・余寿命予測手段 32 寿命消費率予測手段 43 運転状態設定手段 44 運転制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉岡 洋明 神奈川県横浜市鶴見区末広町2の4 株 式会社東芝 京浜事業所内 (72)発明者 村上 格 神奈川県横浜市鶴見区末広町2の4 株 式会社東芝 京浜事業所内 (56)参考文献 特開 平6−331507(JP,A) 特開 昭61−184432(JP,A) 特開 昭60−196657(JP,A) 特開 平6−200701(JP,A) 特開 平7−217407(JP,A) 特開 昭61−277034(JP,A) 特開 平5−290017(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01D 21/00 F01D 25/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温流体により作動する機器を構成する
    部材の表面粗さを計測する表面粗さ計測手段と、予め設
    定された粗さと熱伝達率との関係に基づいて前記部材の
    温度分布を求める温度計算手段と、この温度計算手段に
    よって求められた温度分布に基づいて前記部材の熱応力
    を求める応力計算手段と、求められた温度分布および応
    力の関係から損傷率を計算する損傷率計算手段と、この
    損傷率計算手段によって求められた損傷率を後の予想運
    転条件に対する部材の余寿命を予測する余寿命予測手段
    とを具備したことを特徴とする高温機器の寿命監視装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の高温機器の寿命監視装置
    において、表面粗さ計測手段に加え、部材の表面コーテ
    ィング層の厚さを計測するコーティング厚さ計測手段を
    具備し、温度計算手段は前記部材の表面粗さおよびコー
    ティング層の厚さと、そのコーティング層および基材の
    熱伝達率とに基づいて温度分布を計算する機能を有する
    ことを特徴とする高温機器の寿命監視装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の高温機器の寿命監視装置
    において、表面粗さ計測手段に代え、または加えて、部
    材表面の外観着色度合を計測する表面色調計測手段、も
    しくは部材表面の酸化物の成分分析手段を具備し、温度
    計測手段は前記部材またはその表面のコーティング層の
    粗さ、着色度合または酸化物成分に基づいて温度分布を
    計算する機能を有することを特徴とする高温機器の寿命
    監視装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の高温機器の寿命監視装置
    に加え、機器を構成する部材が使用中に受けるミクロ組
    織的な材質劣化を計測する材質劣化計測手段と、材質劣
    化計測量に基づいて温度、応力等の材料特性を計算する
    材料特性計算手段とを具備したことを特徴とする高温機
    器の寿命監視装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の高温機器の寿命監視装置
    に加え、機器を構成する部材が使用中に受ける変形を計
    測する変形計測手段と、前記部材の変形によって変化す
    る具備したことを特徴とする高温機器の寿命監視装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の高温機器の寿命監視装置
    に加え、コーティングに発生する割れの長さまたは間隔
    を計測するコーティング割れ計測手段と、計測したコー
    ティング割れ量から熱応力を推定する熱応力推定手段と
    を具備したことを特徴する高温機器の寿命監視装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の高温機器の寿命監視装置
    に加え、部材の内部冷却孔の表面酸化厚さを計測する冷
    却孔酸化皮膜厚さ計測手段を具備し、温度計算手段は表
    面粗さと、酸化皮膜形成による熱伝達率および熱伝導率
    の変化に基づいて温度分布を計算する機能を有すること
    を特徴とする高温機器の寿命監視装置。
  8. 【請求項8】 請求項1から7までのいずれかに記載の
    高温機器の寿命監視装置において、機器の運転履歴およ
    び予想運転条件に対する部材の表面粗さの経年変化を予
    測するマスターカーブを予め設定し、このマスターカー
    ブから予測した粗さに基づき、あるいはこれに加えてコ
    ーティング層厚さの経年変化を予測するマスターカーブ
    を予め設定したコーティング厚さ変化予測手段、または
    内部冷却孔の酸化層形成を予測するマスターカーブを予
    め設定した冷却孔酸化皮膜厚さ変化予測手段を具備し、
    温度計算手段は前記マスターカーブの予測値に基づいて
    熱伝達率および熱伝導率を計算し、求めた熱伝達率と熱
    伝導率から部材温度を計算かる機能を有する一方、余寿
    命予測手段は、機器の運転状態および運転履歴等の運転
    情報をオンライン入力して起動停止回数および運転時間
    の積算ならびに増加傾向を計算し、前記部材の表面損傷
    率、起動停止回数および運転時間の増加傾向に基づいて
    前記部材の寿命および余寿命を運転中に予測する機能を
    有することを特徴とする高温機器の寿命監視装置。
  9. 【請求項9】 請求項1から8記載の高温機器の寿命監
    視装置において、機器の稼働中の熱伝達率および熱伝導
    率を計測量またはマスターカーブに基づいて計算し、求
    めた熱伝達率および熱伝導率から温度分布を計算する温
    度計算手段と、求めた温度分布に基づいて熱応力を計算
    する応力計算手段と、求めた温度および応力から損傷率
    を計算して余寿命を予測し、予測した余寿命と今後の損
    傷率から現在の運転条件に対する制限を表示する寿命消
    費率予測手段と、運転条件に対するフィードバック信号
    を発生させ機器の運転手段を設定する運転条件設定手段
    と、設定された運転条件に基づいて機器の運転制御を行
    う運転制御手段とを具備したことを特徴とする高温機器
    の寿命監視装置。
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